(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送波手段は所定範囲内の波長を含む電磁波又は音波を放射し、前記受波手段は、当該所定範囲内の波長の波を、当該所定範囲外の波長の波に比べてより高い感度で、及び/又は当該所定範囲外の波長の波と区別して選択的に検出することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
複数の種類の当該点検動作は、前記蓄電池によって前記光源に電力が供給されるか否かの点検動作、前記蓄電池における充電の程度の点検動作、及び前記蓄電池の電力供給に係る動作ログの点検動作を含むことを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
前記制御手段は、いずれかの種類の点検動作が実行されている間に、前記点検指示判定手段が、所定の判定設定時間内に当該反射波を含むとの判定及びその後の当該反射波を含まないとの判定の組を、他の種類の点検動作に対応する回数だけ行った際、実行されている点検動作に代えて当該他の種類の点検動作を開始させることを特徴とする請求項9又は10に記載の照明装置。
前記制御手段は、開始させた点検動作の種類に応じて、予め当該種類毎に対応付けられた開始・停止回数のうちで対応する開始・停止回数を選択し、選択した当該開始・停止回数だけ前記光源への電力供給を開始させ且つ停止させる動作を繰り返すことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の参照番号を用いて示される。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比は、図面の見易さのため、それぞれ任意となっている。
【0025】
図1は、本発明による照明装置の一実施形態を示す平面図(
図1(A))、正面図(
図1(B))及び側面図(
図1(C)及び(D))である。尚、以後の図面中には装置等の向きの指標となるxyz座標系が適宜示されている。
【0026】
本実施形態の照明装置1は、例えば洞道の内部の通行・作業空間を照明するための装置である。ここで、洞道とは、通信ケーブル・送電ケーブル・ガス管等を収容し、作業用に人が立ち入れる大きさのトンネルをいう。照明装置1は、停電時にも洞道内部を照明することができるように蓄電池24を備え、停電時には蓄電池24の電力を用いて照明を行う。
【0027】
図1(A)〜(C)によれば、照明装置1は、ベース板11上に設置された照明部22から、照明部22を覆うカバー12に設けられた照明窓122を介して照明光を放射する。この照明部22には、電源線4を介して入力した商用電力と、照明装置1内に設置された蓄電池24からの出力電力との両方が供給可能となっている。
【0028】
ベース板11は、例えばステンレス等の金属で形成されており、その表面には塗装等の防食処理が施されていてもよい。ベース板11上には、後に
図3を用いて示すように、照明部22を含む照明のための回路装置・部品が設置されている。カバー12は、例えばポリカーボネート等のモールド樹脂を成型して作製されており、照明窓122、表示窓123及び点検窓121(
図1(D))以外の部分には、塗装等の光を通さない加工が施されている。
【0029】
ここで、照明装置1では、停電時の照明機能を正常に起動させることができるか否かの点検を行うことができる。具体的には、通常の照明を行う通常モードとは別に点検モードを起動させることができる。カバー12に設けられた点検窓121は、この点検モードを起動させるための透光性(透過性)を有する光学的開口部である。後に詳細に説明するように、点検者は、点検窓121から放射される光(点検光)に手をかざすことによって容易に点検モードを起動させることができる。
【0030】
この点検窓121は、本実施形態において、照明光との干渉をできる限り回避するために、ケーブルグランド13とは反対側の(yz面である)側面に設けられている。しかしながら、照明装置1の他の位置に設けることも当然に可能である。
【0031】
表示窓123は、照明装置1の動作状態(動作モード)を表示するための光学的開口部である。表示窓123からは、表示ランプ26(
図3)が目視され、その点灯状態から給電状態、停電状態及び点検状態を確認することができる。
【0032】
一般に、洞道内の空間は非常に湿気が高く、例えば湿度が概ね100%であることも少なくない。この湿気対策のために、ベース板11には、カバー12を取り付けるためのネジ穴が複数開けられており、ベース板11の天側からこれらのネジ穴に差し込まれたネジによってカバー12をネジ止めしている。これにより、ベース板11とカバー12との間が密封され、装置全体の防水性が確保される。尚、ベース板11には照明装置1自体を、例えば洞道の天井部や側壁面に設置するための取り付け穴が開けられていることも好ましい。
【0033】
さらに、電源線4は、ケーブルグランド13を介して照明装置1の内部に及んでおり、装置の防水性を確保しながら照明装置1に商用電力を供給する。このように、照明装置1は、全体が密封されており高い防水性を有している。尚、照明装置1には、一般的にみられるような点検モードを起動させるための紐はつり出されていない。従って、そのような紐を装置外に出すための孔も有していない。また、点検時にカバー12を開けて装置内を操作する必要もない。その結果、装置の密封性・防水性を高い状態で維持することが可能となっている。
【0034】
図2は、照明装置1を洞道に設置した状態、及び点検モードを起動させる動作を説明するための模式図である。
【0035】
図2(A)によれば、照明装置1は、洞道の通路の天井部に設置されている。ここで、照明装置1の長手方向(x軸方向)は、通路の方向(紙面に垂直な方向)に対して直交している。このように装置を設置した場合、点検窓121からの放射光である点検光Tは、洞道の側壁面に向かって斜め下方に放射される。この際、
図2(A)において破線の楕円で示したエリアが点検起動の可能な点検起動エリアとなる。
【0036】
図2(B)によれば、点検者は、点検起動エリア内に自身の手のひらを差し出し点検光Tにかざすことで点検モードを起動する。この場合、手のひらで反射した点検光Tが反射光Rとなってその一部が点検窓121に入射する。照明装置1は、この入射した反射光Rを検出して点検モードを起動させる。尚、点検モードを起動させるために点検光Tにかざすものは当然、手のひらに限定されるものではなく点検者の他の身体部位でもよい。さらに例えば
図2(C)に示すような反射板等の点検光Tを反射させ得る反射具でも可能である。但し、手のひらをかざす場合、点検者は何ら特別の道具を使用せずに点検モードを起動させることができる。
【0037】
また、点検モードを起動させる際、手のひら又は反射具等を点検起動エリア内に割り入れてもよく(
図2(D))、手のひら又は反射具等を点検窓121に近づけつつ点検起動エリア内に入れてもよい(
図2(E))。後者の場合、点検者は、手のひら又は反射具等を、反射光Rが反射光として判定されないような遠くの位置から判定される位置にまで近づけることになる。尚、点検光Tとして例えば赤色LED(Light emitting Diode)から放射されるような可視光を用いることによって、洞道の側壁面に到達した点検光Tの光点を視認することができ点検光Tの光軸の位置が概ね分かるので、点検起動エリアを容易に推定することができる。
【0038】
点検者が手のひら又は反射具等を点検光Tにかざさない場合、点検窓121から放射された点検光Tは、洞道の側壁面に当たって反射する。この反射した光が点検窓121に入射して反射光Rとして判定されないように(第1の条件)、後に説明する照明装置1の受光器252(
図5)の感度や投受光ユニット25(
図3)の取り付け角度等を調整する。また、このような調整によって、点検起動エリアを、点検窓121と点検光Tが側壁面に当たる位置との間に設定することも可能となる。
【0039】
さらに、洞道の天井部の床面からの高さは、一般に、人間の身長より若干高い程度(例えば約2.5m)である。従って、点検以外の作業や歩行動作によって点検モードが起動することなく且つ手を伸ばせば点検起動エリアに届くように(第2の条件)、受光器252の感度や投受光ユニット25の取り付け角度等を調整することができる。
【0040】
ここで、点検モードを起動させるのに適した点検窓121と手のひらとの距離は、例えば0〜0.5m程度とすることができる。また、反射具として白い紙を用いる場合、この距離の上限を例えば1m程度とすることができ、さらに反射具として鏡を用いる場合、この距離の上限を例えば2m程度とすることができる。
【0041】
尚、当然に、本発明の照明装置は、洞道専用の装置に限定されるものではない。停電時に蓄電池による照明のバックアップを行う必要があり、且つこのバックアップの作動具合を適宜点検することが要請される環境であれば、本発明の照明装置を設置することが好ましい。
【0042】
さらに、点検モードの起動開始の決定に使用される放射体は、以上に説明した光(点検光T)に限定されるものではない。後に説明するように、可視光及び近赤外光以外の電磁波を放射可能な電磁波送信器を使用して、点検光Tの代わりに点検電磁波を放射してもよい。この場合、照明装置に設置された電磁波受信器によって、点検者の手のひら又は反射具等で反射された点検電磁波である反射電磁波を検出する。
【0043】
ここで、可視光及び近赤外光を含む電磁波を点検波(点検光T)とする場合、点検窓121を設けずに、送波器(投光器、電磁波送信器)の放射部を外部に露出させて照明装置に設置してもよい。この場合、同じく受波器(受光器、電磁波受信器)の検波部を外部に露出させて照明装置に設置してもよい。尚、この実施形態でも、点検電磁波(点検光T)の放射軸(光軸)は、斜め下方に伸長させることができる。
【0044】
さらに、同じく後に説明するように、音波、特に超音波を放射可能な超音波送信器を使用して、点検光Tの代わりに点検超音波を放射してもよい。この場合、照明装置に設置された超音波受信器によって、点検者の手のひら又は反射具等で反射された点検超音波である反射超音波を検出する。
【0045】
ここで、超音波を点検超音波とする場合、点検窓121は設置されないことも好ましい。この場合、送波器(超音波送信器)の放射部及び受波器(超音波受信器)の検波部を外部に露出させて照明装置に設置してもよい。尚、この実施形態でも、点検超音波の放射軸は、斜め下方に伸長させることができる。
【0046】
図3は、照明装置1における機能部の構成図である。
【0047】
図3によれば、照明装置1は内部の機能部として、電源部21と、照明部22と、制御部23と、蓄電池24と、投受光ユニット25と、表示ランプ26とを備えている。電源部21はAC/DC電源であり、電源線4より給電された商用交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を照明部22及び蓄電池24に供給する。
【0048】
照明部22は、例えばLED光源を含み直流電力で駆動されるLED照明ユニットとすることができる。照明窓122を介して外部に照明光を放射する。尚、照明部22は当然に、LEDによる照明手段に限定されるものではなく、蛍光灯、電熱球又は放電ランプ等を用いた照明手段とすることもできる。
【0049】
制御部23は、照明装置1における(a)通常モードでの照明動作及び充電動作、(b)停電モードでの放電動作、及び(c)点検モードでの点検動作を制御する。
【0050】
蓄電池24は、外部の商用電源からの電力供給が停止する停電時に、照明部22に直流電力を供給する二次電池であり、例えば、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素電池又は鉛蓄電池等とすることができる。
【0051】
表示ランプ26は、(例えば緑色光を放つ)給電表示ランプと(例えば赤色光を放つ)停電表示ランプとを含んでいてもよい。ここで、商用電力が供給されている場合には給電表示ランプが点灯し、停電時及び点検時には停電表示ランプが点灯することも好ましい。
【0052】
投受光ユニット25は、蓄電池24による電力供給に係る点検の開始を決定するための点検光Tを放射し、さらに、放射され反射された光を検出することができる。また、検出された光が、放射され点検者によって反射させられた反射光Rを含むか否かを判定する。ここで、投受光ユニット25において反射光Rを含むとの判定が行われた場合に、制御部23は、蓄電池24による電力供給に係る点検モードを開始させる。次に、機能ブロック図を用いて、この制御部23による制御を詳細に説明する。
【0053】
図4は、照明装置1における機能ブロック図である。
【0054】
図4によれば、商用電源とスイッチであるSW1とは、照明装置1の外部に設置されている。また、商用電源から配線された共通線と充電線との間には常時、商用交流電力が供給されている。SW1が配設されたスイッチ線は充電線と同極であり、SW1が閉成されると共通線とスイッチ線との間に商用交流電力が供給される。
【0055】
電源部21では、供給された交流電力が直流電力に変換される。SW2は、電源部21から照明部22への直流電力の供給をON/OFFするスイッチである。また、SW3は、電源部21から蓄電池24への直流電力(充電電力)の供給をON/OFFするスイッチである。さらに、SW4は、蓄電池24から照明部22への直流電力の供給をON/OFFするスイッチであり、SW5は、照明部22の照明動作をON/OFFするスイッチである。
【0056】
[通常モード]
同じく
図4を用いて、最初に通常モードを説明する。通常モードとは、商用電源から給電された状態において、SW5を操作して照明部22の照明動作をON/OFFするモードである。この場合、SW5は実際には、外部のSW1に連動して開閉する。通常モードでは、共通線と充電線との間に常時供給されている交流電力が、制御部23を介して電源部21に入力され、電源部21からは直流電力が常時出力されている。
【0057】
また、通常モードでは、制御部23はSW2〜SW4を閉成している。従って、照明部22及び蓄電池24には電源部21から常時、直流電力が供給されている。ここで、照明部22には蓄電池24も接続されているが、電源部21の出力電圧を蓄電池24の出力電圧よりも高く設定して、蓄電池24側から照明部22へ給電されないようにしている。
【0058】
さらに、制御部23は、共通線とスイッチ線との間の交流電力の供給、即ち外部のSW1の開閉を監視しており、外部のSW1の開閉を検出したらSW5を開閉して、照明部22の照明動作をON/OFFして制御する。また、制御部23は、蓄電池24の電池電圧も監視しており、蓄電池24が過充電とならないようにSW3の開閉を制御する。例えば、蓄電池24としてニッケル水素電池を用いた場合、セル1本当たり1.8Vにまで電圧が上昇したらSW3を開放する。
【0059】
[停電モード]
次いで、同じく
図4を用いて停電モードを説明する。ここで、停電とは商用電源からの給電が途絶えた状態である。停電モードでも、制御部23はSW2〜SW4を閉成しているが、電源部21からの電力供給が停止するので、照明部22には蓄電池24から電力が供給される。制御部23は、共通線と充電線との間の交流電力の供給も監視しており、停電を検出したらSW5を閉成して、照明部22の照明動作をONにする。ここで、制御部23は、SW1が開放されたとも認識するが、上記のように停電を検出したことを優先し、SW5を、SW1に連動させずに閉成する。尚、この蓄電池24の電力で照明部22の照明をONさせる動作を、以後バックアップ動作と称する。
【0060】
制御部23は、さらに、蓄電池24が過放電とならないようにSW4の開閉を制御する。例えば、ニッケル水素電池を用いた場合、セル1本当たり1.0Vにまで電圧が下降したらSW4を開放する。
【0061】
[点検モード]
次いで、同じく
図4を用いて点検モードを説明する。投受光ユニット25は、後に説明するように投光器251(
図5)及び受光器252(
図5)を備えており、投光器251から放射された点検光Tが照明装置1の外部で反射させられて受光器252に入射したことを検出・判定する。投受光ユニット25から出力される点検モード起動信号は、制御部23に入力され、制御部23は、この起動信号の入力に基づいて、バックアップ動作が正常に行われるか否かの点検動作を開始させる。
【0062】
制御部23は、具体的に、投受光ユニット25から起動信号を入力すると、SW2及びSW3を開放し、SW4及びSW5を閉成する。これにより、商用電力が供給されている状態であっても照明装置1を停電時の状態にすることができるため、バックアップ動作が正常に行われるか否かを確認することができる。
【0063】
尚、照明装置1における機能構成は当然に、以上に説明した形態に限定されるものではない。例えば、通常モードでは電源部21から照明部22に給電され、停電モード及び点検モードでは蓄電池24から照明部22に給電されるような配線及びスイッチ構成ならば、種々の回路が適用可能となる。
【0064】
図5は、本発明に係る投受光ユニット25の機能ブロック図である。
【0065】
図5によれば、投受光ユニット25は、投光器251と、受光器252と、光学フィルタ253と、点検指示判定部27と、投光駆動部28とを有する。
【0066】
投光器251は、可視光又は近赤外光を発光する発光素子を含み、照明装置1の外部に点検光Tを放射する。発光素子として、波長600〜780ナノメートル(nm)の光を発光する赤色LED、又は波長780〜1100nmの光を発光する赤外線LEDを用いることも好ましい。また、投光駆動部28は、投光器251を起動させ制御するための駆動・制御手段である。
【0067】
尚、投光器251の代わりに、可視光及び近赤外光以外の電磁波を放射可能な送波器としての電磁波送信器を使用することも可能である。この場合、点検の開始を決定する点検波として、点検光Tの代わりに点検電磁波を利用することになる。さらに他の実施形態として、投光器251の代わりに、超音波を放射可能な送波器としての超音波送信器を使用してもよい。この場合は、点検波として、点検光Tの代わりに点検超音波を利用することになる。
【0068】
受光器252は、投光器251から放射され反射された反射光Rを検出可能な受光素子を含む受光手段である。受光素子として、例えばフォトダイオードを用いることができ、また、発光素子が放射する光の波長である600〜1100nm内に受光感度を有するものであることも好ましい。
【0069】
尚、受光器252の代わりに、可視光及び近赤外光以外の電磁波を検出可能な受波器としての電磁波受信器を使用することも可能である。この場合、反射光Rの代わりに、電磁波送信器から放射され反射された反射電磁波を利用することになる。さらに他の実施形態として、受光器252の代わりに、音波、特に超音波を検出可能な受波器としての超音波受信器を使用してもよい。この場合は、反射光Rの代わりに、超音波送信器から放射され反射された反射超音波を利用することになる。
【0070】
図5に戻って、点検光Tを例えば可視光に限定することにより、赤外光領域の外乱光による誤動作を低減することができる。この場合、投光素子として例えば発光波長が600〜780nmのものを使用し、受光素子として例えば受光感度が600〜750nmのものを使用する。その結果、赤外光領域の外乱光を反射光Rとして検出することが回避可能となる。
【0071】
このように、投光器251は所定範囲内の波長を含む点検光Tを放射し、受光器252は、この所定範囲内の波長の光を、この所定範囲外の波長の光に比べてより高い感度で検出することも好ましい。これにより、外乱光等による点検モードの誤起動を抑制することができる。
【0072】
光学フィルタ253は、例えば光学的なローパスフィルタであり、発光素子が放射する点検光Tの波長よりも短い波長の光をカットし、発光素子が放射する点検光Tとこの点検光Tよりも長い波長の光とを通過させ得る特性を有することも好ましい。例えば、カット波長が600nmであり、透過率が波長580nmで15%未満であって波長620nmで85%よりも大きい光学フィルタが使用される。このような光学フィルタ253を使用し、さらに上述したような発光波長及び受光感度を600〜700nm台に限定した投光器251及び受光器252を使用した場合、点検光Tの波長を含む波長領域よりも短い波長の光も長い波長の光も共に除外することができ、結果として誤動作がより低減可能となる。
【0073】
このように、受光器252は、点検光Tの波長を含む所定範囲内の波長の光を、この所定範囲外の波長の光に比べてより高い感度で検出し、且つ光学フィルタ等を使用してこの所定範囲外の波長の光と区別して選択的に検出することも好ましい。これにより、外乱光等による点検モードの誤起動をより確実に抑制することができる。
【0074】
尚、送信器251及び受信器252の代わりに超音波(電磁波)送信器及び超音波(電磁波)受信器を使用し、超音波(電磁波)送信器は所定範囲内の波長を含む超音波(電磁波)を放射し、超音波(電磁波)受信器は、この所定範囲内の波長の超音波(電磁波)を、この所定範囲外の波長の超音波(電磁波)に比べてより高い感度で、及び/又はこの所定範囲外の波長の波と区別して選択的に検出してもよい。このような実施形態でも、点検モードの誤起動を抑制することができる。
【0075】
点検指示判定部27は、受光器252で検出された光が、投光器251から放射され点検者によって反射させられた反射光Rを含むか否かを判定し、判定結果を起動信号として制御部23(
図4)に出力する。本実施形態では具体的に、点検指示判定部27は、受光器253に入射した光を増幅するとともに、投光駆動部28の駆動周期に同期して入射光を復調し、起動信号(判定結果信号)として出力する。次に、点検指示判定部27と、投光器251の投光駆動部28との動作を説明する。
【0076】
図6は、投受光ユニット25における点検指示判定部27及び投光駆動部28の動作を示すタイミングチャートである。
【0077】
図6(A)によれば、投光駆動部28からの駆動出力である出力A(
図5のA位置での出力)では、所定の周期をもって予め設定されたパルス幅のパルス信号が出力されている。投光駆動部28はこの出力をもって発光器251をパルス駆動する。例えば、1msの周期をもって0.1ミリ秒(ms)のON動作を行うことができる。
【0078】
このような出力Aの状態で、点検者が点検光Tにまだ手をかざしていない状況では、受光器252からの出力B(
図5のB位置での出力)には、外乱光による出力が現れているのみである。この出力は、点検指示判定部27のCMP1+に入力される。また、CMP1−には、
図6(B)の出力G(
図5のG位置での出力)に示すように、出力Aの反転信号が分圧されて入力される。
【0079】
ここで、この分圧における分圧比は、出力AがHIGH(H)レベルの際に、外乱光からなる出力BにおいてCMP1が反転する直前であって且つ反転しないレベルに調整される。その結果、出力AがLOW(L)レベルの期間では、外乱光による所定内の出力が存在していてもCMP1−のレベルが高いので、CMP1は反転することがない。一方、出力AがHレベルの期間では、CMP1−のレベルが低くCMP1が反転しやすいので、出力Bにおいて反射光Rに係る出力をより確実に検出することができる。
【0080】
図6(A)に戻って、出力Bにより生成されたCMP1のパルス出力は、復調回路で電圧に変換され、出力DとしてCMP2に出力され、CMP2でH/Lレベルに変換されて出力Eとなる。出力Eは反転処理され、点検者の手がかざされたか否かの判定結果を示す出力Fが、投受光ユニット25から出力される。
【0081】
このように本実施形態によれば、投光駆動部28は所定の周波数で変調された信号を投光器251に出力し、投光器251にこの所定の周波数で変調された光を点検光Tとして放射させる。また、点検指示判定部27は、受光器252から出力された検出信号を所定の周波数で復調し、復調された検出信号に基づいて、「受光器252で検出された光が、投光器251から放射され点検者によって反射させられた反射光Rを含むか否か」を判定する。これにより、所定の周波数とは無関係の外乱光等を受光することによって不要な点検モードが起動するのを阻止することができる。
【0082】
ここで、出力FにおけるHレベルからLレベルへの変化が「反射光Rを含む」との判定を行ったことに対応し、LレベルからHレベルへの変化が「反射光Rを含まない」との判定を行ったことに対応する。尚、投受光ユニット25からの出力Fを受けて制御部23で認識される点検モード起動信号は、この出力Fを反転したものとなっている。従って、点検モード起動信号がOFFからONへ立ち上がることが「反射光Rを含む」との判定を行ったことに対応し、ONからOFFへ立ち下がることが「反射光Rを含まない」との判定を行ったことに対応するのである。
【0083】
尚、点検指示判定部27の回路構成及び動作は当然、以上に説明したものに限定されるものではない。例えば、受光器252が所定強度閾値以上の強度を有する光を受光した場合に、「反射光Rを含む」との判定を示すHレベルの判定結果信号を出力するものでも点検指示判定手段として適用可能である。また、判定結果信号も種々の形態をとることができ、例えば、判定結果信号として、「反射光Rを含む」又は「反射光Rを含まない」との判定時に出力される1以上の所定数のパルス信号を用いることも可能である。
【0084】
また、他の実施形態として、送信器251及び受信器252の代わりに超音波(電磁波)送信器及び超音波(電磁波)受信器を使用し、投光駆動部28の代わりに超音波(電磁波)駆動部を使用して、上記の出力A及び出力Bと同様の出力を点検指示判定部27へ入力させることも可能である。この場合も、例えば点検者の手かざしの有無によって
図6に示した出力Bと同様の出力が発生することになる。また、その結果、点検指示判定部27から出力Fと同様の出力を取得することができる。ここで、出力FにおけるHレベルからLレベルへの変化が「点検者によって反射させられた反射超音波(電磁波)を含む」との判定を行ったことに対応し、LレベルからHレベルへの変化が「点検者によって反射させられた反射超音波(電磁波)を含まない」との判定を行ったことに対応する。
【0085】
図7は、投受光ユニット25の設置例を示す模式図である。
【0086】
照明装置1内において、投受光ユニット25は、投光器251から放射される点検光Tが点検窓121から装置の外部に出るように設置される。
図7(A)の設置例では、投光器251から放射される点検光Tの光軸が照明装置1の長手方向(x軸方向)と平行であり、光軸に沿った点検光Tは、点検窓121に垂直に入射し外部に出射している。そのため、点検光Tの一部は点検窓121の内面121nで反射し、反射光rとなって受光器252に入射してしまう。また、点検光Tの別の一部は点検窓121の外面121sの内側で反射し、反射光r’となって受光器252に入射してしまう。このような反射光r及びr’は誤動作の原因となり得る。
【0087】
次いで、
図7(B1)及び(B2)の設置例では、投受光ユニット25は、
(a)投光器251から放射される点検光Tの光軸が照明装置1の長手方向(x軸方向)から下方(+z方向)に傾くように、且つ
(b)投光器251が受光器252の斜め下方に位置するように
設置されている。ここで、(a)の場合、点検光Tの光軸は、点検窓121の表面の法線に対し所定の鋭角範囲内の角度で傾いていることになる。このような設置例によれば、
図7(A)で説明した反射光r及びr’の投受光ユニット25(受光器252)への入射を低減することができる。
【0088】
さらに、
図7(C1)及び(C2)の設置例では、投受光ユニット25は、
(c)投光器251から放射される点検光Tの光軸が照明装置1の長手方向(x軸方向)から下方(+z方向)に傾くように、且つ
(d)投光器251と受光器252とが(z軸方向において)同一の高さに位置するように
設置されている。この設置例によっても、
図7(A)で説明した反射光r及びr’の受光器252への入射を低減することができる。また、この設置例における投光器251の出射位置と点検窓121の内面との距離d
2は、
図7(B1)及び(B2)の設置例における対応する距離d
1に比べて十分に小さい値に設定可能である。その結果、
図7(B1)に示すようなカバー12の内面での複雑な反射光をも低減し、誤動作をより抑制することができる。
【0089】
図8は、本発明に係る点検動作の開始における幾つかの実施形態を示すタイミングチャートである。
【0090】
図8(A)は、点検者が点検起動エリアで点検光Tに手をかざした場合における、投受光ユニット25の出力と、制御部23の認識論理とを示している。同図によれば、制御部23は、点検者が手をかざしたときに出力F(
図6)を受けて点検モード起動信号がONになったと認識する。
【0091】
次いで、
図8(B)は、点検モード起動信号がONである期間だけ点検動作をONにする(点検モードを起動させる)実施形態を示している。ここで、点検モードの起動中は、SW2を開放してSW5を閉成する。点検動作をONにする前及び点検動作のONが終了した後では、SW5の動作はSW1に従う。
【0092】
この実施形態では、制御部23は、点検モード起動信号がOFFからONへ立ち上がった際に、即ち点検指示判定部27が反射光Rを含むとの判定を行った際に点検動作を開始させる。また、点検モード起動信号がONからOFFへ立ち下がった際に、即ち点検指示判定部27が反射光Rを含まないとの判定を行った際に点検動作を終了させることになる。
【0093】
さらに、
図8(C)は、点検モード起動信号がOFFからONになった時点で、予め設定された点検設定時間tだけ点検動作をONにする実施形態を示している。この場合、制御部23は、点検モード起動信号がOFFからONへ立ち上がった際に、即ち点検指示判定部27が反射光Rを含むとの判定を行った際に点検動作を開始させ、所定の点検設定時間tの経過後に点検動作を終了させることになる。
【0094】
この実施形態では、例えば点検窓121が徐々に汚れて、この汚れによる反射光が受光器252で所定の強度以上に検出され、点検モードを起動させる点検モード起動信号が常時ONとなったとしても、点検動作を継続してONにしてしまう事態を回避することができる。また、必要な時間だけ点検モードを起動させるために、点検光Tに手又は反射具等をかざし続ける必要がなくなる。即ち、手又は反射具等をかざしてひとたび点検モードが起動されれば、かざす動作を止めても点検モードは所定時間継続するのである。
【0095】
さらに、
図8(D)に示した実施形態においても、
図8(C)と同じく、点検モード起動信号がOFFからONになった時点で、予め設定された点検設定時間tだけ点検動作をONにする。しかしながら、本実施形態では、この点検動作のON状態が終了してから所定の点検動作休止時間t
Rの間に、点検モード起動信号がOFFからONになったとしても、点検動作は立ち上がらずOFFのままとなる。尚、点検動作休止時間t
Rが経過したならば、点検モード起動信号がOFFからONになった時点で点検モード起動信号がOFFからONになるのである。
【0096】
このように、点検動作休止時間t
Rを設定することによって、点検モードを連続的に起動させ蓄電池24に蓄電された電力を不要に消耗させる動作を防止することができる。さらに、点検動作を行った後、少なくとも点検動作休止時間t
Rの間、蓄電池24に対する充電時間を確実に確保することができる。ここで、点検動作休止時間t
Rは、例えば、点検設定時間tの間の点検動作で蓄電池24から供給される電力以上の電力が、蓄電池24に充電され得る時間に設定されてもよい。
【0097】
図9は、本発明に係る点検動作の開始における他の実施形態を示すタイミングチャートである。
【0098】
図9によれば、点検モード起動信号がOFFからONになり、次いでONからOFFになった時点で、点検動作はONとなり、予め設定された動作時間tの経過後にOFFとなる。この場合、制御部23は、点検指示判定部27が反射光Rを含むとの判定を行った後に反射光Rを含まないとの判定を行った際、点検動作を開始させることになる。ここで、点検動作がONである期間、照明部22には蓄電池24から電力が供給されて照明がONとなる。この場合、照明がONとなる時間t
Cは概ね動作時間tと一致する。
【0099】
このような実施形態においても、点検窓121の汚れによって点検モード起動信号が常時ONとなった場合に、点検動作を継続してONにしてしまう事態を回避することができる。また、点検モード起動信号として所定範囲内のパルス幅を有するものに限定するならば、単に点検モード起動信号がOFFからONになるのに合わせて点検動作をONにする場合に比べて、外乱光等による点検モードの誤動作をより確実に抑制することができる。
【0100】
ここで、点検動作の動作時間tの前において、照明が(通常モードとして)ON状態であるならば、点検動作が開始されたか否かは照明部22の照明の具合では見分けることができない。この場合、例えば表示窓123から表示ランプの点灯状態を確認することによって点検動作中であることを認識することになる。
【0101】
図10は、本発明に係る点検動作の開始における更なる他の実施形態を示すタイミングチャートである。
【0102】
図10によれば、本実施形態においても、点検モード起動信号がOFFからONになり、次いでONからOFFになった時点で、点検動作はONとなり、予め設定された動作時間tの経過後にOFFとなる。しかしながら本実施形態では、照明部22は、点検動作がONとなった時点から時間t
1だけ照明がOFFの状態をとり、次いで時間t
Cだけ点検動作としてON状態となる。即ち、点検動作の動作時間tの前において照明がON状態であっても、照明が一旦時間t
1だけOFFとなり、その後ONとなる。
【0103】
一般に、照明がON状態であるときに点検者がモード確認のために表示窓123を見つめると、照明窓122からの照明光が眩しくモード確認がしづらい。しかしながら、上述した
図10の実施形態によれば、点検モードの起動時に照明のOFF状態が入るので、点検者は、表示窓123を注視せずとも点検モードの起動を認識することが可能となり、点検確認の負担が低減する。
【0104】
図11は、本発明に係る点検動作の開始における更なる他の実施形態を示すタイミングチャートである。
【0105】
図11(A)によれば、点検モード起動信号がOFFからONになってONからOFFになる挙動(パルス1個分の挙動)を判定設定時間t
Kの間に2回行った際、点検動作として点検モード2が時間tだけ起動する。またこの場合、点検動作の開始を示すサインとして照明が、点検モード2の起動と同時にOFF状態となり、その後ON及びOFFの組を2回繰り返した後、点検動作として時間t
CだけON状態となる。点検者は、照明が2回点滅したことを視認して点検モード2が起動したことを確認することができる。ここで、このような照明の点滅による点検モードの報知を規定する時間t
1〜t
5は、点滅が目視判定可能な速度となるように決定される。
【0106】
また、
図11(B)によれば、点検モード起動信号がOFFからONになってONからOFFになる挙動(パルス1個分の挙動)を判定設定時間t
Kの間に3回行った際、点検動作として点検モード3が時間tだけ起動する。またこの場合、照明部22の照明は、点検動作の開始を示すサインとして点検モード3の起動と同時にOFF状態となり、その後ON及びOFFの組を3回繰り返した後、点検動作として時間t
CだけON状態となる。点検者は、照明が3回点滅したことを視認して点検モード3が起動したことを確認することができる。ここで、このような照明の点滅による点検モードの報知を規定する時間t
1〜t
7も、点滅が目視判定可能な速度となるように決定される。
【0107】
例えば、
図11(A)及び(B)において、t
kとして0.3〜2秒(s)、t
Sとして0.02〜0.3s、t
1として0.3s〜1s、t
2〜t
7として0.1〜0.5s等の時間設定を行うことも好ましい。
【0108】
さらに、点検動作の第1〜第3の種類としての点検モード1〜3として、例えば、
(a)点検モード1:蓄電池24によって照明部22に電力が供給されるか否かの点検動作を行うモード、
(b)点検モード2:蓄電池24における充電の程度の点検動作を行うモード、及び
(c)点検モード3:蓄電池24の電力供給に係る動作ログの点検動作を行うモード
と設定することができる。尚、いずれの点検モードにおいても起動している際には、照明部22が蓄電池24からの給電によってON状態となっていることも好ましい。
【0109】
また、点検モード2の充電の程度は、点検モード2の起動中に、照明装置1の専用端子から充電量(電池電圧)信号を取得して確認してもよく、又は照明装置1に設置された充電量デジタル表示計をもって確認できることも好ましい。さらに、点検モード3の動作ログも、照明装置1の専用端子から動作ログ信号を取得して確認してもよく、又は照明装置1に設置されたディスプレイをもって確認できることも好ましい。
【0110】
このように、本実施形態では、点検モード起動信号がON及びOFFの組(パルス1個分の挙動)を判定設定時間t
Kの間にN回行った際、点検モードNが時間tだけ起動する。即ち、制御部23は、点検指示判定部27が判定設定時間t
K内に「反射光Rを含むとの判定」及びその後の「反射光Rを含まないとの判定」の組を行った回数に応じて、予め当該回数毎に対応付けられた点検モード1〜3のうちから対応する点検モードNを選択し、選択した点検モードNを起動させることになる。その結果、点検光Tに対し判定設定時間t
Kの間にN回手をかざす(手を振る)という容易な操作によって、所望の点検モードNを選択して起動させることが可能となる。
【0111】
さらに、本実施形態では、制御部23は、起動させた点検モードの種類に応じて、予め当該種類毎に対応付けられた開始・停止回数のうちで対応する開始・停止回数Nを選択し、選択した開始・停止回数Nだけ照明部22への電力供給を開始させ且つ停止させる動作を繰り返す。このような照明の点滅によって点検モードの種類が報知され、N回の点滅を視認した点検者は、点検モードNが起動したことを認識することができる。
【0112】
図12は、本発明に係る点検動作の開始における更なる他の実施形態を示すタイミングチャートである。
【0113】
図12に示す実施形態では、起動された点検モード2が終了しないうちに、新たな点検モードを起動させることができる。例えば、点検モード3を起動させる際、点検者は、点検モード起動信号を3回出力させるように起動動作(手を振る動作)を3回行う。しかしながら、起動動作が不十分で、点検モード起動信号が判定設定時間t
K1の間に2回しか発生しなかった場合、点検モード2が起動してしまう。点検者は、この誤作動を、点検動作開始時における照明の2回の点滅を視認することにより認知する。
【0114】
点検者はそこで、再度起動動作(手を振る動作)を3回行い、点検モード2の終了を待たずに点検モード起動信号を判定設定時間t
K2の間に3回出力させ、所望の点検モード3を起動させる。ここで、点検動作開始時における照明の3回の点滅によって点検モード3が起動したことを確認する。
【0115】
このように、本実施形態によれば、意図しない点検モード起動の報知(照明の点滅)を視認した際、すかさず所望の点検モードを起動させることが可能となる。
【0116】
図13は、本発明による照明装置1の通常モード、停電モード及び点検モードにおける各構成部の動作を示すタイミングチャートである。
【0117】
図13(A)に示す通常モードでは、SW1の開閉に連動させてSW5を開閉することによって照明をON/OFFさせる。即ち、SW1が閉成されたらSW5を閉成し、照明をON状態にする。また、充電中である蓄電池24の電池電圧がセル1本当たりで所定の上限閾値電圧(ニッケル水素電池では約1.8V)にまで上昇したらSW3を開放し、蓄電池が過充電とならないようにすることも好ましい。
【0118】
また、
図13(B)に示す停電モードでは、SW1の開閉に依らず、蓄電池24から照明部22に電力が供給され、同時にSW5を閉成して照明をON状態にする。ここで、SW1が閉成している場合、停電の前後でも照明はON状態にあるので、照明を目視しているだけでは停電したか否かの判断はできない。この判断は、停電表示ランプの点灯の有無により判断する。SW1が開放している状態での停電では、停電と同時に照明がON状態となる。尚、停電中は蓄電池24の電力消費によって蓄電池24の電池電圧が低下する。この電池電圧がセル1本当たりで所定の下限閾値電圧(ニッケル水素電池では約1.0V)にまで低下したらSW4を開放し、過放電とならないようにすることも好ましい。
【0119】
さらに、
図13(C)に示す点検モードでは、SW1が閉成している場合、点検モードの前後でも照明はON状態にある。しかしながら、点検モードの起動は、起動のタイミングで点検モード報知動作として照明が点滅するので、容易に確認することができる。SW1が開放している場合も同様に、点検モード報知動作としての照明の点滅の後に照明がON状態となるので、点検モードの起動を確認することができる。
【0120】
以上、本発明によれば、「受波手段(受光器)で検出された波が、送波手段(投光器)から放射され点検者によって反射させられた反射波を含む」との判定を行った場合に、照明装置の点検動作を開始する。これにより、装置内から外部に操作用の道具を出したり外部から特別な道具を用いたりすることなく、点検動作を容易に開始させることができる。
【0121】
また、点検動作の開始を指示するために、装置内から外部に操作用の道具を出したり外部から特別な道具を用いたりする必要がないので、照明装置の全体を密封することができ、防水性や防塵性を高めることが容易となる。従って、例えば洞道等の高湿度の環境下、又は坑道等の粉塵の多い環境下でも高い信頼性をもって使用することのできる照明装置を提供することができる。
【0122】
なお、以上に述べた実施形態は全て、本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は、他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。