(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284055
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】送電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/70 20160101AFI20180215BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20180215BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20180215BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20180215BHJP
B60L 9/00 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
H02J50/70
H02J50/12
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L9/00
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-69123(P2016-69123)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-184486(P2017-184486A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2017年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(72)【発明者】
【氏名】花房 一義
(72)【発明者】
【氏名】小林 正幸
(72)【発明者】
【氏名】鴨野 武志
【審査官】
小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】
再公表特許第2013/132616(JP,A1)
【文献】
特開2010−183810(JP,A)
【文献】
特開2015−065728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00−50/90
H02J 7/00
B60L 5/00
B60L 9/00
B60M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行面上を移動する移動体に対して、当該走行面と平行な電力伝送方向で非接触電力伝送を行う送電装置であって、
コイル面が前記走行面とほぼ垂直になるように設置される送電コイルと、
前記送電コイルのコイル面で定義される平面と前記移動体に取り付けられる受電コイルのコイル面で定義される平面とで挟まれる前記走行面上の領域内に少なくともその一部が配置される遮蔽板と、を備え、
前記送電コイルは、コイル外縁から前記走行面までの距離である設置高さが、前記走行面とほぼ垂直な方向のコイル外形の長さより短くなるように設置され、
前記送電コイルのコイル面で定義される平面から前記遮蔽板の受電コイル側の端部までの長さが、前記設置高さよりも長くなるように設定されている送電装置。
【請求項2】
前記遮蔽板は、前記送電コイルから前記受電コイルへの電力伝送効率が向上するように配置されている請求項1に記載の送電装置。
【請求項3】
前記遮蔽板の上面が、前記走行面とほぼ同一の平面となるように設置されている請求項1または2に記載の送電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で電力を伝送する送電装置に係り、特に当該装置から漏洩する磁界に対する対策を施した送電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、送電側から受電側に非接触で電力を伝送する非接触電力伝送技術が注目されている。例えば、磁界による電力伝送では、送電側のコイルにより発生させた磁界を介して、送電側のコイルから受電側のコイルに電力が伝送される。この磁界による電力伝送では、送電側のコイルにより発生させた磁界の一部が漏洩磁界となり、この漏洩磁界により種々の問題が生じる。
【0003】
その問題の一つとして、漏洩磁界による誘導電流の発生が挙げられる。特許文献1及び特許文献2では、電気自動車などの移動体に非接触で給電を行う非接触給電装置において、受電部が搭載される車体の床に使用されている鉄板に誘導電流が流れ、この鉄板が発熱するという問題が記載されている。そして、この誘導電流の発生を抑制するために、受電部の背面にアルミニウム板を設置する対策が開示されている。また、誘導電流に起因する電力損失により、非接触給電装置の効率が低下するという問題も発生する。
【0004】
特許文献1及び特許文献2に開示されている非接触給電装置では、地面上に水平に設置された送電部から車体の床下に設置された受電部に向かって鉛直方向に電力伝送が行われる。従って、水平方向の電力伝送を想定した漏洩磁界対策が、特許文献1及び特許文献2では検討されていない。つまり、鉛直方向に電力伝送を行うことを想定しているため、地面の方向に漏洩する磁界の影響につては検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−172084号公報
【特許文献2】特開2011−49230号公報
【特許文献3】特開2010−183810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に開示されているような非接触給電装置では、1次コイル及び2次コイルが地面に対して垂直に設置され、水平方向に電力伝送が行われるため、地面の方向にも磁界が漏洩する。従って、コイルの背面だけでなく、地面の方向に漏洩する磁界に対する対策も必要になる。特に、屋内で使用される非接触給電装置では、床面に鉄材が使用されている場合があり、そのような場合には、鉄材に誘導電流が流れ、鉄材の発熱や電力伝送効率の低下が発生する恐れが高くなる。
【0007】
そこで本発明は、送受電コイルが地面又は床面に対して垂直に設置され、水平方向に電力伝送が行われる非接触給電装置において、地面又は床面の方向に漏洩する磁界の影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る送電装置は、走行面上を移動する移動体に対して、当該走行面と平行な電力伝送方向で非接触電力伝送を行う送電装置であって、コイル面が前記走行面とほぼ垂直になるように設置される送電コイルと、前記送電コイルのコイル面で定義される平面と前記移動体に取り付けられる受電コイルのコイル面で定義される平面とで挟まれる前記走行面上の領域内に少なくともその一部が配置される遮蔽板と、を備えている。
【0009】
このように遮蔽板を配置することにより、送電コイルから受電コイルへの電力伝送における損失を低減することができる。
【0010】
また、上記本発明に係る送電装置は、前記遮蔽板は、前記送電コイルから前記受電コイルへの電力伝送効率が向上するように配置されていると好ましい。この場合、送電コイルから受電コイルへの電力伝送における損失を効果的に低減することができる。
【0011】
また、上記本発明に係る送電装置は、前記送電コイルは、コイル外縁から前記走行面までの距離である設置高さが、前記走行面とほぼ垂直な方向のコイル外形の長さより短くなるように設置されていてもよい。この場合においても、送電コイルから受電コイルへの電力伝送における損失を効果的に低減することができる。
【0012】
また、上記本発明に係る送電装置は、前記送電コイルのコイル面で定義される平面から前記遮蔽板の受電コイル側の端部までの長さが、設置高さよりも長くなるように設定されていることが好ましい。
【0013】
このように走行面に到達する漏洩磁界が強い部分に遮蔽板を配置することにより、送電コイルから受電コイルへの電力伝送における損失を効果的に低減することができる。
【0014】
また、上記本発明に係る送電装置は、前記遮蔽板の上面が、前記走行面とほぼ同一の平面となるように設置されていることが好ましい
【0015】
このように設置すれば、走行面に段差ができないため、移動体の走行に悪影響を及ぼすことなく遮蔽板を設置することができる。
【0016】
本発明に係る送電装置は、水平方向に非接触電力伝送を行う送電装置であって、巻回軸方向が前記水平方向とほぼ平行になるように設置される送電コイルと、前記水平方向に広がる主面を有し、前記送電コイルのコイル面で定義される平面と前記送電コイルと対向する受電コイルのコイル面で定義される平面とで挟まれる空間の鉛直下方に位置する領域内に少なくともその一部が配置される遮蔽板と、を備えている。
【0017】
このように遮蔽板を配置することにより、送電コイルから受電コイルへの電力伝送における損失を低減することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、走行面に遮蔽板を設置することにより、漏洩磁界による損失が低減され、送電コイルから受電コイルへの電力伝送効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の非接触給電システムを説明するための概略図である。
【
図2】本発明の非接触給電システムを説明するための断面図である。
【
図3】送電コイル及び受電を説明するための模式図である。
【
図4】送電コイル及び受電の配置を説明するための説明図である。
【
図5a】遮蔽板を設置する場所を説明するための説明図である。
【
図5b】遮蔽板を設置する場所を説明するための説明図である。
【
図6】送電コイル、受電コイルおよびこれらの周辺回路を示した概略回路図である。
【
図7】送電コイルに印加される電圧を説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態で説明する内容により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において、同一要素または同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0021】
図1および
図2は、本実施形態の非接触給電装置が組み込まれる移動体への電力伝送を説明するための概略図および断面図である。
図1は、非接触給電装置の受電コイル14が実装される移動体13を上方から見た場合を示し、
図2は、
図1におけるA−A断面を示している。これらの図面に示されているように、非接触給電装置の送電装置11には送電コイル12が組み込まれている。送電コイル12から受電コイル14に電力が伝送されるとき、送電コイル12と受電コイル14は磁気的に結合される。但し、送電コイル12により生成された磁界が全て受電コイル14と鎖交するのではなく、一部が漏洩磁界になる。この磁界により、床側または大地側に設置されている鉄材などに誘導電流(渦電流)が流れるのを防止するため、床面または大地面(以下、走行面と言う。)には、非磁性の導電板(以下、遮蔽板と言う。)が置かれている。この遮蔽板としては、例えば、アルミニウム板、銅板、アルミニウム又は銅を含む合金板、導電性の炭素素材などを用いることができる。本実施形態では、送電コイル12と受電コイル14の間の走行面上に遮蔽板15が設置されている。つまり、遮蔽板15は、送電コイル12のコイル面で定義される平面と移動体に取り付けられる受電コイル14のコイル面で定義される平面とで挟まれる走行面上の領域内に少なくともその一部が配置されることとなる。この遮蔽板15が敷かれている所と敷かれていない所で段差が生じないようにするため、遮蔽板15は走行面に形成された凹部内に配置されることが好ましい。この場合、遮蔽板15の上面が、走行面とほぼ同一の平面となる。また、遮蔽板15は送電装置のフレームグランドと電気的に接続されることが好ましい。
【0022】
図3は、送電コイル12と受電コイル14の一例を示した模式図である。この例では、送電コイル12は渦巻状に巻かれた巻線12aを備え、受電コイル14は渦巻状に巻かれた巻線14aを備えている。巻線12aの中心軸は、送電コイル12の対向面(受電コイル14と対向する面)にほぼ垂直になっている。同様に、巻線14aの中心軸は、受電コイル14の対向面(送電コイル12と対向する面)にほぼ垂直になっている。また、送電コイル12は、巻線12aの中心軸がほぼ水平になるように設置されている。同様に、受電コイル14は、巻線14aの中心軸がほぼ水平になるように設置されている。従って、送電コイル12から受電コイル14への電力伝送では、水平方向に電力が伝送される。
【0023】
次に、遮蔽板15のより顕著に表れる送電コイル12の設置状態を、
図4を参照して説明する。
図4は、送電コイル12を対向面側から見た場合を示している。ここで、Lは送電コイル12の縦方向(鉛直方向)の長さを示し、Wは送電コイル12の横方向(水平方向)の長さを示している。Hは送電コイル12から走行面までの距離を示している。つまり、Lは送電コイル12の移動体の走行面とほぼ垂直な方向のコイル外形の長さであり、Hは送電コイル12のコイル外縁から移動体の走行面までの距離である設置高さである。ここで、走行面に到達する漏洩磁界の強さは、送電コイル12の縦方向(鉛直方向)の長さLが長くなるほど強くなる。また、この走行面に到達する漏洩磁界の強さは、距離Hが長くなるほど弱くなる。従って、送電コイル12の縦方向(鉛直方向)の長さLを基準とした距離Hの相対値が小さいときに遮蔽板15の効果がより顕著に表れる。つまり、距離Hが送電コイル12の縦方向(鉛直方向)の長さLより短い(H<L)ときに、遮蔽板15の効果がより顕著に表れる。
【0024】
遮蔽板15のサイズによる効果の差については、サイズが大きくなると効果が大きくなり、小さくなると効果が小さくなる。例えば、非接触給電装置の効率に着目した場合、遮蔽板15のサイズが大きくなると効率が上昇し、サイズが小さくなると効率が降下する。従って、例えば、遮蔽板15の送電コイル12の横方向(水平方向)の辺と並行な方向の長さは、少なくとも送電コイル12の横方向(水平方向)の長さWと同じあることが好ましい。また、遮蔽板15における電力伝送方向の長さは、送電コイル12の送電面(電力伝送方向と垂直なコイル面)と受電コイル14の受電面(電力伝送方向と垂直なコイル面)との間の走行面が遮蔽板15で覆われるのに十分な長さであることが好ましい。つまり、遮蔽板15における電力伝送方向の長さは、送電コイル12の送電面(送電コイルのコイル面)から受電コイル14の受電面(受電コイルのコイル面)までの長さと同程度の長さ、もしくはそれより長いことが好ましい。なお、送電コイル12の送電面から受電コイル14の受電面までの長さが変動する場合、その最大値において、この条件を満たすことが好ましい。また、送電コイル12及び受電コイル14が筐体内に収められている場合、送電面は送電コイル12の巻線12aで形成される平面(平面状に巻かれた導線の受電コイル14側の平面)になり、受電面は受電コイル14の巻線14aで形成される平面(平面状に巻かれた導線の送電コイル12側の平面)になる。
【0025】
次に、
図5を参照して、走行面に到達する漏洩磁界の強さが強い範囲について説明する。
図5aは、送電コイル12を走行面に平行で電力伝送方向Pdに垂直な方向から見た場合を示し、
図5bは、送電コイル12を走行面に垂直な方向から見た場合を示している。この図において、送電コイル12の巻線12aで定義される送電面は走行面とほぼ垂直に設置され、電力伝送方向Pdは走行面とほぼ平行になっている。送電コイル12の巻線12aは、走行面から高さHの位置に設置されている。ここで、送電コイル12の送電面から電力伝送方向Pdへの方向の距離をd1とし、電力伝送方向Pdと垂直な方向の幅をw1としている。このように定義した場合、幅w1が送電コイル12の巻線12aの幅とほぼ同じ範囲において、距離d1の値が高さHの値より小さい範囲では、走行面に到達する漏洩磁界の強さが比較的強くなっている。従って、この範囲内に遮蔽板を設置すれば、送電コイルから受電コイルへの電力伝送効率が改善される。なお、送電コイル12のコイル面で定義される平面から遮蔽板15の受電コイル14側の端部までの長さが、設置高さHよりも長くなるように設定されていると好ましい。
【0026】
以上のように、本実施形態では、非接触給電装置を移動体に適用した例を用いて説明したがこれに限られることなく、水平方向に電力伝送を行うものであれば様々な製品への適用が可能である。適用可能な製品としては、例えば、家電製品、携帯電子機器、玩具などが挙げられ、これらの製品を送電装置と対向するように設置もしくは配置して給電を行う場合にも上述の作用効果が得られることとなる。すなわち、巻回軸方向が水平方向とほぼ平行になるように設置もしくは配置される送受電コイル間で非接触電力伝送を行う非接触給電装置において、水平方向に広がる主面を有し、送電コイルのコイル面で定義される平面と送電コイルと対向する受電コイルのコイル面で定義される平面とで挟まれる空間の鉛直下方に位置する領域内に遮蔽板を配置する場合においても、上述の作用効果が得られることとなる。
【0027】
次に、
図6を参照して、送電コイル12に交流電流を供給する駆動回路および受電コイル14により受電された電力を電池等の蓄電デバイスに供給する受電回路について説明する。ここで、駆動回路は、送電側の装置に組み込まれる回路であり、受電回路は、受電側の装置に組み込まれる回路である。駆動回路は、スイッチ素子SW1〜4により構成されている。スイッチ素子SW1とスイッチ素子SW2は直列に接続され、その両端には直流の入力電圧Vinが印加されている。同様に、スイッチ素子SW3とスイッチ素子SW4は直列に接続され、その両端には入力電圧Vinが印加されている。送電コイルLt(送電コイル12に対応する。)の一端には、コンデンサCtの一端が接続され、送電コイルLtの他端はスイッチ素子SW3とスイッチ素子SW4の接続点に接続され、コンデンサCtの他端はスイッチ素子SW1とスイッチ素子SW2の接続点に接続されている。送電コイルLtを流れる電流Idrは、スイッチ素子SW1〜4のオンオフにより制御される。
【0028】
受電回路は、ブリッジダイオードDrとコンデンサCoにより構成されている。受送電コイルLt(送電コイル12に対応する。)の一端には、コンデンサCtの一端が接続され、受電コイルLrの他端はブリッジダイオードDrの一方の入力に接続され、コンデンサCrの他端はブリッジダイオードDrの他方の入力に接続されている。ブリッジダイオードDrの出力端子間には、コンデンサCoが接続されている。受電コイルLrを流れる電流は、ブリッジダイオードDrにより全波整流され、コンデンサCoに供給される。なおあ、コンデンサCoの後段には、DCDCコンバータ等を介して電池等の蓄電デバイスが接続される。
【0029】
なお、駆動回路および受電回路は、
図6に示したような回路構成以外の回路構成であってもよい。例えば、駆動回路はハーフブリッジ構成を用いてもよい。また、駆動回路の前段または駆動回路と送電コイルとの間に力率を改善するための回路やインピーダンスを調整するための回路を追加してもよい。
【0030】
次に、
図7を参照して、スイッチ素子SW1〜4のスイッチング動作を説明する。
図7に示した例では、スイッチ素子SW1とスイッチ素子SW4が同期してオンオフする。同様に、スイッチ素子SW2とスイッチ素子SW3も同期してオンオフする。スイッチ素子SW1とスイッチ素子SW2の接続点と、スイッチ素子SW3とスイッチ素子SW4の接続点との間の電圧Vdr(スイッチ素子SW3とスイッチ素子SW4の接続点側を基準にした電圧)は、スイッチ素子SW1〜4のオンオフに基づいて変化する。
図7に示したように、スイッチ素子SW1とスイッチ素子SW4がオンし、スイッチ素子SW2とスイッチ素子SW3がオフしたときには、電圧Vdrは絶対値が入力電圧Vinとほぼ等しい正の電圧値になる。一方、スイッチ素子SW1とスイッチ素子SW4がオフし、スイッチ素子SW2とスイッチ素子SW3がオンしたときには、電圧Vdrは絶対値が入力電圧Vinとほぼ等しい負の電圧値になる。
【0031】
図6に示した例において、送電コイルLtとコンデンサCtで構成される共振回路の共振周波数と受送電コイルLtとコンデンサCtで構成される共振回路の共振周波数は、ほぼ同一の周波数に設定されている。この周波数は、例えば、10kHz〜200kHz程度に設定される。そして、駆動回路は、スイッチ素子SW1〜4をこの共振周波数と近い周波数でオンオフさせる。
【0032】
以上、本発明に係る非接触給電システムの実施の形態を説明したが、本発明は、上記で説明した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変更を加えることができる。また、非接触給電装置の構成する送電コイルおよび駆動回路ならびに制御装置の回路構成、構造、制御方式等については、当業者が容易に想定できる様々な回路構成、構造、制御方式等を用いることができる。例えば、送電コイルとしては、スパイラル形状やソレノイド形状のコイル、またはこれらを組み合わせたコイル、ならびにこれらに他の形状のコイルやコンデンサを組み合わせたコイルを用いることができる。
【符号の説明】
【0033】
11 送電装置
12 送電コイル
13 移動体
14 受電コイル
15 遮蔽板