特許第6284108号(P6284108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6284108PLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙、及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284108
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】PLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   D06N 7/00 20060101AFI20180215BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20180215BHJP
   B32B 27/22 20060101ALI20180215BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20180215BHJP
   C08K 3/00 20180101ALI20180215BHJP
   C08L 67/04 20060101ALI20180215BHJP
   C08L 101/16 20060101ALN20180215BHJP
【FI】
   D06N7/00ZBP
   B32B27/20 A
   B32B27/22
   B32B27/36
   C08K3/00
   C08L67/04
   !C08L101/16
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-532068(P2016-532068)
(86)(22)【出願日】2015年5月7日
(65)【公表番号】特表2017-503089(P2017-503089A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】KR2015004521
(87)【国際公開番号】WO2015170875
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2016年5月18日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0054905
(32)【優先日】2014年5月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510244710
【氏名又は名称】エルジー・ハウシス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ゼ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ボン・イ
【審査官】 中川 裕文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−019339(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0050904(US,A1)
【文献】 特表2012−506502(JP,A)
【文献】 特開2007−254670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06N 1/00− 7/06
B32B 1/00− 43/00
C08K 3/00− 13/08
C08L 1/00−101/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートと、
前記基材シート上に貼り合わされる、PLA及びPHA混合樹脂、前記混合樹脂100重量部に対して、無機充填剤50〜200重量部、可塑剤5〜100重量部、加工助剤1〜20重量部、顔料20〜30重量部、及び滑剤0.1〜10重量部からなる樹脂層とを含むことを特徴とする、PLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙。
【請求項2】
前記樹脂層の前記混合樹脂内のPLA樹脂とPHA樹脂の重量比は90:10〜10:90であることを特徴とする、請求項1に記載のPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙。
【請求項3】
前記加工助剤はアクリル系共重合体であることを特徴とする、請求項に記載のPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙。
【請求項4】
前記樹脂層上に形成されたエンボス模様層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙。
【請求項5】
前記樹脂層上に形成された印刷層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙。
【請求項6】
ニーダーミキサーまたはバンバリーミキサーにてPLA及びPHA混合樹脂、無機充填剤、可塑剤及び添加剤を添加してコンパウンドを製造するステップと、
前記コンパウンドをウォーミングした後、カレンダーローラーを通過させて樹脂層を形成するステップであって、前記樹脂層のコンパウンドは、前記混合樹脂100重量部に対して、無機充填剤50〜200重量部、可塑剤5〜100重量部、加工助剤1〜20重量部、顔料20〜30重量部、及び滑剤0.1〜10重量部からなるステップと、
前記樹脂層と基材シートを貼り合わせるステップとを含むことを特徴とする、PLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙の製造方法。
【請求項7】
前記混合樹脂内のPLA樹脂とPHA樹脂の重量比は90:10〜10:90であることを特徴とする、請求項に記載のPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂層に前記基材シートを貼り合わせた後、前記樹脂層上にパターン及び模様を印刷して印刷層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項に記載のPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙の製造方法。
【請求項9】
前記樹脂層に前記基材シートを貼り合わせた後、前記樹脂層上にエンボス模様を形成してエンボス模様層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項に記載のPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙、及びその製造方法に係り、より詳細には、基材シート上に貼り合わされる、PLA(Polylactic Acid)及びPHA(Polyhydroxy Alkanoate)混合樹脂を含む樹脂層が形成された壁紙、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、PVC(Poly Vinyl Chloride)壁紙は、いわゆるシルク壁紙といい、PVC壁紙は、紙の上にPVC樹脂をコーティングした壁紙であって、表面の質感がシルクのように柔らかいことから、現在、最も好まれる壁紙である。
【0003】
しかし、このようなPVC壁紙は、石油を原料として製造されるPVC樹脂を使用して作られたため、石油資源の枯渇により持続的なコストアップを招き、それだけでなく、製造過程で多くのエネルギーを消耗し、大量のCOなどの温室ガスを放出する。
【0004】
また、このようなPVC壁紙は、生分解されるのに500年以上の時間を必要とし、焼却する場合、環境ホルモン及び有毒ガスなどの多くの有害物質を放出するため、深刻な環境汚染を起こしている。
【0005】
最近は、このような問題点を解決するための方案として、PLAなどのバイオベースの環境に優しい樹脂でPVCを代替し、利用後、廃棄時に生分解が可能なPLA壁紙などが開発されている。
【0006】
図1は、従来のPLA壁紙の構成を示した断面図である。
【0007】
図1に示したように、従来のPLA壁紙は、下から、基材シート10、前記基材シート10上にPLA樹脂で形成された樹脂層20、及び前記樹脂層20上に形成された印刷層30で構成されている。
【0008】
しかし、このようなPLA壁紙は、基材シート10上に貼り合わされた、PLA樹脂で形成された樹脂層が硬くて、脆弱であるため、壁紙の表面の触感が柔らかくなく、柔軟性が劣るため、冬期に施工しにくいという問題があった。
【0009】
従来のPLA壁紙の一例として、大韓民国公開特許公報第10−2010−0048193号が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2010−0048193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するために、PLAにPHAなどの柔軟で且つ弾性のあるバイオベースの樹脂を混合することによって、壁紙の表面が柔らかく、冬期の施工が便利な壁紙を製造することを目的とする。
【0012】
また、トウモロコシなどの植物から抽出したバイオベースの樹脂であるPLAとPHAの混合樹脂を用いて室内有害物質及び生活悪臭を減少させることによって、各種疾病とシックハウス症候群を予防することができる壁紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の壁紙は、基材シート:及び前記基材シート上に貼り合わされる、PLA及びPHA混合樹脂を含む樹脂層;を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の壁紙の製造方法は、ニーダーミキサーまたはバンバリーミキサーにてPLA及びPHA混合樹脂、無機充填剤、可塑剤及び添加剤を添加してコンパウンドを製造するステップ;前記コンパウンドからカレンダリング工法を通じて樹脂層を形成するステップ;及び前記樹脂層と基材シートを貼り合わせるステップ;を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上で説明したような本発明のPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙及びその製造方法によれば、次のような効果がある。
【0016】
前記樹脂層は、PLAにPHAを混合した混合樹脂で形成されることによって、前記樹脂層に柔軟性を付与して、壁紙の表面が柔らかく、冬期に施工が容易な壁紙を製造することができる。
【0017】
また、トウモロコシなどの植物から抽出したバイオベースの樹脂であるPLA及びPHA混合樹脂を用いて室内有害物質及び生活悪臭を減少させることによって、各種疾病とシックハウス症候群を防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来のPLA壁紙の構成を示した断面図である。
図2】本発明の実施例に係るPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙の構成を示した断面図である。
図3】本発明の実施例に係るPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙の製造工程を示した工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図2に示したように、本発明の実施例に係るPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙は、基材シート100、樹脂層200及び印刷層300を含む。
【0020】
前記基材シート100は、この分野で公知された通常の基材シートを制限なしに使用することができ、例えば、既存のシルク壁紙の製造に使用される基材シートを使用することができる。
【0021】
このような前記基材シート100の例としては、模造紙または不織布(例えば:ポリエステル/パルプ複合不織布)などを挙げることができるが、これに制限されるものではない。
【0022】
そして、前記基材シート100は、坪量が60g/m〜200g/mであることが好ましい。
【0023】
前記基材シートの坪量が60g/m未満である場合、強度が弱すぎるため、施工または使用過程で壁紙が破れるなどの損傷が発生する恐れがあり、200g/mを超える場合、重い重量、継ぎ目における隙間の発生及びカーリングなど、施工性の問題とコストアップを引き起こす恐れがある。
【0024】
このような前記基材シートの厚さは、壁紙が適用される用途に応じて定められるもので、特に限定されず、通常、0.1mm〜0.2mmの厚さを有することができる。
【0025】
前記樹脂層200は、PLAとPHAの混合樹脂を含むことを特徴とする。
【0026】
前記混合樹脂内のPLA樹脂とPHA樹脂の重量比は90:10〜10:90であることが好ましい。
【0027】
そして、前記樹脂層200には、PLA及びPHA混合樹脂以外に、無機充填剤、可塑剤及び添加剤(加工助剤、顔料、滑剤など)がさらに含まれてもよい。
【0028】
より詳細には、前記樹脂層200は、PLA及びPHA混合樹脂100重量部に対して、無機充填剤50〜200重量部、可塑剤5〜100重量部、加工助剤1〜20重量部、顔料5〜30重量部、及び滑剤0.1〜10重量部を含むことができる。
【0029】
前記混合樹脂における前記PLA樹脂は、再生可能なトウモロコシなどの植物を発酵させて得たラクチドまたは乳酸を重合して製造された熱可塑性ポリエステルであって、化石資源の枯渇とは関係がないだけでなく、使用後に埋め立てなどの方式で容易に分解させることができる環境に優しい特性を有する。
【0030】
このような前記PLA樹脂は、通常、D−PLA、L−PLA、D,L−PLAまたはmeso−PLAなどに区分することができ、本発明では、その種類に制限がなく、前記のPLA樹脂を単独または2種以上混合して用いることができる。
【0031】
また、用いられる前記PLA樹脂は、前述したように、乳酸またはラクチドを重合させて製造することができ、必要に応じて、エチレングリコール又はプロピレングリコールなどのグリコール化合物、エタン二酸(ethanedioic acid)又はテレフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸又は2−ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、またはカプロラクトン又はプロピオラクトンなどのラクトン類のような適切な単量体と共重合されてもよい。
【0032】
前記混合樹脂における前記PHA樹脂は、Poly Hydroxyl Alkanoateのの略語であって、種々の炭素側鎖があるヒドロキシ酸ポリエステルの総称である。
【0033】
前記PHA樹脂は、顆粒膜内の重合酵素によるD(−)−3−ヒドロキシ脂肪酸CoAの重合により生成されるが、最近、ある種類の細菌では、様々な長さの側鎖があるヒドロキシ酸の重合体、あるいは3−ヒドロキシ酪酸との共重合体であるPHAが発見されている。
【0034】
このような前記PHA樹脂を前記PLA樹脂に混合する場合、前記樹脂層に柔軟性を付与すると共に、壁紙の表面の触感を良くする。
【0035】
そして、前記混合樹脂内のPLA樹脂とPHA樹脂の重量比は、90:10〜10:90で混合されてもよい。好ましくは80:20〜40:60で混合され、より好ましくは70:30〜50:50で混合される。
【0036】
このように前記PHA樹脂を混合することによって、可塑剤の含量を減少させることができ、可塑剤の多量添加により前記樹脂層200が脆くなることを防止することができる。
【0037】
前記混合樹脂に添加される前記無機充填剤は、前記PLA及びPHA混合樹脂100重量部に対して、50〜200重量部、好ましくは70〜180重量部、より好ましくは100〜150重量部添加されてもよい。
【0038】
このような前記無機充填剤としては、炭酸カルシウム、生石灰、炭酸水素カリウム、タルク及びシリカからなる群から選択された1つ以上を使用することができる。好ましくは、安価の炭酸カルシウムを使用することができる。
【0039】
前記混合樹脂に添加される前記可塑剤は、前記PLA及びPHA混合樹脂100重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは20〜60重量部添加されてもよい。
【0040】
このような前記可塑剤としては、非フタル酸系可塑剤を使用することができる。
【0041】
前記非フタル酸系可塑剤は、前記PLA樹脂を軟化して熱可塑性を増大させることによって、適切な加工温度で成形加工を容易にする。本発明では、非フタル酸系可塑剤として、環境に優しい可塑剤であるATBC(Acetyl TributylCitrate)を用いることが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0042】
前記混合樹脂に添加される前記加工助剤は、前記PLA及びPHA混合樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部添加されてもよい。
【0043】
前記加工助剤としては、アクリル系共重合体が使用されてもよい。
【0044】
前記アクリル系共重合体は、PLA樹脂の溶融強度を補強して加工性を確保する役割を果たす。このような前記アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、加工時に、溶融強度の改善及び他物質との相溶性を考慮するとき、100万〜600万であってもよく、好ましくは200万〜500万であるものを使用する。
【0045】
前記混合樹脂に添加される前記顔料は、前記PLA及びPHA混合樹脂100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部添加されてもよい。
【0046】
前記顔料としては、酸化チタン(TiO)を投入して壁紙に遮蔽機能を付与することによって、基材パターンが表面に透けることを防止することができる。
【0047】
前記混合樹脂に添加される前記滑剤は、前記PLA及びPHA混合樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部添加されてもよい。
【0048】
前記滑剤は、前記樹脂層200が加工過程で加工設備にくっつくことを防止する。
【0049】
前記滑剤は、様々な種類があるが、本発明では、環境に優しい高級脂肪酸を用い、具体的には、炭素数18の飽和高級脂肪酸であるステアリン酸を用いることができるが、これに制限されるものではない。
【0050】
そして、前記混合樹脂に、その他の添加剤として耐加水分解剤(anti−hydrolysis agent)がさらに添加されてもよい。
【0051】
一方、このような構成からなる前記樹脂層200の厚さは、壁紙が適用される用途に応じて定められるもので、特に限定されず、通常、0.1mm〜0.2mmの厚さを有することができる。
【0052】
前記印刷層300は、前記樹脂層200上にさらに含まれてもよい。
【0053】
前記印刷層300は、壁紙に様々な模様及び/又は色相を付与し、美観効果を改善することができる。
【0054】
このような前記印刷層300を形成する方法は、特に限定されず、例えば、グラビア印刷、転写印刷、デジタル印刷またはロータリースクリーン印刷などの公知の印刷方法を用いることができる。
【0055】
前記の印刷方法のうち多色のグラビア印刷で直接前記樹脂層200上に印刷することが好ましい。
【0056】
一方、選択的に、エンボス模様層(図示せず)は前記樹脂層200及び/又は印刷層300の上にさらに形成されてもよい。
【0057】
前記エンボス模様層は、壁紙にさらなる立体感を付与することができる。
【0058】
このような前記エンボス模様層を形成する方法は、特に限定されず、例えば、樹脂層200または印刷層300を模様が形成されたローラーでローリング処理したり、または樹脂層200に適切な発泡剤などを含ませた後、公知の発泡及びゲル化工程などを経て形成することができる。
【0059】
このような構成からなる本発明の壁紙の製造方法は、ニーダーミキサーまたはバンバリーミキサーにてPLA及びPHA混合樹脂、可塑剤、無機充填剤及び添加剤を添加してコンパウンドを製造するステップ;前記コンパウンドからカレンダリング工法を通じて樹脂層を形成するステップ;及び前記樹脂層と基材シートを貼り合わせるステップ;を含むことを特徴とする。
【0060】
このとき、前記混合樹脂内のPLA樹脂とPHA樹脂の重量比は、90:10〜10:90で混合されてもよい。好ましくは80:20〜40:60で混合され、より好ましくは70:30〜50:50で混合される。
【0061】
そして、前記樹脂層200には無機充填剤、可塑剤、加工助剤、顔料、滑剤などの添加剤がさらに含まれてもよい。
【0062】
より詳細には、バンバリーミキサー(banbury mixer)またはニーダーミキサー(kneader mixer)にて前記PLA樹脂と前記PHA樹脂を攪拌して混合された混合樹脂100重量部に対して、無機充填剤50〜200重量部、可塑剤5〜100重量部、加工助剤1〜20重量部、顔料5〜30重量部及び滑剤0.1〜10重量部を添加してコンパウンドを製造する。
【0063】
このとき、添加剤が混合された前記コンパウンドを、100℃〜200℃の温度、好ましくは130℃〜170℃の温度で加熱してゲル化させる。
【0064】
その後、ミキシングロールとウォーミングロールを経て追加的にミキシングした後、カレンダーローラーを通過させて前記樹脂層200を形成する。
【0065】
前記ミキシングロール及びウォーミングロールの温度は80℃〜160℃、好ましくは100℃〜140℃を維持し、カレンダーロールの温度は100℃〜160℃を維持することが好ましい。
【0066】
その後、圧着ロールを用いて前記樹脂層200と基材シート100を貼り合わせて壁紙半製品の生産を完成する。
【0067】
また、前記壁紙半製品の樹脂層200上に様々なパターン及び模様などを印刷して印刷層300を形成し、印刷層300を形成する方法としては、特に限定されず、グラビア、転写、デジタル、ロータリースクリーンなどの公知の工法が使用されてもよい。
【0068】
前記印刷は、前述した樹脂層200の形成工程後に直ちに行ってもよく、樹脂層200の発泡工程、またはエンボス模様層の形成工程後に行ってもよい。
【0069】
前記エンボス模様層の形成方法は、特に限定されず、樹脂層200をエンボス模様が形成されたエンボスロールで圧着する公知の方法を用いることができる。
【0070】
<実施例>
130℃のバンバリーミキサー(banbury mixer)にて前記PLA樹脂と前記PHA樹脂を65:35の混合割合で攪拌して混合された混合樹脂100重量部に対して、無機充填剤150重量部、可塑剤40重量部、加工助剤10重量部、顔料10重量部及び滑剤2重量部を添加した後、130℃〜150℃の樹脂温度を10〜30分間維持させて混合物をゲル化させ、このゲル化された混合物を、100℃〜140℃の温度のミキシングロールとウォーミングロールを順次経て追加的にミキシングした後、カレンダーローラーを通過させて前記樹脂層200を形成する。
【0071】
圧着ロールを用いて前記樹脂層200と基材シート100を貼り合わせて壁紙半製品を生産する。
【0072】
また、前記壁紙半製品の樹脂層200上にグラビア印刷方式で様々なパターン及び模様を印刷して印刷層300を形成した後、エンボスロールで圧着する公知の方法を用いてエンボス模様層を形成することによって、壁紙の表面に立体感を付与する。その後、裁断及び包装過程を経て壁紙の製造を完成する。
【0073】
<比較例>
100℃のニーダーミキサー(kneader mixer)にて前記PLA樹脂と前記PHA樹脂を65:35の混合割合で攪拌して混合された混合樹脂100重量部に対して、添加剤である無機充填剤150重量部、可塑剤40重量部、加工助剤10重量部、顔料10重量部及び滑剤2重量部を添加した後、130℃〜150℃の樹脂温度を10〜30分間維持させて混合物をゲル化させ、このゲル化されたコンパウンド(compound)を100℃〜130℃の温度を維持しているホッパーに貯蔵する。貯蔵されたコンパウンドは、シングルスクリュー押出機を通じてペレット状に加工される。前記押出機のシリンダー及びダイの温度は、それぞれ100℃及び130℃に維持する。
【0074】
Tダイ(T−die)付きシングル押出機により壁紙基材上に前記コンパウンドをトッピング(topping)させて壁紙半製品を生産し、前記押出機のシリンダーの温度は100℃〜140℃を、Tダイの温度は130℃〜165℃に維持させる。
【0075】
また、印刷及びエンボシングは実施例と同じ方式で行うことで、表面に様々な印刷及びエンボス模様が付与された壁紙を製造することができる。
【0076】
前記比較例は、実施例と比較して、工程が複雑であるだけでなく、Tダイの温度が低いと、コンパウンドの溶融粘度が高くなるため、コンパウンドが均一にトッピングされにくく、温度が過度に高いと、コンパウンドが分解されてしまい、壁紙としての基本物性を失うという欠点がある。
【0077】
本発明に係るPLA及びPHA混合樹脂を用いた壁紙及びその製造方法は、上述した実施例に限定されず、本発明の技術思想が許容される範囲内で多様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
100 基材シート
200 樹脂層
300 印刷層
図1
図2
図3