(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記天然の材料が、クローブ、タバコ、コーヒー豆、ココア、シナモン、バニラ、茶、緑茶、紅茶、ベイリーフ、かんきつ果皮、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、クミン、チリペッパー、チリパウダー、赤トウガラシ、ユーカリ樹、ペパーミント、カレー、アニス、ディル、フェンネル、オールスパイス、バジル、ローズマリー、胡椒、キャラウェーの実、シラントロ、ニンニク、からし、ナツメグ、タイム、ウコン、オレガノ、他の香辛料、ホップ、他の穀粒、砂糖およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載の方法。
前記導入する工程が、約1m/分〜約800m/分の速度における高濃度相空送供給を含み、かつ前記型が約3mm〜約10mmの直径を有する、請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、風味付けされた煙フィルターに使用されることができる有機多孔質体を製造するための装置、システムおよび関連する方法に関し、高生産性の方法ならびに関連する装置およびシステムを含む。
【0009】
本明細書に記載された有機多孔質体は、精油ではなく有機粒子を使用して、煙流に風味を導入する。本明細書で使用される用語「有機粒子」とは、加熱されたときまたは別の流体がフィルターを通って吸引されるときに、(たとえば、精油を放出することによって)風味を与えることができる天然の組成物をいう。有機粒子の使用は、風味料が天然の状態にあることを可能にし、それによって製品の保存可能期間が延長され、風味料の(たとえば、酸化による)劣化が軽減される。さらに、風味料が表面にスプレーされている従来のフィルター(たとえば、酢酸セルローストウフィルター)では、典型的には、シガレットの端を通してかなりの量の風味が失われる。本明細書に記載された有機多孔質体は、有利なことに、セグメント化フィルター(すなわち、両側に少なくとも1個のフィルターセグメントを有するもの)の内側セグメント中に使用されることができ、このことは風味の保持量および保存可能期間をさらに増すことができる。
【0010】
有機多孔質体は、喫煙具フィルター中にセグメントまたは区画として取り込まれてもよい。いくつかの実施態様では、煙流の温度を上昇させると、有機粒子からの風味料の放出を高めることができる。
【0011】
さらに、吸引抵抗の尺度である封入圧力低下は、有機多孔質体に対して適合化されることができる。たとえば、有機多孔質体の長さは変えられることができ、それは喫煙者への風味料の用量を変えることができる。また、この適合化によって、有機多孔質体を含まないフィルターと本質的に同じEPDを備えたフィルターの製造が可能になり、このことは次にこの新しい風味料付与の実現方法がより容易に市場に受け入れられることを可能にする。
【0012】
本明細書で使用される用語「有機多孔質体」とは、複数の接触点で機械的に結合された、複数の結合剤粒子および複数の有機粒子を含む質量体をいう。当該接触点は、有機粒子−結合剤間の接触点、結合剤−結合剤間の接触点および/または有機粒子−有機粒子間の接触点であることができる。本明細書で使用される用語「機械的結合」、「機械的に結合された」、「物理的結合」等は、2つの粒子を一緒に保持する物理的な連結を言う。機械的結合は、結合材料に応じて剛性または可撓性であることができる。機械的に結合することは、化学的に結合することを含んでいても、含んでいなくてもよい。一般に、機械的結合は、接着剤を含んでいない。もっとも、いくつかの実施態様では、機械的結合の後で接着剤が使用されて、他の添加物を有機多孔質体の一部に接着させてもよい。
【0013】
本明細書で使用される用語「粒子」および「微粒子」とは、互換的に使用され、材料のすべての公知の形状、たとえば球状および/または卵状、実質的に球状および/または卵状、円盤状および/または小板状、靱帯状、針状、線維状、多角形(たとえば、立方体)、不規則な形状(たとえば、砕石状)、ファセット状(たとえば、水晶形状)またはこれらの任意の混成物を包含する。
【0014】
有機多孔質体は、様々な方法によって製造されることができる。たとえば、いくつかの実施態様は、マトリクス材料(たとえば、有機粒子および結合剤粒子)を所望の形状に(たとえば、型を用いて)形成する工程、マトリクス材料を加熱して該マトリクス材料を一緒に機械的に結合する工程、および有機多孔質体に仕上げる工程(たとえば、有機多孔質体を切断して所望の長さにする工程)を含むことができる。多孔質体の製造に含まれる様々なプロセス/工程の中で、均一な分散を維持しながらマトリクス材料を所望の形状に形成する工程および加熱工程は、高生産性の製造を制限する2つの工程であることがある。したがって、高濃度相空送供給を用いる方法が、本明細書に記載された有機多孔質体の高生産性の製造(たとえば、約300m/分〜約800m/分)のための好ましい方法に含まれることができる。
【0015】
本明細書に記載された有機粒子は、マイクロ波を、本明細書に記載された有機多孔質体の迅速な焼結をもたらす熱に、変換する能力があることがあり、これは、有機多孔質体の高生産性の製造を可能にする。しかし、有機粒子のかなりの加熱は(たとえば、有機粒子を酸化または燃焼することによって)風味を損なうことがある。このような結果を緩和するために、いくつかの実施態様はマイクロ波増強添加物を使用することができる。さらに、この製造方法は、マイクロ波増強添加物の作用を最大化し、かつ有機粒子とマイクロ波との相互作用を最小化するように設計されることができる。たとえば、いくつかのマイクロ波増強添加物は、マイクロ波の周波数が異なれば異なる程度に相互作用することがある。そのため、マイクロ波増強添加物は、有機粒子とより少ない程度に相互作用する、対応する最適なマイクロ波周波数を有するように選ばれることができる。
【0016】
さらに、他の液状風味料上への有機微粒子の使用は、該有機微粒子が結合剤粒子とともに流動して、実質的に均質のブレンド、したがってより均質の有機多孔質体になることができることがある。もっとも他方で、液状風味料の使用は、結合剤粒子の凝集化およびそれから製造される有機多孔質体中に欠陥を生じる可能性が多分にある。
【0017】
本明細書で、数値列挙中の数に関して「約」が提示されているときは、用語「約」は、その数値列挙中の各数を修正することに留意しなければならない。範囲のいくつかの数値列挙では、列挙されたいくつかの下限は、列挙されたいくつかの上限よりも大きいことがあることに留意しなければならない。当業者は、選択された下位の組み合わせは、その選択された下限を超える上限の選択が必要になることを認識されよう。
【0018】
I.有機多孔質体を形成する方法および装置
有機多孔質体を形成する方法は、連続処理方法、バッチ処理方法または連続−バッチ混成処理方法を含むことができる。本明細書で使用される「連続処理」とは、間断なく材料を生産することまたは製造することをいう。材料の流れは、連続、間欠またはその両方の組み合わせであることができる。本明細書で使用される「バッチ処理」とは、個々の工程場所において単一の成分または一群の成分として材料を生産または製造し、そしてその後に当該単一の成分または一群の成分が次の工程場所に進むことをいう。本明細書で使用される「連続−バッチ処理」とは、連続とバッチとの混成をいい、いくつかの工程または一連の工程が連続して実施され、残りの工程がバッチ毎に実施される。
【0019】
概して有機多孔質体は、マトリクス材料から形成されることができる。本明細書で使用される「マトリクス材料」とは、有機多孔質体を形成するために使用される前駆体、たとえば結合剤粒子および有機粒子をいう。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、結合剤粒子および有機粒子を含む、から成る、またはから本質的になることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、結合剤粒子、有機粒子および添加物を含んでもよい。好適な結合剤粒子、有機粒子および添加物の非限定的な例は、本明細書に提示される。
【0020】
上記のように、フィルターの吸引特性の尺度である封入圧力低下(「EPD」)は、とりわけ、結合剤粒子のサイズおよび形状、有機粒子のサイズおよび形状、結合剤粒子および有機粒子のそれぞれの濃度、ならびに任意の添加物のサイズ、形状および濃度に依存することがある。そのため、本明細書に記載された製造方法は、いくつかの実施態様では、マトリクス材料またはその成分をサイズによって区分することを含んでいてもよい。たとえば、サイズ分けする工程は、マトリクス材料またはその成分を、たとえば標準メッシュ手順を用いてろ過することまたは篩分することを含んでもよい。
【0021】
本明細書に記載された有機粒子の使用は、いくつかの例では、特有の製造上の困難を伴う。たとえば、有機多孔質体に使用される有機粒子は、天然の組成物を摩砕することによって製造されることがある。他に特に規定がなければ、用語「摩砕」は、同様の方法、たとえば切断、たたき切り、破砕、粉砕、微粉砕等を、これらの方法を極低温下で行うことを含めて包含することに留意しなければならない。
【0022】
いくつかの例では、天然の材料の摩砕(等)は湿分および精油を放出し、これらは有機粒子の凝集を引き起こすことがあり、このことは、対応する有機粒子のサイズを変え、それから製造される有機多孔質体の特性に結局のところ影響を与えることがある。さらに、このような凝集物を用いて有機多孔質体を製造すると、有機多孔質体の一部がしわの寄った表面被覆層、空洞およびくぼみを有することが認められている。
【0023】
有機粒子の凝集を緩和するために、いくつかの実施態様は、有機粒子を乾燥することを含むことができる。いくつかの例では、乾燥は下げられた気圧(すなわち、大気圧未満の圧力)下で有機粒子を加熱することを含んでもよい。たとえば、約20℃〜約80℃(この部分集合、たとえば約40℃〜約60℃を包含する)の真空オーブンが、とりわけ有機粒子の量、相対表面積および加熱の間の気圧に応じて、数分〜数時間使用されることができる。乾燥温度が上記の好ましい範囲の外であってもよく、かつそれが本発明の範囲内にあることは、留意されなければならない。
【0024】
いくつかの例では、有機粒子の乾燥工程は、有機粒子をサイズ分けする工程の前、その後および/またはその間に行われてもよい。いくつかの例では、摩砕工程(等)が所望の有機粒子サイズを提供しかつ乾燥が凝集を最小限に抑える場合には、サイズ分けする工程は除いてもよい。
【0025】
有機多孔質体を形成する工程は該して、マトリクス材をある形状(たとえば、喫煙具フィルター、水フィルタ、エアーフィルター等の中に取り込むのに適した形状)に形成する工程、および該マトリクス材の少なくとも一部を複数の接触点で(たとえば、複数の焼結された接触点で)で機械的に(たとえば、焼結によって)結合する工程を含んでいてもよい。
【0026】
マトリクス材料をある形状に形成する工程は、型を含むことができる。いくつかの実施態様では、型は一体品または一体品の集合であって、後端キャップ、プレートまたはプラグを備えていてもよく、またいなくてもよい。いくつかの実施態様では、型は、組み合わせると型を形成する、複数の型部品であってもよい。いくつかの実施態様では、型部品は、コンベヤー、ベルト等によって一緒に接合されてもよい。いくつかの実施態様では、型部品は、材料経路に沿って静止しており、コンベアー、ベルト等がその中を通過するように構成され、当該型が半径方向に拡張、縮小して、所望の程度の圧縮をマトリクス材料に与えることができる。
【0027】
型は、任意の断面形状を有することができ、たとえば、これらに限定されないが、円形、実質的に円形、卵形、実質的に卵形、多角形(たとえば、三角形、正方形、長方形、五角形等)、丸みを帯びた端を有する多角形、ドーナツ形等、またはこれらの任意の混成形状を含む。いくつかの実施態様では、有機多孔質体は、孔または通路を含む断面形状を有することができ、これは1つ以上のダイを使用して;機械加工によって;適当な形状をした型によって;または任意の他の適当な方法(たとえば、分解性材料の分解)によって;達成されることができる。いくつかの実施態様では、有機多孔質体は、シガレットホルダーまたはパイプ用の特定の形状を有することができ、この形状は該シガレットホルダーまたはパイプ内にはめ込まれるように調節され、煙がフィルターを通過して消費者に届くことを可能にする。本明細書で有機多孔質体の形状を検討するときは、従来の喫煙具フィルターに関しては、該形状は、円柱の断面の直径または円周(ここで、円周とは円の周囲の長さである)を用いて言及されることができる。しかし本明細書に記載された有機多孔質体が、正確な円柱以外の形状である実施態様では、「円周」の用語は、円形の断面を含む任意の形状の断面の周囲長さを意味するように使用されることが理解されなければならない。
【0028】
概して、型は、長軸方向および該長軸方向に垂直な半径方向を有し、たとえば実質的に円筒形状を有することができる。当業者は、本明細書に提示された実施態様を、長軸および半径方向を定義できない型に、たとえば球形および立方体に、適用可能な場合にどのように置き換えられるかを理解しなければならない。いくつかの実施態様では、型は、長軸方向に沿って変化する断面形状、たとえば円錐形状、正方形から円形に移行する形状または螺旋形状を有することができる。シート形状の型(たとえば、2枚のプレート間の開口部によって形成された型)についてのいくつかの実施態様では、長軸方向は機械方向またはマトリクス材料の流れ方向である。いくつかの実施態様では、型は、巻かれた、または所望の断面形状、たとえば円筒形状にされた紙であることができる。いくつかの実施態様では、型は、長軸方向の継ぎ目で糊付けされた紙の円筒であってもよい。
【0029】
いくつかの実施態様では、型は長軸を有し、該長軸はそれに沿って第1の端部および第2の端部としての開口部を有することができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、処理される間、型の長軸に沿って通過することができる。非限定的な例として、
図1は、材料経路110に沿った長軸を有する型120を示す。
【0030】
いくつかの実施態様では、型は長軸を有し、該長軸はそれに沿って第1の端部および第2の端部としての開口部を有し、少なくとも1つの端部が閉じていてもよい。いくつかの実施態様では、該閉じた端部は、開くことが可能であってもよい。
【0031】
いくつかの実施態様では、個々の型は、機械的に結合する工程(たとえば、焼結する工程または焼結された接触点を形成する工程)の前にマトリクス材料を充填されることができる。いくつかの実施態様では、単一の型を使用して、機械的結合の前および/またはその間、マトリクス材料を連続的にその中を通すことによって、多孔質体を連続的に製造することができる。いくつかの実施態様では、単一の型を使用して、個々の多孔質体を製造することができる。いくつかの実施態様では、該単一の型は、再使用されおよび/または連続的に再使用されて、複数の個々の多孔質体を製造することができる。
【0032】
いくつかの実施態様では、型は、少なくとも部分的に、ラッパーで内張りされおよび/または離型剤でコーティングされることができる。いくつかの実施態様では、ラッパーは、個別のラッパー、たとえば紙片であることができる。いくつかの実施態様では、ラッパーは、巻き取り可能な長さのラッパー、たとえば50フィート(15.2メートル)のロール紙であることができる。
【0033】
いくつかの実施態様では、型は、複数のラッパーで内張りされることができる。いくつかの実施態様では、有機多孔質体を形成する工程は、(1個または複数の)型を(1個または複数の)ラッパーで内張りする工程を含むことができる。いくつかの実施態様では、有機多孔質体を形成する工程は、ラッパーが事実上、型を形成するように、マトリクス材料をラッパーで包む工程を含むことができる。このような実施態様では、ラッパーは、事前に型として形成されてもよく、マトリクス材料の存在下で型として形成されてもよく、または事前に(たとえば、粘着付与剤によって)形成された形状でマトリクス材料のまわりを包んでもよい。いくつかの実施態様では、ラッパーは、型の中に連続的に供給されることができる。ラッパーは、有機多孔質体を一定の形状に保持することができ;有機多孔質体を型から離型することができ;マトリクス材料が型内を通過するのを助けることができ;処理または出荷の間、有機多孔質体を保護することができ;またはこれらの任意の組み合わせをすることができる。
【0034】
好適なラッパーとしては、これらに限定されないが、紙(たとえば、木質系紙、亜麻を含む紙、亜麻紙、他の天然繊維または合成繊維から製造された紙、機能性紙、特殊マーキング紙、色付けされた紙)、プラスチック(たとえば、フッ素化ポリマー、例としてポリテトラフルオロエチレン、シリコーン)、フィルム、コート紙、コーティングされたプラスチック、コーティングされたフィルム等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施態様では、ラッパーは、喫煙具フィルターに使用されるのに適した紙であってもよい。
【0035】
いくつかの実施態様では、ラッパーは、それ自体に接着(たとえば、糊付け)されて、所望の形状、たとえば実質的に円筒構造を保持するのに役立つようにすることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料を機械的に結合する工程は、マトリクス材料をラッパーに機械的に結合する(または焼結する)工程でもあることができ、このことは、ラッパーをそれ自体に接着する必要を軽減することができる。
【0036】
好適な離型剤は、化学離型剤または物理離型剤であることができる。化学離型剤の非限定例としては、油、油性溶液および/または油性懸濁液、石鹸溶液および/または石鹸懸濁液、型表面に結合されたコーティング剤等ならびにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。物理離型剤の非限定例としては、紙、プラスチックおよびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。物理離型剤は、離型ラッパーと呼ばれることがあり、これも本明細書に記載されたラッパーと同様に用いられることができる。
【0037】
型で所望の断面形状に形成されれば、マトリクス材料は、複数の接触点で機械的に結合されることができる。機械的に結合する工程は、マトリクス材料が型内にある間および/またはその後で実施されることができる。機械的に結合する工程は、熱および/または圧力を用いて、かつ接着剤を用いないで達成されることができる。いくつかの実施態様では、接着剤が任意的に含まれてもよい。
【0038】
熱は、放射熱、伝導熱、対流熱およびこれらの任意の組み合わせであることができる。加熱としては、これらに限定されないが、熱源、たとえば型内部への加熱流体、型外部への加熱流体、スチーム、加熱された不活性ガス、有機多孔質体の成分(たとえば、ナノ粒子、有機粒子等)からの二次放射線、オーブン、ファーネス、火炎、導電材料または熱電材料、超音波等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。非限定例として、加熱としては、対流式オーブンまたは加熱ブロックが挙げられる。別の非限定例として、マイクロ波エネルギーによる加熱(単一モードまたは多重モードの加熱器)が挙げられる。別の非限定例では、加熱は、マトリクス材料が型内にある間、加熱した空気、窒素、または他のガスをマトリクス材料中を貫通させるのでもよい。いくつかの実施態様では、加熱した不活性ガスが使用されて、有機粒子および/または添加物の何らかの望ましくない酸化を軽減することができる。別の非限定例としては、型が発熱するように、熱電材料で作られた型が挙げられる。いくつかの実施態様では、加熱としては、上記の組み合わせ、たとえばマトリクス材料がマイクロ波オーブン中を通過する間、加熱したガスをマトリクス材料中に通すことが挙げられる。
【0039】
いくつかの実施態様では、有機粒子は生(green)の形態(たとえば、焼かれていない形態)であることができる。いくつかの実施態様では、生の有機粒子を含むマトリクス材料を可熱する工程は、有利であることには、該生の有機粒子を焼いて、それによって該有機粒子の風味プロフィールが変えられることである。このような粒子の例としては、これらに限定されないが、コーヒー、ホップ、砂糖等が挙げられる。
【0040】
いくつかの例では、マトリクス材料は、本明細書に記載された有機粒子よりもマイクロ波を効率的に吸収するマイクロ波増強添加物をさらに含んでいてもよい。このようなものとして、マイクロ波増強添加物は、有機多孔質体の製造を、高生産性の方法によることを含めて、高められた温度において低減された時間で可能にすることができ、このことはその効果として風味の悪化を軽減することができる。好適なマイクロ波増強添加物は、これらに限定されないが、マイクロ波応答ポリマー、炭素粒子(たとえば、活性炭)、フラーレン、炭素ナノチューブ、金属ナノ粒子、水等またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施態様では、マイクロ波増強添加物は好ましくは、風味料を吸着しない(または実質的に吸着しない)ことがある。というのは、そのような吸着は喫煙者に送達される風味を減少させることがあるからである。
【0041】
いくつかの実施態様では、マイクロ波増強添加物は、約1%、2%または3%の下限から、約10%、8%または5%の上限までの範囲の量で有機多孔質体中に含まれていてもよく、該量は、任意の下限から任意の上限までの範囲であってもよく、その間の任意の下位の組み合わせを包含する。マイクロ波増強添加物の量は、本発明の範囲内であればこの範囲の外であってもよいけれども、マイクロ波増強添加物の量は、必要とされるのよりも多くの容積を占めて、より多くの量の有機粒子を許容するように、比較的低いことが好ましいことがある。
【0042】
いくつかの例では、熱は、低酸素濃度の雰囲気中で施与されてもよく、これは、有機粒子の酸化を軽減し、有機粒子が望ましくない副生成物を最小限に抑えながら望ましいレベルの風味料を保持することを可能にすることができる。低酸素濃度の雰囲気の例としては、これらに限定されないが、アルゴン、窒素、二酸化炭素、下げられた気圧(たとえば、型を部分的減圧に吸引すること)等、およびこれらの任意の組み合わせ(たとえば、アルゴンでパージした後、部分的減圧に吸引すること)が挙げられる。いくつかの実施態様では、熱は、約14インチ(35.6cm)Hg、15インチ(38.1cm)Hgまたは20インチ(50.8cm)Hgの下限から、約30インチ(76.2cm)Hg、25インチ(63.5cm)Hgまたは20インチ(50.8cm)Hgの上限までの範囲の下げられた気圧下に施与されることができ、該下げられた気圧は、任意の下限から任意の上限までの範囲であることができ、その間の任意の下位の組み合わせを包含する。
【0043】
いくつかの例では、熱は、高められた気圧(すなわち、大気圧よりも高い気圧)(任意的に、適度に低酸素濃度の雰囲気)下に施与されてもよく、これは、有利なことに有機粒子からの精油の蒸発を軽減することができる。いくつかの実施態様では、熱は、大気圧から約2気圧までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含する範囲の、高められた気圧下に施与されてもよい。当業者は、この範囲の外の気圧が本開示発明の精神内で使用されてもよいが、追加の安全上の考慮が払われる必要があることを理解しなければならない。
【0044】
いくつかの例では、風味の保存は、予備加熱法のうちの少なくとも2つの組み合わせ、すなわちマイクロ波増強添加物を含むマトリクス材料をマイクロ波で加熱すること、低酸素濃度の雰囲気中で加熱すること、高められた気圧下に加熱すること等によって最大限にされてもよい。
【0045】
有機多孔質体の成分(たとえば、ナノ粒子、有機粒子等)からの二次放射熱は、いくつかの実施態様では、電磁放射線、たとえばガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、電波、および/または長電波を、その成分に照射することによって達成されることができる。非限定例として、マトリクス材料は、高周波を照射されると熱を発するカーボンナノチューブを含んでいることができる。別の非限定例では、マトリクス材料は、マイクロ波照射を熱に変換する能力のある炭素粒子のような有機粒子を含んでいることができ、この熱は、結合剤粒子同士を機械的に結合する、または機械的に結合することを助ける。いくつかの実施態様では、電磁放射線は、所望の成分と適切に相互作用するように、周波数および強度が調整されることができる。たとえば、活性炭素は、目標の加熱速度に適合するように選択された固定のまたは調節可能な設定強度で、約900MHz〜約2500MHzの範囲の周波数にあるマイクロ波と組み合わされて、使用されることができる。
【0046】
本開示発明の利益を享受する当業者は、異なる波長の電磁放射線は材料の異なる深さまで進入することを理解しなければならない。したがって、当業者は、一次または二次放射線方法を利用する際に、型の材料、配置および構成、マトリクス材料の組成、電磁放射線を熱に変換する成分、電磁放射線の波長、電磁放射線の強度、照射方法ならびに二次放射線の所望の量、たとえば熱を考慮しなければならない。
【0047】
機械的結合(たとえば、焼結した接触点)を起こさせるために、加熱し(本明細書に記載された任意の方法、たとえば対流式オーブンまたは電磁放射線への曝露によるものを含む)および/または圧力をかけるための滞留時間は、約100分の1秒、10分の1秒、1秒、5秒、30秒または1分の下限から、約30分、15分、5分、1分または1秒の上限までの範囲の時間であることができ、該滞留時間は、任意の下限から任意の上限までの範囲であることができ、その間の任意の下位の組み合わせを包含する。より高速な加熱方法、たとえばマイクロ波のような電磁放射線への曝露を利用する連続方法の場合、短い滞留時間が好ましく、たとえば約10秒以下、またはより好ましくは約1秒以下であってもよいことに留意しなければならない。さらに、対流加熱のような方法を使用する処理方法は、分の時間スケールの、より長い滞留時間を提供することができ、それは30分を超える滞留時間を含むことができる。適切な温度および加熱プロフィールが所与のマトリクス材料に対して選択されることができることを条件として、より長い時間、たとえば数秒から、数分、数時間またはそれ以上までが適用されることができることを、当業者は理解しなければならない。機械的結合が可能になるのに十分な温度および/または圧力までではない予備加熱または予備処理方法および/もしくは工程は、本明細書で使用される滞留時間の一部とはみなされないことに留意しなければならない。
【0048】
いくつかの実施態様では、機械的結合を促進するための加熱は、マトリクス材料の成分の軟化温度までであることができる。本明細書で使用される用語「軟化温度」とは、その温度を超えると材料が柔軟になる温度をいい、これは典型的には該材料の融点よりも低い。
【0049】
いくつかの実施態様では、機械的に結合する工程は、約90℃、100℃、110℃、120℃、130℃または140℃の下限から、約300℃、275℃、250℃、225℃、200℃、175℃または150℃の上限までの範囲の温度で達成されることができ、この温度は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、加熱は、材料を単一の温度に付することによって達成されてもよい。別の実施態様では、温度プロフィールは時間とともに変化してもよい。非限定例として、対流式オーブンが使用されてもよい。いくつかの実施態様では、加熱はマトリクス材料内に局所化されてもよい。非限定例として、ナノ粒子からの二次放射線は、ナノ粒子に近接したマトリクス材料のみを加熱することができる。
【0050】
いくつかの実施態様では、マトリクス材料は型に入る前に予熱されることができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、該マトリクス材料の成分の軟化温度より低い温度まで予熱されてもよい。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、該マトリクス材料の成分の軟化温度より約10%、約5%または約1%低い温度まで予熱されてもよい。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、該マトリクス材料の成分の軟化温度より約10℃、約5℃または約1℃低い温度まで予熱されてもよい。予熱は、熱源、たとえば機械的に結合する工程を達成するための熱源として上に列挙されたものを含むことができるが、これらに限定されない。
【0051】
いくつかの実施態様では、マトリクス材料を結合する工程は、有機多孔質体または長尺有機多孔質体をもたらすことができる。本明細書で使用される用語「長尺有機多孔質体」とは、連続有機多孔質体(すなわち、際限なく続くのではなくて、有機多孔質体に比べて長いものであって、連続的に製造されることができる有機多孔質体)をいう。非限定例として、長尺有機多孔質体は、マトリクス材料を加熱された型内に連続的に通すことによって製造されてもよい。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、機械的に結合する工程の間、その元の物理的形状(または実質的に保持された元の形状、たとえば元の形状から10%以下の形状変化(たとえば、収縮)をした形状)を保持することができる、すなわち、結合剤粒子は、マトリクス材料中および有機多孔質体(または長尺体)中で実質的に同じ形状であることができる。簡潔さおよび読み易さのため、他に特に規定がないときは、用語「有機多孔質体」は、有機多孔質体区画、有機多孔質体、長尺有機多孔質体(包まれたものまたはそうでないもの)を包含する。
【0052】
いくつかの実施態様では、長尺有機多孔質体は切断されて、有機多孔質体をもたらすことができる。切断は、カッターを用いて達成されてもよい。好適なカッターとしては、これらに限定されないが、ブレード、ホットブレード、カーバイドブレード、ステライトブレード、セラミックブレード、硬化スチールブレード、ダイヤモンドブレード、平滑ブレード、鋸ブレード、レーザー、加圧流体、液体ランス、ガスランス、裁断機等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。高速度処理を伴ういくつかの実施態様では、切断ブレードまたは同様の用具は、長軸に垂直な端部を有する有機多孔質体をもたらすように、処理速度に合った角度に配置されてもよい。いくつかの実施態様では、カッターは、長尺有機多孔質体の長軸に沿って、該長尺有機多孔質体との相対的位置を変えることができる。
【0053】
いくつかの実施態様では、有機多孔質体および/または長尺有機多孔質体は、押出しされることができる。いくつかの実施態様では、押出にはダイを用いてもよい。いくつかの実施態様では、ダイは、有機多孔質体および/または長尺有機多孔質体を押出すことができる複数の穴を有してもよい。
【0054】
いくつかの実施態様は、有機多孔質体および/または長尺有機多孔質体を半径方向に切断して、有機多孔質体区画をもたらすことを含むことができる。切断は、長尺有機多孔質体を有機多孔質体に切断することに関して上記されたものを含むがこれらに限定されない、任意の公知の装置を用いて任意の公知の方法によって達成されてもよい。
【0055】
有機多孔質体またはその区画の長さは、約2mm、3mm、5mm、10mm、15mm、20mm、25mmまたは30mmの下限から、約150mm、100mm、50mm、25mm、15mmまたは10mmの上限までの範囲であることができ、該長さは、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0056】
有機多孔質体の外周は、約5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、25mmまたは26mmの下限から、約60mm、50mm、40mm、30mm、20mm、29mm、28mm、27mm、26mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mmまたは16mmの上限までの範囲であることができ、該外周は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0057】
当業者は、喫煙物品以外のろ過装置用に構成された有機多孔質体の寸法要件を認識することができるであろう。非限定例として、同心流体フィルター用に構成された有機多孔質体は、約250mm以上の外径を有する中空円柱であることができる。別の非限定例として、エアフィルター中のシート用に構成された有機多孔質体は、長さおよび幅が数10センチメートルで比較的薄い厚さ(たとえば、約5mm〜約50mm)を有してもよい。
【0058】
いくつかの実施態様は、マトリクス材料が機械的に結合された後、たとえば有機多孔質体が型から出てきた後または押出ダイから出てきた後、ラッパーで有機多孔質体を包む工程を含むことができる。好適なラッパーは上記のものを含む。
【0059】
いくつかの実施態様は、有機多孔質体を冷却する工程を含むことができる。冷却は能動的または受動的であることができる、すなわち、冷却は補助されたものでも、自然に生じるものでもよい。能動的冷却は、流体を型および/または有機多孔質体のまわりにおよび/またはこれらの内に通すこと;型および/または有機多孔質体の周囲の局所環境の温度を低下させること、たとえば冷凍された成分を通すこと;およびこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。能動的冷却は、これらに限定されないが、冷却コイル、液体噴射、熱電材料およびこれらの任意の組み合わせを包含する要素を含んでもよい。冷却速度はランダムであっても、制御されたものでもよい。
【0060】
いくつかの実施態様は、有機多孔質体を別の場所に移送することを含むことができる。移送の好適な形態としては、これらに限定されないが、搬送、運搬、転がし、押し、積み込み、ロボット動作等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0061】
本開示発明の利益を享受する当業者は、有機多孔質体を製造することができる複数の装置および/またはシステムを理解することができるはずである。非限定例として、
図1〜11は有機多孔質体を製造することができる複数の装置および/またはシステムを例示する。
【0062】
システムが使用される場合、システムの要素を備えた装置を有することおよびその逆は、本開示発明の範囲内であることに留意しなければならない。
【0063】
理解を容易にするために、本明細書では用語「材料経路」は、それに沿ってマトリクス材料および/または有機多孔質体が、システムおよび/または装置内を移動する経路を特定するために使用される。いくつかの実施態様では、材料経路は連続であることができる。いくつかの実施態様では、材料経路は不連続であってもよい。非限定例として、複数の独立した型を用いるバッチ処理のためのシステムは、不連続の材料経路を有するとみなされることができる。
【0064】
ここで
図1A、1Bを参照すると、システム100はホッパー122を含み、ホッパー122は材料経路110に動作可能に連結されて、マトリクス材料(図示せず)を材料経路110に供給することができる。システム100はまた、給紙装置132を含み、給紙装置132は材料経路110に動作可能に連結され、紙130を材料経路110に供給して、型120とマトリクス材料との間でマトリクス材料を実質的に包囲するラッパーを形成することができる。加熱要素124は、マトリクス材料が型120内にある間、マトリクス材料と熱連通する。加熱要素124は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって、包まれた長尺有機多孔質体(図示せず)をもたらすことができる。包まれた長尺有機多孔質体が型120から出て、適切に冷却された後、カッター126は、包まれた長尺有機多孔質体を半径方向に、すなわち長軸に垂直に切断し、それによって、包まれた有機多孔質体および/または有機多孔質体区画がもたらされる。
【0065】
図1A、1Bは、システム100が任意の角度で傾斜していてもよいことを実証する。本開示発明の利益を享受する当業者は、システム100またはその任意の構成要素が配置される傾斜角度を調節する際の立体配置上の考慮点を理解しなければならない。非限定例として、
図1Bは、ホッパー122(および任意の相当するマトリクス供給装置)の出口が型120内にあるように、ホッパー122が構成されることができることを示す。いくつかの実施態様では、型は、垂直もしくは水平の角度にありまたはその間の任意の角度で傾斜していることができる。
【0066】
いくつかの実施態様では、マトリクス材料を材料経路に供給する工程は、任意の好適なフィーダーシステム、たとえば、これらに限定されないが、手送り、容積計量フィーダー、質量流量フィーダー、重量フィーダー、加圧容器(たとえば、加圧ホッパーまたは加圧タンク)、オーガーまたはスクリュー、シュート、滑動部、コンベヤー、チューブ、導管、チャンネル等およびこれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施態様では、材料経路は、ホッパーと型との間に機械要素、たとえば、これらに限定されないが、ガーニチュア、圧縮型、流水圧縮型、ラムプレス、ピストン、攪拌機、押出器、2軸押出器、固相押出器等およびこれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施態様では、供給工程は、これらに限定されないが、強制供給、制御速度供給、容積計量供給、質量流量供給、重量供給、真空補助供給、流動粉体供給、高濃度相空送供給(たとえば、スラグ流、摺動流または不規則摺動流、せん断床流またはリップル流、および押出流)、希薄相空送供給およびこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0067】
いくつかの実施態様では、高濃度相空送供給によってマトリクス材料を材料経路に供給する工程は、有利なことに高処理量での処理を可能にすることができる。高濃度相空送供給は従来、大口径の出口を用いて大流量で実施されてきたが、本発明において思いがけずも、高速度で小口径を用いても有効であることが示された。たとえば、驚いたことに、高濃度相空送供給の使用が、小口径(たとえば、約5mm〜約25mmおよび約5mm〜約10mm)で、高処理量(たとえば、約6.1mmの管出口[本明細書でさらに説明される]の場合に約575kg/時または約500m/分)で実証された。重量供給は通常、同じような直径で約10m/分より低い生産量であることと比較して、高濃度相空送供給は50mm超のサイズの出口で同じような速度で実施されることができる。マトリクス材料用に、とりわけ顆粒状または微粒子状のマトリクス材料用に、小さい直径と高処理量とを組み合わせることは、思いがけないことであった。当業者は、型に適合する、高濃度相空送供給装置の出口の適切なサイズおよび形状を認識することができるだろう。非限定例として、出口は、形状は型に類似しているが、大きさが型よりも小さく、かつ型内に延在するものでもよい。別の実施態様では、出口はシート多孔質体用の型に適合するような形状(たとえば、長く長方形の出口)または中空円筒状多孔質体用の型に適合するような形状(たとえば、ドーナツ形状の出口)であってもよい。
【0068】
さらに、高濃度相空送供給の方法は、結合剤粒子と有機粒子とのサイズおよび/または形状が異なると、とりわけ問題を起こすことがある粒子のマイグレーションおよび分離を、有利であることに軽減することができる。理論に制限されるわけではないが、加圧ホッパーにかけられた空気圧はマトリクス材料の栓流を生み出し、これは微粒子の分離を最小化し、従って、フィーダーの出口で、より均質でより一体性のあるマトリクス材料組成物を提供する。いくつかの実施態様では、加圧ホッパーは、質量流として設計されてもよい。質量流の条件は、とりわけ、加圧ホッパーの内壁の傾斜度、該壁の素材およびマトリクス材料の組成に依存することがある。
【0069】
いくつかの実施態様では、材料経路へのマトリクス材料の供給速度は、約1m/分、10m/分、25m/分、100m/分または150m/分の下限から、約800m/分、600m/分、500m/分、400m/分、300m/分、200m/分または150m/分の上限までの範囲であることができ、該供給速度は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、約0.5mm、2mm、3mm、4mm、5mmまたは6mmの下限から、約10mm、9mm、8mm、7mmまたは6mmの上限までの範囲の直径を有する型との組み合わせで、材料経路へのマトリクス材料の供給速度は、約1m/分、10m/分、25m/分、100m/分または150m/分の下限から、約800m/分、600m/分、500m/分、400m/分、300m/分、200m/分または150m/分の上限までの範囲であることができ、該型直径および供給速度のそれぞれは独立に、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。当業者は、実現可能な該直径(または形状)と供給速度との組み合わせが、とりわけ、マトリクス材料中の粒子のサイズおよび形状、マトリクス材料の他の成分(たとえば、添加物)、マトリクス材料の透気度および脱気定数、搬送される距離(たとえば、管の長さ。これは本明細書でさらに説明される)、搬送システムの配置等およびこれらの任意の組み合わせに依存することがあることを理解しなければならない。
【0070】
いくつかの実施態様では、空送流は、約15以上の固体と流体との比によって特性付けられてもよい。いくつかの実施態様では、空送流は、約15、20、30、40または50の下限から、約500、400、300、200、150、130、100または70の上限までの範囲の固体と流体との比によって特性付けられることができ、該固体と流体との比は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。該固体と流体との比は、とりわけ、高濃度相空送供給のタイプに依存することがあり、押出高濃度相供給は、典型的にはより高い数値で行われる。
【0071】
いくつかの実施態様では、高濃度相空送供給は、約1psig(6.9kPag)、2psig(13.8kPag)、5psig(34.5kPag)、10psig(68.9kPag)または25psig(172kPag)の下限から、約150psig(1034kPag)、125psig(862kPag)、100psig(689kPag)、50psig(345kPag)または25psig(172kPag)の上限までの空気圧をかけることを含むことができ、該空気圧は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。該空気圧は、複数のガスで、たとえば不活性ガス(たとえば、窒素、アルゴン、ヘリウム等)、含酸素ガス、加熱されたガス、乾性ガス(すなわち、約6ppm未満の水)等およびこれらの任意の組み合わせ(たとえば、窒素またはアルゴンのような、加熱された乾性の不活性ガス)で、かけられることができることに留意しなければならない。高濃度相空送供給を含むシステムの例が、本明細書に含まれている。
【0072】
上記のように、本明細書に記載された有機粒子のうちのいくつかは凝集する傾向がある。いくつかの実施態様では、マトリクス材料を型に供給する工程は、条件調整された環境(たとえば、低い相対湿度)中でおよび/または下げられた温度中で実施されて、有機粒子が凝集する傾向が低減されてもよい。さらに、凝集塊を壊し凝集塊の形成を抑える供給方法、たとえばせん断混合、オーガー混合等が使用されてもよい。
【0073】
いくつかの実施態様では、供給工程は、スペーサー材料を所定の間隔で挿入可能にするために、間欠供給にすることができる。好適なスペーサー材料としては、添加物、隙間のない隔壁(たとえば、型部品)、多孔質隔壁(たとえば、紙および離型ラッパー)、フィルター、空洞等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施態様では、供給工程は、撹拌および/または振動を含むものでもよい。本開示発明の利益を享受する当業者は、適切である撹拌および/または振動の程度を、たとえば、大きい結合剤粒子および小さい有機粒子を含む均等に分散されたマトリクス材料は振動によって悪影響を受ける恐れがあることを、すなわち均一性が少なくとも部分的に失われる恐れがあることを理解しなければならない。さらに、供給操作のパラメーターおよび/またはフィーダーが、製造される有機多孔質体の最終特性に及ぼす影響、たとえば少なくとも空隙容量(以下でさらに説明される)、封入圧力低下(以下でさらに説明される)および組成の均一性への影響を、当業者は理解しなければならない。
【0074】
いくつかの実施態様では、マトリクス材料またはその成分は、材料経路の中に導入される前および/または材料経路の中を通っている間に乾燥されることができる。乾燥工程は、いくつかの実施態様では、マトリクス材料またはその成分を加熱すること、マトリクス材料またはその成分上に乾燥ガスを流すことまたはこれらの任意の組み合わせを用いて達成されてもよい。いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、約10重量%以下、約5重量%以下、またはより好ましくは約2重量%以下、さらにいくつかの実施態様では、0.01重量%という低さの湿分含有量を有することができる。湿分含有量は、凍結乾燥法または乾燥後の重量減少法を含む公知の方法によって分析されることができる。
【0075】
ここで
図2A、2Bを参照すると、システム200はホッパー222を含み、ホッパー222は材料経路210に動作可能に連結されて、マトリクス材料を材料経路210に供給することができる。システム200はまた、給紙フィーダー232を含み、給紙フィーダ232は材料経路210に動作可能に連結され、紙230を材料経路210に供給して、型220とマトリクス材料との間でマトリクス材料を実質的に包囲するラッパーを形成することができる。さらに、システム200は、離型フィーダー236を含み、離型フィーダ236は材料経路210に動作可能に連結され、離型ラッパー234を材料経路210に供給して、紙230と型220との間でラッパーを形成することができる。いくつかの実施態様では、離型フィーダー236はコンベヤー238として構成されて、離型ラッパー234を連続的に循環することができる。加熱要素224は、マトリクス材料が型220内にある間、マトリクス材料と熱連通する。加熱要素224は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって、包まれた長尺有機多孔質体をもたらすことができる。包まれた長尺有機多孔質体が型220から出て、適切に冷却された後、カッター226が、包まれた長尺有機多孔質体を半径方向に切断し、それによって、包まれた有機多孔質体および/または有機多孔質体区画がもたらされる。離型ラッパー234がコンベヤー238として構成されない実施態様では、離型ラッパー234は、切断前に、包まれた長尺有機多孔質体から、または切断後に、包まれた有機多孔質体および/または包まれた有機多孔質体区画から、除かれてもよい。
【0076】
ここで
図3を参照すると、システム300は、成分ホッパー322aおよび322bを含み、成分ホッパー322aおよび322bはマトリクス材料の成分をホッパー322に供給することができる。マトリクス材料は、ホッパー322内で、ミキサー328およびプレヒーター344によって混合され予熱されることができる。ホッパー322は、材料経路310に動作可能に連結されて、マトリクス材料を材料経路310に供給する。システム300はまた、給紙フィーダー332を含み、給紙フィーダー332は材料経路310に動作可能に連結されて、紙330を材料経路310に供給して、型320とマトリクス材料との間でマトリクス材料を実質的に包囲するラッパーを形成することができる。型320は流体接続部346を含むことができ、それを通って加熱された流体(液体またはガス)が材料経路310の中に入り、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合し、それによって、包まれた長尺有機多孔質体をもたらすことができる。流体接続部346は、型320に沿って任意の場所に配置されることができ、また複数の流体接続部346が型320に沿って配置されてもよいことに留意しなければならない。包まれた長尺有機多孔質体が型320から出て、適切に冷却された後、カッター326は、包まれた長尺多孔質体を半径方向に切断し、それによって包まれた有機多孔質体および/または包まれた有機多孔質体区画がもたらされる。
【0077】
本開示発明の利益を享受する当業者は、予熱が、個々の供給材料成分についてホッパー322の前で、および/または混合された成分についてホッパー322の後で行われることもできることを理解しなければならない。
【0078】
好適なミキサーとしては、これらに限定されないが、リボンブレンダー、パドルブレンダー、プラウブレンダー、ダブルコーンブレンダー、ツインシェルブレンダー、遊星ブレンダー、流動ブレンダー、高強度ブレンダー、回転ドラム、混合スクリュー、回転ミキサー等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0079】
いくつかの実施態様では、成分ホッパーは、マトリクス材料の個々の成分を保有し、たとえば2成分ホッパーであって、一方が結合剤粒子を保有し、他方が有機粒子を保有するものであることができる。いくつかの実施態様では、成分ホッパーは、マトリクス材料の成分の混合物を保有し、たとえば2成分ホッパーであって、一方が結合剤粒子と有機粒子との混合物を保有し、他方がビタミンのような添加物を保有するものであってもよい。いくつかの実施態様では、成分ホッパー中の成分は、固形物、液状物、ガス状物またはこれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施態様では、複数の異なる成分ホッパーの成分が、異なる割合で1個のホッパーに添加されて、マトリクス材料の所望のブレンドが達成されてもよい。非限定例として、3個の成分ホッパーが別々に、有機粒子、結合剤粒子、および染料または顔料(以下でさらに説明される添加物)を保有してもよい。結合剤粒子は、有機粒子の2倍の割合でホッパーに添加されることができ、染料または顔料は、有機粒子および結合剤粒子の両方の上に少なくとも部分的なコーティングを形成するようにスプレーされることができる。
【0080】
いくつかの実施態様では、型への流体接続部は、流体を型の中に通すもの、流体を型内を貫通させるものおよび/または型内に引き込むものであることができる。本明細書で使用される用語「引き込む」とは、境界前後でおよび/または経路に沿って負の圧力降下を生じさせること、たとえば吸引することをいう。加熱された流体を型の中に通すことおよび/または型内を貫通させることは、その中のマトリクス材料を機械的に結合することを支援することができる。内部にラッパーを配置させた型の内に引き込むことは、型を均一に、たとえばしわがより少ない状態で内張りすることを支援することができる。
【0081】
ここで
図4を参照すると、システム400は、ホッパー422を含み、ホッパー422は材料経路410に動作可能に連結されて、マトリクス材料を材料経路410に供給することができる。ホッパー422は、ホッパー422の出口またはその出口からの延長部が型420内にあるように、材料経路410に沿って構成されることができる。これによって、有利であることには、マトリクス材料が、マトリクス材料の充填およびその結果として得られる多孔質体の空隙容量を調節できる速度で型420の中に供給されることが可能になり得る。この非限定例では、型420は熱電材料を含み、したがって電源接続部448を含む。システム400はまた、離型フィーダー436を含み、離型フィーダー436は材料経路410に動作可能に連結され、離型ラッパー434を材料経路410の中に供給して、型420とマトリクス材料との間でマトリクス材料を実質的に包囲するラッパーを形成することができる。型420は熱電材料から作られることができ、それによって型420は熱を提供して、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合し、それによって、包まれた長尺有機多孔質体がもたらすことができる。型420の後で材料経路410に沿って、ローラー440は、型420を通って包まれた長尺有機多孔質体の移動を動作可能に補助することができる。包まれた長尺有機多孔質体が型420から出て、適切に冷却された後、カッター426は、包まれた長尺有機多孔質体を半径方向に切断し、それによって、包まれた有機多孔質体および/または包まれた有機多孔質体区画がもたらされる。切断後、有機多孔質体は、材料経路410に沿って進み、有機多孔質体コンベヤー462上で、たとえば包装またはさらなる処理をされる。離型ラッパー434は、切断前に、包まれた長尺有機多孔質体から、または切断後に、包まれた多孔質体および/または包まれた有機多孔質体区画から除かれることができる。
【0082】
好適なローラーおよび/またはローラーの代替品としては、これらに限定されないが、はめ歯、はめ歯歯車、車輪、ベルト、ギヤ等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。さらにローラー等は、平らなもの、歯付きのもの、傾斜しているもの、および/または凹凸があるものでもよい。
【0083】
ここで
図5を参照すると、システム500は、ホッパー522を含み、ホッパー522は材料経路510に動作可能に連結され、マトリクス材料を材料経路510に供給することができる。加熱要素524は、マトリクス材料が型520の中にある間、該マトリクス材料と熱連通している。加熱要素524は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって長尺有機多孔質体がもたらされることができる。長尺有機多孔質体が型520から出た後、ダイ542が、長尺有機多孔質体を所望の断面形状に押出すために使用されることができる。ダイ542は、複数のダイ542’(たとえば、複数のダイまたは単一のダイ内の複数の穴)を含むことができ、それを通って長尺有機多孔質体が押出されることができる。長尺有機多孔質体がダイ542を通って押出され、適切に冷却された後、カッター526が長尺有機多孔質体を半径方向に切断し、それによって有機多孔質体および/または有機多孔質体区画がもたらされる。
【0084】
ここで
図6Aを参照すると、システム600は、給紙フィーダー632を含み、給紙フィーダー632は材料経路610に動作可能に連結されて、紙630を材料経路610の中に供給することができる。ホッパー622(または他のマトリクス材料送達装置、たとえばオーガー)は、材料経路610に動作可能に連結されて、マトリクス材料を紙630の上に配置することができる。紙630は、型620(またはシガレットフィルター形成装置との関連でガーニチュア装置と呼ばれることもある圧縮型)を貫通することによってマトリクス材料のまわりを少なくとも部分的に包むことができ、これによって所望の断面形状が提供される(または、任意的に、いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、所望の断面の形成が開始された後、または完了した後に、紙630と組み合わせられてもよい)。いくつかの実施態様では、紙の継ぎ目は糊付けされることができる。加熱要素624(または代わりに、電磁放射線源、たとえばマイクロ波源、対流式オーブン、加熱ブロック等またはこれらの混成物)は、マトリクス材料が型620内にある間および/または型620から出た後、マトリクス材料と熱連通している。加熱要素624は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって包まれた長尺有機多孔質体がもたらされることができる。包まれた長尺有機多孔質体が型620から出て、適切に冷却された後、カッター626は、包まれた長尺有機多孔質体を半径方向に切断し、それによって、包まれた有機多孔質体および/または有機多孔質体区画がもたらされる。システム600内を通過する移動は、型620は静止したままで、コンベヤー658によって支援されてもよい。示されてはいないが、類似の実施態様は、紙630を環状コンベヤーの一部として含むことができ、これは切断前に長尺有機多孔質体から剥され、これによって有機多孔質体および/または有機多孔質体区画がもたらされることに留意しなければならない。
【0085】
ここで
図6Bを参照すると、システム600’は、給紙フィーダー632’を含み、給紙フィーダー632’は材料経路610’に動作可能に連結されて、紙630’を材料経路610’の中に供給することができる。ホッパー622’(または他のマトリクス材料送達装置、たとえばオーガー)は、材料経路610’に動作可能に連結されて、マトリクス材料を紙630’の上に配置することができる。紙630’は、型620’(またはシガレットフィルター形成装置との関連でガーニチュア装置と呼ばれることもある圧縮型)を貫通することによってマトリクス材料のまわりを少なくとも部分的に包むことができ、これによって所望の断面形状が提供される(または任意的に、いくつかの実施態様では、マトリクス材料は、所望の断面の形成が開始された後または完了した後に、紙630’と組み合わせられてもよい)。いくつかの実施態様では、紙の継ぎ目は糊付けされてもよい。
【0086】
システム600’は、複数の加熱要素624’を含むことができる。加熱要素624a’は、マトリクス材料が型620’内にある間および/または型620’から出た後、マトリクス材料と熱連通しており、マトリクス材料の少なくとも一部を複数の点で機械的に結合させる(たとえば、焼結した接触点を形成させる)ことができる。長尺有機多孔質体は次に、(たとえば、包まれた長尺有機多孔質体の断面の形状を変更するために)圧縮型656’によって所望の断面の形状またはサイズにされることができ、そして次に第2の加熱要素624b’(これは、第1の加熱要素624a’に類似する、たとえば両方ともにマイクロ波、または互いに異なる、たとえば第1がマイクロ波で、第2がオーブンである加熱要素であることができる。)によって再加熱されて、追加の機械的結合(たとえば、焼結した接触点)を形成することができる。任意的に、示されてはいないが、第2の加熱要素624b’を出た後の包まれた長尺有機多孔質体は、もう一度所望の断面の形状またはサイズにされることができる。得られた、包まれた長尺有機多孔質体は次に、適切に冷却され、カッター626’によって半径方向に切断されて、包まれた有機多孔質体および/または包まれた有機多孔質体区画にされる。システム600’内を通過する移動は、型620’は静止したままで、コンベヤー658’によって支援されてもよい。
【0087】
いくつかの実施態様では、最初の焼結または加熱工程の程度に応じて、長尺有機多孔質体は冷却され、切断され、次に再加熱されてもよい。当業者は、本明細書に記載されたこの別のシステムおよび方法をどのように修正して、2つ以上の焼結(または加熱)工程を準備するかを認識することができるだろう。
【0088】
いくつかの実施態様では、マトリクス材料が高められた温度にある間、有機多孔質体等は、圧力をかけられてサイズを変更されおよび/または形状を変更されることができる。圧縮成形は、ロッドを最終形状または寸法にするのに適した、機械駆動のもしくは機械駆動でない定寸ローラーもしくは形成ローラー、一連のローラー、もしくは1つのダイもしくは一連のダイ、またはこれらの任意の組み合わせから成ることができる。サイズの変更および/または形状の変更は、該方法のそれぞれの加熱工程の後で実施されることができる。
【0089】
ここで
図7Aを参照すると、システム700は、給紙フィーダー732を含み、給紙フィーダー732は材料経路710に動作可能に連結されて、紙730を材料経路710の中に供給することができる。図に示されたように、型720は、長軸方向の継ぎ目を糊付けされ円筒状に巻かれた紙であり、形成型756a(または、形成型は、シガレットフィルター形成装置との関連ではガーニチュア装置と呼ばれることもあり、たとえば紙管フォルダーである。)を用いてオンザフライで形成され、それによって紙730が糊塗布装置754(たとえば、糊スプレーガン)を用いて塗布された糊752とともに巻かれることができ、任意的に、その後に糊継ぎ目加熱機(示されていない)があってもよい。型720を形成している間、マトリクス材料は、ホッパー722から材料経路710に沿って導入されることができる。型720と熱連通している加熱要素724(たとえば、マイクロ波源、対流式オーブン、加熱ブロック等またはこれらの混成物)は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって包まれた長尺有機多孔質体がもたらされることができる。次いで、圧縮型756bが、マトリクス材料が完全に冷却される前に使用されて、包まれた長尺有機多孔質体を所望の断面サイズとすることができ、これは、有利であることに、包まれた有機多孔質体の外周および形状(たとえば、長円形)の均一性を得るために使用されることができる。包まれた長尺有機多孔質体が適切に冷却された後、カッター726が、包まれた長尺有機多孔質体を半径方向に切断し、それによって包まれた有機多孔質体および/または有機多孔質体区画がもたらされる。システム700内を通過する移動は、ローラー、コンベヤー等によって支援されることができる(図示せず)。本開示発明の利益を享受する当業者は、ここに記載されたプロセスは、単一の装置内で、または複数の装置内で実施されることができることを理解しなければならない。たとえば、紙を巻く工程、マトリクス材料を導入する工程、熱に曝露する工程(たとえば、マイクロ波を印加する工程または従来型のオーブンで加熱する工程)およびサイズを変更する工程は、単一の装置内で実施されることができ、得られた長尺有機多孔質体は、切断のために第2の装置に搬送されてもよい。システム700は任意の方向に、たとえば垂直もしくは水平またはその間の任意の方向に配置されることができる。
【0090】
いくつかの実施態様では、マトリクス材料が高められた温度にある間に、有機多孔質体等は、圧力をかけられてサイズおよび/または形状を変更されることができる。
【0091】
いくつかの実施態様では、紙型(または他の可撓性の型材料、たとえばプラスチックの型)を封じるために使用される糊または他の接着剤は、コールドメルト接着剤、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、硬化性接着剤等であってもよい。コールドメルト接着剤は、後続の加熱工程の間(たとえば、焼結の間)の糊付け部の破壊を軽減するために好まれることがある。
【0092】
ここで
図7Bを参照すると、システム700’は、給紙フィーダー732’を含み、給紙フィーダー732’は材料経路710’に動作可能に連結されて、紙730’を材料経路710’の中に供給することができる。図示されたように、型720’は、長軸方向の継ぎ目を糊付けされ円筒状に巻かれた紙であり、形成型756a’(または、形成型は、シガレットフィルター形成装置との関連ではガーニチュア装置と呼ばれることもあり、たとえば紙管フォルダーである。)を用いてオンザフライで形成され、それによって紙730’は糊塗布装置754’(たとえば、糊スプレーガン)を用いて塗布された糊752’とともに巻かれることができる。型720’が形成されている間に、マトリクス材料は、配管722a’に継手722b’(これは可撓性継手であることができる)によって動作可能に連結されたホッパー722’(たとえば、高濃度相空送フィーダーの加圧ホッパー)から材料経路710’に沿って導入されることができる。型720’(配管722a’の端部に近接して図示されている)と熱連通している加熱要素724’(たとえば、マイクロ波源、対流式オーブン、加熱ブロック等またはこれらの混成物)は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって包まれた長尺有機多孔質体がもたらされることができる。次いで、圧縮型756b’(ローラーとして図示されている)が冷却されて、包まれた長尺有機多孔質体を所望のより均一な外周および形状(たとえば、長円形)に成形しながら、マトリクス材料の冷却を支援することができる。包まれた長尺有機多孔質体が適切に冷却された後、カッター726’が、包まれた長尺有機多孔質体を半径方向に切断し、それによって包まれた有機多孔質体および/または有機多孔質体区画がもたらされる。
【0093】
いくつかの実施態様では、型は、非多孔質または様々な多孔度のものであることができ、それによってマトリクス材料から流体を除くことが可能になる。さらに、成形型および/または材料経路は、通路に動作可能に連結されて、多孔質紙から流体が所望の方向に抜け出すことを可能にすることができる。いくつかの実施態様では、これらの流体の通路は大気圧未満の源に接続されてもよい。混合物からの流体の除去は、いくつかの実施態様では、システムの操業可能性を改善し、マトリクス材料粒子の分離を最小限にすることができる。
【0094】
いくつかの実施態様では、フィーダーは、型内に嵌め込まれるように設計された延長部分を備えることができる。いくつかの実施態様では、フィーダーの出口(たとえば、配管722a’の出口)は、型の内径よりわずかに小さい(たとえば、約5%小さい)サイズにされることができる。さらに、フィーダーまたはその延長部分は、出口が型内に入り込むことを可能にする柔軟な部分を備えていてもよい。高濃度相空送供給の間、このような入り込みは出口が型内に移動することを可能にすることによって有利であることがある。このような移動は、有利であることに、出口が型の中心を容易に見出すことを可能にすることができ、これは、操業可能性を高め、マトリックス混合物の分離を最小限にする嵌め合いを提供することができる。いくつかの実施態様では、フィーダー(たとえば、配管722a’の出口)の端部は、成形型756a’の前に、成形型756a’の中にまたは成形型756a’の後に、および任意的に糊継ぎ目加熱機の後に、位置することができる。
【0095】
さらに、この出口は、いくつかの実施態様では、可変の断面面積を有するように設計されることができ、このことは、有利であることに高濃度相空送供給においてマトリックス材料混合物の充填密度が粒子の分離を最小限にするように支援し、単一のシステムにおける圧力および流量を変えることを可能にすることができる。
【0096】
いくつかの実施態様では、該出口は、マトリクス材料がそこを通り抜けることは妨げるが、流体がそこを通過することは可能にするメッシュの付いた排気口を有してもよい。このような換気は、マトリクス材料が出口から出て行くときに、とりわけ、大流量および高圧力で出て行くときに、より長い時間にわたって制御された様式で圧力が減衰することを可能にし、粒子の著しいマイグレーション(これはマトリクス材料の不均一性をもたらすことがある。)を軽減することができる。
【0097】
ここで
図8を参照すると、システム800の型820は、型部品820aおよび820bから形成され、型部品820aおよび820bは、それぞれ、型コンベヤー860aおよび860bに動作可能に連結されることができる。いったん型820が形成されると、マトリクス材料は、ホッパー822から材料経路810に沿って導入されることができる。加熱要素824は、マトリクス材料が型820内にある間、マトリクス材料と熱連通している。加熱要素824は、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって有機多孔質体がもたらされることができる。型820が適切に冷却され、型部品820aおよび820bに分離された後、有機多孔質体は、型部品820aおよび/または820bから排出され、有機多孔質体コンベヤー862によって材料経路810に沿って進められることができる。
図8は、不連続の材料経路の非限定例を例示していることに留意しなければならない。
【0098】
いくつかの実施態様では、多孔質体を型および/または型部品から排出する工程は、吸引装置、押し出し装置、引き上げ装置、重力、これらの任意の混成およびこれらの任意の組み合わせを使用することができる。排出装置は、有機多孔質体をその端部で、側部(片側または両側)に沿っておよびこれらの任意の組み合わせで係合するように構成されることができる。好適な吸引装置としては、これらに限定されないが、吸着カップ、真空構成部品、ピンセット、ペンチ、鉗子、トング、グリッパー、鉤爪、クランプ等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な押し出し装置としては、これらに限定されないが、エジェクター、穿孔器、棒、ピストン、楔、スポーク、ラム、加圧流体等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な引き上げ装置としては、これらに限定されないが、吸着カップ、真空構成部品、ピンセット、ペンチ、鉗子、トング、グリッパー、鉤爪、クランプ等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施態様では、型は、様々な除去装置と動作可能に一緒に作業するように構成されることができる。非限定例として、押し引き混成装置は、棒で長軸方向に押して、型の他方の端部から有機多孔質体の一部を押し出すことを含むことができ、この出た一部は次に鉗子によって係合されて、型から有機多孔質体が引き出されることができる。
【0099】
ここで
図9を参照すると、システム900の型920は、型部品920aおよび920bまたは920cおよび920dから形成され、型部品920aおよび920bまたは920cおよび920dは、それぞれ、型コンベヤー960a、960b、960cおよび960dに動作可能に連結されることができる。いったん型920が形成されると、または型920が形成されている間、紙のシート930が、給紙フィーダー932によって型920内に導入される。次に、ホッパー922からのマトリクス材料が、材料経路910に沿って、紙930で内張りされた型920内に導入され、そして加熱要素924からの熱によって有機多孔質体へと機械的に結合される。適切に冷却された後、有機多孔質体の排出は、型部品920a、920b、920cおよび920dのエジェクターポート966aおよび966b中にエジェクター964を挿入することによって実施される。有機多孔質体は次に、有機多孔質体コンベヤー962によって材料経路910に沿って進められることができる。ここでも、
図9は、不連続の材料経路の非限定例を例示している。
【0100】
有機多孔質体の生産の品質管理は、型および/または型部品の洗浄によって支援されることができる。再度
図8を参照すると、洗浄器具がシステム800に組み込まれることができる。型部品820aおよび820bが有機多孔質体の形成工程から戻ると、型部品820aおよび820bは、液体噴射870および空気またはガス噴射872を含む一連の洗浄器具を通過する。
図9でも同様に、型部品960a、960b、960cおよび960dが有機多孔質体の形成工程から戻ると、型部品960a、960b、960cおよび960dは、加熱要素924からの熱および空気またはガス噴射972を含む一連の洗浄器具を通過する。
【0101】
他の適切な洗浄器具としては、これらに限定されないが、スクラバー、ブラシ、溶液槽、シャワー、挿入流体噴射器(流体を放射状に噴射することができる、型の中に挿入される管)、超音波装置およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0102】
いくつかの実施態様では、有機多孔質体区画、有機多孔質体および/または長尺有機多孔質体は、空洞を含んでいてもよい。非限定例として、ここで
図10を参照すると、型コンベヤー1060aおよび1060bに動作可能に連結された型部品1020aおよび1020bは、動作可能に連結して、システム1000の型1020を形成する。ホッパー1022には、2つの定量供給器1090aおよび1090bが動作可能に付帯され、それによって、それぞれの定量供給器1090aおよび定量供給器1090bが、材料経路1010に沿って型1020を部分的にマトリクス材料で充填する。定量供給器1090aからおよび定量供給器1090bから、マトリクス材料が添加されるその中間で、挿入器1088がカプセル(図示せず)を型1020の中に挿入し、それによってマトリクス材料によって包囲されたカプセルが製造される。加熱要素1024は、型1020と熱接触して、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって、中にカプセルが挿入された有機多孔質体がもたらされる。有機多孔質体が形成され、適切に冷却された後、回転研削機1092が、型1020の長軸方向に沿って型1020の中に挿入される。回転研削機1092は、有機多孔質体を長軸方向の所望の長さに研削するように動作可能である。型1020が型部品1020aおよび1020bに分離した後、有機多孔質体は、型部品1020aおよび/または1020bから排出され、有機多孔質体コンベヤー1062によって材料経路1010に沿って進められる。
【0103】
有機多孔質体等の内部で使用されるのに適したカプセルとしては、これらに限定されないが、ポリマーカプセル、多孔質カプセル、セラミックカプセル等が挙げられる。カプセルは、添加物、たとえば粒状炭素または風味料(以下に、より多くの例が提供される。)を充填されてもよい。該カプセルはまた、いくつかの実施態様では、モレキュラーシーブを含むことができ、モレキュラーシーブは煙中の選択された成分と反応して、煙の望ましい風味成分に悪影響を与えることなく、該選択された成分を除去しまたはその濃度を低減する。いくつかの実施態様では、カプセルは、タバコを追加の風味料として含んでいてもよい。カプセルへの、選択された物質の充填が十分でない場合には、フィルターとしてのいくつかの実施態様では、それは主流煙の成分とカプセル内の物質との間の相互作用の不足を生じさせることがあることに留意しなければならない。
【0104】
本開示発明の利益を享受する当業者は、本明細書に記載された他の方法が改変されて、カプセルを中に含む有機多孔質体を製造することができることを理解しなければならない。いくつかの実施態様では、複数のカプセルが有機多孔質体の中にあってもよい(たとえば、長尺有機多孔質体が、複数のカプセルを中に含んで連続法で製造されることができる)。
【0105】
いくつかの実施態様では、有機多孔質体の形状、たとえば長さ、幅、直径および/または高さは、切断以外の操作によって調節されることができ、該操作としては、これらに限定されないが、研磨、粉砕、研削、平滑化、艶出し、摩擦等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。これらの操作を本明細書では一般的に研削と呼ぶ。いくつかの実施態様では、有機多孔質体の側面および/または端面を研削して、平滑表面、粗表面、溝付き表面、パターン化表面、平準化表面、またはこれらの任意の組み合わせが達成されることができる。いくつかの実施態様では、有機多孔質体の側面および/または端面を研削して、規格制限内の所望の寸法が達成されてもよい。いくつかの実施態様では、型内にある間もしくは型から出ていくときに、切断の後に、さらなる処理の間にまたはこれらの任意の組み合わせの際に、有機多孔質体の側面および/または端面を研削してもよい。当業者は、粉塵、微粒子および/または小片が研削から生じることがあることを理解しなければならない。そのようなわけで、研削には、真空引き、ガス噴射、すすぎ、振動等およびこれらの任意の組み合わせのような方法によって、粉塵、微粒子および/または小片を除去することが伴うことがある。
【0106】
所望のレベルの研削を達成することができる任意の構成部品および/または器具は、本明細書に開示されたシステムおよび方法とともに使用されることができる。所望のレベルの研削を達成することができる好適な構成部品および/または器具の例としては、これらに限定されないが、旋盤、回転研磨機、ブラシ、研磨機、緩衝器、エッチング機、スクライバー等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0107】
いくつかの実施態様では、有機多孔質体は、所望により機械加工されて、たとえばその有機多孔質体の一部がドリル穿孔されて、重量をより軽くされてもよい。
【0108】
本開示発明の利益を享受する当業者は、本明細書に記載されたシステムに有機多孔質体を様々な点で係合するのに必要な構成部品および/または器具の配置を理解しなければならない。非限定例として、有機多孔質体が型の中にある間に(または長尺有機多孔質体が型から出て行くときに)使用される研削器具および/またはドリル穿孔器具は、型に悪影響を与えないように構成されなければならない。
【0109】
ここで
図11を参照すると、ホッパー1122は、シュート1182に動作可能に取り付けられ、マトリクス材料を材料経路1110に供給する。材料経路1110に沿って、型1120は、ラム1180を受け入れるように構成され、ラム1180は型1120内のマトリクス材料を押圧することができる。加熱要素1124は、マトリクス材料が型1120内にある間マトリクス材料と熱連通しており、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって長尺有機多孔質体がもたらされる。システム1100にラム1180を加えると、有利であることに、マトリクス材料が、所望の空隙容量を有する長尺有機多孔質体を形成するように適切に充填されることが確実になるよう支援することができる。さらに、システム1100は、長尺有機多孔質体が型1120内にまだ収容されている間に領域1194を冷却する工程を含む。この非限定例では、冷却は受動的に行われる。
【0110】
ここで
図12を参照すると、システム1200のホッパー1222は、マトリクス材料を材料経路1210に沿って押出機1284(たとえば、スクリュー押出機)に動作可能に供給する。押出機1284は、マトリクス材料を型1220に動かす。システム1200はまた、マトリクス材料が型1220の中にある間マトリクス材料と熱連通する加熱要素1224を含み、これは、マトリクス材料を複数の点で機械的に結合させ、それによって長尺有機多孔質体がもたらされる。さらに、システム1200は、マトリクス材料が型1220の中にある間マトリクス材料と熱連通する冷却要素1286を含む。型1220から長尺有機多孔質体が出て行く動きは、ローラー1240によって支援されおよび/または誘導される。
【0111】
いくつかの実施態様では、制御システムが、本明細書に開示された本発明のシステムの構成要素および/または装置のインターフェイスとなることができる。本明細書で使用される用語「制御システム」とは、電子信号または空気圧信号を送受信するように動作することができるシステムをいい、これは、ユーザーとインターフェイスで接続すること、データ読出しを提供すること、データを収集すること、データを記憶すること、可変設定点を変更すること、設定点を維持すること、障害の通知を提供することおよびこれらの任意の組み合わせをする機能を含むことができる。好適な制御システムとしては、これらに限定されないが、可変変圧器、抵抗計、プログラム可能な論理制御装置、デジタル論理回路、継電器、コンピューター、仮想現実システム、分散型制御システムおよびこれらの任意の組み合わせを含むことができる。制御システムに動作可能に連結されることができる好適なシステムおよび/または装置の構成要素としては、これらに限定されないが、ホッパー、加熱要素、冷却要素、カッター、ミキサー、給紙フィーダー、離型フィーダー、離型コンベヤー、洗浄装置、ローラー、型コンベヤー、コンベヤー、エジェクター、液体噴射機、空気噴射機、ラム、シュート、押出機、噴射器、マトリクス材料フィーダー、糊フィーダー、研削器等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書に開示されたシステムおよび/または装置は、任意の数の構成部品とインターフェイスで接続することができる複数の制御システムを有してもよいことに留意しなければならない。
【0112】
本開示発明の利益を享受する当業者は、本明細書に開示されたシステムおよび/または装置の様々な構成部品が互換可能であることを理解しなければならない。非限定例として、マトリクス材料が電磁放射線を熱に変換することができる成分(たとえば、ナノ粒子、炭素粒子等)を含む場合、加熱要素は、電磁放射線源(たとえば、マイクロ波源)と置き換えられることができる。さらに、非限定例として、紙ラッパーは、離型ラッパーと置き換えられてもよい。
【0113】
いくつかの実施態様では、有機多孔質体は、約800m/分以下の線速度で、たとえば約1m/分未満の非常に遅い線速度を含む方法によって、製造されることができる。本明細書で使用される用語「線速度」とは、単一の製造ラインに沿った速度をいい、個々の装置を通る速度、単一の装置内の速度またはこれらの組合せであることもあるいくつかの並行した製造ラインを包含することがある製造速度とは対照をなしている。いくつかの実施態様では、有機多孔質体は、約1m/分、10m/分、50m/分または100m/分の下限から、約800m/分、600m/分、500m/分、300m/分または100m/分の上限までの範囲の線速度で、本明細書に記載された方法によって製造されることができ、該線速度は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。当業者は、機器における生産性の向上が、800m/分を超える線速度(たとえば、1000m/分以上)を可能にすることがあることを認識するだろう。当業者はまた、有機多孔質体等の全体としての製造速度を、たとえば数千m/分以上にまで増加させるように、単一の装置が、並行する複数のライン(たとえば、
図7の2つ以上のラインや本明細書に例示された他のライン)を包含することができることも理解しなければならない。
【0114】
いくつかの実施態様は、有機多孔質体をさらに処理する工程を含んでもよい。好適なさらに処理する工程としては、これらに限定されないが、添加物を添加する工程、研削工程、ドリル穿孔工程、さらなる成形工程、複数セグメントフィルター形成工程、喫煙具形成工程、包装工程、出荷工程およびこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0115】
いくつかの実施態様は、マトリクス材料および/または有機多孔質体に添加物を添加する工程を含むことができる。添加物の非限定例が以下に提供される。好適な添加方法としては、これらに限定されないが、機械的に結合させる工程の前に、マトリクス材料の少なくとも一部に添加物を施与することによって;機械的に結合させる工程後に、まだ型内にある間に添加物を施与することによって;型から出た後に、添加物を施与することによって;切断工程後に、添加物を施与することによって;およびこれらの任意の組み合わせによって;マトリクス材料中に添加物を含ませることを含むことができる。施与することは、これらに限定されないが、浸すこと、漬けること、沈めること、染み込ませること、すすぐこと、洗浄すること、塗装すること、被覆すること、降り注ぐこと、振り掛けること、噴射すること、配置すること、まぶすこと、まき散らすこと、貼ることおよびこれらの任意の組み合わせを含むことに留意しなければならない。さらに、施与することは、これらに限定されないが、添加物がマトリクス材料の成分中に少なくとも部分的に取り込まれる表面処理、注入処理およびこれらの任意の組み合わせを含むことに留意しなければならない。本開示発明の利益を享受する当業者は、添加物の濃度が、少なくとも、添加物の組成、添加物のサイズ、添加物の目的および添加物が添加されるプロセス内の箇所に依存することを理解しなければならない。
【0116】
いくつかの実施態様では、添加物を添加する工程は、マトリクス材料を機械的に結合する工程の前、その間、および/またはその後に実施されることができる。分解し、変性し、または機械的に結合する工程およびこれに関連するパラメーター(たとえば、高められた温度および/または圧力)によって他様に影響を受ける添加物は、機械的に結合する工程の後に添加され、および/または該パラメーターがしかるべく調整され(たとえば、不活性ガスまたは下げられた温度が使用され)なければならないことを、本開示発明の利益を享受する当業者は理解しなければならない。非限定例として、ガラスビーズがマトリクス材料への添加物であってもよい。その場合、機械的に結合する工程後、該ガラスビーズは、他の添加物によって官能化されることができる。
【0117】
いくつかの実施態様は、製造された後の有機多孔質体を研削する工程を含むことができる。研削工程は、上記された方法および装置/構成部品を含む。
【0118】
II.有機多孔質体を含むフィルターおよび喫煙具を形成する方法
いくつかの実施態様は、有機多孔質体(その区画を包含する。)をフィルターおよび/またはフィルター区画に、たとえば
図13に例示され、そこに、より詳細に記載されたように、動作可能に連結するものであることができる。好適なフィルターおよび/またはフィルター区画は、セルロース、セルロース誘導体、セルロースエステルトウ、酢酸セルローストウ、フィラメント当たり約10デニール未満の酢酸セルローストウ、フィラメント当たり10デニール以上の酢酸セルローストウ、ランダム配向酢酸セルロース、紙、段ボール紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィントウ、ポリプロピレントウ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、粗粉末、炭素粒子、炭素繊維、繊維、ガラスビーズ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、第2の有機多孔質体、多孔質体およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種を含むことができる。多孔質体の非限定例は、2012年7月7日にすべて出願された同時係属中の国際出願番号第PCT/US2011/043264号、PCT/US2011/043268号、PCT/US2011/043269号およびPCT/US2011/043270号に詳細に記載されており、これらの開示内容の全体は参照によって本明細書に取り込まれる。さらに、多孔質体は本明細書に、より詳細に記載される。
【0119】
いくつかの実施態様では、有機多孔質体および他のフィルター区画は、同心フィルター構造物、紙包装、空洞、空室、バッフル付き空室、カプセル、通路等およびこれらの任意の組み合わせのような特徴を独立に有することができる。
【0120】
いくつかの実施態様では、有機多孔質体および他のフィルター区画は、実質的に同じ断面形状および/または外周を有することができる。
【0121】
いくつかの実施態様では、フィルター区画は、2個のフィルター区画の間の空洞を画定する空間を含むことができる。該空洞は、いくつかの実施態様では、添加物、たとえば粒状炭素または風味料(たとえば、有機粒子、精油等)を充填されることができる。空洞は、いくつかの実施態様では、カプセル、たとえばポリマーカプセルであって、それ自体が触媒を含むものを含んでもよい。空洞はまた、いくつかの実施態様では、モレキュラーシーブを含み、これは煙中の選択された成分と反応して、煙の望ましい風味成分に悪影響を及ぼすことなく、該選択された成分を除去しまたはその濃度を低減することができる。1つの実施態様では、空洞は、追加の風味料としてのタバコを含んでもいてもよい。空洞への選択された物質の充填が不十分であると、いくつかの実施態様では、これは主流煙の成分と空洞内および他のフィルター区画(単数または複数)内の物質との間の相互作用の不足を生じさせることがあることに留意しなければならない。
【0122】
いくつかの実施態様では、フィルター区画は、フィルターまたはフィルターロッドを形成するように一緒にされまたは連結されることができる。本明細書で使用される用語「フィルターロッド」とは、2個以上のフィルターに切断されるのに適した長尺フィルターをいう。非限定例として、本明細書に記載された有機多孔質体を含むフィルターロッドは、いくつかの実施態様では、約80mm〜約150mmの範囲の長さを有することができ、喫煙具の先端付け作業(フィルターへのタバコカラムの付加)の際に約5〜約35mmの長さを有するフィルターに切断されることができる。
【0123】
先端付け作業は、本明細書に記載されたフィルターまたはフィルターロッドをタバコカラムと一緒にしまたはそれに連結することを含むことができる。先端付け作業の間に、本明細書に記載された有機多孔質体を含むフィルターロッドは、いくつかの実施態様では、最初にフィルターに切断され、または先端付け工程の間にフィルターに切断されてもよい。さらに、いくつかの実施態様では、先端付けの方法は、紙および/または木炭を含む追加の区画を、フィルター、フィルターロッドまたはタバコカラムと一緒にし、またはこれらに連結することをさらに含んでもよい。
【0124】
フィルター、フィルターロッドおよび/または喫煙具の製造では、いくつかの実施態様は、これらの様々な構成要素のまわりを紙で包んで、これらの構成要素を所望の配置および/または接触状態に維持する工程を含むことができる。たとえば、フィルターおよび/またはフィルターロッドを製造する工程は、一連の隣接したフィルター区画のまわりを紙で包む工程を含んでもよい。いくつかの実施態様では、紙ラッパーで包まれた有機多孔質体は、該有機多孔質体とフィルターの別の区画との間の接触を維持するように、そのまわりに配置された追加の包装を有することができる。フィルター、フィルターロッドおよび/または喫煙具を製造するのに適した紙は、有機多孔質体を包む工程に関連して本明細書に記載された任意の紙を含むことができる。いくつかの実施態様では、この紙は、添加物、サイジング材および/または印刷用薬剤を含んでもよい。
【0125】
フィルター、フィルターロッドおよび/または喫煙具の製造では、いくつかの実施態様は、これらの隣接した要素を(たとえば、有機多孔質体を、隣接したフィルター区画、タバコカラム等またはこれらの任意の組み合わせに)接着する工程を含むことができる。好ましい接着剤は、周囲状態および/または燃焼状態の下で風味または芳香を与えないものを含むことができる。いくつかの実施態様では、包む工程および接着工程は、フィルター、フィルターロッドおよび/または喫煙具の製造において使用されることができる。
【0126】
本発明のいくつかの実施態様は、複数の接触点で一緒に結合された複数の有機粒子および結合剤粒子を含む有機多孔質体ロッドを準備する工程;該有機多孔質体ロッドとは同じ組成を有しないフィルターロッドを準備する工程;該有機多孔質体ロッドおよび該フィルターロッドを、それぞれ、有機多孔質体区画およびフィルター区画へと切断する工程;複数の区画を含む、所望の隣接した配置物であって、該複数の区画が少なくともいくつかの該有機多孔質体区画および少なくともいくつかの該フィルター区画を含む、所望の隣接した配置物を形成する工程;該所望の隣接した配置物を紙ラッパーおよび/または接着剤で固定して、セグメント化された長尺フィルターロッドをもたらす工程;該セグメント化された長尺フィルターロッドをセグメント化されたフィルターロッドへと切断する工程;を含むことができ、この方法は、該セグメント化されたフィルターロッドを約800m/分以下の速度で製造するように実施される。いくつかの実施態様は、該セグメント化されたフィルターロッドの少なくとも一部分を用いて喫煙具を形成する工程をさらに含むことができる。
【0127】
本明細書で使用される用語「隣接した配置」とは、2つのフィルター区画(または同様なもの)が、第1の区画の1端が第2の区画の1端に接触するように、軸方向に整列した配置をいう。当業者は、この隣接した配置が、多数の区画を有する連続的なもの(すなわち、際限のないものでなく、非常に長いもの)であり、または少なくとも2個からそれより多くまでの区画を有する、長さの短いものであり得ることを理解するだろう。
【0128】
本明細書に記載されたいくつかの方法の実施態様では、用語「セグメント化された」は、様々な物品を改変することを明確化するために使用されており、有機多孔質体を含む物品(たとえば、フィルターおよびフィルターロッド)に関連して本明細書に記載された様々な実施態様によって包含されているとみなされなければならないことに留意しなければならない。
【0129】
いくつかの実施態様では、フィルターは少なくとも2個の区画を含むことができ、少なくとも1個の区画は本明細書に記載された有機多孔質体であり、かつ少なくとも1個の区画は他のフィルター区画である。いくつかの実施態様では、他のフィルター区画は、セルロース、セルロース誘導体、セルロースエステルトウ、酢酸セルローストウ、フィラメント当たり約10デニール未満の酢酸セルローストウ、フィラメント当たり10デニール以上の酢酸セルローストウ、ランダム配向酢酸セルロース、紙、段ボール紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィントウ、ポリプロピレントウ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、粗粉末、炭素粒子、炭素繊維、繊維、ガラスビーズ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、多孔質体およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種を含むことができる。多孔質体の非限定例は、2012年7月7日にすべて出願された同時係属中の国際出願番号第PCT/US2011/043264号、PCT/US2011/043268号、PCT/US2011/043269号およびPCT/US2011/043271号に詳細に記載されており、これらの開示内容の全体は参照によって本明細書に取り込まれる。さらに、多孔質体は本明細書に、より詳細に記載される。
【0130】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載されたフィルターは、長さ1mm当たり約0.10mm水柱、長さ1mm当たり1mm水柱、長さ1mm当たり2mm水柱、長さ1mm当たり3mm水柱、長さ1mm当たり4mm水柱、長さ1mm当たり5mm水柱、長さ1mm当たり6mm水柱、長さ1mm当たり7mm水柱、長さ1mm当たり8mm水柱、長さ1mm当たり9mm水柱または長さ1mm当たり10mm水柱の下限から、長さ1mm当たり約20mm水柱、長さ1mm当たり19mm水柱、長さ1mm当たり18mm水柱、長さ1mm当たり17mm水柱、長さ1mm当たり16mm水柱、長さ1mm当たり15mm水柱、長さ1mm当たり14mm水柱、長さ1mm当たり13mm水柱、長さ1mm当たり12mm水柱、長さ1mm当たり11mm水柱、長さ1mm当たり10mm水柱、長さ1mm当たり9mm水柱、長さ1mm当たり8mm水柱、長さ1mm当たり7mm水柱、長さ1mm当たり6mm水柱または長さ1mm当たり5mm水柱の上限までの範囲のEPDを有することができ、該EPDは、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0131】
いくつかの実施態様では、フィルターは、喫煙具の口端に近い第1の他のフィルターセグメントを備えた構造を有してもよい。いくつかの実施態様では、フィルターは、2個以上の区画を任意の所望の順に含んでもよい、たとえば第1の他のフィルター区画(たとえば、酢酸セルローストウ)、有機多孔質体および第2の他のフィルター区画(たとえば、酢酸セルローストウ)の順に、または第1の他のフィルター区画(たとえば、酢酸セルローストウ)、第1の有機多孔質体(たとえば、タバコ由来の有機粒子を含むもの)、第2の有機多孔質体(たとえば、シナモン有機粒子を含むもの)、第2の他のフィルター区画(たとえば、多孔質体)および第3の他のフィルター区画(たとえば、酢酸セルローストウ)の順に含んでもよい。2つ以上の有機多孔質体の使用は、有利であることに、単一のまたは少種類の混合された有機粒子を有する有機多孔質体の製造、および次に、より複雑な風味プロフィールを有するフィルターの設計を可能にする。さらに、異なる有機粒子は、異なる製造上の制限(たとえば、温度の制限)を有することがあり、その結果、有機多孔質体の製造は、異なる有機粒子毎に最適化される必要があることがある。
【0132】
構造内では、個々の区画の長さおよび構成は、所望のEPDおよび煙流成分の低減を達成するように選ばれることができる。本開示発明の利益を享受する当業者は、本明細書に記載されたフィルターの多数の構造を理解できるはずである。いくつかの例では、フィルターは好ましくは、両端部に、すなわち口端部およびタバコ端部に、酢酸セルロース(または他の従来からのフィルター材料)セグメントを有していてもよい。いくつかの実施態様では、煙流成分の低減を高めるように意図された添加物を含む他のフィルターセグメントは、有機多孔質体の上流に(すなわち、有機多孔質体を基準にしてタバコに近い位置に)あってもよい。
【0133】
本発明のいくつかの実施態様は、複数の接触点で一緒に結合された複数の有機粒子および結合剤粒子を含む複数の有機多孔質体区画を準備する工程;該有機多孔質体区画とは同じ構成を有しない複数のフィルター区画を準備する工程;複数の区画を含む、所望の隣接した配置を形成する工程であって、該複数の区画が、該有機多孔質体区画のうちの少なくとも1個および該フィルター区画のうちの少なくとも1個を含む工程;該所望の隣接した配置を紙ラッパーおよび/または接着剤で固定して、セグメント化フィルターまたはセグメント化長尺フィルターロッドを製造する工程;を含むことができ、この方法は、約800m/分以下の速度でセグメント化されたフィルターまたはセグメント化されたフィルターロッドを製造するように実施される。いくつかの実施態様は、該セグメント化フィルターまたは該セグメント化フィルターロッドの少なくとも一部を用いて喫煙具を形成する工程をさらに含んでもよい。
【0134】
ここで
図13、すなわち、この実施例におけるセグメント化されたフィルターを製造する方法の略図を参照すると、酢酸セルロースフィルターロッド1310は、8つの区画(それぞれ約15mm)に切断されて酢酸セルロースセグメント1314を、また多孔質体ロッド1312は、10個のセグメント(それぞれ約12mm)に切断されて多孔質体セグメント1316をもたらした。セグメント1314、1316は次に、端部と端部とが接触した交互の配置で整列され、一緒に押圧され、紙で包まれ、同じ線で糊付けされて、セグメント化された長尺フィルター1318がもたらされた。セグメント化された長尺フィルター1318は次に、4番目毎の酢酸セルロースセグメント1314のほぼ中間で切断されて、酢酸セルロースセグメント1314の部分を各端部に配置させた、セグメント化されたフィルターロッド1320をもたらした。本開示発明の利益を享受する当業者は、酢酸セルロースセグメントおよび多孔質体セグメントの他のサイズおよび配置が使用されて、セグメント化された長尺フィルターがもたらされることができ、次にそれが任意の点で切断されて、所望のセグメント化されたフィルターロッド、たとえばセグメント化されたフィルターロッド1320’がもたらされることができることを理解するだろう。
【0135】
いくつかの実施態様では、上記の方法は、3個以上のフィルター区画を収容するように適合化されてもよい。たとえば、長尺フィルターロッドの所望の配置は、第1のフィルター区画、有機多孔質体区画および第2のフィルター区画を直列に含み、それによって、該ロッドは、第1の第1のフィルター区画、第1の有機多孔質体区画、第1の第2のフィルター区画、第2の有機多孔質体区画、第2の第1のフィルター区画、第3の有機多孔質体区画、第2の第2のフィルター区画等を含む。このような配置は、
図14に例示されたように、3個の区画を含むフィルターを製造するのに有用な少なくとも1つの実施態様であることができ、
図14は長尺フィルターロッドがフィルターロッドに切断され、該フィルターロッドが次に2回さらに切断されて、3個の区画を含むフィルター区画がもたらされることを例示する。
【0136】
いくつかの実施態様では、カプセルは、2個の隣接した区画の間に入れ子にされるように加えられることができる。本明細書に使用される用語「入れ子にされ」または「入れ子にする」とは、製造された物品の内側に存在して、外側に直接露出されていないことをいう。したがって、2個の隣接した区画の間に入れ子にすることは、隣り合った区画が接触している、すなわちそれらを隣接させることである。いくつかの実施態様では、カプセルはフィルター区画または有機多孔質体区画の一部にあってもよい。
【0137】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載されたフィルターは、公知の計装を使用して、たとえば自動化計器により約25m/分超で、また手動計器の場合はこれよりも遅く、製造されることができる。製造速度は計器の能力のみによって限定されることがあるけれども、いくつかの実施態様では、本明細書に記載されたフィルター区画は一緒に合わされて、約25m/分、50m/分または100m/分の下限から、約800m/分、600m/分、400m/分、300m/分または250m/分の上限までの範囲の速度でフィルターロッドを形成することができ、該速度は、任意の下限から任意の上限までの範囲であることができ、その間の任意の下位の組み合わせを包含する。
【0138】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載されたフィルターおよび/またはフィルターロッドの製造で使用される有機多孔質体は、紙で包まれることができる。紙は、いくつかの実施態様では、有機多孔質体の機械的な操作に起因する損傷および微粒子の生成を減少することができる。操作中の有機多孔質体を保護することに関連して使用するのに適した紙としては、これらに限定されないが、木質系紙、亜麻を含む紙、亜麻紙、機能性紙(たとえば、タールおよび/または一酸化炭素を低減するように官能化されたもの)、特殊マーキング紙、色付けされた紙およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施態様では、紙は高多孔度、波形状および/または高表面強度を有することができる。いくつかの実施態様では、紙は実質的に非多孔質、たとえば約10コレスタ(CORESTA)単位未満であることができる。
【0139】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された有機多孔質体を含むフィルターおよび/またはフィルターロッドは、製造ラインに直接輸送され、そこでタバコカラムと一緒にされて喫煙具を形成してもよい。そのような方法の1つの実施例は、有機粒子および結合剤粒子を含む本明細書に記載された有機多孔質体を含む少なくとも1個のフィルター区画を含むフィルターロッドを準備する工程;タバコカラムを準備する工程;該フィルターロッドを、該ロッドの中心を通ってその長軸方向を横断するように切断して、少なくとも1つのフィルター区画を有する少なくとも2個のフィルターを形成する工程であって、該各フィルター区画が有機粒子および結合剤粒子を含む有機多孔質体を含む工程;および該フィルターのうちの少なくとも1個を該タバコカラムに、該フィルターの長軸および該タバコカラムの長軸に沿って結合させて、少なくとも1個の喫煙具を形成する工程;を含む喫煙具を製造する方法を含む。
【0140】
他の実施態様では、有機多孔質体を含む喫煙具フィルターおよび/またはフィルターロッドは、さらなる使用までの貯蔵のため適当な容器内に入れられてもよい。適当な貯蔵容器としては、喫煙具フィルター技術に一般的に使用されるもの、たとえばこれらに限定されないが、クレート、箱、ドラム、バッグ、カートン等が挙げられる。
【0141】
いくつかの実施態様は、喫煙可能な物質を有機多孔質体(または、上記の少なくとも1個を含むセグメント化されたフィルター)に動作可能に連結する工程を含むことができる。いくつかの実施態様では、有機多孔質体(または、上記の少なくとも1個を含むセグメント化されたフィルター)は、喫煙可能な物質と流体連通していることができる。いくつかの実施態様では、喫煙具は、喫煙可能な物質と流体連通している有機多孔質体(または上記の少なくとも1個を含むセグメント化されたフィルター)を含むことができる。いくつかの実施態様では、喫煙具は、喫煙可能な物質と流体連通している有機多孔質体(または上記の少なくとも1個を含むセグメント化されたフィルター)を動作可能に維持することできるハウジングを備えていてもよい。いくつかの実施態様では、フィルターロッド、フィルター、フィルター区画、区画化されたフィルターおよび/または区画化されたフィルターロッドは、ハウジングから取り外し、取り換えおよび/または使い捨てが可能であることができる。
【0142】
本明細書で使用される用語「喫煙可能な物質」とは、燃焼されまたは加熱されると、煙を生成することができる物質をいう。好適な喫煙可能な物質としては、これらに限定されないが、タバコ、たとえば黄色種タバコ、オリエントタバコ、トルコタバコ、キャベンディッシュタバコ、コロホタバコ、クリオロタバコ、ペリックタバコ、シェードタバコ、ホワイトバーレータバコ、熱風乾燥されたタバコ、バーレータバコ、メリーランドタバコ、バージニアタバコ;茶葉;薬草;炭化されたまたは熱分解された成分;無機フィラー成分;およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。タバコは、カットフィラー形状のタバコ葉身、処理されたタバコ茎、再構成されたタバコフィラー、容積が拡張されたタバコフィラー等の形態を有することができる。タバコおよび他の栽培された喫煙可能な物質は、米国内で栽培されてもよく、または米国以外の管轄地域内で栽培されてもよい。
【0143】
いくつかの実施態様では、喫煙可能な物質は、カラムの形式、たとえばタバコカラムであることができる。本明細書で使用される用語「タバコカラム」とは、タバコのブレンド、および任意的にタバコを主体とした喫煙可能な物品、たとえばシガレットまたはシガーを製造するために組み合わされることができる他の成分および風味料をいう。いくつかの実施態様では、タバコカラムは、タバコ、糖(たとえば、ショ糖、黒糖、転化糖または高フルクトースコーンシロップ)、プロピレングリコール、グリセリン、ココア、ココア製品、イナゴマメガム、イナゴマメ抽出物およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択された成分を含んでいてもよい。さらに他の実施態様では、タバコカラムは、風味料、芳香剤、メントール、甘草抽出物、リン酸二アンモニウム、水酸化アンモニウムおよびこれらの任意の組み合わせをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施態様では、タバコカラムは、添加物を含んでいてもよい。いくつかの実施態様では、タバコカラムは、少なくとも1個の折り曲げ可能な要素を含んでいてもよい。
【0144】
好適なハウジングとしては、これらに限定されないが、シガレット、シガレットホルダー、シガー、シガーホルダー、パイプ、水パイプ、フーカー、電子喫煙具、手巻きシガレット、手巻きシガー、紙およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0145】
有機多孔質体を包装する工程としては、これらに限定されないが、トレイまたは箱または保護容器、たとえばシガレットフィルターロッドを包装および輸送するために通常使用されるトレイに入れることが挙げられる。
【0146】
いくつかの実施態様では、本発明は、有機多孔質体を含むフィルターおよび/またはフィルターを備えた喫煙具のパックを提供する。パックは、ヒンジ蓋パック、スライドシェル型パック、ハードカップパック、ソフトカップパック、プラスチック袋または任意の他の適当なパック容器であってもよい。いくつかの実施態様では、パックは、外装、たとえばポリプロピレンラッパー、および任意的に開封つまみを有していてもよい。いくつかの実施態様では、フィルターおよび/または喫煙具は、パックの内側に束として封入されてもよい。束は、多数のフィルターおよび/または喫煙具、たとえば20個以上を収容することができる。しかし、束は、1個のフィルターおよび/または喫煙具を含むこともでき、いくつかの実施態様では、たとえば個別販売用のような専用のフィルターおよび/もしくは喫煙具の実施態様、またはバニラ、クローブもしくはシナモンのような特別の風味を含むフィルターおよび/もしくは喫煙具である。
【0147】
いくつかの実施態様では、本発明は、有機多孔質体を含むフィルター(複数にセグメント化された、またはそうでないもの)を備えた少なくとも1個の喫煙具を含む少なくとも1個のパックを含む喫煙具パックのカートンを提供する。いくつかの実施態様では、このカートン(たとえば、容器)は、喫煙具のパックの重量を支える物理的一体性を有する。これは、比較的厚いカード用紙を使用してカートンを形成し、または比較的強力な接着剤を使用してカートンの要素を結合することによって達成されることができる。
【0148】
いくつかの実施態様は、有機多孔質体を出荷する工程を含むことができる。該有機多孔質体は、個別のものとして、フィルターの少なくとも一部として、喫煙具の少なくとも一部として、パックで、カートンで、トレイでまたはこれらの任意の組み合わせで出荷されることができる。出荷は、列車、トラック、航空機、船/船舶またはこれらの任意の組み合わせによるものであってもよい。
【0149】
消費者が本明細書に記載された有機多孔質体を含んでいる喫煙具を吸うことが期待されるので、本発明はさらに、このような喫煙具を喫煙する方法を提供する。たとえば、1つの実施態様では、本発明は、喫煙具を加熱しまたは点火して煙を形成する工程であって、該喫煙具が本明細書に記載されたいずれかの実施態様(たとえば、本明細書に記載された有機粒子を含む有機多孔質体、本明細書に記載された結合剤粒子、任意的に本明細書に記載された添加物、任意的に本明細書に記載された特徴物とともに、等を含む実施態様;本明細書に記載された材料を備えたフィルター区画、任意的に本明細書に記載されたドーパント、任意的に本明細書に記載された添加物、任意的に本明細書に記載された特徴物とともに、等を含む実施態様;本明細書に記載されたEPDを有する実施態様;本明細書に記載された構造を有する実施態様;等)に従うフィルターを含む工程を含む、喫煙具を喫煙する方法を提供する。
【0150】
III.有機多孔質体
いくつかの実施態様では、有機多孔質体に使用される有機粒子は、天然組成物を摩砕することによって製造されることができる。有機粒子の天然組成物の例としては、これらに限定されないが、クローブ、タバコ、コーヒー豆、ココア、シナモン、バニラ、茶、緑茶、紅茶、ベイリーフ、かんきつ果皮(たとえば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、クミン、チリペッパー、チリパウダー、赤トウガラシ、ユーカリ樹、ペパーミント、カレー、アニス、ディル、フェンネル、オールスパイス、バジル、ローズマリー、胡椒、キャラウェーの実、シラントロ、ニンニク、からし、ナツメグ、タイム、ウコン、オレガノ、他の香辛料、ホップ、他の穀粒、砂糖等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0151】
いくつかの実施態様では、煙流の温度を上げると、有機粒子からの風味料の放出を高めることができる。
【0152】
いくつかの実施態様では、有機粒子は、少なくとも1方向の寸法において、約100ミクロン、150ミクロン、200ミクロンまたは250ミクロンの下限から、約1500ミクロン、1000ミクロン、750ミクロン、500ミクロン、400ミクロン、300ミクロンまたは250ミクロンの上限までの範囲の平均直径を有することができ、該平均直径は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、有機粒子は、複数の粒子サイズの混合物であってもよい。
【0153】
結合剤粒子の例としては、これらに限定されないが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド(またはナイロン(商標))、アクリルポリマー、ポリスチレン、ポリビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、非繊維状可塑化セルロース、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適なポリオレフィンの例としては、これらに限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、これらの任意の組み合わせ等が挙げられる。好適なポリエチレンの例としてはさらに、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、これらの任意の組み合わせ等が挙げられる。好適なポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、これらの任意の組み合わせ等が挙げられる。好適なアクリルポリマーの例としては、これらに限定されないが、ポリメチルメタクリレート、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、これらの任意の組み合わせ等が挙げられる。好適なポリスチレンの例としては、これらに限定されないが、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−ブタジエン、スチレン−無水マレイン酸、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、これらの任意の組み合わせ等が挙げられる。好適なポリビニルの例としては、これらに限定されないが、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−ビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、これらの任意の組み合わせ等が挙げられる。好適なセルロース誘導体の例としては、これらに限定されないが、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、可塑化セルロース誘導体、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、これらの任意のコポリマー、これらの任意の誘導体、これらの任意の組み合わせ等が挙げられる。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、上に列挙された結合剤の任意のコポリマー、任意の誘導体および任意の組み合わせであってもよい。
【0154】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された結合剤粒子は、親水性表面処理をされることができる。親水性表面処理(たとえば、カルボキシ、ヒドロキシおよびエポキシのような酸素化官能基)が、化学的酸化剤、炎、イオン、プラズマ、コロナ放電、紫外線放射、オゾンおよびこれらの組み合わせ(たとえば、オゾン処理および紫外線処理)のうちの少なくとも1種に曝露することによって達成されることができる。本明細書に記載された有機粒子および活性粒子の多くが、それらの組成の機能または吸着水のいずれかとして親水性であるので、結合剤粒子への親水性表面処理は、結合剤粒子および有機粒子および/または活性粒子の間の引力(たとえば、ファンデルワールス力、静電気、水素結合等)を増加させることがある。この高められた引力は、マトリクス材料中の結合剤粒子からの有機粒子および/または活性粒子の分離を軽減し、それによって、得られる多孔質体のEPD、一体性、外周、断面形状および他の特性の変動を最小限に抑えることができる。さらに、この高められた引力は、より均質のマトリクス材料を提供し、このことはフィルター設計の柔軟性を高めること(たとえば、全EPDを下げること、結合剤粒子の濃度を減少すること、またはその両方)ができる。
【0155】
結合剤粒子は任意の形状をとることができる。そのような形状としては、球状、ヒペリオン状、ヒトデ状、コンドリュール状(chrondular)または惑星間塵状、顆粒状、ジャガイモ状、不規則形状およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好ましい実施態様では、本発明で使用するのに適した結合剤粒子は非繊維性である。いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、粉体、ペレットまたは微粒子の形態をしている。
【0156】
いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、少なくとも1つの方向において約0.1nm、0.5nm、1nm、10nm、100nm、500nm、1ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、200ミクロンまたは250ミクロンの下限から、約5000ミクロン、2000ミクロン、1000ミクロン、900ミクロン、700ミクロン、500ミクロン、400ミクロン、300ミクロン、250ミクロン、200ミクロン、150ミクロン、100ミクロン、50ミクロン、10ミクロンまたは500nmの上限までの範囲の平均直径を有してもよく、該平均直径は任意の下限から上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施形態では、結合剤粒子は、複数の粒子サイズの混合物であってもよい。
【0157】
いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、約0.10g/cm
3〜約0.55g/cm
3の範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせ(たとえば、約0.17g/cm
3〜約0.50g/cm
3または約0.20g/cm
3〜約0.47g/cm
3)も包含される嵩密度を有していてもよい。
【0158】
いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、その融解温度において実質的に流れを示さない、すなわち、その融解温度まで加熱されたときにポリマー流をほとんど示さないか全く示さない。これらの基準を満たす材料としては、これらに限定されないが、超高分子量ポリエチレン(ultrahigh molecular weight polyethylene、「UHMWPE」)、非常に高い分子量のポリエチレン(very high molecular weight polyethylene、「VHMWPE」)、高分子量ポリエチレン(「HMWPE」)およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書で使用される用語「UHMWPE」とは、少なくとも約3×10
6g/モル(たとえば、約3×10
6g/モル〜約30×10
6g/モル)の重量平均分子量を有するポリエチレン組成物をいう。本明細書で使用される用語「VHMWPE」とは、約3×10
6g/モル未満および約1×10
6g/モル超の重量平均分子量を有するポリエチレン組成物をいい、その間の任意の下位の組み合わせを包含する。本明細書で使用される用語「HMWPE」とは、少なくとも3×10
5g/モルから1×10
6g/モルまでの重量平均分子量を有するポリエチレン組成物をいう。本明細書の目的のためには、本明細書に参照された分子量はマーゴリーズの方程式(「マーゴリーズの分子量」)に従って測定される。
【0159】
いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、ASTM D1238によって190℃および15kg荷重において測定された、約0、0.5、1.0または2.0g/10分の下限から、約3.5、3.0、2.5、2.0、1.5または1.0の上限までの範囲にある、ポリマー流れの尺度であるメルトフローインデックス(「MFI」)を有することができ、該MFIは任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、有機多孔質体は、異なる分子量および/または異なるメルトフローインデックスを有する結合剤粒子の混合物を含んでいてもよい。
【0160】
いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、米国特許出願公開第2008/0090081号に記載されているように、約5dl/g〜約30dl/gの範囲(その間の任意の下位の組み合わせも包含する。)の固有粘度および約80%以上(たとえば、約80%〜約100%であって、その間の任意の下位の組み合わせも包含する。)の結晶化度を有することができる。
【0161】
本明細書に記載された結合剤粒子として使用するのに適した市販のポリエチレン材料の例としては、GUR(商標)(UHMWPE、Ticona Polymers LLC、DSM、Braskem、Beijing Factory No.2、Shanghai Chemical、Qilu、三井および旭化成から入手可能)、たとえばGUR(商標)2000シリーズ(2105、2122、2122〜5、2126)、GUR(商標)4000シリーズ(4120、4130、4150、4170、4012、4122〜5、4022〜6、4050〜3/4150〜3)、GUR(商標)8000シリーズ(8110、8020)およびGUR(商標)Xシリーズ(X143、X184、X168、X172、X192)が挙げられる。適当なポリエチレン材料の別の例は、ASTM−D 4020によって測定された約300,000〜約2,000,000g/モルの範囲内の分子量、約300ミクロン〜約1500ミクロンの間の平均粒子サイズおよび約0.25g/ml〜約0.5g/mlgの間の嵩密度を有するものである。
【0162】
いくつかの実施態様では、結合剤粒子は、組成、形状、サイズ、嵩密度、MFI、固有粘度等およびこれらの任意の組み合わせによって識別される様々な結合剤粒子の組み合わせである。
【0163】
いくつかの実施態様では、マトリクス材料または有機多孔質体は、有機多孔質体の約1wt%、5wt%、10wt%、25wt%、40wt%、50wt%、60wt%または75wt%の下限から、有機多孔質体の約99wt%、95wt%、90wt%または75wt%の上限までの範囲の量で有機粒子を含んでいてもよく、該有機粒子の量は任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料または有機多孔質体は、有機多孔質体の約1wt%、5wt%、10wt%または25wt%の下限から、有機多孔質体の約99wt%、95wt%、90wt%、75wt%、60wt%、50wt%、40wt%または25wt%の上限までの範囲の量で結合剤粒子を含んでいてもよく、該結合剤粒子の量は任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0164】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された有機多孔質体は、添加物をさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、マトリクス材料または有機多孔質体は、マトリクス材料または有機多孔質体の約0.01wt%、0.05wt%、0.1wt%、1wt%、5wt%または10wt%の下限から、マトリクス材料または有機多孔質体の約25wt%、15wt%、10wt%、5wt%または1wt%の上限までの範囲の量の添加物を含むことができ、該添加物の量は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0165】
好適な添加物としては、これらに限定されないが、活性化合物、イオン性樹脂、ゼオライト、ナノ粒子、マイクロ波増強添加物、セラミック粒子、ガラスビーズ、柔軟剤、可塑剤、顔料、染料、制御放出ベシクル、接着剤、粘着付与剤、表面改質剤、ビタミン、過酸化物、殺生物剤、抗真菌剤、抗菌剤、帯電防止剤、難燃剤、分解剤およびこれらの任意の組み合わせが挙げられ、これらは本明細書にさらに詳細に記載される。当業者は、添加物、たとえば有機粒子から風味料を吸収する多孔性添加物が、有機粒子の機能に最低限の影響を及ぼすものから影響をまったく及ぼさないものまででなければならないことを理解しなければならない。
【0166】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された有機多孔質体は、長さ1mm当たり水柱約0.10mm、長さ1mm当たり水柱1mm、長さ1mm当たり水柱2mm、長さ1mm当たり水柱3mm、長さ1mm当たり水柱4mm、長さ1mm当たり水柱5mm、長さ1mm当たり水柱6mm、長さ1mm当たり水柱7mm、長さ1mm当たり水柱8mm、長さ1mm当たり水柱9mmまたは長さ1mm当たり水柱10mmの下限から、長さ1mm当たり水柱約20mm、長さ1mm当たり水柱19mm、長さ1mm当たり水柱18mm、長さ1mm当たり水柱17mm、長さ1mm当たり水柱16mm、長さ1mm当たり水柱15mm、長さ1mm当たり水柱14mm、長さ1mm当たり水柱13mm、長さ1mm当たり水柱12mm、長さ1mm当たり水柱11mm、長さ1mm当たり水柱10mm、長さ1mm当たり水柱9mm、長さ1mm当たり水柱8mm、長さ1mm当たり水柱7mm、長さ1mm当たり水柱6mmまたは長さ1mm当たり水柱5mmの上限までの範囲のEPDを有することができ、該EPDは任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0167】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された有機多孔質体は、少なくとも約1mg/mm、2mg/mm、3mg/mm、4mg/mm、5mg/mm、6mg/mm、7mg/mm、8mg/mm、9mg/mm、10mg/mm、11mg/mm、12mg/mm、13mg/mm、14mg/mm、15mg/mm、16mg/mm、17mg/mm、18mg/mm、19mg/mm、20mg/mm、21mg/mm、22mg/mm、23mg/mm、24mg/mmまたは25mg/mmの有機粒子充填量を、長さ1mm当たり水柱約20mm以下、長さ1mm当たり水柱19mm以下、長さ1mm当たり水柱18mm以下、長さ1mm当たり水柱17mm以下、長さ1mm当たり水柱16mm以下、長さ1mm当たり水柱15mm以下、長さ1mm当たり水柱14mm以下、長さ1mm当たり水柱13mm以下、長さ1mm当たり水柱12mm以下、長さ1mm当たり水柱11mm以下、長さ1mm当たり水柱10mm以下、長さ1mm当たり水柱9mm以下、長さ1mm当たり水柱8mm以下、長さ1mm当たり水柱7mm以下、長さ1mm当たり水柱6mm以下、長さ1mm当たり水柱5mm以下、長さ1mm当たり水柱4mm以下、長さ1mm当たり水柱3mm以下、長さ1mm当たり水柱2mm以下または長さ1mm当たり水柱1mm以下のEPDとの組み合わせで有することができ、該有機粒子充填量および該EPDは独立に、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0168】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された有機多孔質体は、約5mm、10mm、25mmまたは50mmの下限から、約150mm、100mm、50mmまたは25mmの上限までの長さを有することができ、該長さは任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0169】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された有機多孔質体は、該有機多孔質体のまわりに配置されたラッパーをさらに含むことができる。好適なラッパーとしては、これらに限定されないが、紙(たとえば、木質系紙、亜麻を含む紙、亜麻紙、他の天然繊維または合成繊維から製造された紙、機能性紙、特殊マーキング紙、色付けされた紙)、プラスチック(たとえば、フッ素化ポリマー、例としてポリテトラフルオロエチレン、シリコーン)、フィルム、コート紙、コーティングされたプラスチック、コーティングされたフィルム等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施態様では、ラッパーは、喫煙具フィルターに使用されるのに適した紙であってもよい。
【0170】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された有機多孔質体は、任意の断面形状を有することができ、たとえば、これらに限定されないが、円形、実質的に円形、卵形、実質的に卵形、多角形(たとえば、三角形、正方形、長方形、五角形等)、丸みを帯びた端を有する多角形等、またはこれらの任意の混成形状が挙げられる。
【0171】
本明細書に記載された有機多孔質体の外周は、約5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、25mmまたは26mmの下限から、約60mm、50mm、40mm、30mm、20mm、29mm、28mm、27mm、26mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mmまたは16mmの上限までの範囲であることができ、該外周は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。本発明の有機多孔質体が、真の円筒以外の形状である実施態様では、用語「外周」は、円形の断面を包含する任意の形状の断面の周囲長さを意味するように使用されることを理解しなければならない。
【0172】
いくつかの実施態様では、有機多孔質体は、少なくとも1種類の有機粒子(たとえば、本明細書に記載された組成、本明細書に記載されたサイズ、本明細書に記載された形状またはこれらの組み合わせを有する有機粒子)を、本明細書に記載された量で;少なくとも1種類の結合剤粒子(たとえば、本明細書に記載された組成、本明細書に記載されたサイズ、本明細書に記載された形状、本明細書に記載された嵩密度、本明細書に記載されたMFI、本明細書に記載された固有粘度またはこれらの組み合わせを有する結合剤粒子)を、本明細書に記載された量で;および任意的に本明細書に記載された、少なくとも1種類の添加剤を、本明細書に記載された量で;含むことができる。いくつかの実施態様では、有機多孔質体は、本明細書に記載されたEPD;本明細書に記載された長さ;本明細書に記載された断面形状;本明細書に記載された外周;本明細書に記載されたラッパー;またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つの特性を有することができる。
【0173】
IV.多孔質体
多孔質体は一般に、複数の接触点で結合された、複数の結合剤粒子(たとえば、有機多孔質体に関連して本明細書に記載された結合剤粒子)および複数の活性粒子(たとえば、本明細書に記載された炭素粒子またはゼオライト)を含む。接触点は、活性粒子−バインダー間の接触点、バインダー−バインダー間の接触点、活性粒子−活性粒子間の接触点およびこれらの任意の組み合わせであることができる。
【0174】
いくつかの実施態様では、多孔質体は、多孔質体の約1wt%、5wt%、10wt%、25wt%、40wt%、50wt%、60wt%または75wt%の下限から、多孔質体の約99wt%、95wt%、90wt%または75wt%の上限までの範囲の量で活性粒子を含んでいてもよく、該活性粒子の量は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施態様では、多孔質体は、多孔質体の約1wt%、5wt%、10wt%または25wt%の下限から、多孔質体の約99wt%、95wt%、90wt%、75wt%、60wt%、50wt%、40wt%または25wt%の上限までの範囲の量で結合剤粒子を含んでもよく、該結合剤粒子の量は、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間に任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0175】
結合剤粒子サイズと活性粒子サイズとの比は、本明細書に記載されたそれぞれのサイズの範囲によって決定される任意の繰り返しを含むことができるけれども、特定のサイズ比が、特定の用途および/または製品については好都合であることがある。非限定的な実施例として、喫煙具フィルター中では、活性粒子および結合剤粒子のサイズは、EPDが多孔質体を通して流体を吸引することを可能にするようなものでなければならない。いくつかの実施態様では、結合剤粒子サイズと活性粒子サイズとの比は、約10:1〜約1:10の範囲、またはより好ましくは約1:1.5〜約1:4の範囲であってもよい。
【0176】
いくつかの実施態様では、多孔質体は約40%〜約90%の範囲の空隙容量を有していてもよい。いくつかの実施態様では、多孔質体は約60%〜約90%の空隙容量を有していてもよい。いくつかの実施態様では、多孔質体は約60%〜約85%の空隙容量を有していてもよい。空隙容量とは、活性粒子によって占められた空間を割り当てた後に残される空き空間である。
【0177】
空隙容量を決定するためには、何らかの特定の理論によって限定されることを望むものではないが、混合物の最終密度は活性粒子からほぼ完全に導かれることを試験結果は示していると考えられ、したがって、結合剤粒子によって占められる空間は、この計算では考慮に入れなかった。したがって、空隙容量は、この文脈においては、活性粒子によって占められた後に残る空間に基づいて計算される。空隙容量を決定するために、まず活性粒子についてメッシュサイズに基づいた網目上直径および網目下直径が平均され、次に活性粒子材料の密度を使用して(その平均化された直径に基づいた球形状を仮定して)容量が計算された。その結果、空隙容量パーセントが以下のように計算される。
【数1】
【0178】
いくつかの実施態様では、多孔質体は、多孔質体の長さ1mm当たり水柱約0.10〜約25mmの範囲の封入圧力低下(EPD)を有することができる。いくつかの実施態様では、多孔質体は、多孔質体の長さ1mm当たり水柱約0.10〜約10mmの範囲のEPDを有してもよい。いくつかの実施態様では、多孔質は、多孔質体の長さ1mm当たり水柱約2mm〜約7mmの(または多孔質体の長さ1mm当たり水柱7mm以下)のEPDを有してもよい。
【0179】
いくつかの実施態様では、多孔質体は、少なくとも約1mg/mm、2mg/mm、3mg/mm、4mg/mm、5mg/mm、6mg/mm、7mg/mm、8mg/mm、9mg/mm、10mg/mm、11mg/mm、12mg/mm、13mg/mm、14mg/mm、15mg/mm、16mg/mm、17mg/mm、18mg/mm、19mg/mm、20mg/mm、21mg/mm、22mg/mm、23mg/mm、24mg/mmまたは25mg/mmの活性粒子充填量を、長さ1mm当たり水柱約20mm以下、長さ1mm当たり水柱19mm以下、長さ1mm当たり水柱18mm以下、長さ1mm当たり水柱17mm以下、長さ1mm当たり水柱16mm以下、長さ1mm当たり1水柱5mm以下、長さ1mm当たり水柱14mm以下、長さ1mm当たり水柱13mm以下、長さ1mm当たり水柱12mm以下、長さ1mm当たり水柱11mm以下、長さ1mm当たり水柱10mm以下、長さ1mm当たり水柱9mm以下、長さ1mm当たり水柱8mm以下、長さ1mm当たり水柱7mm以下、長さ1mm当たり水柱6mm以下、長さ1mm当たり水柱5mm以下、長さ1mm当たり水柱4mm以下、長さ1mm当たり水柱3mm以下、長さ1mm当たり水柱2mm以下または長さ1mm当たり水柱1mm以下のEPDとの組み合わせで有することができ、該活性粒子充填量および該EPDのそれぞれは独立に、任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。
【0180】
例として、いくつかの実施態様では、多孔質体は、少なくとも約1mg/mmの活性粒子充填量および長さ1mm当たり水柱約20mm以下のEPDを有することができる。他の実施態様では、多孔質体は、少なくとも約1mg/mmの活性粒子充填量および長さ1mm当たり水柱約20mm以下のEPDを有してもよく、かつ該活性粒子は炭素ではない。他の実施態様では、多孔質体は、少なくとも約6mg/mmの充填量の炭素を含む活性粒子を、長さ1mm当たり水柱10mm以下のEPDとの組み合わせで有してもよい。
【0181】
いくつかの実施態様では、多孔質体は添加物をさらに含んでいてもよい。多孔質体と一緒に使用するのに適した添加物としては、これらに限定されないが、活性化合物、イオン性樹脂、ゼオライト、ナノ粒子、マイクロ波増強添加物、セラミック粒子、ガラスビーズ、柔軟剤、可塑剤、顔料、染料、風味料、芳香剤、制御放出ベシクル、接着剤、粘着付与剤、表面改質剤、ビタミン、過酸化物、殺生物剤、抗真菌剤、抗菌剤、帯電防止剤、難燃剤、分解剤およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0182】
添加物
活性粒子の一例は、活性炭(または活性木炭、または活性石炭)である。活性炭は、低活性(約50%〜約75%のCCl
4吸着量)もしくは高活性(約75%〜約99%のCCl
4吸着量)または両者の組み合わせであってもよい。いくつかの実施態様では、活性炭は、ナノスケール炭素粒子、たとえば任意の数の壁のカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、竹状カーボンナノ構造体、フラーレンおよびフラーレン凝集体ならびに数層グラフェンおよび酸化グラフェン等のグラフェンであってもよい。活性粒子の他の例としては、これらに限定されないが、イオン交換樹脂、デシカント、ケイ酸塩、モレキュラーシーブ、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト、パーライト、セピオライト、酸性白土、ケイ酸マグネシウム、金属酸化物(たとえば、酸化鉄、約12nmのFe
3O
4のような酸化鉄ナノ粒子、酸化マンガン、酸化銅および酸化アルミニウム)、金、白金、5酸化ヨウ素、5酸化リン、ナノ粒子(たとえば、金および銀のような金属ナノ粒子;アルミナのような金属酸化物ナノ粒子;酸化ガドリニウム、ヘマタイトおよびマグネタイトのような酸化鉄の様々な結晶構造体、ガドナノチューブならびにGd@C
60のようなエンドフラーレンのような磁性、常磁性および超常磁性ナノ粒子;金および銀ナノシェルのようなコア−シェルおよび玉ねぎ状ナノ粒子、玉ねぎ状酸化鉄、および任意のこれらの材料の外殻を有する他のナノ粒子またはミクロ粒子)ならびに上記のもの(活性炭を含む)の任意の組み合わせが挙げられる。イオン交換樹脂としては、たとえば主鎖を有するポリマー、例としてスチレン−ジビニルベンゼン(DVB)コポリマー、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、フェノールホルムアルデヒド縮合物およびエピクロルヒドリンアミン縮合物;ならびに該ポリマー主鎖に結合された複数の帯電した官能基が挙げられる。いくつかの実施態様では、活性粒子は、様々な活性粒子の組み合わせである。いくつかの実施態様では、有機多孔質体は複数の活性粒子を含んでいてもよい。いくつかの実施態様では、活性粒子は、本明細書に開示された活性粒子の群から選択された少なくとも1要素を含むことができる。「要素」とは、リスト中の品目を説明するための総称として使用されていることに留意しなければならない。いくつかの実施態様では、活性粒子は、少なくとも1種の風味料と組み合わせられる。
【0183】
いくつかの実施態様では、活性粒子は、約1ナノメーター未満(たとえば、グラフェン)、約0.1nm、0.5nm、1nm、10nm、100nm、500nm、1ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、200ミクロンまたは250ミクロンの下限から、約5000ミクロン、2000ミクロン、1000ミクロン、900ミクロン、700ミクロン、500ミクロン、400ミクロン、300ミクロン、250ミクロン、200ミクロン、150ミクロン、100ミクロン、50ミクロン、10ミクロンまたは500nmの上限までの範囲の少なくとも1方向における平均直径を有してもよく、該平均直径は任意の下限から任意の上限までの範囲であって、その間の任意の下位の組み合わせを包含することができる。いくつかの実施形態では、活性粒子は、複数の粒子サイズの混合物であってもよい。
【0184】
活性粒子は、いくつかの実施態様では、煙流の成分を除去し、低減しまたは追加することができ、いくつかの実施態様では、それは選択的であることができる。煙流成分は、以下のものを含むが、これらに限定されない:アセトアルデヒド、アセトアミド、アセトン、アクロレイン、アクリルアミド、アクリロニトリル、アフラトキシンB−1、4−アミノビフェニル、1−アミノナフタレン、2−アミノナフタレン、アンモニア、アンモニウム塩、アナバシン、アナタビン、0−アニシジン、ヒ素、A−α−C、ベンズ[a]アントラセン、ベンズ[b]フルオロアンテン、ベンズ[j]アセアントリレン、ベンズ[k]フルオロアンテン、ベンゼン、ベンゾ(b)フラン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[c]フェナントレン、ベリリウム、1,3−ブタジエン、ブチルアルデヒド、カドミウム、カフェ酸、一酸化炭素、カテコール、塩素化ダイオキシン/フラン、クロム、クリセン、コバルト、クマリン、クレゾール、クロトンアルデヒド、シクロペンタ[c,d]ピレン、ジベンズ(a,h)アクリジン、ジベンズ(a,j)アクリジン、ジベンズ[a,h]アントラセン、ジベンゾ(c,g)カルバゾール、ジベンゾ[a,e]ピレン、ジベンゾ[a,h]ピレン、ジベンゾ[a,i]ピレン、ジベンゾ[a,l]ピレン、2,6−ジメチルアニリン、カルバミン酸エチル(ウレタン)、エチルベンゼン、酸化エチレン、オイゲノール、ホルムアルデヒド、フラン、グル−P−1、グル−P−2、ヒドラジン、シアン化水素、ハイドロキノン、インデノ[l,2,3−cd] ピレン、IQ、イソプレン、鉛、MeA−α−C、水銀、メチルエチルケトン、5−メチルクリセン、4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)、4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノール(NNAL)、ナフタレン、ニッケル、ニコチン、硝酸塩、一酸化窒素、窒素酸化物、亜硝酸塩、ニトロベンゼン、ニトロメタン、2−ニトロプロパン、N−ニトロソアナバシン(NAB)、N−ニトロソジエタノールアミン(NDELA)、N−ニトロソジエチルアミン、N−ニトロソジメチルアミン(NDMA)、N−ニトロソエチルメチルアミン、N−ニトロソモルホリン(NMOR)、N−ニトロソノルニコチン(NNN)、N−ニトロソピペリジン(NPIP)、N−ニトロソピロリジン(NPYR)、N−ニトロソサルコシン(NSAR)、フェノール、PhlP、ポロニウム−210(放射性同位体)、プロピオンアルデヒド、酸化プロピレン、ピリジン、キノリン、レゾルシノール、セレン、スチレン、タール、2−トルイジン、トルエン、Trp−P−1、Trp−P−2、ウラン−235(放射性同位体)、ウラン−238(放射性同位体)、酢酸ビニル、塩化ビニルおよびこれらの任意の組み合わせ。
【0185】
好適なイオン性樹脂としては、これらに限定されないが、主鎖を有するポリマー、たとえばスチレン−ジビニルベンゼン(DVB)コポリマー、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、フェノールホルムアルデヒド縮合物およびエピクロルヒドリンアミン縮合物ならびに該ポリマー主鎖に結合された複数の帯電した官能基が挙げられる。
【0186】
ゼオライトは、均一な分子サイズの大きさの孔、たとえば通路または空洞を有する結晶性アルミノケイ酸塩を含むことができる。ゼオライトは、天然または合成の物質を含むことができる。好適なゼオライトとしては、これらに限定されないが、ゼオライトベータ(Na
7(Al
7Si
57O
128)正方晶)、ゼオライトZSM−5(Na
n(Al
nSi
96−nO
192)16H
2O、ただしn<27)、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトK−G、ゼオライトZK−5、ゼオライトZK−4、メソ多孔性ケイ酸塩、SBA−15、MCM−41、3−アミノプロピルシリル基によって変性されたMCM−48、アルミノリン酸塩、メソ多孔性アルミノケイ酸塩、他の関連した多孔質材料(たとえば、混合酸化物ゲルのようなもの)およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0187】
好適なナノ粒子としては、これらに限定されないが、任意の数の壁のカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、竹状カーボンナノ構造体、フラーレンおよびフラーレン凝集体ならびに数層グラフェンおよび酸化グラフェンを包含するグラフェン、のようなナノスケール炭素粒子;金および銀のような金属ナノ粒子;アルミナ、シリカおよびチタニアのような金属酸化物ナノ粒子;酸化ガドリニウム、ヘマタイトおよびマグネタイトのような酸化鉄の様々な結晶構造体、約12nmのFe
3O
4、ガドナノチューブ、ならびにGd@C
60のようなエンドフラーレン、のような磁性、常磁性および超常磁性ナノ粒子;ならびに金および銀のナノシェル、玉ねぎ状酸化鉄、および任意の当該材料の外殻を有する他のナノ粒子およびミクロ粒子、のようなコアシェルおよび玉ねぎ状ナノ粒子;ならびに上記の(活性炭を含む)任意の組み合わせが挙げられる。ナノ粒子は、ナノロッド、ナノスフェア、ナノリス、ナノワイヤ、ナノスター(ナノトリポッドおよびナノテトラポッドのようなもの)、中空ナノ構造体、1つに結合された2つ以上のナノ粒子である混成ナノ構造体、ならびにナノコーティングまたはナノ厚さの壁を有する非ナノ粒子を含んでいてもよいことに留意しなければならない。ナノ粒子は、ナノ粒子の官能化された誘導体、たとえば、以下のものに限定されないが、共有結合および/または非共有結合で、例としてパイスタッキング、物理吸着、イオン会合、ファンデルワールス会合等で、官能化されたナノ粒子を含むことができることにさらに留意しなければならない。好適な官能基としては、これらに限定されないが、アミン(1級、2級または3級)、アミド、カルボン酸、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、過酸化物、シリル、オルガノシラン、炭化水素、芳香族炭化水素およびこれらの任意の組み合わせを含む分子部分;ポリマー;エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリグリコールアミン酸およびピロール環を含む構造体のようなキレート剤;ならびにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。官能基は、ナノ粒子の有機多孔質体中への取り込みを向上させることができる。
【0188】
好適なマイクロ波増強添加物としては、これらに限定されないが、マイクロ波応答ポリマー、炭素粒子、フラーレン、炭素ナノチューブ、金属ナノ粒子、水等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0189】
好適なセラミック粒子としては、これらに限定されないが、酸化物(たとえば、シリカ、チタニア、アルミナ、ベリリア、セリアおよびジルコニア)、非酸化物(たとえば、炭化物、ホウ化物、窒化物およびケイ化物)、これらの複合物およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。セラミック粒子は、結晶性、非結晶性または半結晶性であってもよい。
【0190】
本明細書で使用される「顔料」とは、色を与える、マトリクス材料および/またはその成分中にその全体にわたって取り込まれる化合物および/または粒子をいう。好適な顔料としては、これらに限定されないが、二酸化チタン、二酸化ケイ素、タルトラジン、E102、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、ジオキサジン、ペリノンジスアゾ顔料、アントラキノン顔料、カーボンブラック、二酸化チタン、金属粉、酸化鉄、ウルトラマリンおよびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0191】
本明細書で使用される「染料」とは、色を与える、表面処理剤である化合物および/または粒子をいう。好適な染料としては、これらに限定されないが、CARTASOL(商標)染料(Clariant Services社から入手可能なカチオン染料)で、液状および/または粒状のもの(たとえば、CARTASOL(商標)Brilliant Yellow K−6G液体、CARTASOL(商標)Yellow K−4GL液体、CARTASOL(商標)Yellow K−GL液体、CARTASOL(商標)Orange K−3GL液体、CARTASOL(商標)Scarlet K−2GL液体、CARTASOL(商標)Red K−3BN液体、CARTASOL(登録商標)Blue K−5R液体、CARTASOL(商標)Blue K−RL液体、CARTASOL(商標)Turquoise K−RL液体/粒状物、CARTASOL(商標)Brown K−BL液体)、FASTUSOL(商標)染料(BASF社から入手可能な助色団)(たとえば、Yellow 3GL、Fastusol C Blue 74L)が挙げられる。
【0192】
好適な粘着付与剤としては、これらに限定されないが、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、水溶性酢酸セルロース、アミド、ジアミン、ポリエステル、ポリカーボネート、シリル変性ポリアミド化合物、ポリカルバメート、ウレタン、天然樹脂、セラック、アクリル酸ポリマー、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸エステルポリマー、アクリル酸誘導体ポリマー、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸エステルホモポリマー、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸ブチル)、ポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)、アクリル酸エステルコポリマー、メタアクリル酸誘導体ポリマー、メタアクリル酸ホモポリマー、メタクリル酸エステルホモポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸2−エチルヘキシル)、アクリルアミド−メチル−プロパンスルホネートポリマー、アクリルアミド−メチル−プロパンスルホネート誘導体ポリマー、アクリルアミド−メチル−プロパンスルホネートコポリマー、アクリル酸/アクリルアミド−メチル−プロパンスルホネートコポリマー、ベンジルココジ−(ヒドロキシエチル)第4級アミン、ホルムアルデヒド縮合p−t−アミル−フェノール、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、アクリルアミド、N−(ジアルキルアミノアルキル)アクリルアミド、メタクリルアミド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル等、これらの任意の誘導体およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0193】
好適なビタミンとしては、これらに限定されないが、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEおよびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0194】
好適な抗菌剤としては、これらに限定されないが、抗菌剤金属イオン、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩、トリクロサン、ポリモキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(たとえば、ゲンタマイシン)、リファンピシン、バシトラシン、エリスロマイシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン、ペニシリン、ノノキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、ムピロシン、メトロニダゾールセクロピン、プロテグリン、バクテリオシン、デフェンシン、ニトロフラゾン、マフェナイド、アシクロビル、バンコマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、スルホンアミド、ノルフロキサシン、ペフロキサシン、ナリジクス酸、シュウ酸、エノキサシン酸、シプロフロキサシン、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、PHMB誘導体(たとえば、ポリエチレンヘキサメチレンビグアニド(PEHMB)のような生分解性ビグアニド)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA誘導体(たとえば、EDTAジナトリウムまたはEDTA四ナトリウム)等およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0195】
帯電防止剤は、いくつかの実施態様では、任意の好適な陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性帯電防止剤を含むことができる。帯電防止剤としては、これらに限定されないが、概してアルカリ硫酸塩、アルカリリン酸塩、アルコールのリン酸エステル、エトキシ化アルコールのリン酸エステルおよびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの例としては、これらに限定されないが、アルカリ中和されたリン酸エステル(たとえば、米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能なTRYFAC(商標)5559またはTRYFAC(商標)5576)が挙げられる。陽イオン性帯電防止剤としては、これらに限定されないが、概して第4級アンモニウム塩および正電荷を有するイミダゾリンが挙げられる。非イオン性帯電防止剤の例としては、ポリ(オキシアルキレン)誘導体、たとえばEMERSEST(商標)2650(米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能なエトキシ化脂肪酸)のようなエトキシ化脂肪酸、TRYCOL(商標)5964(米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能なエトキシ化ラウリルアルコール)のようなエトキシ化脂肪族アルコール、TRYMEEN(商標)6606(米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能なエトキシ化獣脂アミン)のようなエトキシ化脂肪族アミン、EMID(商標)6545(米国、サウスカロライナ州、MauldinのHenkel社から入手可能なオレイン酸ジエタノールアミン)のようなアルカノールアミドおよびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。陰イオン性および陽イオン性材料が、より有効な帯電防止剤である傾向がある。
【0196】
有機多孔質体等は、本明細書では主に喫煙具フィルター用として検討されているけれども、多孔質体等は、他の用途における流体フィルター(またはその部品)、たとえば以下のものに限定されないが、液体ろ過、浄水、電動車両のエアフィルター、医療機器の空気清浄器、家庭用空気清浄器等として使用されることができることに留意しなければならない。本開示発明の利益を享受する当業者は、本開示発明を他のろ過用途に適合させるために必要な修正および/または制限を、たとえば有機粒子および結合剤粒子のサイズ、形状、サイズ比ならびに有機多孔質体の組成を理解しなければならない。非限定例として、有機多孔質体は、同心水フィルター構成物用の中空円柱またはエアフィルター用のプリーツシートのような他の形状に成形されることが可能である。
【0197】
本明細書に開示されたいくつかの実施態様は以下のものを含む:
A.マトリクス材料を型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子、複数の有機粒子およびマイクロ波増強添加物を含む工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって長尺有機多孔質体を形成する工程であって、該加熱することがマイクロ波放射線で該マトリクス材料の該少なくとも一部を照射することを含む工程;および該長尺有機多孔質体を半径方向に切断して、それによって有機多孔質体をもたらす工程;を含む方法、
B.マトリクス材料を型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子、複数の有機粒子およびマイクロ波増強添加物を含む工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を低酸素濃度の雰囲気中で加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって長尺有機多孔質体を形成する工程であって、該加熱することがマイクロ波放射線で該マトリクス材料の該少なくとも一部を照射することを含む工程;および該長尺有機多孔質体を半径方向に切断して、それによって有機多孔質体をもたらす工程;を含む方法、および
C.マトリクス材料を型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子、複数の有機粒子およびマイクロ波増強添加物を含む工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を高められた気圧の雰囲気中で加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって長尺有機多孔質体を形成する工程であって、該加熱することがマイクロ波放射線で該マトリクス材料の少なくとも一部を照射することを含む工程;および該長尺有機多孔質体を半径方向に切断して、それによって有機多孔質体をもたらす工程;を含む方法。
【0198】
実施態様A、BおよびCのそれぞれは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組み合わせで有することができる:
要素1:導入する工程が、約1m/分〜約800m/分の供給速度で実施される高濃度相空送供給を含む工程であること、
要素2:導入する工程が、約1m/分〜約800m/分の供給速度で実施される高濃度相空送供給を含み、かつ型が約3mm〜約10mmの直径を有する工程であること、
要素3:導入前にマトリクス材料を予熱すること、
要素4:加熱する工程が放射加熱をさらに含むこと、
要素5:型が、紙ラッパーによって少なくとも部分的に形成されること、
要素6:有機多孔質体が、長さ1mm当たり水柱約0.1mm〜長さ1mm当たり水柱約25mmのEPDを有すること、
要素7:有機多孔質体が、長さ1mm当たり水柱約0.1mm〜長さ1mm当たり水柱約20mmのEPDを有し、かつ該多孔質体が約1mg/mm〜約20mg/mmで有機粒子を含むこと、
要素8:天然の材料が、クローブ、タバコ、コーヒー豆、ココア、シナモン、バニラ、茶、緑茶、紅茶、ベイリーフ、かんきつ果皮、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、クミン、チリペッパー、チリパウダー、赤トウガラシ、ユーカリ樹、ペパーミント、カレー、アニス、ディル、フェンネル、オールスパイス、バジル、ローズマリー、胡椒、キャラウェーの実、シラントロ、ニンニク、からし、ナツメグ、タイム、ウコン、オレガノ、他の香辛料、ホップ、他の穀粒、砂糖およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1種を含むこと、
要素9:有機粒子が、約100ミクロン〜約1500ミクロンの平均直径を有すること、
要素10:結合剤粒子がポリエチレンを含むこと、
要素11:結合剤粒子がUHMWPEを含むこと、
要素12:結合剤粒子がVHMWPEを含むこと、
要素13:結合剤粒子がHMWPEを含むこと、および
要素14:有機多孔質体が、本明細書に記載された少なくとも1種の添加物を含むこと。
【0199】
非限定的な実施例として、A、BおよびCに独立して適用可能な典型的な組み合わせは以下のものを含む:
要素1に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1および2に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素3に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1および3に、任意的に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2および3に、任意的に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1および4に、任意的に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2および4に、任意的に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素5を組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素6を組み合わせたもの、および
上記のいずれかに要素7を組み合わせたもの等々。
【0200】
本明細書に開示された追加の実施態様は、以下のものを含む:
D:マトリクス材料を型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子および複数の有機粒子を含む工程;該型の内張りとして離型ラッパーを配置する工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって長尺有機多孔質体を形成する工程;および該長尺有機多孔質体を半径方向に切断して、それによって有機多孔質体をもたらす工程;を含む方法、
E:マトリクス材料を複数の型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子および複数の有機粒子を含む工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって有機多孔質体を形成する工程;を含む方法、および
F:マトリクス材料および紙ラッパーを連続的に組み合わせて、該マトリクス材料が該紙ラッパーによって画定される所望の断面形状を形成する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子および複数の有機粒子を含む工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって長尺有機多孔質体を形成する工程であって、該加熱することがマイクロ波放射線で該マトリクス材料の該少なくとも一部を照射することを含む工程;該長尺有機多孔質体を冷却する工程;および該長尺有機多孔質体を半径方向に切断して、それによって有機多孔質体を製造する工程;を含む方法。
【0201】
実施態様D、EおよびFのそれぞれは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組み合わせで有することができる:
要素1:導入する工程が、約1m/分〜約800m/分の供給速度で実施される高濃度相空送供給を含む工程であること、
要素2:導入する工程が、約1m/分〜約800m/分の供給速度で実施される高濃度相空送供給を含み、かつ型が約3mm〜約10mmの直径を有する工程であること、
要素3:加熱する工程がマイクロ波放射線で該マトリクス材料の該少なくとも一部を照射することを含むこと、
要素4:加熱する工程が放射加熱を含むこと、
要素5:加熱する工程が低酸素濃度の雰囲気中で実施されること、
要素6:加熱する工程が高められた気圧の雰囲気中で実施されること、
要素7:型が、紙ラッパーによって少なくとも部分的に形成されること、
要素8:有機多孔質体が、長さ1mm当たり水柱約0.1mm〜長さ1mm当たり水柱約25mmのEPDを有すること、
要素9:有機多孔質体が、長さ1mm当たり水柱約0.1mm〜長さ1mm当たり水柱約20mmのEPDを有し、かつ該多孔質体が約1mg/mm〜約20mg/mmで有機粒子を含むこと、
要素10:天然の材料が、クローブ、タバコ、コーヒー豆、ココア、シナモン、バニラ、茶、緑茶、紅茶、ベイリーフ、かんきつ果皮、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、クミン、チリペッパー、チリパウダー、赤トウガラシ、ユーカリ樹、ペパーミント、カレー、アニス、ディル、フェンネル、オールスパイス、バジル、ローズマリー、胡椒、キャラウェーの実、シラントロ、ニンニク、からし、ナツメグ、タイム、ウコン、オレガノ、他の香辛料、ホップ、他の穀粒、砂糖およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1種を含むこと、
要素11:有機粒子が、約100ミクロン〜約1500ミクロンの平均直径を有すること、
要素12:結合剤粒子がポリエチレンを含むこと、
要素13:結合剤粒子がUHMWPEを含むこと、
要素14:結合剤粒子がVHMWPEを含むこと、
要素15:結合剤粒子がHMWPEを含むこと、および
要素16:有機多孔質体が、本明細書に記載された少なくとも1種の添加物を含むこと。
【0202】
非限定的な実施例として、D、EおよびFに独立して適用可能な典型的な組み合わせは以下のものを含む:
要素1に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素3に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1および3に、任意的に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2および3に、任意的に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1および4に、任意的に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2および4に、任意的に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素5を組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素6を組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素7を組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素8を組み合わせたもの、および
上記のいずれかに要素9を組み合わせたもの等々。
【0203】
本明細書に開示された実施態様は、以下のものを含む:
G:複数の結合剤粒子および天然の材料に由来する複数の有機粒子を含む有機多孔質体であって、該有機粒子および該結合剤粒子が複数の接触点で結合した有機多孔質体、
H:天然の材料に由来する複数の有機粒子、および複数の結合剤粒子を含む有機多孔質体であって、該有機粒子および該結合剤粒子が複数の接触点で結合した有機多孔質体、を含むフィルター、および
I:複数の結合剤粒子および天然の材料に由来する複数の有機粒子を含む有機多孔質体であって、該有機粒子および該結合剤粒子が複数の接触点で結合した有機多孔質体、を含むフィルターを備えた喫煙具。
【0204】
実施態様G、HおよびIのそれぞれは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組み合わせで有することができる:
要素1:天然の材料が、クローブ、タバコ、コーヒー豆、ココア、シナモン、バニラ、茶、緑茶、紅茶、ベイリーフ、かんきつ果皮、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、クミン、チリペッパー、チリパウダー、赤トウガラシ、ユーカリ樹、ペパーミント、カレー、アニス、ディル、フェンネル、オールスパイス、バジル、ローズマリー、胡椒、キャラウェーの実、シラントロ、ニンニク、からし、ナツメグ、タイム、ウコン、オレガノ、他の香辛料、ホップ、他の穀粒、砂糖およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1種を含むこと、
要素2:有機多孔質体が、長さ1mm当たり水柱約0.1mm〜長さ1mm当たり水柱約20mmの封入圧力低下を有すること、
要素3:有機粒子が、約100ミクロン〜約1500ミクロンの平均直径を有すること、
要素4:結合剤粒子がポリエチレンを含むこと、
要素5:結合剤粒子がUHMWPEを含むこと、
要素6:結合剤粒子がVHMWPEを含むこと、
要素7:結合剤粒子がHMWPEを含むこと、および
要素8:有機多孔質体が、本明細書に記載された少なくとも1種の添加物を含むこと。
要素9:セルロース、セルロース誘導体、セルロースエステルトウ、酢酸セルローストウ、フィラメント当たり約10デニール未満の酢酸セルローストウ、フィラメント当たり10デニール以上の酢酸セルローストウ、ランダム配向酢酸セルロース、紙、段ボール紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィントウ、ポリプロピレントウ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、粗粉末、炭素粒子、炭素繊維、繊維、ガラスビーズ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、多孔質体およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1種を含む他のフィルター区画(該フィルター区画が提供されている場合には)、および
要素10:長さ1mm当たり水柱約0.1mm〜長さ1mm当たり水柱約20mmの封入圧力低下を有するフィルター(該フィルターが提供されている場合には)。
【0205】
非限定的な実施例として、G、HおよびIに独立して適用可能な典型的な組み合わせは以下のものを含む:
要素1に要素2〜8のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1に要素2および3を組み合わせたもの、および
要素1〜3に要素4〜8のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの等々。
非限定的な実施例として、BおよびCに独立して適用可能な典型的な組み合わせは以下のものを含む:
要素9に上記の組み合わせを組み合わせたもの、および
要素10に上記の組み合わせを組み合わせたもの。
【0206】
本明細書に開示されたさらに追加の実施態様は、以下のものを含む:
J:天然の材料を摩砕して複数の有機粒子にする工程;マトリクス材料を型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子および該有機粒子を含む工程;該マトリクス材料の少なくとも一部を加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって長尺有機多孔質体を形成する工程;および該長尺有機多孔質体を半径方向に切断して、それによって有機多孔質体をもたらす工程;を含む方法、
K:天然の材料を摩砕して複数の有機粒子にする工程;該有機粒子をサイズ分けする工程;マトリクス材料を複数の型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子および該有機粒子を含む工程;および該マトリクス材料を該型内で加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって有機多孔質体を形成する工程;を含む方法、
L:天然の材料を摩砕して複数の有機粒子にする工程;該有機粒子を乾燥する工程;マトリクス材料を複数の型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子および該有機粒子を含む工程;および該マトリクス材料を該型内で加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって有機多孔質体を形成する工程;を含む方法、および
M:天然の材料を摩砕して複数の有機粒子にする工程;該有機粒子のうちの少なくとも一部を乾燥する工程;該有機粒子をサイズ分けする工程;マトリクス材料を複数の型内に導入する工程であって、該マトリクス材料が複数の結合剤粒子および該有機粒子を含む工程;および該マトリクス材料を該型内で加熱して、該マトリクス材料を複数の接触点で結合し、それによって有機多孔質体を形成する工程;を含む方法。
【0207】
実施態様J、K、LおよびMのそれぞれは、以下の追加の要素のうちの1つ以上を任意の組み合わせで有することができる:
要素1:導入する工程が、約1m/分〜約800m/分の供給速度で実施される高濃度相空送供給を含む工程であること、
要素2:導入する工程が、約1m/分〜約800m/分の供給速度で実施される高濃度相空送供給を含み、かつ型が約3mm〜約10mmの直径を有する工程であること、
要素3:加熱する工程がマイクロ波放射線で該マトリクス材料の該少なくとも一部を照射することを含むこと、
要素4:加熱する工程が放射加熱を含むこと、
要素5:加熱する工程が低酸素濃度の雰囲気中で実施されること、
要素6:加熱する工程が高められた気圧の雰囲気中で実施されること、
要素7:型が、紙ラッパーによって少なくとも部分的に形成されること、
要素8:有機多孔質体が、長さ1mm当たり水柱約0.1mm〜長さ1mm当たり水柱約25mmのEPDを有すること、
要素9:有機多孔質体が、長さ1mm当たり水柱約0.1mm〜長さ1mm当たり水柱約20mmのEPDを有し、かつ該多孔質体が約1mg/mm〜約20mg/mmで有機粒子を含むこと、
要素10:天然の材料が、クローブ、タバコ、コーヒー豆、ココア、シナモン、バニラ、茶、緑茶、紅茶、ベイリーフ、かんきつ果皮、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、クミン、チリペッパー、チリパウダー、赤トウガラシ、ユーカリ樹、ペパーミント、カレー、アニス、ディル、フェンネル、オールスパイス、バジル、ローズマリー、胡椒、キャラウェーの実、シラントロ、ニンニク、からし、ナツメグ、タイム、ウコン、オレガノ、他の香辛料、ホップ、他の穀粒、砂糖およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1種を含むこと、
要素11:有機粒子が、約100ミクロン〜約1500ミクロンの平均直径を有すること、
要素12:結合剤粒子がポリエチレンを含むこと、
要素13:結合剤粒子がUHMWPEを含むこと、
要素14:結合剤粒子がVHMWPEを含むこと、
要素15:結合剤粒子がHMWPEを含むこと、および
要素16:有機多孔質体が、本明細書に記載された少なくとも1種の添加物を含むこと。
【0208】
非限定的な実施例として、J、K、LおよびMに独立して適用可能な典型的な組み合わせは以下のものを含む:
要素1に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2に要素8〜14のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素3に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1および3に、任意的に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2および3に、任意的に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素1および4に、任意的に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
要素2および4に、任意的に要素10〜16のうちの少なくとも1つを組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素5を組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素6を組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素7を組み合わせたもの、
上記のいずれかに要素8を組み合わせたもの、および
上記のいずれかに要素9を組み合わせたもの等々。
【0209】
本発明についてのより良い理解を促すために、好ましいまたは代表的な実施態様の以下の実施例が示される。以下の実施例は、本発明の範囲を限定するようにまたは画定するようには、決して読まれてはならない。
実施例
【実施例1】
【0210】
UHMWPE結合剤粒子(約125ミクロンの平均直径)およびクローブ有機粒子(約1.0mm〜約2.0mmの平均直径)が混合され、酢酸セルロースシガレットフィルターに適合する直径および断面形状を有する型内に入れられ、そして30分間、約135℃まで加熱され、それによってクローブ多孔質体がもたらされた。このクローブ多孔質体は長さ5mm、10mmおよび15mmのセグメントに切断された。該クローブ多孔質体セグメントは酢酸セルロースシガレットフィルターセグメントと一緒にされて、長さ21mmの複数のセグメント化されたフィルターがもたらされた。該セグメント化フィルターおよび対照の酢酸セルロースタバコフィルターは、商用のタバコカラムに取り付けられた。
【0211】
様々なシガレットのEPDが、コレスタ(Coresta)推奨方法(CRM)41を使用して1測定当たり5本のシガレットを用いて測定され(表1)、様々な煙流成分の送達濃度がISOの喫煙方法ISO 3308を使用して測定された(表2)。
【表1】
【表2】
【0212】
この実施例は、クローブ有機粒子からの風味(すなわち、オイゲノール)が有機多孔質体を経由して送達されることができることを示している。さらに、送達された風味料の濃度は有機多孔質体の長さに関係付けられる。
【実施例2】
【0213】
UHMWPE結合剤粒子(約150ミクロンの平均直径)、クローブ有機粒子(約500ミクロンの平均直径)および炭素粒子添加物(30×70メッシュ)が混合され、紙ラッパーを内張りされた型内に入れられ、そして30分間、様々な温度まで、任意的に該型をヘリウムでパージし次に該型を密閉することによって低酸素の雰囲気中で、加熱され(表3)、それによって複数のクローブ多孔質体がもたらされた。
【0214】
加熱の間、フルフラール、メチルフルフラールおよびアルファフルフラールのヘッドスペースガスが、加熱の間に放出されたクローブ有機粒子の分解副生成物の評価基準としてガスクロマトグラフィーによって分析され(表3)、これらは結局有機多孔質体中の風味分解量を示すことがある。
【表3】
【0215】
有機多孔質体を焼結する(すなわち、加熱する)ために温度を上げると、有機粒子の分解副生成物の濃度が増加する。しかし、低酸素濃度の雰囲気中では、有機粒子の分解副生成物の濃度は、同じ温度の場合におよそ1桁分だけ低減される。
【0216】
この実施例は、低酸素濃度の雰囲気中の製造が、有機粒子の分解を軽減することができて有利であることを実証している。
【実施例3】
【0217】
いくつかの有機多孔質体が、UHMWPE結合剤粒子(約125ミクロンの平均直径)を様々な有機粒子、すなわちクローブ、シナモンおよびパイプタバコと組み合わせて製造された。焼結は、2つの温度(135℃、175℃または220℃)で、空気雰囲気かあるいは低酸素濃度の雰囲気(型を真空にし引き続いてN
2パージ)のいずれかの中で行なわれた。有機多孔質体は次に、2種の嗅覚テストを用いて人々によって試験された。第1のテストでは、嗅覚評価が、有機粒子の臭いを嗅ぎ分ける能力に基づいて、0から10までの、0は対照(結合剤粒子と有機粒子との、焼結されていない混合物)のように臭いを感じ、10は全く異なるように臭いを感じる評価システムを用いて行われた。第2のテストでは、焼け焦げ評価が、焼け焦げの臭いを嗅ぎ分ける能力に基づいて、0から5までの、0は焼け焦げの臭いを感じ取れず、5は焼け焦げた対照(有機粒子が220℃で焼結されたもの)のように臭いを感じる評価システムを用いて行われた。嗅覚テストの結果が表4に提示される。
【表4】
【0218】
この実施例は、より低い温度での焼結および低酸素濃度環境が本明細書に記載された有機多孔質体について好ましい嗅覚特性を提供することを実証している。
【0219】
以上のことから、本発明は、記載されたその目的および利点とともに本発明に固有のものを達成するのに十分に適合している。本発明は、異なる様式ではあるが、本明細書の教示の利益を享受する当業者には明らかである等価な様式で、修正され、かつ実施されることができるので、上で開示された特定の実施態様は、例示のためだけのものである。さらにその上、本明細書に示された構成または設計の詳細へのいかなる限定も、以下の請求項に記載された以外には、意図されていない。従って、上で開示された特定の例示的な実施態様が変更され、組み合わせられまたは修正されることができ、また、全てのそのような変更物は本発明の範囲および精神内のものであると見なされることは明らかである。本明細書に例示的に適切に開示された発明は、明細書に具体的に開示されていない何らかの要素および/または本明細書に開示された何らかの任意的な要素がなくても実施されることができる。組成物および方法は、様々な成分または工程を「含んでいる(comprising)」、「含む(containing)」、または「包含する(including)」の用語で記載されているけれども、これらの組成物および方法は、様々な成分または工程「から実質的に成る(consist essentially of)」または「から成る(consist of)」ことができる。上で開示された全ての数および範囲は、ある量だけ変動することができる。下限と上限とを有する数の範囲が開示される場合は常に、その範囲内に含まれる任意の数および任意の包含される範囲も具体的に開示されているのである。特に、本明細書に開示された(「約aから約bまで」、または同等なものとして「近似的にaからbまで」、または同等なものとして「近似的にa〜b」の形式の)全ての数値範囲は、そのより広い数値範囲内に包含される全ての数および範囲を記載しているものと理解されなければならない。また、請求項の用語は、特許権者によって明示的にかつ明白に他様に定義されていない限り、その平易な、通常の意味を有する。その上、請求項の中で使用される不定冠詞「a」または「an」は、それが導入する要素のうちの1つ以上を意味すると、本明細書では定義される。本明細書中の語または用語の使用法において何らかの矛盾、および参照によって本明細書に取り込まれることができる1つ以上の特許または他の文書間に何らかの矛盾がある場合、本明細書と一致している定義が採用されなければならない。