【文献】
AROMATHERAPY RECIPES,HOW TO MAKE BODY BUTTER,[ONLINE],2010年 7月15日,URL,http://wayback.archive.org/web/20100715072728/http://www.easy-aromatherapy-recipes.com/how-to-make-body-butter.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
植物性バターが、アロエバター、アボカドバター、ココアバター、コーヒー豆バター、クプアスバター、精製バター、麻実バター、イリッペバター、コクムバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、モカチーノバター、ムルムルバター、オリーブバター、ピスタチオナッツバター、シアバター、ココナッツバター、シェイローバター、スイートアーモンドバター及びそれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の固体化粧品組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、マッサージバーとして使用することができ、バーを拡大し、かつ生成物を不必要に浪費することを回避することを可能にする、固体化粧品生成物を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、植物性バターを含む固体化粧品組成物を提供し、固体組成物は、その中に気泡を分散させており、気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成する。
【0007】
第2の態様では、固体組成物、すなわち、植物性バターを含む固体化粧品組成物を生成するためのプロセスを提供し、固体組成物は、その中に気泡を分散させており、気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成し、
プロセスは、
i)1又は2以上の植物性バターを融解させるステップと、
ii)融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌するステップと、
iii)ステップii)の混合物を凝固させるステップと
を含む。
【0008】
第3の態様では、固体組成物、すなわち、植物性バターを含む固体化粧品組成物を生成するためのプロセスを提供し、固体組成物はその中に気泡を分散させており、気泡は固体化粧品組成物の体積の少なくとも5%を形成し、
プロセスは、
i)1又は2以上の植物性バターを融解させるステップと、
ii)融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌するステップと、
iii)ステップii)の混合物を凝固させるステップと
を含む。
【0009】
第4の態様では、固体組成物、すなわち、植物性バターを含む固体化粧品組成物を生成するためのプロセスにより得られる又は得ることができる生成物を提供し、固体組成物は、その中に気泡を分散させており、気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成し、
プロセスは、
i)1又は2以上の植物性バターを融解させるステップと、
ii)融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌するステップと、
iii)ステップii)の混合物を凝固させるステップと
を含む。
【0010】
第5の態様では、固体組成物、すなわち、植物性バターを含む固体化粧品組成物を生成するためのプロセスにより得られる又は得ることができる生成物を提供し、固体組成物はその中に気泡を分散させており、気泡は固体化粧品組成物の体積の少なくとも5%を形成し、
プロセスは、
i)1又は2以上の植物性バターを融解させるステップと、
ii)融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌するステップと、
iii)ステップii)の混合物を凝固させるステップと
を含む。
【0011】
ここに、論及を簡便にするために、適切なセクションの見出しの下で、本発明のこれらの及びさらなる態様を論じる。しかし、各セクション下の教示が、必ずしも各特定のセクションに限定されるとは限らない。
【発明の効果】
【0012】
利点
その中に気泡が捕捉された、化粧品固体生成物を形成することによって、含気させた固体生成物を提供する。含気させた生成物は、含気させない生成物よりも低い密度を有する。換言すると、所与の体積に対してより少ない質量を有する、又は換言するとより少ない化粧品材料を含有する化粧品生成物を提供する。したがって、本発明により、使用者が、適切なサイズの生成物を保持することが可能になり、また、この生成物は、楽しめるマッサージを提供し、かつより少ない化粧品成分を含有し、それにより、廃棄に関する浪費を最小限に留めるか、又は個人に単回のマッサージを提供する場合には、生成物の全てを適用することも可能になる。5〜19体積%の量で組み込んだ気泡を含有する生成物は、適用する際に、さらに滑らかな感触を皮膚にもたらすことも見出されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
組成物
本明細書において論じるように、本発明の一態様では、植物性バターを含む固体化粧品組成物を提供し、固体組成物は、その中に気泡を分散させており、気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成する。
【0014】
化粧品生成物の性質上、生成物が食用でないことを意味することを当業者は理解するであろう。したがって、さらなる態様では、本発明は、植物性バターを含む非食用固体化粧品組成物を提供し、固体組成物は、その中に気泡を分散させており、気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成する。
【0015】
本発明の固体生成物は、外部手段、例えば、パッケージング等により支持されない場合にも、それらの物理的形状を実質的に維持することができる組成物である。したがって、それらは、室温で、固体、固体様、固体の形態、又は固体様の形態であるとみなされる。誤解を避けるために、この固体生成物は、30℃まで実質的に固体の状態を維持しなければならない。
【0016】
固体様により、一部の材料、例えば、ガラス等の非結晶性材料は、短期的には、固体であるとみなされ、にもかかわらず、極めて長い期間を経ると、形状を変化させる場合があることが理解される。しかし、そうした材料は、固体様であるとみなされる。その理由は、それらが果たす目的では、それらは固体であるからである。
【0017】
本発明の組成物は、固体の形態をとることから、組成物の形状を維持するために、外部パッケージングは必要でない。
【0018】
植物性バターは、通常の使用温度で(上記で論じた固体様を含めて)固体であることが見出されるトリグリセリドである。誤解を避けるために、植物性バターは、30℃まで実質的に固体の状態を維持するトリグリセリドである。しかし、植物性バターが、通常の使用温度で100%の固形脂肪含有量を有する必要はないことを理解されたい。好ましい態様では、固形脂肪は、25℃で、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の固形脂肪含有量を有する。
【0019】
本明細書において論じるように、一態様では、本発明は固体組成物、すなわち、植物性バターを含む固体化粧品組成物を生成するためのプロセスを提供し、固体組成物はその中に気泡を分散させており、気泡は固体化粧品組成物の体積の少なくとも5%を形成し、プロセスは、i)1又は2以上の植物性バターを融解させるステップと、ii)融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌するステップと、iii)ステップii)の混合物を凝固させるステップとを含む。1つの好ましい態様では、気泡は固体化粧品組成物の体積の5〜60%を形成する。1つの好ましい態様では、気泡は固体化粧品組成物の体積の5〜50%を形成する。1つの好ましい態様では、気泡は固体化粧品組成物の体積の10〜60%を形成する。1つのさらに好ましい態様では、気泡は固体化粧品組成物の体積の10〜50%を形成する。1つの好ましい態様では、気泡は固体化粧品組成物の体積の15〜60%を形成する。1つの好ましい態様では、気泡は固体化粧品組成物の体積の15〜50%を形成する。
【0020】
本明細書において論じるように、固体生成物中に組み込まれ、固体生成物により捕捉される気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成する。1つの好ましい態様では、気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜18%を形成する。1つの好ましい態様では、気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜17%を形成する。1つの好ましい態様では、気泡は、固体化粧品組成物の体積の10〜19%を形成する。さらに好ましい態様では、気泡は、固体化粧品組成物の体積の10〜18%を形成する。1つの好ましい態様では、気泡は、固体化粧品組成物の体積の10〜17%を形成する。
【0021】
気泡は、いかなる適切な気体の気泡であってもよい。一態様では、気泡は、空気、窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素及びそれらの混合物から選択される気体の気泡である。
【0022】
本発明は、固体である化粧品生成物を提供する。固体生成物中に組み込まれる植物性バターは典型的には、マッサージにおける作用物質として使用される。しかし、本発明の固体化粧品生成物は、最終使用者が適当と思ういかなる様式で使用してもよい。例えば、化粧品生成物は以下のうちの1又は2以上として使用してもよい:歯成形、リップクリーム、固形バスソルト、保湿剤、スキンケア、ボディローション、シャンプー、固形コンディショナー、整髪剤、フェイスマスク、バスメルト、バスオイル、シャワーゲル、シャワーゼリー、固形芳香剤、固形ヘンナ毛髪染料、髭剃り剤、デオドラント及びバブルバス。しかし、好ましい態様では、本発明の固体化粧品組成物は、マッサージバーである。
【0023】
本発明の組成物は典型的には、含気させた生成物を成型することによって作製する。したがって、一態様では、本発明の生成物を、生成物の成分を融解させ、次いで、含気させ、融解、含気させた生成物を金型中に置き、含気させた生成物を固まらせることによって調製する。次いで、含気させた生成物は、固体になったら、金型から離す。このプロセスを、本明細書にさらに詳細に記載する。含気させた生成物を金型中で成形する場合、含気させた構造と金型自体との間の複数の接触点に起因して、金型から、含気させた生成物を取り出すのが困難である場合があることが見出されている。金型から離す際の、これらの問題を軽減するために、金型の内側を、少量のシェル材料を用いてコーティングし、次いで、この内で、凝固させた含気生成物を形成するのが望ましい。したがって、さらに好ましい態様では、本発明の組成物は、シェルコーティングを含む。このシェルコーティングは典型的には、含気させた生成物と同じ組成であるが、それ自体は含気されていない組成から作製される。したがって、好ましい態様では、シェルコーティングは、その中に気泡を分散させている固体組成物と同じ材料から形成される。一態様では、シェルは、含気させた生成物とは異なる組成から作製される。一態様では、シェルを、少なくとも、生成物の含気させた部分と同じ成分から作製するが、異なる量又は生成物の含気させた部分中に存在する任意選択の成分の非存在下で作製する。したがって、さらなる態様では、
(a)植物性バターを含み、その中に気泡を分散させているコア材料、
(b)植物性バターを含み、コア材料を少なくとも部分的に包み込むシェル材料
を含み、
気泡が、固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成する
固体化粧品生成物を提供する。
【0024】
植物性バター
本発明の固体化粧品生成物は、少なくとも1つの植物性バターを含有しなければならない。植物性バターという用語は、当業者により理解され、植物供給源から得ることができる、バターの粘稠度を有するトリグリセリドを意味する。植物性バターは、アロエバター、アボカドバター、ココアバター、コーヒー豆バター、クプアスバター、精製バター、麻実バター、イリッペバター、コクムバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、モカチーノバター、ムルムルバター、オリーブバター、ピスタチオナッツバター、シアバター、ココナッツバター、シェイローバター及びスイートアーモンドバターを含む。好ましい態様では、植物性バターは、ムルムルバター、イリッペバター、マンゴーバター、アボカドバター、クプアスバター、ココナッツバター、ココアバター、シアバター及びそれらの混合物から選択される。好ましい態様では、植物性バターは、ココアバター、シアバター及びそれらの混合物から選択される。
【0025】
好ましくは、植物性バターは、2又は3以上の植物性バターの混合物である。極めて好ましい態様では、植物性バターは、ココアバターとシアバターとの混合物である。
【0026】
2又は3以上の植物性バターの混合物は、好ましくは「硬い」植物性バターと「軟らかい」植物性バターとの混合物である。当業者は、硬い植物性バターが高い飽和脂肪含量を含有するものであり、それゆえ室温では高い固形脂肪含量を有することを理解する。当業者は、軟らかい植物性バターが高い不飽和脂肪含量を含有するものであり、それゆえ室温では低い固形脂肪含量を有することを理解する。
【0027】
本発明による使用のための好ましい硬い植物性バターは、ココアバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター及びその混合物から選択してもよい。
【0028】
本発明による使用のための好ましい軟らかい植物性バターは、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナツバター、アーモンドバター及びその混合物から選択してもよい。
【0029】
1つの好ましい態様では、植物性バターは
(a)ココアバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター及びその混合物から選択される5〜95重量%の第1のバターと
(b)アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナツバター、アーモンドバター及びその混合物から選択される5〜95重量%の第2のバターと
の混合物である。
【0030】
植物性バターは、固体化粧品生成物の所望の物理学的特徴をもたらすために、いかなる量で存在してもよい。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約10重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約20重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約30重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約40重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約50重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約60重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約70重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約80重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約85重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約90重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物の約95重量%〜約99重量%の量で存在する。好ましくは、植物性バターは、全組成物のおよそ97重量%の量で存在する。
【0031】
固体化粧品生成物が、ココアバターを含有する場合、ココアバターは、いかなる適切な量で存在してもよい。典型的には、ココアバターは、全組成物の約5重量%〜約94重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約10重量%〜約94重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約20重量%〜約94重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約30重量%〜約94重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約40重量%〜約94重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約50重量%〜約94重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約60重量%〜約94重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約60重量%〜約90重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約60重量%〜約85重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約65重量%〜約80重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物の約70重量%〜約80重量%の量で存在する。好ましくは、ココアバターは、全組成物のおよそ70%重量の量で存在する。
【0032】
固体化粧品生成物が、シアバターを含有する場合、シアバターは、いかなる適切な量で存在してもよい。典型的には、シアバターは、全組成物の約5重量%〜約94重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約5重量%〜約90重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約5重量%〜約80重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約5重量%〜約70重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約5重量%〜約60重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約5重量%〜約50重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約5重量%〜約40重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約5重量%〜約30重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約10重量%〜約30重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約15重量%〜約30重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物の約20重量%〜約30重量%の量で存在する。好ましくは、シアバターは、全組成物のおよそ26重量%の量で存在する。
【0033】
追加の構成成分
また、本発明の固体生成物は、1又は2以上の美容上許容される添加剤を含むこともできる。当業者であれば、そのような組成物中に組み込むのに適している、様々な美容上許容される添加剤を知っている。例えば、結合剤、充填剤、乳白剤、香料、芳香剤、装飾用アイテム及びそれらの混合物である。
【0034】
本発明の組成物が、芳香剤をさらに含むことは特に好ましい。好ましくは、芳香剤は、エッセンシャルオイルから選択される。好ましくは、芳香剤、より好ましくは、エッセンシャルオイルは、全組成物の約0.5重量%〜約4重量%の量で存在する。より好ましい量は、全組成物の約0.5重量%〜約3.5重量%、例として、全組成物の約0.5重量%〜約3重量%、例として、全組成物の約1重量%〜約3重量%、例として、全組成物の約1.5重量%〜約2.5重量%、例として、全組成物のおよそ2重量%である。
【0035】
果実及びハーブのエキス及び搾汁、植物油、並びにエッセンシャルオイルは全て、組成物に適合する。色は、天然由来及び合成の両方を使用して、生成物を着色することができる。
【0036】
一実施形態では、美容上許容される添加剤は、エッセンシャルオイル、ビタミン、芳香剤、着色剤、粘土、装飾用物品及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0037】
エッセンシャルオイルを、所望の芳香、処置する皮膚のタイプ、及びエッセンシャルオイルの周知の特性に基づいて所望されるその他の効果に基づいて選択することができる。エッセンシャルオイルを添加して、鼻中に施用する場合、気分を変化させることが公知である。例えば、エッセンシャルオイルは、眠気を誘う作用又は感覚を刺激する作用を生み出すことが公知である。多くの、十分に裏付けられている作用を、エッセンシャルオイルの使用により達成することができる。
【0038】
一実施形態では、固体生成物中に存在する1又は2以上のエッセンシャルオイルは、タラゴン、レモンマートル、ジャスミン、イランイラン、ラブダナム、レモングラス、ローズオットー、グレープフルーツ、パチョリ、ローズマリー、アルモワーズ、レモン、ネロリ、ニオイスミレ、ラベンダー、オレンジ50倍、バニラ、ハッカ、ベンゾイン、紫陽花、リトシークベブ、カルダモン、トンカ及びカモミールブルーから選択される。一実施形態では、固体生成物中に存在する1又は2以上のエッセンシャルオイルは、タラゴン、レモンマートル、ラブダナム及びレモンから選択される。
【0039】
ビタミン、特に、B、C及びEは、皮膚に非常に有益である。また、コムギ胚芽油等のビタミンに富む成分を使用して、皮膚に対してビタミンを送達することもできる。一実施形態では、ビタミンは、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE及びそれらの混合物から選択される。ビタミンは、いかなる適切な供給源から得てもよいことを当業者は認識するであろう。例えば、ビタミン(複数可)を、合成の供給源から得てもよく、又は固体生成物中に、高いビタミン含有量を有する天然材料等の材料を組み込むことから得てもよい。
【0040】
本発明における成分には、化粧品用保存剤は必要でない。化粧品用保存剤の使用は、皮膚を刺激する可能性を増加させる恐れがある。
【0041】
固体生成物中に存在し得る装飾用アイテムは、グリッター、ライスペーパー等の紙、シークイン、ドライフラワー若しくは生花、ハーブ、植物等のアイテム、それらの部分又はそれらの混合物を含む。また、その他の増強材料も組み込むことができる。
【0042】
さらに好ましい添加材料は、植物油、チョコレート、ハーブ及び香辛料、化粧品用着色剤(例えば、パプリカ、クチナシエキス、dmc赤色30号)、豆(例えば、アズキ)、新鮮な又は乾燥させた果実(例えば、バナナ、アボカド、マンゴー、パパイヤ、キウイ、ラズベリー、イチゴ、ブルーベリー、ブドウ、トマト、アスパラガス又はキュウリ)、蜂蜜、グリセリン、化粧用グリッター、その他の植物性バター(例えば、マンゴー、アボカド)、粘土(例えば、カオリン)、デンプン(例えば、コーンスターチ)、並びにそれらの混合物を含む。
【0043】
上記の範囲は、それぞれの構成成分の好ましい量を提供する。これらの範囲のそれぞれを、単独で又は1若しくは2以上のその他の構成成分の範囲と組み合わせて用いて、本発明の好ましい態様を提供することができる。
【0044】
本発明に従う、1つの極めて好ましい組成物は、
(i)全組成物の約60重量%〜約80重量%の量のココアバター
(ii)全組成物の約15重量%〜約35重量%の量のシアバター
(iii)全組成物の約2重量%〜約4重量%の量の芳香剤
を含む。
【0045】
プロセス
本明細書において論じるように、本発明は、固体組成物、すなわち、植物性バターを含む固体化粧品組成物を生成するためのプロセスを提供し、固体組成物は、その中に気泡を分散させており、気泡は、固体化粧品組成物の体積の少なくとも5%を形成し、
プロセスは、
i)1又は2以上の植物性バターを融解させるステップと、
ii)融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌するステップと、
iii)ステップii)の混合物を凝固させるステップと
を含む。
【0046】
本発明は、植物性バターを含む固体化粧品組成物を生成するためのプロセスをさらに提供し、固体組成物はその中に気泡を分散させており、気泡は固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成し、
プロセスは、
i)1又は2以上の植物性バターを融解させるステップと、
ii)融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌するステップと、
iii)ステップii)の混合物を凝固させるステップと
を含む。
【0047】
当業者は、融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌する本発明の工程(ii)が任意の適した撹拌によって実施される場合があることを理解するであろう。撹拌は、高速混合や高剪断混合などの混合であり得るが、好ましくは泡立てによって果たされる。
【0048】
泡立ては1又は2以上の植物性バターを撹拌する好ましい方法である。1又は2以上の植物性バターは、融解するような任意の適した温度で、例えば泡立てるなどして撹拌することができ、気泡が組み込まれるような撹拌を可能にする。好ましい温度は22〜35℃である。非常に好ましい温度は28℃である。泡立て器の使用によって撹拌を果たす場合、これは手持ち泡立て器、電動手持ち泡立て器又は泡立て付属品の付いた工業用ホバートミキサーのいずれかであり得る。
【0049】
気泡が融解させた1又は2以上の植物性バター内に組み込まれていれば、凝固中に、1又は2以上の植物性バター中で気泡を維持するための工程をとることが好ましい。好ましくは、このことを1barより気圧の高い雰囲気中に凝固中の生成物を置くことによって果たす。好ましくは、1barより気圧の高い雰囲気を提供するために使用するガスは、冷却されたガスである。好ましいガスは亜酸化窒素、二酸化炭素及び空気である。
【0050】
1つのさらに進んだ態様では、定圧の雰囲気中で生成物を凝固させることが好都合である。この定圧は大気圧より高くある必要はない。一態様では、定圧は大気圧より低い。好ましくは、生成物を0.2〜1.0barの圧力で凝固させる。好ましくは、生成物を0.6barの圧力で凝固させる。凝固中の生成物を理想的には定圧で、例えば、0.6barなどの0.2〜1.0barの圧力で2〜15秒間保つが、最良の結果は7秒後に達成される。
【0051】
本発明による生成物を調製するための典型的なプロセスは、以下の通りである。
1.1又は2以上の植物性バターを調達し、その1又は2以上のバターを50〜70℃の温度に加熱する。
2.バターが凝固するように1又は2以上のバターを冷却する。典型的には、それらを22〜32℃の温度に冷却するが、27℃で特に好都合な結果が達成される。理屈に縛られなければ、この加熱及び冷却の工程は、ココアバターなどのバターの特殊な結晶構造の形成を生じることが理解される。この特殊な結晶形態は形態Vとして知られており、一旦凝固すると体温で融解し易いバターを提供する。
3.バターを次いで33〜45℃の温度に再加熱して、低い融解温度を有し、かつ固体化粧品組成物を体温より低い温度で融解させる原因となる代替の結晶構造の形成を防いでもよい。このことは、形成した構造が密になり過ぎないように、すなわち、不都合な結晶の成長を阻害することによって、皮膚接触で融解することのない生成物の調製が妨げられないように、結晶の成長を遅延させるとも考えられている。
4.芳香剤原料を次いで添加して、結晶の形成を中断させないように緩やかに混合することができる。
5.生成物が32℃より低く冷えれば、以下の処理を行うことができる。
a.物理的な撹拌(すなわち泡立て)の前に、組成物を22〜32℃に冷却する。特に好都合な結果は27℃で達成される。次いで2分間〜1時間泡立てる。
b.組成物を次いで30秒間〜2分間そのまま放置する。このことは大きい気泡を逃し、滑らかでかつ固体の外観を具えた組成物を生成することを可能にする。
c.バターを次いで金型中に注いで、20〜32℃の間の温度に放置して完全に凝固させる。
【0052】
本発明による生成物を調製するためのさらに典型的なプロセスは以下の通りである。本明細書に記載されているような仕方で、バター混合物を融解させて冷却し、再び加熱する(焼き戻す)。バターが24℃に達したら、5分間又は泡立てプロセス中に抵抗を感じるまで、中〜高出力で剪断力をかける(すなわち混合物を泡立てる)。中〜高出力は系に十分なエネルギーをもたらして、結晶の形成の間に系内へ空気を組み込む。しかし、中高出力を使用するため、発生するエネルギーは冷却プロセスを大いに阻止するには十分ではない。そのため、結晶は凝集する(合一する)ことができる。混合物を次いで1分間そのまま放置してもよく、このことによって結晶系は十分に形成し、結晶はクラスター化を開始するが、この時点でバター混合物は堅くなってゆくであろう。バター混合物を次いで追加の5分間、剪断(泡立て)するべきである。このエネルギー区分は結晶を個々の形態へと押し戻すが、このことによってバター混合物を金型中に注ぐことができる。金型中に入ると結晶がもう一度クラスターを形成し、次いでバター網へと凝固する。バターの分子動力学的な組成は、この参照文献Campos et al. 2010 in Crystal Growth & Design (American Society Of Chemistry), Vol. 10, No. 1 Pg 207-217に論じられている。
【0053】
一態様では、生成物の凝固後に生成物を確実に金型から外すことができるように、注ぐ前に金型を予め冷却する。さらに、バーが緩く固まった時点で、それが金型から生成物を取り外す時の一助となることを見て取れれば金型を裏返してもよい。
【0054】
本発明の固体生成物の形状は、限定されない。固体生成物は、審美的に満足がいくであろう形状及び/又は生成物の使用を援助する形状にするとよい。例えば、固体生成物を、使用者にとって、人間工学的に許容される形状に凝固するような様式で生成するとよい。したがって、本発明のプロセスの一実施形態では、ステップi)及び/又はステップii)の混合物を、金型に圧入し、凝固させ、次いで、型から出して、固体生成物を生成する。
【0055】
本明細書に記載のように、固体生成物は、1又は2以上の美容上許容される添加剤をさらに含むこともできる。一実施形態では、プロセスは、本明細書に定義する、1若しくは2以上の美容上許容される添加剤及び/又は本明細書に定義する分散剤を、ステップi)及び/又はステップii)の混合物と組み合わせるステップをさらに含む。
【0056】
また、本発明は、固体組成物、すなわち、植物性バターを含む固体化粧品組成物を生成するためのプロセスにより得られる又は得ることができる生成物も提供し、固体組成物は、その中に気泡を分散させており、気泡は、固体化粧品組成物の体積の5〜19%を形成し、
プロセスは、
i)1又は2以上の植物性バターを融解させるステップと、
ii)融解させた1又は2以上の植物性バター内に気泡が形成されるように、融解させたバターを撹拌するステップと、
iii)ステップii)の混合物を凝固させるステップと
を含む。
【0057】
方法
本発明の一態様では、その中に本明細書に定義する固体生成物が溶解しているか又はその中で本明細書に定義する固体生成物が溶解しつつある水と、使用者の皮膚を接触させることを含む方法を提供する。典型的な方法では、許容される温度の水を浴槽に入れる。使用者は、水中に身体を浸し、固体生成物を、水中に落とす。次いで、使用者は、水表面上に生成物の作用を認めるか、又は生成物が表面下で泡立つのを認める。次いで、使用者は水中に浴する。
【実施例】
【0058】
ここに、本発明を、以下の非限定的な実施例を参照して記載する。
【0059】
本発明による組成物を調製するための一般的な方法は以下の通りである。
1.1又は2以上の植物性バターを50〜70℃に温めて融解させる。
2.バター混合物を22〜32℃に冷却して、次いで33〜45℃に再加熱する。
3.バター混合物を22〜32℃に冷却して、装飾材、芳香剤や着色剤などの任意の追加の構成成分を添加する。
4.混合物を低速〜高速で2分間〜1時間泡立てる。
5.泡立てた混合物を金型中に注ぎ、次いで0〜20℃に冷却して固まらせる。
【0060】
以下の組成を有する固体生成物を調製した。
【0061】
【表1】
【0062】
生成物を以下のように調製した。
1.2つの植物性バターを合わせて、60℃に加熱して融解した。
2.バター混合物を25℃又は27℃に冷却して、次いで35℃に再加熱した。
3.混合物を次いで25℃又は27℃に冷却して、芳香剤を加えた。
4.混合物を中速で6分間、9分間又は12分間泡立てた。
5.泡立混合物を金型中に注ぎ、次いで8℃に冷却して固まらせた。
【0063】
以下の試料を調製した。上記の工程2及び3の温度の変動を泡立ての持続時間と共に記述する。
【0064】
【表2】
【0065】
混合物を標準サイズの金型中に注ぎ、固まらせた。各試料の複数回処理分を調製した。試料の平均的な質量を計算して、含気させていない試料の平均質量と比較した。これにより、含気させた試料のうちガスの占める体積を計算した。
【0066】
【表3】
【0067】
比較的低度に、すなわち気泡で形成された体積の割合が5%より低く含気された試料番号2は、対照試料と事実上等価であることが見出された。一方、およそ5%の気泡のある試料番号1は、対照生成物に比べて、さらに滑らかな適用感触があることが見出された。このことは試料4及び5についてさらに高められた。高い割合の気泡(36.22%及び46.13%)を含む試料3及び6は、取り扱いし易い生成物を提供するのに効果的であったが、同じ体積の対照生成物よりも植物性バターをはるかに少なく含有していた。このことは単回使用の適用で無駄遣いを最小にするのに有益であり、また、このことにより手に「軽快に」感じられる生成物が提供された。
【0068】
本発明の種々の改変及び変更が、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明を、特定の好ましい実施形態と関連させて記載してきたが、特許請求に係る本発明を、そのような特定の実施形態に極度に限定してはならないことを理解すべきである。実際に、本発明を実施するために記載した形態の種々の改変は、化学、生物学又は関連の分野の当業者に明らかであり、こうした改変は、以下の特許請求の範囲内にあるものとする。