【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、独立特許請求項による方法および装置によって達成される。本方法および本装置の有利な実施形態および発展形態は、従属請求項に開示されており、さらに、以下の説明および図面から明らかになる。
【0008】
接続キャリア上に配置されている少なくとも1個のオプトエレクトロニクス部品を測定する方法の少なくとも一実施形態によると、本方法は、少なくとも1個のオプトエレクトロニクス部品および接続キャリアによって形成される少なくとも1つの電磁共振回路を励振させるステップであって、したがって少なくとも1個のオプトエレクトロニクス部品が励起されて電磁放射を放出する、ステップと、少なくとも1個のオプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの電気光学特性を測定するステップと、を含む。
【0009】
本発明は、1個のオプトエレクトロニクス部品を有する1つの電磁共振回路を励振させることに制限されない。そうではなく、励振される電磁共振回路は、電気光学特性を測定することのできる2個以上のオプトエレクトロニクス部品を備えていることもできる。さらに、それぞれが1個のオプトエレクトロニクス部品を有する複数の電磁共振回路、または、それぞれが複数のオプトエレクトロニクス部品を有する複数の電磁共振回路、を励振させることができる。これらの電磁共振回路は、互いに独立している、または互いに結合することができる。さらには、1つまたは複数の電磁共振回路を、1個または複数のオプトエレクトロニクス部品のすぐ近傍において励振させる必要はない。そうではなく、励振の領域と、(1個または複数の)オプトエレクトロニクス部品による電磁放射の放出の領域を、互いに隔てることもできる。この場合、オプトエレクトロニクス部品は、特に、さらなる製造ステップが実行された後のオプトエレクトロニクスデバイス、またはオプトエレクトロニクスデバイスとして存在する素子とすることができる。オプトエレクトロニクス部品は、励起されて電磁放射を放出することのできる少なくとも1つの構成要素を備えている。
【0010】
電磁共振回路の励振の結果としてオプトエレクトロニクス部品が励起されて電磁放射を放出することによって達成されることとして、オプトエレクトロニクス部品の接続部の間のオーム抵抗が無視できるオーダー(例えばマイクロオームのオーダーのオーム抵抗)であり、したがってオプトエレクトロニクス部品が短絡している場合でも、オプトエレクトロニクス部品の電気光学特性を測定することができる。特に、例えば、オプトエレクトロニクス部品が接続キャリア上に配置されており、まだ個片化されていないことにより、製造工程の少なくとも一部の間、オプトエレクトロニクス部品が短絡している場合でも、オプトエレクトロニクス部品の電気光学特性を測定することができる。
【0011】
本方法の少なくとも一実施形態によると、オプトエレクトロニクス部品は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、半導体ダイオード、または半導体チップである、あるいは、オプトエレクトロニクス部品は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、半導体ダイオード、または半導体チップを備えている。レーザダイオードは、レーザ放射を放出する半導体ダイオードである。電磁放射は、電気光学的発光に基づいて放出されることが好ましい。電磁共振回路は、誘導素子もしくは容量素子またはその両方を備えている電気回路である。このような電気回路のトータルインピーダンスは、一般的には複素数値である。特に、電磁共振回路は、誘導素子および容量素子の両方を備えていることができる。この場合、トータルインピーダンスの絶対値は、特定の周波数による励振時に最小値をとる。電磁共振回路は、この特定の周波数によって励振させることが好ましい。
【0012】
本方法の少なくとも一実施形態によると、オプトエレクトロニクス部品は、半導体積層体を備えている。オプトエレクトロニクス部品は、III−V族化合物半導体材料を含むことが好ましい。III−V族半導体材料は、紫外スペクトル領域(Al
xIn
yGa
1−x−yN)から可視スペクトル領域(特に青色〜緑色の放射の場合にはAl
xIn
yGa
1−x−yN、特に黄色〜赤色の放射の場合にはAl
xIn
yGa
1−x−yP)、さらには赤外スペクトル領域(Al
xIn
yGa
1−x−yAs)の放射を生成するのに特に適している。このとき各場合において、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1が成り立ち、特に、x≠1、y≠1、x≠0、y≠0の少なくとも1つが成り立つ。
【0013】
本方法の少なくとも一実施形態によると、接続キャリアは、リードフレーム、特に、金属フレームである。接続キャリアの上に、多数のオプトエレクトロニクス部品を配置することができる。接続キャリアは、少なくとも1つの接続導体領域を備えていることができ、各オプトエレクトロニクス部品を各接続導体領域内に配置することができる。接続導体領域とは、接続導体が形成されている領域である。特に、オプトエレクトロニクス部品を製造する工程中、もしくは、オプトエレクトロニクス部品の完成後、またはその両方において、オプトエレクトロニクス部品を電気的に接続するための接続部の役割を果たすことのできる接続導体を、接続導体領域に形成することができる。
【0014】
本方法の少なくとも一実施形態によると、2つの接続導体領域の間それぞれに、それぞれの間隙が形成されている。さらに、接続キャリアは、接続導体領域を相互に導電接続するブリッジ領域(bridging region)を備えていることができる。ブリッジ領域によって、連続的な接続キャリアを単純な方法で形成することができる。
【0015】
本方法の少なくとも一実施形態によると、少なくとも1つの接続導体領域は、少なくとも1つの第1の接続領域および第2の接続領域を備えている。オプトエレクトロニクス部品の第1の接続部を第1の接続領域に導電接続することができ、オプトエレクトロニクス部品の第2の接続部を第2の接続領域に導電接続することができる。第1の接続部は、直接的な電気的接触によって第1の接続領域に導電接続することができ、第2の接続部は、ボンディングワイヤによって第2の接続領域に導電接続することができる。第1の接続領域および第2の接続領域は、接続キャリアによって互いに導電接続することができる。
【0016】
本方法の少なくとも一実施形態によると、電磁共振回路は、オプトエレクトロニクス部品と、第1の接続領域と、第2の接続領域と、第1の接続領域と第2の接続領域との間の導電接続部と、によって形成されている。第1の接続領域と第2の接続領域との間の導電接続部は、非導電性の間隙の少なくとも一部を囲んでいることができる。結果として、間隙の周囲に存在するインダクタンスおよびキャパシタンスが、電磁共振回路において利用される。間隙には、固体物質が存在しないことが好ましい。結果として達成されることとして、電磁共振回路を励振させる手段(例えば誘導素子やフェライトコア)を間隙内に配置することができ、その結果として、電磁共振回路のより効率的な励振を達成することができる。
【0017】
本方法の少なくとも一実施形態によると、オプトエレクトロニクス部品の電気光学特性は、オプトエレクトロニクス部品によって放出される電磁放射の明るさ、色位置(color locus)、またはスペクトルである。測定された電気光学特性に基づいて、オプトエレクトロニクス部品のさらなる特性を求めることができる。一例として、オプトエレクトロニクス部品、またはオプトエレクトロニクス部品の少なくとも一部における少なくとも一方のタイプの電荷キャリアの少なくとも1つの寿命を求めることが可能である。
【0018】
本方法の少なくとも一実施形態によると、電磁共振回路を励振させるステップは、電磁共振回路における2つの電気接点、特に、接続キャリア上の2つの接点に、電圧を印加するステップを含む。オプションとして、またはこれに加えて、電磁共振回路を励振させるステップは、時間的に変化する交流電磁界を発生させることによって、電磁共振回路に交流電圧を誘起させるステップを含む。この誘導励起の利点として、励振を非接触式にもたらすことができる。時間的に変化する交流電磁界は、誘導素子、特に、1回または複数回の巻きを有するコイルによって、発生させることができる。誘導素子は、接続キャリアの上方または下方(すなわち両側)に配置することができる。接続キャリアと誘導素子との間の距離は変化をもたせることもできるが、一定に維持されることが好ましい。一例として、誘導素子は、複数の異なるオプトエレクトロニクス部品の領域の上方、接続キャリアから一定の距離に位置させることができる。
【0019】
誘導素子は、電磁共振回路に類似する寸法もしくは類似する形状またはその両方を有することが好ましい。電磁共振回路の励振が局所的に区切られていることによって達成されることとして、同じ接続キャリア上に配置されている隣接するオプトエレクトロニクス部品が例えば同様に励起されて電磁放射を放出することなく、個々のオプトエレクトロニクス部品の電気光学特性を測定することができる。
【0020】
しかしながら、誘導素子は、電磁共振回路、または同時に形成される複数の共振回路よりも、例えば小さい寸法を有することもできる。結果として、同時に励起されて電磁放射を放出する複数の(例えば隣り合う)オプトエレクトロニクス部品の電気光学特性を測定することも可能である。
【0021】
上述したように、励振の領域と、(1個または複数の)オプトエレクトロニクス部品による電磁放射の放出の領域を、互いに隔てることができる。接続キャリアの幾何学形状と、接続キャリア上に配置されているオプトエレクトロニクス部品の幾何学形状と、さらには、磁界の強さの空間分布とに応じて、複数のオプトエレクトロニクス部品を励起させて電磁放射を放出させることができ、この場合、それぞれ放出される放射の強さは、オプトエレクトロニクス部品ごとに大幅に変化させることができる。
【0022】
本方法の少なくとも一実施形態によると、誘導素子は、電磁共振回路の方向に誘導素子から延在している強磁性要素を少なくとも部分的に囲む。結果として達成されることとして、磁力線が発散する程度が小さく、結果として、電磁共振回路の領域に集中する程度が大きい。強磁性要素は、例えばフェライトコアとすることができる。誘導素子もしくは強磁性要素またはその両方は、少なくとも一部分が、励振時に電磁共振回路を貫通していることが好ましい。結果として、誘導素子と電磁共振回路との間の特に強い電磁結合が達成される。
【0023】
本方法の少なくとも一実施形態によると、電磁共振回路における電気接点もしくは誘導素子またはその両方に、交流電圧が印加される。この交流電圧は、高周波電圧であることが好ましい。高周波電圧は、インピーダンス整合の役割を果たす整合回路を介して印加されることが好ましい。高周波電圧の周波数は、好ましくは1MHz〜10GHz、特に好ましくは10MHz〜1GHz、特に好ましくは25MHz〜500MHzである。高周波電圧の周波数は、電磁共振回路の共振周波数またはそれに近い周波数であることが好ましい。励振のために印加される電力は、例えば1W〜100Wの範囲内とすることができる。本方法は、高周波電圧の周波数を設定するステップを含むことが好ましい。高周波電圧の周波数を設定するステップは、オプトエレクトロニクス部品によって放出される電磁放射の強さの測定値に基づく閉ループ制御を含むことができる。高周波電圧の周波数における第1の接続領域と第2の接続領域との間の導電接続の実効インピーダンスの虚数部は、この実効インピーダンスの実数部より大きいことが好ましく、特に好ましくは10倍大きい、特に好ましくは100倍大きい。
【0024】
電磁共振回路が交流電圧によって励振されることによって達成されることとして、オプトエレクトロニクス部品の接続部の間の導電接続(直流電圧が印加されたときに短絡が生じる)を遮断することなく、オプトエレクトロニクス部品を測定することができる。交流電圧が電磁共振回路に局所的に結合されることによって達成されることとして、個々のオプトエレクトロニクス部品を、別のオプトエレクトロニクス部品(特に、接続キャリア上の隣接するオプトエレクトロニクス部品)を同時に励起することなく、測定することができる。これは、特に、接続キャリアが、複数のオプトエレクトロニクス部品を有する複数の接続導体領域を備えており、これらの接続導体領域がブリッジ領域によって互いに導電接続されている場合に関連する。
【0025】
さらに、本発明は、オプトエレクトロニクス部品を最適化する方法に関する。少なくとも一実施形態によると、本方法は、オプトエレクトロニクス部品を測定する、本発明による方法を実行するステップと、オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの測定された電気光学特性と所望の値とを比較するステップと、比較に基づいてオプトエレクトロニクス部品を修正するステップと、を含む。修正するステップは、特に、電気光学特性を所望の値に調整するステップを含むことができる。オプションとして、またはこれに加えて、本方法は、測定された電気光学特性に基づいてオプトエレクトロニクス部品を選別するステップを含むことができる。
【0026】
オプションとして、またはこれに加えて、本方法は、測定された電気光学特性と所望の値との比較に基づいて製造ステップを適合させるステップをさらに含むことができる。製造ステップは、特に、LED(特に、白色光を生成するLED)に変換材料を塗布するステップとすることができる。LEDは、例えば、ハウジングと、青色半導体チップと、変換材料と、さらなるポッティング材料(使用時)と、を備えていることができる。
【0027】
この場合、オプトエレクトロニクス部品の電気光学特性は、オプトエレクトロニクス部品によって放出される電磁放射の色位置であることが好ましい。変換材料を塗布するとき、完成したLEDの所望の色特性を達成する、もしくは、より狭い色分布を達成する、またはその両方を目的として、変換材料の量、もしくは、変換材料に含まれる変換物質の濃度、またはその両方を、測定された色位置に応じて調整することが好ましい。LEDによって放出される電磁放射のスペクトルは、わずかな温度依存性を有し、LEDは、高周波電圧による励起のために発熱するが、本発明による方法によって、色位置を十分に正確に求めることができる。変換材料を塗布した後、オプトエレクトロニクス部品に例えばハウジングや光学素子を設けることができる。接続キャリア上に複数のオプトエレクトロニクス部品を配置する場合、接続キャリアと複数のオプトエレクトロニクス部品を備えた集合体を、後から個片化することができる。この場合、共通の接続キャリアが複数の接続キャリアに分割され、したがって、完成したオプトエレクトロニクス部品それぞれが接続キャリアを有する。
【0028】
さらに、本発明は、オプトエレクトロニクス部品を測定する装置に関する。少なくとも一実施形態によると、本装置は、少なくとも1個のオプトエレクトロニクス部品を上に配置することのできる接続キャリアと、高周波発生器と、整合回路と、接続キャリアおよび少なくとも1個のオプトエレクトロニクス部品を備えた電磁共振回路を励振させる手段と、オプトエレクトロニクス部品の少なくとも1つの電気光学特性を測定するように設計されている測定装置と、を備えている。電磁共振回路は、例えば誘導的に、したがって非接触式に励振させる、または電気接点を介して励振させることができる。
【0029】
さらに、本発明は、オプトエレクトロニクス部品を最適化する装置に関する。少なくとも一実施形態によると、本装置は、オプトエレクトロニクス部品を測定する、本発明による装置と、オプトエレクトロニクス部品の測定された電気光学特性と所望の値とを比較するように設計されている制御ユニットと、比較に基づいてオプトエレクトロニクス部品を修正する手段と、を備えている。比較に基づいてオプトエレクトロニクス部品を修正する手段は、電気光学特性を所望の値に調整する手段を備えていることができる。オプションとして、またはこれに加えて、比較に基づいてオプトエレクトロニクス部品を修正する手段は、比較に基づいて製造ステップを適合させる手段を備えていることができる。制御ユニットは、測定された電気光学特性に基づいて、もしくは、測定された電気光学特性と所望の値との比較に基づいて、またはその両方に基づいて、オプトエレクトロニクス部品を修正する手段を制御するように設計されていることが好ましい。
【0030】
上述した装置は、前述した本方法を実行する目的に特に適している。したがって、本方法に関連して説明した特徴は、これらの装置にもあてはまり、逆も同様である。
【0031】
以下では、例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。さらなる利点、有利な実施形態、および発展形態は、以下の説明から明らかになるであろう。