(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6283735
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】ヨウ化物添加剤を含有する電解液及びそれを含む二酸化硫黄基盤二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0563 20100101AFI20180208BHJP
H01M 10/054 20100101ALI20180208BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20180208BHJP
H01M 4/48 20100101ALI20180208BHJP
【FI】
H01M10/0563
H01M10/054
H01M10/052
H01M4/48
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-232874(P2016-232874)
(22)【出願日】2016年11月30日
【審査請求日】2016年11月30日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0125466
(32)【優先日】2016年9月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503257778
【氏名又は名称】コリア エレクトロニクス テクノロジ インスティチュート
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】チョン,グジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハンス
【審査官】
式部 玲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−062890(JP,A)
【文献】
特開2015−076400(JP,A)
【文献】
特表2007−506260(JP,A)
【文献】
特開昭63−281364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05−10/0587
H01M 10/36−10/39
H01M 4/00− 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化硫黄(SO2)、アルカリ金属塩及びヨウ化物添加剤を含み、
前記二酸化硫黄及びアルカリ金属塩は、NaAlCl4−xSO2(1.5≦x≦3.0)またはLiAlCl4−xSO2(1.5≦x≦3.0)であり、ヨウ化物添加剤は、NaIまたはLiIであり、ヨウ化物添加剤の含量は、0.001〜0.5Mである二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。
【請求項2】
前記NaAlCl4-2SO2に10〜100mMの NaI を添加したことを特徴とする請求項1に記載の二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。
【請求項3】
前記ヨウ化物添加剤の含量は、0.03〜0.1Mであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。
【請求項4】
二酸化硫黄(SO2)、アルカリ金属塩及びヨウ化物添加剤を含有する電解液を含み、
前記 二酸化硫黄及びアルカリ金属塩は NaAlCl4−xSO2(1.5≦x≦3.0)またはLiAlCl4−xSO2(1.5≦x≦3.0)であり、ヨウ化物添加剤は、NaIまたはLiIであり、ヨウ化物添加剤の含量は、0.001〜0.5Mであることを特徴とする二酸化硫黄基盤二次電池。
【請求項5】
前記NaAlCl4-2SO2に10〜100mMの NaI を添加したことを特徴とする請求項4に記載の二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。
【請求項6】
ナトリウムまたはリチウムを含有する負極と、
炭素素材を含有する正極と、
二酸化硫黄(SO2)、アルカリ金属塩及びヨウ化物添加剤を含有する電解液と、を含み、
前記 二酸化硫黄及びアルカリ金属塩は NaAlCl4−xSO2(1.5≦x≦3.0)またはLiAlCl4−xSO2(1.5≦x≦3.0)であり、ヨウ化物添加剤は、NaIまたはLiIであり、ヨウ化物添加剤の含量は、0.001〜0.5Mであることを特徴とする二酸化硫黄基盤二次電池。
【請求項7】
前記NaAlCl4-2SO2に10〜100mMの NaI を添加したことを特徴とする請求項6に記載の二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。
【請求項8】
前記ヨウ化物添加剤の含量は、0.03〜0.1Mであることを特徴とする請求項6に記載の二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。
【請求項9】
前記負極は、ナトリウム金属またはリチウム金属であることを特徴とする請求項6に記載の二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関し、より詳細には、エネルギー効率、長寿命特性、負極の安定性を改善できるヨウ化物添加剤を含有する電解液及びそれを含む二酸化硫黄基盤二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品のデジタル化と高性能化などにより消費者の要求が変わるに伴い、市場ニーズも、薄型、軽量化と高エネルギー密度による高容量を有する電池の開発に流れが変わっている状況である。また、未来のエネルギー及び環境問題に対処するために、ハイブリッド電気自動車や電気自動車、及び燃料電池自動車の開発が活発に進行されているところ、自動車電源用として電池の大型化が要求されている。
【0003】
小型軽量化及び高容量で充放電可能な電池として、リチウム系二次電池が実用化されており、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯用電子及び通信機器などに用いられている。リチウム二次電池は、正極、負極、電解質で構成され、充電によって正極活物質から出たリチウムイオンが負極活物質に挿入され、放電時に、さらに脱離されるなどの両電極を往復しつつエネルギーを伝達する役目をするため、充放電が可能である。
【0004】
なお、最近、リチウムの代わりにナトリウムを利用したナトリウム基盤二次電池の研究がさらに再照明されている。ナトリウムは、資源埋蔵量が豊かであるため、リチウムの代わりにナトリウムを利用した二次電池を製作できると、二次電池を低コストで製造できる。
【0005】
前述したように、ナトリウム基盤二次電池は有用であるが、従来のナトリウム金属基盤の二次電池、例えばNAS(Na−S電池)、ZEBRA(Na−NiCl
2電池)は、室温で使用できないという点、すなわち高温での液状ナトリウム及び正極活物質の使用による電池安全性問題及び腐食問題による電池性能低下であるという点に問題がある。なお、最近、ナトリウムイオンの脱挿を利用したナトリウムイオン電池が活発に研究されているが、これらのエネルギー密度及び寿命特性は、まだ不十分な状況である。そのため、室温で使用可能であり、エネルギー密度及び寿命特性に優れたナトリウム基盤二次電池が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1520606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、エネルギー効率、長寿命特性、負極の安定性を改善できるヨウ化物添加剤を含有する電解液及びそれを含む二酸化硫黄基盤二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、二酸化硫黄(SO
2)、アルカリ金属塩及びヨウ化物添加剤を含む二酸化硫黄基盤二次電池用電解液を提供する。
【0009】
前記ヨウ化物添加剤は、NaIまたはLiIである。
【0010】
前記ヨウ化物添加剤の含量は、0.001〜0.5Mである。好ましくは、前記ヨウ化物添加剤の含量は、0.03〜0.1Mである。
【0011】
前記二酸化硫黄及びアルカリ金属塩は、NaAlCl
4−xSO
2(1.5≦x≦3.0)またはLiAlCl
4−xSO
2(1.5≦x≦3.0)である。
【0012】
また、本発明は、二酸化硫黄(SO
2)、アルカリ金属塩及びヨウ化物添加剤を含有する電解液を含む二酸化硫黄基盤二次電池を提供する。
【0013】
また、本発明は、ナトリウムまたはリチウムを含有する負極と、炭素素材を含有する正極と、二酸化硫黄(SO
2)、アルカリ金属塩及びヨウ化物添加剤を含有する電解液とを含む二酸化硫黄基盤二次電池を提供する。
【0014】
また、前記負極は、ナトリウム金属またはリチウム金属とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、二酸化硫黄基盤の無機液体電解液にヨウ化物添加剤を添加することによって、エネルギー効率、長寿命特性、負極の安定性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明によるヨウ化物添加剤を含有する電解液を含む二酸化硫黄基盤二次電池を説明するための図である。
【
図2】
図2は、NaIを含有する電解液のイオン伝導度を示す写真である。
【
図3】
図3は、実施例及び比較例による二酸化硫黄基盤二次電池の充放電曲線を示すグラフである。
【
図4】
図4は、実施例及び比較例による二酸化硫黄基盤二次電池の寿命特性を示すグラフである。
【
図5】
図5は、比較例による二酸化硫黄基盤二次電池内においての負極の電着形状を示す写真である。
【
図6】
図6は、実施例による二酸化硫黄基盤二次電池内においての負極の電着形状を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
下記の説明では、本発明の実施例を理解するのに必要な部分のみが説明され、その他の部分の説明は、本発明の要旨を不明にしない範囲で省略されることに留意しなければならない。
【0018】
以下で説明される本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は、通常的や辞書的な意味に限定すべきものではなく、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するための用語の概念で適切に定義できるという原則に即して本発明の技術的思想に符合する意味と概念に解釈すべきである。したがって、本明細書に記載した実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例をより詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明によるヨウ化物添加剤を含有する電解液を含む二酸化硫黄基盤二次電池を説明するための図である。
【0021】
図1を参照すれば、本発明による二酸化硫黄基盤二次電池は、ヨウ化物添加剤を含有する二酸化硫黄基盤無機電解液1、正極2及び負極3を含む。
【0022】
ここで、二酸化硫黄基盤無機電解液1は、アルカリ金属塩と二酸化硫黄を含有する二酸化硫黄基盤無機電解質(アルカリ金属塩−xSO
2)を含み、電解質及び正極反応の活物質として使用される。二酸化硫黄基盤無機電解質は、アルカリ金属イオン電解質である。
【0023】
二酸化硫黄基盤無機電解液1は、アルカリ金属塩に対して二酸化硫黄の含量モル比xが0.5〜10に該当するもので、好ましくは、1.5〜3.0に該当することができる。二酸化硫黄含量モル比xが1.5未満と低くなる場合、電解質イオン伝導度が減少する問題点が現われ、3.0超過と高くなる場合、電解質の蒸気圧が高くなる問題点が現われる。
【0024】
アルカリ金属塩は、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などを含む。例えば、ナトリウム塩としては、NaAlCl
4、NaGaCl
4、Na
2CuCl
4、Na
2MnCl
4、Na
2CoCl
4、Na
2NiCl
4、Na
2ZnCl
4、Na
2PdCl
4などが使用でき、このような多様なナトリウム塩のうち、NaAlCl
4が比較的優れた電池特性を示す。リチウム塩としては、LiAlCl
4、LiGaCl
4、LiBF
4、LiBCl
4、LiInCl
4などが使用できる。また、カリウム塩としては、KAlCl
4が使用できる。
【0025】
例えば、二酸化硫黄基盤無機電解液1は、NaAlCl
4−xSO
2の電解質を含有する。NaAlCl
4−xSO
2の製造方法としては、NaClとAlCl
3混合物(またはNaAlCl
4単独塩)にSO
2ガスを注入することによって得ることができる。
【0026】
本発明による二酸化硫黄基盤無機電解液1は、ヨウ化物添加剤をさらに含む。ヨウ化物添加剤としては、NaI、LiIなどが使用できる。ヨウ化物添加剤の含量は、0.001〜0.5Mであり、好ましくは0.03〜0.1Mである。すなわちヨウ化物添加剤の含量が0.0001M未満である場合、ヨウ化物添加剤が添加されない電解液の特性に大きい差異はない。反対に、ヨウ化物添加剤の含量が0.5Mを超過する場合、エネルギー効率、長寿命特性、負極の安定性の改善が低減され得るからである。
【0027】
このように二酸化硫黄基盤無機電解液1に機能性添加剤としてヨウ化物添加剤を添加することによって、
図2に示されたように、イオン伝導度が約100mS/cmであって、水系電解液に相当する非常に優れた特性を示す。ここで、
図2は、NaIを含有する電解液のイオン伝導度を示す写真である。この際、二酸化硫黄基盤無機電解液は、NaAlCl
4−2SO
2にNaI50mMを添加して製造した。
【0028】
正極2は、多孔性の炭素素材よりなる。このような正極2は、二酸化硫黄基盤無機電解質の酸化−還元反応が起こる場所を提供する。正極2を構成する炭素素材は、場合によって一つまたは二つ以上の異種元素を含むことができる。異種元素というのは、窒素(N)、酸素(O)、ホウ素(B)、フッ素(F)、リン(P)、硫黄(S)、ケイ素(Si)を言う。異種元素の含有量は、0〜20at%であり、好ましくは、5〜15at%に該当する。異種元素の含量が5at%未満である場合、異種元素の添加による容量増大の効果が非常に弱くなり、15at%以上である場合、炭素材の電気伝導度及び電極成形容易性が減少する。
【0029】
また、正極2は、多孔性の炭素素材に金属塩化物、金属フッ化物、金属臭化物及び金属酸化物のうち一つがさらに含まれることができる。
【0030】
ここで、金属塩化物は、CuCl
2、CuCl、NiCl
2、FeCl
2、FeCl
3、CoCl
2、MnCl
2、CrCl
2、CrCl
3、VCl
2、VCl
3、ZnCl
2、ZrCl
4、NbCl
5、MoCl
3、MoCl
5、RuCl
3、RhCl
3、PdCl
2、AgCl、CdCl
2のうち一つまたは二つ以上を含むことができる。例えば、正極2は、多孔性の炭素材と一定重量比のCuCl
2を含むことができる。CuCl
2は、充放電時に、Cuの酸化水が変化しながらナトリウムイオンと反応し、CuとNaClの放電産物が得られ、充電時に、可逆的にCuCl
2が再形成される。正極2内の金属塩化物の含量は、50〜100wt%または60〜99wt%、好ましくは、正極2の特性改善のために更なる元素の配合などのために70〜95wt%とすることができる。
【0031】
金属フッ化物は、CuF
2、CuF、NiF
2、FeF
2、FeF
3、CoF
2、CoF
3、MnF
2、CrF
2、CrF
3、ZnF
2、ZrF
4、ZrF
2、TiF
4、TiF
3、NbF
5、AgF
2、SbF
3、GaF
3、NbF
5のうち一つまたは二つ以上を含むことができる。例えば、正極2は、多孔性の炭素材と一定重量比のCuF
2を含むことができる。CuF
2は、充放電時にCuの酸化水が変化しながらナトリウムイオンと反応し、CuとNaClの放電産物が得られ、充電時に、可逆的にCuF
2が再形成される。正極2内の金属フッ化物の含量は、50〜100wt%または60〜99wt%、好ましくは、正極2の特性改善のために更なる元素の配合などのために70〜95wt%とすることができる。
【0032】
金属臭化物は、CuBr
2、CuBr、NiBr
2、FeBr
2、FeBr
3、CoBr
2、MnBr
2、CrBr
2、ZnBr
2、ZrBr
4、ZrBr
2、TiBr
4、TiBr
3、NbBr
5、AgBr、SbBr
3、GaBr
3、NbBr
5、BiBr
3、MoBr
3、SnBr
2、WBr
6、WBr
5のうち一つまたは二つ以上を含むことができる。例えば、正極2は、多孔性の炭素材と一定重量比のCuBr
2を含むことができる。CuBr
2は、充放電時に、Cuの酸化水が変化しながらナトリウムイオンと反応し、CuとNaClの放電産物が得られ、充電時に、可逆的にCuBr
2が再形成される。正極2内の金属臭化物の含量は、50〜100wt%または60〜99wt%、好ましくは、正極2の特性改善のために更なる元素の配合などのために70〜95wt%とすることができる。
【0033】
また、金属酸化物は、CuO、V
2O
5、MnO
2、Fe
3O
4、Co
3O
4、NiOのうち一つまたは二つ以上を含むことができる。正極2において、金属酸化物の含量は、70〜90重量%とすることができる。
【0034】
負極3としては、ナトリウムまたはリチウムを含有する素材が使用できる。
【0035】
例えば、負極3の素材としてナトリウムを含有する素材は、ナトリウム金属、ナトリウムを含有する合金、ナトリウムを含有する金属間化合物、ナトリウムを含有する炭素材、ナトリウムを含有する無機系物質を含むことができる。無機系物質は、酸化物、硫化物、リン化物、窒化物、フッ化物などを含む。
【0036】
例えば、二酸化硫黄基盤無機電解液1のアルカリ金属塩がリチウム塩(LiAlCl
4)である場合、負極3は、炭素系物質、Si系、Sn系、Al系、P系、Zn系、Ga系、Ge系、Ag系、In系、Sb系、Bi系金属、合金、酸化物または硫化物を含むことができる。
【0037】
二酸化硫黄基盤無機電解液1のアルカリ金属塩がナトリウム塩(NaAlCl
4)である場合、負極3は、炭素系物質、Sn系、Al系、P系、Zn系、Ga系、Ge系、Ag系、In系、Sb系、Bi系金属、合金、酸化物または硫化物を含むことができる。
【0038】
また、負極3の素材としてリチウムを含有する素材は、リチウム金属、リチウムを含有する合金、リチウムを含有する金属間化合物、リチウムを含有する炭素材料、リチウムを含有する無機系物質などを含むことができる。無機系物質は、酸化物、硫化物、リン化物、窒化物、フッ化物のうち少なくとも一つを含むことができる。負極3内の負極物質含有量は、60〜100wt%とすることができる。
【0039】
この際、電解質及び正極反応活物質として使用される二酸化硫黄基盤無機電解液1は、リチウム塩とSO
2を含む。二酸化硫黄基盤無機電解液1は、リチウム塩に対してSO
2の含量モル比xが0.5〜10に該当するもので、好ましくは、1.5〜6に該当する。SO
2含量モル比xが1.5未満と低くなる場合、電解質イオン伝導度が減少する問題点が現われ、6超過と高くなる場合、電解質の蒸気圧が高くなる問題点が現われる。リチウム塩としては、LiAlCl
4、LiGaCl
4、LiBF
4、LiBCl
4、LiInCl
4などが使用できる。このような多様なリチウム塩のうち、LiAlCl
4が比較的優れた電池特性を示す。LiAlCl
4−xSO
2の製造方法としては、LiClとAlCl
3混合物(またはLiAlCl
4単独塩)にSO
2ガスを注入することによって得ることができる。
【0040】
このように本発明による二酸化硫黄基盤二次電池は、二酸化硫黄基盤の無機液体電解液にヨウ化物添加剤を添加することによって、エネルギー効率、長寿命特性、負極の安定性を改善できる。
【0041】
以下では、このような本発明によるヨウ化物添加剤を含有する電解液を含む二酸化硫黄基盤二次電池の電気化学籍特性を
図3〜
図6を参照して説明する。
【0042】
この際、比較例及び実施例による二酸化硫黄基盤無機電解液は、NaAlCl
4−2SO
2を基準電解液として使用した。
【0043】
比較例による電解液としては、基準電解液にヨウ化物添加剤を添加せず、基準電解液をそのまま使用した。実施例による電解液は、基準電解液に10、30、50、100mMのNaIを添加した電解液を使用した。
【0044】
また、正極として多孔性炭素素材を使用し、負極としてナトリウム金属を使用した。
【0045】
図3は、実施例及び比較例による二酸化硫黄基盤二次電池の充放電曲線を示すグラフである。
【0046】
図3を参照すれば、NaI添加剤を添加しない比較例に比べてNaIを添加した実施例の充放電エネルギー効率が顕著に改善したことが確認できる。例えば、添加剤がない比較例のエネルギー効率が76%であるが、NaI0.1Mの添加時、エネルギー効率が85%と増加することを確認できる。
【0047】
図4は、実施例及び比較例による二酸化硫黄基盤二次電池の寿命特性を示すグラフである。
【0048】
図4を参照すれば、実施例及び比較例による二酸化硫黄基盤二次電池の寿命特性を評価した結果、NaIを添加した実施例がNaIを添加しない比較例に比べて、800サイクル以後までも格別に寿命特性が改善されることを確認できる。
【0049】
図5は、比較例による二酸化硫黄基盤二次電池内においての負極の電着形状を示す写真である。また、
図6は、実施例による二酸化硫黄基盤二次電池内においての負極の電着形状を示す写真である。
【0050】
図5を参照すれば、比較例によるナトリウム金属素材の負極は、多様な形態の結晶相を有する電着形状を確認できる。
【0051】
一方、
図6を参照すれば、実施例によるナトリウム金属素材の負極は、平たい二次元形態を維持する電着形状を確認できる。
【0052】
このような実施例による負極の電着形状は、電池の短絡危険及び寿命可逆効率の改善に非常に好適な特性であり、本発明による二酸化硫黄基盤二次電池の性能改善に大きい寄与をするものと判断される。
【0053】
なお、本明細書と図面に開示された実施例は、理解を助けるために特定例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施例以外にも、本発明の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には自明である。
【符号の説明】
【0054】
1 二酸化硫黄基盤無機電解液
2 正極
3 負極
【要約】 (修正有)
【課題】エネルギー効率、長寿命特性、負極の安定性を改善できるヨウ化物添加剤を含有する電気液及びそれを含む二酸化硫黄基盤二次電池を提供する。
【解決手段】二酸化硫黄(SO
2)、アルカリ金属塩及びヨウ化物添加剤を含む二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。ヨウ化物添加剤はNaI又はLiIであり、電解液に0.001〜0.5Mのヨウ化物添加剤を添加することによって、二酸化硫黄基盤二次電池のエネルギー効率、長寿命特性、負極の安定性を改善できる。二酸化硫黄及びアルカリ金属塩はMAlCl
4−xSO
2(1.5≦x≦3.0;MはNa又はLi)で表わされる組成式を有する、二酸化硫黄基盤二次電池用電解液。Na又はLiを含有する負極と、炭素素材を含有する正極と前記電解液とを含む二酸化硫黄基盤二次電池。
【選択図】
図3