【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る実施例は、定在波比を検出するための方法を提供し、当該方法は、
基地局システムにより伝送したサービス信号の出力電力検出データ(OPD, output power detection data)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD, power detection data)を取得するステップと、
第1プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯における、前記OPDのフィード・バック信号及び前記RPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出するステップと、
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定し、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定するステップと、
前記基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの第1プリセットしたバンド幅の範囲における定在波比を決定するステップとを備える。
【0006】
当該方法によれば、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のみを用い、プリセットしたフィード・バック信号データ長を抽出する方法を採用して、発送されたダウンリンクサービス信号のフィード・バックを抽出することにより、特定トレーニングシーケンスをシミュレーションする目的を達成し、定在波を快速且つ正確に検出することができるようになり、特定トレーニングシーケンスによる基地局システムへの余計な干渉を防ぐことができる。
好ましくは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定するステップは、
それぞれの時間帯におけるOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対し高速フーリエ変換を行い、それぞれ時間帯におけるOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅、及びそれぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を決定するステップを備える。
【0007】
好ましくは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定するステップは、
それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップと、
プリセットしたシステムの誤差項によりそれぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正して、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数を得るステップであって、前記システムの誤差項は、方向性誤差値(directional error value)と、反射追跡誤差値(reflected tracking error value)と、ソースミスマッチ誤差値(source mismatch error value)とを含む前記得るステップと、
全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数の平均値を計算し、得られた平均値を基地局システムの反射係数とするステップとを備える。
【0008】
好ましくは、前記システムの誤差項をプリセットするステップは、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合、基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスのRPDを取得するステップと、
第2プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出するステップであって、第2プリセットしたバンド幅の範囲は、第1プリセットしたバンド幅の範囲より大きく、且つ第1プリセットしたバンド幅の範囲を含む前記抽出ステップと、
基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性をそれぞれ決定するステップと、
基地局システムのショートの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのショートの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、また、基地局システムのオープン場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのオープン場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップと、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数に基づき、基地局システムの誤差項を決定するステップとを備える。
【0009】
当該方法によれば、システムの誤差項をさらに快速且つ正確に取得することができ、基地局システムの誤差をより正確に較正することができるようになる。
好ましくは、それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定するステップは、
それぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号の最大振幅と前記時間帯におけるOPDのフィード・バック信号の最大振幅の比率を、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数として決定するステップを備える。
【0010】
好ましくは、基地局システムにより発送されたサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得した後、
前記取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し直流除去処理を行うステップと、
前記直流除去された後のOPD及び直流除去された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、ミラー信号の較正処理を行うステップと、
前記ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、電力幅較正処理を行うステップと、
前記電力幅較正処理後のOPD及び電力幅較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行うステップとを備える。
当該方法によれば、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDへの干渉信号を除去でき、取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDが同一のレベルの電力幅に維持でき、こうして、検出した定在波比の正確さを確保することができるようになる。
【0011】
本発明に係る実施により提供する定在波比を検出するための装置は、
基地局システムにより伝送したサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得する電力データ取得ユニットと、
第1プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、複数の時間帯における、前記OPDのフィード・バック信号及び前記RPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出する反射信号の抽出ユニットと、
それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定し、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する反射係数の決定ユニットと、
前記基地局システムの反射係数に基づき、基地局システムの、前記第1プリセットしたバンド幅の範囲内の定在波比を決定する定在波比の決定ユニットとを備える。
【0012】
当該装置によれば、TD−LTE基地局システムにより発送したダウンリンクサービス信号のみを用い、プリセットしたフィード・バック信号データ長を抽出する方法を採用して、発送されたダウンリンクサービス信号のフィード・バックを抽出し、特定トレーニングシーケンスをシミュレーションする目的を達成し、定在波を快速且つ正確に検出することができるようになり、特定トレーニングシーケンスによる基地局システムへの余計な干渉を防ぐことができる。
好ましくは、前記反射係数の決定ユニットは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を決定する場合、
それぞれの時間帯におけるOPDのフィード・バック信号及びRPDのフィード・バック信号に対し高速フーリエ変換を行い、それぞれ時間帯におけるOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅、及びそれぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅を決定する。
【0013】
好ましくは、前記反射係数の決定ユニットは、それぞれの時間帯に対応するOPDのフィード・バック信号のスペクトル特性及びRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性に基づき、基地局システムの反射係数を決定する場合、
それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、
プリセットしたシステムの誤差項によりそれぞれ時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を較正して、それぞれ時間帯に対応する基地局システムの実の反射係数を得、前記システムの誤差項は、方向性誤差値と、反射追跡誤差値と、ソースミスマッチ誤差値とを含み、
全時間帯に対応する較正後の基地局システムの実の反射係数の平均値を計算し、得られた平均値を基地局システムの反射係数とする。
【0014】
好ましくは、当該装置は、前記プリセットしたシステムの誤差項を決定するシステムの誤差項の決定ユニットをさらに備える。
好ましくは、前記システムの誤差項の決定ユニットは、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷それぞれの場合に、基地局システムにより発送したプリセットしたトレーニングシーケンスのRPDを取得し、
第2プリセットしたバンド幅の範囲において、プリセットしたデータ長に基づき、基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、複数の時間帯における前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号をそれぞれ抽出し、第2プリセットしたバンド幅の範囲は、第1プリセットしたバンド幅の範囲より大きく、且つ第1プリセットしたバンド幅の範囲を含み、
基地局システムのショート、オープン及び整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を、決定し、
基地局システムのショートの場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのショートの場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、整合負荷の場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、また、基地局システムのオープン場合の、それぞれ時間帯に対応する前記プリセットしたトレーニングシーケンスのRPDのフィード・バック信号のスペクトル特性を用い、基地局システムのオープン場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定し、
基地局システムのショート、基地局システムのオープン及び整合負荷の場合の、基地局システムの誤差項を有する反射係数に基づき、基地局システムの誤差項を決定する。
当該装置によれば、システムの誤差項をさらに快速且つ正確に取得することができ、基地局システムの誤差をより正確に較正することができるようになる。
【0015】
好ましくは、前記反射係数の決定ユニットは、それぞれ時間帯のOPDのフィード・バック信号幅の最大振幅及び前記時間帯におけるRPDのフィード・バック信号幅の最大振幅に基づき、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数を決定する場合、
それぞれ時間帯におけるRPDのフィード・バック信号の最大振幅と前記時間帯におけるOPDのフィード・バック信号の最大振幅の比率を、前記時間帯に対応する基地局システムの誤差項を有する反射係数として決定する。
【0016】
好ましくは、前記電力データ取得ユニットは、
基地局システムにより発送されたサービス信号の出力電力検出データ(OPD)及び前記基地局における測定待機装置の反射電力検出データ(RPD)を取得した後、前記取得した基地局システムにより発送したサービス信号のOPD及び取得した基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し直流除去処理を行い、
前記直流除去された後のOPD及び直流除去された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、ミラー信号の較正処理を行い、
前記ミラー信号の較正処理された後のOPD及びミラー信号の較正処理された後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、電力幅較正処理を行い、
前記電力幅較正処理後のOPD及び電力幅較正処理後の基地局システムにおける測定待機装置のRPDに対し、同期補償処理を行う。