特許第6283769号(P6283769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283769
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】定在波比を検出するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/06 20060101AFI20180208BHJP
   H04B 3/493 20150101ALI20180208BHJP
【FI】
   G01R27/06
   H04B3/493
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-513037(P2017-513037)
(86)(22)【出願日】2015年8月27日
(65)【公表番号】特表2017-531176(P2017-531176A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】CN2015088280
(87)【国際公開番号】WO2016034076
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2017年3月6日
(31)【優先権主張番号】201410441687.2
(32)【優先日】2014年9月1日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100092200
【弁理士】
【氏名又は名称】大城 重信
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100189083
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 圭介
(72)【発明者】
【氏名】王 世華
(72)【発明者】
【氏名】段 滔
(72)【発明者】
【氏名】薛 斌
(72)【発明者】
【氏名】王 杰▲り▼
【審査官】 大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/140275(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0309322(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/06
H04B 3/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局システムにより伝送したサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得するステップと、
第1プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯における、前記OPDのフィード・バック信号及び前記RPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出するステップと、
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定し、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定するステップと、
前記基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの第1プリセットしたバンド幅の範囲における定在波比を決定するステップと
を備え
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定するステップは、
それぞれの時間帯におけるOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対し高速フーリエ変換を行い、それぞれ時間帯におけるOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅、及びそれぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を決定するステップ
を備え、
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定するステップは、
それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップと、
プリセットしたシステムの誤差項によりそれぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正して、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数を得るステップであって、前記システムの誤差項は、方向性誤差値と、反射追跡誤差値と、ソースミスマッチ誤差値とを含む前記得るステップと、
全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数の平均値を計算し、得られた平均値を基地局システムの反射係数とするステップと、
を備えることを特徴とする定在波比を検出するための方法。
【請求項2】
前記システムの誤差項をプリセットするステップは、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷それぞれの場合に、基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスのRPDを取得するステップと、
第2プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出するステップであって、第2プリセットしたバンド幅の範囲は、第1プリセットしたバンド幅の範囲より大きく、且つ第1プリセットしたバンド幅の範囲を含む前記抽出ステップと、
基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を、決定するステップと、
基地局システムのショートの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのショートの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップと、
整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、また、基地局システムのオープン場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのオープン場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップと、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数に基づき、基地局システムの誤差項を決定するステップと
を備えることを特徴とする請求項1に記載の定在波比を検出するための方法。
【請求項3】
それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップは、
それぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号の最大振幅と前記時間帯におけるOPDのフィード・バック信号の最大振幅の比率を、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数として決定するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の定在波比を検出するための方法。
【請求項4】
基地局システムにより発送されたサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得した後、
前記取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し直流除去処理を行うステップと、
前記直流除去された後のOPD及び直流除去された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、ミラー信号の較正処理を行うステップと、
前記ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、電力幅較正処理を行うステップと、
前記電力幅較正処理後のOPD及び電力幅較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行うステップと
を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の定在波比を検出するための方法。
【請求項5】
基地局システムにより伝送したサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得する電力データ取得ユニットと、
第1プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯における、前記OPDのフィード・バック信号及び前記RPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出するフィード・バック信号抽出ユニットと、
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定し、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する反射係数決定ユニットと、
前記基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの、前記第1プリセットしたバンド幅の範囲内の定在波比を決定する定在波比決定ユニットと
を備え
前記反射係数決定ユニットは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定する場合、
それぞれの時間帯におけるOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対し高速フーリエ変換を行い、それぞれ時間帯におけるOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅、及びそれぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を決定し、
前記反射係数決定ユニットは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する場合、
それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、
プリセットしたシステムの誤差項によりそれぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正して、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数を得、前記システムの誤差項は、方向性誤差値と、反射追跡誤差値と、ソースミスマッチ誤差値とを含み、
全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数の平均値を計算し、得られた平均値を基地局システムの反射係数とする
ことを特徴とする定在波比を検出するための装置。
【請求項6】
前記プリセットしたシステムの誤差項を決定するシステムの誤差項決定ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の定在波比を検出するための装置。
【請求項7】
前記システムの誤差項決定ユニットは、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷それぞれの場合に、基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスのRPDを取得し、
第2プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出し、第2プリセットしたバンド幅の範囲は、第1プリセットしたバンド幅の範囲より大きく、且つ第1プリセットしたバンド幅の範囲を含み、
基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を、決定し、
基地局システムのショートの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのショートの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、また、基地局システムのオープン場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのオープン場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数に基づき、基地局システムの誤差項を決定する
ことを特徴とする請求項6に記載の定在波比を検出するための装置。
【請求項8】
前記反射係数決定ユニットは、それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する場合、
それぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号の最大振幅と前記時間帯におけるOPDのフィード・バック信号の最大振幅の比率を、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数として決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の定在波比を検出するための装置。
【請求項9】
前記電力データ取得ユニットは、基地局システムにより発送されたサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得した後、
前記取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し直流除去処理を行い、
前記直流除去された後のOPD及び直流除去された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、ミラー信号の較正処理を行い、
前記ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、電力幅較正処理を行い、
前記電力幅較正処理後のOPD及び電力幅較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行う
ことを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の定在波比を検出するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信技術分野に関し、特に定在波比を検出するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局システムにおいて、基地局通信システムの好ましい運行を確保するため、基地局システムの定在波比変化をリアルタイムに把握する必要があり、基地局システムの定在波比に対して頻繁に検出しなければならない。基地局システムの定在波比の検出には、周波数領域反射率(Frequency Domain Reflectometry,FDR)技術を踏まえるベクター測定方法が一般的に採用されている。
周波数領域反射率技術は、ベクター測定に基づく技術であり、基本原理としては、測定対象となるケーブルに1組の正弦掃引周波数信号(swept−frequency sine signal)を注ぎ、測定対象となるケーブル上の区切り点または他の反射点により生成された反射信号と入力された正弦掃引周波数信号の加算または減算により、対応のスペクトログラムが生成され、図1に示すようである。信号のベクター及び生成された図形は、周波数軸に沿う波形であり、当該信号のベクターの和に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)を行って周波数領域情報に転換する。ケーブルの相対伝送速度により測定対象のケーブル上の区切り点または故障点の距離を算出できる。周波数関係図上の波形の数は、ケーブル上の反射点との電気距離と正比例となる。当該高速フーリエ変換及び算出の結果は、距離に対する実の定在波比により表した故障点の特性曲線である。
【0003】
周波数領域反射率技術が、ベクターの測定技術であり、且つ測定精度が高い技術であるが、当該技術のアルゴリズムの実施が煩雑である。また、周波数領域反射率技術は、掃引周波数信号に形成してデータ ソースとする必要があるため、TD−LTE基地局システムに適用する場合、特定のトレーニングシーケンスを伝送することにより、要求を満足する。しかし、このような特定トレーニングシーケンスが無線通信システムにとって、干渉ソースとなるため、従来技術の場合は、基地局システムにおいて、定在波比を常に検出することができない。一方、基地局通信システムの好ましい運行のため、リアルタイム的、または、定期的に基地局システムの定在波比変化を把握するのは大事である。
よって、TD−LTE基地局システムの好ましい運行を確保するため、基地局システムが定在波比に対しリアルタイムに頻繁に検出する必要があるが、従来の周波数領域反射率技術に用いられる特定トレーニングシーケンスは、通信システムに余計な干渉を与えるため、TD−LTE通信システムの伝送質に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施例は、定在波比を検出するための方法及び装置を提供して、特定トレーニングシーケンスを発送しなくても、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のみを用いて、定在波比を快速且つ正確に検出するように実施でき、特定トレーニングシーケンスによる基地局システムへの余計な干渉を防ぐことができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る実施例は、定在波比を検出するための方法を提供し、当該方法は、
基地局システムにより伝送したサービス信号の出力電力検出データ(OPD, output power detection data)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD, power detection data)を取得するステップと、
第1プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯における、前記OPDのフィード・バック信号及び前記RPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出するステップと、
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定し、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定するステップと、
前記基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの第1プリセットしたバンド幅の範囲における定在波比を決定するステップとを備える。
【0006】
当該方法によれば、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のみを用い、プリセットしたフィード・バック信号データ長を抽出する方法を採用して、発送されたダウンリンクサービス信号のフィード・バックを抽出することにより、特定トレーニングシーケンスをシミュレーションする目的を達成し、定在波を快速且つ正確に検出することができるようになり、特定トレーニングシーケンスによる基地局システムへの余計な干渉を防ぐことができる。
好ましくは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定するステップは、
それぞれの時間帯におけるOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対し高速フーリエ変換を行い、それぞれ時間帯におけるOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅、及びそれぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を決定するステップを備える。
【0007】
好ましくは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定するステップは、
それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップと、
プリセットしたシステムの誤差項によりそれぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正して、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数を得るステップであって、前記システムの誤差項は、方向性誤差値(directional error value)と、反射追跡誤差値(reflected tracking error value)と、ソースミスマッチ誤差値(source mismatch error value)とを含む前記得るステップと、
全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数の平均値を計算し、得られた平均値を基地局システムの反射係数とするステップとを備える。
【0008】
好ましくは、前記システムの誤差項をプリセットするステップは、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合、基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスのRPDを取得するステップと、
第2プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出するステップであって、第2プリセットしたバンド幅の範囲は、第1プリセットしたバンド幅の範囲より大きく、且つ第1プリセットしたバンド幅の範囲を含む前記抽出ステップと、
基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性をそれぞれ決定するステップと、
基地局システムのショートの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのショートの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、また、基地局システムのオープン場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのオープン場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップと、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数に基づき、基地局システムの誤差項を決定するステップとを備える。
【0009】
当該方法によれば、システムの誤差項をさらに快速且つ正確に取得することができ、基地局システムの誤差をより正確に較正することができるようになる。
好ましくは、それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップは、
それぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号の最大振幅と前記時間帯におけるOPDのフィード・バック信号の最大振幅の比率を、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数として決定するステップを備える。
【0010】
好ましくは、基地局システムにより発送されたサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得した後、
前記取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し直流除去処理を行うステップと、
前記直流除去された後のOPD及び直流除去された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、ミラー信号の較正処理を行うステップと、
前記ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、電力幅較正処理を行うステップと、
前記電力幅較正処理後のOPD及び電力幅較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行うステップとを備える。
当該方法によれば、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDへの干渉信号を除去でき、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDが同一のレベルの電力幅に維持でき、こうして、検出した定在波比の正確さを確保することができるようになる。
【0011】
本発明に係る実施により提供する定在波比を検出するための装置は、
基地局システムにより伝送したサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得する電力データ取得ユニットと、
第1プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯における、前記OPDのフィード・バック信号及び前記RPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出する反射信号の抽出ユニットと、
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定し、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する反射係数の決定ユニットと、
前記基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの、前記第1プリセットしたバンド幅の範囲内の定在波比を決定する定在波比の決定ユニットとを備える。
【0012】
当該装置によれば、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のみを用い、プリセットしたフィード・バック信号データ長を抽出する方法を採用して、発送されたダウンリンクサービス信号のフィード・バックを抽出し、特定トレーニングシーケンスをシミュレーションする目的を達成し、定在波を快速且つ正確に検出することができるようになり、特定トレーニングシーケンスによる基地局システムへの余計な干渉を防ぐことができる。
好ましくは、前記反射係数の決定ユニットは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定する場合、
それぞれの時間帯におけるOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対し高速フーリエ変換を行い、それぞれ時間帯におけるOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅、及びそれぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を決定する。
【0013】
好ましくは、前記反射係数の決定ユニットは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する場合、
それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、
プリセットしたシステムの誤差項によりそれぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正して、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数を得、前記システムの誤差項は、方向性誤差値と、反射追跡誤差値と、ソースミスマッチ誤差値とを含み、
全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数の平均値を計算し、得られた平均値を基地局システムの反射係数とする。
【0014】
好ましくは、当該装置は、前記プリセットしたシステムの誤差項を決定するシステムの誤差項の決定ユニットをさらに備える。
好ましくは、前記システムの誤差項の決定ユニットは、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷それぞれの場合に、基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスのRPDを取得し、
第2プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出し、第2プリセットしたバンド幅の範囲は、第1プリセットしたバンド幅の範囲より大きく、且つ第1プリセットしたバンド幅の範囲を含み、
基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を、決定し、
基地局システムのショートの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのショートの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、また、基地局システムのオープン場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのオープン場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数に基づき、基地局システムの誤差項を決定する。
当該装置によれば、システムの誤差項をさらに快速且つ正確に取得することができ、基地局システムの誤差をより正確に較正することができるようになる。
【0015】
好ましくは、前記反射係数の決定ユニットは、それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する場合、
それぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号の最大振幅と前記時間帯におけるOPDのフィード・バック信号の最大振幅の比率を、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数として決定する。
【0016】
好ましくは、前記電力データ取得ユニットは、
基地局システムにより発送されたサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得した後、前記取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し直流除去処理を行い、
前記直流除去された後のOPD及び直流除去された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、ミラー信号の較正処理を行い、
前記ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、電力幅較正処理を行い、
前記電力幅較正処理後のOPD及び電力幅較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行う。
【発明の効果】
【0017】
当該装置によれば、取得した測定データ中の干渉信号を除去でき、取得した測定データ在電力幅が同一のレベルに維持でき、こうして、測定データの正確さを確保する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】周波数領域反射率技術の原理を示す図である。
図2】本発明に係る実施例により提供する定在波比の検出方法のフローチャートである。
図3】本発明に係る実施例により提供するシステムの誤差項の検出方法のフローチャートである。
図4】ベクターネットワーク・アナライザの単一ポートのキャリブレーションモデルの原理を示す図である。
図5】本発明に係る実施例により提供する定在波比検出的フローチャートである。
図6】本発明に係る実施例における基地局により発送するサービス信号の時間領域特性曲線である。
図7】本発明に係る実施例における基地局により発送するサービス信号の周波数領域特性曲線である。
図8】本発明に係る実施例により発送する定在波比検出装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る実施例は定在波比を検出するための方法及び装置を提供して、特定トレーニングシーケンスを発送しなくても、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のみを用いて、定在波比に対し快速且つ正確に検出することができ、特定トレーニングシーケンスによる基地局システムへの余計な干渉を防ぐことができる。
本発明に係る実施例の技術案によれば、改善した周波数領域反射率技術及びベクターネットワーク・アナライザ的単一ポートによる較正技術を踏まえ、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のみを用いて、定在波比を、リアルタイム的、正確かつ快速に検出できることにより、定在波比検出の際の、特定トレーニングシーケンスの発送による基地局システムへの余計な干渉を防ぐことができる。
図2に示すように、本発明に係る実施例が提供する定在波比を検出するための方法は、下記のステップを備える。
S201において、基地局システムにより伝送したサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得する。
【0020】
S202において、第1プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯における、前記OPDのフィード・バック信号及び前記RPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出する。
S203において、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定し、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する。
S204において、前記基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの第1プリセットしたバンド幅の範囲における定在波比を決定する。
好ましくは、ステップS203における基地局システムの反射係数を決定する正確さを向上するため、システムの誤差項を用いて、基地局システムの反射係数に対し、システム誤差較正を行うため、S203の前に、まず、システムの誤差項を決定する必要がある。
【0021】
一般に、地局装置の出荷の前に、システムの誤差項を一括的な較正をする必要があり、かつ、較正しようとするシステムの誤差項を、基地局システム内のメモリ(例えばE2PROM)に格納する。なので、システムの誤差を較正する場合、基地局システム内のメモリからシステムの誤差項を読み出すことができ、大量なテスト時間及びコストを節約することができる。
図3に示すように、システムの誤差項の検出ステップは、以下のステップを備える。
S301において、TD−LTE基地局システムは、プリセットしたトレーニングシーケンスを発送する。ここで、プリセットしたトレーニングシーケンスは、1組の正弦掃引周波数信号であるが、TD−LTE基地局システムにおいて、特定トレーニングシーケンスとして表される。
S302において、基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷が50オームである場合、基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスの反射電力検出データ(Reflected Power Detection,RPD)を取得する。
S303において、基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷が50オームである場合に取得したRPDに対し、以下のように処理する。
【0022】
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷が50オームである場合に取得したRPDに対し、直流除去処理を行う。
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷が50オームである場合に取得した、直流除去されたRPDのミラー信号に対し、較正処理を行う。
ここで、前記取得したRPDのミラー信号に対し較正処理を行うことは、取得したRPDのミラー信号から、当該RPDのミラー信号の実数部信号及び虚数部信号それぞれを抽出し、抽出された実数部信号及び虚数部信号それぞれに対し幅の較正を行う。例えば、幅較の場合、前記実数部信号と虚数部信号の幅の差を算出し、そして、当該算出した幅の差に対して、デジタル補償を行う。
ミラー信号の較正処理された後の基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷が50オームである場合に取得したRPDに対し、同期補償処理を行う。即ち、いかなる場合に取得したRPDを基準として、他の2つの場合に取得したRPDに対し、時間領域の同期化を行う。
前記取得したRPDのミラー信号に対する較正処理は、取得したRPDのミラー信号から、当該RPDのミラー信号の実数部信号及び虚数部信号を抽出して、抽出された実数部信号及び虚数部信号の位相を較正する。例えば、位相較正の場合、前記実数部信号と虚数部信号の位相の差を算出して、当該算出された位相の差に対しデジタル補償を行う。
【0023】
S304において、同期補償処理された後の基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合に取得したRPDにより、プリセットしたバンド幅の範囲B1において、プリセットしたデータ長に基づき、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出する。
S305において、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を、決定する。ここで、スペクトル特性は、それぞれ時間帯に対応するプリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅である。
【0024】
S306において、基地局システムのショートの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を用い、基地局システムのショートの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、整合負荷が50オームの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を用い、整合負荷が50オームの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する。また、基地局システムのオープン場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を用い、基地局システムのオープン場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する。
【0025】
S307において、基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷が50オームの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数に基づき、基地局装置的システムの誤差項を決定する。システムの誤差項は、方向性誤差値と、反射追跡誤差値と、ソースミスマッチ誤差値とを含む。
好ましくは、S303において、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDのデータ信号に対する処理は、S302の、基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷が50オームの場合の、取得した基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスの反射電力検出データのみを対象とすることではなく、抽出された基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号に対し、信号処理を行ってもよい。こうして、システムの誤差項検出の正確さを確保する。
【0026】
ここで、図4に示すように、ベクターネットワーク・アナライザの単一ポートによる較正技術により、基地局装置のシステムの誤差項を決定することについて、以下、詳しく説明する。
ベクターネットワーク・アナライザの単一ポートによる較正技術により、得られたシステムの、有誤差項を有する反射係数の計算数式は、式1とする。
【数1】
ここで、
Γ
は、システムの、誤差項を有する反射係数であり、aは入力信号ストリームであり、bは出力信号ストリームであり、

は方向性誤差値であり、

は反射追跡誤差値であり、

はソースミスマッチ誤差値であり、
11
は、システム実の反射係数である。
【0027】
好ましくは、基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷が50オームの場合において、測定を3回して、基地局システム中帯有システムの誤差項の反射係数を決定することにより、システムの、方向性誤差値D、反射追跡誤差値R及びソースミスマッチ誤差値Sとの3種の誤差値を決定することができる。詳しい計算ステップは、以下、説明する。
基地局システムのショートの場合、第1回の測定を行い、基地局システムの、誤差項を有する反射係数が

、システムの実の反射係数
11=−1
であることを測定し得、式1は式2に変形される。
【数2】
基地局システムのオープンの場合、第2回の測定を行い、基地局システムの、誤差項を有する反射係数M
、システム中実の反射係数
11=1
であることを測定し得、式1は式3に変形される。
【数3】
基地局システムの整合負荷が50オームの場合、第2回の測定を行い、基地局システムの、誤差項を有する反射係数

、システムにおける実の反射係数
11=0
であることを測定し得、式1は式4に変形される。
=D (式4)
式2、式3及び式4により、システムの誤差項を算出でき、即ち、方向性誤差値D、反射追跡誤差値R及びソースミスマッチ誤差値Sを算出する。
【数4】
好ましくは、システムの誤差項の検出データの正確性を確保するため、ステップS201の前に、プリセットしたトレーニングシーケンスにおけるミラー信号に対し較正処理を行うことができる。
【0028】
以下、さらに正確な定在波比を得るための方法の流れを説明する。
図5に示すように、定在波比の検出流れは、下記のステップを備える。
S501において、TD−LTE基地局システムは、ダウンリンクサービス信号を発送する。TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号の時間・周波数特性は、図6及び図7に示されている。
好ましくは、定在波比検出データの正確さを確保するため、ステップS501の前に、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のミラー信号に対し、較正処理を行うことができる。
S502において、基地局システムにより発送されたサービス信号の出力電力検出データ(Output Power Detection,OPD)を取得する。
基地局システムにより発送したサービス信号の出力電力検出データを取得することにより、基地局システム内の非線形の装置(例えば、パワーアンプ等)の動作状態をより正確に反映でき、定在波比検出の正確さを向上することができる。
S503において、基地局システムにおける測定待機装置(例えば、アンテナ等の装置)のRPDを取得する。
【0029】
S504において、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDに対し、直流除去処理を行う。取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDは、大きい直流コンポーネント(direct current components)を有するため、検出データの正確さへ影響を与える。よって、基地局システムにより発送されたサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDを取得した後、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDに対し、直流除去処理を行うことが必要である。さらに、伝送中にミラー信号が生成されるため、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPD中の干渉信号を除去するため、直流除去された後のOPD及び直流除去された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDのミラー信号を較正する。
【0030】
S505において、ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDについて、電力幅を較正する。サービス信号の伝送電力が不確実であるため、測定の正確さを確保するため、ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDについて、電力幅を較正すべきである。
S506において、電力幅が較正処理後のOPD及び電力幅が較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行う。基地局システムにより発送されたサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDへの採取には、時間及び位相において遅延が出る。また、ベクターネットワーク・アナライザの単一ポートによる較正技術が、取得した電力データの信号の位相メッセージと関わるため、電力幅が較正処理後のOPD及び電力幅が較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行うべきである。
【0031】
好ましくは、ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、電力幅を較正する場合、基地局システムが出荷する際に較正した取得したRPDの電力幅を基準として、ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDの電力幅を、較正する。
S504からS506までは、S502及びS503の、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDだけではなく、抽出された複数の時間帯における、OPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対しても、信号処理を行うことができ、こうして、定在波比検出の正確さを確保する。
【0032】
S507において、プリセットしたバンド幅

の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯におけるOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号それぞれを抽出する。ここで、B
範囲は、

範囲より大きく、且つそれを含む。

範囲が

範囲より小さい場合、TD−LTE基地局システムのメモリに格納された基地局システムの誤差項は、バンド幅の範囲を超えて抽出された時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数の決定に、用いられなくなる。
S508において、抽出されたそれぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対し、高速フーリエ変換(FFT)を行う。抽出されたフィード・バック信号に対し、高速フーリエ変換(FFT)を行う
【0033】
取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局システムにおける測定待機装置のRPDは、サービス信号の電力幅の時間領域上の特性を表すため、プリセットしたバンド幅

範囲において、抽出されたOPDのフィード・バック信号のデータ長をFとし、バンド幅

範囲で抽出されたOPDのフィード・バック信号の、時間領域上のサンプリングポイントにおけるデータ長がLであれば、抽出されたOPDのフィード・バック信号の数がTであり、T = L / F。即ち、OPDは、T個の時間帯におけるフィード・バック信号を有する。プリセットしたバンド幅

範囲において、抽出されたRPDのフィード・バック信号のデータ長がFであり、バンド幅

範囲で抽出されたRPDのフィード・バック信号の、時間領域上のサンプリングポイントにおけるデータ長がLであれば、抽出されたRPDのフィード・バック信号の数はTであり、T = L / F。即ち、RPDも、T個の時間帯におけるフィード・バック信号を有する。
【0034】
好ましくは、S507及びS508において、まず、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDに対し高速フーリエ変換を行って、フィード・バック信号の周波数領域特性曲線を得て、プリセットしたバンド幅

範囲において、
プリセットした周波数帯において、複数の周波数帯のOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号を抽出する、こともできる。取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び基地局における測定待機装置のRPDに対し高速フーリエ変換を先に行うため、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPDのフィード・バック信号の周波数領域特性曲線及び取得した基地局における測定待機装置のRPDのフィード・バック信号の周波数領域特性曲線それぞれを得、プリセットしたバンド幅

範囲において、抽出されたOPDのフィード・バック信号の周波数帯がGである。そうすると、抽出されたOPDのフィード・バック信号の数がT = B / Gであり、即ち、OPDは、T個の周波数帯のフィード・バック信号を有する。プリセットしたバンド幅

範囲において、抽出されたRPDのフィード・バック信号の周波数帯がGであれば、抽出されたRPDのフィード・バック信号の数がT = B / Gであり、即ち、RPDは、T個の周波数帯のフィード・バック信号を有する。
【0035】
好ましくは、TD−LTE基地局システムがOFDMをベースとして変調されるものであるため、スペクトルには、一定の重なりがある。これは、抽出されたフィード・バック信号のスペクトル情報に損害を与える。ただし、抽出されたフィード・バック信号に対し、平均値処理を行った後、固定周波数帯Gの減少とともに、抽出されたフィード・バック信号のスペクトル情報への損害を、大幅に減らすことができ、こうして、検出精度を確保できる。
S509において、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定する。即ち、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号の最大振幅を選出し、且つ、それぞれ時間帯に対応するRPDのフィード・バック信号の最大振幅を選出する。それぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号の最大振幅と前記時間帯におけるOPDのフィード・バック信号の最大振幅の比率を、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数として決定する。ここで、いずれの時間帯に対応する、基地局システムの、誤差項を有する反射係数の計算式は、
【数5】
である。
ここで、aは、前記時間帯に対応する基地局システムの的OPDのフィード・バック信号の最大振幅であり、bは、前記時間帯基地局システムにおける測定待機装置のRPDのフィード・バック信号の最大振幅である。
【0036】
S510において、基地局システムメモリから、事前に決定したシステムの誤差項を取り寄せる(retrieving)。
S511において、前記S510において取り寄せたシステムの誤差項により、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正し、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数を得る。ここで、前記システムの誤差項は、方向性誤差値と、反射追跡誤差値と、ソースミスマッチ誤差値とを含む。
好ましくは、プリセットしたシステムの誤差項により、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正する式は、
【数6】
である。
ここで、
11
は、システム実の反射係数であり、Dは方向性誤差値であり、

は、反射追跡誤差値であり、

は、ソースミスマッチ誤差値であり、
Γ
は、システムの、誤差項を有する反射係数である。
S512において、全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数の平均値
Γ
を計算し、
得られた平均値
Γ
を、基地局システムの反射係数とする。即ち、全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数を加算して、抽出されたOPD/RPDのフィード・バック信号の数Tで割る。
S513において、基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの、プリセットしたバンド幅

範囲における定在波比を決定する。ここで、基地局システムの定在波比を決定する式は、
【数7】
である。
ここで、VSWRは、基地局システムの定在波比であり、
Γ
は、基地局システムの反射係数である。
【0037】
図8に示すように、本発明に係る実施例により提供する定在波比を検出するための装置は、
基地局システムにより伝送したサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得する電力データ取得ユニット801と、
第1プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯における、前記OPDのフィード・バック信号及び前記RPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出するフィード・バック信号の抽出ユニット802と、
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定し、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する反射係数の決定ユニット803と、
前記基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの、前記第1プリセットしたバンド幅の範囲内の定在波比を決定する定在波比の決定ユニット804とを備える。
【0038】
好ましくは、前記反射係数の決定ユニット803は、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定する場合、それぞれの時間帯におけるOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対し高速フーリエ変換を行い、それぞれ時間帯におけるOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅、及びそれぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を決定する。
好ましくは、前記反射係数の決定ユニット803は、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する場合、それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する。プリセットしたシステムの誤差項によりそれぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正して、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数を得る。ここで、前記システムの誤差項は、方向性誤差値と、反射追跡誤差値と、ソースミスマッチ誤差値とを含む。全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数の平均値を計算し、得られた平均値を基地局システムの反射係数とする。
【0039】
好ましくは、当該装置は、前記プリセットしたシステムの誤差項を決定するシステムの誤差項の決定ユニット805をさらに備える。
好ましくは、前記システムの誤差項の決定ユニット805は、基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷それぞれの場合に、基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスのRPDを取得する。
第2プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出し、第2プリセットしたバンド幅の範囲は、第1プリセットしたバンド幅の範囲より大きく、且つ第1プリセットしたバンド幅の範囲を含む。
基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を、決定する。
【0040】
基地局システムのショートの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのショートの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する。整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する。また、基地局システムのオープン場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのオープン場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する。
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数に基づき、基地局システムの誤差項を決定する。
好ましくは、前記反射係数の決定ユニット803は、それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する場合、それぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号の最大振幅と前記時間帯におけるOPDのフィード・バック信号の最大振幅の比率を、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数として決定する。
【0041】
好ましくは、前記電力データ取得ユニット801は、基地局システムにより発送されたサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得した後、前記取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し直流除去処理を行う。
前記直流除去された後のOPD及び直流除去された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、ミラー信号の較正処理を行う。
前記ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、電力幅較正処理を行う。
前記電力幅較正処理後のOPD及び電力幅較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行う。
好ましくは、本発明に係る実施例における前記電力データ取得ユニット801、フィード・バック信号の抽出ユニット802、反射係数の決定ユニット803、定在波比の決定ユニット804、およびシステムの誤差項の決定ユニット805のいずれも、プロセッサにより実行できる。
【0042】
よって、本発明は、改善した周波数領域反射率技術及びベクターネットワーク・アナライザ的単一ポートの較正技術を踏まえ、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のみを用いて、基地局システムに対して、定在波比を頻繁、且つリアルタイムに検出して、定在波比検結果を正確に取得することができる。こうして、定在波比の快速検出の目的を達成し、従来技術において、特定トレーニングシーケンスの発送によるTD−LTE通信システムへの余計な干渉を防ぐことができる。従来の基地局システムにハードウェアコストを別途に増設しなくてもよく、基地局システムのわずかな分量の計算リソースを採用することにより、基地局の定在波比正確かつ快速に検出する機能を実現する。基地局のハードウェア保守及び検出者として、基地局装置の定在波比を検出する場合、鈍重且つ高価な機器を必要とせず、ショート、オープン及び整合負荷場合の較正も要さず、基地局システム内のメモリに格納された較正データのみを利用することにより、基地局システムの定在波比を正確かつ快速に検出する機能を発揮できる。
【0043】
本分野の技術者として、本発明の実施形態が、方法、システム或いはコンピュータプログラム製品を提供できるため、本発明は完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの両方を結合した実施形態を採用できることがわかるはずである。さらに、本発明は、一つ或いは複数のコンピュータプログラム製品の形式を採用できる。また、当該製品はコンピュータ使用可能なプログラムコードを含むコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスク記憶装置と光学記憶装置等を含むがそれとは限らない)において実施する。
【0044】
以上は本発明の実施形態の方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図によって、本発明を記述した。理解すべきことは、コンピュータプログラム指令によって、フロー図および/またはブロック図における各フローおよび/またはブロックと、フロー図および/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの結合を実現できる。プロセッサはこれらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理装置、或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備の処理装置器に提供でき、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、これらのコンピュータプログラム指令を実行し、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
これらのコンピュータプログラム指令は又、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定方式で動作させるコンピュータ読取記憶装置に記憶できる。これによって、指令を含む装置は当該コンピュータ読取記憶装置内の指令を実行でき、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0045】
これらコンピュータプログラム指令はさらに、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備に実装もできる。コンピュータプログラム指令が実装されたコンピュータ或いは他のプログラム可能設備は、一連の操作ステップを実行することによって、関連の処理を実現し、コンピュータ或いは他のプログラム可能な設備において実行される指令によって、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。
無論、当業者によって、上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。そのような改造と置換は、すべて本発明の請求の範囲に属する。
本出願は、2014年9月1日に中国特許局に提出し、出願番号が201410441687.2であり、発明名称が「定在波比を検出するための方法及び装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
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