【文献】
大前学 他,高精度GPSを活用した自動車の自動運転システムの開発,電気学会研究会資料 次世代産業システム研究会 IIS-10-066〜073,社団法人電気学会,2010年 9月21日,p.5〜10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザを運ぶ移動体と、ユーザにより操作されるユーザ端末と、ネットワークを介して接続され、ユーザの前記移動体を使用するスケジュールを作成する余暇活用促進装置であって、
前記ユーザ端末からユーザの現在の状態を示すユーザ状態情報と、前記ユーザ端末の位置を示すユーザ位置情報と、を含むユーザ情報を収集するユーザ情報収集手段と、
前記ユーザ情報収集手段が収集した前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザ状態情報に基づき、当該ユーザに前記移動体を使用するスケジュールを設定可能か否か判定するユーザ状態判定手段と、
前記ユーザ状態判定手段によりスケジュールを設定可能と判断された場合、前記移動体を使用するスケジュールを示すスケジュール情報を生成し、前記ユーザ端末に送信するスケジュール情報提供手段と、
前記ユーザ端末より受信した前記スケジュール情報に基づく配車を承諾することを示す配車依頼情報に基づき、前記ユーザ情報収集手段が収集した前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザ位置情報が示す位置に前記移動体を配車することを示す移動体配車情報を生成する移動体配車情報生成手段と、
前記移動体配車情報生成手段が生成した前記移動体配車情報を、前記移動体に送信する配車手段と、を備えることを特徴とする余暇活用促進装置。
前記ユーザ端末から、要望する他のユーザの所定の能力を示す能力情報と、当該他のユーザを前記移動体により運んでもらいたい位置を示す目的地情報と、を含む要望情報を収集する要望収集手段と、
前記ユーザが保有する能力を示す保有能力情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、を更に備え、
前記スケジュール情報提供手段は、ユーザ状態判定手段によりスケジュールを設定可能と判断されたユーザの前記ユーザ情報記憶手段に記憶された前記保有能力情報と、前記要望収集手段が収集した前記要望情報と、に基づき前記スケジュール情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の余暇活用促進装置。
前記ユーザ情報記憶手段は、前記ユーザ状態判定手段により、前記移動体を使用するスケジュールを設定可能と判定されることを拒否する条件を示す拒否条件情報を記憶し、
前記ユーザ状態判定手段は、前記ユーザ状態情報に加え、前記ユーザ情報記憶手段に記憶された前記拒否条件情報に基づき、前記移動体を使用するスケジュールを設定可能か否か判定することを特徴とする請求項2に記載の余暇活用促進装置。
前記スケジュール情報提供手段は、前記要望収集手段が収集した前記要望情報に応じて、ユーザにとって有利となるインセンティブ情報を含む前記スケジュール情報を生成することを特徴とする請求項2又は3に記載の余暇活用促進装置。
ユーザを運ぶ移動体と、ユーザにより操作されるユーザ端末と、ネットワークを介して接続され、ユーザの前記移動体を使用するスケジュールを作成する余暇活用促進装置による余暇活用促進方法であって、
前記ユーザ端末からユーザの現在の状態を示すユーザ状態情報と、前記ユーザ端末の位置を示すユーザ位置情報と、を含むユーザ情報を収集するユーザ情報収集ステップと、
前記ユーザ情報収集ステップで収集した前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザ状態情報に基づき、当該ユーザに前記移動体を使用するスケジュールを設定可能か否か判定するユーザ状態判定ステップと、
前記ユーザ状態判定ステップでスケジュールを設定可能と判断した場合、前記移動体を使用するスケジュールを示すスケジュール情報を生成し、前記ユーザ端末に送信するスケジュール情報提供ステップと、
前記ユーザ端末より受信した前記スケジュール情報に基づく配車を承諾することを示す配車依頼情報に基づき、前記ユーザ情報収集ステップで収集した前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザ位置情報が示す位置に前記移動体を配車することを示す移動体配車情報を生成する移動体配車情報生成ステップと、
前記移動体配車情報生成ステップで生成した前記移動体配車情報を、前記移動体に送信する配車ステップと、を含むことを特徴とする余暇活用促進方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と言う)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0020】
図1は、本発明が適用される交通システム1の概念を説明する図である。
図2は、本発明が適用される交通システム1の全体構成を説明する図である。交通システム1は、地域における交通の利便性を向上し、当該地域における住民やサービサ(サービス提供者、例えば、宅配業者、移動店舗、公共交通機関、役所、病院、地域企業、スーパやコンビニ等の小売店等)における人や物の移動需要を喚起し、当該地域を活性化することを目的としたものである。
【0021】
交通システム1は、交通システム1の中心となる中央管理システム100は、提供する各種サービスに適合したサブシステムとして、サーバ又は管理装置等で構成される。余暇活用促進サーバ10(以降、サーバ10とも言う)は、このサブシステムとしてのサーバの一つであり、サービサにより操作されるサービサシステム20(図ではビルのイラストで表している)と、地域住民であるユーザにより操作されるユーザ端末30(図では家のイラストで表している)と、サーバ10の指示に基づき自走する移動体40と、にネットワークを介して接続され、ユーザの移動体40を使用するスケジュールを作成する余暇活用促進装置として機能する。
【0022】
サーバ10は、ユーザ端末30から、要望する他のユーザの所定の能力と、当該他のユーザを移動体40により運んでもらいたい位置と、を示す要望情報を収集する。また、サーバ10は、ユーザ端末30からユーザの現在の状態と、ユーザ端末30の位置と、を示すユーザ情報を収集し、ユーザ情報に含まれるユーザ状態から、当該ユーザに移動体40を使用するスケジュールを設定可能か否か判定する。そして、サーバ10は、スケジュールを設定可能と判断した場合、ユーザが保有する能力と要望情報が示す能力とをマッチングし、移動体40を使用するスケジュールを示すスケジュール情報を生成する。また、サーバ10は、要望情報に応じて、ユーザにとって有利となるインセンティブ情報を含むスケジュール情報を生成する。そして、サーバ10は、生成したスケジュール情報をユーザ端末30に送信する。次に、サーバ10は、ユーザ端末30より受信したスケジュール情報に基づく配車を承諾することを示す配車依頼情報に基づき、ユーザ情報が示す位置に移動体40を配車することを示す移動体配車情報を生成し、この移動体配車情報に基づき、移動体40を配車する。
【0023】
サービサシステム20は、各サービサに適したシステムで構成され(例えば、複数の端末とサーバとからなるシステム、携帯端末、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等)、各サービサの操作に基づき、要望情報やインセンティブ情報(例えば、サービサをユーザにとって有利に利用可能となる情報等)を、サーバ10に送信する。
【0024】
ユーザ端末30は、各ユーザに適した機器で構成され(例えば、携帯端末、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム機器、ネットワークに接続可能なテレビ、オーディオ機器、DVD/BDプレイヤ、冷蔵庫、電子レンジ、電気ポット、アクティビティ・トラッカ等の情報家電製品又はホームコントローラ、及びカーナビのような自宅外で使用する装置等)、各ユーザの操作に基づきユーザ状態情報、要望情報を、サーバ10に送信する。特に、ユーザ端末30は、ユーザの状態を検知する検知手段(加速度センサ、カメラ、マイク、熱センサ等)や、屋内及び野外での位置情報検出手段により、ユーザ状態情報を生成し、ユーザの許可設定の元、サーバ10に送信する機能を備えるものとする。ユーザ状態情報には、その時々のユーザの状態及び日常の生活パターンの情報を含む。例えば、ユーザが一日のうちどの時間帯にテレビやDVD等を見て過ごしているか、何時間テレビやPC、携帯等でゲームをしているか、外出の頻度はどれくらいか、特にパチンコ屋やゲームセンタにどれくらいの頻度で通っているか等の情報を、自動的にサーバ10に送信する。すなわち、ユーザ端末30は、ユーザ状態情報、特にユーザが余暇を持て余していないかを検知する装置として機能する。なお、ユーザ端末30は、上記のような機器そのものであってもよいし、上記の複数の機器と家庭内等のローカルネットワークを介して、情報交信可能な制御機器(ホームコントローラ等)であってもよい。
【0025】
移動体40は、自動運転に関する公知のシステムを備えた電気自動車であり、移動体の現在位置、目的地、電池残量を示す情報を含む移動体情報をサーバ10に送信する。また、移動体40は、電池残量が所定値以下となった場合、エネルギー源補給位置である充電ステーション90で充電される。充電ステーション90は、移動体40が配車される地域において、例えば、所定範囲毎に設けられ、複数台の移動体40が同時に充電できる構成を備える。なお、充電ステーション90は、例えば、移動体40を利用するユーザの自宅や、サービサの店舗に、1台用として簡易的に設けてもよい。
【0026】
このような構成により、具体的には、例えば、サーバ10は、ユーザ端末30から送信されたユーザ情報に基づき、ユーザが余暇を過ごしているか否かを判定し、余暇を過ごしているユーザのユーザ端末30に対し、ボランティア活動に従事するスケジュールを示すスケジュール情報を生成し送信する。そして、サーバ10は、このユーザがボランティア活動に従事するスケジュールを承諾した場合には、このユーザの現在位置に移動体40を配車する。ユーザは、配車された移動体40に乗車し、ボランティア活動を行う場所に移動する。なお、サーバ10が生成するスケジュール情報は、ボランティア活動に従事するスケジュールに限られず、ユーザの外出を促すスケジュールであれば、例えば、買い物に行くスケジュールや、集会に参加するスケジュール等でもよい。
【0027】
このような交通システム1によれば、移動体40を運行する交通システム1において、ユーザの現在の状態に応じて、移動体40を使用するスケジュールを提供し、移動体40を配車してしまうことで、ユーザの余暇の活用を促すことができる。
【0028】
図3は、本発明の実施形態が適用された交通システム1(以下、単に本システムとも呼ぶ)の機能ブロックを示した図である。本システムは、地域における交通の利便性を向上する交通システムにおいて、特にユーザの余暇の活用を促すシステムであり、本システムの中心となるサーバ10と、サーバ10にネットワークを介して接続され、サービサにより操作されるサービサシステム20と、地域住民であるユーザにより操作されるユーザ端末30と、ユーザを運ぶ移動体40と、を備える。
【0029】
(サーバ10の構成)
サーバ10は、ユーザを運ぶ移動体40と、ユーザにより操作されるユーザ端末30と、ネットワークを介して接続され、ユーザの移動体40を使用するスケジュールを作成する余暇活用促進装置として機能する。
【0030】
サーバ10は、要望収集手段11と、ユーザ情報収集手段12と、ユーザ状態判定手段13と、スケジュール情報提供手段14と、移動体配車情報生成手段15と、配車手段16と、要望データベース(以下、要望DBとも言う)110と、ユーザ情報記憶手段としてのユーザデータベース(以下、ユーザDBとも言う)120と、を備える。
【0031】
要望収集手段11は、ユーザ端末30及びサービサシステム20から、要望する他のユーザの所定の能力を示す能力情報と、当該他のユーザを移動体40により運んでもらいたい位置(ボランティアに従事してもらいたい位置)を示す目的地情報と、を含む要望情報を収集する。詳細には、要望収集手段11は、ユーザ端末30及びサービサシステム20から、要望者IDとして、ユーザを特定するユーザID又はサービサを特定するサービサID、能力情報、目的地情報、ボランティアに従事してもらいたい日時を示す日時情報及びボランティアの作業内容を示す作業内容情報を受信し、これらの情報を要望DB110に記憶する。また、要望収集手段11は、サービサシステム20から、要望されたボランティアの作業内容に応じて、ユーザにとって有利となるインセンティブ情報を受信し、これらの情報を要望DB110に記憶する。なお、インセンティブ情報は、サービサシステム20に限らず、ユーザ端末30から受信してもよい。
【0032】
図4は、要望DB110に格納されるデータ構造を示す図である。要望DB110は、要望者IDに、能力情報、目的地情報、日時情報、インセンティブ情報及び作業内容情報が対応付けられている。
図4に示す例では、日時情報に示す「以降」は
図4に示す日時以降であれば何時でもいいことを示し、日時情報に示す「まで」は
図4に示す日時までであれば何時でもいいことを示し、日時情報に示す「〜」は
図4に示す時間を特定していることを示す。
【0033】
図3に戻って、ユーザ情報収集手段12は、所定間隔(例えば、30分)でユーザ端末30からユーザの現在の状態を示すユーザ状態情報と、ユーザ端末30の位置を示すユーザ位置情報と、を含むユーザ情報を収集する。また、ユーザ情報収集手段12は、ユーザ端末30から後述する配車依頼情報を受信する。本実施形態において、「ユーザ状態情報」は、ユーザの現在の状態を推定できる情報であれば任意の情報でよいが、例えば、以下の態様がある。「ユーザ状態情報」は、ユーザ端末30がスマートフォンであれば、位置情報や加速度センサの検知情報である。所定時間(例えば、2〜4時間)に亘り、検知情報が無ければ、ユーザが自宅や特定の場所(パチンコ店等)で所定時間動かず、余暇を持て余している状態であることが推定される。
【0034】
「ユーザ状態情報」は、例えば、カメラやマイクが接続された映像・音声取得機器であれば、ユーザを撮影した画像情報やユーザが発した音を録音した音情報から取得できる。所定時間に亘り、画像情報において例えばソファに座ったユーザが動かない場合や、音情報において足音等の動作音が無ければ、ユーザが所定時間動かず、余暇を持て余している状態であることが推定される。また、「ユーザ状態情報」は、ユーザ端末30が情報家電製品であれば、使用の有無を示す情報である。例えば、一日のうち長時間に亘り、テレビ、DVD/BDプレイヤ、ゲーム機器等を使用した情報しかなければ、ユーザが余暇を持て余している状態であることが推定される。また、「ユーザ状態情報」は、ユーザ端末30がユーザの体に取り付け、ユーザの心拍数や体温等を検出するアクティビティ・トラッカのような器具であれば、ユーザの心拍数や体温等を示す情報である。所定時間(例えば、1〜4時間)に亘り、例えば、ユーザの心拍数が所定値以下であることを示す情報であれば、ユーザが所定時間動かず、余暇を持て余している状態であることが推定される。また、目覚まし時計などからユーザの起床時間や就寝時間等を取得して一日の活動時間を推定することも可能である。
【0035】
ユーザ状態判定手段13は、ユーザ情報収集手段12が収集したユーザ情報に含まれるユーザ状態情報に基づき、当該ユーザに移動体40を使用するスケジュールを設定可能か否か判定する。具体的には、ユーザ状態判定手段13は、例えば、ユーザ情報が加速度センサの検知情報であれば、所定時間に亘り、検知情報が無ければ、スケジュールを設定可能と判定する。また、ユーザ状態判定手段13は、例えば、ユーザ情報がユーザを撮影した画像情報やユーザが発した音を録音した音情報であれば、所定時間に亘り、画像情報においてソファに座ったユーザが動かない場合や、音情報において足音が無ければ、スケジュールを設定可能と判定する。また、ユーザ状態判定手段13は、例えば、ユーザ情報が情報家電の使用の有無を示す情報であれば、所定時間に亘り、テレビを使用した情報しかなければ、スケジュールを設定可能と判定する。また、ユーザ状態判定手段13は、例えば、ユーザ情報がユーザの心拍数や体温等を示す情報であれば、所定時間に亘り、ユーザの心拍数が所定値以下であることを示す情報であれば、スケジュールを設定可能と判定する。また、ユーザ状態判定手段13は、ユーザの現在の状態を示すユーザ状態情報以外に、ユーザのその日の予定情報(図示せず)を照会して、スケジュールを設定可能かどうか判断してもよい。
【0036】
また、ユーザ状態判定手段13は、ユーザ状態情報に加え、ユーザDB120に記憶された拒否条件情報に基づき、移動体40を使用するスケジュールを設定可能か否か判定する。
【0037】
ユーザDB120は、予め設定されたユーザが保有する能力を示す保有能力情報を記憶する。また、ユーザDB120は、ユーザ状態判定手段13により、移動体40を使用するスケジュールを設定可能と判定されることを拒否する条件を示す拒否条件情報を記憶する。
【0038】
図5は、ユーザDB120に格納されるデータ構造を示す図である。ユーザDB120は、ユーザIDに、名前及び自宅住所を示す個人情報、保有能力情報及び拒否条件情報が対応付けられている。
図5に示す例では、拒否条件情報に示す曜日(例えば、「月曜日」等)は
図5に示す曜日におけるスケジュールの設定を拒否することを示し、拒否条件情報に示す時間(例えば、「20:00〜翌日10:30」等)は
図5に示す時間におけるスケジュールの設定を拒否することを示す。また、
図5に示す例では、拒否条件情報に示す「テレビを使用した情報」は、ユーザ情報収集手段12が受信したユーザ状態情報が、テレビを使用した情報である場合にはスケジュールの設定を拒否することを示す。また、
図5に示す例では、拒否条件情報に示す「心拍動が80回/1分間以上」は、ユーザ情報収集手段12が受信したユーザ状態情報が、心拍動が80回/1分間以上を示す情報の場合にはスケジュールの設定を拒否することを示す。
【0039】
図3に戻って、スケジュール情報提供手段14は、ユーザ状態判定手段13によりスケジュールを設定可能と判断された場合、移動体40を使用するスケジュールを示すスケジュール情報を生成し、ユーザ端末30に送信する。また、スケジュール情報提供手段14は、ユーザ状態判定手段13によりスケジュールを設定可能と判断されたユーザのユーザDB120に記憶された保有能力情報と、要望収集手段11が収集した要望情報と、に基づきスケジュール情報を生成する。また、スケジュール情報提供手段14は、要望収集手段11が収集した要望情報に応じて、ユーザにとって有利となるインセンティブ情報を含むスケジュール情報を生成する。具体的には、スケジュール情報提供手段14は、ユーザDB120を参照して、ユーザ状態判定手段13によりスケジュールを設定可能と判断されたユーザの保有能力情報と、要望収集手段11が収集した要望情報の能力情報とをマッチングし、当該ユーザに割り振る要望情報を決定する。そして、スケジュール情報提供手段14は、決定した要望情報に含まれる目的地情報、日時情報、インセンティブ情報及び作業内容情報と、移動体40をユーザ情報収集手段12が収集したユーザ位置情報が示す位置まで配車する旨を表示するための情報と、を含むスケジュール情報を生成する。
【0040】
移動体配車情報生成手段15は、ユーザ情報収集手段12がユーザ端末30より受信したスケジュール情報に基づく配車を承諾することを示す配車依頼情報に基づき、ユーザ情報収集手段12が収集したユーザ情報に含まれるユーザ位置情報が示す位置に移動体40を配車することを示す移動体配車情報を生成する。また、移動体配車情報生成手段15は、前述の要望情報に含まれる日時情報に基づいて、ユーザの帰りの移動体配車情報を生成してもよい。
【0041】
配車手段16は、移動体配車情報生成手段15が生成した移動体配車情報に基づき、移動体40を配車する。具体的には、配車手段16は、移動体配車情報生成手段15が生成した移動体配車情報を移動体40に送信する。
【0042】
(サービサシステム20の構成)
サービサシステム20は、サービスを提供する事業者のコンピュータシステムであって、例えば、既に述べたように、宅配業者、移動店舗、公共交通機関、役所(警察、消防署等を含む)、病院、地域企業、固定店舗(スーパ、コンビニエンスストア等)などのコンピュータシステムのサーバ、端末を含む。サービサシステム20は、インターネット又は専用回線を介して、サーバ10と交信可能なのはもちろんのこと、移動体40との直接の無線交信手段も備えてもよい。
【0043】
サービサシステム20は、サービサシステム送受信手段21と、サービサシステム制御手段22と、サービサシステム入出力手段23と、を備える。サービサシステム送受信手段21は、サービサシステム制御手段22の制御により、サーバ10に要望情報及びインセンティブ情報を送信する。
【0044】
サービサシステム制御手段22は、サービサシステム入出力手段23におけるサービサシステム20の職員等の操作に基づき、要望情報及びインセンティブ情報を生成する。
【0045】
サービサシステム入出力手段23は、サービサシステム制御手段22の制御により、サービサシステム20の職員等の操作を受け付ける。
【0046】
(ユーザ端末30の構成)
ユーザ端末30は、ユーザ端末送受信手段31と、ユーザ端末制御手段32と、ユーザ状態検知手段33と、ユーザ端末入出力手段34と、を備える。ユーザ端末送受信手段31は、ユーザ端末制御手段32の制御により、サーバ10に要望情報、ユーザ状態情報及び配車依頼情報を送信し、サーバ10から、スケジュール情報を受信する。
【0047】
ユーザ端末制御手段32は、ユーザ端末入出力手段34におけるユーザの操作に基づき、移動体40の配車を要望する要望情報を生成する。また、ユーザ端末制御手段32は、ユーザ状態検知手段33を制御し、所定間隔(例えば、30分)でユーザの現在の状態を検出しユーザ状態情報を生成し、このユーザ状態情報とユーザ位置情報と、を含むユーザ情報を生成する。また、ユーザ端末制御手段32は、ユーザ端末送受信手段31が受信したスケジュール情報に基づく余暇活用促進画面をユーザ端末入出力手段34に表示する制御を行い、ユーザ端末入出力手段34におけるユーザの操作に基づき、配車依頼情報を生成する。
【0048】
ユーザ状態検知手段33は、ユーザ端末制御手段32に制御され、ユーザの状態を検知する。ユーザ状態検知手段33は、加速度センサ、カメラ、マイク、熱センサ等の公知の検知手段で構成され、GPS等の公知の位置情報検出手段を含む。
【0049】
ユーザ端末入出力手段34は、ユーザ端末制御手段32に制御され、ユーザの操作を受け付けるとともに、要望受付情報又は再検討情報に基づく画面を表示する。
【0050】
(移動体40の構成)
図6は、移動体40の外観の一例を示す図である。移動体40は、円筒形状のボディ400の下側に4つの車輪が設けられ、ボディ400の上側に4つの撮像部(以降、カメラという)401及び各種センサやディスプレイを収容したトップ402と、を備える。また、ボディ400には、前方側に前方側連結部403が形成され、後方側に後方側連結部404が形成されている。移動体40は、後述するように、前方側連結部403及び後方側連結部404により、他の移動体40や、ユーザが乗車する客車50(
図7参照)と連結される。
【0051】
図7は、移動体40に客車50が連結された形態の一例を示す図である。客車50は、人が乗車可能に構成され、前方側に前方側連結部501が形成され、後方側に後方側連結部502が形成されている。客車50は、前方側連結部501及び後方側連結部502により、他の客車50及び移動体40と連結される。なお、移動体40、客車50は、上記のような形態に限らず、一般的な乗用車や小型トラックのような形態であっても当然よい。
【0052】
図3に戻って、移動体40は、移動体送受信手段41と、移動体制御手段42と、移動体入力手段43と、移動体出力手段44と、駆動手段45と、を備える。
【0053】
移動体送受信手段41は、移動体制御手段42の制御により、移動体配車情報をサーバ10から受信する。
【0054】
移動体制御手段42は、移動体送受信手段41が受信した移動体配車情報に基づき、駆動手段45を制御して、移動体40を運行させる。
【0055】
移動体入力手段43は、例えば、画像の入力を受け付けるカメラ401(
図6参照)や、音声を受け付けるマイクで構成される。例えば、移動体入力手段43は、ユーザの顔の画像を撮影する。移動体制御手段42は、この顔の画像から、公知の顔認識技術により、ユーザを特定する。
【0056】
移動体出力手段44は、例えば、トップ402(
図6参照)に収容されたディスプレイで構成され、移動体制御手段42の制御により、乗車したユーザに関係する情報を示す画面を表示する。
【0057】
駆動手段45は、移動体40が電気で駆動するために必要な公知の構成(バッテリー、インバータ、モータ、ブレーキ等)を備える。また、駆動手段45は、自動運転に必要な公知の構成として、GPS、移動体40の周囲を検知するセンサ、GPS及びセンサからの情報に基づき車輪を操舵するアクチュエータ等を備える。
【0058】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、コンピュータ装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)又はハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。なお、データベースも1つのサーバ(データベースサーバ)と考えてもよい。
【0059】
(余暇活用促進装置の余暇活用促進処理フロー)
図8は、余暇活用促進処理フローを示す図である。この処理は、余暇活用促進装置としてのサーバ10が、サーバ10に接続されたユーザ端末30と協同して行う処理である。なお、以下の処理は、必ずしもこのフローチャートで示した順で処理される必要はなく、各処理ブロックの入力データと出力データの関係が損なわれない限り、処理順序を変更してもよい。
【0060】
ステップS10において、サーバ10の要望収集手段11は、ユーザ端末30及びサービサシステム20から、要望する他のユーザの所定の能力を示す能力情報と、当該他のユーザを移動体40により運んでもらいたい位置を示す目的地情報と、を含む要望情報を収集する。
【0061】
ステップS11において、ユーザ端末30のユーザ端末制御手段32は、ユーザ状態検知手段33を制御し、所定間隔(例えば、30分)でユーザの現在の状態を検出しユーザ状態情報を生成し、このユーザ状態情報とユーザ位置情報と、を含むユーザ情報を生成する。ユーザ端末制御手段32は、生成したユーザ情報を、ユーザ端末送受信手段31によりサーバ10に送信する。
【0062】
ステップS12において、サーバ10のユーザ情報収集手段12は、所定間隔(例えば、30分)で、ユーザ端末30からユーザ状態情報と、ユーザ位置情報と、を含むユーザ情報を収集する。
【0063】
ステップS13において、サーバ10のユーザ状態判定手段13は、ユーザ情報収集手段12が収集したユーザ情報に含まれるユーザ状態情報に基づき、当該ユーザに移動体40を使用するスケジュールを設定可能か否か判定する。ユーザ状態判定手段13は、スケジュールを設定可能と判定した場合にはステップS14に処理を移し、スケジュールを設定可能でないと判定した場合には本処理を終了する。
【0064】
ステップS14において、サーバ10のスケジュール情報提供手段14は、移動体40を使用するスケジュールを示すスケジュール情報を生成し、ユーザ端末30に送信する。詳細には、スケジュール情報提供手段14は、ユーザDB120(
図5参照)を参照して、ユーザ状態判定手段13によりスケジュールを設定可能と判断されたユーザの保有能力情報と、要望収集手段11が収集した要望情報の能力情報とをマッチングし、当該ユーザに割り振る要望情報を決定する。そして、スケジュール情報提供手段14は、決定した要望情報に含まれる目的地情報、日時情報、インセンティブ情報及び作業内容情報と、移動体40をユーザ情報収集手段12が収集したユーザ位置情報が示す位置まで配車する旨を表示するための情報と、を含むスケジュール情報を生成し、ユーザ端末30に送信する。
【0065】
ステップS15において、ユーザ端末30のユーザ端末送受信手段31は、ユーザ端末制御手段32の制御により、サーバ10からスケジュール情報を受信する。
【0066】
ステップS16において、ユーザ端末30のユーザ端末制御手段32は、ステップS15でユーザ端末送受信手段31が受信したスケジュール情報に基づく余暇活用促進画面をユーザ端末入出力手段34に表示する制御を行う。
【0067】
図9は、余暇活用促進画面の例を示す図である。
図9に示す例では、余暇活用促進画面には、目的地情報(「三丁目の田中さん」という文字画像)、日時情報(「今日の16:00」という文字画像)、インセンティブ情報(「ホームセンタ△△がクーポン券をくれるそうですよ」という文字画像)及び作業内容情報(「棚を付けて欲しいみたいですよ」という文字画像)と、移動体40をユーザ情報収集手段12が収集したユーザ位置情報が示す位置まで配車する旨を表示するための情報(「佐藤さんの家に迎えに行くよ」という文字画像)が示されている。
【0068】
図8に戻って、ステップS17において、ユーザ端末30のユーザ端末制御手段32は、ユーザ端末入出力手段34におけるユーザの操作(例えば、
図9に示す例では、「やる」を選択する操作)に基づき、ステップS16でサーバ10から受信したスケジュール情報に基づく配車を承諾することを示す配車依頼情報を生成する。ユーザ端末送受信手段31は、ユーザ端末制御手段32の制御により、この配車依頼情報をサーバ10に送信する。
【0069】
ステップS18において、サーバ10のユーザ情報収集手段12は、ユーザ端末30から、ステップS17でユーザ端末30から送信された配車依頼情報を受信する。
【0070】
ステップS19において、サーバ10の移動体配車情報生成手段15は、ステップS18でユーザ情報収集手段12がユーザ端末30より受信した配車依頼情報に基づき、ステップS12でユーザ情報収集手段12が収集したユーザ情報に含まれるユーザ位置情報が示す位置に移動体40を配車することを示す移動体配車情報を生成する。
【0071】
ステップS20において、サーバ10の配車手段16は、ステップS19で移動体配車情報生成手段15が生成した移動体配車情報に基づき、移動体40を配車する。移動体40の移動体制御手段42は、サーバ10の配車手段16から受信した移動体配車情報に基づき、駆動手段45を制御して、移動体40を運行させる。
【0072】
なお、ここまでの説明では、余暇を持て余しているユーザに対して、ボランティアのために外出するための移動体のスケジュールを作成することを中心に述べたが、余暇を持て余しているユーザが、なんらかの他人に教えることができる技能を持っている場合には、ユーザの自宅等に生徒が習いに来るための移動体のスケジュールを作成するようにしてもよい。習い事には、囲碁将棋、お花、お茶、料理、書、絵画、楽器演奏、歌、舞踊、ダンス等が例として考えられるが、その他にも、確定申告の仕方や育児の仕方等の伝授であってもよい。このようにすることで、本人の技能を生かせるだけでなく、ユーザの自宅等で、送り迎えつきの習い事教室を開くことも可能で、より多くの人(生徒)の外出を促すことができる。
【0073】
(実施形態の効果)
以上の説明のように実施形態に係る余暇活用促進としてのサーバ10によれば、ユーザ端末30からユーザの現在の状態と、ユーザ端末30の位置と、を示すユーザ情報を収集し、ユーザ情報に含まれるユーザ状態情報に基づき、当該ユーザに移動体40を使用するスケジュールを設定可能か否か判定する。サーバ10は、スケジュールを設定可能と判断した場合、移動体40を使用するスケジュールを示すスケジュール情報を生成する。サーバ10は、生成したスケジュール情報をユーザ端末30に送信する。そして、サーバ10は、ユーザ端末30より受信したスケジュール情報に基づく配車を承諾することを示す配車依頼情報に基づき、ユーザ情報が示す位置に移動体40を配車することを示す移動体配車情報を生成し、この移動体配車情報に基づき、移動体40を配車する。これにより、移動体40を運行する交通システム1において、ユーザの現在の状態に応じて、移動体40を使用するスケジュールを提供し、移動体40を配車してしまうことで、ユーザの余暇の活用を促すことができる。
【0074】
また、サーバ10は、スケジュールを設定可能と判断されたユーザの保有能力と、要望された能力と、に基づきスケジュール情報を生成する。よって、ユーザの能力に応じたスケジュールを生成できる。これにより、余暇を有するユーザに外出を促し、例えば、ユーザの能力に応じたボランティアに従事させることができる。
【0075】
また、サーバ10は、ユーザの現在の状態に加え、移動体40を使用するスケジュールを設定可能と判定されることを拒否する条件に基づき、移動体を使用するスケジュールを設定可能か否か判定する。よって、ユーザに負担を掛けない適切なタイミングで、移動体40を使用するスケジュールを設定できる。これにより、余暇を有するユーザに無理を強いることなく外出を促し、例えば、ボランティアに従事させることができる。
【0076】
また、サーバ10は、要望に応じて、ユーザにとって有利となるインセンティブ情報を含むスケジュール情報を生成する。よって、要望に応じることのインセンティブを向上できる。これにより、余暇を有するユーザに外出を促し、例えば、ボランティアに従事することのインセンティブを向上できる。
【0077】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、配車装置について説明したが、本発明において移動体を配車する配車方法の発明と捉えることもできる。