【実施例】
【0062】
次に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
【0063】
実施例1
TIPS2−Xtn−OHの合成
【0064】
【化11】
【0065】
(以下、Br−(CH
2)
11−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O、TIPS2−Xtn−OHは図中の構造を示すこととする。)
【0066】
実施例(1−a)
Br−(CH
2)
11−OTIPS 8.10g(19.9mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン2.02g(8.8mmol)、炭酸カリウム4.39g(31.8mmol)をDMF58.9mLに懸濁し、85℃に加熱し、2時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン124mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン59mLを加え、DMF59mLで分液洗浄した。前記のへプタンとDMFによる分液洗浄を、さらに1回行った。得られたヘプタン層に、ヘプタン59mLを加え、1N塩酸59mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液59mLで1回、水59mLで2回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン59mLを加え、DMF59mLで1回、アセトニトリル59mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=70:1→0:100)で精製し、TIPS2−Xtn−C=O 7.85gを得た。
【0067】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.02−1.08(m,42H),1.24−1.41(m,24H),1.43−1.58(m,8H),1.77−1.88(m,4H),3.67(t,4H),4.06(t,4H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.22(d,2H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ12.2(6C),18.2(12C),26.0(2C),26.1(2C),29.2−29.8(12C),33.2(2C),63.6(2C),68.8(2C),100.8(2C),113.4(2C),115.8(2C),128.2(2C),158.2(2C),164.4(2C),175.7
【0068】
実施例(1−b)
TIPS2−Xtn−C=O 0.30g(0.34mmol)をTHF(無水)2.3mL、メタノール0.45mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム39mg(1.02mmol)を添加し、55℃に加熱し、1時間40分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム39mg(1.02mmol)、メタノール0.62mLを添加し、55℃で30分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム78mg(2.04mmol)を添加し、55℃で30分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム39mg(1.02mmol)、メタノール0.40mLを添加し、55℃で30分撹拌した。アセトン1.2mL、CPMEを7.5mL加え、水2.3mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液2.3mLで1回、水2.3mLで2回洗浄し、有機層を減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン7.5mLに溶解し、DMF3.8mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン3.8mLを加え、アセトニトリル3.8mLで分液洗浄した。前記のへプタンとアセトニトリルによる分液洗浄を、さらに1回行った後、ヘプタン層を減圧下で濃縮し、TIPS2−Xtn−OH 0.32gを得た。
【0069】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.12−1.16(m,42H),1.24−1.49(m,28H),1.57−1.68(m,9H),3.65−3.72(m,8H),5.57(d,1H),6.77(dd,2H),6.86(d,2H),7.40(d,2H)
13C−NMR(100MHz,Benzene−d
6)δ12.8(6C),18.7(12C),26.7(2C),26.8(2C),29.8−30.5(12C),33.9(2C),63.3,64.1(2C),68.6(2C),102.0(2C),111.9(2C),116.8(2C),131.5(2C),152.5(2C),160.9(2C)
【0070】
実施例2
TIPS2−Xtn−NH
2の合成
【0071】
【化12】
【0072】
(以下、TIPS2−Xtn−NHFmoc、TIPS2−Xtn−NH
2は図中の構造を示すこととする。
【0073】
実施例(2−a)
TIPS2−Xtn−C=O 21.8g(24.8mmol)をTHF(無水)180mL、メタノール18mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム7.5g(198mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール18mLを添加し、35℃で1時間攪拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム3.7g(99.0mmol)、メタノール18mLを添加し、35℃で20時間30分撹拌した。アセトン446mLを添加し、反応溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をトルエン540mLに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液360mLで4回洗浄した。得られた有機層をトルエン18mLで希釈し、無水硫酸ナトリウム153gを加え、充分撹拌した後濾過し、トルエン90mLで濾物を洗浄し、TIPS2−Xtn−OHを含むトルエン溶液を得た。
【0074】
実施例(2−b)
前工程で得たトルエン溶液にFmoc−NH
27.11g(29.7mmol)、酢酸82.5mLを加え、50℃に加熱し、30分撹拌した。反応溶液を5℃に冷却した後、トルエンを194mL加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液648mLで3回、水648mLで2回洗浄し、有機層を減圧下で濃縮し、TIPS2−Xtn−NHFmocを含む混合物を得た。
【0075】
実施例(2−c)
前工程で得た混合物を、THF248mLに溶解し、DBU 13.3mL(89.1mmol)を添加し、室温で30分撹拌した。反応溶液を5℃に冷却し、1N塩酸59.4mLで反応を停止し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン500mLに溶解し、アセトニトリル500mLで5回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=18.75:1.25:1→0:19:1)で精製し、TIPS2−Xtn−NH
2 8.86gを得た。
【0076】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.12−1.16(m,42H),1.24−1.40(m,24H),1.40−1.50(m,4H),1.56−1.68(m,10H),3.65−3.74(m,8H),4.76(s,1H),6.78(dd,2H),6.86(d,2H),7.25(d,2H)
13C−NMR(100MHz,Benzene−d
6)δ12.8(6C),18.7(12C),26.7(2C),26.8(2C),30.0−30.5(12C),33.9(2C),46.8,64.1(2C),68.5(2C),102.1(2C),111.6(2C),119.0(2C),130.6(2C),152.6(2C),160.3(2C)
【0077】
実施例3
TIPS2−Xtn−OH(C
8)の合成
【0078】
【化13】
【0079】
(以下、Br−(CH
2)
8−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O(C
8)、TIPS2−Xtn−OH(C
8)は図中の構造を示すこととする。)
【0080】
実施例(3−a)
Br−(CH
2)
8−OTIPS 1.49g(4.07mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.41g(1.81mmol)、炭酸カリウム0.90g(6.52mmol)をDMF12.1mLに懸濁し、85℃に加熱し、2時間30分撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン25.3mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン12.1mLを加え、DMF12.1mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン12.1mLを加え、1N塩酸12.1mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液12.1mLで1回、水12.1mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン12.1mLを加え、アセトニトリル12.1mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=80:1→0:100)で精製し、TIPS2−Xtn−C=O(C
8)1.29gを得た。
【0081】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.02−1.08(m,42H),1.33−1.44(m,12H),1.44−1.60(m,8H),1.79−1.89(m,4H),3.68(t,4H),4.06(t,4H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.22(d,2H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ12.2(6C),18.2(12C),25.9(2C),26.1(2C),29.1(2C),29.5(4C),33.1(2C),63.6(2C),68.8(2C),100.8(2C),113.3(2C),115.8(2C),128.2(2C),158.2(2C),164.4(2C),175.7
ESIMS MH+ 797.5
【0082】
実施例(3−b)
TIPS2−Xtn−C=O(C
8) 0.73g(0.91mmol)をTHF(無水)6.6mL、メタノール0.66mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム0.28g(7.30mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール0.66mLを添加し、35℃で50分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム0.14g(3.65mmol)、メタノール0.66mLを添加し、35℃で18時間30分撹拌した。アセトン16.4mL、ヘキサンを66.3mL加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液36.5mLで4回した。得られたヘキサン層にヘキサン3.3mL、無水硫酸ナトリウム5.1gを加え、充分撹拌した後濾過し、ヘキサン3.3mLで濾物を洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、TIPS2−Xtn−OH(C
8)0.72gを得た。
【0083】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.12−1.16(m,42H),1.22−1.37(m,12H),1.37−1.45(m,4H),1.52−1.66(m,9H),3.67(t,8H),5.57(d,1H),6.76(dd,2H),6.85(d,2H),7.40(d,2H)
13C−NMR(100MHz,Benzene−d
6)δ12.8(6C),18.7(12C),26.6(2C),26.7(2C),29.9(2C),30.1(2C),30.2(2C),33.8(2C),63.4,64.1(2C),68.5(2C),102.0(2C),111.9(2C),116.8(2C),131.5(2C),152.5(2C),160.9(2C)
ESIMS MNa+ 821.5
【0084】
実施例4
TBDPS2−Xtn−OHの合成
【0085】
【化14】
【0086】
(以下、Br−(CH
2)
11−OTBDPS、TBDPS2−Xtn−C=O、TBDPS2−Xtn−OHは図中の構造を示すこととする。)
【0087】
実施例(4−a)
Br−(CH
2)
11−OTBDPS 1.16g(2.38mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.24g(1.06mmol)、炭酸カリウム0.53g(3.80mmol)をDMF7.0mLに懸濁し、85℃に加熱し、3時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン14.8mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン7.0mLを加え、アセトニトリル7.0mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン7.0mLを加え、1N塩酸7.0mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液7.0mLで1回、水7.0mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン7.0mLを加え、アセトニトリル7.0mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=80:1→0:100)で精製し、TBDPS2−Xtn−C=O 0.67gを得た。
【0088】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.05(s,18H),1.24−1.42(m,24H),1.42−1.63(m,8H),1.77−1.89(m,4H),3.66(t,4H),4.07(t,4H),6.84(d,2H),6.92(dd,2H),7.30−7.44(m,12H),7.60−7.70(m,8H),8.23(d,2H)
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ19.4(2C),25.9(2C),26.1(2C),27.0(6C),29.2−29.7(12C),32.7(2C),64.2(2C),68.8(2C),100.8(2C),113.4(2C),115.8(2C),127.7(8C),128.3(2C),129.6(4C),134.3(4C),135.7(8C),158.2(2C),164.4(2C),175.7
ESIMS MNa+ 1067.5
【0089】
実施例(4−b)
TBDPS2−Xtn−C=O 0.33g(0.32mmol)をTHF(無水)2.3mL、メタノール0.23mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム95mg(2.52mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール0.23mLを添加し、35℃で50分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム48mg(1.26mmol)、メタノール0.23mLを添加し、35℃で18時間30分撹拌した後、室温まで冷却し、49時間30分撹拌した。アセトン5.7mL、ヘキサンを22.9mL加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液12.6mLで4回した。得られたヘキサン層にヘキサン1.2mL、無水硫酸ナトリウム2.3gを加え、充分撹拌した後濾過し、ヘキサン1.2mLで濾物を洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、TBDPS2−Xtn−OH 0.31gを得た。
【0090】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.20(s,18H),1.22−1.29(m,24H),1.31−1.43(m,4H),1.53−1.69(m,9H),3.65−3.73(m,8H),5.57(d,1H),6.77(dd,2H),6.85(d,2H),7.21−7.27(m,12H),7.40(d,2H),7.77−7.83(m,8H)
ESIMS MNa+ 1069.2
【0091】
実施例5
TIPS2−Xtn−OH(C
14)の合成
【0092】
【化15】
【0093】
(以下、Br−(CH
2)
14−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O(C
14)、TIPS2−Xtn−OH(C
14)は図中の構造を示すこととする。)
【0094】
実施例(5−a)
Br−(CH
2)
14−OTIPS 1.53g(3.34mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.34g(1.51mmol)、炭酸カリウム0.75g(5.43mmol)をDMF10.1mLに懸濁し、85℃に加熱し、3時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン21.1mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン10.1mLを加え、DMF10.1mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン10.1mLを加え、1N塩酸10.1mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液10.1mLで1回、水10.1mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン10.1mLを加え、アセトニトリル10.1mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮し、TIPS2−Xtn−C=O(C
14)1.34gを得た。
【0095】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.04−1.08(m,42H),1.23−1.42(m,40H),1.43−1.58(m,4H),1.79−1.89(m,4H),3.66(t,4H),4.06(t,4H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.22(d,2H)
ESIMS MH+ 965.8
【0096】
実施例(5−b)
TIPS2−Xtn−OH(C
8)と同様の方法で、TIPS2−Xtn−OH(C
14)を得た。
【0097】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.12−1.16(m,42H),1.23−1.49(m,40H),1.57−1.69(m,9H),3.66−3.73(m,8H),5.57(d,1H),6.77(dd,2H),6.86(d,2H),7.40(d,2H)
ESIMS MNa+ 990.2
【0098】
実施例6
TIPS2−Xtn−OH(C
8OC
2)の合成
【0099】
【化16】
【0100】
(以下、Br−(CH
2)
8−O−(CH
2)
2−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O(C
8OC
2)、TIPS2−Xtn−OH(C
8OC
2)は図中の構造を示すこととする。)
【0101】
実施例(6−a)
Br−(CH
2)
8−O−(CH
2)
2−OTIPS 0.95g(2.31mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.23g(1.03mmol)、炭酸カリウム0.57g(4.11mmol)をDMF6.8mLに懸濁し、85℃に加熱し、2時間40分撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン14.4mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン6.8mLを加え、DMF6.8mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン6.8mLを加え、1N塩酸6.8mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液6.8mLで1回、水6.8mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン6.8mLを加え、アセトニトリル6.8mLで分液洗浄した。前記のヘプタンとアセトニトリルによる分液洗浄をさらに一回行い、ヘプタン層を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=40:1→0:100)で精製し、TIPS2−Xtn−C=O(C
8OC
2)0.24gを得た。
【0102】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.03−1.07(m,42H),1.25−1.43(m,12H),1.43−1.53(m,4H),1.53−1.62(m,4H),1.77−1.89(m,4H),3.48(t,4H),3.52(t,4H),3.83(t,4H),4.06(t,4H),6.82(d,2H),6.91(dd,2H),8.21(d,2H)
ESIMS MH+ 885.6
【0103】
実施例(6−b)
TIPS2−Xtn−OH(C
8)と同様の方法で、TIPS2−Xtn−OH(C
8OC
2)を得た。
【0104】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.11−1.15(m,42H),1.20−1.29(m,8H),1.29−1.42(m,8H),1.54−1.66(m,9H),3.39(t,4H),3.49(t,4H),3.68(t,4H),3.83(t,4H),5.58(d,1H),6.76(dd,2H),6.85(d,2H),7.41(d,2H)
ESIMS MNa+ 909.8
【0105】
実施例7
TIPS2−Xtn−OH(C
10−CONH−C
2)の合成
【0106】
【化17】
【0107】
(以下、Br−(CH
2)
10−CONH−(CH
2)
2−OTIPS、TIPS2−Xtn−C=O(C
10−CONH−C
2)、TIPS2−Xtn−OH(C
10−CONH−C
2)は図中の構造を示すこととする。)
【0108】
実施例(7−a)
Br−(CH
2)
10−CONH−(CH
2)
2−OTIPS 1.63g(3.50mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.29g(1.25mmol)、炭酸カリウム0.69g(5.00mmol)をDMF8.3mLに懸濁し、115℃に加熱し、2時間撹拌した。反応溶液を濾過した。濾液に水25mLを添加し、スラリー洗浄し、沈澱物を濾取した。前記の水によるスラリー洗浄、濾取をさらに一回行った。得られた沈澱物にアセトニトリル25mLを添加し、スラリー洗浄し、沈澱物を濾取した。前記のアセトニトリルによるスラリー洗浄、濾取をさらに一回行った。得られた沈澱物を減圧下で乾燥し、TIPS2−Xtn−C=O(C
10−CONH−C
2)0.99gを得た。
【0109】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.03−1.08(m,42H),1.25−1.42(m,20H),1.43−1.53(m,4H),1.56−1.68(m,4H),1.79−1.88(m,4H),2.18(t,4H),3.40(q,4H),3.76(t,4H),4.06(t,4H),5.89(t,2H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.21(d,2H)
ESIMS MNa+ 1017.7
【0110】
実施例(7−b)
TIPS2−Xtn−C=O(C
10−CONH−C
2)0.21g(0.21mmol)をTHF(無水)1.5mL、メタノール0.15mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム64mg(1.69mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール0.15mLを添加し、35℃で50分撹拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム32mg(0.84mmol)、メタノール0.15mLを添加し、35℃で21時間10分撹拌した。アセトン3.8mL、酢酸エチル15.3mLを加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液8.4mLで4回した。得られた有機層に酢酸エチル0.8mL、無水硫酸ナトリウム1.47gを加え、充分撹拌した後濾過し、酢酸エチル0.8mLで濾物を洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、TIPS2−Xtn−OH(C
10−CONH−C
2)0.21gを得た。
【0111】
ESIMS MNa+ 1019.6
【0112】
実施例8
TIPS3−Xtn−NH
2の合成
【0113】
【化18】
【0114】
(以下、Br−(CH
2)
10−CONH−C(CH
2OTIPS)
3、TIPS3−Xtn−C=O、TIPS3−Xtn−OH、TIPS3−Xtn−NHFmoc、TIPS3−Xtn−NH
2は図中の構造を示すこととする。)
【0115】
実施例(8−a)
Br−(CH
2)
10−CONH−C(CH
2OTIPS)
3 9.01g(10.8mmol)、3−ヒドロキサンテン−9−オン2.86g(12.9mmol)、炭酸カリウム2.69g(19.4mmol)をDMF72mLに懸濁し、120℃に加熱し、5時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン151mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン72mL、DMF72mLを加え、分液洗浄した。さらにDMF72mLを加え、分液洗浄を2回行った。得られたヘプタン層に、水72mLで1回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、TIPS3−Xtn−C=O 5.68gを得た。
【0116】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.02−1.08(m,63H),1.24−1.39(m,10H),1.44−1.62(m,4H),1.85(quin.,2H),2.09(t,2H),4.04(s,6H),4.08(t,2H),5.75(s,1H),6.87(d,1H),6.94(dd,1H),7.37(t,1H),7.45(d,1H),7.66−7.72(m,1H),8.24(d,1H),8.33(dd,1H)
【0117】
実施例(8−b)
TIPS3−Xtn−C=O 0.70g(0.73mmol)をTHF(無水)4.0mL、メタノール0.8mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム0.22g(5.81mmol)を添加し、35℃に加熱し、4時間撹拌した。アセトン0.86mLを加え反応を停止し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をトルエン13mLに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液3.9mLで2回、水3.9mLで2回分液洗浄し、TIPS3−Xtn−OHを含むトルエン溶液を得た。
【0118】
実施例(8−c)
前工程で得たトルエン溶液に、9−フルオレニルメチルカルバメート0.21g(0.87mmol)、酢酸0.42mL、モレキュラーシーブス4Å1.72gを添加し、50℃で3時間30分撹拌した。反応溶液を濾過し、トルエン10mLで希釈し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液40mLで1回、30mLで1回、水20mLで1回分液洗浄した。溶液を減圧下で濃縮し、TIPS3−Xtn−NHFmocを含む混合物を得た。
【0119】
実施例(8−d)
前工程で得た混合物をTHF6.9mLに溶解し、DBU0.15mL(1.03mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣をヘプタン21.0mLに溶解させ、DMF7.0mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン7.0mL、DMF7.0mMを加え、分液洗浄を2回行った。ヘプタン層にヘプタンを7.0mL加え、50%含水アセトニトリル7.0mLで分液洗浄した。前記のへプタンと50%含水アセトニトリルによる分液洗浄を、さらに1回行った。得られたヘプタン層にヘプタン7.0mLを加え、アセトニトリル7.0mLで分液洗浄した。前記のへプタンとアセトニトリルによる分液洗浄を、さらに1回行った後、ヘプタン層を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=17.8:1.2:1→0:19:1)で精製し、TIPS3−Xtn−NH
20.44gを得た。
【0120】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.14−1.18(m,63H),1.22−1.40(m,14H),1.63(quin.,2H),1.75(quin.,2H),2.20(t,2H),3.69(t,2H),4.43(s,6H),4.70(s,1H),5.91(s,1H),6.78(dd,1H),6.82(d,1H),6.93(td,1H),7.04(td,1H),7.14(dd,1H),7.22(d,1H),7.28(dd,1H)
【0121】
実施例9
TIPS3−Xtn−OH(6−OMe)の合成
【0122】
【化19】
【0123】
(以下、TIPS3−Xtn−C=O(6−OMe)、TIPS3−Xtn−OH(6−OMe)は図中の構造を示すこととする。)
【0124】
実施例(9−a)
Br−(CH
2)
10−CONH−C(CH
2OTIPS)
3 0.40g(0.48mmol)、3−ヒドロキシ−6−メトキシキサントン0.22g(0.91mmol)、炭酸カリウム0.20g(1.43mmol)をDMF3.2mLに懸濁し、115℃に加熱し、3時間20分撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン4.8mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン2.4mLを加え、DMF2.4mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン2.4mLを加え、1N塩酸2.4mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液2.4mLで1回、水2.4mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン2.4mLを加え、アセトニトリル2.4mLで分液洗浄した。前記のヘプタンとアセトニトリルによる分液洗浄をさらに一回行い、ヘプタン層を減圧下で濃縮して、TIPS3−Xtn−C=O(6−OMe)0.27gを得た。
【0125】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.00−1.07(m,63H),1.20−1.40(m,10H),1.48(quin.,2H),1.57(quin.,2H),1.84(quin.,2H),2.09(t,2H),3.92(s,3H),4.02−4.09(m,8H),5.75(s,1H),6.84(dd,2H),6.89−6.94(m,2H),8.20−8.25(m,2H)
ESIMS MH+ 998.8
【0126】
実施例(9−b)
TIPS2−Xtn−OH(C
8)と同様の方法で、TIPS3−Xtn−OH(6−OMe)を得た。
【0127】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.15−1.19(m,63H),1.20−1.41(m,12H),1.55−1.80(m,5H),2.19(t,2H),3.30(s,3H),3.70(t,2H),4.42(s,6H),5.56(d,1H),5.91(s,1H),6.68(dd,1H),6.75−6.80(m,2H),6.85(d,1H),7.36−7.43(m,2H)
ESIMS MNa+ 1022.7
【0128】
実施例10
TIPS4−Xtn−OH(C
10−CONH−CH(CH
2)
2)の合成
【0129】
【化20】
【0130】
(以下、Br−(CH
2)
10−CONH−CH(CH
2−OTIPS)
2、TIPS4−Xtn−C=O(C
10−CONH−CH(CH
2)
2)、TIPS4−Xtn−OH(C
10−CONH−CH(CH
2)
2)は図中の構造を示すこととする。)
【0131】
実施例(10−a)
Br−(CH
2)
10−CONH−CH(CH
2−OTIPS)
2 1.53g(2.35mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.19g(0.84mmol)、炭酸カリウム0.47g(3.36mmol)をDMF5.6mLに懸濁し、115℃に加熱し、3時間30分撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン11.8mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン5.6mLを加え、DMF5.6mLで分液洗浄した。得られたヘプタン層に、ヘプタン5.6mLを加え、1N塩酸5.6mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液5.6mLで1回、水5.6mLで1回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン5.6mLを加え、アセトニトリル5.6mLで分液洗浄した。前記のヘプタンとアセトニトリルによる分液洗浄をさらに一回行った。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、TIPS4−Xtn−C=O(C
10−CONH−CH(CH
2)
2)0.74gを得た。
【0132】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.04−1.08(m,84H),1.22−1.42(m,20H),1.43−1.52(m,4H),1.56−1.66(m,4H),1.79−1.88(m,4H),2.16(t,4H),3.64−3.70(m,4H),3.86−3.91(m,4H),3.94−4.04(m,2H),4.06(t,4H),5.84(d,2H),6.83(d,2H),6.91(dd,2H),8.22(d,2H)
ESIMS MH+ 1367.9
【0133】
実施例(10−b)
TIPS2−Xtn−OH(C
8)と同様の方法で、TIPS4−Xtn−OH(C
10−CONH−CH(CH
2)
2)を得た。
【0134】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.10−1.15(m,84H),1.20−1.41(m,24H),1.60−1.73(m,9H),2.03(t,4H),3.68−3.77(m,8H),4.01−4.07(m,4H),4.27−4.36(m,2H),5.61(d,1H),5.71(d,2H),6.78(dd,2H),6.87(d,2H),7.44(d,2H)
ESIMS MNa+ 1391.7
【0135】
実施例11
TIPS6−Xtn−NH
2の合成
【0136】
【化21】
【0137】
(以下、TIPS6−Xtn−C=O、TIPS6−Xtn−OH、TIPS6−Xtn−NHFmoc、TIPS6−Xtn−NH
2は図中の構造を示すこととする。)
【0138】
実施例(11−a)
Br−(CH
2)
10−CONH−C(CH
2OTIPS)
3 8.18g(9.77mmol)、3,6−ジヒドロキシキサントン0.68g(3.00mmol)、炭酸カリウム1.50g(10.9mmol)をDMF20.0mLに懸濁し、90℃に加熱し、9.5時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾物をヘプタン42mLで洗浄した。濾液を分液し、得られたヘプタン層にヘプタン20mLを加え、DMF20mLで分液洗浄した。前記のへプタンとDMFによる分液洗浄を、さらに1回行った。得られたヘプタン層に、ヘプタン20mLを加え、1N塩酸20mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液20mLで1回、水20mLで2回分液洗浄した。得られたヘプタン層にヘプタン20mLを加え、DMF20mLで1回、アセトニトリル20mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=35:1→10:1)で精製し、TIPS6−Xtn−C=O 4.13gを得た。
【0139】
1H−NMR(400MHz,Chloroform−d
1)δ1.00−1.12(m,126H),1.25−1.37(m,20H),1.47(quin,4H),1.57(quin,4H),1.83(quin,4H),2.08(t,4H),4.03(s,12H),4.05(t,4H),5.74(s,2H),6.82(dd,2H),6.88−6.92(m,2H),8.21(dd,2H)
【0140】
実施例(11−b)
TIPS6−Xtn−C=O 3.00g(1.72mmol)をTHF(無水)12.5mL、メタノール3.8mLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム0.79g(20.8mmol)を添加し、室温で15時間撹拌した。アセトン47.0mLを加え反応を停止し、減圧下で濃縮し、残渣をトルエン37.6mLで溶解させ、5%炭酸水素ナトリウム水溶液25.1mLで分液洗浄した。さらに5%炭酸水素ナトリウム水溶液25.1mLで3回洗浄し、TIPS6−Xtn−OHを含む混合物のトルエン溶液を得た。
【0141】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.07−1.13(m,126H),1.14−1.26(m,20H),1.34−1.37(m,4H),1.58(quin,4H),1.68(quin,4H),2.13(t,4H),3.64(t,4H),4.36(s,12H),5.52−5.55(d,1H),5.85(s,2H),6.72(dd,2H),6.80(d,2H),7.37(d,2H)
【0142】
実施例(11−c)
前工程で得たトルエン溶液に、9−フルオレニルメチルカルバメート0.50g(2.10mmol)、酢酸5.74mL、モレキュラーシーブス4Å0.49gを添加し、室温で6時間撹拌した。反応溶液を5℃に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液45.1mL加え、30分間攪拌した。反応溶液を濾過し、濾物をトルエン13.5mLで洗浄し、濾液を分液した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液45.1mLで1回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液45.1mLで1回、水45.1mLで2回洗浄し、有機層を減圧下で濃縮し、TIPS2−Xtn−NHFmocを含む混合物を得た。
【0143】
実施例(11−d)
前工程で得た混合物をTHF12.7mLに溶解し、DBU 0.69mL(4.58mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応溶液を5℃に冷却し、1N塩酸3.1mLで反応を停止し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をヘプタン25.5mLに溶解し、アセトニトリル25.5mLで6回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル:トリエチルアミン=18.75:1.25:1→0:19:1)で精製し、TIPS6−Xtn−NH
2 1.37gを得た。
【0144】
1H−NMR(400MHz,Benzene−d
6)δ1.06−1.14(m,126H),1.14−1.19(m,20H),1.25−1.32(m,4H),1.58(quin,4H),1.69(quin,4H),2.13(t,4H),3.65(t,4H),4.37(s,12H),4.69(s,1H),5.84(s,2H),6.73(dd,2H),6.81(d,2H),7.19(d,2H)
【0145】
実施例12
Fmoc−Cys(TIPS2−Xtn)−NH
2の合成と脱保護
【0146】
【化22】
【0147】
(以下、Fmoc-L-Cys−NH
2、Fmoc−Cys(TIPS2−Xtn)−NH
2は図中の構造を示すこととする。)
【0148】
実施例(12−a)
TIPS2−Xtn−C=O 0.10g(0.12mmol)をTHF(無水)0.83mL、メタノール83μLの混合溶液に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム35mg(0.92mmol)を添加し、35℃に加熱し、10分撹拌した。さらにメタノール83μLを添加し、35℃で50分攪拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム17mg(0.46mmol)、メタノール83μLを添加し、35℃で20時間45分撹拌した。アセトン2.0mLを添加し、反応溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をトルエン2.5mLに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液1.7mLで4回洗浄した。得られた有機層をトルエン0.1mLで希釈し、無水硫酸ナトリウム0.71gを加え、充分撹拌した後濾過し、トルエン0.4mLで濾物を洗浄し、TIPS2−Xtn−OHを含むトルエン溶液を得た。
【0149】
実施例(12−b)
前工程で得たトルエン溶液にFmoc−L−Csy−NH
2 43mg(0.13mmol)、モレキュラーシーブス4Å39mg、酢酸0.38mLを添加し、25℃で1時間30分撹拌した。反応溶液を5℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液4.5mLを加え、反応を停止した。トルエン3.0mLを加え、分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液4.5mLで2回、水3.0mLで1回分液洗浄し、有機層を減圧下で濃縮した。
得られた残渣にメタノール 3.1mL添加し、5℃に冷却後、スラリー洗浄し、沈澱物を濾取した。前記のメタノールによるスラリー洗浄、濾取をさらに2回行った。得られた沈澱物をヘプタン30mLとCPME4.5mLの混合溶媒に溶解し、アセトニトリル30mLで3回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮し、Fmoc−Cys(TIPS2−Xtn)−NH
2 76mgを得た。
ESIMS MNa+ 1229.8
【0150】
実施例(12−c)
Fmoc−Cys(TIPS2−Xtn)−NH
2 57mg(0.05mmol)をジクロロメタン 0.76mLに溶解し、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール 47μL(0.29mmol)、トリイソプロピルシラン47μL(0.22mmol)、トリフルオロ酢酸94μL(1.23mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を5℃に冷却したジイソプロピルエーテル3.8mLに滴下し、沈澱物を濾取した。このジイソプロピルエーテルによるスラリー洗浄、濾過をさらに3回行い、沈殿物を濾取した。沈澱物を減圧下で乾燥し、Fmoc−L−Cys−NH
2 9mgを得た。
ESIMS MNa+ 364.9
【0151】
実施例13
ペプチド化合物に対する溶解度向上性能の確認
本発明におけるキサンテン保護剤で保護した化合物の溶解度を測定した結果を
図1に示す。
モデルとして使用したペプチド:H−Phe−Leu−NH
2
H−Phe−Leu−NH
2、H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)を合成し、25℃でCPME(シクロペンチルメチルエーテル)にそれぞれの化合物を飽和させ、その溶解度を測定した。
その結果、TIPS型保護剤の結合していないH−Phe−Leu−NH
2がCPMEにわずか0.5mMしか溶解しないのに比べ、TIPS2−Xtn−NH
2を結合した場合、586mMと約1100倍以上溶解度が向上した。その結果を
図1に示す。この結果から、キサンテン保護剤で誘導体化することで、ペプチドの溶解度が著しく向上することが確認できた。なお、H−Phe−Leu−NH
2とH−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)は下記の構造を示すこととする。
【0152】
【化23】
【0153】
実施例(13−a)
H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の合成
【0154】
TIPS2−Xtn−NH
2 1.67g(1.89mmol)をCPME 18.9mLに溶解し、DMF 8.1mL、DIPEA 1.32mL(7.55mmol)、Fmoc−Leu−OH 1.00g(2.83mmol)、(ヒドロキシイミノ)シアノ酢酸エチル(Oxyma) 0.40g(2.83mmol)、 (1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩(COMU) 1.21g(2.83mmol)を加え、室温で50分撹拌した。TIPS2−Xtn−NH
2の消失を確認後、2−(2−アミノエトキシ)エタノール 112μL(1.13mmol)を加え、室温で15分撹拌した。反応溶液にDMSO 18.9mLに溶解した3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム4.04g(22.6mmol)を添加し、DMSO 1.9mL、DBU2.12mL(14.2mmol)を加え、40分撹拌した。Fmoc−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の消失を確認後、5℃に冷却した後、4M CPME/HCl 3.72mL(14.9mmol)を滴下し、室温まで昇温し、CPME0.8mL、20%食塩水80mL、10%炭酸ナトリウム水溶液68mLを加え、分液洗浄した。得られた有機相にDMSO 0.6mL、DMF 0.6mL、50%リン酸水素二カリウム水溶液 23mLを加え、分液洗浄し、H−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)を含む混合液を得た。なお、Fmoc−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)とH−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)は下記の構造を示すこととする。
【0155】
【化24】
【0156】
得られた混合液に対し、CPME 3.4mL、DMF11.3mL、DIPEA 1.31mL(7.55mmol)、Fmoc−Phe−OH 1.10g(2.83mmol)、Oxyma 0.40g(2.83mmol)、COMU 1.21g(2.83mmol)を加え、室温で50分撹拌した。H−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の消失を確認後、2−(2−アミノエトキシ)エタノール 112μL(1.13mmol)を加え、室温で15分撹拌した。反応溶液にDMSO 18.9mLに溶解した3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム4.04g(22.6mmol)を添加し、5℃に冷却した後、DMSO 1.9mL、DBU2.12mL(14.2mmol)を加え、35分撹拌した。Fmoc−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の消失を確認後、4M CPME/HCl 3.72mL(14.9mmol)を滴下し、室温まで昇温し、CPME0.9mL、20%食塩水 88mL、10%炭酸ナトリウム水溶液 75mLを加え、分液洗浄した。得られた有機相にDMSO 0.8mL、DMF 0.8mL、50%リン酸水素二カリウム水溶液 31mLを加え、分液洗浄した。溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、ヘプタン66mLに溶解し、アセトニトリル28mLで2回分液洗浄した。ヘプタン層を減圧下で濃縮し、得られた残渣を減圧下で乾燥し、H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)1.75gを得た。
ESIMS MNa+ 1164.8
なお、Fmoc−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)は下記の構造を示す。
【0157】
【化25】
【0158】
実施例(13−b)
H−Phe−Leu−NH
2の合成
【0159】
H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)209mg(0.18mmol)をジクロロメタン3.23mLに溶解し、トリフルオロエタノール0.37mL(5.10mmol)、トリフルオロ酢酸73μL(0.96mmol)を添加し、室温で1時間10分撹拌した。H−Phe−Leu−NH−(TIPS2−Xtn)の消失を確認後、反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を5℃に冷却したジイソプロピルエーテル18.8mLに滴下し、5℃、3000rpmで4分間遠心分離し、デカンテーションにより上精を除去することで沈殿物を得た。このジイソプロピルエーテルによるスラリー洗浄、遠心分離、デカンテーションをさらに3回行い、沈殿物を得た。沈澱物を減圧下で乾燥し、H−Phe−Leu−NH
2 49mgを得た。
ESIMS MH+ 278.0
【0160】
以上の結果から、本発明のキサンテン保護剤を用いて官能基を保護された化合物は、有機溶媒に対する溶解度が大幅に向上することがわかった。