特許第6283846号(P6283846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6283846ゲームシステム、並びにそのライバル設定制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283846
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】ゲームシステム、並びにそのライバル設定制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20180215BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20180215BHJP
【FI】
   A63F13/795
   A63F13/798
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-73006(P2013-73006)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-195586(P2014-195586A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2014年9月18日
【審判番号】不服2016-14473(P2016-14473/J1)
【審判請求日】2016年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 央旨
(72)【発明者】
【氏名】馬原 亮
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛志
(72)【発明者】
【氏名】石澤 あゆみ
【合議体】
【審判長】 黒瀬 雅一
【審判官】 森次 顕
【審判官】 藤本 義仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−165562(JP,A)
【文献】 特開2001−321570(JP,A)
【文献】 特開2003−93745(JP,A)
【文献】 特開2006−116046(JP,A)
【文献】 特開2007−181549(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/111225(WO,A1)
【文献】 KONAMI OFFICIAL BOOKS 実況パワフルプロ野球ポータブル4 公式ガイド,日本,株式会社コナミデジタルエンタテインメント,2009年11月19日,初版,p.034
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段と、前記ユーザ間にライバルの関係を設定するライバル設定手段と、を備え、設定された前記ライバルの関係が前記ゲームの制御における前記ユーザに対する特典の付与に反映され、あるいは前記ライバル関係の通知に反映されるゲームシステムであって、
各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する対戦履歴記録手段をさらに具備し、
前記ライバル設定手段は、前記対戦履歴情報を参照して、マッチングされる相手として選択される可能性の高低に相関する指標値としての対戦頻度を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して求め得られた指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、当該ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対して前記ライバルの関係を設定するゲームシステム。
【請求項2】
前記ライバル設定手段は、前記マッチング手段にてマッチングされたユーザ間で前記ライバルの関係を設定する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ライバル設定手段は、前記基準値を超えるユーザのうち、勝ち数と負け数との比率、又は勝つ頻度と負ける頻度との比率が50%を挟んで所定範囲内であるユーザをライバルとして設定する請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ライバル設定手段は、前記ライバルとしてのユーザの人数が所定の範囲内に収まるように前記基準値を制御する請求項1〜のいずれか一項に記載のゲームスシステム。
【請求項5】
ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段を備え、前記ユーザ間に設定されたライバルの関係が前記ゲームの制御における前記ユーザに対する特典の付与に反映され、あるいは前記ライバル関係の通知に反映されるゲームシステムに適用され、前記ユーザ間に前記ライバルの関係を設定するためのライバル設定制御方法であって、
各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する手順と、
前記対戦履歴情報を参照して、マッチングされる相手として選択される可能性の高低に相関する指標値としての対戦頻度を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して求め得られた指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、当該ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対して前記ライバルの関係を設定する手順と、を備えたゲームシステムのライバル設定制御方法。
【請求項6】
ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段を備え、前記ユーザ間に設定されたライバルの関係が前記ゲームの制御における前記ユーザに対する特典の付与に反映され、あるいは前記ライバル関係の通知に反映されるゲームシステムに適用され、該ゲームシステムに含まれた少なくとも一のコンピュータを、
前記ユーザ間に前記ライバルの関係を設定するライバル設定手段、及び
各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する対戦履歴記録手段として機能させ、さらに、
前記ライバル設定手段は、前記対戦履歴情報を参照して、マッチングされる相手として選択される可能性の高低に相関する指標値としての対戦頻度を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して求め得られた指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、当該ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対して前記ライバルの関係を設定するように構成されたゲームシステムのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間にライバルの関係を設定することが可能なゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザをマッチングして対戦させる機能を備えたゲームシステムが周知である。また、ゲームのプレイに対するユーザのモチベーションを維持、向上させるため、ユーザ間にライバルの関係を設定し、ゲームのスコア等をライバル同士で競い合わせるゲームシステムも知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−116046号公報
【特許文献2】特開2007−181549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームシステムにおいて、ライバルの関係を設定する手法としては、ユーザが自ら設定する手法、あるいはゲームのスキル等が近いユーザ同士をシステムが自動的に抽出して設定する手法等が採用されている。しかし、それらの手法では、ユーザ同士をマッチングさせる条件との関連性が考慮されていない。加えて、ライバルの関係が一旦設定されると、その関係が固定的に維持され、かつライバルの人数も限られている。したがって、ゲームへの参加を希望するユーザ数が増加するほど、各ユーザがライバルのユーザとマッチングされる機会が減少し、ライバルとの対戦を十分に楽しむことができないおそれが生じる。
【0005】
そこで、本発明はライバルとの対戦機会を増加させることが可能なゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステム(1)は、ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段(25)と、前記ユーザ間にライバルの関係を設定するライバル設定手段(25;32)とを備えたゲームシステムであって、各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する対戦履歴記録手段(33、S5)をさらに具備し、前記ライバル設定手段は、前記対戦履歴情報を参照して前記ライバルの関係を設定するものである(図4のS11〜S20参照)。
【0007】
また、本発明のライバル設定制御手段は、ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段(25)を備えたゲームシステム(1)に適用され、前記ユーザ間にライバルの関係を設定するためのライバル設定制御方法であって、各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する手順(S5)と、前記対戦履歴情報を参照して前記ライバルの関係を設定する手順(S11〜S20)と、を備えたものである。
【0008】
さらに、本発明のコンピュータプログラム(PG1;PG2)は、ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段(25)を備えたゲームシステム(1)に適用され、該ゲームシステムに含まれた少なくとも一のコンピュータ(2;3)を、前記ユーザ間にライバルの関係を設定するライバル設定手段(25;33)、及び各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する対戦履歴記録手段(33、S5)として機能させ、さらに、前記対戦履歴情報を参照して前記ライバルの関係を設定するように前記ライバル設定手段を機能させるように構成されたものである(図4のS11〜S20参照)。
【0009】
本発明によれば、ユーザがゲームにて対戦する毎にその内容が対戦履歴情報に記録される。対戦履歴情報には、ユーザが過去に対戦で対戦した相手のユーザ、つまりマッチングされた相手のユーザを判別するための情報が蓄積されている。したがって、対戦履歴情報を参照すれば、ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別して、そのユーザをライバルとして設定すれば、ライバルとの対戦機会を増加させることができる。
【0010】
本発明において、前記ライバル設定手段は、前記マッチング手段にてマッチングされたユーザ間で前記ライバルの関係を設定するものとしてもよい。これによれば、マッチングされた相手のユーザからライバルが設定されるので、そのマッチングされた相手との対戦にて、ユーザがライバルとゲーム上で競い合うことができる。これにより、ライバルとの対戦機会を確実に増加させることができる。
【0011】
本発明において、前記ライバル設定手段は、前記対戦履歴情報を参照して、ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対して前記ライバルの関係を設定するものとしてもよい。これによれば、マッチングされる可能性が相対的に高いユーザをライバルとして確実に設定することができる。
【0012】
本発明において、前記ライバル設定手段は、前記対戦履歴情報を参照して、前記マッチング相手として選択される可能性の高低に相関する指標値を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して判別し、判別された指標値を基準値と比較して該基準値を超えるユーザをライバルとして設定するものとしてもよい。この場合において、前記指標値として、前記対戦相手との対戦回数又は対戦頻度の少なくともいずれか一方が判別されてもよいし、前記対戦相手に負けた回数又は負ける頻度の少なくともいずれか一方が判別されてもよい。つまり、対戦履歴情報を参照すれば、ユーザが他のユーザと対戦した回数や頻度、あるいは他のユーザと対戦して負けた回数や負ける頻度を判別することができる。それらの値が大きいほど、マッチング相手として選択される可能性が高いと想定されるため、それらの指標値を利用してユーザが対戦する可能性が相対的に高いユーザをライバルとして設定することができる。これにより、頻繁に対戦する相手に勝ちたい、という意欲をユーザに生じさせ、ゲームをプレイするモチベーションの維持、向上を図ることができる。特に、負けた回数や負ける頻度を指標値として判別すれば、容易に勝てないライバルに勝ちたい、という意欲をユーザに生じさせ、より強いモチベーションを与えることができる。また、対戦回数又は対戦頻度を指標値として判別する場合、前記ライバル設定手段は、前記基準値を超えるユーザのうち、勝ち数と負け数との比率、又は勝つ頻度と負ける頻度との比率が50%を挟んで所定範囲内であるユーザをライバルとして設定してもよい。これによれば、マッチングされる可能性が相対的に高く、かつ勝ち負けが同程度で発生する他のユーザをライバルとして設定することができる。そのようなユーザは特にライバルとして相応しく、ユーザの対戦意欲を刺激する相手として好適である。なお、この場合の所定範囲は、ゲームシステムの運営状況等に応じて適宜に設定されてよい。
【0013】
さらに、前記ライバル設定手段は、前記ライバルとしてのユーザの人数が所定の範囲内に収まるように前記基準値を制御するものとしてもよい。これによれば、ライバルとして過度な人数のユーザが設定されるおそれを排除することができる。
【0014】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
以上に説明したように、本発明によれば、ユーザがゲームにて対戦する毎にその内容が対戦履歴情報に記録され、その対戦履歴情報を参照してライバルの関係を設定するようにしたので、ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別して、そのユーザをライバルとして設定し、それによりライバルとの対戦機会を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図。
図2】ライバルの関係を設定する仕組みを示す概念図。
図3図1のゲームシステムの要部における機能ブロック図。
図4】ライバルを設定するために実行されるライバル設定処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムを説明する。まず、図1を参照して、ゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としてのゲーム機3及びユーザ端末装置4とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0018】
ゲーム機3は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。なお、店舗6には一以上の適宜数のゲーム機3が設置される。図1では、ゲーム機3を区別せずに描いているが、そのハードウエア構成やゲームの内容は適宜に選択されてよい。ゲーム機3は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームに対応可能な汎用機として構成されてもよい。
【0019】
一方、ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
【0020】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0021】
次に、図2を参照して、ゲームシステム1におけるゲームの特徴を説明する。まず、ゲームシステム1の各ゲーム機3では、複数のユーザが参加して対戦するネットワーク対戦型のゲームをプレイすることが可能とされている。図2では、ユーザXが対戦ゲームを複数回に亘ってプレイする場合が例として示されている。毎回の対戦ゲームは、図中に示したステップS1〜S5の手順に従って進められる。N回目の対戦ゲームを例にして説明すれば、まずユーザXを他のユーザとマッチングさせる処理が行われる(ステップS1)。例えば、N回目の対戦ゲームでユーザXがユーザA、B、C…Oとマッチングされ、ユーザXを加えた16人のユーザが同一の対戦ゲームをプレイするものとする。マッチングが成立すると、次いで、マッチングされたユーザA〜Oの中から、ユーザXに対してライバルのユーザが設定される(ステップS2)。ライバルは、ユーザXのプレイデータ51に保存されている対戦履歴情報52を参照して選ばれる。プレイデータ51は、ユーザがゲームを続きからプレイするためにゲームのプレイ内容を保存したデータである。対戦履歴情報52は、ユーザによる過去の対戦ゲームの内容を対戦毎に記録し、蓄積した情報である。例えば、対戦相手のユーザ、言い換えればマッチングされたユーザ、対戦日時、対戦時間、対戦結果(勝ち負け、順位等)といった、対戦の詳細を判別するための情報が対戦毎に対戦履歴情報52に記録し、蓄積される。対戦履歴情報52には、過去の対戦の内容が無制限に記録されてもよいし、過去の一定期間の対戦に限ってそれらの内容が記録されてもよい。
【0022】
ライバルの設定では、対戦履歴情報52を参照して、マッチングされたユーザA〜Oのそれぞれに対する対戦回数が指標値として判別される。そして、対戦回数が所定の基準回数を超えているユーザがライバルとして設定される。図2の例では、ユーザCとの対戦回数が基準回数を超えているために、ユーザCがユーザXのライバルとして設定される。ただし、ライバルは一人のユーザに限定されず、複数のユーザが一回の対戦ゲームでライバルとして設定されてもよい。また、基準回数を超えるユーザの人数が上限値を超えるときは基準回数を増加させてライバルの人数を上限値内に収めるようにしてもよい。反対に、基準回数を超えるユーザが存在しない場合には、基準回数を減少させることにより、少なくとも一人のユーザがライバルとして設定されるようにしてもよい。
【0023】
ライバルが設定されると、対戦ゲームが実行される(ステップS3)。対戦ゲームが終了すると、そのゲーム結果に従ってユーザのプレイデータ51に記録されたユーザのレベルやユーザのアイテム、キャラクタ等のパラメータ群を更新する、といったゲーム結果に対応した処理が行われる(ステップS4)。この場合、ユーザがライバルのユーザに勝利したときは、そのユーザにボーナスや報酬等が付与されてもよい。その後、今回の対戦ゲームの内容が対戦履歴情報52に記録される。
【0024】
以上のように、ゲームシステム1では、ユーザが対戦ゲームをプレイする毎にその内容が対戦履歴情報52に記録され、かつその対戦履歴情報52から判別された対戦回数が所定の基準回数以上のユーザがライバルとして設定される。対戦回数が多いユーザは、要するにマッチングされる確率が相対的に高いユーザである。したがって、過去の対戦回数が相対的に多いユーザをライバルとして設定すれば、結果として、ライバルのユーザとの対戦機会が増加する。それにより、頻繁に対戦するライバルに勝ちたい、という意欲をユーザに生じさせ、ゲームのプレイに対するユーザのモチベーションの維持、向上を図ることができる。
【0025】
なお、ライバルを設定するために対戦履歴情報52から特定すべき指標値は、上記の例における対戦回数に限らない。要は、マッチング相手として選択される可能性の高低に相関する指標値を対戦履歴情報52から判別し、その指標値を基準値と比較して、基準値を超えるユーザをライバルとして設定すればよい。例えば、対戦回数に代えて、又は加えて、対戦時間の累積値、対戦頻度、ユーザが負けた回数、ユーザが負ける頻度を対戦履歴情報52から指標値として判別し、それらの指標値が所定の基準値を超えるユーザをライバルとして設定してもよい。対戦頻度は、基準時間(例えば一か月といった適度な長さを有する期間)内に対戦した回数、又はユーザが対戦ゲームを基準回数(例えば、100回といった適度に多い回数)プレイする間に対戦した回数として求めることができる。また、負ける頻度は、基準時間内に負けた回数、又はユーザが対戦ゲームを基準回数プレイする間に負けた回数として求めることができる。これらの指標値に従ってライバルを設定した場合でも、対戦機会が相対的に多いユーザをライバルとして設定することが可能である。負けた回数、又は負ける頻度を参照した場合には、対戦機会が相対的に多く、かつ勝てない相手をライバルとして設定することができる。それにより、ライバルに勝ちたい、というより強い意欲をユーザに生じさせることができる。あるいは、対戦回数や対戦頻度を指標値として用いる場合には、それらが一定の基準値を超えるユーザであることを前提として、そのユーザに対する勝ち数と負け数との比率、又は勝つ頻度と負ける頻度との比率を判別し、その比率が50%を挟んで所定範囲内であるユーザをライバルとして設定してもよい。この場合は、マッチングされる可能性が相対的に高く、かつ勝ち負けが同程度で発生する他のユーザをライバルとして設定することができる。いずれにしても、対戦履歴情報52には、各ユーザの対戦の履歴が対戦相手の情報を含めて記録されているので、その対戦履歴情報52を参照すれば、各ユーザに対してマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを判別し、そのユーザをライバルとして設定することにより、ライバルとの対戦機会を増加させることができる。
【0026】
図2の例では、対戦ゲームがプレイされる毎にライバルをその時点でのマッチング相手のユーザから設定しているが、ライバル設定は、対戦ゲームが所定回数繰り返される毎に行われるものとしてもよい。つまり、一回のライバル設定により、過去に対戦した回数等が相対的に高いユーザがライバルとして選ばれるので、一旦設定されたライバルのユーザとは、その後も再度マッチングされる可能性が比較的高い。したがって、ライバル設定を対戦ゲーム毎に実行するのではなく、ある程度の期間が経過した後、ライバル設定を見直すように再実行するものとしても、ライバルとの対戦機会の増加を図ることが可能である。
【0027】
次に、図3を参照して、ライバルの設定に関連したゲームシステム1の制御系の要部の構成を説明する。まず、センターサーバ2には、ゲームサービス管理部21、Webサービス管理部22及び記憶部23が設けられる。管理部21、22は、センターサーバ2のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、センターサーバ2のコンピュータハードウエア資源を管理部21、22として機能させるためのソフトウエアとしてのコンピュータプログラムPG1が記録される。また記憶部23には各種のデータも記録されるが、図3では上述したプレイデータ51が示されている。プレイデータ51は、ユーザ毎に作成され、ユーザの識別情報と対応付けて記憶部23に記録される。ただし、図3では一のユーザ識別情報に対応付けられたプレイデータ51のみを示す。
【0028】
ゲームサービス管理部21は、ゲーム機3に対して所定のゲームサービスを提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機3からユーザの認証情報(一例としてユーザの識別情報及びパスワード)を受け取ってユーザを認証し、そのユーザに対応するプレイデータ51をゲーム機3から受け取って記憶部23に保存し、あるいは、記憶部23に保存されたユーザのプレイデータ51をゲーム機3に提供するサービス、ゲーム機3のソフトウエア(ゲーム機3用のコンピュータプログラムPG2及び各種のデータ)をネットワーク5を介して更新するサービス等がある。ゲームサービス管理部21には、論理的装置としてのプレイデータ管理部24及び対戦処理部25がさらに設けられる。プレイデータ管理部24は、ゲーム機3からの求めに応じてプレイデータ51を記憶部23に保存し、プレイデータ51をゲーム機3に提供する。対戦処理部25は、対戦を希望するユーザ同士をマッチングする処理、ライバルを設定する処理等を担当する。なお、対戦処理部25は、マッチングを処理することにより、本発明のマッチング手段として機能する。マッチング処理の手順については、周知のゲームシステムのそれと同様でよく、その詳細は説明を省略する。ライバル設定処理の手順は後述する。
【0029】
Webサービス管理部22は、ユーザ端末装置4に対して各種のWebサービスを提供する。一例として、Webサービス管理部22は、ユーザ端末装置4からユーザの認証情報(一例としてユーザ毎にユニークな識別情報及びパスワード)を受け取ってユーザを認証し、その認証されたユーザの要求に応答して、当該ユーザのプレイデータ51をユーザ端末装置4に閲覧用データとして提供する。なお、Webサービス管理部22には、ユーザ端末装置4を利用した情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービスを提供する機能等が適宜に実装されてもよい。それらの説明は省略する。
【0030】
また、センターサーバ2には、ゲーム機3及びユーザ端末装置4のそれぞれのユーザに対して、ゲーム上の有償サービスを提供する対価としての料金を課金してユーザからその料金を徴収する課金サービス機能も実装されている。決済の具体的手法としては、クレジットカード、デビットカード、あるいは電子通貨といった、電子データのやり取りを利用して代金を支払うことが可能な電子決済を利用して、ユーザからサービスの対価を課金し、その対価に見合った代金を徴収するものであればよい。電子決済は公知のものでよく、それを実現するための具体的構成や手順は説明を省略する。
【0031】
次に、ゲーム機3には、ゲーム制御部31と記憶部32とが設けられる。ゲーム制御部31は、ゲーム機3のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとしてのコンピュータプログラムPG2との組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部31は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2のゲームサービス管理部21が提供するゲームサービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。ゲーム制御部31には、さらなる論理的装置として、対戦処理部33が設けられている。対戦処理部33は、センターサーバ2の対戦処理部25と協働して、ゲーム機3のユーザに対戦ゲームをプレイさせるために必要な処理を実行する。
【0032】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図3ではセンターサーバ2から提供されたプレイデータ51が示されている。プレイデータ51には、上述したように対戦履歴情報52が含まれている。
【0033】
ゲーム機3には、ユーザの操作に対応した信号を出力する入力装置36、ユーザにゲーム画面等を提示するための表示装置37及びカードリーダ38といった各種の入出力装置が設けられる。カードリーダ38は、ユーザの認証に利用されるべき識別情報の一種として、ユーザが所持するカード39に記録されたカード毎にユニークなカードIDを読み取るための装置である。なお、ユーザの認証に利用されるべきユーザの識別情報は、ゲーム機3におけるユーザの認証と、ユーザ端末装置4におけるユーザの認証とで異なっていてもよいし、共通であってもよい。例えば、ゲーム機3において、ユーザのカード39に記録されたカードIDを識別情報として利用し、そのカードIDとプレイデータ51とを対応付けて記憶部23に記憶させる一方で、ユーザ端末装置4ではユーザ毎にユニークに設定されたユーザIDをユーザの識別情報として利用する場合には、ユーザIDとカードIDとの間に対応付けを設定することにより、いずれのIDもユーザの識別情報として利用することができる。また、カードIDとユーザIDとを対応付けておくことにより、カードID又はユーザIDのいずれを手掛かりとしても、ユーザ及びそのプレイデータ51を特定することができる。
【0034】
ユーザ端末装置4には、そのコンピュータハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置として、Webサービス処理部41が設けられている。Webサービス処理部41は、センターサーバ2のWebサービス管理部22が提供する各種のサービスを享受するために必要な処理を実行する。なお、ユーザ端末装置4にも適宜のデータを記憶するための外部記憶装置が設けられるが、その図示は省略した。
【0035】
次に、図4を参照してライバル設定の処理の手順を説明する。なお、図4の処理は図2のステップS2の手順に相当する処理であって、ユーザがセンターサーバ2に対して認証され、かつマッチングが成立した後の処理である。図4の処理は、センターサーバ2の対戦処理部25又はゲーム機3の対戦処理部33のいずれによっても実行することができる。ここでは、センターサーバ2の対戦処理部25が図4の処理を実行することにより、本発明のライバル設定手段として機能するものとして説明する。なお、センターサーバ2の対戦処理部25による図4の処理はマッチングされたユーザのそれぞれに対して個別に行われるものとする。また、実行結果としてのライバルの設定状態は、少なくともライバルの関係が設定されたユーザのゲーム機3に通知されるものとする。また、図4の処理では、対戦回数に基づいてライバルを選び出すものとする。
【0036】
対戦処理部25は、図4のライバル設定処理を開始すると、まずユーザのプレイデータ51の対戦履歴情報52を参照して、マッチングされた相手のユーザ毎に対戦回数を判別する(ステップS11)。次に、対戦処理部25は、ステップS11の判別結果に基づいて、対戦回数が基準回数を超えるユーザを抽出し(ステップS12)、その後、一人以上のユーザが抽出されたか否かを判別する(ステップS13)。一人も抽出されていない場合、対戦処理部25はステップS14に進み、基準回数が所定の下限に設定されているか否かを判別する。下限に設定されていなければ、対戦処理部25は基準回数を所定量α減少させ(ステップS15)、その後、ステップS12に戻る。この処理は、ライバルのユーザが見つからない場合、基準回数を減少させてライバルを見つけ出すための処理である。
【0037】
ステップS13で一人以上のユーザが抽出されていると判断された場合、対戦処理部25は抽出されたユーザの人数が上限値以内か否かを判別する(ステップS16)。上限値を超えている場合、対戦処理部25はステップS17に進み、基準回数を所定量β増加させる(ステップS17)。所定量βは、所定量αと同一であってもよいし、異なっていてもよい。この処理は、基準回数を超えるユーザの人数が多すぎる場合に、その人数を絞り込むための処理である。
【0038】
基準回数の増加後、対戦処理部25は再び基準回数を超えるユーザを抽出し(ステップS18)、その後、ステップS16に戻る。ステップS16にてユーザの人数が上限値以内と判断された場合、対戦処理部25はステップS20に進み、その時点で抽出されているユーザをライバルとして設定する。その後、対戦処理部25は図4の処理を終える。なお、ステップS14で基準回数が下限まで低下している場合には、さらなる基準回数を減少させることなくステップS20へと処理が進められる。この場合、ライバルとして設定されたユーザが0人、つまりライバルとして設定可能なユーザがいないものとしてステップS20が処理される。また、ステップS17及びS18を経てステップS16へと処理が戻され、ステップS16が肯定的に判断された場合であっても、基準回数を超えるユーザが0人となる可能性がある。この場合も、ライバルの人数を上限値内に制限することを優先して、ライバルとして設定可能なユーザがいないものとしてステップS20が処理される。
【0039】
以上の処理においては、センターサーバ2の対戦処理部25に図4の処理を実行させることにより、その対戦処理部25を本発明のライバル設定手段として機能させたが、各ユーザのゲーム機3の対戦処理部33にて図4の処理を実行させることにより、その対戦処理部33をライバル設定手段として機能させてもよい。また、マッチングされた複数のユーザのゲーム機3から一のゲーム機3をライバル設定処理の実行主体として選び出し、そのゲーム機3にマッチングされた各ユーザの対戦履歴情報52を集約させることにより、当該ゲーム機3の対戦処理部33に、マッチングされた全てのユーザに対するライバル設定処理を実行させることも可能である。
【0040】
また、本発明の対戦履歴記録手段は、対戦ゲームの終了時に各ゲーム機3の対戦処理部33に図2のステップS5の処理を実行させることにより実現することができる。すなわち、各ゲーム機3の対戦処理部33が、自機の記憶部32に保持されているプレイデータ51の対戦履歴情報52に自機のユーザの対戦内容を記録することにより、各ゲーム機3の対戦処理部33を本発明の対戦履歴記録手段として機能させることができる。なお、ゲーム機3の記憶部32に保存されているプレイデータ51は、適当な時期、例えば対戦ゲームのプレイが一段落した時期に、ゲーム機3からセンターサーバ2に送信され、プレイデータ管理部24により記憶部23に保存される。したがって、対戦処理部25がマッチングを成立させた時点で、ゲーム機3の記憶部32が記憶する対戦履歴情報52、及びセンターサーバ2の記憶部23が記憶する対戦履歴情報52は等価である。よって、ライバル設定処理が行われる際には、いずれの記憶部23、32に存在する対戦履歴情報52が参照されてもよい。
【0041】
なお、本発明において、ライバルの関係は、必ずしもユーザ間における双方向関係であることを要しない。例えば、一方のユーザに対して他方のユーザがライバルとして設定されても、他方のユーザに対しては一方のユーザがライバルとして設定されていない場合であっても、それらのユーザ間にはライバルの関係(ただし、一方的な関係)が設定されているものとみなすことができる。例えば、対戦回数や対戦頻度を基準としてライバルを設定すれば、本来的には双方向のライバル関係が設定できる。しかし、負けた回数、負けた頻度を基準としてライバルを設定する場合には、一方的なライバルの関係が設定される。あるいは、図4のように、ライバルを一人以上確保し、あるいはライバルの人数を上限値内に収めるべくユーザ毎に基準値を変化させる場合にも一方的なライバルの関係が生じ得る。本発明のライバルの関係はこうした一方的な関係を排除するものではない。ただし、上記の形態において、一方のユーザを対象としたライバル設定処理にて他のユーザがライバルとして選択され、他のユーザを対象としたライバル設定処理でも一方のユーザがライバルとして選択されたことを条件として、双方のユーザの間にライバルの関係を設定するものとすれば、双方向のライバルの関係の確立を保障することができる。
【0042】
本発明において、ユーザは必ずしも実在するユーザに限られない。実在するユーザに混じって、コンピュータが仮想的に生成するユーザが存在し、その仮想的なユーザもライバルとして設定される対象に含まれてもよい。また、マッチングされる相手のユーザが実在するユーザであっても、その実在するユーザのプレイデータ51を利用してコンピュータがプレイ主体となるような、いわゆる非同期型の対戦ゲームであっても本発明は適用可能である。また、本発明において、「対戦」の概念は、複数のユーザが同時的に共通のゲーム空間で行動して競い合う形態に限定されない。マッチングされたユーザのそれぞれにゲームをプレイさせ、そのプレイ結果として得られたスコア等をユーザ間で競い合うような形態であっても、本発明の「対戦」の概念に含まれる。
【0043】
本発明によるライバル設定手段は、ユーザ自らがライバルを設定し、あるいは、レベルが近いユーザ同士をコンピュータが自動的にライバルとして設定するような従来型のライバル設定を排除するものでなく、それらの手法によるライバル設定手段と、本発明に係るライバル設定手段とは併用されてもよい。また、本発明は、マッチングの成立時に、マッチングされたユーザの中からライバルのユーザを選び出す例に限定されない。ユーザの対戦履歴情報を参照することにより、各ユーザがマッチングされる可能性の高い他のユーザを識別することができるので、マッチング成立時に限定されることなく、任意の時期に本発明のライバル設定手段によりライバルが設定されてもよい。したがって、図1のユーザ端末装置4からセンターサーバ2に対してライバル設定を指示した場合に、センターサーバ2の対戦処理部25がそのユーザの対戦履歴情報52を参照してライバルを設定する、といった変形が可能である。
【0044】
本発明において、ゲーム機は業務用のゲーム機に限らず、ネットワークに接続可能なゲーム機であれば適宜に利用されてよい。ゲーム機はユーザに対する入出力機能とゲームの制御に必要な各種の演算処理機能とが単一の物理的装置としてのコンピュータ装置に集約された例に限らない。例えば、ゲームの演算制御をサーバ装置にて実行し、そのサーバ装置に対するネットワーク端末装置が入出力機能を担うべき遠隔操作端末装置として利用されることにより、複数のコンピュータ装置が協働して論理的なゲーム機として機能する構成であっても本発明を適用することができる。したがって、本発明の各手段は単一のコンピュータ装置により実現する例に限らず、複数のコンピュータ装置が適宜に協働して各手段が実現されるものとしてもよい。あるいは、ネットワーク端末装置を遠隔操作端末装置として機能させる場合には、サーバ装置により全ての手段が実現されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 ゲームシステム
2 センターサーバ
21 ゲームサービス管理部
22 Webサービス管理部
24 プレイデータ管理部
25 対戦処理部(マッチング手段、ライバル設定手段)
3 ゲーム機
33 対戦処理部(ライバル設定手段、対戦履歴記憶手段)
4 ユーザ端末装置
5 ネットワーク
51 プレイデータ
52 対戦履歴情報
図1
図2
図3
図4