【実施例】
【0184】
以下、実施例を用いて、本発明を具体的に説明する。実施例に示されたものは、本発明の実施形態の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0185】
実施例1は、本発明の修飾ペプチドの製造中間体である、リンカー分子、GlcNAc化合物、糖物質又はその誘導体の製造例であり、実施例2はそれら中間体を用いて修飾ペプチドの製造例である。試験例は、本発明の修飾ペプチドの特性や効果を試験した例である。
【0186】
[実施例1]
<実施例1−1>
(1−1A)酢酸[(2R,3S,4R,5R,6R)-3,4-ジアセトキシ-6-ヒドロキシ-5-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチル(化合物1−1A、下記式の化合物)の合成
【0187】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0188】
グルコサミン塩酸塩(10.0 g, 46.38 mmol)と炭酸水素ナトリウム(11.7 g, 139 mmol)を水(100 mL)に溶解し、室温でクロロギ酸2,2,2-トリクロロエチル(7.66 mL, 55.7 mmol)を滴下し、1時間攪拌した。反応溶液に1N塩酸を加え中和し、生じた沈殿をろ取した。水で固体を洗浄後真空ポンプで乾燥した。得られた固体をピリジン(50 mL)に溶解し、室温で無水酢酸(24.1 mL, 255 mmol)を加え終夜攪拌した。溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20‐33:67, v/v)で精製し、中間体の粗生成物を無色油状物(19.4 g)として得た。
【0189】
得られた中間体の粗生成物(19.4 g)をN,N-ジメチルホルムアミド(200mL)に溶解し、室温でヒドラジン酢酸塩(4.01 g, 44.5 mmol)を加え1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで薄め、10%食塩水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20‐25:75, v/v)で精製し、目的物1−1Aを白色固体(11.6 g、2工程収率52%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.42 (1H, d, J = 9.8 Hz), 5.37-5.32 (2H, m), 5.16-5.10 (1H, m), 4.80 (1H, d, J = 11.7 Hz), 4.64 (1H, d, J = 12.1 Hz), 4.26-4.22 (2H, m), 4.17-4.12 (1H, m), 4.09-4.03 (1H, m), 3.46-3.43 (1H, m), 2.10 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.02 (3H, s).
【0190】
(1−1B)酢酸[(2R,3S,4R,5R,6S)-3,4-ジアセトキシ-6-(2,2,2-トリクロロエタンイミドイル)オキシ-5-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロピラン-2-イル]メチル(化合物1−1B、下記式の化合物)の合成
【0191】
【化40】
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【0192】
1−1A(5.00 g, 10.4 mmol)をジクロロメタン(35 mL)に溶解し、0℃でトリクロロアセトニトリル(10.4 mL, 104 mmol)とジアザビシクロウンデセン(0.467 mL, 3.12 mmol)を加えた。反応液を室温まで昇温し、40分攪拌した。溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25‐50:50, v/v)で精製し、目的物1−1Bを無色油状物(3.70 g、収率57%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 8.81 (1H, s), 6.43 (1H, d, J = 3.9 Hz), 5.37-5.34 (1H, m), 5.27-5.22 (2H, m), 4.72 (2H, dd, J = 16.2, 11.9 Hz), 4.32-4.26 (2H, m), 4.16-4.10 (2H, m), 2.09 (3H, s), 2.06 (6H, s).
【0193】
(1−1C)(2S)-3-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸ベンジル(化合物1−1C、下記式の化合物)の合成
【0194】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0195】
1−1B(2.77 g, 4.44 mmol)をジクロロメタン(50 mL)に溶解し、室温で(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシプロパン酸ベンジル(1.31 g, 4.44 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(8.0 μL, 0.0444 mmol)を加え1時間攪拌した。トリエチルアミン(0.1 mL)を加え溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25‐33:67, v/v)で精製し、中間体の粗生成物を白色固体(2.01 g)として得た。
【0196】
得られた中間体の粗生成物(2.01 g)を無水酢酸(50 mL)に溶解し、0.1 N塩酸、メタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄し乾燥させた亜鉛(1.5 g, 22.9 mmol)を室温で加え、6時間攪拌した。反応液をセライトでろ過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50‐0:100, v/v)で2回精製し、目的物1−1Cを無色固体(0.846 g、2工程収率31%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.40-7.33 (5H, m), 5.52-5.43 (2H, m), 5.29-5.15 (3H, m), 5.04 (1H, t, J = 9.6 Hz), 4.70 (1H, d, J = 8.2 Hz), 4.49-4.46 (1H, m), 4.27-4.23 (2H, m), 4.11-4.07 (1H, m), 3.84 (1H, dd, J = 10.6, 3.5 Hz), 3.75-3.73 (1H, m), 3.64-3.62 (1H, m), 2.07 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.02 (3H, s), 1.94 (3H, s), 1.46 (9H, s).
【0197】
(1−1D)(2S)-3-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(化合物1−1D、下記式の化合物)の合成
【0198】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0199】
1−1C(846 mg, 1.35 mmol)に10%パラジウム炭素(約50%水湿潤品)(150 mg)と酢酸エチル(5 mL)とエタノール(5 mL)を加え、水素雰囲気下室温で3時間攪拌した。反応液をろ過し溶媒を減圧留去することで、中間体の粗生成物を無色油状物(740 mg)として得た。
【0200】
得られた中間体の粗生成物(740 mg)をメタノール(10 mL)に溶解し、0.5 Mナトリウムメトキシド-メタノール溶液(14 mL, 7.0 mmol)を加え室温で20時間攪拌した。反応液が弱酸性になるまでDowex-50を反応液に加えた後、濾過し溶媒を減圧留去することで、目的物1−1Dを淡褐色固体(543 mg、2工程収率98%)として得た。
1H-NMR (CD
3OD) δ: 4.44 (1H, d, J = 8.8 Hz), 4.28-4.25 (1H, m), 4.16 (1H, dd, J = 10.4, 4.4 Hz), 3.87 (1H, dd, J = 12.0, 2.0 Hz), 3.80 (1H, dd, J = 10.4, 4.4 Hz), 3.68 (1H, dd, J = 12.0, 5.6 Hz), 3.62-3.58 (1H, m), 3.45 (1H, dd, J = 10.5, 8.5 Hz), 3.29-3.24 (2H, m), 2.00 (3H, s), 1.44 (9H, s).
FAB-MS: Calcd for C
16H
28N
2O
10: [M+H]
+409, Found 409. 。
【0201】
<実施例1−2>
(1−2A)2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸ベンジル(化合物1−2A、下記式の化合物)の合成
【0202】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0203】
Bull. Chem. Soc. Jpn., 2003, 76, 485-500の記載に準じて製造した、4’,5’-ジヒドロ-2’-メチルオキサゾロ[5’,4’:1,2]-3,4,6-トリ-O-アセチル-1,2-ジデオキシ-α-グルコピラノース(4.30g, 13.1 mmol)をジクロロエタン(50 ml)に溶解し、室温でグリコール酸ベンジル(5.56ml, 39.1 mmol)、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(1.64g, 6.53 mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応溶液を冷却後、氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、有機物を塩化メチレンで抽出した。有機層を1N塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40‐0:100, v/v)で精製し、目的物1−2Aを無色固体(3.45 g、収率53%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.37-7.34 (5H, m), 5.85 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.16-5.08 (4H, m), 4.66 (1H, d, J = 8.3 Hz), 4.33 (2H, s), 4.22 (1H, dd, J= 12.2, 4.4 Hz), 4.09 (1H, dd, J = 12.2, 2.4 Hz), 4.07-4.02 (1H, m), 3.64-3.62 (1H, m), 2.05 (3H, s), 2.01 (3H, s), 1.99 (3H, s), 1.91 (3H, s).
【0204】
(1−2B)2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸(化合物1−2B、下記式の化合物)の合成
【0205】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0206】
1−2A(3.45g, 6.96 mmol)をメタノール(54 ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム-炭素(690mg)を加え、水素雰囲気下室温で3.0時間攪拌した。セライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。ジイソプロピルエーテルを加えて得られた固体をろ取し、目的物1−2Bを無色固体(2.72g、収率96%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.36 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.21-5.10 (2H, m), 4.70 (1H, d, J = 8.8 Hz), 4.39 (1H, d, J = 16.9 Hz), 4.32 (1H, d, J = 16.9 Hz), 4.28 (1H, dd, J = 12.2, 4.9 Hz), 4.15 (1H, dd, J = 12.2, 2.4 Hz), 4.11-4.05(1H, m) 3.72-3.70 (1H, m), 2.10 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.04 (3H, s), 1.97 (3H, s).
【0207】
(1−2C)2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸(化合物1−2C、下記式の化合物)の合成
【0208】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0209】
1−2B(2.72g, 6.73 mmol)をメタノール(42 ml)に溶解し、室温で5mol/Lナトリウムメトキシド-メタノール溶液(2ml,10mmol)を加えた後、室温で一晩間攪拌した。反応終了後、蒸留水(4ml)加えた後に、イオン交換樹脂(Dawex50wx8)を加えてpH3にし、反応溶液を濾過し、溶媒を減圧留去した。ジイソプロピルエーテルを加えて得られた固体をろ取し、目的物1−2Cを無色固体(2.72g、収率96%)として得た。
1H-NMR (D
2O,TMSP) δ: 4.57 (1H, d, J = 8.6 Hz), 4.17 (2H, s), 3.91 (1H, dd, J= 12.5, 1.6 Hz), 3.77-3.72 (2H, m), 3.56-3.41 (3H, m), 2.05 (3H, s).
ESI-LC-MS: Calcd for C
10H
17NO
8: [M+H]
+ 280, Found 280. 。
【0210】
<実施例1−3>
(1−3A)3-[2[2[2[2[[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシアセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(化合物1−3A、下記式の化合物)の合成
【0211】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0212】
1.20 mmol/gの2-クロロトリチルクロライドレジン(694 mg, 0.833 mmol)を固相合成用のカラムに入れ、ジクロロメタン(5 mL)を加え5分しんとうした。ろ過後、3-[2[2[2[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(488 mg, 1 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(730 μL, 4.17 mmol)のジクロロメタン(5 mL)溶液を加え、室温で2時間攪拌した。ろ過後、ジクロロメタン混合溶液(ジクロロメタン:メタノール:N,N-ジイソプロピルエチルアミン=85:10:5, v/v)で3回、ジクロロメタンで3回、N,N-ジメチルホルムアミドで3回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(5 mL)を加え5分しんとう後ろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで3回、ジクロロメタンで3回、ジエチルエーテルで3回洗浄し、真空ポンプで乾燥した。得られたレジン(800 mg)のうち、一部分(200 mg)を固相合成用のカラムに入れ、N,N-ジメチルホルムアミド(2.5 mL)、トリエチルアミン(406 μL, 2.92 mmol)、水(0.5 mL)を加えた。ここに、1−2C(174 mg, 0.625 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(3 mL)とトリエチルアミン(174 μL, 1.25 mmol)とジメチルチオホスホノイルクロリド(80 mg, 0.625 mmol)を室温で1時間攪拌した溶液を加えた。室温で2時間攪拌した後、ろ過しレジンをN,N-ジメチルホルムアミドで3回、ジクロロメタンで3回洗浄した。1%トリフロ酢酸/ジクロロメタン溶液(2 mL)を加え、2分しんとう後ろ液を回収する操作を、10回行った。回収した溶液を減圧留去して粗生成物を得た。0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物1−3Aを白色固体(25 mg)として得た。
ESI-LC-MS: Calcd for C
21H
38N
2O
13: [M+H]
+526, Found 526. 。
【0213】
<実施例1−4>
(1−4A)3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ]プロパン酸(化合物1−4A、下記式の化合物)の合成
【0214】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0215】
3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ) エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ]プロパン酸(320 mg, 0.38 mmol)をメタノール(2 ml)と蒸留水(2 ml)に溶解し、0℃で1N水酸化ナトリウム水溶液(1 ml)を加え、室温で1.5時間攪拌した。0℃で1N塩酸(1 ml)を加え、減圧下で有機溶媒を留去した。蒸留水(10 ml)を加え、ジクロロメタンで洗浄した後、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して無色油状物質として目的物1−4A(233.5 mg, 99%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.63 (2H, br s), 3.79 (2H, t, J = 5.1 Hz), 3.75 (2H, t, J = 5.9 Hz), 3.70-3.68 (2H, m), 3.65-3.61 (42H, m), 3.21-3.17 (2H, m), 2.58 (2H, t, J = 5.9 Hz).
【0216】
(1−4B)3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシアセチル]アミノ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ]プロパン酸(化合物1−4B、下記式の化合物)の合成
【0217】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0218】
1−2C(36.6 mg, 0.13 mmol)をジメチルホルムアミド(500 μl)に溶解し、室温でトリエチルアミン(45.7 μl, 0.33mmol)を加えた後、0℃でジメチルチオホスフィノイルクロリド(16.9 mg, 0.13mmol)のジメチルホルムアミド溶液(500 μl)を加えて、0℃で0.5時間攪拌した。
【0219】
1−4A(67.5 mg, 0.11 mmol)をジメチルホルムアミド(500 μl)に溶解し、0℃で調製した活性エステルを加えて、室温で6時間攪拌した。蒸留水(3 ml)、酢酸(100 μl)を加えて、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して無色油状物質として目的物1−4B(31.0 mg, 32%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.62 (1H, d, J = 6.8 Hz), 7.40 (1H, t, J= 5.4 Hz), 4.47 (1H, d, J = 8.3 Hz), 4.27 (1H, d, J = 16.1 Hz), 4.22 (1H, d, J = 16.1 Hz), 3.90 (1H, dd, J = 12.0, 3.2 Hz), 3.81 (1H, dd, J = 12.2, 4.9 Hz), 3.77 (2H, t, J = 6.1 Hz), 3.74-3.52 (54H, m), 3.39-3.34 (2H, m), 2.59 (2H, t, J = 6.1 Hz), 2.08 (3H, s).
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
37H
70N
2O
21: [M+Na]
+ 901, Found 901. 。
【0220】
<実施例1−5>
(1−5A)3-[2-[2-[2-[2-[[(2S)-4-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(化合物1−5A、下記式の化合物)の合成
【0221】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0222】
3-[2-[2-[2-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(200 mg, 0.547 mmol)を4N塩酸−ジオキサン溶液(2 mL)に溶かし、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去し真空ポンプで乾燥することで、中間体の粗生成物を淡褐色油状物(165 mg)として得た。
【0223】
J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 284-290.の手法に従って製造した(2S)-4-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ]-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソブタン酸(158 mg, 0.364 mmol)とHATU(138 mg, 0.364 mmol)、をN,N-ジメチルホルムアミド(3 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(128 μL, 0.728 mmol)を加え、室温で1分攪拌した。この溶液を、得られた中間体の粗生成物(54.9 mg)に加え、さらにN,N-ジイソプロピルエチルアミン(128 μL, 0.728 mmol)を加えて室温で0.5時間攪拌した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物1−5Aを白色固体(53 mg、2工程収率43%)として得た。
ESI-LC-MS: Calcd for C
28H
50N
4O
15: [M+H]
+683, Found 683.
【0224】
(1−5B)3-[2-[2-[2-[2-[[(2S)-4-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ]-2-[[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシアセチル]アミノ]-4-オキソブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(化合物1−5B、下記式の化合物)の合成
【0225】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0226】
1−5A(53 mg, 0.0777 mmol)に30%トリフルオロ酢酸水溶液を加え、室温で7時間攪拌した。水で薄めて凍結乾燥することで、中間体の粗生成物を淡褐色油状物(45 mg)として得た。
【0227】
1−2C(65.1 mg, 0.233 mmol)とトリエチルアミン(65 μL, 0.466 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.5 mL)に溶解し、ジメチルチオホスホノイルクロリド(30 mg, 0.233 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(0.5 mL)溶液を0℃で加えた。室温まで昇温し、1時間攪拌した。この溶液を0℃まで冷やし、得られた中間体の粗生成物(45 mg)とトリエチルアミン(152 μL, 1.088 mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(2.5 mL)と水(0.5 mL)の混合溶液を加えた。室温まで昇温し、8時間攪拌した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物1−5Bを白色固体(9.25 mg、2工程収率14%)として得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
33H
57N
5O
20: [M+H]
+844, Found 844. 。
【0228】
<実施例1−6>
(1−6A)酢酸[(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-(4-ニトロフェニル)エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチル(化合物1−6A、下記式の化合物)の合成
【0229】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
Bull. Chem. Soc. Jpn., 2003, 76, 485-500の記載に準じて製造した、4,5-ジヒドロ-2-メチルオキサゾロ[5’,4’:1,2]-3,4,6-トリ-O-アセチル-1,2-ジデオキシ-α-グルコピラノース(1.00 g, 3.04 mmol)をジクロロエタン(10 ml)に溶解し、室温でモレュラーシーブス4A(312 mg)、2-(4-ニトロフェニル)-エタノール(2.54 g, 15.2 mmol)、(+)-カンファースルホン酸(0.78 g, 3.34 mmol)を加え、60℃で3時間攪拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=67:33‐0:100, v/v)で精製し、目的物1−6Aを無色固体(1.51 g、収率65%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 8.14 (2H, d, J = 8.9 Hz), 7.38 (2H, d, J = 9.0 Hz), 5.32 (1H, d, J = 8.6 Hz), 5.21 (1H, dd, J = 10.6, 9.4 Hz), 5.07 (1H, t, J = 9.6 Hz), 4.63 (1H, d, J = 8.2 Hz), 4.25 (1H, dd, J = 12.1, 4.7 Hz), 4.20-4.12 (2H, m), 3.88 (1H, dt, J = 10.6, 8.6 Hz), 3.72-3.64 (2H, m), 3.06-2.93 (2H, m), 2.09 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.03 (3H, s), 1.84 (3H, s).
【0231】
(1−6B)酢酸[(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-(4-アミノフェニル)エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチル(化合物1−6B、下記式の化合物)の合成
【0232】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0233】
1−6A(982.0 mg, 1.98 mmol)を酢酸エチル(12 ml)とエタノール(12 ml)に溶解し、10%パラジウム-炭素(250 mg)を加え、水素雰囲気下室温で1.5時間攪拌した。セライトで濾過し、溶媒を減圧留去して目的物1−6Bを無色固体(758 mg、収率82%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.99 (2H, d, J = 8.6 Hz), 6.61 (2H, d, J = 8.6 Hz), 5.32 (1H, d, J = 9.0 Hz), 5.24 (1H, dd, J = 10.6, 9.4 Hz), 5.06 (1H, t, J = 9.6 Hz), 4.60 (1H, d, J = 8.2 Hz), 4.26 (1H, dd, J = 12.1, 4.7 Hz), 4.15-4.04 (3H, m), 3.84 (1H, dt, J = 10.6, 8.4 Hz), 3.68-3.58 (4H, m), 2.78-2.77 (2H, m), 2.09 (3H, s), 2.02 (3H, s), 2.02 (3H, s), 1.88 (3H, s).
【0234】
(1−6C)酢酸[(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-3,4-ジアセトキシ-6-[2-[4-[(エトキシカルボニルアミノ)カルバモイルアミノ]フェニル]エトキシ]テトラヒドロピラン-2-イル]メチル(化合物1−6C、下記式の化合物)の合成
【0235】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0236】
1−6B(568.0 mg, 1.22 mmol)をテトラヒドロフラン(22 ml)に溶解し、室温でトリエチルアミン(424 μl, 3.04 mmol)を加えた後、-10℃でクロロギ酸 4-ニトロフェニル(441.8 mg, 2.19 mmol)を加えて、室温で1.5時間攪拌した。室温でトリエチルアミン(424 μl, 3.04 mmol)を加えた後カルバジン酸エチル(228.2 mg, 2.19 mmol)を加えて、室温で30分攪拌した。反応溶液を水に加え、有機物を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:0‐90:10, v/v)で精製し、目的物1−6Cを無色泡状物質(650.4 mg、収率90%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.88 (1H, br s), 7.24 (2H, s), 7.02 (2H, d, J = 8.2 Hz), 6.58 (1H, br s), 5.27 (1H, t, J = 10.0 Hz), 5.04 (1H, t, J = 10.0 Hz), 4.64 (1H, d, J = 8.6 Hz), 4.27-4.05 (5H, m), 3.90-3.81 (1H, m), 3.73-3.68 (1H, m), 3.61-3.55 (1H, m), 3.49 (2H, d, J = 4.3 Hz), 2.85-2.70 (2H, m), 2.07 (3H, s), 2.00 (6H, s), 1.82 (3H, s), 1.27 (3H, t, J= 9.4 Hz).
【0237】
(1−6D)N-[(2R,3S,4R,5R,6R)-3-アセトアミド2-[2-[4-(3,5-ジオキソ-1,2,4-トリアゾリジン-4-イル)フェニル]エトキシ]-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド(化合物1−6D、下記式の化合物)の合成
【0238】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0239】
1−6C(650.0 mg, 1.09 mmol)をメタノール(30 ml)に溶解し、室温で炭酸カリウム(451.8 mg, 3.27 mmol)を加えて60℃で9.5時間攪拌した。室温に冷やした後、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥し目的物1−6Dを無色固体(462.4 mg, 85%)として得た。
1H-NMR (CD
3OD) δ: 7.35 (4H, dd, J = 13.1, 8.8 Hz), 4.36 (1H, d, J = 8.2 Hz), 4.17 (1H, dt, J = 11.0, 4.8 Hz), 3.87 (1H, dd, J= 11.9, 2.2 Hz), 3.70-3.62 (3H, m), 3.39 (1H, dd, J = 10.2, 8.6 Hz), 3.28-3.22 (2H, m), 2.90 (2H, t, J = 6.3 Hz).
ESI-TOF-MS: Calcd for C
18H
24N
4O
8: [M+H]
+425, Found 425. 。
【0240】
<実施例1−7>
(1−7A)2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチルアミン(化合物1−7A、下記式の化合物)の合成
【0241】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0242】
N-[(2R,3R,4R,5S,6R)- 3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチルアジド(500 mg, 1.72 mmol)をエタノール(20 ml)に溶解し、10%パラジウム-炭素(200mg)を加え、水素雰囲気下室温で3時間攪拌した。セライトで濾過し、溶媒を減圧留去して目的物1−7Aを無色固体(460 mg、収率quant)として得た。
1H-NMR (CD
3OD) δ: 4.38 (1H, d, J = 8.3 Hz), 3.90-3.82 (2H, m), 3.69-3.55 (2H, m), 3.46-3.40 (1H, m), 2.80-2.73 (2H, m), 1.98 (3H, s).
【0243】
(1−7B)N-[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチル]-3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパンアミド(化合物1−7B、下記式の化合物)の合成
【0244】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0245】
1−7A(100 mg, 0.378 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(0.126 mg, 0.473 mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物1−7Bを白色固体(93 mg、収率59%)として得た。
1H-NMR (CD
3OD) δ: 6.82 (2H, s), 4.38 (1H, d, J = 8.6 Hz), 3.89-3.87 (1H, m), 3.78-3.75 (3H, m), 3.66-3.62 (3H, m), 3.44-3.38 (1H, m), 2.67 (4H, s), 2.46 (2H, t, J = 7.0 Hz), 1.98 (3H, s).
ESI-LC-MS: Calcd for C
17H
25N
3O
9: [M+H]
+416, Found 416. 。
【0246】
<実施例1−8>
(1−8A)2-[[(2R)-2-[[2-[[(2R)-2-[[2-[[(2R)-2-[[2-[[(2R)-2-[[2-[[(2R)-2-アセトアミド-3-トリチルスルファニルプロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-トリチルスルファニルプロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-トリチルスルファニルプロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-トリチルスルファニルプロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-トリチルスルファニルプロパノイル]アミノ]酢酸(化合物1−8A、下記式の化合物)の合成
【0247】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
1.20 mmol/gの2-クロロトリチルクロライドレジン(833 mg, 1.00 mmol)を固相合成用のカラムに入れ、ジクロロメタン(7.5 mL)を加え10分振とうした。ろ過後、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸(594 mg, 2 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.86 mL, 5 mmol)のジクロロメタン(7.5 mL)溶液を加え、室温で2時間攪拌した。ろ過後、ジクロロメタン混合溶液(ジクロロメタン:メタノール:N,N-ジイソプロピルエチルアミン=85:10:5, v/v)で3回、ジクロロメタンで3回、ジエチルエーテルで3回洗浄した。真空ポンプで乾燥し、レジン(1.83 g)を回収した。回収したレジンの一部(1.37 g)を固相合成用のカラムに入れた。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-トリチルスルファニル]プロパン酸(1.32 g, 2,25 mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582 μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸(669 mg, 2.25mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-トリチルスルファニル]プロパン酸(1.32 g, 2,25 mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸(669 mg, 2.25mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-トリチルスルファニル]プロパン酸(1.32 g, 2,25 mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸(669 mg, 2.25mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-トリチルスルファニル]プロパン酸(1.32 g, 2,25 mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582 μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸(669 mg, 2.25mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582 μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-トリチルスルファニル]プロパン酸(1.32 g, 2,25 mmol)とHATU(856 mg, 2.25 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(582 μL, 4.50 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(15 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(20 mL)を加え5分間振とうし、反応液をろ過する操作を4回行った。N,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄し、ジクロロメタンで4回、ジエチルエーテルで4回洗浄した。真空ポンプで乾燥し、レジン(1.83 g)を回収した。回収したレジンの一部(360 mg)を固相合成用のカラムに入れた。酢酸(27 mg, 0.45 mmol)とHATU(171 mg, 0.45 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(154 μL, 0.90 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(5 mL)を加え室温で30分振とうした。ろ過後、レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回、ジクロロメタンで4回洗浄した。1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(1 mL)とジクロロメタン(3 mL)の混合溶液を加え、室温で1.5時間振とうした。ろ過してレジンを除き、ろ液を減圧下濃縮した。ジクロロメタンで3回共沸し、真空ポンプで乾燥することで、目的物1−8Aを褐色固体(176 mg)として得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
122H
114N
10O
12S
5: [M+Na]
+ 2094, Found 2094. 。
【0249】
<実施例1−9>
(1−9A)2-[[(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル]アミノ]酢酸ベンジル(化合物1−9A、下記式の化合物)の合成
【0250】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸(1.70 g, 5.00 mmol)、2-アミノ酢酸ベンジル(1.00g, 5.00 mmol)およびHATU(2.90 g, 7.50 mmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(25 mL)に、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(2.60 mL, 15.0 mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。反応溶液を水に加え、有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10‐0:100, v/v)で精製し、目的物1−9Aを淡黄色油状物(2.30 g、収率93%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.40-7.33 (5H, m), 6.63 (1H, s), 5.18 (2H, s), 5.11 (1H, s), 4.63 (1H, s), 4.15-4.03 (3H, m), 3.16-3.06 (2H, m), 1.91-1.81 (1H, m), 1.70-1.59 (1H, m), 1.53-1.24 (22H, m).
MS (ESI): Calcd for C
25H
40N
3O
7: [M+H]
+494, Found 494.
【0252】
(1−9B)2-[[(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル]アミノ]酢酸ベンジル(物質1−9B、下記式の化合物)の合成
【0253】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0254】
1−9A(250 mg, 0.507 mmol)をジクロロメタン(3.0 ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.0 mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。溶媒を減圧留去して目的物1−9Bを淡黄色油状物(247 mg、収率100%)として得た。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 8.95 (1H, t, J = 5.9 Hz), 8.18 (2H, s), 7.71 (2H, s), 7.42-7.34 (5H, m), 5.16 (2H, d, J = 12.5 Hz), 4.12-3.96 (2H, m), 3.87-3.78 (1H, m), 2.78-2.66 (2H, m), 1.76-1.66 (2H, m), 1.54-1.47 (2H, m), 1.40-1.31 (2H, m).
【0255】
(1−9C)2-[[(2S)-2,6-ビス[[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシアセチル]アミノ]ヘキサノイル]アミノ]酢酸ベンジル(化合物1−9C、下記式の化合物)の合成
【0256】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
1−9B(93.0 mg, 0.190 mmol)および1−2C(160mg, 0.573 mmol)を用い、(1−5B)と同様の方法に従って、目的物1−9Cを無色泡状物質(180 mg、収率88%)として得た。
1H-NMR (CD
3OD) δ: 7.39-7.29 (5H, m), 5.16 (2H, s), 4.94-4.84 (2H, m), 4.46-4.39 (3H, m), 4.33-4.27 (2H, m), 4.13-4.00 (3H, m), 3.94 (1H, d, J = 17.6 Hz), 3.91-3.84 (2H, m), 3.78-3.66 (4H, m), 3.50-3.42 (2H, m), 3.38-3.28 (2H, m), 3.22 (2H, t, J = 6.6 Hz), 2.03 (3H, s), 2.01 (3H, s), 1.88-1.81 (1H, m), 1.78-1.67 (1H, m), 1.58-1.50 (2H, m), 1.48-1.35 (2H, m).
【0258】
(1−9D)2-[[(2S)-2,6-ビス[[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシアセチル]アミノ]ヘキサノイル]アミノ]酢酸(化合物1−9D、下記式の化合物)の合成
【0259】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0260】
1−9C(180 mg, 0.221 mmol)をメタノール(50 ml)に溶解し、10%パラジウム-炭素(180 mg)を加え、水素雰囲気下室温で2時間攪拌した。セライトで濾過し、溶媒を減圧留去して目的物1−9Dを淡黄色泡状物質(160 mg、収率100%)として得た。
MS (ESI): Calcd for C
28H
48N
5O
17: [M+H]
+726, Found 726. 。
【0261】
<実施例1−10>
(1−10A)2-[[(2R)-2-[[2-[[(2R)-2-[[2-[[(2R)-2-アセトアミド-3-スルファニルプロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-スルファニルプロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-スルファニルプロパノイル]アミノ]酢酸(化合物1−10A、下記式の化合物)の合成
【0262】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
1.20 mmol/gの2-クロロトリチルクロライドレジン(208 mg, 0.25 mmol)を固相合成用のカラムに入れ、ジクロロメタン(2.5 mL)を加え10分振とうした。ろ過後、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸(149 mg, 0.5 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(219 μL, 1.25 mmol)のジクロロメタン(2.5 mL)溶液を加え、室温で2時間攪拌した。ろ過後、ジクロロメタン混合溶液(ジクロロメタン:メタノール:N,N-ジイソプロピルエチルアミン=85:10:5, v/v)で3回、ジクロロメタンで3回、N,N-ジメチルホルムアミドで3回洗浄した。得られたレジンをAppliedBiosystems社製のペプチド合成機433A Peptide Synthesizerにセットし、脱保護、縮合、脱保護、縮合、脱保護、縮合、脱保護、縮合、脱保護、縮合、脱保護、縮合を合成機で行うことで、ペプチド鎖を伸長した。脱保護にはピペリジンとN-methylpyrrolidoneを用い、縮合反応にはHATUとN,N-ジイソプロピルエチルアミンとN-methylpyrrolidoneと各種カルボン酸を用いた。カルボン酸は(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-トリチルスルファニル]プロパン酸、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸、(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-トリチルスルファニル]プロパン酸、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸、(2R)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-トリチルスルファニル]プロパン酸、酢酸の順で各縮合反応に使用した。得られたレジン(900 mg)の半量(450 mg)を固相合成用のカラムに入れ、トリフルオロ酢酸(2.64 mL)と水(0.27 mL)とフェノール(0.06 g)とトリイソプロピルシラン(0.03 mL)の混合溶液を加えた。室温で2時間しんとうし、トリフルオロ酢酸を留去した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物1−10Aを白色固体(11 mg、収率16%)として得た。
ESI-LC-MS: Calcd for C
17H
28N
6O
8S
3: [M+H]
+ 541, Found 541.
【0264】
(1−10B)2-[[(2R)-2-[[2-[[(2R)-2-[[2-[[(2R)-2-アセトアミド-3-[1-[3-[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチルアミノ]-3-オキソプロピル]-2,5-ジオキソピロリジン-3-イル]スルファニルプロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-[1-[3-[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチルアミノ]-3-オキソプロピル]-2,5-ジオキソピロリジン-3-イル]スルファニルプロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-[1-[3-[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチルアミノ]-3-オキソプロピル]-2,5-ジオキソピロリジン-3-イル]スルファニルプロパノイル]アミノ]酢酸(化合物1−10B、下記式の化合物)の合成
【0265】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
1−10B(11 mg, 0.0203 mmol)と1−7B(33 mg, 0.0794 mmol)をアセトニトリル(1 mL)と0.2 M pH=6.75のリン酸バッファー(1 mL)の混合溶液に溶かし、室温で2時間攪拌した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物1−10Bを白色固体(27 mg、収率74%)として得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
68H
103N
15O
35S
3: [M-H]
+ 1784, Found 1784. 。
【0267】
<実施例1−11>
(1−11A)N-[(2R,3R,4R,5S,6R)- 3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチルアミン トリフルオロ酢酸塩(化合物1−11A、下記式の化合物)の合成
【0268】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
1−7A(120 mg)を蒸留水(6 ml)に溶解させた後に、トリフルオロ酢酸(48 μl)加え、凍結乾燥した。得られたアモルファス状の固体1−11Aは精製せずに用いた。
【0270】
(1−11B)SG-NH
2(化合物1−11B、下記式からなる化合物)の合成
【0271】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0272】
シアリルグリコペプチド(60 mg)を0.2Mリン酸緩衝溶液(pH6.25)(260 μl)に溶解させた後に、Glycosynthase (Endo-M-N175Q, 東京化成工業(株), 1 U/ml)水溶液(100 μl)を加えた。更に、1−11A(28 mg)の0.2Mリン酸緩衝溶液(pH6.25)(160 μl)を加え、28℃で72時間反応させた。反応液に、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(2480 μl)加え反応を停止させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物 SG- NH
2 (28.5 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
86H
143N
7O
62: [M-H]
- 2264.8, Found 2264.8
【0273】
(1−11C)SG-I(化合物1−11C、下記式からなる化合物)の合成
【0274】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
(1−11B)で製造したSG-NH
2(15.0 mg)を43mM炭酸水素ナトリウム水溶液(750 μl)に、氷冷下、30mMヨード酢酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-アセトン溶液(250 μl)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に、酢酸(1.8 μl)を加え反応を停止させ、減圧下、有機溶媒を除去した。0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-I(13.4 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
88H
144IN
7O
63: [M+2H]
2+ 1218.5(ave.), Found 1218.3 。
【0276】
<実施例1−12>
(1−12A)SG-Oxa (化合物1−12A、下記式からなる化合物)の合成
【0277】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
ジシアロオクタサッカリド(東京化成工業(株), 26.0 mg, 12.8 μmol)を蒸留水(210 μl)に溶解し、室温でトリエチルアミン(80.7 μl, 579 μmol)を加えた。0℃で2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド(32.6 mg, 192 μmol)の水溶液(52 l)を加えて、0℃で2時間攪拌した。Sephadex G15(0.03% NH
3水溶液)で精製し、0.1N水酸化ナトリウム水溶液(100 μl)を加えて凍結乾燥し、目的物SG-Oxaを無色固体(24.6 mg, 95%)として得た。
NMR(in D2O)(
図1のチャート)。
【0279】
<実施例1−13>
(1−13A)SG-M(化合物1−13A、下記式からなる化合物)の合成
【0280】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
(1−11B)で製造したSG-NH
2(30.0mg)を43mM炭酸水素ナトリウム水溶液(1500ul)に溶解させ、氷冷下、13.9mM 3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)酪酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-アセトン溶液(500ul)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に、酢酸(3.6ul)を加え反応を停止させ、減圧下、有機溶媒を除去した。0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-M(29mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
93H
148N
8O
65: [M+2H]
2+ 1209.4, Found 1209.4 。
【0282】
<実施例1−14>
(1−14A)2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸 アンモニウム塩(化合物1−14A、下記式の化合物)の合成
【0283】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0284】
1−2C(200 mg)を蒸留水(2 ml)に溶解させた後に、28-30%アンモニア水(100 μl)加え、凍結乾燥した。得られたアモルファス状の固体1−14Aは精製せずに用いた。
【0285】
(1−14B)SG-A(化合物1−14B、下記式からなる化合物)の合成
【0286】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0287】
シアリルグリコペプチド(58 mg)を0.2Mリン酸緩衝溶液(pH6.25)(254 μl)に溶解させた後に、Glycosynthase (Endo-M-N175Q, 東京化成工業(株), 1 U/ml)水溶液(100 μl)を加えた。更に、1−14A(24 mg)の0.2Mリン酸緩衝溶液(pH6.25)(152 μl)を加え、28℃で72時間反応させた。反応液に、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(3000 μl)加え反応を停止させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(資生堂、Proteonavi)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-A(19.5 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
86H
140N
6O
64: [M+2H]
2+ 1142.0(ave.), Found 1141.4
【0288】
<実施例1−15>
(1−15A) (2S)-2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]ペンタンジカルボン酸ジtert-ブチル(化合物1−15A、下記式の化合物)の合成
【0289】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0290】
(2S)-2-アミノペンタンジカルボン酸ジtert-ブチル 塩酸塩(295 mg, 1.00 mmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(5.0 mL)を0℃に冷却し、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(0.510 mL, 3.00 mmol)および(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル) 3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノエート(293 mg, 1.10 mmol)を順次加え、0℃にて1時間攪拌し、さらに室温まで昇温して、室温にて18時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え、有機層を1M塩酸および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5‐0:100, v/v)で精製し、目的物1−15Aを淡黄色油状物(400 mg、収率98%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.70 (2H, s), 6.22 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.48-4.42 (1H, m), 3.91-3.79 (2H, m), 2.60-2.52 (2H, m), 2.35-2.18 (2H, m), 2.13-2.04 (1H, m), 1.93-1.84 (1H, m), 1.46 (9H, s), 1.44 (9H, s).
【0291】
(1−15B) (2S)-2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]ペンタンジカルボン酸(化合物1−15B、下記式の化合物)の合成
【0292】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0293】
1−15A(400 mg, 0.976 mmol)を用い、(1−9B) と同様の手法に従って目的物1−15B(260 mg、収率89% )を得た。
MS (ESI): Calcd for C
12H
15N
2O
7: [M+H]
+299, Found 299.
【0294】
(1−15C)SG-(SG-Gln*)-Mal(化合物1−15C、下記式からなる化合物)の合成
【0295】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
1−15B(30.0 mg, 0.101 mmol)およびN-ヒドロキシコハク酸イミド(58.0 mg, 0.504 mmol)のジクロロメタン溶液(0.400 mL)を0℃に冷却し、ピリジン(0.200 mL, 2.48 mmol)およびトリフルオロ酢酸無水物(70.0 μL, 0.500 mmol)を順次加え、0℃にて10分間攪拌した。室温まで昇温し、室温にてさらに30分間攪拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、有機層を1M塩酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=25:75‐0:100, v/v)で精製し、淡黄色泡状物質(25 mg)を得た。
続いて、得られた生成物の一部(2.00 mg)をN, N-ジメチルホルムアミド(200 μL)に溶解し、(1−11B)で製造したSG-NH
2 (20.0 mg, 8.41μmol)およびN, N−ジイソプロピルエチルアミン(15 μL, 88.0 μmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(600 μL)に加え、室温にて2時間攪拌した。反応溶液に0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(2.0 mL)を加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-(SG-Gln*)-Mal(15.0 mg、収率76%)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
184H
299N
16O
129: [M+3H]
3+ 1599.7 (ave.), Found 1599.6.
。
【0297】
<実施例1−16>
(1−16A) (2S)-2-[3-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパノイルアミノ]ペンタンジカルボン酸ジtert-ブチル(化合物1−16A、下記式の化合物)の合成
【0298】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0299】
(2S)-2-アミノペンタンジカルボン酸ジtert-ブチル塩酸塩(58.0 mg, 0.196 mmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(1.0 mL)を0℃に冷却し、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(0.100 mL, 0.588 mmol)および3-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)(100 mg, 0.195 mmol)を順次加え、0℃にて1時間攪拌し、さらに室温まで昇温して、室温にて20時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え、有機層を1M塩酸および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=98:2‐90:10, v/v)で精製し、目的物1−16Aを淡黄色油状物(100 mg、収率78%)として得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.84 (1H, br s), 6.70 (2H, s), 6.46 (1H, br s), 4.53-4.45 (1H, m), 3.85 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.80-3.71 (2H, m), 3.68-3.60 (12H, m), 3.54 (2H, t, J = 5.1 Hz), 3.42 (2H, q, J = 5.1 Hz), 2.54-2.49 (4H, m), 2.37-2.21 (2H, m), 2.16-2.07 (1H, m), 1.92-1.83 (1H, m), 1.46 (9H, s), 1.43 (9H, s).
MS (ESI): Calcd for C
31H
52N
3O
12: [M+H]
+658, Found 658.
【0300】
(1−16B) (2S)-2-[3-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパノイルアミノ]ペンタンジオン酸(化合物1−16B、下記式の化合物)の合成
【0301】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0302】
1−16(100 mg, 0.152 mmol)を用い、(1−9B) と同様の手法に従って目的物1−16B(83 mg、収率100% )を得た。
MS (ESI): Calcd for C
23H
36N
3O
12: [M+H]
+546, Found 546.
【0303】
(1−16C) SG-(SG-Gln*)-PEG(3)-Mal(化合物1−16C、下記式の化合物)の合成
【0304】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
1−16B(32.0 mg, 58.7 μmol)およびN-ヒドロキシコハク酸イミド(34.0 mg, 0.295 mmol)のジクロロメタン溶液(0.400 mL)を0℃に冷却し、ピリジン(0.200 mL, 2.48 mmol)およびトリフルオロ酢酸無水物(42.0 μL, 0.300 mmol)を順次加え、0℃にて30分間攪拌した。室温まで昇温し、室温にてさらに2時間攪拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、有機層を1M塩酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物(35 mg)を得た。
続いて、得られた粗生成物の一部(0.31 mg)をN, N-ジメチルホルムアミド(20 μL)に溶解し、(1−11B)で製造したSG-NH
2 (2.0 mg, 0.88μmol)およびN, N−ジイソプロピルエチルアミン(1.5 μL, 8.8 μmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(30 μL)に加え、室温にて18時間攪拌した。反応溶液に0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(2.0 mL)を加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-(SG-Gln*)-PEG(3)-Mal(0.60 mg、収率28%)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
195H
320N
17O
134: [M+3H]
3+ 1682.2 (ave.), Found 1682.2. 。
【0306】
<実施例1−17>
(1−17A)AG(9)-P(化合物1−17A、下記式の化合物1)の合成
【0307】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0308】
シアリルグリコペプチド(200 mg)を0.2M酢酸緩衝液(pH5.0)(1000 μl) に溶解させた後に、ノイラミニダーゼ ([E.C.3.2.1.18], ナカライテスク, 1 U/ml)水溶液(1000 μl)を加え、37℃で17時間反応させた。反応終了後、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(2000 μl)を加えた。この反応を2ロット分まとめて、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物 AG(9)-P (307mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
90H
155N
13O
54: [M+2H]
2+ 1142.6(ave.), Found 1142.0
【0309】
(1−17B)AG(7)-P(化合物1−17B、下記式の化合物)の合成
【0310】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0311】
(1−17A)で製造したAG(9)-P(100mg)、硫酸マグネシウム(0.48 mg)、β‐D‐ガラクトシダーゼ(WAKO,600U/mg)(2 mg)を0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)(2000 μl) に溶解させ、37℃で24時間反応させた。β‐D‐ガラクトシダーゼ(WAKO,600U/mg)(1 mg)を加え、更に24時間反応させた。反応終了後、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(2000 μl)を加えた。この反応を2ロット分まとめて、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物AG(7)-P (158 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for [M+H]
+ C
78H
135N
13O
441959.0(ave.), Found 1958.9
【0312】
(1−17C)AG(5)-P(化合物1−17C、下記式の化合物)の合成
【0313】
【化79】
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【0314】
(1−17B)で製造したAG(7)-P(100 mg)を0.2Mリン酸緩衝液(pH6.25)(3150 μl) に溶解させ、100×BSA(New England Bio Labs)(43 μl)、β‐N‐アセチルグルコサミニダーゼ(New England Bio Labs,4000U/ml)(100 μl)を加え、37℃で20時間反応させた。反応終了後、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(1000 μl)を加えた。0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物AG(5)-P(73.8 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for [M+2H]
2+ C
62H
109N
11O
34777.3(ave.), Found 777.3。
【0315】
<実施例1−18>
(1−18A)SG-N
3 (化合物1−18A、下記式の化合物)の合成
【0316】
【化80】
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【0317】
シアリルグリコペプチド(76 mg)を0.2Mリン酸緩衝溶液(pH6.25)(330 μl)に溶解させた後に、Glycosynthase (Endo-M-N175Q, 東京化成工業, 1 U/ml)水溶液(100 μl)を加えた。更に、N-[(2R,3R,4R,5S,6R)- 3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチルアジド (23 mg)の0.2Mリン酸緩衝溶液(pH6.25)(230 μl)を加え、28℃で96時間反応させた。反応液に、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(3000 μl)加え反応を停止させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(資生堂、Proteonavi)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物を主成分として含む固体を得た。続いて、得られた固体を蒸留水(3000 μl)に溶解させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物 SG-N
3 (34.4 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
86H
141N
9O
62: [M+2H]
2+ 1147.5, Found 1147.4。
【0318】
<実施例1−19>
(1−19A)tert-ブチルN-[2-[2-[2-[2-[3-[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチルアミノ]-3-オキソ-プロポキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エチル]カルバメート(化合物1−19A、下記式の化合物)の合成
【0319】
【化81】
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【0320】
3-[2-[2-[2-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸 (100 mg, 0.274 mmol)および1−7A(110 mg, 0.291 mmol)を用い、(1−9A)と同様の方法に従って、目的物1−19Aを淡黄色泡状物質(150 mg、収率90%)として得た。
MS (ESI): Calcd for C
26H
49N
3O
13: [M+H]
+ 612, Found 612.
【0321】
(1−19B)N-[2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシエチル]-3-[2-[2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパナミド(化合物1−19B、下記式の化合物)の合成
【0322】
【化82】
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【0323】
1−19A(150 mg, 0.245 mmol)をジクロロメタン(2.0 ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2.0 mL)を加え、室温にて2時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物1−19B(70 mg, 55%)を無色油状物質として得た。
MS (ESI): Calcd for C
21H
41N
3O
11: [M+H]
+512, Found 512. 。
【0324】
<実施例1−20>
(1−20A)3-[2-[2-[2-[2-[[(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(化合物1−20A、下記式の化合物)の合成
【0325】
【化83】
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【0326】
(2S)-2,6-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸(210 mg, 607 μmol)およびHATU(220 mg, 579 μmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(2.0 mL)に、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(0.410 mL, 2.41 mmol)を加え、室温にて2分間攪拌した。得られた反応溶液を、(1−5A)の手法に従って製造した3-[2-[2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸 (150 mg, 497 μmol)およびN, N−ジイソプロピルエチルアミン(0.260 mL, 1.53 mmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(0.50 mL)に加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物1−20A(240 mg, 80%)を淡黄色油状物質として得た。
MS (ESI): Calcd for C
27H
52N
3O
11: [M+H]
+594, Found 594. 。
【0327】
<実施例1−21>
(1−21A)2-[[(2S)-2-[[2-[[(2S)-2-[[2-[[(2S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシ-プロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-tert-ブトキシ-プロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-tert-ブトキシ-プロパノイル]アミノ]酢酸(化合物1−21A、下記式の化合物)の合成
【0328】
【化84】
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【0329】
1.20 mmol/gの2-クロロトリチルクロライドレジン(166 mg, 0.200 mmol)を固相合成用のカラムに入れ、ジクロロメタン(3 mL)を加え10分振とうした。ろ過後、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸(119 mg, 0.400 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(171 μL, 1.00 mmol)のジクロロメタン(3 mL)溶液を加え、室温で2時間攪拌した。ろ過後、ジクロロメタン混合溶液(ジクロロメタン:メタノール:N,N-ジイソプロピルエチルアミン=85:10:5, v/v)で3回、ジクロロメタンで3回、N,N-ジメチルホルムアミドで3回洗浄した。得られたレジンをAppliedBiosystems社製のペプチド合成機433A Peptide Synthesizerにセットし、脱保護、縮合、脱保護、縮合、脱保護、縮合、脱保護、縮合、脱保護、縮合、脱保護を合成機で行うことで、ペプチド鎖を伸長した。脱保護にはピペリジンとN-methylpyrrolidoneを用い、縮合反応にはHATUとN,N-ジイソプロピルエチルアミンとN-methylpyrrolidoneと各種カルボン酸を用いた。カルボン酸は(2S)-3-tert-ブトキシ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸、(2S)-3-tert-ブトキシ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸、2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)酢酸、(2S)-3-tert-ブトキシ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸の順で各縮合反応に使用した。得られたレジンを固相合成用のカラムに入れ、ヘキサフルオロイソプロパノール(1 mL)とジクロロメタン(3 mL)の混合溶液を加え、室温で2時間振とうした。ろ過してレジンを除き、得られたろ液を減圧下濃縮した。ジクロロメタンで6回共沸し真空ポンプで乾燥することで、目的物1−21Aを白色固体(120 mg、収率97%)として得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
27H
50N
6O
10: [M+H]
+619.4, Found 619.4.
【0330】
(1−21B)2-[[(2S)-2-[[2-[[(2S)-2-[[2-[[(2S)-2-[[(2S)-4-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ]-2-[[2-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ]アセチル]アミノ]-4-オキソブタノイル]アミノ]-3-tert-ブトキシ-プロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-tert-ブトキシ-プロパノイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-tert-ブトキシ-プロパノイル]アミノ]酢酸(化合物1−21B、下記式の化合物)の合成
【0331】
【化85】
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【0332】
J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 284-290.の手法に従って製造した(2S)-4-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ]-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソブタン酸(84.5 mg, 0.194 mmol)とHATU(73.8 mg, 0.194 mmol)、をN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(66 μL, 0.388 mmol)を加え、室温で3分攪拌した。この溶液を、1−21A(100 mg, 0.162 mmol)に加えて室温で0.5時間攪拌した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行った。得られた化合物にトリフルオロ酢酸(0.1 mL)と水(0.9 mL)の混合溶液を加え、終夜攪拌した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、中間体を白色固体(14.7 mg、10%)として得た。
1−2C(5.91 mg, 0.0212 mmol)とHATU(8.04 mg, 0.0212 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(9.05 μL, 0.0529 mmol)を加え、室温で3分攪拌した。この溶液を、得られた中間体(16.5 mg, 0.0176 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)溶液に加え、室温で0.5時間攪拌した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物1−21Bを白色固体(14.0 mg、収率66%)として得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
49H
85N
11O
23: [M+H]
+1197.6, Found 1197.5. 。
【0333】
<実施例1−22>
(1−22A) (2S)-2,6-ビス[3-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパノイルアミノ]ヘキサン酸(化合物1−22A、下記式の化合物)の合成
【0334】
【化86】
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【0335】
リシン(26.0 mg, 0.178 mmol)を0.10 M リン酸バッファー(pH 7.0)(0.40 ml)に溶解し、3-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)(200 mg, 0.390 mmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(0.40 mL)を加え、室温にて3時間攪拌した。反応溶液に0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(2.0 mL)を加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して標記目的化合物1−22A(106 mg、収率63%)を得た。
MS (ESI): Calcd for C
42H
65N
6O
18: [M-H]
-941, Found 941.
【0336】
(1−22B)SG-Lys*-[PEG(3)-Mal]
2(化合物1−22B、下記式の化合物)の合成
【0337】
【化87】
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【0338】
上記の通り製造した化合物1−22A (10.0 mg, 10.6 μmol)、(1−11B)で製造したSG-NH
2(19.4 mg, 8.13 μmol)およびHATU(4.00 mg, 10.6 μmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(1.0 mL)に、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(8.80 μL, 51.7 μmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応溶液を0.5%トリフルオロ酢酸水溶液(6.0 mL)に加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して標記目的化合物SG-Lys*-[PEG(3)-Mal]
2(10.0 mg、収率25%)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
128H
205N
13O
79: [M-2H]
2- 1595.0 (ave.), Found 1595.0. 。
【0339】
<実施例1−23>
(1−23A) (2S)-2,6-ビス[3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ]プロパノイルアミノ]ヘキサン酸(化合物1−23A、下記式の化合物)の合成
【0340】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0341】
リシン(7.70 mg, 52.7μmol)および(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル) 3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパノエート(100 mg, 115 μmol)を用い、(1−22A)と同様の方法に従って、標記目的化合物1−23Aを無色油状物(36.0 mg、収率41%)として得た。
MS (ESI): Calcd for C
74H
129N
6O
34: [M-H]
-1645, Found 1645.
【0342】
(1−23B)SG-Lys*-[PEG(11)-Mal]
2(化合物1−23B、下記式の化合物)の合成
【0343】
【化89】
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【0344】
化合物1−23A(19.0 mg, 11.5 μmol)および(1−11B)で製造したSG-NH
2(25.0 mg, 10.5 μmol) を用い、(1−22B)と同様の方法に従って、標記目的化合物SG-Lys*-[PEG(11)-Mal]
2を無色油状物(14.0 mg、収率34%)として得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
180H
269N
13O
95: [M-2H]
2- 1947.4 (ave.), Found 1947.3. 。
【0345】
<実施例1−24>
(1−24A)
2-[[2-[(2R,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸]アミノ]酢酸ベンジル(化合物1−24A、下記式の反応産物)の合成
【0346】
【化90】
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【0347】
既知化合物である2-[[2-[(2R,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸(Tetrahedron Asymmetry,2008,19,1919-1933)(670mg)をDMF(6ml)に溶解させ、HATU(630mg)とDIPEA(0.57ml)を加え、室温で4分攪拌後、グリシンベンジルエステル塩酸塩(370mg)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで薄め、10%食塩水で2回、1規定塩酸で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40‐20:80, v/v)で精製し、目的化合物1−24A(840mg、収率62%)をアモルファスとして得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.38-7.35 (5H, m), 6.99-6.98 (1H, br m), 5.23-5.21 (3H, m), 5.11-5.04 (2H, m), 4.56 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.34 (1H, d, J = 15.1 Hz), 4.20-4.09 (5H, m), 3.73-3.71 (1H, m), 2.08 (3H, s), 2.07(3H,s),2.04(3H,s), 2.03(3H,s).
ESI-LC-MS: Calcd for C
25H
31NO
13: [M+H]
+ 554, Found 554.
【0348】
(1−24B)2-[[2-[(2R,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸]アミノ]酢酸(化合物1−24B、下記式の反応産物)の合成
【0349】
【化91】
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【0350】
化合物1−24A(840mg)を用いて、(1−2B)と同様の手法の手法に従って、目的化合物1−24B(700mg, 収率quant.)をアモルファスとして得た。
ESI-LC-MS: Calcd for C
18H
25NO
13: [M-H]
- 462, Found 462.
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.05-7.04 (1H, br m), 5.24 (1H, t, J = 9.5 Hz), 5.12-5.05 (2H, m), 4.58 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.35 (1H, d, J= 15.6 Hz), 4.27-4.05 (6H, m), 3.76-3.75 (1H, m), 2.08-2.04 (12H, m).
【0351】
(1−24C)2-[[2-[(2R,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸]アミノ]酢酸(化合物1−24C、下記式の反応産物)の合成
【0352】
【化92】
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【0353】
化合物1−24B(450mg)を用いて、(1−2C)と同様の手法の手法に従って、目的化合物1−24C(286mg, 収率quant.)をアモルファスとして得た。そのまま次の反応に用いた。
1H-NMR (D
2O,TMSP) δ:4.54 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.43 (1H, d, J = 15.6 Hz), 4.31 (1H, d, J = 15.6 Hz), 3.91-3.89 (3H, m), 3.73 (1H, dd, J = 12.2, 5.4 Hz), 3.53-3.37 (4H, m).
ESI-LC-MS: Calcd for C
10H
17NO
9: [M-H]
- 294, Found 294.
【0354】
(1−24D)2-[[2-[(2R,3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸]アミノ]酢酸 アンモニウム塩(化合物1−24D、下記式の化合物)の合成
【0355】
【化93】
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【0356】
化合物1−24C(286mg)を用いて、(1−14A)と同様の手法の手法に従って、目的化合物1−24D(325mg)をアモルファスとして得た。精製せずに用いた。
【0357】
(1−24E)SG(Glc) -Gly-A(化合物1−24E、下記式からなる化合物、化合物1−24E)の合成
【0358】
【化94】
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【0359】
シアリルグリコペプチド(191 mg)を0.2Mリン酸緩衝溶液(pH6.25)(1000μl)に溶解させた後に、Glycosynthase (Endo-M-N175Q, 東京化成工業(株), 1 U/ml)水溶液(300 μl)を加えた。更に、1−24D(125 mg)の0.2Mリン酸緩衝溶液(pH6.25)(370 μl)を加え、28℃で72時間反応させた。反応液に、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(3000 μl)加え反応を停止させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(Inertsil ODS-3、GLサイエンス)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG(Glc)- Gly-A(88 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
86H
140N
6O
65: [M+4H]
4+ 1149.4(ave.), Found 1149.4
【0360】
また、実施例1−24の反応を参考にして、化合物1−24Dの糖構造を、Glc以外の糖(例えば、Man,Galなどに置き換えた化合物を合成することができ、これらを被転移化合物として採用して、(1−24E)と同様の糖転移反応を行うことで、SG(Man)-Gly、SG(Gal)-Gly等の還元末端改変糖鎖を合成することができる。
【0361】
さらに、実施例1−11、1−12、1−13及び1−14の方法において、実施例1−24の反応を参考に出発物質(被転移化合物)の糖構造を適宜、所望のものに返還して用いることで、SG-NH2、SG-I,SG-oxa、SG-A等における還元末端改変糖鎖を、適宜合成することができる。
【0362】
[実施例2]
以下において、構造式中で、単に「hANP」と表記される場合、修飾ペプチド中のhANPペプチドがhANP(1-28)であることを示す。
【0363】
<実施例2−1> SG-hANP(1-28)(化合物2−1)の合成
(2−1A)hANP-TFA塩(トリフルオロ酢酸塩)の調製
以下の反応に、使用するhANP-TFA塩は、下記の手順に従って、調製した。
調製法1
カルペリチド酢酸塩(hANP(1-28)酢酸塩)(100 mg)を蒸留水(4000 μl)に溶解させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物(89.6 mg)を得た。
調製法2
カルペリチド酢酸塩(hANP(1-28)酢酸塩)(250 mg)を蒸留水(30 ml)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(600 μl)加え、凍結乾燥し、これ以上精製せずにそのまま用いた。
【0364】
(2−1B)SG-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−1)の合成
【0365】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
(2−1B−1 SG-hANP(1-28)(化合物2−1)TFA塩の合成
(1−14B)で合成したSG−A(97.7 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(1000 μl)に、HATU(16.3 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(1000 μl)を加えた後に、ジイソプロピルエチルアミン(30 μl)を加え、室温で5分攪拌し、速やかに次の反応に用いた。
(2−1A)の手順に従って調製したhANP-TFA塩(100 mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1200 μl)、蒸留水(320 μl)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(22.5 μl)加えた。この溶液に対して、事前に調製した活性エステルを含むN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2000 μl)を加え、1時間攪拌した。反応終了後、氷冷下、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(20 ml)に加えた。酢酸(2 ml)を加えて、不溶物を溶解させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-hANP(1-28)(化合物2−1)-TFA塩 (91.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
213H
341N
51O
102S
3: [M+H]
+ 5342.2, Found 5342.2
【0367】
(2−1B−2)SG-hANP(1-28)(化合物2−1)酢酸塩の合成
(1−14B)で合成したSG−A(790mg)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(18ml)に、TSTU(O-(N-スクシンイミジル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート)(104mg)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2ml)を加えた後に、ジイソプロピルエチルアミン(241μl)を加え、室温で60分攪拌し、次の反応に用いた。
カルペリチド酢酸塩(hANP(1-28)酢酸塩)(1000mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(12ml)、蒸留水(3.2ml)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(241μl)加えた。この溶液に対して、事前に調製した活性エステルを含むN,N-ジメチルホルムアミド溶液(20ml)を加え、1時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル(32ml)を加え、沈殿物をろ取した。N,N-ジメチルホルムアミド/アセトニトリル(1/1)(30ml)、及びアセトニトリル(100ml)で洗浄後、得られた固形物を減圧乾燥した。この固形物を蒸留水に溶解させ、0.1%酢酸水溶液と0.1%酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-hANP(1-28)(化合物2−1)-酢酸塩 (1056mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
213H
341N
51O
102S
3: [M+4H]
4+ 1337.1(ave.), Found 1337.0
【0368】
このように、出発物質として用いるhANPペプチドの塩の種類に応じて、目的物である修飾ペプチドも対応する塩として合成される。以下の実施例では、特に指定がある場合を除き、hANPペプチドとしてはTFA塩を採用し目的物である修飾ペプチドはTFA塩として得られており、この場合塩の種類は特に明示しない。なお、(2−1B-2)に準じて合成することで、全ての目的物を酢酸塩として合成することができる。
【0369】
<実施例2−2>hANP(1-28)-SG(化合物2−2)の合成
(2−2A)Boc-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0370】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
hANP(1-28)-酢酸塩(62.5 mg)を蒸留水(1.3 ml)に溶解し、室温で二炭酸ジ-t-ブチル(0.9 mg, 324.6 μmol)のt-ブチルアルコール溶液(400 μl)を後、トリエチルアミン(13.6 μl)の水溶液(200 μl)を加え、室温で3時間攪拌した。蒸留水(6 ml)、アセトニトリル(2 ml)、酢酸(1 ml)を加えて不溶物を溶解させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物Boc-hANP(1-28)(59.9 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
132H
211N
45O
41S
3: [M+H]
+ 3179.5, Found 3179.7
【0372】
(2−2B)Boc-hANP(1-28)-GlcNAc (下記式の化合物)の合成
【0373】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
(2−2A)で製造したBoc-hANP(1-28)(59.9 mg)と化合物1−7A(59.7 mg)を蒸留水(0.2 ml)に溶解し、室温でHATU(35.8 mg)のジメチルホルムアミド溶液(2.0 ml)とトリエチルアミン(15.8 μl)を加えて、室温で2時間攪拌した。氷冷したトリフルオロ酢酸(8.7 μl)の水溶液(5 ml)に反応液を加え、 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物Boc-hANP(1-28)-GlcNAc(38.7 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
142H
229N
47O
46S
3: [M+H]
+ 3425.6, Found 3426.0
【0375】
(2−2C)hANP(1-28)-GlcNAc(下記式の化合物)の合成
【0376】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
(2−2B)で製造したBoc-hANP(1-28)-GlcNAc(38.7 mg)を20%トリフルオロ酢酸水溶液(5 ml)と酢酸(1 ml)に溶解し、室温で7時間静置した。蒸留水(10 ml)を加えて凍結乾燥した。粗精製物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物hANP(1-28)-GlcNAc(21.8 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
137H
221N
47O
44S
3: [M+H]
+ 3325.6, Found 3425.5
【0378】
(2−2D)hNAP(1-28)-SG (下記式の化合物、化合物2−2)の合成
【0379】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0380】
(1−12A)で製造したSG-Oxaの0.2 Mリン酸緩衝溶液(60 mM, 120 μl)、に、室温でGlycosynthase (Endo-M-N175Q, 東京化成工業(株), 1 U/ml, 48μl)を加えた後、室温で(2−2C)で製造したhANP(1-28)-GlcNAc(6.0 mg, 1.8 μmol)のジメチルスルホキシド溶液(72 μl)を2回に分けて15分間隔で加え、25℃で2時間振とうした。室温で0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(1.5 ml)を加えて反応を停止させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物hNAP(1-28)-SG(化合物2−2)(6.2 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
213H
334N
52O
100S
3: [M+H]
+ 5327.3, Found 5326.7。
【0381】
<実施例2−3> (SG-)Asn-hANP(1-28)(化合物2−3)の合成
(2−3A)Boc-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28) (下記式の化合物)の合成
【0382】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0383】
J. Am. Chem. Soc., 1999, 121,284-290の記載に準じて合成した(2S)-4-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ]-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソブタン酸(42.4 mg, 0.0976 mmol)と(2−1A)の調整法2の方法でhANP(1-28)-酢酸塩(31.3 mg)から調整したhANP(1-28)-TFA塩を用いて、(2−1B)と同様の手法に従って目的物Boc-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(13.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
144H
230N
48O
48S
3: [M+H]
+ 3495.6, Found 3496.5
【0384】
(2−3B)(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0385】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0386】
(2−3A)で製造したBoc-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(13.0 mg)より(2−2C)と同様の手法に従って、目的物(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(5.83 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
139H
222N
48O
46S
3: [M+H]
+ 3396.6, Found 3396.6
【0387】
(2−3C)(SG-)Asn-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−3)の合成
【0388】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0389】
(2−3B)で製造した(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(4.90 mg)より(2−2D)と同様の手法に従って目的物(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(化合物2−3)(2.17 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
215H
345N
53O
102S
3: [M+H]
+ 5398.3, Found 5398.4。
【0390】
<実施例2−4> (SG-)Asn-hANP(2-28)(化合物2−4)の合成
(2−4A)hANP(2-28)の調製
hANP(1-28)-酢酸塩(100 mg)を1.5%ジメチルアリルアミン-60%ピリジン-38.5%水の混合溶液(10.4 mL)に溶かし、室温でフェニルイソチオシアネート(1.04 mL)を加え、50℃で30分攪拌した。室温まで冷却し、水、酢酸を加えた。ベンゼンで3回洗浄し、水層を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸(2.6 mL)を加え、50℃で30分攪拌した後、トリフルオロ酢酸を留去した。水、酢酸を加え、ベンゼンで3回洗浄し、水層を凍結乾燥した。水、酢酸に溶かし、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物ANP(2-28)を白色固体(50 mg)として得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
124H
198N
44O
37S
3: [M+H]
+ 2992.4, Found 2992.0
【0391】
(2−4B)Boc-(GlcNAc-)Asn-hANP(2-28)(下記式の化合物)の合成
【0392】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0393】
hANP(1-28)の代わりに(2−4A)で製造したhANP(2-28)(25.0 mg)を用いて(2−3A)と同様の手法に従って、目的物Boc-(GlcNAc-)Asn-hANP(2-28)(13.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
141H
225N
47O
46S
3: [M+H]
+ 3409.6, Found 3409.5
【0394】
(2−4C)(GlcNAc-)Asn-hANP(2-28)(下記式の化合物)の合成
【0395】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0396】
(2−4B)で製造したBoc-(GlcNAc-)Asn-hANP(2-28)(13.0 mg)より(2−2C)と同様の手法に従って、目的物(GlcNAc-)Asn-hANP(2-28)(6.86 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
136H
217N
47O
44S
3: [M+H]
+ 3309.5, Found 3309.5
【0397】
(2−4D)(SG-)Asn-hANP(2-28)(下記式の化合物、化合物2−4)の合成
【0398】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
(2−4C)で製造した(GlcNAc-)Asn-hANP(2-28)(5.75 mg)より(2−2D)と同様の手法に従って目的物(SG-)Asn-hANP(2-28)(化合物2−4)(3.80 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
212H
340N
52O
100S
3: [M+H]
+ 5313.4(ave.), Found 5314.7。
【0400】
<実施例2−5>(SG-)Ser-hANP(2-28)(化合物2−5)の合成
(2−5A)Boc-(GlcNAc-)Ser-hANP(2-28)(下記式の化合物)の合成
【0401】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
化合物1−1D(40.8 mg)と(2−4A)で製造したhANP(2-28)(25.0 mg)を用いて、(2−3A)と同様の手法に従って、目的物Boc-(GlcNAc-)Ser-hANP(2-28)(13.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
140H
224N
46O
46S
3: [M+H]
+ 3382.6, Found 3382.7
【0403】
(2−5B)(GlcNAc-)Ser-hANP(2-28)(下記式の化合物)の合成
【0404】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0405】
(2−5A)で製造したBoc-(GlcNAc-)Ser-hANP(2-28)(13.0 mg)を用いて(2−2C)と同様の手法に従ってBocを除去し、目的物(GlcNAc-)Ser-hANP(2-28)(6.36 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
135H
216N
46O
44S
3: [M+H]
+ 3282.5, Found 3282.6
【0406】
(2−5C)(SG-Ser)-hANP(2-28)(下記式の化合物、化合物2−5)の合成
【0407】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0408】
(2−5B)で製造した(GlcNAc-)Ser-hANP(2-28)(5.47 mg)を用いて(2−2D)と同様の手法に従って目的物(SG-)Ser-hANP(2-28)(化合物2−5)(4.40 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
211H
339N
51O
100S
3: [M+H]
+ 5284.2, Found 5284.4。
【0409】
<実施例2−6> hANP(1-27)-(SG-)Tyr(化合物2−6)の合成
(2−6A)hANP(1-27)-(GlcNAc-) Tyr(下記式の化合物)の合成
【0410】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
化合物1−6D(30.6 mg)をジメチルホルムアミド(200 μl)に溶解し、0℃でN−ブロモスクシイミド(11.5 mg)とピリジン(5.2 μl)のジメチルホルムアミド溶液(125 μl)を加え5分攪拌した。
【0412】
hANP(1-28)-酢酸塩(50.0 mg)を0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.0、1 ml)に溶解し、0℃で先に調製したトリアゾールジオン誘導体のジメチルホルムアミド溶液(325 μl)を加えた。室温で5時間静置後、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物hANP(1-27)-(GlcNAc-)Tyr(9.8 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
145H
225N
49O
47S
3: [M+H]
+ 3501.6, Found 3501.6
【0413】
(2−6B)hANP(1-27)-(SG-) Tyr(下記式の化合物、化合物2−6)の合成
【0414】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0415】
(2−6A)で製造したhANP(1-27)-(GlcNAc-) Tyr(8.3 mg)を用いて(2−2D)と同様の手法に従って目的物hANP(1-27)-(SG-)Tyr(化合物2−6)(6.3 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
221H
348N
54O
103S
3: [M+H]
+ 5503.3, Found 5502.8。
【0416】
<実施例2−7> SG-hANP(1-28)-SG(化合物2−7)の合成
(2−7A)GlcNAc-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0417】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
化合物1−2C(25.0 mg)をジメチルホルムアミド(0.5 ml)に溶解し、室温でトリエチルアミン(34 ml)を加え、氷冷下、ジメチルチオホスフィノイルクロリド(12.0 mg)のジメチルホルムアミド溶液(0.5 ml)を加えた後、室温で1時間攪拌した。一方、hANP(1-28)-酢酸塩(25 mg)をジメチルホルムアミド(1 ml)、蒸留水(0.32 ml)に溶解し、室温でトリエチルアミン(25.3 μl)を加え、氷冷下、先に調製した活性エステルのジメチルホルムアミド溶液(433 μl)を加えて、室温で2時間攪拌した。氷冷した0.5%トリフルオロ酢酸水溶液(5 ml)に反応液を加え、 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物 GlcNAc-hANP(1-28)(17.8 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
137H
218N
46O
46S
3: [M+H]
+ 3340.5, Found 3340.5
【0419】
(2−7B)GlcNAc-hANP(1-28)-GlcNAc(下記式の化合物)の合成
【0420】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0421】
(2−7A)で製造したGlcNAc-hANP(1-28)(30.0 mg)及び化合物1−7Aを用いて、(2−2B)と同様の手法に従って、hANPのC末端にGlcNAcを連結させ、目的物GlcNAc-hANP(1-28)-GlcNAc(10.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
147H
236N
48O
51S
3: [M+H]
+ 3586.7, Found 3586.7
【0422】
(2−7C)SG
-hANP(1-28)-SG(下記式の化合物、化合物2−7)の合成
【0423】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
(2−7B)で製造したGlcNAc-hANP(1-28)-GlcNAc(6.0 mg)を用いて(2−2D)と同様の手法に従って目的物SG-hANP(1-28)-SG(化合物2−7)(13.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
299H
482N
58O
163S
3: [M+H]
+ 7590.0, Found 7589.0。
【0425】
<実施例2−8> (SG-)Asn-hANP(3-28)(化合物2−8)の合成
(2−8A)(GlcNAc-)Asn-hANP(3-28)(下記式の化合物)の合成
【0426】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0427】
(2−4A)で製造したhANP(2-28)(32.0 mg)を再度(2−4A)の方法でN末端のアミノ酸を除去しhANP(3-28)を得た。得られたhANP(3-28)をhANP(2-28)の代わりに用いて、実施例2−4と同様の手法に従って、目的物(GlcNAc-)Asn-hANP(3-28)(3.5 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
130H
206N
46O
43S
3: [M+H]
+ 3196.5, Found 3196.7
【0428】
(2−8B)(SG-)Asn-hANP(3-28)(下記式の化合物、化合物2−8)の合成
【0429】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0430】
(2−8A)で製造したGlcNAc-Asn-hANP(3-28)(3.5 mg)を用いて(2−2D)と同様の手法に従って目的物(SG-)Asn-hANP(3-28)(化合物2−8)((2.5 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
206H
329N
51O
99S
3: [M+H]
+ 5198.1, Found 5198.3 。
【0431】
<実施例2−9> SG-(SG-)Asn-hANP(1-28)(化合物2−9)の合成
(2−9A)GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0432】
【化116】
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【0433】
(2−3B)で製造した(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(16.0 mg)を用いて(1−5B)と同様の手法に従って、Aspのアミノ基にGlcNAcを連結させ、目的物GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(6.15 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
149H
237N
49O
53S
3: [M+H]
+ 3657.7, Found 3658.1
【0434】
(2−9B)SG-(SG-)Asn-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−9)の合成
【0435】
【化117】
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【0436】
(1−12A)で製造したSG-Oxaの0.2 Mリン酸緩衝溶液(60 mM, 168 μl)、Glycosynthase (Endo-M-N175Q, 東京化成工業(株), 1 U/ml, 67 μl)、(2−9A)で製造したGlcNAc-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(6.15 mg)を用いて、2−2Dと同様の手法で目的物SG-(SG-)Asn-hANP(1-28)(化合物2−9)(6.7mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
301H
483N
59O
165S
3: [M+H]
+ 7661.0, Found 7660.7。
【0437】
<実施例2−10> AG(9)-hANP(1-28)(化合物2−10)の合成
(2−10A)AG(9)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−10)の合成
【0438】
【化118】
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【0439】
(2−1B)で合成したSG-hANP(1-28)(21 mg)を0.2M酢酸緩衝液(pH5.0)(1000 μl) に溶解させた後に、ノイラミニダーゼ ([E.C.3.2.1.18], ナカライテスク, 1 U/ml)水溶液(1000 μl)を加え、37度で17時間反応させた。反応終了後、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(2000 μl)を加えた。酢酸(200 μl)を加えて、不溶物を溶解させた。この反応を2ロット分まとめて、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物AG(9) -hANP(1-28)(化合物2−10) (33.8 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
191H
307N
49O
86S
3: [M+H]
+ 4760.0, Found 4760.4。
【0440】
<実施例2−11>AG(7) -hANP(1-28)の合成
(2−11A)AG(7) -hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−11)の合成
【0441】
【化119】
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【0442】
(2−10A)で合成したAG(9)-hANP(1-28)(16 mg)を蒸留水(1425 μl)に溶解させた後に、0.2Mリン酸緩衝液(pH6.25)(1500 μl) 、β1-4ガラクトシダーゼ(NEW ENGLAND BioLabs, 8000U/ml)水溶液(75 μl)を加え、37度で24時間反応させた。反応終了後、0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(3000ul)を加えた。酢酸(300 μl)を加えて、不溶物を溶解させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物AG(7) -hANP(1-28)(化合物2−11)(11.7 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
179H
287N
49O
76S
3: [M+H]
+ 4435.9, Found 4435.8。
【0443】
<実施例2−12> SG-triazole-hANP(1-28)(化合物2−12)の合成
(2−12A) Pentynoyl-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0444】
【化120】
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【0445】
hANP(1-28)-酢酸塩(50.0 mg)および4-ペンチン酸(10.0 mg, 101 μmol)を用い、(2−7A)と同様の方法に従って、目的物Pentynoyl-hANP(1-28)(26.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
132H
207N
45O
40S
3: [M]
+ 3158.4, Found 3158.0.
【0446】
(2−12B)GlcNAC-triazole-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0447】
【化121】
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【0448】
(2−12A)で製造したPentynoyl-hANP(1-28) (22.0 mg)に、30 mM N-[(2R,3R,4R,5S,6R)-2-(2-アジドエトキシ)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド水溶液(0.37 mL, 11.1μmol)、30 mM アスコルビン酸ナトリウム水溶液(0.26 mL, 7.8 μmol)、10mM 硫酸銅水溶液(0.15mL, 1.5 μmol)および0.1M リン酸バッファー(pH7.0)を順次加え、室温にて4時間攪拌した。反応溶液に0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(12 mL)を加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物 GlcNAc-triazole-hANP(1-28)(15.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
142H
225N
49O
46S
3: [M+H]
+ 3449.6, Found 3449.6.
【0449】
(2−12C)SG-triazole-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−12)の合成
【0450】
【化122】
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【0451】
(2−12B)で製造したGlcNAc-triazole-hANP(1-28)(8.0 mg)を用い、(2−2D)と同様の手法に従って目的物 SG-triazole-hANP(1-28)(化合物2−12)(9.3 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
218H
348N
54O
102S
3: [M+H]
+ 5451.3, Found 5451.1. 。
【0452】
<実施例2−13>SG-(SG-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−13)の合成
(2−13A)GlcNAc-(GlcNAc-Asn)-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0453】
【化123】
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【0454】
化合物1−5B(9 mg)と(2−1A)の調整法2の方法で調整したhANP-TFA塩(16.6 mg)より、(2−1B)と同様の手法に従って、目的物GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(12.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
160H
258N
50O
58S
3: [M+H]
+ 3904.8, Found 3904.5
【0455】
(2−13B)SG-(SG-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−13)の合成
【0456】
【化124】
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【0457】
(2−13A)で製造したGlcNAc-(GlcNAc-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(6.00 mg)を用いて、(2−9B)と同様の手法に従って、目的物SG-(SG-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−13)(6.40 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
312H
504N
60O
170S
3: [M+4H]
4+ 1979.0(ave.), Found 1978.5。
【0458】
<実施例2−14> SG-(SG-)Lys-Gly-hANP(1-28)(化合物2−14)の合成
(2−14A)GlcNAc-(GlcNAc-)Lys-Gly-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0459】
【化125】
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【0460】
hANP(1-28)-酢酸塩(50.0 mg)および化合物1−9D(29.0 mg, 40.0 μmol)を用い、(2−7A)と同様の方法に従って、目的物 GlcNAc-(GlcNAc-)Lys-Gly-hANP(1-28)(14.9 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
155H
249N
50O
55S
3: [M+H]
+ 3786.7, Found 3786.8.
【0461】
(2−14B)SG-(SG-)Lys-Gly-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−14)の合成
【0462】
【化126】
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【0463】
(2−14A)で製造したGlcNAc-(GlcNAc-)Lys-Gly-hANP(1-28)(6.0 mg)を用い、(2−2D)と同様の手法に従って目的物SG-(SG-)Lys-Gly-hANP(1-28)(化合物2−14)(7.6 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
307H
498N
60O
167S
3: [M+4H]
4+ 1949.4 (ave.), Found 1949.2. 。
【0464】
<実施例2−15> [(SG-)Cys-Gly]
3-hANP(1-28)(化合物2−15)の合成
(2−15A)[(GlcNAc-)Cys-Gly]
3-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0465】
【化127】
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【0466】
化合物1−10B(27 mg)を用いて、(2−1B)と同様の手法に従って、目的物[(GlcNAc-)Cys-Gly]
3-hANP(1-28)(18.4 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
195H
304N
60O
73S
6: [M+H]
+ 4847.0, Found 4847.2
【0467】
(2−15B)[(SG-)Cys-Gly]
3-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−15)の合成
【0468】
【化128】
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【0469】
1−12A)で製造したSG-Oxaの0.2 Mリン酸緩衝溶液(60 mM, 118 μl)に、Glycosynthase (Endo-M-N175Q, 東京化成工業(株), 1 U/ml, 47 μl)、(2−15A)で製造した[eを用いて、2−2Dと同様の手法で目的物[(SG-)Cys-Gly
3-hANP(1-28)(化合物2−15)(5.23mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
423H
673N
75O
241S
6: [M+5H]
5+ 2172.5(ave.), Found 2172.4。
【0470】
<実施例2−16> SG-PEG(3)-(SG-)Asn-hANP(1-28)(化合物2−16)の合成
(2−16A)GlcNAc-PEG(3)-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0471】
【化129】
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【0472】
(2−3B)で製造した(GlcNAc-)Asn-hANP(19.0 mg)と化合物1−3A(8.8 mg)より(2−7A)と同様の手法に従って、目的物GlcNAc-PEG(3)-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(9.10 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
160H
258N
50O
58S
3: [M+H]
+ 3904.8, Found 3904.4
【0473】
(2−16B)SG-PEG(3)-(SG-)Asn-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−16)の合成
【0474】
【化130】
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【0475】
室温で(2−16A)で製造したGlcNAc-PEG(3)-(GlcNAc-)Asn-hANP(1-28)(3.50 mg)を用いて、(2−9B)と同様の手法に従って、目的物SG-PEG(3)-(SG-)Asn-hANP(1-28)(化合物2−16)(3.10 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
312H
504N
60O
170S
3: [M+4H]
4+ 1978.1(ave.), Found 1978.8。
【0476】
<実施例2−17> [(SG-)Cys-Gly]
5-hANP(1-28)(化合物2−17)の合成
(2−17A)[Cys-Gly]
5-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0477】
【化131】
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【0478】
化合物1−8A(50.6 mg)と(2−1A)の調整法2の方法でhANP-酢酸塩(47.0 mg)から調整したhANP-TFA塩より、(2−1B)と同様の手法に従って中間体(13.0 mg)を得た。
得られた中間体(13.0 mg)に、トリフルオロ酢酸(1.9 mL)と水(0.05 mL)とトリイソプロピルシラン(0.05 mL)の混合溶液を加えた。室温で1時間しんとうした。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物[Cys-Gly]
5-hANP(1-28)を白色固体(3.2 mg)として得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
154H
245N
55O
50S
8: [M+H]
+ 3921.6, Found 3921.9
【0479】
(2−17B)(SG-)Cys-Gly))
5-hANP(1-28)[(SG-)Cys-Gly]
5-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−17)の合成
【0480】
【化132】
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【0481】
(2−17A)で製造した[Cys-Gly]
5-hANP(1-28)(3.00 mg)と(1−13A)で製造したSG-M(9.94 mg)をアセトニトリル(0.25 mL)と0.2 M pH=6.75のリン酸バッファー(0.25 mL)の混合溶液に溶かし、室温で2時間攪拌した。反応液を水で薄め、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、目的物[(SG-)Cys-Gly]
5-hANP(1-28)(化合物2−17)(8.19 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
619H
985N
95O
375S
8: [M+6H]
6+ 2670.1(ave.), Found 2670.1。
【0482】
<実施例2−18> [(SG
2-)(Cys-Gly]
5-hANP(1-28)(化合物2−18)の合成
(2−18A)tert-ブチル N-[(1R)-1-(プロプ-2-イニルカルバモイル)ブツ-3-イニル]カルバメート(下記式の化合物)の合成
【0483】
【化133】
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【0484】
(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-ペンチン酸(430 mg, 2.02 mmol)およびプロパルギルアミン(140 mg, 2.54 mmol)を用い、(1−9A)と同様の方法に従って、目的物を淡黄色固体(480 mg、収率96%)として得た。
MS (ESI): Calcd for C
13H
19N
2O
3: [M+H]
+ 251, Found 251.
【0485】
(2−18B)(2R)-2-アミノ-N-プロピ-2-ニル-ペンツ-4-イナミド トリフルオロ酢酸塩(下記式の化合物)の合成
【0486】
【化134】
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【0487】
(2−18A)で獲た目的物(250 mg, 1.00 mmol)を用い、(1−9B)と同様の方法に従って、目的物を淡黄色油状物(270 mg、収率100%)として得た。
1H-NMR (CD
3OD) δ: 4.11-3.96 (3H, m), 2.87-2.74 (2H, m), 2.68-2.65 (2H, m).
【0488】
(2−18C)(2R)-2-[3-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)プロパノイルアミノ]-N-プロプ-2-イニル-ペンツ-4-イナミド(下記式の化合物)の合成
【0489】
【化135】
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【0490】
(2−18B)で獲た目的物(270 mg, 1.00 mmol)を用い、(1−15A)と同様の方法に従って、目的物を淡黄色固体(220 mg、収率73%)として得た
MS (ESI): Calcd for C
15H
14N
3O
4: [M-H]
-300, Found 300.
【0491】
(2−18D)[(SG2-)Cys-Gly]5-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−18)の合成
【0492】
【化136】
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【0493】
(1−18A)で製造したSG-N
3(20.0 mg, 8.73μmol)を0.10 M リン酸バッファー(pH 8.0)(0.840 ml)に溶解し、(2−18C)で獲た目的物の3.3 mM tert-ブタノール溶液(1.06 mL, 3.50 μmol)、50 mM アスコルビン酸ナトリウム水溶液(0.420 mL, 21.0 μmol)、および10mM 硫酸銅水溶液(0.420 mL, 4.20 μmol)を順次加え、室温にて1時間30分攪拌した。反応溶液に0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(12 mL)を加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(SHISEIDO、Proteonavi)にて分離精製を行い、凍結乾燥して中間体(6.20 mg, 36%)を得た。
【0494】
(2−17A)で製造した(Cys-Gly)
5-hANP(1-28)(1.76 mg)と合成した中間体(10.3 mg)より、(2−17B)と同様の手法に従って目的物 [(SG
2-)Cys-Gly]
5-hANP(1-28)(化合物2−18)(8.42 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
1089H
1730N
160O
690S
8: [M-10H]
10- 2835.1(ave.), Found 2834.9。
【0495】
<実施例2−19> SG- (SG-)Lys-[SG- (SG-)Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−19))の合成
(2−19A)TrS-(TrS-)Lys-[TrS-(TrS-)Lys-]Lys-PEG(3)(下記式の化合物)の合成
【0496】
【化137】
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【0497】
1.20 mmol/gの2-クロロトリチルクロライドレジン(250 mg, 0.300 mmol)を固相合成用のカラムに入れ、ジクロロメタン(5 mL)を加え10分しんとうした。ろ過後、3-[2[2[2[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロピオン酸(175 mg, 0.360 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(257 μL, 1.50 mmol)のジクロロメタン(5 mL)溶液を加え、室温で2時間攪拌した。ろ過後、ジクロロメタン混合溶液(ジクロロメタン:メタノール:N,N-ジイソプロピルエチルアミン=85:10:5, v/v)で3回、ジクロロメタンで3回、N,N-ジメチルホルムアミドで3回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(10 mL)を加え5分しんとう後ろ過する操作を4回行った。レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。レジンに(2S)-2,6-ビス(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)へキサン酸(532 mg, 0.900 mmol)とHATU(342 mg, 0.900 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(308 μL, 1.80 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(10 mL)を加え室温で30分しんとうした。ろ過後レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで3回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(10 mL)を加え5分しんとう後ろ過する操作を4回行った。レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。レジンに(2S)-2,6-ビス(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)へキサン酸(1060 mg, 1.80 mmol)とHATU(684 mg, 1.80 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(616 μL, 3.60 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(10 mL)を加え室温で1時間しんとうした。ろ過後レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(10 mL)を加え5分しんとう後ろ過する操作を5回行った。レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。得られたレジンの1/3量(0.100 mmol相当)を固相合成用のカラムに入れ、3-トリチルスルファニルプロピオン酸(418 mg, 1.20 mmol)とHATU(456 mg, 1.20 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(411 μL, 2.40 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(10 mL)を加え室温で1時間しんとうした。ろ過後、再び3-トリチルスルファニルプロピオン酸(418 mg, 1.20 mmol)とHATU(456 mg, 1.20 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(411 μL, 2.40 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(10 mL)を加え室温で1時間しんとうした。ろ過後レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回、ジクロロメタンで3回洗浄した。1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(2.5 mL)とジクロロメタン(7.5 mL)の混合溶液を加え、室温で1.5時間しんとうした。ろ過してレジンを除き、ろ液を減圧下濃縮した。ジクロロメタンで6回共沸し、真空ポンプで乾燥することで、目的物TrS-(TrS-)Lys-[TrS-(TrS-)Lys-]Lys-PEG(3)を褐色固体(170 mg)として得た。
【0498】
(2−19B)HS-(HS-)Lys[HS-(HS-)Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0499】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0500】
(2−19A)で製造した(66.1 mg)より、(2−17A)と同様の手法に従って、中間体(40 mg)を得た。
得られた中間体(7.0 mg)より、(2−17A)と同様の手法に従って、目的物HS-(HS-)Lys[HS-(HS-)Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(2.3 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
168H
276N
52O
51S
7: [M+H]
+ 4062.9, Found 4062.8
【0501】
(2−19C)SG- (SG-)Lys-[SG- (SG-)-Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−19)の合成
【0502】
【化139】
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【0503】
(2−19B)の手法で製造したS4-Lys3-PEG3-hANP(1-28)(2.90 mg)より、(2−17B)と同様の手法に従って、目的物[SG- (SG-)Lys-[SG- (SG-)-Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−19)(5.31 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
540H
868N
84O
311S
7: [M+7H]
7+ 1963.4(ave.), Found 1963.4。
【0504】
<実施例2−20> [SG
2- (SG
2-)Lys-[SG
2- (SG
2-)-Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−20)の合成
(2−20A)SG
2- (SG
2-)Lys-[SG
2- (SG
2-)-Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−20)の合成
【0505】
【化140】
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【0506】
(2−19B)で製造したHS(HS-)-Lys-[HS− (HS-)Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(2.20 mg)と(1−15C)で製造したSG-(SG-)Gln*-Mal(12.1 mg)より、(2−17B)と同様の手法に従って目的物 SG
2-(SG
2-)Lys-[SG
2-(SG
2-)-Lys-]Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−20)(4.79 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
904H
1460N
116O
567S
7: [M+8H]
8+ 2907.3(ave.), Found 2907. 。
【0507】
<実施例2−21> AG(9)-(AG(9)-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−21)の合成
(2−21A)AG(9)-(AG(9)-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−21)の合成
【0508】
【化141】
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【0509】
(2−13B)で合成したSG-(SG-Asn)-PEG-hANP(1-28) (16mg)を用いて、(2−10A)と同様の手法に従って目的物AG(9)-(AG(9)-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−21)(8.2mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
268H
436N
56O
138S
3: [M+4H]
4+ 1687.7, Found 1687.4。
【0510】
<実施例2−22> AG(7)-(AG(7)-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−22)の合成
(2−22A)AG(7)-(AG(7)-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−22)の合成
【0511】
【化142】
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【0512】
(2−21A)で合成したAG(9)-(AG(9)-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28) (8 mg)を用いて、(2−11A)と同様の手法に従って目的物AG(7)-(AG(7)-)Asn-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−22)(6.6mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
244H
396N
56O
118S
3: [M+4H]
4+ 1525.6, Found 1525.4。
【0513】
<実施例2−23> SG-Mal-(SG-Mal-)Lys-[SG-Mal-(SG-Mal-)Lys-]Lys-PEG(11)- hANP(1-28)(化合物2−23)の合成
(2−23A)TrS-(TrS-)Lys-[TrS-(TrS-)Lys-]Lys-PEG(11)-CO
2H(下記式の化合物)の合成
【0514】
【化143】
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【0515】
3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロピオン酸(202 mg)より、(2−19A)と同様の手法に従って、目的物TrS-(TrS-)Lys-[TrS-(TrS-)Lys-]Lys-PEG(11)-CO
2H(135 mg)を得た。
【0516】
(2−23B)HS-(HS-)Lys-[HS-(HS-)Lys-]Lys-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0517】
【化144】
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【0518】
(2−23A)で製造したTrS-(TrS-)Lys-[TrS-(TrS-)Lys-]Lys-PEG(11)-CO
2H(45.3 mg)より、(2−17A)と同様の手法に従って、目的物HS-(HS-)Lys-[HS-(HS-)Lys-]Lys-PEG(11)-hANP(1-28)(12.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
184H
308N
52O
59S
7: [M+H]
+ 4415.1, Found 4416.1
【0519】
(2−23C)SG4-Lys3-PEG11-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−23)の合成
【0520】
【化145】
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【0521】
(2−23B)で製造したHS-(HS-)Lys-[HS-(HS-)Lys-]Lys-PEG(11) -hANP(1-28)(3.16 mg)より(2−17B)と同様の手法に従って、目的物SG-Mal-(SG-Mal-)Lys-[SG-Mal-(SG-Mal-)Lys-]Lys-PEG(11)-hANP(1-28)(化合物2−23)(4.40 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
556H
900N
84O
319S
7: [M+6H]
6+ 2349.3(ave.), Found 2349.2。
【0522】
<実施例2−24> SG-PEG(3)-hANP(1-28)-PEG(3)-SG(化合物2−24)の合成
(2−24A) GlcNAc-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0523】
【化146】
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【0524】
(2−1A)で製造したhANP(1-28)-TFA塩(33.0 mg)および化合物1−3A(13.0 mg, 24.7 μmol)を用い、(2−7A)と同様の方法に従って、目的物GlcNAc-PEG(3)-hANP(1-28)(25.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
148H
240N
47O
51S
3: [M+H]
+3587.7, Found 3587.6.
【0525】
(2−24B) GlcNAc-PEG(3)-hANP(1-28)-PEG(3)-GlcNAc(下記式の化合物)の合成
【0526】
【化147】
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【0527】
(2−24A)で製造したGlcNAc-PEG(3)-hANP(1-28)(21.0 mg)および化合物1−19B(46 mg, 73.6 μmol)を用い、(2−2B)と同様の方法に従って、目的物GlcNAc-PEG(3)-hANP(1-28)-PEG(3)-GlcNAc(3.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
169H
278N
50O
61S
3: [M+H]
+4080.9, Found 4080.9.
【0528】
(2−24C) SG-PEG(3)-hANP(1-28)-PEG(3)-SG(下記式の化合物、化合物2−24)の合成
【0529】
【化148】
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【0530】
(2−24B)で製造したGlcNAc-PEG(3)-hANP(1-28)-PEG(3)-GlcNAc(4.0 mg)を用い、(2−2D)と同様の手法に従って目的物SG-PEG(3)-hANP(1-28)-PEG(3)-SG(化合物2−24)(5.5 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
321H
528N
60O
173S
3: [M+4H]
4+ 2023.0 (ave.), Found 2022.8. 。
【0531】
<実施例2−25> SG-thioacetamide-hANP(1-28)(化合物2−25)の合成
(2−25A)TrS-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0532】
【化149】
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【0533】
3-トリチルスルファニルプロピオン酸(2.24 mg, 6.43 μmol)をジメチルホルムアミド(100μl)に溶解し、室温でトリエチルアミン(1.79 μl, 12.8μmol)を加え、氷冷下、ジメチルチオホスフィノイルクロリド(0.83mg, 6.46 μmol)のジメチルホルムアミド溶液(60μl)を加えた後、室温で1時間攪拌した。一方、hANP-トリフルオロ酢酸塩(10 mg)をジメチルホルムアミド(200 μl)、蒸留水(60μl)に溶解し、室温でトリエチルアミン(4.2μl)を加え、氷冷下、先に調製した活性エステルのジメチルホルムアミド溶液(160μl)を加えて、室温で5時間攪拌した。氷冷した0.5%トリフルオロ酢酸水溶液(2 ml)に反応液を加え、 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物TrS-hANP(1-28)(5.77 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
149H
221N
45O
40S
4: [M+3H]
3+ 1138.0(ave.), Found 1137.8
【0534】
(2−25B)HS-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0535】
【化150】
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【0536】
(2−25A)で合成したTrS-hANP(1-28) (5.77 mg)をトリフルオロ酢酸/蒸留水/トリイソプロピルシラン(90/5/5)溶液に溶解させ、室温で1時間攪拌した。反応終了後、蒸留水/酢酸(10/1)溶液(3 ml)を加え、不溶物を溶解させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物HS-hANP(1-28)(2.88 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
130H
207N
45O
40S
4: [M+H]
+ 3167.4, Found 3167.7
【0537】
(2−25C)SG-thioacetamide-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−25)の合成
【0538】
【化151】
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【0539】
(2−25B)で合成したHS-hANP(1-28) (2.88mg)、(1−11C)で合成したSG-I(2.66 mg)をジメチルホルムアミド(300 μl)に溶解させ、ジイソプロピルエチルアミン(0.77 μl)加え、室温で1時間攪拌した。反応終了後、蒸留水/酢酸(10/1)溶液(3 ml)を加え、不溶物を溶解させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-thioacetamide-hANP(1-28)(化合物2−25)(2.90 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
218H
350N
52O
103S
4: [M+4H]
4+ 1369.9(ave.), Found 1369.6。
【0540】
<実施例2−26> AG(5)-hANP(1-28)(化合物2−26)の合成
(2−26A)AG(5)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−26)の合成
【0541】
【化152】
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【0542】
(2−7A)で合成したGlcNAc-hANP のトリフルオロ酢酸塩を、イオン交換樹脂(Dowex1x8)用いて塩交換を行い、GlcNAc-hANP酢酸塩として次の反応に用いた。
(1−17C)で合成したAG(5)-P(18 mg)を0.2 Mリン酸緩衝溶液(pH6.75, 160 μl)に溶解させた後に、Glycosynthase (Endo-M-N175Q, 東京化成工業, 1 U/ml, 64 μl)、(2−7A)で合成したhANP-GlcNAcの酢酸塩(8.0 mg)のジメチルスルホキシド溶液(96 μl)を加え、25℃で3時間反応させた。室温で0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(1.5 ml)を加えて反応を停止させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物AG(5)-hANP(1-28)(化合物2−26)(5.6 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
163H
261N
47O
66S
3: [M+3H]
3+ 1345.1(ave.), Found 1344.6。
【0543】
<実施例2−27> SG-(SG-)Asn-PEG(11)-hANP(1-28)(化合物2−27)の合成
(2−27A)Boc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-CO
2H(下記式の化合物)の合成
【0544】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0545】
J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 284-290の記載に準じて製造した(2S)-4-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ]-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソブタン酸(187 mg, 0.43 mmol)およびHATU(163 mg, 0.43 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3.0 ml)に溶解し、室温でジイソプロピルエチルアミン(150 μl, 0.86 mmol)を加えて3分間攪拌した。この反応液を(1−4A)で製造した3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ]プロパン酸(0.22 g, 0.36 mmol)に加えて室温で3時間攪拌した。この反応混合物を氷冷した蒸留水(3 ml)および酢酸(100 μl)の混合溶媒に滴下して溶解し、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)により分離精製を行い、凍結乾燥して目的物Boc-(GlcNAc-Asn)-PEG(11)-CO
2H (210 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
44H
82N
4O
23: [M+K]
+ 1073.6, Found 1073.5
【0546】
(2−27B)Boc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0547】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0548】
(2−27A)で製造したBoc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-CO
2H(7.3 mg, 7.1 μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(150 μl)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(5.9 μl, 43 μmol)および、ジメチルチオホスフィノイルクロリド(1.7 mg, 21 μmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(50 μl)を加えた。この反応液を室温まで昇温しつつ1.5時間攪拌した。この反応液を氷冷下、(2−1A)の手順に従って調製したhANP-TFA塩(36 mg, 60w/w%, 7.1 μmol)およびトリエチルアミン(14 μl, 99 μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1500 μl)および蒸留水(3 00 μl)の混合溶媒に溶解した溶液に加え、室温まで昇温しつつ1日間攪拌した。この反応液を氷冷した0.2v/v%トリフルオロ酢酸水溶液(8.3 ml)に加え、 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-OH(14.8 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
171H
283N
49O
61S
3: [M+2H]
2+ 2049.8(ave.), Found 2049.5
【0549】
(2−27C)GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0550】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0551】
(2−27B)で製造したBoc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-hANP(1-28)(14.8 mg)を33v/v%トリフルオロ酢酸水溶液(1.0 ml)に溶解し、室温で3時間静置した。この反応液を氷冷した蒸留水(9.5 ml)および酢酸(0.5 ml)の混合溶媒に加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して中間体(10.2 mg)を得た。
【0552】
(1−2C)で製造した2-[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ酢酸(1.4 mg, 5.1 μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(150 μl)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(2.1 μl, 15 μmol)および、ジメチルチオホスフィノイルクロリド(0.98 mg, 7.7 μmol)を加えた。この反応液を室温まで昇温しつつ1.5時間攪拌した。この反応液を氷冷下、得られた中間体(10 mg, 2.6 μmol)およびトリエチルアミン(5.0 μl, 36 μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1500 μl)および蒸留水(3 00 μl)の混合溶媒に溶解した溶液に加え、室温まで昇温しつつ3日間攪拌した。この反応液を氷冷した0.2v/v%トリフルオロ酢酸水溶液(8.5 ml)に加え、 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-hANP(1-28)(9.0 mg)を得た。
【0553】
ESI-TOF-MS: Calcd for C
176H
290N
50O
66S
3: [M-2H]
2- 2128.3(ave.), Found 2128.0
【0554】
(2−27D)SG-(SG-Asn)-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−27)の合成
【0555】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0556】
(1−12A)で製造したSG-Oxaの0.2 Mリン酸緩衝溶液(60 mM, 188 μl)、に、室温でEndo-M-N175Q(1 U/ml, 100 μl)を加えた後、室温で(2−27D)で製造したhANP-GlcNAc(8.0 mg, 1.9 μmol)のジメチルスルホキシド溶液(120 μl)を2回に分けて15分間隔で加え、25 ℃で1日間振とうした。室温で0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(4.5 ml)および酢酸(0.5 ml)の混合溶媒を加えて反応を停止させ、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-(SG-)Asn-PEG(11)-hANP(1-28)(化合物2−27)(3.4 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
328H
536N
60O
178S
3: [M+5H]
5+ 1653.8(ave.), Found 1653.7。
【0557】
<実施例2−28> SG-(SG-)Asn-PEG(11)- PEG(11)-hANP(1-28)(化合物2−28)の合成
(2−28A)Fmoc-PEG(11)-PEG(11) -CO
2H(下記式の化合物)の合成
【0558】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0559】
3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ) エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ]プロパン酸(350 mg, 0.42 mmol)およびHATU(192 mg, 0.50 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3.0 ml)に溶解し、室温でジイソプロピルエチルアミン(176 μl, 1.01 mmol)を加えて3分間攪拌した。この反応液を(1−4A)で製造した3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ] エトキシ]プロパン酸(259 mg, 0.42 mmol)に加えて室温で3時間攪拌した。この反応混合物を氷冷した蒸留水(3 ml)および酢酸(117 μl)の混合溶媒に滴下して溶解し、さらにN,N-ジメチルホルムアミド(3.0 ml)および蒸留水(15 ml)の混合溶媒で希釈した。この溶液を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)により分離精製し、凍結乾燥して目的物Fmoc-PEG(11)- PEG(11)-CO
2H(399 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
69H
118N
2O
29: [M-H]
- 1437.8, Found 1437.8
【0560】
(2−28B)H
2N-PEG(11)-PEG(11)-CO
2H(下記式の化合物)の合成
【0561】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0562】
(2−28A)で製造したFmoc-PEG(11)- PEG(11)-CO
2H(250 mg)より(1−4A)と同様の手法に従って目的物H
2N-PEG(11)-PEG(11)-CO
2H(77 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
54H
108N
2O
27: [M+H]
+ 1217.7, Found 1217.9
【0563】
(2−28C)Boc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-PEG(11)-CO
2H(下記式の化合物)の合成
【0564】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0565】
J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 284-290の記載に準じて製造した(2S)-4-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]アミノ]-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソブタン酸(32 mg, 74 μmol)および(2−28B)で製造したH
2N-PEG(11)-PEG(11)-CO
2H(76 mg)より(2−27A)と同様の手法に従って目的物Boc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-PEG(11)-CO
2H(58 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
71H
135N
5O
36: [M+K]
+ 1673.0, Found 1672.9
【0566】
(2−28D)Boc-(GlcNAc)-Asn-PEG(11)-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0567】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0568】
(2−28C)で製造したBoc-(GlcNAc-Asn)-PEG(11)-PEG(11)-COOH(29 mg, 18 μmol)および(2−1A)で製造したhANP(1-28)-TFA塩(50 mg, 60w/w%, 9.7 μmol)を用いて(2-27B)と同様の手法に従って目的物Boc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-PEG(11)-hANP(1-28)(35 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
198H
336N
50O
74S
3: [M+H]
+ 4695.3, Found 4697.5
【0569】
(2−28E)GlcNAc-(GlcNAc-Asn)-PEG(11)-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0570】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
【0571】
(2−28D)で製造したBoc-(GlcNAc-Asn)-PEG(11)-PEG(11)-hANP(1-28)(35 mg, 7.4 μmol)より(2−27C)と同様の手法に従って目的物GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-PEG(11)-PEG(11)-hANP(1-28)(16 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
203H
343N
51O
79S
3: [M+H]
+ 4859.4(ave.), Found 4858.4
-TOF-MS: Calcd for C
203H
343N
51O
79S
3: [M+H]
+ 4859.4(ave.), Found 4858.4
【0572】
(2−28F)SG -(SG-Asn)-PEG(11)-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−28)の合成
【0573】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【0574】
(1−12A)で製造したSG-Oxaの0.2 Mリン酸緩衝溶液(60 mM, 190 μl)および、(2−28F)で製造したGlcNAc -(GlcNAc)-Asn-PEG(11)-PEG(11)-hANP(1-28)(16 mg, 3.2 μmol)より(2−27D)と同様の手法に従って目的物SG-(SG-Asn)-PEG(11)-PEG(11)-hANP(1-28)(化合物2−28)(13 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
355H
589N
61O
191S
3: [M+4H]
4+ 2217.0(ave.), Found 2216.9。
【0575】
<実施例2−29> SG-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−29)の合成
(2−29A)SG-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−29)の合成
【0576】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【0577】
(2−24A)で製造したGlcNAc-PEG(3)-hANP(1-28)(15.0 mg)より(1−14B)と同様の手法に従って目的物SG-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−29)(12.32 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
224H
362N
52O
107S
3: [M+4H]
4+ 1399.0(ave.), Found 1398.3。
【0578】
<実施例2−30> SG-PEG(11)-hANP(1-28)(化合物2−30)の合成
(2−30A)GlcNAc-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0579】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【0580】
hANP(1-28)-TFA塩(43.9 mg)と化合物1−4B(15.0 mg)を用いて(2−7A)と同様の手法に従って、目的物GlcNAc-PEG(11)-hANP(1-28)(33.7 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
164H
271N
47O
59S
3: [M+H]
+ 3939.9, Found 3939.8
【0581】
(2−30B)SG-PEG(11)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−30)の合成
【0582】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0583】
(2−30A)で製造したGlcNAc-PEG(11)-hANP(1-28)(15.0 mg)を用いて、(1−14B)と同様の手法に従って目的物SG-PEG(11)-hANP(1-28)(化合物2−30)(11.52 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
240H
394N
52O
115S
3: [M+5H]
5+ 1189.8(ave.), Found 1189.3。
【0584】
<実施例2−31> SG-(SG-)Gln*-Mal-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−31)の合成
(2−31A)H
2N-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0585】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
【0586】
3-[2-[2-[2-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロピオン酸(11.7 mg)と(2−1A)の調整法2の方法でhANP(1-28)-酢酸塩(41.0 mg)から調整したhANP(1-28)-TFA塩を用いて、(2−1B)と同様の手法に従ってBoc-PEG(3)-hANP(1-28)(12.7 mg)を得た。
得られたBoc-PEG(3)-hANP(1-28)(12.7 mg)を用いて(2−2C)と同様の手法に従って、目的物H
2N-PEG(3)-hANP(1-28)(12.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
138H
224N
46O
44S
3: [M+H]
+ 3326.6, Found 3326.6
【0587】
(2−31B)HS-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0588】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
【0589】
(2−31A)で製造したH
2N-PEG(3)-hANP(1-28)(12.0 mg)を用いて(2−25A)、(2−25B)と同様の手法に従って、目的物HS-PEG(3)-hANP(1-28)(5.00 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
141H
228N
46O
45S
4: [M+H]
+ 3414.6, Found 3414.7
【0590】
(2−31C)SG-(SG-)Gln*-Mal-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物3−31)の合成
【0591】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
【0592】
(2−31C)で製造したHS-PEG(3)-hANP(1-28)(4.00 mg)と(1−15C)で製造したSG-(SG-)Gln*-Mal(7.43 mg)を用いて、(2−17B)と同様の手法に従って、目的物SG-(SG-)Gln*-Mal-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−31)(2.09 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
325H
524N
62O
174S
4: [M+5H]
5+ 1643.4(ave.), Found 1643.2。
【0593】
<実施例2−32> SG-(SG-)Gln*-PEG(3)-Mal-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−32)の合成
【0594】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【0595】
(2−25B)で製造したHS-hANP(1-28)(2.3 mg)および(1−16C)で製造したSG-(SG-)Gln*-PEG(3)-Mal(4.0 mg)を0.2M酢酸バッファー(pH5.0)(0.10 mL)とジメチルスルホキシド(0.10 mL)の混合溶媒に溶解し、室温にて5時間攪拌した。反応溶液に0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(2.0 mL)を加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥して目的物SG-(SG-)Gln*-PEG(3)-Mal-hANP(1-28)(化合物2−32)(3.5 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
325H
528N
62O
174S
4: [M+4H]
4+ 2054.0 (ave.), Found 2053.8. 。
【0596】
<実施例2−33> SG-Mal-(SG-Mal-)Lys-hANP(1-28)(化合物2−33)の合成
(2−33A)TrS-(TrS-)Lys-PEG(3)-CO
2H(下記式の化合物、)の合成
【0597】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【0598】
1.20 mmol/gの2-クロロトリチルクロライドレジン(83 mg, 0.100 mmol)を固相合成用のカラムに入れ、ジクロロメタン(2mL)を加え10分しんとうした。ろ過後、3-[2[2[2[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロピオン酸(97.5 mg, 0.200 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(85.6 μL, 0.500 mmol)のジクロロメタン(2 mL)溶液を加え、室温で2時間しんとうした。ろ過後、ジクロロメタン混合溶液(ジクロロメタン:メタノール:N,N-ジイソプロピルエチルアミン=85:10:5, v/v)で3回、ジクロロメタンで3回、N,N-ジメチルホルムアミドで3回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(2 mL)を加え5分しんとう後ろ過する操作を4回行った。レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。レジンに(2S)-2,6-ビス(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)へキサン酸(177 mg, 0.300 mmol)とHATU(114 mg, 0.300 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(103 μL, 0.600 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2 mL)を加え室温で30分しんとうした。ろ過後レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。20%ピペリジン/N,N-ジメチルホルムアミド溶液(2 mL)を加え5分しんとう後ろ過する操作を4回行った。レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回洗浄した。3-トリチルスルファニルプロピオン酸(209 mg, 0.600 mmol)とHATU(228 mg, 0.600 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(205 μL, 1.20 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2 mL)を加え室温で1時間しんとうした。ろ過後レジンをN,N-ジメチルホルムアミドで4回、ジクロロメタンで4回洗浄した。1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(0.5 mL)とジクロロメタン(1.5 mL)の混合溶液を加え、室温で2時間しんとうした。ろ過してレジンを除き、ろ液を減圧下濃縮した。ジクロロメタンで6回共沸し、真空ポンプで乾燥することで、目的物
TrS-(TrS-)Lys-PEG(3)-CO
2Hを褐色固体(105 mg)として得た。
【0599】
(2−33B)TrS-(TrS-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0600】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【0601】
(2−33A)で製造したTrS-(TrS-)Lys-PEG(3)-CO
2H(27.4 mg)より、(2−17A)と同様の手法に従って、目的物TrS-(TrS-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(30 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
188H
272N
48O
47S
5: [M+H]
+ 4114.9, Found 4115.1
【0602】
(2−33C)HS-(HS-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0603】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
【0604】
(2−33B)で製造したTrS-(TrS-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(30.0 mg)より、(2−17B)と同様の手法に従って、目的物HS-(HS-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(15.3 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
150H
244N
48O
47S
5: [M+H]
+ 3630.7, Found 3631.0
【0605】
(2−33D)SG-Mal-(SG-Mal-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−33)の合成
【0606】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
【0607】
(2−33C)の手法で製造したHS-(HS-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(5.00 mg)より、(2−17C)と同様の手法に従って、目的物SG-Mal-(SG-Mal-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(化合物2−33)(8.55 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
336H
540N
64O
177S
5: [M+5H]
5+ 1694.7(ave.), Found 1694.5。
【0608】
<実施例2−34>SG-thioacetamide-(SG-thioacetamide-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(化合物2−34)の合成
(2−34A)SG-thioacetamide-(SG-thioacetamide-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0609】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
【0610】
(2−33C)で製造したHS-(HS-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(4.14 mg)と(1−19D)で製造したSG-I(7.40 mg)を用いて、(2−25C)と同様の手法に従って、目的物SG-thioacetamide-(SG-thioacetamide-)Lys-PEG-(3)-hANP(1-28)(化合物2−34)(4.74 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
326H
530N
62O
173S
5: [M+5H]
5+ 1650.3(ave.), Found 1650.2。
【0611】
<実施例2−35> SG-(SG-)Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−35)の合成
(2−35A)Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0612】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
【0613】
化合物1−20A (4.40 mg, 7.42 μmol)およびHATU(2.6 mg, 6.84 μmol)のN, N-ジメチルホルムアミド溶液(94 μL)に、N, N−ジイソプロピルエチルアミン(5.0 μL, 29.4 μmol)を加え、室温にて3分間攪拌した。得られた反応溶液を、hANPトリフルオロ酢酸塩(25 mg)およびN, N−ジイソプロピルエチルアミン(13 μL, 76.4 μmol)のN, N-ジメチルホルムアミド/水(5:1、v/v)混合溶液(0.60 mL)に加え、室温で2時間攪拌した。反応溶液に0.2%トリフルオロ酢酸水溶液(3 mL)を加え、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を溶離液とした逆相HPLC(GLサイエンス、Inertsil ODS-3)にて分離精製を行い、凍結乾燥してBoc-(Boc-)Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(18.0 mg)を得た。
得られたBoc-(Boc-)Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(18.0 mg)を用い、(2−2C)と同様の手法に従って目的物Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(12.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
144H
237N
48O
45S
3: [M+H]
+ 3454.7, Found 3454.7.
【0614】
(2−35C)SG-(SG-)Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−35)の合成
【0615】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【0616】
(2−35B)で製造したLys-PEG(3)-hANP(1-28)(6.0 mg)を用い、(2−1B)と同様の手法に従って目的物SG-(SG-)Lys-PEG(3)-hANP(1-28)(化合物2−35)(6.4 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
316H
507N
60O
171S
3: [M-5H]
5-1595.7 (ave.), Found 1595.6. 。
【0617】
<実施例2−36> SG-(SG-)Asn-(Ser-Gly)3-hANP(1-28)(化合物2−36)の合成
(2−36A)GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-(tBuSer-Gly)
3-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0618】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【0619】
化合物1−21B(13.8 mg)と(2−1A)の調整法2の方法でhANP-酢酸塩(37.1 mg)から調整したhANP(1-28)-TFA塩を用いて、(2−1B)と同様の手法に従って目的物GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-(tBuSer-Gly)
3-hANP(1-28)(27.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
176H
286N
56O
61S
3: [M+H]
+ 4258.0, Found 4257.8
【0620】
(2−36B)GlcNAc-(GlcNAc-Asn)-(Ser-Gly)
3-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0621】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
【0622】
(2−36A)で製造したGlcNAc-(GlcNAc-Asn)-(tBuSer-Gly)
3-hANP(1-28)(27.0 mg)より、(2−17A)と同様の手法に従って、目的物GlcNAc-(GlcNAc-Asn)-(Ser-Gly)
3-hANP(1-28)(4.66 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
164H
262N
56O
61S
3: [M+H]
+ 4089.8, Found 4090.1
【0623】
(2−36C)SG-(SG-Asn)-(Ser-Gly)
3-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−36)の合成
【0624】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
【0625】
(2−36B)で製造したGlcNAc-(GlcNAc-)Asn-(Ser-Gly)
3-hANP(1-28)(3.50 mg)より(2−2D)と同様の手法に従って目的物SGc-(SG-)Asn-(Ser-Gly)
3-hANP(1-28)(化合物2−36)(3.24 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
316H
508N
66O
173S
3: [M+4H]
4+ 2025.0(ave.), Found 2025.0。
【0626】
<実施例2−37> SG-(SG-)Asn-Gly
6-hANP(1-28)(化合物2−37)の合成
(2−37A)Gly
3-hANP(1-28)(下記式の化合物の合成)
【0627】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
【0628】
2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]酢酸(27.7 mg)と(2−1A)の調整法2の方法でhANP-酢酸塩(246 mg)から調整したhANP-TFA塩を用いて、(2−1B)と同様の手法に従ってBoc-Gly
3-hANP(1-28)(196 mg)を得た。得られたBoc-Gly
3-hANP(1-28)(196 mg)より、(2−2C)と同様の手法に従って、目的物Gly
3-hANP(1-28)(190 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
133H
212N
48O
42S
3: [M+H]
+ 3250.5, Found 3250.6
【0629】
(2−37B)Gly
6-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0630】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0631】
(2−37A)で製造したGly
3-hANP(1-28)(190 mg)と2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]酢酸(13.4 mg)より、(2−1B)と同様の手法に従って、Boc-Gly
6-hANP(1-28)(115 mg)を得た。
得られたBoc-Gly
6-hANP(1-28)(115 mg)より、(2−2C)と同様の手法に従って、目的物Gly
6-hANP(1-28)(115 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
139H
221N
51O
45S
3: [M+H]
+ 3421.6, Found 3421.5
【0632】
(2−37C) Boc-(GlcNAc-)Asn-Gly
6-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0633】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【0634】
(2−37B)で製造したGly
6-hANP(1-28)(60.0 mg)より、(1−5A)と同様の手法に従って、目的物Boc-(GlcNAc-)Asn-Gly
6-hANP(1-28)(23.0 mg)を得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
156H
248N
54O
54S
3: [M+H]
+ 3838.7, Found 3839.0
【0635】
(2−37D)GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-Gly
6-hANP(1-28)(下記式の化合物)の合成
【0636】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【0637】
(2−37C)で製造したBoc-(GlcNAc-Asn)-Gly
6-hANP(1-28)(23.0 mg)より、(1−5B)と同様の手法に従って、目的物 GlcNAc-(GlcNAc-)Asn-Gly
6-hANP(1-28)を白色固体(6.77 mg)として得た。
MALDI-TOF-MS: Calcd for C
161H
255N
55O
59S
3: [M+H]
+ 3999.8, Found 4000.1
【0638】
(2−37E)SG-(SG-)Asn-Gly
6-hANP(1-28)(下記式の化合物、化合物2−37)の合成
【0639】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
【0640】
(2−37D)で製造したGlcNAc-(GlcNAc-)Asn-Gly
6-hANP(1-28)(3.40 mg)より(2−2D)と同様の手法に従って目的物SG-(SG-)Asn-Gly
6-hANP(1-28)(化合物2−37)(4.32 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
313H
501N
65O
171S
3: [M+4H]
4+ 2002.7(ave.), Found 2002.5。
【0641】
<実施例2−38> SG-Lys*-[PEG(3)-Mal-hANP(1-28)]
2(化合物2−38、下記式の化合物)の合成
【0642】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
【0643】
(1−22B)で製造したSG-Lys-[PEG(3)-Mal]
2(3.0 mg, 0.94 μmol)を用い、(2−32A)と同様の方法に従って、標記目的化合物SG-Lys*-[PEG(3)-Mal-hANP(1-28)]
2(化合物2−38)(7.0 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
388H
616N
103O
159S
8: [M-5H]
5- 1904.8 (ave.), Found 1904.8. 。
【0644】
<実施例2−39> SG-Lys*-[PEG(11)-Mal-hANP(1-28)]
2(化合物2−39、下記式の化合物)の合成
【0645】
【化186】
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【0646】
(1−23B)で製造したSG-Lys*-[PEG(11)-Mal]
2(3.7 mg, 0.95 μmol)を用い、(2−32A)と同様の方法に従って、標記目的化合物SG-Lys*-[PEG(11)-Mal-hANP(1-28)]
2(化合物2−39)(7.0 mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
420H
680N
103O
175S
8: [M-5H]
5- 2045.8 (ave.), Found 2045.8. 。
【0647】
<実施例2−40> SG(Glc)-Gly-A-hANP(1-28)(化合物2−40、下記式の化合物)の合成
【0648】
【化187】
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【0649】
(1−24E)で合成したSG(Glc)- Gly-A (30mg)を用いて、(2−1B)と同様の手法に従って、目的化合物SG(Glc)-Gly-A-hANP(1-28)(化合物2−40)(34.2mg)を得た。
ESI-TOF-MS: Calcd for C
213H
341N
51O
103S
3: [M+4H]
4+1341.1 (ave.), Found 1341.0
また、実施例2の各種修飾hANPの製造において、実施例1−11、1−12,1−13又は1−14、及び、実施例1−24、に準じた方法で合成した、各種の還元末端改変糖鎖を用いることで、糖鎖として還元末端改変糖鎖を採用した修飾hANPを適宜製造することができる。
【0650】
[試験例]
<試験例1> 糖鎖修飾ペプチドのcGMP上昇活性試験
以下の方法により、実施例2で作製した各修飾ペプチドのcGMP上昇活性を測定した。
CHO細胞にhuman GC-Aを恒常的に発現させたCHO/human GC-A細胞をα-MEM, 10%FBS, 1%Penicillin-streptomycinで2×10
5 cells/mlに懸濁し、384 well plate (Corning, 3826)に20 μl/wellで播種し(4×10
3 cells/well)、CO
2インキュベーター内で一晩培養した。翌日、このプレートから培地を除去した後、1.6 mM IBMX/KRB bufferを10 μl/well添加し、プレートシェイカーで攪拌後、室温で10分間インキュベーションをした。次に、水に溶解させ、最終濃度の3倍濃度に調製した被験物質(各修飾ペプチド及び天然型hANP(1-28)(ペプチド研究所)、最終濃度濃度範囲0.01, 0.1, 1, 10, 100 nMとなるように希釈系列を調製)を5 μl/wellずつ添加し、プレートシェイカーで攪拌後、CO
2インキュベーター内で15分間インキュベーションをした。その後、Lysis buffer (50 mM phosphate buffer, pH7.0, 1 %Triton X-100)を5 μl 添加し、プレートシェイカーで10分間攪拌し、細胞を溶解させた。つづいて、その細胞溶解液中のcGMP量をcGMP kit(CISBIO製)を用いて測定した。すなわち、384 well plate (Greiner, 784076)にキットに添付のdiluentを5 μl/well、細胞溶解液を5 μl/well、cGMP-d2を5 μl/well、anti cGMP-Cryptateを5 μl/well添加し、プレートシェイカーで攪拌後、遮光下4°Cで一晩インキュベーションをした後、RubyStar(BMG LABTECH製)で均一時間分解蛍光を測定した。各濃度における被験物質の活性値(T/C)は溶媒のみを添加したウェルの活性値を0、1 nM ANPを添加したウェルの活性値を1として算出した。各濃度におけるT/Cをプロットし、得られたシグモイド曲線からT/C=0.5の値をEC
50とし、測定濃度範囲における最大T/C値をE
maxとした(表1)。
表1の結果から、全ての修飾ペプチドが、hANPの50%以上のcGMP上昇活性を示し(Emax>0.5)、cGMP上昇活性を保持していることが示された。化合物2−17、2−18、2−20は、Emaxが0.6〜0.7程度と若干低い傾向であったが、それ以外の修飾ペプチドはEmaxが0.95以上であり、天然型hANPと同等のcGMP上昇作用を保持していた。
【0651】
被験物質のcGMP上昇活性
【0652】
【表1】
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【0653】
<試験例2> 修飾ペプチドのNEP分解試験
以下の方法により、実施例2で作製した各修飾ペプチドの中性エンドペプチダーゼ(一般名:Neprilysin)による分解への耐性を調べた。
【0654】
被験物質(各種糖鎖修飾ANP及び天然型hANP(1-28))の溶液中にNeprilysin(R&D systems)を1ug/mlとなるように添加し、37℃、30分で前処理した。 当該Neprilysin処理液を用いて被験物質のcGMP上昇活性を試験例1の方法で調べた。
【0655】
その結果、天然型hANPは、NEP処理によって活性が消失したが、本発明の修飾ペプチドは、NEP処理後であっても試験例1と同程度にcGMP上昇活性を保持しており、NEPによる分解を受けにくいことが示された。
動物の血中における天然型ANPの速やかな消失の主なメカニズムは、NEPによる分解であると考えられている。本発明の修飾ペプチドは、NEP処理後もcGMP上昇活性を維持することから、動物体内においてもNEPによる分解を受けにくく、有効量が投与されれば投与後長時間にわたってcGMP上昇活性を発揮できることが示された。
【0656】
<試験例3> 修飾ペプチドのラットの血中持続性試験
以下の方法により、実施例2で作製した各修飾ペプチドのラットの血中における持続性(血中cGMPの持続的上昇作用及び被験物質の血中からの検出時間)を調べた。
(1)血漿サンプルの調製
イソフルラン:日本薬局方イソフルラン
採血用針およびシリンジ:テルモシリンジ 25G x 1 SR ツベルクリン用
採血用チューブ:キャピジェクト微量採血管 EDTA-2Na 500μL
サンプル保管用チューブ:MTARIX4170 サンプルトラックチューブ 0.75 mL
8週齢の雄性Slc:SDラットに対しイソフルラン吸入麻酔((エスカイン吸入麻酔液を1-2%の濃度で維持して吸入)を行った。水に溶解させ、100uMの濃度に調製した被験物質(各修飾ペプチド及び天然型hANP(1-28)(ペプチド研究所))の溶液を、頸静脈より、100nmol/kgの用量(1mL/kg)で急速静注した。投与前、投与後15、30、60、90、120、180及び240分の時点で、頸静脈から経時的採血(200μL/回)を行い、血液サンプルは速やかに氷上に置いた。
採取した血液サンプルは遠心機(Sigma 4K15、ローター:Nr12130-H)を用いて5000 rpm,5 min,4℃で遠心分離し、分離した血漿サンプルをPK測定用とcGMP測定用の2本に分け測定まで-80℃に保存した。
(2)血漿中cGMP濃度の測定
血漿中のcGMP濃度は、Amersham cGMP Enzymeimmunoassay Biotrak
TM (EIA) System (dual range)を用いて、添付のプロトコールに従って測定した。その結果を、縦軸にcGMP濃度、横軸に投与後の経過時間(分)としてプロットし、0分〜240分までのAUC(AUC0-240)と投与後60-240分のAUC(AUC60-240)を算出した。(表2)。
【0657】
(3)血漿サンプル中の被験物質の検出
(1)で調整したラット血漿サンプル50 μLに内部標準物質(hANPの安定同位体500nM、20 μL)と酢酸混合溶媒(AcOH/蒸留水./DMSO=5/3/2, v/v/v)を添加後混合し、Amicon Ultra-0.5 50K (Millipore Corp., MA) に移して15℃、14000rpmで30分遠心分離した。得られた濾液をAmicon Ultra-0.5 3K (Millipore Corp., MA) に移し、前記条件で再度遠心分離した。フィルター上に残った液を取り出し、96穴ディープウェルプレートに移して、LC-MS/MS(LC:Shimadzu LC-10ADVP (島津製作所).、MS/MS:API4000QTrap (AB SCIEX))で、被験物質の含有量を測定し、血漿中の濃度を算出した。被験物質が最後に検出された時間を表2の一番右のカラムに示した。
【0658】
ラットにおける血中持続時間の評価
【0659】
【表2】
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【0660】
*) Pre値(0分の値)をベースラインとして、曲線の全ての点についてベースラインとの差分を積算したAUC値。曲線がベースラインより下になる点は負の値として計算した。
**) Pre値(0分の値)をベースラインとして、曲線がベースラインより上にある点についてのみベースラインとの差分を積算したAUC値。曲線がベースラインより下になる点は無視して計算した。
【0661】
天然型hANPでは、投与により一過性にcGMPが急上昇するが、投与30分後には、投与開始前に近いレベルまで低下し、60分以降は完全にcGMPの上昇は消失したため、AUC60-240は0以下であり、血中での持続性がないことが確認された。また、血漿中の被験物質の検出においては、投与15分後の血漿サンプルにおいても天然型hANPは検出されなかった。
【0662】
これに対し、実施例2の修飾ペプチドでは、AUC60-240においても高い値を示しており、被験物質の投与により上昇した血漿中cGMP濃度が、投与後60分以降(化合物2−1、2−10では180分後、化合物2−12、2−13、2−14、2−16については120分後、化合物2−11、2−15、2−19については60分後)においても投与前よりも高い値を維持していた。また、被験物質自体が、投与1.5時間後以降の血漿サンプルからも検出されており、体内で長時間にわたって代謝されず、血中に留まっていることが示された。
この結果から、本発明の修飾ペプチドは、血中の持続時間が延長されており、当該持続時間中cGMP上昇活性を保持していることが示された。