特許第6283975号(P6283975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283975
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】計量器付き注出ノズル
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   B65D47/20 210
   B65D47/20BRD
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-41929(P2017-41929)
(22)【出願日】2017年3月6日
(62)【分割の表示】特願2013-39139(P2013-39139)の分割
【原出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2017-121971(P2017-121971A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2017年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(74)【代理人】
【識別番号】100165607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100196690
【弁理士】
【氏名又は名称】森合 透
(72)【発明者】
【氏名】角田 義幸
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−327607(JP,A)
【文献】 実開平2−90257(JP,U)
【文献】 特開2002−154568(JP,A)
【文献】 米国特許第4961521(US,A)
【文献】 特開平8−198347(JP,A)
【文献】 実開昭53−66458(JP,U)
【文献】 特開2009−207593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体(1)に設けられた口筒部(2)に接続されて前記容器本体(1)内に収容されている内容物(40)を注出する計量器付き注出ノズル(10)であって、
前記口筒部(2)に接続される接続部(12)、該接続部(12)から延設されて前記口筒部(2)から注出される内容物(40)が通過する流路(16)を備えた内ノズル(14)及び該内ノズル(14)の外側に延設されて前記内ノズル(14)との間に内容物(40)の容量を測る計量室(17)を形成する外ノズル(15)を有して構成されるノズル本体(11)と、
前記ノズル本体(11)の先端側の開口端(11A)に設けられて前記計量室(17)の容積の増減調整を行う調整ノズル(30)と、前記調整ノズル(30)の注出端(32A)を閉塞する蓋体(20)と、を有し、
前記調整ノズル(30)が、下端側が内ノズル(14)の先端に接続する調整内ノズル(31)と、下端側が外ノズル(15)の先端に接続する調整外ノズル(32)と、前記調整内ノズル(31)と前記調整外ノズル(32)との間を連結する複数の連結片(33)とを有して一体に形成されると共に前記ノズル本体(11)に対してスライド可能に装着され、
前記調整外ノズル(32)の外面に、前記外ノズル(15)を間に挟んで対向する円筒状の係合部(35)が一体に設けられ、前記外ノズル(15)は、前記調整外ノズル(32)と前記係合部(35)とが径方向に対向する隙間内を中心線に沿う方向にスライド可能とされており、
前記外ノズル(15)と前記係合部(35)とが対向する一方の面に第1の掛止凸部(15c)が設けられ、他方の面に前記第1の掛止凸部(15c)に当接してスライドを制限する第2の掛止凸部(35a)設けられると共に、前記第1の掛止凸部(15c)に対向する係合部(35)の内面と前記第2の掛止凸部(35a)に対向する外ノズル(15)の外面のいずれか一方の面に、中心線に沿って一定のピッチ寸法で並ぶ凹凸が配設されていることを特徴とする計量器付き注出ノズル。
【請求項2】
蓋体(20B)、調整ノズル(30)を形成する調整外ノズル(32)の先端部分に設けたヒンジ(29)を介して結合されている請求項記載の計量器付き注出ノズル。
【請求項3】
少なくともノズル本体(11)及び調整ノズル(30)を、透明又は半透明の樹脂材料で形成されている請求項1又は2記載の計量器付き注出ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体内に収容されている内容物をそのまま注出し、又は必要な一定量を正確に計量して注出する計量器付き注出ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
液状洗剤や粉末洗剤などの内容物を一定量だけ注出する先行技術として、例えば以下の特許文献1、特許文献2及び特許文献3に示されるような定量栓体に関する技術が提案されている。
【0003】
図13は従来例としての定量栓体を示す断面図である。これらの先行技術は、いずれも基本的な構造は同じで図13に示すように、内容物が充填される容器110に定量栓体100を取り付けた構成である。定量栓体100は流入口101及び排出口102を有するカップ状本体部103を備えている。このカップ状本体部103は、仕切部材104によって流入口101につながる予備室105、及び排出口102と予備室105とにつながる計量室106を有している。
【0004】
容器110を傾けると、容器110内の内容物が流入口101よりカップ状本体部103内の予備室105に入り込む。同時に計量室106内に保持されていた一定量の内容物が排出口102から排出される。この後、容器110を元の姿勢に戻すと、予備室105内の内容物は計量室106に移るものの、計量室106の容積をオーバーする過剰の内容物は流入口101から容器110内に戻ることになる。これにより、常に一定量の内容物を排出させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実全昭60−154252公報
【特許文献2】実全昭61−117153公報
【特許文献2】実公平6−34295公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の先行技術では、あらかじめ定量栓体100が容器110の内部に一体に設けたパッケージ構成であり、内容物を使い切った後には定量栓体100は容器110と共に廃棄されることになり、資源の有効利用性が低いという問題がある。
【0007】
また上記従来の先行技術では、定量栓体100を容器110の内側に設ける必要があるため、その分だけ容器110内に収容可能な内容物の内容量が減ることになり、あるいは同じ内容量を確保するためには容器110の外形を大きくする必要があるという問題がある。
【0008】
また上記従来の先行技術では、常に一定量の内容物しか注出することができない構成である。このため、例えば内容物が液状洗剤や粉末洗剤などの場合には、洗濯機の槽は一定容積であることから、洗濯物の量の多少に応じて洗剤の量を調整できることが好ましいが、上記従来の先行技術では好みに応じた量の洗剤を調整して注出することが難しいという問題がある。
【0009】
さらに上記従来の先行技術では、容器110の傾き角度によっては、流入口101からカップ状本体部103内の予備室105に入り込んだ内容物が溢れ出てしまい、仕切部材104を乗り越えてそのまま排出口102から排出されることがある。その結果、定量注出されるべき内容物の容量が容器110の傾き角度によって異なってしまうという問題、すなわち定量注出の精度が低下しやすいという問題がある。
【0010】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、市販の容器本体の口筒部に自在に着脱すること及び容器本体の内容量の減少を防止することができ、しかも内容物をそのまま注出する直接注出及び一定量の内容物を高精度に注出する定量注出を選択可能とした計量器付き注出ノズルの創出を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる構成は、容器本体に設けられた口筒部に接続されて容器本体内に収容されている内容物を注出する計量器付き注出ノズルであって、口筒部に接続される接続部、接続部から延設されて口筒部から注出される内容物が通過する流路を備えた内ノズル及び内ノズルの外側に延設されて内ノズルとの間に内容物の容量を測る計量室を形成する外ノズルを有して構成されるノズル本体と、ノズル本体の先端側の開口端に設けられて計量室の容積の増減調整を行う調整ノズルと、調整ノズルの注出端を閉塞する蓋体と、を有し、
調整ノズルが、下端側が内ノズルの先端に接続する調整内ノズルと、下端側が外ノズルの先端に接続する調整外ノズルと、調整内ノズルと調整外ノズルとの間を連結する複数の連結片とを有して一体に形成されると共にノズル本体に対してスライド可能に装着され、
調整外ノズルの外面に、外ノズルを間に挟んで対向する円筒状の係合部が一体に設けられ、外ノズルは、調整外ノズルと係合部とが径方向に対向する隙間内を中心線に沿う方向にスライド可能とされており、
外ノズル(15)と係合部とが対向する一方の面に第1の掛止凸部が設けられ、他方の面に第1の掛止凸部に当接してスライドを制限する第2の掛止凸部が設けられると共に、第1の掛止凸部に対向する係合部の内面と第2の掛止凸部に対向する外ノズルの外面のいずれか一方の面に、中心線に沿って一定のピッチ寸法で並ぶ凹凸が配設されていることを特徴とする、と云うものである。
【0012】
本発明の計量器付き注出ノズルの主たる構成では、注出ノズルを装着した容器本体から蓋体を外した開蓋状態で本体容器を傾けると、必要な量の内容物を自由に注出する直接注出を達成し、また閉蓋状態とした容器本体の姿勢を所定の手順にしたがって変更した後に開蓋状態とすることにより、一定量の内容物を注出する定量注出を達成し得る。
【0013】
た調整ノズル、下端側が内ノズルの先端に接続される調整内ノズルと、下端側が外ノズルの先端に接続される調整外ノズルと、調整内ノズルと調整外ノズルとの間を連結する複数の連結片とを有して一体に形成されると共にノズル本体に対してスライド可能に装着される構成とした、ことから、調整ノズルを中心線に沿う方向にスライドさせ、その計量室の容積を可変することにより、定量注出時の注出容量の調整を達成し得る。
【0014】
た調整外ノズルの外面に、外ノズルを間に挟んで対向する円筒状の係合部を一体に設けられ、外ノズルは、調整外ノズルと係合部とが径方向に対向する隙間内を中心線に沿う方向にスライド可能とされており、外ノズルと係合部とが対向する一方の面に第1の掛止凸部が設けられ、他方の面に第1の掛止凸部に当接してスライドを制限する第2の掛止凸部が設けられた、ことから、ノズル本体に対する調整ノズルの中心線に沿う方向への移動の達成と、移動終端における調整ノズルの脱落防止を達成し得る。
【0015】
た第1の掛止凸部に対向する係合部の内面と第2の掛止凸部に対向する外ノズルの外面のいずれか一方の面に、中心線に沿って一定のピッチ寸法で並ぶ凹凸を配設されている、ことを加えたものとしたことから、ノズル本体の先端に接続される調整内ノズルの突出量を、中心線に沿って一定のピッチ寸法で設定することを達成し得る。
【0016】
また本発明の他の構成は、上記構成に、蓋体、調整ノズルを形成する調整外ノズルの先端部分に設けられたヒンジを介して結合されている、ことを加えたものである。
【0017】
上記構成では、蓋体の亡失防止と、開口端の開閉作業の効率化を達成し得る。
【0018】
また本発明の他の構成は、上記いずれかの構成に、少なくともノズル本体及び調整ノズルを、透明又は半透明の樹脂材料で形成されている、ことを加えたものである。
【0019】
上記構成では、注出中のノズル本体内の様子を視覚的に確認し得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
【0021】
本発明の主たる構成においては、接続部が容器本体の口筒部に対して着脱自在であり、内容物を使い切った後には容器本体から注出ノズルだけを取り外して新たな容器に装着することにより、注出ノズルの繰り返し使用が可能となるため、資源の有効利用効率を高めることができる。また計量室や予備室を容器本体側に設ける必要がないため、容器本体の内容量の減少、あるいは内容量を確保するために容器本体が大型化することを防止することができる。
【0022】
さらには、計量室の容積を任意に調整することが可能となるため、必要に応じた量の内容物を高い精度で定量注出することができる。
【0023】
た調整ノズルを、下端側が内ノズルの先端に接続する調整内ノズルと、下端側が外ノズルの先端に接続する調整外ノズルと、調整内ノズルと調整外ノズルとの間を連結する複数の連結片とを有して一体に形成し、ノズル本体に対してスライド可能に装着される構成としたことを加えことにより、調整ノズルを中心線に沿う方向に沿ってスライドさせ、その計量室の容積を可変することにより、定量注出時に注出される内容物の容量を調整することができる。
【0024】
た調整外ノズルの外面に、外ノズルを間に挟んで対向する円筒状の係合部を一体に設け、外ノズルは、調整外ノズルと係合部とが径方向に対向する隙間内を中心線に沿う方向にスライド可能とされており、外ノズルと係合部とが対向する一方の面に第1の掛止凸部を設け、他方の面に第1の掛止凸部に当接してスライドを制限する第2の掛止凸部を設けたことから、調整ノズルを中心線に沿う方向へスライド移動させることができ、また移動終端に達した調整ノズルがノズル本体から脱落することを防止することが可能となり、注出ノズルの操作性を向上させることができる。
【0025】
た第1の掛止凸部に対向する係合部の内面と第2の掛止凸部に対向する外ノズルの外面のいずれか一方の面に、中心線に沿って一定のピッチ寸法で並ぶ凹凸を配設したことから、調整内ノズルの先端の位置を、中心線に沿って一定のピッチ寸法で移動させることができるため、計量室の容積の精度を高めることができる。また所定のピッチ寸法に固定することにより、毎回一定量の内容物を注出することが可能となる。
【0026】
また上記構成に、蓋体を、調整ノズルを形成する調整外ノズルの先端部分に設けたヒンジを介して結合させた、ことを加えた構成では、蓋体の亡失を防止することができるため、蓋体の開閉作業を効率良く行うことが可能となる。
【0027】
また上記いずれかの構成に、少なくともノズル本体及び調整ノズルを、透明又は半透明の樹脂材料で形成した構成では、外部からノズル本体内の様子を視覚的に確認することが可能となり、直接注出時や定量注出時における容器本体の傾斜角度調整やその他の操作が容易となるため、内容物を確実に注出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の参考例としての計量器付き注出ノズルを示す分解断面図である。
図2】Aは参考例の注出ノズルを正立姿勢の容器本体に組み付けて最小注出モードに設定した状態を示す断面図、BはAの2B−BB線における矢視方向断面図である。
図3参考例の注出ノズルを用いての直接注出を示す容器本体と注出ノズルとの断面図である。
図4参考例における定量注出の初期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最小注出モードとした注出ノズルとの断面図である。
図5参考例における定量注出の中期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最小注出モードとした注出ノズルとの断面図である。
図6参考例における定量注出の終期操作としての傾斜姿勢を示す容器本体と最小注出モードとした注出ノズルとの断面図である。
図7参考例における定量注出の中期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最大注出モードとした注出ノズルとの断面図である。
図8】本発明の実施例として計量器付き注出ノズルを示す分解断面図である。
図9】Aは実施例の注出ノズルを正立姿勢の容器本体に組み付けて最小注出モードとした状態を示す断面図、BはAの9B−9B線における矢視方向断面図である。
図10施例の注出ノズルを正立姿勢の容器本体に組み付けて最大注出モードとした状態を示す容器本体と注出ノズルとの断面図である。
図11施例における定量注出の中期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最小注出モードとした注出ノズルとの断面図である。
図12施例における定量注出の中期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最大注出モードとした注出ノズルとの断面図である。
図13】従来例としての定量栓体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0030】
図1は本発明の参考例としての計量器付き注出ノズルを示す分解断面図、図2A参考例の注出ノズルを正立姿勢の容器本体に組み付けて最小注出モードに設定した状態を示す断面図、図2B図2Aの2B−2B線における矢視方向断面図である。
【0031】
参考例に示す注出ノズル10Aは、例えば液状、粉状、粒状等などの内容物を収容した容器本体1に取り付けられ、内容物を一定量ごとに(定量注出)、あるいは必要な量だけ自由に注出(直接注出)するためのものであり、図1に示すように主として合成樹脂を射出成形して成るノズル本体11、蓋体20A(20)及び調整ノズル30とを有して構成される。
【0032】
ノズル本体11は、容器本体1の口筒部2(図2参照)に組み付く接続部12とこの接続部12から斜め上方に向かって延設されたノズル部13を有して構成される。
【0033】
接続部12は外側に短円筒状の外壁部12aを有し、内側に第2インナーリング12bを有する二重円筒構造である。接続部12の底壁12cで且つ第2インナーリング12bの内側には、ノズル部13側に貫通する貫通孔12dが形成されている。外壁部12aと第2インナーリング12bとの間には、リング状に開口する挿入部12eが形成されており、この挿入部12eの外側にはネジ溝12fが刻設されている。
【0034】
ノズル部13は、内側に設けられた内ノズル14と外側に設けられた外ノズル15とを有する二重筒構造である。内ノズル14と外ノズル15は共に円筒形状であり、内ノズル14の全長は外ノズル15の全長よりも短い1/2程度の寸法で形成されている。そして、内ノズル14の内部には流路16が形成され、内ノズル14と外ノズル15とが径方向に向き合う空間には計量室17が設けられている。また外ノズル15の先端側の外面には円環状のフランジ部15aが設けられ、このフランジ部15aに隣接する上部には周溝状の掛止凹部15bが周設されている。
【0035】
調整ノズル30は、内側に設けられた調整内ノズル31と外側に設けられた調整外ノズル32とから成る二重筒構造であり、調整内ノズル31と調整外ノズル32とはその間に配設された複数の連結片33により連結されている。例えば、図2Bに示すように4つの連結片33を十字状に配置して連結することが可能である。なお、調整内ノズル31と調整外ノズル32とが対向する部分で且つ複数の連結片33を設けた部分以外の部分には中心線O−Oに沿って貫通する空間が形成されており、後述するようにこの空間は計量室17の容積を調整する容量調整部34として機能する。
【0036】
調整外ノズル32の上端には外径方向に湾曲するカール状の注出端32Aが設けられ、この注出端32Aの直下の位置には円筒状の係合部35が一体に設けられている。係合部35の下端内面には調整外ノズル32方向に突出する掛止凸部35aが形成され、係合部35の外面には滑り止め用のローレット36が刻設されている。掛止凸部35aは、周状の凸部又は周方向に所定の間隔を有して配置された複数の凸部で形成されている。また調整内ノズル31の上端には、長円筒をその中心線O−Oに対して斜め袈裟懸け状に切断した場合に形成される断面傾斜形状の先端部31Aが形成され、その下端は調整外ノズル32の下端よりも下方に突出している。そして、調整外ノズル32の外形寸法はノズル本体11側の外ノズル15の内径寸法よりも若干小さく設定され、調整内ノズル31の内径寸法はノズル本体11側の内ノズル14の外形寸法よりも若干大きく設定されている。
【0037】
図2Aに示すように、調整ノズル30をノズル本体11の先端側の開口端11Aに組み付けると、調整ノズル30側の掛止凸部35aがノズル本体11の掛止凹部15b内に嵌装される。この状態では、調整ノズル30とノズル本体11とは、掛止凸部35aと掛止凹部15bに案内されて中心線O−O回りに相対的に回転可能な状態に設定されている。
【0038】
また内ノズル14の外周面が調整内ノズル31の内周面に内接し、さらには外ノズル15の内周面が調整外ノズル32の外周面に外接する状態に設定される。つまり内ノズル14の先端に調整内ノズル31が接続され、同時に外ノズル15の先端に調整外ノズル32が接続される。これにより、流路16の全長が延長され、また計量室17の先端に容量調整部34が接続されるので、計量室17の容積を実質的に増大させることが可能となる。
【0039】
さらに調整ノズル30を、ノズル本体11の中心線O−O回りに回転させると、断面傾斜形状の先端部31Aの向きを自由に変更することが可能となっている(図5及び図7参照)。
【0040】
なお、断面傾斜形状の先端部31Aを中心線O−O回りに回転させたときに、調整内ノズル31を形成する周壁のうち長さ寸法の最も短い周壁部分がノズル本体11の傾斜方向(図示時計回り方向、以下同様)と一致する状態が最小注出モード(図2図6参照)であり、調整内ノズル31を形成する周壁のうち長さ寸法が最も長い周壁部分がノズル本体11の傾斜方向と一致する状態が最大注出モード(図7参照)である。
【0041】
蓋体20Aは、調整ノズル30の先端、すなわち調整外ノズル32上端の注出端32Aを覆う頂壁21と、蓋体20Aの基部に設けられたフランジ状の取っ手22と、頂壁21の下面に設けられた第1インナーリング23とを有して構成されている。そして、図2Aに示すように、蓋体20Aを用いて注出端32Aを被嵌した閉蓋状態にすると、第1インナーリング23が調整外ノズル32側の注出端32Aの内壁に密着し、これにより内容物40の外部への漏れを防止することが可能となっている。
【0042】
また図2Aに示すように、蓋体20Aを閉蓋状態とすることにより、調整外ノズル32の注出端32A側の空間、すなわち頂壁21の内面と調整内ノズル31の断面傾斜形状の先端部31Aとが対向し合う空間に内容物40を計量して貯蔵する予備室18が形成され、図3に示すように蓋体20Aを開蓋状態にすることにより、調整外ノズル32の先端である注出端32Aが外部に露出される。
【0043】
次に、上記参考例における注出ノズルの容器本体への取り付けについて説明する。
【0044】
図2Aに示すように、この実施例に示す容器本体1の口筒部2には、容器本体1を密封する容器側蓋体3が取り付けられている。この容器側蓋体3は、口筒部2側に装着される蓋本体3Aと、この蓋本体3Aを封止するネジキャップ(図示せず)により構成されており、図示しないネジキャップが蓋本体3A先端の注出部3aの外周面に形成されたネジ溝3bに螺着することにより、容器本体1の口筒部2が密封される構成である。なお、口筒部2と蓋本体3Aとは、口筒部2側の外面に設けた係止凸部2aと蓋本体3Aの内面に設けた係止凸部3cとが互いにアンダーカット結合することにより組み付く構成である。
【0045】
注出ノズル10Aの容器本体1への取り付けは、まず容器本体1からネジキャップを取り外して注出部3aを露出させる。そして、接続部12を構成する外壁部12aと第2インナーリング12bとの間の挿入部12e内に注出部3aを挿入させると共に、注出ノズル10A側のネジ溝12fを注出部3aのネジ溝3bに螺合(ネジ結合)させることにより、注出ノズル10Aを容器本体1側の蓋本体3Aに組み付ける。この際、注出ノズル10A側の第2インナーリング12bが注出部3aの内壁に密着するため、注出部3aと接続部12との間における内容物40の漏れを確実に防止することが可能となる。
【0046】
なお、注出ノズル10Aの容器本体1への取り付けは、蓋体20Aを外ノズル15の先端に被嵌した閉蓋状態で行うこともできるし、蓋体20Aを取り外した開蓋状態で行うこともできる。
【0047】
次に、注出ノズルが接続された容器本体の注出について説明する。
【0048】
なお、以下においては主に断面傾斜形状の先端部31Aの向きを最小注出モードに設定した場合について説明する。
【0049】
図3参考例の注出ノズルを用いての直接注出を示す容器本体と注出ノズルとの断面図、図4参考例における定量注出の初期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最小注出モードとした注出ノズルとの断面図、図5参考例における定量注出の中期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最小注出モードとした注出ノズルとの断面図、図6参考例における定量注出の終期操作としての傾斜姿勢を示す容器本体と最小注出モードとした注出ノズルとの断面図、図7参考例における定量注出の中期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最大注出モードとした注出ノズルとの断面図である。
【0050】
(1)直接注出操作
注出ノズル10Aを容器本体1に組み付け且つ容器本体1を正立姿勢とした図2Aに示す状態において、蓋体20Aを外した開蓋状態にする。続いて、容器本体1を傾けて図3に示す傾斜姿勢にする。すると、容器本体1内に収容されていた内容物40が、容器本体1側の口筒部2及び注出部3a、注出ノズル10A側の第2インナーリング12b、内ノズル14内の流路16及び調整ノズル30側の調整内ノズル31を介して調整内ノズル31の断面傾斜形状の先端部31Aから調整外ノズル32に達する。よって、容器本体1の傾き角度を調整することにより、好みに応じた量の内容物40を調整外ノズル32の先端である注出端32Aを通じて外部に注出することができる(直接注出)。
【0051】
(2)定量注出操作
注出ノズル10Aを閉蓋状態とし且つ容器本体1を正立姿勢とした図2Aに示す状態から、容器本体1を図4に示すような倒立姿勢、あるいは傾斜姿勢にする。これにより、容器本体1内に収容されている内容物40は内ノズル14内の流路16及び調整内ノズル31を通じて調整外ノズル32先端の注出端32A側に移動し、予備室18内に貯留される(初期操作)。
【0052】
次に、図5に示すように、容器本体1を元の正立姿勢に戻すと、予備室18内に貯留されていた内容物40の一部は計量室17に移動して計量室17を満たす。同時に、計量室17の容積をオーバーする過剰の内容物40は、調整内ノズル31の断面傾斜形状の先端部31Aのうち傾斜側に位置する長さ寸法の最も短い部分から調整内ノズル31内に流入し、流路16を介して容器本体1内に戻るため、計量室17内に最小量の内容物40を残留させることができる(中期操作)。
【0053】
そして、蓋体20を開蓋状態に設定し、続いて容器本体1の姿勢を図示右回り方向(傾斜寄り方向)に傾けた図6に示す傾斜姿勢にする。これにより、計量室17内に貯留されている最小量の内容物40のみを、注出端32Aから外部に注出することができる(終期操作)。
【0054】
なお、容器本体1の傾斜姿勢を調整することにより、計量室17を構成する接続部12の底壁12cが、容器本体1内の収容されている内容物40の注出を堰き止めることができる。
【0055】
最小注出モードである図2Aの状態から、調整ノズル30をノズル本体11の中心線O−O回りに回転させて断面傾斜形状の先端部31Aの向きを180度変えると、調整内ノズル31を形成する周壁のうち長さ寸法が最も長い周壁部分がノズル本体11の傾斜方向に一致する最大注出モードとすることができる(図7参照)。
【0056】
この最大注出モードにおいても上記(1)同様の操作を行うことにより、内容物40をそのまま注出する直接注出を行うことができる。さらに最大注出モードにおいて上記(2)同様の一連の操作(初期操作、中期操作及び終期操作)を行うことにより内容物40を定量注出することができる。特に、図7に示すように、中期操作においては、調整内ノズル31を形成する周壁のうち長さ寸法が最も長い周壁部分がノズル本体11の傾斜方向に一致するため、計量室17の実質的な容積を最大とすることができる。よって、計量室17内に最大量の内容物40を残留させることができるため、最大量の内容物40を定量注出することができる。
【0057】
また計量室17に貯留可能な容積は、断面傾斜形状の先端部31Aの向き(回転角度)を調整ノズル30の中心線O−O回りに回転させることにより、最小注出モード時の容積と最大注出モード時の容積との間で任意に調整することが可能である。このため、断面傾斜形状の先端部31Aの向きを好みの回転角度に設定した状態で上記(2)の一連の操作を行うことにより、好みの注出量(最小量と最大量との間の注出量)の定量注出を可能とすることができる。
【0058】
なお、参考例においては、掛止凹部15b内に周方向に一定の間隔で並ぶ回転角度設定用の凹凸を形成すると共に、掛止凸部35aとしてこの凹凸に軽く掛止される1つ以上の凸部を備える構成とすることが好ましい。この構成では、調整ノズル30の回転角度を好みの角度に調整した状態で固定することができるため、上記(2)の一連の操作ごとに一定量の内容物40が注出される定量注出を容易に実現することができる。
【0059】
次に、本発明である計量器付き注出ノズルの実施例について説明する。
【0060】
図8は本発明の実施例として計量器付き注出ノズルを示す分解断面図、図9Aは実施例の注出ノズルを正立姿勢の容器本体に組み付けて最小注出モードとした状態を示す断面図、図9B図9Aの9B−9B線における矢視方向断面図、図10は実施例の注出ノズルを正立姿勢の容器本体に組み付けて最大注出モードとした状態を示す容器本体と注出ノズルとの断面図、図11は実施例における定量注出の中期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最小注出モードとした注出ノズルとの断面図、図12は実施例における定量注出の中期操作としての正立姿勢を示す容器本体と最大注出モードとした注出ノズルとの断面図である。
【0061】
施例に示す注出ノズル10Bが、上記参考例の注出ノズル10Aと異なる点は、調整ノズルとヒンジを介して開閉自在に設けられた蓋体の構成にあり、ノズル本体の構成は上記参考例とほぼ同様である。したがって、以下においては主として異なる点を中心に説明する。また上記参考例と同一の部材については同一の符号を付して説明する。
【0062】
ノズル本体11の構成は、上記参考例と同様であり、容器本体1の口筒部2(図9参照)に組み付く接続部12とこの接続部12から斜め上方に向かって延設された二重円筒構造のノズル部13を有して構成される。ただし、ノズル部13を構成する外ノズル15の先端側の外面に、周凸状の掛止凸部(第1の掛止凸部)15cが周設されている。
【0063】
調整ノズル30は、内側に設けられた調整内ノズル31と外側に設けられた調整外ノズル32とから成る二重筒構造であり、調整内ノズル31と調整外ノズル32とはその間に配設された複数の連結片33により連結されている。
【0064】
調整外ノズル32の上端には外径方向に湾曲するカール状の注出端32Aが設けられ、この注出端32Aの直下の位置にはさらに外径寸法の大きな円筒から構成された係合部35が一体に設けられている。施例に示す調整ノズル30では、係合部35の中心線O−Oに沿う長さ寸法が参考例の係合部35に比較して長き、調整外ノズル32とほぼ同じ長さ寸法で形成されている。そして、この係合部35の下端内面には調整外ノズル32方向に突出する掛止凸部(第2の掛止凸部)35aが形成されている。なお、参考例同様に、係合部35の外面に、中心線O−Oに沿う方向への滑りを止めるためのローレットを刻設してもよい。
【0065】
調整外ノズル32の外形寸法はノズル本体11側の外ノズル15の内径寸法よりも若干小さく設定され、調整内ノズル31の内径寸法はノズル本体11側の内ノズル14の外形寸法よりも若干大きく設定されている。ただし、調整内ノズル31の上端は、断面傾斜形状の先端部31Aに構成される参考例と異なり、円筒端面から成る断面平坦状の先端部31Bで構成されており、調整内ノズル31の下端は調整外ノズル32の下端よりも下方に突出している。
【0066】
蓋体20B(20)は、調整外ノズル32の注出端32Aの一端に肉薄部を一体成形して成るヒンジ29を介して開閉自在に設けられている点以外は、上記参考例の蓋体20Aと同様の構成である。
【0067】
なお、図8に破線で示すように蓋体20Bを閉蓋状態とすることにより、調整外ノズル32の注出端32A側の空間、すなわち頂壁21の内面と調整内ノズル31の断面平坦状の先端部31Bとが対向し合う空間に予備室18が形成され、実線で示すように蓋体20Bを開蓋状態とすることにより、調整外ノズル32の先端である注出端32Aが外部に露出される。
【0068】
図9Aに示すように、調整ノズル30の下端をノズル本体11の先端側の開口端11Aに装着し、調整ノズル30側の掛止凸部35aがノズル本体11の第1の掛止凸部15cを乗り越えることにより両者の組み付け作業が完了する。この作業により、内ノズル14の先端に調整内ノズル31の下端が接続され、外ノズル15の先端に調整外ノズル32の下端が接続される。
【0069】
そして、調整ノズル30は係合部35の長さ寸法が長い分だけ、中心線O−Oに沿ってスライド可能となっている。調整ノズル30が、最も接続部12に接近する位置にスライドした図9に示す状態が最小注出モードであり、最も接続部12から離れた位置にスライドさせた図10に示す状態が最大注出モードである。
【0070】
一方の図9に示す最小注出モードでは、調整ノズル30側の調整外ノズル32の断面平坦状の先端部31Bと、ノズル本体11側の内ノズル14の先端の開口端14Aとの寸法差Lが小さく計量室17の容積は最小の状態にある。他方の図10に示す最大注出モードは寸法差Lが大きく、開口端14Aの先端に容量調整部34が介在する状態となるため、計量室17の実質的な容積は最大の状態にある。
【0071】
なお、図10に示すように、最大注出モードでは、調整ノズル30は先端側への移動量が最大となる移動終端の位置に至るが、この位置では第1の掛止凸部15cと第2の掛止凸部35aとが当接して調整ノズル30の移動が制限されるため、調整ノズル30がノズル本体11の開口端11Aから容易に脱落することがない。
【0072】
さらに調整ノズル30を、中心線O−Oに沿って最小注出モードと最大注出モードとの間をスライドさせることにより、計量室17を任意の容積に調整することが可能である(任意注出モード)。
【0073】
(1)直接注出操作
直接注出操作は、上記最小注出モード、最大注出モード及び任意注出モードのいずれのモードにあってもよく、上述の(1)直接注出操作と同様の操作を行うと共に容器本体1の傾き角度を適度に調整することにより、好みに応じた量の内容物40を調整外ノズル32の先端である注出端32Aを通じて外部に注出することが可能である。
【0074】
(2)定量注出操作
定量注出操作についても、上記最小注出モード、最大注出モード及び任意注出モードのいずれのモードにおいても行うことが可能である。
【0075】
注出ノズル10Bを閉蓋状態とし且つ容器本体1を正立姿勢とした最小注出モード(図9参照)や最大注出モード(図10参照)に示す状態から、参考例同様に容器本体1を倒立姿勢、あるいは傾斜姿勢にし、容器本体1内に収容されている内容物40を予備室18内に貯留させる(初期操作)。
【0076】
次に、容器本体1を元の正立姿勢に戻すと、予備室18内に貯留されていた内容物40の一部は計量室17に移動して計量室17を満たす。同時に、計量室17の容積をオーバーする過剰の内容物40は、調整内ノズル31の断面平坦状の先端部31Bから調整内ノズル31内に流入し、流路16を介して容器本体1内に戻るため、計量室17内に内容物40を残留させることができる(中期操作)。
【0077】
ここで、最小注出モードの場合には、図11に示すように計量室17内に最小量の内容物40を貯留することができ、最大注出モードの場合には、図12に示すように計量室17内に最大量の内容物40を貯留することができる。勿論、任意注出モードの場合には、それに応じた量の内容物40を計量室17内に残留させることが可能である。
【0078】
そして、蓋体20Bを開蓋状態に設定し、続いて参考例同様に、容器本体1の姿勢を傾斜姿勢にすることにより、計量室17内に貯留されている内容物40のみを、注出端32Aから外部に定量注出することができる(終期操作)。
【0079】
なお、容器本体1の傾斜姿勢を調整することにより、計量室17を構成する接続部12の底壁12cが、容器本体1内の収容されている内容物40の注出を堰き止めることができる。
【0080】
なお、施例では、第1の掛止凸部15cが対向する係合部35の内面に、又は第2の掛止凸部35aが対向する外ノズル15の外面に、中心線O−Oに沿う方向に一定の間隔で並ぶ掛止位置設定用の凹凸を形成する構成が好ましい。この構成では、調整ノズル30がスライドするときに第1の掛止凸部15c又は第2の掛止凸部35aが凹凸に軽く掛止されるようになり、調整ノズル30を中心線O−Oに沿う好みの位置に調整した状態で固定することができるため、上記(2)の一連の操作を行う場合に、常に一定量の内容物40が注出される定量注出を容易に実現することができる。
【0081】
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
【0082】
例えば、上記実施例では、注出ノズル10A及び10Bを容器側蓋体3の蓋本体3Aの注出部3aに取り付ける構成を示して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、容器本体1の口筒部2に直接的に取り付ける構成であってもよい。
【0083】
上記参考例では、ノズル本体11側の外ノズル15に掛止凹部15bを形成し、調整ノズル30側の係合部35に掛止凸部35aを形成した場合を示して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、ノズル本体11側に掛止凸部を形成し、調整ノズル30側に掛止凹部を形成する構成としてもよい。
【0084】
また接続部12は口筒部2に対してネジ機構により螺着する構成を示して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、口筒部2と蓋本体3Aとにおける構成同様に、注出ノズル10の接続部12が容器本体1の口筒部2に対してアンダーカット結合することにより組み付く構成であってもよい。
【0085】
また上記実施例では注出ノズル10A及び10Bを形成する樹脂材料については特に言及していないが、少なくともノズル本体11及び調整ノズル30を透明又は半透明の樹脂材料を用いて形成する構成が好ましい。この構成では、外部からノズル本体11内の様子を視覚的に確認することができるため、直接注出時における容器本体の傾斜角度の調整を容易とし、あるいは定量注出時における各操作(初期操作、中期操作及び終期操作)の状況確認を容易とすることができるため、内容物を確実に注出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の注出ノズルは、市販の容器本体に装着した状態での直接注出と定量注出との選択的な注出を達成し、さらには定量注出時の注出量調整を追及する注出ノズルの分野における用途展開を広い領域で図ることができる。
【符号の説明】
【0087】
1 : 容器本体
2 : 口筒部
2a : 係止凸部
3 : 容器側蓋体
3A : 蓋本体
3a : 注出部
3b : ネジ溝
3c : 係止凸部
10 : 注出ノズル
11 : ノズル本体
11A: 開口端
12 : 接続部
12a: 外壁部
12b: 第2インナーリング
12c: 底壁
12d: 貫通孔
12e: 挿入部
12f: ネジ溝
13 : ノズル部
14 : 内ノズル
14A: 開口端
15 : 外ノズル
15a: フランジ部
15b: 掛止凹部
15c: 掛止凸部(第1の掛止凸部)
17 : 計量室
18 : 予備室
29 : ヒンジ
20 : 蓋体
20A: 蓋体
20B: 蓋体
21 : 頂壁
22 : 取っ手
23 : 第1インナーリング
30 : 調整ノズル
31 : 調整内ノズル
31A: 断面傾斜形状の先端部
31B: 断面平坦状の先端部
32 : 調整外ノズル
32A: 注出端
33 : 連結片
34 : 容量調整部
35 : 係合部
35a: 掛止凸部(第2の掛止凸部)
36 : ローレット
40 : 内容物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13