(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284014
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】ドット形レコーダ
(51)【国際特許分類】
G01D 9/32 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
G01D9/32 C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-49565(P2014-49565)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-175605(P2015-175605A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】三澤 豪
【審査官】
榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−229928(JP,A)
【文献】
特開2007−212142(JP,A)
【文献】
特開2015−072169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 9/00 − 42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に色帯が異なるようにインクで染め分けられたリボンを記録紙の送り方向に沿って揺動させて記録色の切り換えを行うとともに記録紙の送り方向と直交する方向にリボン送りを行い、ワイヤドットよりなる記録ペンを記録紙の幅方向に往復移動させながら記録位置でインクリボンの各測定チャネルに割り当てられた所定の色帯を記録紙に打ち付けるように選択的に駆動するドット形レコーダにおいて、
前記ドット形レコーダ内に設けられたメモリまたは前記ドット形レコーダに接続された外部メモリであるデータ格納手段と、
前記データ格納手段に格納された各測定チャネルの測定データのうち前記各測定チャネルのうち予め定められた測定チャネルの測定データを読み出し前記記録紙に記録する再生記録にあたり、紙送り方向の予め定められた再生分解能の時間間隔を前記データ格納手段に予め格納された測定周期で除算し、この除算により得られたデータ数分の複数の前記測定データから最小値および最大値を抽出するための最小値―最大値演算を実行する演算制御手段と、
前記最小値―最大値演算の演算結果である、前記予め定められた測定チャネルの記録周期間における測定データの前記最大値と前記最小値の間を前記記録紙にドットにより直線的に補間記録する記録ペン制御手段と、
前記記録紙を、予め定められた紙送り速度に基づいて、前記紙送り方向の再生分解能分の紙送りを実行する記録紙制御手段と、
を備え、
前記予め定められた測定チャネルにおける測定データの前記補間記録が終わると、前記演算制御手段、前記記録ペン制御手段および前記記録紙制御手段が、前記データ格納手段に格納されたデータが全て再生記録されるまで、以下の動作A、動作Bおよび動作Cを繰り返し実行することを特徴とするドット形レコーダ。
動作A:前記演算制御手段は、前記データ格納手段に格納された測定データのうち、予め定められた順に前記各測定チャネルのいずれか1つを選択して、この測定チャネルの記録周期間における測定データに基づき、前記最小値―最大値演算を実行する。
動作B:前記記録ペン制御手段は、前記測定チャネルの測定データの前記最大値と前記最小値の間を前記記録紙にドットにより直線的に補間記録する。
動作C:前記記録紙制御手段は、予め定められた紙送り速度に基づいて、前記紙送り方向の再生分解能分の紙送りを実行する。
【請求項2】
前記動作A及び前記動作Bは、
前記記録ペンの走査の往路において、前記インクリボンの揺動シフトにより記録する測定データのチャネルに予め割り当てられた色が選択され、前記記録ペンが記録紙の幅方向の第一の端から前記測定データの前記最大値に相当する位置と、前記最小値に相当する位置との間を、前記ドットにより直線的に補完記録を実施した後、前記記録ペンは前記記録紙の幅方向の他端である第二の端に走査され、かつ、
前記記録ペンの走査の復路において、前記インクリボンの揺動シフトにより記録する測定データの次のチャネルに予め割り当てられた色が選択され、前記記録ペンが記録紙の幅方向の第二の端から前記測定データの前記最大値に相当する位置と、前記最小値に相当する位置との間を、前記ドットにより直線的に補完記録を実施した後、前記記録ペンは前記記録紙の幅方向の第一の端に走査される動作であり、
前記動作Cは、
前記往路と前記復路の走査における補完記録を記録対象の全てのチャネルの分繰り返した後、紙送りする動作である、
ことを特徴とする請求項1に記載のドット形レコーダ。
【請求項3】
前記測定データは測定時刻データとともにメモリに格納されていることを特徴とする請求項1記載のドット形レコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドット形レコーダに関し、詳しくは、ドット記録動作の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
記録紙を用いたレコーダは、記録紙に記録された測定結果を必要なときにいつでも読めることから、レコーダのペーパーレス化が進んではいるものの、各種の分野で広く用いられている。
【0003】
記録紙を用いたレコーダの一種に、複数の測定チャネルの測定信号の変化を共通の記録ペンを用いてドット記録するように構成されたドット形レコーダがある。
【0004】
特許文献1には、ドット形レコーダであって、幅方向に色帯が異なるようにインクで染め分けられたリボンを記録紙の送り方向に沿って揺動させて記録色の切り換えを行うとともに記録紙の送り方向と直交する方向にリボン送りを行い、ワイヤドットよりなる記録ペンを記録紙の幅方向に往復移動させながら、各測定チャネルの測定データの値に対応する位置でインクリボンの各測定チャネルに割り当てられた所定の色帯を記録紙に打ち付けるように記録ペンを選択的に駆動するようにした発明が開示されている。
【0005】
図6は従来のドット形レコーダの一例を示す概念ブロック図、
図7は記録部分の要部構成図である。測定部10において、図示しないA/D変換器は所定の測定周期(たとえば2.5秒)でアナログ入力信号をデジタル信号に変換出力するものであり、各測定チャネルのアナログ入力信号が順次切り換えて入力される。このA/D変換器の出力データは測定データとしてRAM20に格納される。RAM20に格納された測定データは、ユーザーが設定する記録周期で記録ペン駆動系30によってドット記録される。なお、RAM20には、測定データの他に、測定条件などの可変パラメータも格納される。
【0006】
記録ペン駆動系30は、ワイヤドットよりなる記録ペンAでインクリボンBを記録紙43に打ち付けるように構成されている。すなわち、リボン制御部31とリボン駆動機構32は、幅方向に色帯が異なるようにインクで染め分けられたリボンBを記録紙43の送り方向Xに沿って揺動させて記録色の切り換えを行うとともに、記録紙43の送り方向Xと直交する方向Yにリボン送りを行う。
【0007】
記録ペン制御部33と記録ペン駆動機構34は、記録ペンAを記録紙43の幅方向に沿った0%と100%の間で往復移動させながら、各測定チャネルの測定データの値に対応する位置でインクリボンBの各測定チャネルに割り当てられた所定の色帯を記録紙43に打ち付けるように記録ペンAを選択的に駆動する。記録周期は前述のように作業者が任意に設定できるものであり、記録紙43の送り速度と関連して設定される。
【0008】
記録紙駆動系40は、記録紙制御部41と記録紙モータ42と記録紙43とで構成されている。記録紙43は、記録紙制御部41により回転速度が制御される記録紙モータ42により、作業者が設定する所定の速度で繰り出される。
【0009】
設定操作部50は、各測定チャネルにおける測定レンジや警報設定値や記録紙送り速度などの測定条件を設定するためのものであり、文字記号類を入力するためのキーボードや設定値のアップダウンを制御するスイッチやロータリーエンコーダなどが操作パネルとして設けられている。作業者は、表示部60の表示情報を参照しながら設定操作部50を操作する。
【0010】
ROM70には、装置全体の動作を制御するためのプログラムや固定パラメータが格納されている。
【0011】
外部メモリ80としては、フロッピー(登録商標)ディスクやICカードなどのリムーバルメモリが用いられる。
【0012】
通信インタフェース90は、外部装置との間で制御信号や測定データの授受を行うために用いられる。
【0013】
CPU100は、測定データに対して移動平均演算などの各種の演算処理を行うとともに、装置全体を統括制御する。
【0014】
ドット記録について説明する。なお、以下の説明では、記録紙43の有効記録幅が100mm、入力は6チャネル、測定周期を1秒、トレンド記録周期を1チャネル/5秒(30秒/6チャネル)とする。ドット記録にあたっては、
図8に示すように、トレンド記録周期毎に直前の測定結果を記録する。すなわち、測定#0直後のトレンド記録周期では、測定#0における1〜6チャネルの測定結果に含まれる測定チャネルch1の測定値が記録される。測定#5直後のトレンド記録周期では、測定#5における1〜6チャネルの測定結果に含まれる測定チャネルch2の測定値が記録される。このようにして、15秒後の測定#15直後のトレンド記録周期では、測定#15における1〜6チャネルの測定結果に含まれる測定チャネルch4の測定値が記録される。
【0015】
ドット記録動作にあたっては、以下の6ステップが測定チャネル毎に繰り返して実行処理される。
S1)リボンBの揺動シフトによる測定チャネルに割り当てられた記録色の選択
S2)記録ペンAの走査(移動)開始
S3)測定値に応じた記録位置での記録ペンによるドット記録
S4)端部到達による記録ペンAの停止
S5)リボンBの揺動シフトによる初期位置戻し
S6)記録紙43の所定長さ送り
【0016】
測定チャネル1の測定値を紫色で記録し、測定チャネル2の測定値を赤色で記録し、測定チャネル3の測定値を緑色で記録し、測定チャネル4の測定値を青色で記録し、測定チャネル5の測定値を茶色で記録し、測定チャネル6の測定値を黒色で記録するように測定チャネルの記録色が割り当てられているものとすると、
図9に示すような動作シーケンスを繰り返して実行する。
【0017】
ところで、このようなレコーダの利用形態として、RAM20や外部メモリ80に格納されている測定データに基づいて、複数の測定チャネルの測定信号の変化の状況を記録紙43上に再生記録することも行われている。
【0018】
具体的には、RAM20や外部メモリ80に格納されている測定データの再生記録にあたっては、これらの測定データが現在レコーダに設定されているトレンド記録周期のタイミングで読み出されて記録紙43上に記録される。すなわち、リアルタイムの測定データの代わりに、RAM20や外部メモリ80から読み出された測定データを使用する。再生記録時の紙送り速度・記録周期は、再生記録時におけるレコーダ本体の設定値となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2008−229928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかし、このような従来の構成によれば、リアルタイムの測定時と同一の測定記録条件で再生記録を行うことから、リアルタイム測定時に要した測定時間と等しい長さの時間を要することになるという問題がある。
【0021】
そして、記録紙上にトレンド記録される測定データに着目すると、トレンド記録される測定データはトレンド記録のタイミングにおいて該当する測定チャネルの測定データのみであり、その他の測定データは廃棄されることから、記録紙上の再生記録結果から各測定チャネルの測定データの連続性を的確に把握することは困難であるという問題もある。
【0022】
本発明は、このような従来の問題点に着目したものであり、その目的は、従来と同一の機構を用いながら、測定データの格納手段から読み出された全ての測定データを、従来よりも高速で短時間に、記録紙上に記録できるドット形レコーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
このような課題を達成する請求項1の発明は、
幅方向に色帯が異なるようにインクで染め分けられたリボンを記録紙の送り方向に沿って揺動させて記録色の切り換えを行うとともに記録紙の送り方向と直交する方向にリボン送りを行い、ワイヤドットよりなる記録ペンを記録紙の幅方向に往復移動させながら記録位置でインクリボンの各測定チャネルに割り当てられた所定の色帯を記録紙に打ち付けるように選択的に駆動するドット形レコーダにおいて、
前記ドット形レコーダ内に設けられたメモリまたは前記ドット形レコーダに接続された外部メモリであるデータ格納手段に格納された各測定チャネルの測定データ
に基づいて、複数の測定チャネルの測定信号が前記データ格納手段から読み出され、記録紙に記録される再生記録にあたり、
紙送り方向の分解能を前記データ格納手段に予め格納された紙送り速度で除算して得た紙送り方向の分解能の時間間隔を前記データ格納手段に予め格納された測定周期で除算し、除算することによって得られた個数以下の複数のデータから、一つの最小値および一つの最大値を抽出し、各測定チャネルのそれぞれの記録周期間における測定データの
前記一つの最大値と
前記一つの最小値
の間をドットにより直線的に補間記録することを特徴とする。
【0024】
請求項2の発明は、請求項1記載のドット形レコーダにおいて、
前記動作A及び前記動作Bは、
前記記録ペンの走査の往路において、前記インクリボンの揺動シフトにより記録する測定データのチャネルに予め割り当てられた色が選択され、前記記録ペンが記録紙の幅方向の第一の端から前記測定データの前記最大値に相当する位置と、前記最小値に相当する位置との間を、前記ドットにより直線的に補完記録を実施した後、前記記録ペンは前記記録紙の幅方向の他端である第二の端に走査され、かつ、
前記記録ペンの走査の復路において、前記インクリボンの揺動シフトにより記録する測定データの次のチャネルに予め割り当てられた色が選択され、前記記録ペンが記録紙の幅方向の第二の端から前記測定データの前記最大値に相当する位置と、前記最小値に相当する位置との間を、前記ドットにより直線的に補完記録を実施した後、前記記録ペンは前記記録紙の幅方向の第一の端に走査される動作であり、
前記動作Cは、
前記往路と前記復路の走査における補完記録を記録対象の全てのチャネルの分繰り返した後、紙送りする動作である、
ことを特徴とする請求項1記載のドット形レコーダ。
【0025】
請求項3の発明は、請求項1記載のドット形レコーダにおいて、
前記測定データは測定時刻データとともにメモリに格納されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
これらにより、格納手段に格納された各測定チャネルの測定データを、各測定チャネルのそれぞれの記録周期間における測定データの最大値と最小値間をドットにより直線的に補間記録することにより再生記録できるドット形レコーダが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に基づきRAM20に設けられるデータ格納部のデータ構成例図である。
【
図2】記録ペン駆動系30を構成するワイヤドットの径と記録紙43の紙送り分解能との関係説明図である。
【
図3】1chの最小値−最大値再生記録説明図である。
【
図4】6チャネル・6色による測定データの最大値と最小値の再生記録説明図である。
【
図5】RAM20の事象データ格納領域の具体例図である。
【
図6】従来のドット形レコーダの一例を示す概念ブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明について、図面を用いて説明する。本発明の基本構成は
図6に示す従来のドット形レコーダと共通しているので省略するが、本発明の特徴は、
図1に示すように、RAM20に設けられるデータ格納部のデータ構成にある。
【0029】
すなわち、
図1のRAM20には、(A)に示す測定データ格納部21、(B)に示すメモリ格納スタート/ストップの時刻データ格納部22、(C)に示すサンプル周期(測定周期)格納部23、(D)に示す紙送り速度格納部24、(E)に示す各測定チャネルの左右記録スパン設定値格納部25などが設けられている。
【0030】
操作パネルまたは通信などから測定データのメモリ格納スタートが起動されると、時刻データ格納部22にメモリ格納スタートの日付時刻データが格納され、さらに、サンプル周期(測定周期)、紙送り速度、記録スパンなどの各種の設定値がそれぞれに割り付けられたメモリ領域に格納される。
【0031】
その後、サンプル周期(測定周期)ごとに、各チャネルの測定データが測定データ格納部21に格納される。
【0032】
そして、操作パネルまたは通信などから測定データのメモリ格納ストップが通知されると、時刻データ格納部22にメモリ格納ストップの日付時刻データが格納され、各チャネルの測定データの格納を停止する。
【0033】
ここで、記録ペン駆動系30を構成するワイヤドットの径をたとえば0.5mm、記録紙43の紙送り分解能をたとえば0.05mmとする。
【0034】
そして、サンプル周期(測定周期)が1秒、紙送り速度が20mm/h、紙送り方向の分解能を0.25mmとすると、ワイヤドットの径が0.5mmであることから、
図2に示すように紙送り方向に対してドット径の半分を重複させることにより、実用上なめらかなアナログ記録とみなせる。
【0035】
再生する紙送り速度(20mm/h)で、紙送り方向の再生分解能(0.25mm)の時間間隔は、
3600(秒)*紙送り方向の再生分解能(mm)/再生紙送り速度(mm/h)
で表すことができる。
【0036】
この式に前述の各設定値例を代入すると、
3600(秒)*0.25(mm)/20(mm/h)=45秒
になる。
【0037】
図3に示す測定チャネルch1の例を用いて、測定データの最大値と最小値の再生記録について説明する。
紙送り方向の再生分解能(0.25mm)の時間間隔/サンプル周期(測定周期)
の間における最小値−最大値演算を行う。
上記設定例の場合、
45(秒)/1(秒)=45個
になる。
【0038】
データ1からデータ45の最小値−最大値演算を行い、その結果を記録紙上に直線補間記録し、紙送り方向の再生分解能の紙送り(0.25mm)を行う。
【0039】
次に、データ46からデータ90の最小値−最大値演算を行い、その結果を記録紙上に直線補間記録し、紙送り方向の再生分解能の紙送り(0.25mm)を行う。
以下、同様の動作を繰り返して、格納されたデータ分を再生記録する。
【0040】
図3では、わかりやすく説明するため1chの最小値−最大値の再生記録の例について説明したが、実際の記録計は多チャネル・多色記録であり、たとえば6チャネル・6色の場合には
図4に示すような記録動作になる。
【0041】
図4において、たとえば紫色に指定されたチャネルのデータ1からデータ45の最小値−最大値演算を行い、その結果を記録用バッファに展開して記録紙上に記録する。黒色、緑色、青色、茶色、赤色についても同様に記録を行い、紙送り方向の再生分解能の紙送り(0.25mm)を行う。なお、
図4の記録動作では、指定チャネルのトレンド記録とともにデジタル印字記録も行う例を示している。
【0042】
紫色に指定されたチャネルのデータ46からデータ90についてもデータ1からデータ45と同様な最小値−最大値演算と記録紙上への記録を行い、さらに黒色、緑色、青色、茶色、赤色についても同様に記録を行って、紙送り方向の再生分解能の紙送り(0.25mm)を行う。
【0043】
なお、記録ペンAの記録紙43の幅方向に沿った0%と100%の間における往復移動に伴うとびを防ぐため、2回目のデータからは、最小値−最大値演算のとき、対象範囲のデータXnからXn+mに、Xn−1のデータを含めて最小値−最大値演算を行う。
図3に示す実施例の場合には、データ45とデータ46からデータ90の最小値−最大値演算を行えばよい。
【0044】
直線補間記録にあたっては、図示しないRAM20の色指定データ格納部に格納されている紫色の色指定データにしたがって紫色に指定された測定チャネルの図示しない直線補間用位置データ格納部からその測定チャネルの最小値と最大値を読み出し、図示しないオンオフデータ格納部の最小値の位置データに対応した位置から最大値の位置データに対応した位置までの間の記録位置で記録ペンをオン駆動するためのデータたとえば「1」を格納する。
【0045】
なお、上記実施例では、再生記録の紙送り速度は、メモリ格納時の紙送り速度としているが、再生記録時の紙送り速度を操作パネルや通信などで設定するようにしてもよい。
【0046】
また、紙送り方向の再生分解能(0.25mm)を固定値としているが、操作パネルまたは通信などで設定される再生分解能で再生記録を行うようにしてもよい。ただし、再生分解能は、紙送りの送り分解能(0.05mm)の整数倍とする。
【0047】
また、紙送り方向の再生分解能(0.25mm)の時間間隔/サンプル周期(測定周期)の間の平均値演算を行い、ドット記録(1点のドット)するようにしてもよい。
【0048】
また、紙送り方向の再生分解能(0.25mm)の時間間隔/サンプル周期(測定周期)ごとのデータ(たとえばデータ45、90、135、・・)をドット記録するようにしてもよい。この場合、ドット記録以外のデータは記録されないことになる。
【0049】
アラームやメッセージの印字再生記録について説明する。
これらの事象が発生したとき、
図1のRAM20のアラーム事象データ格納領域26には
図5(A)に示すようなアラーム事象データが格納され、メッセージ事象データ格納領域27には
図5(B)に示すようなメッセージ事象データが格納される。
【0050】
再生記録のとき、メモリスタート日付・時刻とサンプル周期(測定周期)、メモリ測定データの読み出し位置(サンプルX番目)などから、読み出しデータの日付・時刻を演算し、その日付・時刻と、事象メモリに格納された日付・時刻が一致したとき、その事象の各データをもとに印字文字列を展開し、トレンド記録とともに、アラーム印字やメッセージ印字などのデジタル印字を行う。
【0051】
以上説明したように、本発明によれば、従来と同一の機構を用いながら、測定データの格納手段から読み出された全ての測定データを、従来よりも高速で短時間に、記録紙上に記録できるドット形レコーダが実現できる。
【符号の説明】
【0052】
10 測定部
20 RAM
21 測定データ格納部
22 時刻データ格納部
23 サンプル周期(測定周期)格納部
24 紙送り速度格納部
25 左右記録スパン設定値格納部
26 アラーム事象データ格納領域26
27 メッセージ事象データ格納領域
30 記録ペン駆動系
40 記録紙駆動系
43 記録紙
50 設定操作部
60 表示部
70 ROM
80 外部メモリ
90 通信インタフェース
100 CPU