(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記ジョイント部材は、上記液体容器から液体を取り込む取込開口部を有する筒状部と、該筒状部に摺動可能に設けられたシャッタ部と、該シャッタ部が該取込開口部を覆うように付勢する付勢部とを有することを特徴とする請求項1−4の何れか記載の給液装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した給液装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0015】
本発明を適用した給液装置1は、例えばウォータサーバ等であり、
図1に示すように、本体10と、本体10内に設けられ、ミネラルウォータ等の液体を貯留する液体容器体20が装着される装着機構30とを備えている。更に、
図2に示すように、液体容器体20は、容器21と容器21が収納される収納箱22とで構成され、容器21に注水口となる開封機構40が取り付けられている。更に、装着機構30は、
図3に示すように、液体容器体20の開封機構40に嵌入されて接続されるジョイント部材110と、液体容器体20をジョイント部材110に対して位置決めして保持する位置決め保持機構70とで構成されている。
【0016】
<本体>
本体10は、
図1に示すように、液体を冷却する冷却タンク(不図示)と液体を温める加熱タンク(不図示)とを内蔵している。冷却タンクは、例えば配管を介して装着機構30のジョイント部材110と連結されており、装着機構30に装着された液体容器体20から流入された液体を、本体10に内蔵された熱交換器等の冷却装置によって所定の温度となるように冷やす。加熱タンクは、例えば配管を介して装着機構30のジョイント部材110又は冷却タンクと連結されており、装着機構30に装着された液体容器体20又は冷却タンクから流入された液体を、本体10に内蔵されたヒーター等の加熱装置によって所定の温度となるように温める。
【0017】
また、本体10の前面10aには、冷却タンクで冷やされた液体を外部に供給する第一供給口(不図示)と、加熱タンクで温められた液体を外部に供給する第二供給口(不図示)とが設けられている。第一供給口は、例えば配管を介して冷却タンクと連結されており、使用者等によって操作されると、冷却タンクで冷やされた液体を外部に供給する。第二供給口は、例えば配管を介して加熱タンクと連結されており、使用者等によって操作されると、加熱タンクで加熱された液体を外部に供給する。なお、供給口は、冷やされた液体を供給する第一供給口と温められた液体を供給する第二供給口とに分かれているが、一つの供給口で冷やされた液体と温められた液体とを切り替えて供給する構造であっても良い。
【0018】
また、本体10の下部に形成された空間部11内には、本体10の縦幅方向(前面・後面方向)Xに摺動可能な摺動機構12が設けられており、この摺動機構12の摺動板12a上に、液体を貯留する液体容器体20が装着される装着機構30が設けられている。摺動機構12は、装着機構30に液体容器体20が取り付けられる又は装着機構30から液体容器体20が取り外される際、縦幅方向Xの一端側(外部側)に摺動させることで、装着機構30を本体10の空間部11から外部に引き出すことが出来る。その一方で、摺動機構12は、装着機構30に液体容器体20が取り付けられた後、縦幅方向Xの他端側(空間部11側)に摺動させることで、装着機構30を本体10の空間部11に収納することが出来る。
【0019】
従って、本体10は、下部に形成された空間部11に液体容器体20を収納することが出来るので、従来の給液装置のように本体の上部に容器装着部(容器収納部)が設けられているものよりも、液体容器体20を持ち上げる負担を軽減することが出来、容易に液体容器体20の取り付けを行うことが出来る。更に、本体10は、液体容器体20が装着される装着機構30を摺動機構12によって容易に空間部11から引き出すことが出来るので、単に本体の下部に容器収納部が設けられているものよりも、容易に液体容器体20の取り付けを行うことが出来る。
【0020】
<液体容器体>
液体容器体20は、
図2に示すように、液体を貯留する容器21と、容器21が収納される収納箱22とで構成されている。容器21は、ネック部24に注水口となる開封機構40が取り付けられている。更に、容器21は、例えば、段ボール等によって組み立てられた収納箱22の高さ方向Zの一端側の一端面22aに形成された貫通口23から開封機構40が外部に突出するように、収納箱22に収納されている。すなわち、液体容器体20は、所謂、BIB(バックインボックス)型の構造を有している。そして、液体容器体20は、容器21が収納箱22に収納されたままの状態で、開封機構40が突出されている収納箱22の一端面22aを挿入端として、装着機構30に挿入されて装着される。なお、収納箱22は、高さ方向Zの他端側の他端面22bに他端側に一対のフラップ部25,25を延在させて、フラップ部25に貫通口26を形成して、液体容器体20を装着機構30に取り付ける又は装着機構30から取り外す際に使用者によって把持される把持部を設けるようにしても良い。
【0021】
<容器>
容器21は、液体を貯留する容器であって、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料で成形された容量が可変の可撓性容器や、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂材料でブロー成形等によって成形された容量が可変でないハード容器が用いられる。このような容器21には、液体として、水、ミネラルウォータ等の他に、ジュース、コーヒー、紅茶、スープ等の液体の他、ゲル状乃至スラリー状の流動体や砂糖や塩等の差状流動体等を収容することが出来る。
【0022】
<開封機構>
更に、容器21には、
図4に示すように、ネック部24が設けられている。更に、ネック部24の先端には、注水口となる開封機構40が設けられている。この開封機構40は、ネック部24に取り付けられる容器コネクタ51と、容器コネクタ51内に配設される開封部材61とで構成されている。
【0023】
<容器コネクタ>
容器コネクタ51は、
図4及び
図5に示すように、有底筒状のコネクタ部52の基端部に、容器21の筒状のネック部24に固定するための取付部53が外側に張り出して形成されている。この取付部53は、コネクタ部52に一体に設けられ、コネクタ部52を覆うようにコネクタ部52の外周に設けられた筒状の第一筒状部53aと、第一筒状部53aの先端部に基端側に外折りに設けられた第二筒状部53bとで構成されている。第一筒状部53aの外径は、ネック部24の内径とほぼ同じ大きさに形成され、第二筒状部53bの内径は、ネック部24の外径とほぼ同じ大きさに形成されている。更に、第二筒状部53bの内周面には、ネック部24の外周面の先端部又は先端部近傍に形成されたネック側嵌合部24aと嵌合する取付部側嵌合部53cが形成されている。そして、容器コネクタ51は、容器コネクタ51の取付部53の第一筒状部53aと第二筒状部53bとの間の隙間に容器21のネック部24を差し込み、第一筒状部53aと第二筒状部53bとでネック部24を狭持した状態で、第二筒状部53bの取付部側嵌合部53cをネック部24のネック側嵌合部24aと嵌合させることで、容器21に固定される。
【0024】
また、有底筒状のコネクタ部52の底部は、開封部材61によって打ち抜かれる打抜部54となる。ここでは、打抜部54の周囲は、薄肉部54aが設けられており、開封部材61で打抜部54を打ち抜き易くなっている。更に、コネクタ部52の底部には、略中央部に容器21側に向けて凹状の凹部54bが設けられている。この凹部54bは、開封部材61がジョイント部材110によって押される際にジョイント部材110の先端部に形成された突破部115が収納される凹部65の逃げ部である。これにより、コネクタ部52の底部は、凹部65に干渉されることなく、開封部材61の刃部63と当接することが出来る。
【0025】
更に、コネクタ部52の内周面には、段差によって構成されたストッパ55が形成されている。このストッパ55は、開封部材61の突部66と係止されることで、開封部材61が容器21の打抜部54を打ち抜いた際に開封部材61が容器21の内部に抜脱しないように構成されている。
【0026】
更に、コネクタ部52の内周面には、内側に張り出すように係止部56が形成されている。この係止部56は、例えば、コネクタ部52の内周面のストッパ55よりも基端側に、コネクタ部52の内側にリング状に突設されて凸リング状に設けられている。そして、係止部56は、開封部材61の筒状部62の外周面に形成された封止部68と係止することで、開封部材61が先端側からコネクタ部52の外部に抜脱しないようにする。
【0027】
更に、容器コネクタ51の取付部53の第二筒状部53bの先端側の先端面には、保護フィルム57が貼着されている。この保護フィルム57は、例えばタンパーエビデンスフィルム等であり、コネクタ部52及び開封部材61を塵埃や雑菌等から保護し、衛生状態を維持する。このような保護フィルム57は、例えば液体容器体20がジョイント部材110に取り付けられる際に、ジョイント部材110の突破部115によって切り裂かれる。ここで突破部115は、保護フィルム57にある程度の集中した圧力を付与することが出来るようになっていれば良く、例えば、先鋭状であっても先丸状であっても良く、突破部115によって保護フィルム57がと破断されるように構成される。従って、保護フィルム57が剥がされていないことや切り裂かれていないことを確認することで、使用者は、容器21が密封された状態から手が加えられていないことを容易に把握することが出来る。なお、保護フィルム57は、突破部115によって切り裂かれた後に容器コネクタ51や開封部材61に干渉しないように、配向性を有する材料で形成され、切り裂かれると、配向方向に沿って内側に折り曲げられ、容器コネクタ51や開封部材61から退避するようにしても良い。更に、保護フィルム57は、張力が付加された状態で取り付けられ、切り裂かれると、第二筒状部53bの縁部側に逃げて、容器コネクタ51や開封部材61から退避するようにしても良い。勿論、保護フィルム57の破断部には、ハーフカット等による易断部を設けても良い。
【0028】
<開封部材>
開封部材61は、
図4及び
図6に示すように、容器コネクタ51と別部材であり、容器コネクタ51の打抜部54を打ち抜いたときに容器21の内部に挿入される筒状部62と、容器21の打抜部54を打ち抜く刃部63と、ジョイント部材110と連通する連通部64とを有している。
【0029】
筒状部62は、外径が容器コネクタ51のコネクタ部52のストッパ55よりも基端側の内周面の内径とほぼ同じ大きさとなるように形成されており、コネクタ部52の軸方向に摺動可能にコネクタ部52内に収納されている。更に、筒状部62の基端部は、閉塞され、平坦に形成されている。
【0030】
更に、筒状部62の基端面には、
図7に示すように、その縁部に沿うように、容器21側に向けて先鋭状をなす刃部63が少なくとも一個形成されている。例えば、刃部63は、筒状部62の基端面の一部の領域の縁部W以外に複数個形成されている。これにより、打抜部54は、刃部63が形成された領域に対応する領域では刃部63によって打ち抜かれるが、刃部63が形成されていない領域に対応する領域では打ち抜かれることがなく、この打ち抜かれなかった領域がコネクタ部52と打抜部54とを連結する連結部となり、この連結部によって打抜部54が容器21内を浮遊することを防止することが出来る。なお、刃部63は、筒状部62の基端面の全ての縁部に亘って複数個形成されるようにしても良い。
【0031】
このような刃部63は、開封部材61がジョイント部材110によって押されると、容器21側に移動し、容器コネクタ51の底部の打抜部54を打ち抜く。なお、容器コネクタ51には、薄肉部54aが形成され、打ち抜き易くなっているので、刃部63を設けなくても良い。
【0032】
また、
図4及び
図6に示すように、筒状部62の基端面には、略中心部に容器21側に向けて凹状の凹部65が設けられている。この凹部65は、開封部材61がジョイント部材110によって押される際に、ジョイント部材110の先端面に形成された突破部115が収納される逃げ部である。これにより、筒状部62の基端面は、ジョイント部材110の突破部115に干渉されることなく、ジョイント部材110の先端面と密接させることが出来る。なお、ジョイント部材110の突破部115を凹部65に収納することで、ジョイント部材110と開封部材61との位置決めを行うようにしても良い。
【0033】
また、筒状部62の外周面の先端部には、外側に張り出した突部66が連続又は断続的に形成されている。この突部66は、開封部材61がジョイント部材110によって押されてコネクタ部52内を容器21側に移動したときに、ストッパ55に係止されて、開封部材61の押し込み量を規制し、開封部材61が容器21内に抜脱しないようにする。なお、突部66の外径は、ジョイント部材110が開封部材61を押圧する押圧力を小さくする観点からコネクタ部52のストッパ55の内径より小さく設けるようにしても良く、コネクタ部52の内周面と開封部材61の外周面との隙間から液体漏れが発生しないように、コネクタ部52のストッパ55の内径とほぼ同じ大きさ又はやや大きく設けて、コネクタ部52のストッパ55の内周面に圧接するように設けても良い。
【0034】
また、筒状部62の外周面の基端側には、外側に張り出した封止部67,68が設けられている。封止部67は、例えば、外側にリング状に少なくとも一個突設された凸リング部や、ゴムパッキン及びOリング等の別体の封止部材等で構成されており、筒状部62の外周部の基端部又は基端部近傍に設けられている。封止部68は、封止部67と同様に、例えば、外側にリング状に少なくとも一個突設された凸リング部や、ゴムパッキン及びOリング等の別体の封止部材等で構成されており、筒状部62の外周部の封止部67よりも先端側でコネクタ部52の係止部56が当接する位置よりも基端側の中途部に設けられている。そして、封止部67,68は、コネクタ部52の係止部56よりも基端側の内周面に圧接される。これにより、封止部67,68は、コネクタ部52の内周面と開封部材61の外周面との隙間から液体漏れが発生しないようにしている。更に、開封部材61は、封止部67,68によってコネクタ部52の内周面に圧入保持されることで、コネクタ部52の内部で暴れ、刃部63が欠損することが防止される。
【0035】
また、筒状部62の側面部には、開口部69が複数個形成されており、内部には、容器21の内部とジョイント部材110とを連通する連通部64が形成されている。この開口部69は、筒状部62の側面部の全周に亘って等間隔に複数個形成されている。ここでは、開口部69は、筒状部62の側面部の全周に亘って等間隔に二個形成されている。なお、開口部69は、一個又は三個以上形成されるようにしても良く、非等間隔に形成されるようにしても良い。更に、開口部69は、筒状部62の軸方向において、封止部67,68間に配置されるように形成されている。そして、開口部69は、開封部材61が容器コネクタ51の底部の打抜部54を打ち抜いて容器21の内部に進入した際、容器21の内部の液体を取り込み、連通部64に導水し、ジョイント部材110に液体を供給する。
【0036】
以上のような開封機構40を組み立てるに当たっては、
図4に示すように、容器コネクタ51のコネクタ部52の先端側から開封部材61の刃部63を挿入端として、開封部材61の全体がコネクタ部52内に入るまで挿入される。この後、容器コネクタ51は、取付部53の第二筒状部53bの先端面に、保護フィルム57が貼着される。そして、開封部材61が挿入された容器コネクタ51は、容器21のネック部24に取付部53が嵌合されて、容器21に固定される。なお、組立手順は、この順に限定されるものではない。
【0037】
<装着機構>
装着機構30は、
図1に示すように、本体10の下部に形成された空間部11内に本体10の縦幅方向Xに摺動可能な摺動機構12の摺動板12a上に取り付けられている。そして、装着機構30は、液体容器体20が取り付けられる又は取り外される際、縦幅方向Xの一端側(外部側)に摺動されて、本体10の空間部11内から外部に引き出されて、液体容器体20が取り付けられる又は取り外される。その一方で、装着機構30は、液体容器体20が取り付けられた後に、縦幅方向Xの他端側(空間部11側)に摺動されて、本体10の空間部11内に収納される。
【0038】
具体的に、装着機構30は、
図3に示すように、液体容器体20の開封機構40に嵌入されて接続されるジョイント部材110と、液体容器体20をジョイント部材110に対して位置決めして保持する位置決め保持機構70とを有している。
【0039】
<位置決め保持機構>
位置決め保持機構70は、
図3に示すように、ジョイント部材110を保持するジョイント保持部材80と、ジョイント保持部材80に着脱可能に設けられ、液体容器体20を位置決めして保持する容器保持部材90とを有している。
【0040】
<ジョイント保持部材>
ジョイント保持部材80は、
図3に示すように、底面部80aと、底面部80aの全周に高さ方向Zの一端側に向けて突設された側壁部80bとを有し、上面が開口された平面視略矩形の箱状に形成されている。
【0041】
更に、ジョイント保持部材80の底面部80aには、高さ方向Zの一端側に向けて突設された突部81と、突部81の周辺に突部81よりも一段低い低部82とが設けられている。更に、この突部81には、ジョイント部材110が貫通された状態で保持されている。
【0042】
このようなジョイント保持部材80は、
図8に示すように、容器保持部材90が着脱可能に取り付けられているので、例えば液体容器体20がジョイント部材110から取り外された際に液体がジョイント保持部材80にこぼれても、容器保持部材90を取り外すことで、容易に液体を拭きとることが出来、従来よりも簡単に掃除をすることが出来る。更に、ジョイント保持部材80は、ジョイント保持部材80にこぼれた液体はジョイント部材110が取り付けられている突部81よりも一段低い低部82に溜るので、ジョイント部材110と突部81の間から漏水が発生することを防止することが出来る。更に、ジョイント保持部材80は、こぼれた液体が低部82に溜るので、容易に液体を拭きとることが出来、従来よりも簡単に掃除をすることが出来る。従って、当該給液装置1は、衛生状態を維持することが出来る。
【0043】
なお、ジョイント保持部材80は、突部81の上面にこぼれた液体が低部82により確実に流れるように、突部81の上面に、中央部から低部82に向けて次第に低くなるように、傾斜を設けるようにしても良い。更に、ジョイント保持部材80は、低部82にこぼれた液体が隅部にまとめて溜るように、低部82に、突部81側から側壁部80b側に向けて次第に低くなるように、傾斜を設けるようにしても良い。
【0044】
更に、
図3に示すように、ジョイント保持部材80の側壁部80bには、高さ方向Zの一端部に、フランジ部83が設けられている。このフランジ部83は、側壁部80bの高さ方向Zの一端部から外側に張り出すように設けられた第一壁部83aと、第一壁部83aの先端部から高さ方向Zの他端側に向けて設けられた第二壁部83bとで構成されている。第一壁部83aは、容器保持部材90がジョイント保持部材80に取り付けられる際に、容器保持部材90の底面部90aと当接され、容器保持部材90が載置される載置部となる。第二壁部83bは、容器保持部材90がジョイント保持部材80に取り付けられる際に、外周面が容器保持部材90の他端側側壁部90cの内周面と当接され、容器保持部材90をジョイント保持部材80に位置決めすると共に、容器保持部材90が高さ方向Zの他端側に摺動する際にガイドする。具体的には、第二壁部83bは、容器保持部材90の位置決め部91の貫通口92の軸線がジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線と略一致するように、容器保持部材90をジョイント保持部材80に位置決めする。すなわち、第二壁部83bは、容器保持部材90を位置決めする位置決め部として機能すると共に、容器保持部材90を摺動する際のガイド部として機能する。
【0045】
なお、フランジ部83は、第二壁部83bを設けずに、第一壁部83aだけで構成されるようにしても良い。第一壁部83aだけで構成される場合であっても、容器保持部材90がジョイント保持部材80に取り付けられる際に、第一壁部83aの端部83cが、容器保持部材90の他端側側壁部90cの内周面と当接されることで、容器保持部材90をジョイント保持部材80に位置決めすると共に、容器保持部材90が高さ方向Zの他端側に摺動する際にガイドすることが出来る。
【0046】
<容器保持部材>
容器保持部材90は、
図3に示すように、ジョイント保持部材80に着脱可能に設けられ、内部に液体容器体20を位置決めして保持する。
【0047】
具体的に、
図3に示すように、容器保持部材90は、ジョイント保持部材80と同様に、底面部90aと、底面部90aの全周に高さ方向Zの一端側に向けて突設された側壁部90bとを有し、上面が開口された平面視略矩形の箱状に形成されている。そして、容器保持部材90は、底面部90aと側壁部90bとから成る空間部に例えば液体容器体20の一部が収納される。
【0048】
更に、容器保持部材90の底面部90aには、高さ方向Zの他端側に向けて突設され、容器保持部材90内に液体容器体20が収納される際に、液体容器体20の開封機構40が収納される筒状の位置決め部91が設けられている。この位置決め部91は、高さ方向Zの一端及び他端の両端が開口されており、内部に貫通口92が形成されている。更に、位置決め部91は、容器保持部材90がジョイント保持部材80に取り付けられた際に、先端部がジョイント保持部材80の底面部80a(突部81)と当接するように設けられている。更に、位置決め部91は、内周面の大きさが、液体容器体20の開封機構40の外周面の大きさとほぼ同じとなるように設けられている。そして、位置決め部91は、容器保持部材90に液体容器体20が収納される際に、液体容器体20を位置決めする。具体的には、位置決め部91は、液体容器体20の開封機構40の軸線が位置決め部91の貫通口92の軸線と略一致するように、液体容器体20の開封機構40を位置決めする。更に、この位置決め部91には、液体容器体20の開封機構40が収納されるので、液体容器体20が容器保持部材90に収納された際に、収納箱22の一端面22aと容器保持部材90の底面部90aとを確実に当接させることが出来る。
【0049】
更に、容器保持部材90の側壁部90bは、例えば液体容器体20(収納箱22)と平面視でほぼ同じ大きさ又はやや大きくなるように形成されており、液体容器体20を容器保持部材90に大まかに位置決めすると共に、液体容器体20が高さ方向Zの他端側に摺動する際にガイドする。すなわち、側壁部90bは、液体容器体20を位置決めする位置決め部として機能すると共に、液体容器体20を摺動する際のガイド部として機能する。
【0050】
更に、容器保持部材90は、側壁部90bの内周面に、リブ(不図示)が少なくとも一個形成されている。このリブには、容器保持部材90内に保持された液体容器体20の収納箱22に噛み込む返し部が設けられている。更に、この返し部は、収納箱22に噛み込む係止力が容器保持部材90とジョイント保持部材80との間の嵌合力よりもやや小さくなるように、設けられている。従って、容器保持部材90内に保持された液体容器体20は、収納箱22と返し部との間の係止力以上で容器保持部材90とジョイント保持部材80との間の嵌合力以下の力で高さ方向Zの一端側に持ち上げることで、容器保持部材90をジョイント保持部材80から離脱させることなく、容器保持部材90から離脱させることが出来る。更に、容器保持部材90は、容器保持部材90とジョイント保持部材80との間の嵌合力以上の力で高さ方向Zの一端側に持ち上げられると、ジョイント保持部材80から離脱させることが出来る。
【0051】
更に、側壁部90bの高さ方向Zの一端部には、使用者が把持する把持部94が設けられている。この把持部94は、例えば、側壁部90bの高さ方向Zの一端部を外側に折り曲げた折曲部で構成さている。従って、容器保持部材90は、ジョイント保持部材80から離脱させてジョイント保持部材80に溜った液体等を拭きとり掃除する際に、使用者が把持部94を把持することで、容易に高さ方向Zの一端側に引き上げることが出来る。なお、把持部94は、折曲部で構成されることに限定されるものではなく、使用者が容器保持部材90を把持することが出来れば、従来公知の如何なる構成であっても良く、例えば、底面部90aや側壁部90bに形成された使用者の指等が挿入可能な貫通口で構成されるようにしても良い。
【0052】
更に、容器保持部材90は、底面部90aの全周に高さ方向Zの他端側に向けて突設された他端側側壁部90cを有している。他端側側壁部90cは、平面視した際、内周面の形状及び大きさがジョイント保持部材80のフランジ部83とほぼ同じ形状及び大きさになるように設けられている。そして、他端側側壁部90cは、容器保持部材90がジョイント保持部材80に取り付けられる際に、ジョイント保持部材80のフランジ部83の第二壁部83bの外周面が内周面に当接され、容器保持部材90がジョイント保持部材80に位置決めされると共に、容器保持部材90が高さ方向Zの他端側に摺動する際にガイドされる。
【0053】
<ジョイント部材>
ジョイント部材110は、
図4に示すように、内部に通水路111aが形成されると共に、側面部に通水路111aと連通する取込開口部111bが形成された筒状部111と、筒状部111の軸方向に摺動可能に設けられ、取込開口部111bを覆うと共に露出させるシャッタ部112と、液体容器体20が未装着時にシャッタ部112が取込開口部111bを覆うように付勢する付勢部113とを有している。
【0054】
筒状部111は、筒状に形成されており、内部に通水路111aが形成されている。更に、筒状部111は、
図3に示すように、装着機構30のジョイント保持部材80の底面部80aに立設されて設けられている。
【0055】
また、筒状部111の側面部の先端側には、
図4及び
図9に示すように、外側に張り出したフランジ部114が形成されている。このフランジ部114は、外径が開封部材61の筒状部62の内径とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。そして、フランジ部114は、ジョイント部材110が開封部材61の筒状部62内に差し込まれた際に、開封部材61の筒状部62の内周面に圧接される。更に、筒状部111の側面部の先端側には、フランジ部114よりも基端側に、取込開口部111bが複数個形成されている。例えば、取込開口部111bは、筒状部111の側面部に等間隔に二個形成されている。なお、取込開口部111bは、筒状部111の側面部に一個又は三個以上形成されるようにしても良く、非等間隔に形成されるようにしても良い。
【0056】
更に、筒状部111の先端面には、先端が先鋭な突破部115が形成されている。従って、液体容器体20をジョイント部材110に取り付ける際に、この突破部115によって保護フィルム57を切り裂くことが出来るので、容器コネクタ51から保護フィルム57を剥がす工程を省略することが出来る。
【0057】
シャッタ部112は、
図4及び
図9に示すように、筒状に形成されており、筒状部111の外周上に筒状部111の軸方向に摺動可能に設けられている。更に、シャッタ部112は、外径が開封部材61の筒状部62の内径とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。これにより、シャッタ部112は、開封部材61の筒状部62内に隙間無く圧入され、シャッタ部112と開封部材61の間から漏水が発生することを防止することが出来る。
【0058】
また、シャッタ部112の外周面の基端部には、外側に張り出した突部116が連続又は断続的に形成されている。突部116は、シャッタ部112が開封部材61の筒状部62内に挿入されると、開封部材61の筒状部62の基端面に係止される。そして、シャッタ部112は、液体容器体20がジョイント部材110の基端側に移動されると、付勢部113の付勢力に抗して基端側に移動されて、
図9(A)に示すように、筒状部111の取込開口部111bを露出させる。その一方で、シャッタ部112は、液体容器体20をジョイント部材110から取り外す等、液体容器体20がジョイント部材110の先端側に移動されると、付勢部113の付勢力によって先端側に移動されて、
図9(B)に示すように、筒状部111の取込開口部111bを覆う。
【0059】
また、
図4及び
図9に示すように、シャッタ部112の外周面の先端部には、外側に張り出すように封止部117が設けられている。この封止部117は、例えば、外側にリング状に少なくとも1個突設された凸リング部や、ゴムパッキン及びOリング等の別体の封止部材等で構成されており、シャッタ部112の外周面の先端部に設けられている。そして、封止部117は、シャッタ部112が開封部材61の筒状部62内に挿入されると、開封部材61の筒状部62の内周面に圧接される。これにより、封止部117は、開封部材61の筒状部62の内周面とシャッタ部112の外周面との隙間から液体漏れが発生しないようにしている。
【0060】
付勢部113は、
図3に示すように、例えば圧縮バネ又は永久磁石等で構成されており、筒状部111の外周上のジョイント保持部材80の底面部80aとシャッタ部112の基端面との間に配設されている。付勢部113は、液体容器体20がジョイント部材110に未装着の際やジョイント部材110から取り外される際に、シャッタ部112の先端面が筒状部111のフランジ部114の基端面と当接して、シャッタ部112が筒状部111の取込開口部111bを覆うように、シャッタ部112を先端部(フランジ部114)側に付勢する。
【0061】
<取付方法>
次に、以上のような構成を有する給液装置1において、液体容器体20を装着機構30に取り付ける取付方法について説明する。
【0062】
先ず、
図1に示すように、当該給液装置1は、本体10の摺動機構12が縦幅方向Xの一端側(外部側)に摺動されて、装着機構30が本体10の空間部11内から外部に引き出される。
【0063】
次いで、当該給液装置1は、
図1に示すように、液体容器体20が、容器21が収納箱22に収納されたままの状態で、収納箱22の開封機構40側の一端面22aを挿入端として、液体容器体20の開封機構40を容器保持部材90の位置決め部91に挿入しつつ、装着機構30の容器保持部材90内に挿入される。当該給液装置1は、
図10に示すように、液体容器体20の開封機構40が容器保持部材90の位置決め部91内に収納されて、
図14に示すように、液体容器体20の収納箱22の一端面22aと容器保持部材90の底面部90aとが当接するまで、液体容器体20が装着機構30の容器保持部材90内に挿入される。
【0064】
この際、当該給液装置1は、
図10に示すように、先ず、液体容器体20が容器保持部材90内に挿入されて、液体容器体20の開封機構40が容器保持部材90の位置決め部91内に収納されると、
図11に示すように、ジョイント部材110の突破部115によって、液体容器体20の保護フィルム57が切り裂かれる。従って、当該給液装置1は、液体容器体20の容器21から保護フィルム57を剥がす工程を省略することが出来る。なお、当該給液装置1は、液体容器体20を容器保持部材90内に挿入する前に、保護フィルム57を剥がしておくようにしても良い。
【0065】
次いで、当該給液装置1は、さらに液体容器体20が高さ方向Zの他端側に移動されると、
図12に示すように、ジョイント部材110のシャッタ部112が、シャッタ部112の突部116と開封部材61の筒状部62の基端面とが係止されるまで、開封部材61内に差し込まれる。この際、ジョイント部材110は、シャッタ部112が開封部材61内に隙間無く圧入され、ジョイント部材110と開封部材61の間から漏水が発生することを防止することが出来る。
【0066】
次いで、当該給液装置1は、さらに液体容器体20が高さ方向Zの他端側に移動されると、
図13に示すように、シャッタ部112が付勢部113の付勢力に抗して基端側に移動され、開封部材61内で筒状部111の取込開口部111bが露出される。
【0067】
次いで、
図14に示すように、当該給液装置1は、さらに液体容器体20が高さ方向Zの他端側に移動されて、液体容器体20の収納箱22の一端面22aと容器保持部材90の底面部90aとが当接されると、
図15に示すように、容器コネクタ51が高さ方向Zの他端側に移動されるのに伴って、ジョイント部材110の開封部材61の刃部63が容器コネクタ51の底部の打抜部54を打ち抜く。そして、当該給液装置1は、ジョイント部材110の筒状部111の取込開口部111bがコネクタ部52から露出される。これにより、液体容器体20の容器21の内部と開封部材61の開口部69とジョイント部材110の筒状部111の取込開口部111bと通水路111aとが連通する。これにより、容器21の液体は、容器コネクタ51及びジョイント部材110を介して給液装置1に供給される。
【0068】
以上のようにして、当該給液装置1は、液体容器体20を装着機構30に取り付けることが出来る。
【0069】
<取外方法>
次に、以上のような構成を有する給液装置1において、液体容器体20を装着機構30から取り外す取外方法について説明する。
【0070】
先ず、
図16に示すように、当該給液装置1は、液体容器体20が使用者によって液体容器体20が装着機構30に装着された状態から高さ方向Zの一端側に持ち上げられると、
図17に示すように、開封機構40のコネクタ部52が高さ方向Zの一端側に移動されて、開封機構40の開封部材61がコネクタ部52内に収納される。
【0071】
次いで、当該給液装置1は、さらに液体容器体20が高さ方向Zの一端側に移動されると、
図18に示すように、シャッタ部112が付勢部113の付勢力によって高さ方向Zの一端側に移動されて、シャッタ部112によって開封部材61内で筒状部111の取込開口部111bが覆われる。
【0072】
次いで、当該給液装置1は、さらに液体容器体20が高さ方向Zの一端側に移動されると、
図19に示すように、シャッタ部112が開封部材61内から取り出され、シャッタ部112の突部116と開封部材61の筒状部62の基端面との係止状態が解除され、開封機構40がジョイント部材110から離脱する。
【0073】
次いで、
図20に示すように、当該給液装置1は、さらに液体容器体20が高さ方向Zの一端側に持ち上げられると、液体容器体20が容器保持部材90内から取り出され、液体容器体20が装着機構30から離脱する。
【0074】
以上のようにして、当該給液装置1は、液体容器体20を装着機構30から取り外すことが出来る。
【0075】
<作用効果>
以上のように、本発明を適用した給液装置1は、容器コネクタ51のコネクタ部52内に収納された開封部材61がジョイント部材110の挿入ガイド部として機能することから、ジョイント部材110が漏水を防止することが出来る。すなわち、給液装置1は、液体が満杯に入った重い容器21を有する液体容器体20を、容易に正しく装着機構30に装着することが出来る。
【0076】
また、給液装置1は、容器保持部材90がジョイント保持部材80に着脱可能に設けられているので、
図8に示すように、容器保持部材90をジョイント保持部材80から取り外すことが出来るので、容器保持部材90に液体容器体20の開封機構40を収納する筒状の位置決め部91が設けられていても、容器保持部材90の位置決め部91内、ジョイント部材110及びジョイント保持部材80に付着した液体や塵埃や雑菌等を容易に拭きとることが出来、簡単に掃除することが出来る。従って、当該給液装置1は、従来よりも容易に衛生状態を維持することが出来る。
【0077】
更に、給液装置1は、ジョイント保持部材80の底面部80aに、ジョイント部材110が取り付けられた突部81の周辺に突部81よりも一段低い低部82が設けられており、液体容器体20がジョイント部材110から取り外された際に、こぼれた液体がこの低部82に溜るので、ジョイント部材110と突部81との間から漏水が発生することを防止することが出来る。更に、給液装置1は、こぼれた液体が低部82にまとめて溜るので、従来の給液装置よりも、容易に液体を拭きとることが出来、従来よりも簡単に掃除をすることが出来る。従って、当該給液装置1は、従来よりも容易に衛生状態を維持することが出来る。
【0078】
また、給液装置1は、ジョイント保持部材80の側壁部80bのフランジ部83の外周面と容器保持部材90の他端側側壁部90cの内周面とが当接することによって、ジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線と容器保持部材90の位置決め部91の貫通口92の軸線とが略一致するように位置決めされている。更に、給液装置1は、液体容器体20が、容器21が収納箱22に収納されたままの状態で、収納箱22の開封機構40側の一端面22aを挿入端として、液体容器体20の開封機構40を容器保持部材90の位置決め部91に挿入しつつ、装着機構30の容器保持部材90内に挿入されると、容器保持部材90の位置決め部91によって、液体容器体20の開封機構40の軸線と容器保持部材90の位置決め部91の貫通口92の軸線とが略一致するように位置決めされる。すなわち、給液装置1は、液体容器体20の開封機構40が容器保持部材90の位置決め部91内に収納されると、液体容器体20の開封機構40の軸線とジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線とが略一致するように位置決めされる。従って、給液装置1は、液体容器体20を、容器21が収納箱22に収納されたままの状態で、収納箱22の開封機構40側の一端面22aを挿入端として、液体容器体20の開封機構40を容器保持部材90の位置決め部91に挿入しつつ、装着機構30の容器保持部材90内に挿入するといった簡単な動作を行うことで、液体容器体20の開封機構40の軸線とジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線とが略一致するように配置することが出来、液体容器体20を容易に正しく装着機構30に装着することが出来る。
【0079】
更に、給液装置1は、液体容器体20が容器保持部材90内に挿入され、液体容器体20の開封機構40が容器保持部材90の位置決め部91内に収納されると、液体容器体20の開封機構40の軸線と容器保持部材90の位置決め部91の貫通口92の軸線とが略一致するように位置決めされるので、例えば液体容器体20の収納箱22が輸送時や保管時に潰れる等の変形等しても、液体容器体20の開封機構40の軸線と容器保持部材90の位置決め部91の貫通口92の軸線とが略一致するように位置決めすることが出来、液体容器体20を容易に正しく装着機構30に装着することが出来る。
【0080】
また、給液装置1は、液体容器体20の未装着時において、ジョイント部材110の筒状部111の取込開口部111bがシャッタ部112によって覆われている。更に、ジョイント部材110は、液体容器体20が取り付けられる際、シャッタ部112が開封部材61内に差し込まれた後に、開封部材61内で筒状部111の取込開口部111bを露出させる動作が行われる。更に、ジョイント部材110は、液体容器体20が取り外される際、シャッタ部112が開封部材61内に差し込まれた状態で、開封部材61内で筒状部111の取込開口部111bを覆う動作が行われる。従って、ジョイント部材110は、液体容器体20の未装着時、取り付け時、取り外し時の何れの際にも、筒状部111の取込開口部111bが外部と遮断されており、筒状部111の取込開口部111bに塵埃や雑菌等が付着することを防止することが出来る。よって、給液装置1は、筒状部111の取込開口部111bから塵埃や雑菌等が給液装置1の内部に侵入することを防止することが出来、衛生状態を維持することが出来る。
【0081】
更に、給液装置1は、上述したように、液体容器体20の未装着時において、シャッタ部112がジョイント部材110の筒状部111の取込開口部111bを覆っているので、筒状部111の取込開口部111b(フランジ部114の基端面及びシャッタ部112の先端面)に塵埃や雑菌等が付着することを防止することは出来るが、フランジ部114の先端面及びシャッタ部112の外周面には塵埃や雑菌等が付着する虞がある。
【0082】
しかしながら、給液装置1は、
図15に示すように、液体容器体20の容器21の液体が給液装置1に供給される際、ジョイント部材110のフランジ部114は開封部材61の筒状部62の内周面に圧接されているので、開封部材61の筒状部62内のフランジ部114よりも基端側の空間部は密閉されている。すなわち、給液装置1は、ジョイント部材110のフランジ部114の先端面が容器21の液体と接触することを防止している。従って、給液装置1は、ジョイント部材110のフランジ部114の先端面側に塵埃や雑菌等が付着していても、フランジ部114の先端面に付着された塵埃や雑菌等が筒状部111の取込開口部111bから給液装置1の内部に侵入することを防止することが出来、衛生状態を維持することが出来る。
【0083】
更に、給液装置1は、シャッタ部112の封止部117が開封部材61の筒状部62の内周面に圧接されているので、封止部117によって、シャッタ部112の外周面が容器21の液体と接触することを防止している。従って、給液装置1は、シャッタ部112の外周面に塵埃や雑菌等が付着していても、シャッタ部112の外周面に付着された塵埃や雑菌等が筒状部111の取込開口部111bから給液装置1の内部に侵入することを防止することが出来、衛生状態を維持することが出来る。
【0084】
<第一変形例>
なお、給液装置1は、ジョイント保持部材80のフランジ部83の第二壁部83bの外周面が容器保持部材90の他端側側壁部90cの内周面に当接され、容器保持部材90内にジョイント保持部材80が嵌合されることに限定されるものではなく、
図21に示すように、容器保持部材90の側壁部90bの外周面がジョイント保持部材80の側壁部80bの内周面に当接され、ジョイント保持部材80内に容器保持部材90が嵌合されるようにしても良い。
【0085】
具体的には、
図21に示すように、容器保持部材90は、他端側側壁部90cを設けることなく、位置決め部91が形成された底面部90aと、底面部90aの全周に高さ方向Zの一端側に向けて突設された側壁部90bとを有している。更に、底面部90aには、容器保持部材90をジョイント保持部材80内に嵌合する際又はジョイント保持部材80から取り出す際に使用者によって把持される把持部となる貫通口95が形成されている。この把持部となる貫通口95は、
図22に示すように、例えば、底面部90aに、位置決め部91の貫通口92の軸線を中心に等間隔に複数個形成されている。ここでは、貫通口95は、底面部90aに、位置決め部91の貫通口92の軸線を中心に等間隔に4個形成されている。なお、貫通口95の数及び配置位置は、これに限定されるものでなく、使用者が把持することが出来れば、適宜変更可能である。
【0086】
更に、
図21に示すように、ジョイント保持部材80は、側壁部80bに、段差によって構成されたストッパ84が形成されている。このストッパ84は、容器保持部材90の底面部90aと係止されることで、容器保持部材90の高さ方向Zの他端側の動きを規制する。具体的に、側壁部80bは、底面部80aに高さ方向Zの一端側に向けて設けられた第一壁部80b
1と、第一壁部80b
1の高さ方向Zの一端に外側に張り出すように設けられた第二壁部80b
2と、第二壁部80b
2の先端に高さ方向の一端側に向けて設けられた第三壁部80b
3とで構成されている。第二壁部80b
2は、容器保持部材90の底面部90aと係止されるストッパ84となる。第三壁部80b
3は、例えば容器保持部材90と平面視でほぼ同じ大きさとなるように形成されており、容器保持部材90をジョイント保持部材80に位置決めすると共に、容器保持部材90が高さ方向の他端側に摺動する際にガイドする。具体的には、第三壁部80b
3は、容器保持部材90の位置決め部91の貫通口92の軸線がジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線と略一致するように、容器保持部材90をジョイント保持部材80に位置決めする。すなわち、第三壁部80b
3は、容器保持部材90を位置決めする位置決め部として機能すると共に、容器保持部材90を摺動する際のガイド部として機能する。
【0087】
このようなジョイント保持部材80内に容器保持部材90が嵌合された給液装置1であっても、上述した容器保持部材90内にジョイント保持部材80が嵌合された給液装置1と同様に、容器保持部材90がジョイント保持部材80に着脱可能に設けられているので、容器保持部材90をジョイント保持部材80から取り外すことで、容器保持部材90に液体容器体20の開封機構40を収納する筒状の位置決め部91が設けられていても、容器保持部材90の位置決め部91内、ジョイント部材110及びジョイント保持部材80に付着した液体や塵埃や雑菌等を容易に拭きとることが出来、簡単に掃除することが出来る。従って、当該給液装置1は、従来よりも容易に衛生状態を維持することが出来る。
【0088】
更に、給液装置1は、ジョイント保持部材80内に容器保持部材90が嵌合されていても、上述した容器保持部材90内にジョイント保持部材80が嵌合された場合と同様に、ジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線と容器保持部材90の位置決め部91の貫通口92の軸線とが略一致するように位置決めされる。更に、給液装置1は、液体容器体20が、容器21が収納箱22に収納されたままの状態で、収納箱22の開封機構40側の一端面22aを挿入端として、液体容器体20の開封機構40を容器保持部材90の位置決め部91に挿入しつつ、装着機構30の容器保持部材90内に挿入されると、容器保持部材90の位置決め部91によって、液体容器体20の開封機構40の軸線と容器保持部材90の位置決め部91の貫通口92の軸線とが略一致するように位置決めされる。すなわち、給液装置1は、液体容器体20の開封機構40が容器保持部材90の位置決め部91内に収納されると、液体容器体20の開封機構40の軸線とジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線とが略一致するように位置決めされる。従って、給液装置1は、ジョイント保持部材80内に容器保持部材90が嵌合されていても、液体容器体20を、容器21が収納箱22に収納されたままの状態で、収納箱22の開封機構40側の一端面22aを挿入端として、液体容器体20の開封機構40を容器保持部材90の位置決め部91に挿入しつつ、装着機構30の容器保持部材90内に挿入するといった簡単な動作を行うことで、液体容器体20の開封機構40の軸線とジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線とが略一致するように配置することが出来、液体容器体20を容易に正しく装着機構30に装着することが出来る。
【0089】
<第一変形例の変形例>
更に、
図23に示すように、容器保持部材90は、ジョイント保持部材80内に容器保持部材90が嵌合される場合、側壁部90bを設けることなく、位置決め部91が形成された底面部90aだけで構成されるようにしても良い。この際、給液装置1は、容器保持部材90の底面部90aの端部90dがジョイント保持部材80の側壁部80bの内周面に当接されて、ジョイント保持部材80内に容器保持部材90が嵌合される。従って、給液装置1は、容器保持部材90が位置決め部91が形成された底面部90aだけで構成されるようなものであっても、容器保持部材90に側壁部90bを有する給液装置1と同様に、液体容器体20を、容器21が収納箱22に収納されたままの状態で、収納箱22の開封機構40側の一端面22aを挿入端として、液体容器体20の開封機構40を容器保持部材90の位置決め部91に挿入しつつ、装着機構30の容器保持部材90内に挿入するといった簡単な動作を行うことで、液体容器体20の開封機構40の軸線とジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線とが略一致するように配置することが出来、液体容器体20を、容易に正しく装着機構30に装着することが出来る。
【0090】
<第二変形例>
また、給液装置1は、ジョイント部材110が、取込開口部111bが形成された筒状部111とシャッタ部112と付勢部113とで構成されることに限定されるものではなく、
図23に示すように、取込開口部121aが形成された筒状部121だけで構成される従来公知のジョイント部材120を用いるようにしても良い。
【0091】
更に、給液装置1は、ジョイント部材110が取込開口部121aが形成された筒状部121だけで構成されることに加え、容器保持部材90の位置決め部91に、ジョイント部材110が挿通される貫通口96が形成された筒部底面部97を設けて、容器保持部材90の位置決め部91を有底筒状に設けるようにしても良い。
【0092】
更に、筒部底面部97は、高さ方向Zの一端側に突設された突部98を有するようにしても良い。このような給液装置1は、容器保持部材90の筒部底面部97に、突部98の周辺に突部98よりも一段低い低部99が設けられ、こぼれた液体がこの低部99に溜るので、ジョイント部材110と突部98との間から漏水が発生することを防止することが出来る。更に、給液装置1は、こぼれた液体が低部99にまとめて溜るので、従来の給液装置よりも、容易に液体を拭きとることが出来、従来よりも簡単に掃除をすることが出来る。従って、給液装置1は、従来よりも容易に衛生状態を維持することが出来る。
【0093】
なお、取込開口部121aが形成された筒状部121だけで構成される従来公知のジョイント部材120は、
図21及び
図22に示すようなジョイント保持部材80内に容器保持部材90が嵌合された給液装置1以外に、
図3に示すような容器保持部材90内にジョイント保持部材80が嵌合された給液装置1において用いるようにしても良い。
【0094】
<第三変形例>
更に、給液装置1は、液体容器体20が、容器21と、容器21が収納される収納箱22とで構成されることに限定されるものではなく、容器21のみで構成されるようにしても良い。給液装置1は、このような収納箱22が無い容器21のみの液体容器体20であっても、液体容器体20が容器保持部材90内に挿入され、液体容器体20の開封機構40が容器保持部材90の位置決め部91内に収納されることで、容器保持部材90の位置決め部91によって、液体容器体20の開封機構40の軸線とジョイント保持部材80のジョイント部材110の軸線とが略一致するように位置決めすることが出来るので、容易に正しく装着機構30に装着することが出来る。
【0095】
<第四変形例>
更に、液体容器体20は、平面視略矩形状に設けることに限定されるものではなく、例えば、平面視略円形状や多角形状に設けるようにしても良い。更に、ジョイント保持部材80及び容器保持部材90は液体容器体20の形状に対応するように設けられることが好ましいので、給液装置1は、液体容器体20が平面視略円形状や多角形状に設けられた場合、
図24に示すように、ジョイント保持部材80及び容器保持部材90を液体容器体20の形状に対応するように、平面視略円形状や多角形状に設けるようにしても良い。
【0096】
<第五変形例>
更に、ジョイント部材110は、シャッタ部112に封止部117を設けることなく、シャッタ部112の外周面が開封部材61の筒状部62の内周面に圧接されるように設けても良い。このような場合であっても、ジョイント部材110は、開封部材61の筒状部62の内周面とシャッタ部112の外周面との隙間から液体漏れが発生しないようにすることが出来る。更に、容器21の液体が給液装置1に供給される際には、シャッタ部112の外周面は開封部材61の筒状部62の内周面に圧接されているので、シャッタ部112は先端面以外が容器21の液体と接触することがなく、シャッタ部112の外周面が容器21の液体と接触することはない。従って、ジョイント部材110は、シャッタ部112の外周面に塵埃や雑菌等が付着していても、シャッタ部112の外周面に付着された塵埃や雑菌等が筒状部111の取込開口部111bから給液装置1内に侵入することを防止することが出来、衛生状態を維持することが出来る。