(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の鋭角と前記第2の鋭角は、約65度〜89度の範囲にあり、前記第1の鋭角は、前記第2の鋭角と等しく、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面は、前記第1のカラーフィルターの対称面を中心として対称的に配置される請求項1に記載の光学センサ。
前記第1の上部は、前記第1の底面に対向する上面を更に含み、前記第1の上部は、前記第1の底面から前記上面に徐々に狭くなり、前記第1の上部の断面は、台形を有し、前記第1の上部の断面は、前記第1の底面と前記第1の傾斜面に垂直であり、前記第1の下部と前記第1の上部は、一体に形成され、同じ材料を含む請求項1に記載の光学センサ。
前記第1のカラーフィルターは、前記第1の上部に配置され、アーチ形上面を含む第1のドーム部を更に含み、前記第1の下部、前記第1の上部、および前記ドーム部は、一体に形成され、同じ材料を含む請求項1に記載の光学センサ。
前記第1のカラーフィルターは、前記第1の上部の上に配置された第1のドーム部を更に含み、前記第2のカラーフィルターは、前記第2の上部の上に配置された第2のドーム部を更に含み、前記第3のカラーフィルターは、前記第3の上部の上に配置された第3のドーム部を更に含む請求項6に記載の光学センサ。
前記第1の上部に対する前記第1のドーム部の高さは、前記第2の上部に対する前記第2のドーム部の高さより大きく、前記第2の上部に対する前記第2のドーム部の高さは、前記第3の上部に対する前記第3のドーム部の高さより大きく、第1の上部に対する前記第1のドーム部、前記第2の上部に対する前記第2のドーム部、および前記第3の上部に対する前記第3のドーム部の高さは、約50nm〜150nmの範囲にある請求項7に記載の光学センサ。
前記第1の上部、前記第2の上部、および前記第3の上部の上に配置された反射防止膜を更に含み、前記反射防止膜の厚さは、約100nm〜250nmの範囲にあり、前記第1の上部の上方の前記反射防止膜の厚さは、前記第2の上部の上方の前記反射防止膜の厚さより大きく、前記第2の上部の上方の前記反射防止膜の厚さは、前記第3の上部の上方の前記反射防止膜の厚さより大きい請求項6に記載の光学センサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、より薄型化した、且つ製造コストがより低減した光学センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、感知層、第1のカラーフィルター、および格子構造を含む光学センサを提供する。感知層は、フォトダイオードを含む。第1のカラーフィルターは、感知層の上に配置された第1の下部、および第1の下部の上に配置された第1の上部を含む。第1の上部は、第1の下部に連結された第1の底面、第1の底面に対して傾斜した第1の傾斜面、および第1の傾斜面に対向し、第1の底面に対して傾斜した第2の傾斜面を含む。
【0007】
格子構造は、第1の上部を囲む。第1の傾斜面と第1の底面の間は、第1の鋭角であり、第2の傾斜面と第1の底面の間は、第2の鋭角である。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の鋭角と第2の鋭角は、約65度〜89度の範囲にある。いくつかの実施形態では、第1の鋭角は、第2の鋭角と等しい。第1の傾斜面と第2の傾斜面は、第1のカラーフィルターの対称面を中心として対称的に配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の上部は、第1の底面に対向する上面を更に含み、第1の上部は、第1の底面から上面に徐々に狭くなる。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の上部の断面は、台形を有し、第1の上部の断面は、第1の底面と第1の傾斜面に垂直である。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の下部と第1の上部は、一体に形成され、同じ材料からなる。
【0012】
いくつかの実施形態では、遮光構造は第1の下部を囲み、格子構造は、遮光構造の上に配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、格子構造は、遮光構造の上に配置された第1の格子層、第1の格子層の上に配置された第2の格子層、および第2の格子層の上に配置された第3の格子層を含む。第1の格子層の屈折率は、第2の格子層の屈折率より大きく、第2の格子層の屈折率は、第3の格子層の屈折率より大きい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の格子層、および第2の格子層の断面は、V型である。第1の格子層、第2の格子層、および第3の格子層の材料は異なる。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、第1のカラーフィルターの厚さは、1μmより大きい。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のカラーフィルターは、第1の上部に配置された第1のドーム部を更に含み、第1のドーム部は、アーチ形上面を含む。第1の下部、第1の上部、およびドーム部は、一体成型に形成され、同じ材料からなる。
【0016】
いくつかの実施形態では、カラーフィルターは、第2のカラーフィルターと第3のカラーフィルターを更に含む。第2のカラーフィルターは、感知層の上に配置された第2の下部、および第2の下部に配置された第2の上部を含む。第2の上部は、第2の下部に連結された第2の底面、および第2の底面に対して傾斜した第3の傾斜面を含む。
【0017】
第3のカラーフィルターは、感知層の上に配置された第3の下部、および第3の下部の上に配置された第3の上部を含む。第3の上部は、第3の下部に連結された第3の底面、および第3の底面に対して傾斜した第4の傾斜面を含む。第3の傾斜面と第2の底面の間は、第3の鋭角である。第4の傾斜面と第3の底面の間は、第4の鋭角である。第1の鋭角は、第3の鋭角より大きく、第3の鋭角は、第4の鋭角より大きい。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のカラーフィルターは、青色カラーフィルターであり、第2のカラーフィルターは、緑色カラーフィルターであり、第3のカラーフィルターは、赤色カラーフィルターである。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1のカラーフィルターは、第1の上部の上に配置された第1のドーム部を更に含む。第2のカラーフィルターは、第2の上部の上に配置された第2のドーム部を更に含む。第3のカラーフィルターは、第3の上部の上に配置された第3のドーム部を更に含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の上部に対する第1のドーム部の高さは、第2の上部に対する第2のドーム部の高さより大きい。第2の上部に対する第2のドーム部の高さは、第3の上部に対する第3のドーム部の高さより大きい。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の上部に対する第1のドーム部、第2の上部に対する第2のドーム部、および第3の上部に対する第3のドーム部の高さは、約50nm〜150nmの範囲にある。
【0022】
いくつかの実施形態では、反射防止膜は、第1の上部、第2の上部、および第3の上部の上に配置される。反射防止膜の厚さは、約100nm〜250nmの範囲にある。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の上部の上方の反射防止膜の厚さは、第2の上部の上方の反射防止膜の厚さより大きい。第2の上部の上方の反射防止膜の厚さは、第3の上部の上方の反射防止膜の厚さより大きい。
【0024】
このように、光学センサは、カラーフィルターの構造によっては従来のマイクロレンズを含む必要がなくなる。従って、光学センサの厚さおよび製造コストは減少される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施の形態または実施例を提供する。本開示を簡素化するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。例えば、下記の開示の第2の特徴の上方、または上への第1の特徴の形成は、第1と第2の特徴が直接接触で形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触でないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成された複数の実施形態を含むこともできる。
【0027】
また、本開示は、種々の実施例において、参照番号および/または文字を繰り返し用いている。この反復は、簡素化と明確さの目的のためであって、種々の実施の形態および/または議論された構成との間の関係を規定するものではない。また、図面は単に例示するためであり、図の形状、大きさ、または厚さは、説明を明確にするために縮尺通りに描かれない、または簡易化される可能性もある。
【0028】
追加のステップが本方法の後、本方法の前、または本方法の間に提供されることができ、且つ記載されたいくつかのステップが本方法の他の実施形態で置き換えられる、または削除されてもよいことは理解されるべきである。
【0029】
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係る、光学センサ1の概略図である。光学センサ1は、光線を感知し、その光線を電気信号に変換する。
【0030】
いくつかの実施形態では、光学センサ1は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサである。いくつかの実施形態では、光学センサ1は、裏面照射型(BSI)CMOSセンサである。いくつかの実施形態では、光学センサ1は、画像を撮像する画像センサである。画像センサは、デジタルカメラなどの撮像装置に用いられることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、光学センサ1は、物体のスペクトルを検出するスペクトルセンサである。スペクトルセンサは、分光器に用いられることができる。
【0032】
光学センサ1は、感知層10、カラーフィルター20、遮光構造30、格子構造40、および反射防止膜50を含む。感知層10は基準面P1に沿って延伸する。感知層10は、感知層10に入射する光線に基づいて、入射光線を検出する。
【0033】
感知層10は、下記の構成要素の全てを含むことができるが、感知層10の目的が達成されるならば、必ずしも下記の構成要素の全てを含まなくてもよい。感知層10は、基板11とフォトダイオード12を含む。いくつかの実施形態では、感知層10は、他の構成要素または層(図示されていない)、例えば、フォトダイオード12の下方の電気回路、および電気回路を保護する保護層を更に含む。
【0034】
フォトダイオード12は、基板11内に配置され、基準面P1にアレイ状に配置される。各フォトダイオード12は、その上に入射する光線の強さに基づいて、光線を感知し、電気信号を生成する。いくつかの実施形態では、画像は、処理チップ(図示されていない)によって電気信号に基づいて生成されることができる。
【0035】
カラーフィルター20は、感知層10の上に配置される。いくつかの実施形態では、カラーフィルター20は、導波(wave−guided)カラーフィルターである。各カラーフィルター20は、積層方向D1にフォトダイオード12の1つの上に配置される。積層方向D1は、感知層10および基準面P1に垂直である。カラーフィルター20は、基準面P1に平行した面の上にアレイ状に配置される。カラーフィルター20の厚さは、1μmより大きい。
【0036】
各カラーフィルター20は、光線の所定範囲の波長を通過させる。いくつかの実施形態では、カラーフィルター20は、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、および青色カラーフィルターを含む。例えば、赤色カラーフィルターは、620nm〜750nm(赤色光)の範囲の光線の波長をフォトダイオード12に通過させる。緑色カラーフィルターは、495nm〜570nm(緑色光)の範囲の光線の波長をフォトダイオード12に通過させる。青色カラーフィルターは、476nm〜495nm(青色光)の範囲の光線の波長をフォトダイオード12に通過させる。
【0037】
カラーフィルター20は、下部21と上部22を含む。下部21は、感知層10上に配置され、上部22は、下部21上に配置される。下部21と上部22は、一体に形成され、同じ材料を含む。
【0038】
遮光構造30は、感知層10上に配置される。遮光構造30は、下部21を囲み、連結される。遮光構造30は、基準面P1に平行する面に配置される。いくつかの実施形態では、遮光構造30は30%以下の透過率を有する。遮光構造30は、光線が通過するのを遮蔽するように構成される。従って、1つのカラーフィルター20への光線が隣接するカラーフィルター20に透過する光線の量が低下する。
【0039】
格子構造40は、遮光構造30上に配置される。格子構造40は、上部22を囲み、連結される。格子構造40は、基準面P1に平行する面に配置される。格子構造40は、遮光構造30に連結された下端44、および反射防止膜50に連結された上面45を含む。いくつかの実施形態では、格子構造40の上面45は、フラット面である。
【0040】
格子構造40は、80%または90%より大きい透過率を有する。格子構造40は、カラーフィルター20での光線をフォトダイオード12に向けて反射させるように構成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、格子構造40および/または遮光構造30の屈折率は、カラーフィルター20の屈折率より低く、従って、カラーフィルター20、格子構造40および/または遮光構造30は、光パイプ構造を形成し、光線をフォトダイオード12に導く。
【0042】
いくつかの実施形態では、格子構造40の屈折率は、約1.2〜1.5の範囲にある。遮光構造30は、約1.3〜1.9の範囲の屈折率を含む。カラーフィルター20の屈折率は、約1.7〜3.2の範囲にある。
【0043】
反射防止膜50は、上部22と格子構造40の上に配置される。反射防止膜50は、光学センサ1に伝送された光線の反射を減少するように構成される。いくつかの実施形態では、反射防止膜50は、平坦構造であり、感知層10に平行する。反射防止膜50の厚さは、約100nm〜250nmの範囲にある。
【0044】
図2に示されるように、下部21の断面は、長方形を有する。上部22の断面は、台形を有する。遮光構造30の断面は、長方形を含む。格子構造40の断面は三角形を含む。
【0045】
上述の断面は、基準面P1、基準面P2、底面221、および感知層10に対して垂直である。いくつかの実施形態では、上述の断面は、傾斜面223、および/または傾斜面224に垂直である。
【0046】
各上部22は、底面221、上面222、傾斜面223、および傾斜面224を含む。いくつかの実施形態では、底面221、上面222、傾斜面223、および/または傾斜面224は、平坦面である。
【0047】
底面221は、下部21に連結される。いくつかの実施形態では、底面221および遮光構造30の上面は、基準面P1と平行する基準面P2に配置される。
【0048】
上面222は、底面221に対向し、底面221に平行する。上面222は、反射防止膜50に連結される。底面221の面積は、上面222の面積より大きい。上部22は、底面221から上面222に徐々に狭くなる。
【0049】
傾斜面223は、底面221に対して傾斜している。傾斜面224は、傾斜面223と対向し、底面221に対して傾斜している。傾斜面223と傾斜面224は、カラーフィルター20の対称面P3に対して対称的に配置される。対称面P3は、カラーフィルター20の中心に位置し、底面221に垂直である。
【0050】
傾斜面223と底面221の間は、鋭角A1である。傾斜面224と底面221の間は、鋭角A2である。鋭角A1と鋭角A2は、約65度〜89度の範囲にある。この実施形態では、鋭角A1は、鋭角A2と等しい。
【0051】
傾斜面223と傾斜面224の間の距離は、底面221から上面222に徐々に減少される。距離は、底面221に平行する方向で測定される。
【0052】
カラーフィルター20と格子構造40の構造と設計によって、光学センサ1に入射された光線は、フォトダイオード12に好ましく導かれる。この実施形態では、従来のマイクロレンズは、光学センサ1で省略されることができる。従来のマイクロレンズを省略することで、光学センサ1の厚さと製造コストが減少される。
【0053】
図3は、本開示の光学センサ1および従来のマイクロレンズを有する光学センサの入射光の波長対QE(quantum efficiency;量子効率)スペクトルの図である。このケースでは、例えば、光学センサ1の鋭角A1とA2は、78度である。
図3では、異なる波長の光線は、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、および青色カラーフィルターに入射される。
【0054】
図3に示されるように、本開示の光学センサ1の感度に関する効果は、QE(量子効率)スペクトルに基づいて向上される。光学センサ1のQEピークは、従来のマイクロレンズを有する光学センサと比べ、増加される。また、光学センサ1の光学的クロストークは、従来の光学センサと比べ、減少される。
【0055】
図4Aに示されるように、本開示の光学センサ1では、電場の強さは、緑色カラーフィルター20bの領域および緑色カラーフィルター20bの下方の感知層10で、より観察可能である。また、例えば、緑色カラーフィルター20bに隣接する赤色カラーフィルターまたは青色カラーフィルターなどのカラーフィルター20の領域、および緑色カラーフィルター20bに隣接するカラーフィルター20の下方の感知層10の領域の電場分布は、非常に少ない。従って、光学センサ1の光学的クロストークは、低下される。また、カラーフィルター20の反射は少なく、カラーフィルター20の定在波効果は低下する。緑色カラーフィルター20bおよび下に位置する感知層10を通過する電場は、
図4Aに示すように、より深く、より垂直であるという事実によれば、緑色カラーフィルター20bおよび下に位置する感知層10は高い光子束を有する。
【0056】
図4Bに示すように、
図4Aと比較すると、従来の光学センサでは、緑色カラーフィルターおよび下に位置する感知層(
図4Bの破線の左側)を通過する電場は、浅く、
図4Aに示す電場のように感知層を垂直に通過しない。これは、従来の光学センサの緑色カラーフィルターおよび下に位置する感知層10は、低い光子束を有することを意味する。また、赤色カラーフィルターや青色カラーフィルター(
図4Bの破線の右側)等の緑色カラーフィルターに隣接する領域では、電場分布は
図4Aに示すものより密度が高い。これは従来の光学センサでは、光学的クロストークの問題がより深刻であることを意味する。結果として、本開示の光学センサ1では、QEを増加させることができ、光学的クロストークを低減させることができる。
【0057】
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る光学センサ1および従来の光学センサの鋭角対SNR10の図を示している。低照度でのSNR(Signal-to-Noise Ratio)は、イメージセンサ(光学センサ)の重要な性能である。低照度は、曇りの環境、夜間の環境、屋内環境等の低照度の環境に代表される環境である。SNRが所定の値で制御されるとき、対応する照明のレベルは、許容可能な画像が得られる可能な限り最小であることが期待される。通常、SNR=10であるとき、光学センサにより生成された画像は許容可能である。従って、SNR10は、低い照明条件でのSNRの性能メトリックとして用いられている。SNR10は、ホワイトバランス及び色補正後に目標SNR=10に到達する照度(lux)を表す。
【0058】
図5Aに示すように、SNR10(照度、lux)が低いとき、光学センサ1は、低い照明環境下で、SNR=10の画像品質を生成することができる。鋭角A1および鋭角A2が65度より大きいとき、本開示の光学センサ1のSNR10は、従来の光学センサより低い。よって、同様な低い照明条件下では、本開示の光学センサ1により生成される画像の品質は、従来の光学センサにより生成される画像の品質よりも良好である。
【0059】
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態に基づいた光学センサ1および従来の光学センサの鋭角対G感度(G−Sensitivity)の図を示している。鋭角A1および鋭角A2が65度より大きいとき、本開示の光学センサ1のG感度は、従来の光学センサより大きい。
【0060】
図6は、本開示の光学センサおよび従来のマイクロレンズを有する光学センサに入射された波長530nmの入射光線の入射角対QE(量子効率)スペクトルの図である。光学センサ1のQE G−peakは、波長530nmの光線の入射角が、約0度〜30度の範囲にあるとき、従来の光学センサと比べ、向上される。光学センサ1のQE R−peakおよびQE B−peakも波長530nmの光線の入射角が、約0度〜30度の範囲にあるとき、従来の光学センサと比べ、向上される。
【0061】
従って、光学センサ1は、カラーフィルター20の構造および設計によって優れた性能を有することができる。従来のマイクロレンズは、光学センサ1に不要となる。
【0062】
図7は、本開示のいくつかの実施形態に基づいた光学センサの概略図である。格子構造40は、互いに堆積された少なくとも2つの格子層を含み、少なくとも2種類の材料を含む。この実施形態では、格子構造40は、第1の格子層41、第2の格子層42、および第3の格子層43を含む。第1の格子層41は、遮光構造30上に配置される。第2の格子層42は、第1の格子層上に配置される。第3の格子層43は、第2の格子層42上に配置される。
【0063】
第1の格子層41、第2の格子層42、および第3の格子層43の材料は異なる。いくつかの実施形態では、第1の格子層41の屈折率は、第2の格子層42の屈折率より大きい。第2の格子層42の屈折率は、第3の格子層43の屈折率より大きい。いくつかの実施形態では、第1の格子層41、および第2の格子層42の断面は、V型である。第3の格子層43の断面は、三角形である。当該断面は底面221a、221b、221cと垂直である。
【0064】
格子構造40の構造と設計によって、光学センサ1に入射された光線は、フォトダイオード12に好ましく導かれる。
【0065】
いくつかの実施形態では、カラーフィルター20は、カラーフィルター20a、20b、および20cを含む。カラーフィルター20aは、青色カラーフィルターである。カラーフィルター20bは、緑色カラーフィルターである。カラーフィルター20cは、赤色カラーフィルターである。
【0066】
カラーフィルター20aの上部22aの傾斜面223aは、底面221aに対して傾斜している。傾斜面223aと底面221aの間は、鋭角A3である。カラーフィルター20bの上部22bの傾斜面223bは、底面221bに対して傾斜している。傾斜面223bと底面221bの間は、鋭角A4である。
【0067】
カラーフィルター20cの上部22cの傾斜面223cは、底面221cに対して傾斜している。傾斜面223cと底面221cの間は、鋭角A5である。鋭角A3は、鋭角A4より大きい。鋭角A4は、鋭角A5より大きい。鋭角A3、A4、およびA5は、約65度〜89度の範囲にある。
【0068】
カラーフィルター20の上述された鋭角A3、A4、およびA5によって、カラーフィルター20a内に導光された光線の量は、カラーフィルター20b内に導光された光線の量より大きい。カラーフィルター20b内に導光された光線の量は、カラーフィルター20c内に導光された光線の量より大きい。従って、光学センサ1で生じた画像は、カラーフィルター20の鋭角A3、A4、およびA5を調整することによって向上されることができる。
【0069】
カラーフィルター20は、上部22の上に配置されたドーム部23を更に含む。各ドーム部23は、アーチ形上面231を含む。従って、ドーム部23は、従来のマイクロレンズとして機能する。ドーム部23は、光線をフォトダイオード12に集光させる。ドーム部23の構造と設計によって、光学センサ1に入射された光線は、フォトダイオード12に好ましく導かれる。
【0070】
いくつかの実施形態では、カラーフィルター20aは、上部22aの上に配置されたドーム部23aを更に含む。カラーフィルター20bは、上部22bの上に配置されたドーム部23bを更に含む。カラーフィルター20cは、上部22cの上に配置されたドーム部23caを更に含む。上部22aに対するドーム部23aの高さは、上部22bに対するドーム部23bの高さより大きい。上部22bに対するドーム部23bの高さは、上部22cに対するドーム部23cの高さより大きい。ドーム部23a、23b、および23cの高さは、約50nm〜150nmの範囲にある。
【0071】
ドーム部23b、23cの高さによって、カラーフィルター20b内に導光された光線の量は、カラーフィルター20c内に導光された光線の量より大きい。光学センサ1で生じた画像は、ドーム部23a、23b、23cの高さを調整することによって向上されることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、上部22aの上方の反射防止膜50の厚さは、上部22bの上方の反射防止膜50の厚さより大きい。上部22bの上方の反射防止膜50の厚さは、上部22cの上方の反射防止膜50の厚さより大きい。
【0073】
反射防止膜50の厚さによって、カラーフィルター20b内に導光された光線の量は、カラーフィルター20c内に導光された光線の量より大きい。光学センサ1で生じた画像は、反射防止膜50の厚さを調整することによって向上されることができる。
【0074】
このように、光学センサは、カラーフィルターの構造によっては従来マイクロレンズを含む必要がなくなる。従って、光学センサの厚さおよび製造コストは減少される。
【0075】
本発明の特徴は、特定の実施形態に限定されるものでなく、特定の実施形態に限定されずに、1つ以上の本発明の実施形態に好適な方式で組み合わせ、変更、または代替されることができる。
【0076】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【解決手段】 光学センサは、フォトダイオードを含む感知層、感知層の上に配置された第1の下部、および第1の下部の上に配置された第1の上部を含み、第1の上部は、第1の下部に連結された第1の底面、第1の底面に対して傾斜した第1の傾斜面、および第1の傾斜面に対向し、第1の底面に対して傾斜した第2の傾斜面を含む第1のカラーフィルター、および第1の上部を囲む格子構造を含み、第1の傾斜面と第1の底面の間は、第1の鋭角であり、第2の傾斜面と第1の底面の間は、第2の鋭角である。