【実施例】
【0018】
先ずは、本発明の貯湯給湯装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、貯湯給湯装置1は、貯湯、給湯、床暖房パネル等の温水暖房端末への温水の供給等の機能を有するものであり、貯湯タンク2を備えたタンクユニット1A、貯湯タンク2内の湯水を加熱する為の外部熱源機10、タンクユニット1Aと外部熱源機10とを接続する加熱循環回路6等を備えている。
【0019】
タンクユニット1Aは、貯湯タンク2、補助熱源機3、暖房用熱交換器4、給水経路5、加熱循環回路6、給湯経路7、暖房水を床暖房パネル等に供給する温水暖房回路8、温水暖房回路8の暖房水を加熱する熱利用循環回路9等を備え、これら大部分は外装ケース11内に一体的に収納されている。尚、外部熱源機10としては、本実施例ではヒートポンプ式熱源機が活用されているが、ガスエンジンや燃料電池発電ユニットの排熱回収熱交換器等を活用しても良い。
【0020】
次に、貯湯タンク2について説明する。
図1に示すように、貯湯タンク2は、外部熱源機10で加熱された高温水(例えば、65〜90℃)を貯留可能な密閉タンクで構成され、貯留された湯水の放熱を防ぐ為にタンク周囲は断熱材で覆われている。
【0021】
貯湯タンク2の外周部には、下側から上側に向かって等間隔に湯水温度検知センサ2a〜2dが順に設けられ、これら複数の湯水温度検知センサ2a〜2dにより貯湯タンク2内の複数の貯留層の湯水の温度が検出される。尚、複数の湯水温度検知センサ2a〜2dのうちの最上段の湯水温度検知センサ2dが、本発明の貯湯タンク2の上部の湯水温度を検知する為の温度検知手段に相当するものである。
【0022】
補助熱源機3は、バーナーや熱交換器等を内蔵した公知のガス給湯器で構成されている。補助熱源機3は、貯湯槽貯湯タンク2内の湯水温度が低下した場合等の特別な場合に限り、制御ユニット35から指令が送信されて燃焼作動され、湯水を加熱するものである。
【0023】
暖房用熱交換器4は、温水暖房回路8を流れる暖房水を加熱するものであり、熱利用循環回路9の一部となる熱交換通路部4aと、温水暖房回路8の一部となる熱交換通路部4bとを有している。この暖房用熱交換器4において、熱利用循環回路9を流れる高温水と温水暖房回路8を流れる暖房水との間で熱交換され、暖房水が加熱される。
【0024】
次に、給水経路5について説明する。
図1に示すように、給水経路5は、上水源から低温の上水を貯湯タンク2に供給するものであり、上流端が上水源に接続され、下流端が貯湯タンク2の下部に接続されている。給水経路5の上流側から給湯経路7に接続するバイパス通路部12が分岐されている。
【0025】
給水経路5の下流側から熱利用循環回路9に接続するバイパス通路部14が分岐され、この分岐部には、蓄熱切換弁15が設置されている。このバイパス通路部14により、低温の上水を熱利用循環回路9に供給することができ、また逆に、熱利用循環回路9から湯水を貯湯タンク2に戻すことができる。
【0026】
次に、加熱循環回路6について説明する。
図1に示すように、加熱循環回路6は、貯湯タンク2と外部熱源機10との間に湯水を循環させて加熱する閉回路であり、貯湯タンク2の下部から外部熱源機10に至る往き側通路6aと、外部熱源機10で加熱された湯水を貯湯タンク2の上部に戻す戻り側通路6bと、戻り側通路6bから分岐され往き側通路6aに接続されたバイパス通路16とを備えている。往き側通路6aの上流端が貯湯タンク2の下部に接続され、戻り側通路6bの下流端が貯湯タンク2の上部に接続されている。
【0027】
往き側通路6aのバイパス通路16が接続された合流部には、貯湯タンク2を含めた循環回路と貯湯タンク2をバイパスする循環回路とを択一的に選択可能な三方弁17(切換手段に相当する)が設置されている。即ち、三方弁17は、加熱後の湯水を戻り側通路6bを通して貯湯タンク2の上部に戻すか又は外部熱源機10にバイパス通路16を介して再度循環させるかを択一的に切換え可能である。往き側通路6aの三方弁17の下流側に循環ポンプ18が設置され、戻り側通路6bの分岐部の上流側に湯水温度検知センサ6cが設置されている。往き側通路6aと戻り側通路6bとの間に外部熱源機10の熱交換器10aが設けられている。
【0028】
次に、給湯経路7について説明する。
図1に示すように、給湯経路7は、貯湯タンク2内に貯湯された湯水を風呂等の所望の給湯先に供給するものであり、給湯栓に接続される給湯通路21、貯湯タンク2の上部から給湯通路21に接続されるタンク出湯通路22、このタンク出湯通路22から分岐され燃焼式の補助熱源機3に接続される補助加熱通路23、補助熱源機3から給湯通路21に接続される補助熱源機出湯通路24等を有している。
【0029】
給湯通路21には、混合弁25が設置されている。この混合弁25に給水経路5から分岐したバイパス通路部12が接続されている。補助加熱通路23にタンク出湯通路22と補助加熱通路23とを切り換え可能な三方弁26が設置されている。三方弁26には、熱利用循環回路9の湯水戻り側通路部9bが接続されている。補助加熱通路23には、圧送ポンプ27が設置されている。補助熱源機出湯通路24にタンク水比例弁28が設置されている。
【0030】
次に、温水暖房回路8について説明する。
図1に示すように、温水暖房回路8は、床暖房パネルや浴室乾燥機等に供給される暖房水を循環させる回路であり、暖房戻り側通路部8a、暖房往き側通路部8bを有している。暖房戻り側通路部8aと暖房往き側通路部8bとの間に暖房用熱交換器4の熱交換通路部4bが設置されている。
【0031】
次に、熱利用循環回路9について説明する。
図1に示すように、熱利用循環回路9は、湯水を循環させて温水暖房回路8との間で熱交換を行う閉回路であり、湯水往き側通路部9a、湯水戻り側通路部9b、補助加熱通路23の下流側部分、補助熱源機出湯通路24の上流側部分を有している。湯水往き側通路部9aと湯水戻り側通路部9bとの間に、暖房用熱交換器4の熱交換通路部4aが接続されている。
【0032】
次に、制御ユニット35について説明する。
図1に示すように、貯湯給湯装置1は、制御ユニット35によって制御される。各種のセンサの検知信号が制御ユニット35に送信され、この制御ユニット35により、貯湯給湯装置1の動作、各種のポンプの作動・停止、各種の弁の開閉状態の切り換え及び開度調整等を制御し、各種運転(給湯運転、湯水加熱運転、暖房運転等)を実行する。
【0033】
制御ユニット35は、ユーザーが操作可能な操作リモコン36との間でデータ通信可能であり、操作リモコン36のスイッチ操作により各種の運転が設定されると、その指令信号が操作リモコン36から制御ユニット35に送信される。例えば、操作リモコン36のスイッチ操作により目標給湯温度が設定されると、その目標給湯温度データが操作リモコン36から制御ユニット35に送信される。
【0034】
次に、本発明に係る切換制御手段について説明する。
貯湯給湯装置1は、外部熱源機10による湯水加熱運転の開始時に湯水温度検知センサ2dによって検知された湯水温度が設定温度以下である場合には、三方弁17を貯湯タンク2の上部側に切換える制御ユニット35等からなる切換制御手段を備えている。設定温度としては、ユーザーにより操作リモコン36を介して設定された給湯設定温度が適用される。
【0035】
次に、湯水加熱運転に設定された際に、制御ユニット35により自動的に実行される、三方弁17の切換制御が伴う外部熱源機10により湯水を加熱する湯水加熱運転制御について、
図2のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中の符号Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。この湯水加熱運転時おける湯水加熱運転制御プログラムは、制御ユニット35に予め格納されている。
【0036】
図2のフローチャートにおいて、この制御が開始されると、最初にS1にて、各種のセンサの検知信号に基づいて湯水加熱運転開始条件成立か否か判定される。湯水加熱運転を開始する為の条件が成立している場合は、つまり、S1の判定がYesの場合、S2に移行し、S1の判定がNoのうちはS1を繰り返す。
【0037】
次に、S2において、貯湯給湯装置1は、湯水加熱運転を開始する。即ち、制御ユニット35は、貯湯給湯装置1の各種機器(外部熱源機10、循環ポンプ18等)を駆動することで貯湯給湯装置1を湯水加熱運転状態に切換え、S3に移行する。
【0038】
次に、S3において、制御ユニット35は、操作リモコン36からの指令信号や各種のセンサの検知信号を読み込む。つまり、制御ユニット35は、操作リモコン36からの指令信号に基づいて給湯設定温度T(例えば40℃)を設定し、湯水温度検知センサ2dの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて貯湯タンク2内の上部湯水温度Taを算出し、S4に移行する。
【0039】
次に、S4において、貯湯タンク2内の上部湯水温度Taが、給湯設定温度T以下か否かを判定し、S4の判定がYesの場合、つまり、貯湯タンク2内の上部湯水温度Taが給湯設定温度Tより低い場合は、S5に移行し、S4の判定がNoの場合、つまり、貯湯タンク2内の上部湯水温度Taが給湯設定温度Tより高い場合は、S6に移行する。
【0040】
次に、S5において、制御ユニット35は、加熱後の湯水を貯湯タンク2の上部に戻す為に、三方弁17をバイパス側からタンク側に切り換え、S10に移行する。尚、三方弁17は、湯水加熱運転の開始時にはバイパス側に設定されている。三方弁17は、湯水加熱運転が実行されていない場合、貯湯タンク2内の下部の低温の湯水が加熱循環回路6の往き側通路6aを通って外部熱源機10へ流れ込まないようにバイパス側に設定されている。
【0041】
ここで、S4の判定がNoの場合、S6に移行し、このS6において制御ユニット35は、三方弁17のバイパス側設定を維持して、S7に移行する。このS6の段階では、外部熱源機10で加熱された後の湯水は、貯湯タンク2の上部に戻されずにバイパス通路16を通って外部熱源機10に送られ、外部熱源機10で再加熱される。
【0042】
次に、S7において、湯水温度検知センサ6cの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて、加熱循環回路6の戻り側通路6bを流れる湯水温度Tbを算出し、S8に移行する。
【0043】
次に、S8において、戻り側通路6bを流れる湯水温度Tbが、貯湯タンク2内の上部湯水温度Ta以下か否かを判定し、S8の判定がYesの場合、つまり、戻り側通路6bを流れる湯水温度Tbが、貯湯タンク2内の上部湯水温度Taより高い場合は、S9に移行し、制御ユニット35は、三方弁17をバイパス側からタンク側に切り換え、加熱後の湯水を貯湯タンク2の上部に戻すように設定し、S10に移行する。S8の判定がNoの場合は、つまり、戻り側通路6bを流れる湯水温度Tbが、貯湯タンク2内の上部湯水温度Taより低い場合は、S7に戻り、戻り側通路6bを流れる湯水温度Tbが、貯湯タンク2内の上部湯水温度Taより高くなるまで、S7とS8を繰り返す。
【0044】
次に、S10において、湯水加熱運転を継続し、S11において、各種のセンサの検知信号に基づいて湯水加熱運転終了条件成立か否か判定される。湯水加熱運転を終了する為の条件が成立している場合、つまり、S11の判定がYesの場合は、湯水加熱運転を終了し、S11の判定がNoのうちはS11を繰り返す。尚、制御ユニット35や湯水加熱運転制御プログラムのS3〜S9等が、本発明の切換制御手段に相当する。
【0045】
次に、本発明の貯湯給湯装置1の作用及び効果について説明する。
貯湯給湯装置1は、外部熱源機10による湯水加熱運転の開始時に、湯水温度検知センサ2dによって検知された湯水温度に応じて三方弁17を制御することで、外部熱源機10で加熱された湯水を貯湯タンク2の上部に戻すか又は外部熱源機10に再度循環させるかを切り換えることができ、例えば、貯湯タンク2に高温の湯水が貯留されていない場合等で、加熱後の湯水を貯湯タンク2をバイパスさせずに貯湯タンク2の上部に戻すことができる。
【0046】
以上説明したように、貯湯タンク2の上部の湯水温度を検知する為の湯水温度検知センサ2dと、外部熱源機10による湯水加熱運転の開始時に湯水温度検知センサ2dによって検知された湯水温度が設定温度以下である場合には、三方弁17を貯湯タンク2の上部側に切換える切換制御手段とを備えたので、湯水加熱運転の開始時に、貯湯タンク2の上部の湯水温度が設定温度以下の場合には、貯湯タンク2内の湯水の温度成層を維持する必要がなく、外部熱源機10で加熱された湯水を貯湯タンク2の上部に戻すことができる。
【0047】
従って、湯水加熱運転の開始直後から、外部熱源機10で加熱された湯水を貯湯タンク2の上部に戻して、貯湯タンク2内の湯水の温度成層を崩しても良いので、加熱後の湯水を再度加熱する必要がなくなり、外部熱源機10による湯水の加熱効率が向上する。加熱後の湯水を加熱循環回路6に循環させることで発生する無駄な放熱を防止することができる。
【0048】
また、上記の設定温度は、ユーザーにより設定された給湯設定温度であるので、給湯設定温度以下の場合に給湯運転が実行されると、貯湯タンク2内の湯水の再加熱が必須となり、故に、貯湯タンク2内の湯水の温度成層を崩しても給湯に影響がでないので、湯水加熱運転の開始直後から、外部熱源機10で加熱された湯水を貯湯タンク2の上部に戻すことができる。
【0049】
次に、前記実施例を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例において、戻り側通路6bから分岐されたバイパス通路16は、往き側通路6aに接続されているが、特にこの構造に限定する必要はなく、
図3に示すように、戻り側通路6bから分岐されたバイパス通路16Aが、貯湯タンク2の下部に接続された構造であっても良い。この構造の場合、三方弁17Aは、戻り側通路6bからバイパス通路16Aが分岐された分岐部に設置される。
【0050】
上記の構造の場合、制御ユニット35(切換制御手段)は、外部熱源機10による湯水加熱運転の開始時に湯水温度検知センサ2dによって検知された湯水温度が設定温度以下である場合に、三方弁16Aを貯湯タンク2の上部側に切換える制御を行う。
【0051】
[2]前記実施例では、設定温度としてユーザーにより操作リモコン36を介して設定された給湯設定温度が適用されているが、特にこの温度に限定する必要はなく、例えば、給湯設定温度±2,3℃の温度を設定温度として適用しても良い。
【0052】
[3]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。