(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上部が開口した箱状であり、側壁または底壁のいずれかの箇所に、外気を内部へ導入可能な導入口、内部の空気を外部へ導出可能な導出口、機外に設置されたエアコンから延設された冷媒配管を導入可能な冷媒配管導入口、および、内部に生じた溜まり水を外部へ排出可能な排水口が形成され、床面に開口が形成された建物の床下への設置状態において、前記側壁上縁が建物の床面に形成された開口あるいは同開口口縁近傍に接続され、同側壁が床下空間と内部領域とを遮断可能であると共に、前記建物床面の開口と内部領域が連通可能に構成されたケース部と、
該ケース部の上部に載置されて前記建物床面の開口を開閉可能な第1の蓋部と、
前記ケース部の上部開口から内部へ嵌め込む態様で着脱可能であり、取着状態において同ケース部を気密かつ水密に閉塞可能で、内部に断熱層を有する第2の蓋部と、
前記ケース部内に配置され、前記冷媒配管を介して供給される冷媒を流通させることで、前記ケース部内に導入された外気との間で熱交換可能な熱交換器と、
該熱交換器を前記ケース部内で着脱可能に保持すると共に、同熱交換器と同ケース部内の底壁面および側壁面との間を1−5cmの間隔で離隔するスペーサ部と、
前記ケース部内における前記熱交換器と前記導入口との間の領域に配置され、板厚方向に貫通した複数の孔が形成された開口領域と、該孔が形成されていない非開口領域とを有し、前記開口領域は前記熱交換器の位置と略一致するように設定されたパネルにより構成され、前記熱交換器と所定間隔を開けて配置された構造である外気拡散部と、
該外気拡散部を前記ケース部内に着脱可能に取り付けると共に、同外気拡散部の底部と同ケース部内の底壁面との間を3−5cmの間隔で離隔可能な外気拡散部用スペーサとを備える
外気調和機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述の空調設備9における外気調和機91は、機体が邪魔にならないように、一般的に天井裏(天井側の室外)に設置されている(特許文献1の段落〔0019〕、
図2参照)ことが多く、このような場合、メンテナンス等が行いにくい。また、仮に外気調和機内で起きた結露によって溜まり水が機内に生じた場合、メンテナンス等の為に外気調和機を開けると、溜まり水が室内へ漏れ出るおそれがある。
【0006】
また、前述の空調設備9においては顕熱交換器93を使用しているため、その構造上、温度調節(以下「温調」という)が行われたとしても室内空気とは同じ温度にならない。加えて、温度が上昇あるいは低下するまでに時間が掛かり、室温との温度差のある空気が室内に導入されると、同空気との熱交換を行うエアコンの立ち上がり運転時における負荷が大きい。この点は全熱交換器であっても同様である。
【0007】
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、従来の外気調和機と比較して、清掃やメンテナンスを行いやすいと共に、室内に設置されたエアコンの運転負荷を低減して省エネルギーを実現することができる外気調和機および換気システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明の外気調和機は、上部が開口した箱状であり、側壁または底壁のいずれかの箇所に、外気を内部へ導入可能な導入口、内部の空気を外部へ導出可能な導出口、機外に設置されたエアコンから延設された冷媒配管を導入可能な冷媒配管導入口、および、内部に生じた溜まり水を外部へ排出可能な排水口が形成され、前記上部の開口が建物の床面に形成された開口と通ずるように建物の床下に設置可能なケース部と、該ケース部の前記上部の開口を開閉可能な蓋部と、前記ケース部内に着脱可能に配置され、前記冷媒配管を介して供給される冷媒を流通させることで、前記ケース部内に導入された外気との間で熱交換可能な熱交換器とを備える。
【0009】
ここで、外気調和機は、ケース部が、上部が開口した箱状であって、上部の開口が建物の床面に形成された開口と通ずるように建物の床下に設置されるものであることにより、従来の天井設置型の外気調和機と比較して、メンテナンス等の際に脚立等を必要とせず、蓋部を開ければ作業が開始できるので、メンテナンス等を行いやすい。また、ケース部内の熱交換器が着脱可能な構造であることによって、例えば、熱交換器を取り外すと、ケース部内の清掃作業が行いやすく、かつ、熱交換器のメンテナンス等も行いやすい。つまり、従来の外気調和機と比較して、メンテナンス等における作業性が向上している。
【0010】
加えて、外気調和機は、熱交換器を備えることにより、導入された外気を加熱あるいは冷却して、室温との温度差が少なくなるように温調可能であり、温調した空気を室内へ供給することができる。この温調した空気は、室内に設置されたエアコンの運転負荷を低減することができ、ひいては省エネルギーに貢献することができる。また、熱交換器による熱交換が機外に設置されたエアコンから供給される冷媒を利用するものであるため、熱交換器による熱交換はエアコンの運転と連動する。つまり、外気の温調それ自体には電力を必要としないで済み、省エネルギーに貢献することができる。
【0011】
ケース部は、上部が開口した箱状であるため、内部に熱交換器を収容することができる。また、蓋部はケース部の上部の開口を閉じることができ、蓋を閉じた状態のケース部は、温調された空気が外部温度の影響を受けにくく、雑菌あるいは埃の混入、害虫類の侵入を防止することできる。
【0012】
ケース部は、導入口を通じて、内部に外気を導入することができる。また、ケース部は、導出口を通じて、熱交換器で温調された内部の空気をケース部の外に導出することができる。更に、ケース部は、冷媒配管導入口を通じて、機外のエアコンから延設された冷媒配管を内部に導入することができる。
【0013】
ケース部は、排水口を通じて、内部に生じた溜まり水(例えばケース部内に結露が起きて内底に滴下したもの)を外部へ排出することができる。
【0014】
また、前記ケース部内で前記熱交換器を着脱可能に保持すると共に、同熱交換器と同ケース部の内面との間を所要間隔で離隔するスペーサ部を備える場合は、熱交換器は、スペーサ部によって、ケース部の内面に接触しないように保持される。ここで、スペーサ部による熱交換器の支持は、側面側および底面側のいずれの内面とも接触しないようにしてあることが好ましく、少なくとも底壁側の内面と接触しないようにしてある。
【0015】
例えば、エアコンの冷房運転時に熱交換器に結露が生じ、滴下した結露水がケース部の内底に溜まり、この溜まり水に雑菌が繁殖する可能性がある。そして、この溜まり水が熱交換器に付着して乾燥すると、室内側へ供給される温調した空気に雑菌が混じるおそれがある。
【0016】
しかし、本発明の外気調和機では、前述の通り熱交換器がケース部の内面に接触しておらず、かつ、溜まり水もケース部の排水口から排出されるので、熱交換器が清潔に保たれ、ひいては、温調した空気を衛生的なものとすることができる。
【0017】
また、前記ケース部内における前記熱交換器と前記導入口との間の領域に着脱可能に配置され、導入された外気を前記熱交換器の前記導入口側に向いた面の全域に向けて拡散可能な構造である外気拡散部を備える場合は、外気拡散部によって、導入口から入った外気の流動方向が拡散し(即ち、直進方向以外にも向かうように変更され)、外気が熱交換器に満遍なく当たるようになる。これにより、熱交換器は、外気が当たらずに熱交換がなされない(機能していない)部位が減少し、熱交換器を通る空気量が熱交換器の各部において平均化するので無駄がなく、熱交換効率が向上する。
【0018】
そして、外気拡散部は、ケース部から着脱可能であることによって、メンテナンス等の際に取り外して作業を行うことができるので、従来の外気調和機と比較して、作業を行いやすい。
【0019】
また、前記外気拡散部が、板厚方向に貫通した複数の孔が形成されたパネルにより構成され、前記熱交換器と所要間隔を開けて配置されたものである場合は、導入口から導入された外気がパネルに当たって流動方向が変わり、各孔を通じて熱交換器がある方向へ向かう。つまり、外気は、拡散して熱交換器に満遍なく当たるようになる。この外気拡散部によれば、簡易な構造であり、かつ動力を使用しないものでありながら、導入した外気を効率良く拡散させることができる。
【0020】
また、前記熱交換器が、前記ケース部内に挿入される冷媒配管と接続するための継手部を有し、該継手部が前記ケース部の内部空間に収まるように配置されたものである場合は、メンテナンス等のために熱交換器を着脱する際に、ケース部内で作業を終えることができて利便性が良い。つまり、例えば、機外に継手部がある場合は、冷媒配管と熱交換器を取り外す等するために、機体ごと床下から取り出す、あるいは床下に潜って作業を行う等の手間が掛かるが、本発明ではそのような必要が無い。
【0021】
また、前記外気拡散部が、前記ケース部の内面との間を所要間隔で離隔可能なものである場合は、熱交換器の場合と同様、外気拡散部がケース部の内面に接触しないので、内部に生じた溜まり水が付着せず、より衛生的である。
【0022】
また、前記ケース部と前記蓋部のいずれか一方または双方が断熱性を有するものである場合は、ケース部内の温調された空気が機外の周囲の温度の影響を受けにくくなり、エネルギーロスを抑制することができる。また、冷房運転時に、外気調和機の外表面に結露が生じることを防止することができ、機外を結露水で汚したり、垂れた結露水によって機外周辺にカビが生えたりしにくくなる。
【0023】
また、前記ケース部内の空気を加湿する加湿器を備える場合は、ケース部内において空気を温調すると共に加湿でき、温調および加湿された空気が、送り出された先の室内空間の乾燥を防止することができる。
【0024】
また、前記加湿器で使用される液体が、次亜塩素酸水溶液である場合は、外気調和機によって温調された加湿空気が、送り出された先の室内空間の乾燥を防止することができると共に、霧化または気化した次亜塩素酸水溶液が室内を除菌してクリーンな環境を実現することができる。
【0025】
また、前記ケース部の内部空間へ照射可能な殺菌灯を備える場合は、例えば紫外線等の照射光によってケース部の内部の空気が殺菌されて清浄なものとなり、清浄かつ温調された空気を室内空間へ送り出すことができる。
【0026】
また、前記ケース部の前記排水口に着脱可能な排水栓を有する場合は、排水栓を排水口に取着することで、ケース部内に液体が貯留可能となる。排水栓は、冷房運転時あるいは夏場のドライ運転時(結露水が生じることがある)には排水のために外しておくことが好ましいが、暖房運転時には結露水が生じないので、排水栓を取着しても問題はなく、害虫の侵入や外部からの匂いの流入を防止できる点で好ましい。
【0027】
そして、暖房運転時に、ケース部内に熱交換器に触れない程度の量の水を張ることで、熱交換器の輻射熱による蒸気が発生し、蒸気は送風と共に室内へ送られるので、送り出された先の室内空間の乾燥を防止することができる。なお、このとき使用される水に代えて次亜塩素酸水溶液を用いることにより、気化した次亜塩素酸水溶液が室内を除菌してクリーンな環境を実現することができる。
【0028】
上記の目的を達成するために本発明の換気システムは、一端側が屋外側に開口され、外気が流通可能な外気用流路と、該外気用流路と接続された上部が開口した箱状であり、側壁または底壁のいずれかの箇所に、前記外気用流路から外気を内部へ導入可能な導入口、内部の空気を外部へ導出可能な導出口、機外に設置されたエアコンから延設された冷媒配管を導入可能な冷媒配管導入口、および、内部に生じた溜まり水を外部へ排出可能な排水口が形成され、前記上部の開口が建物の床面に形成された開口と通ずるように建物の床下に設置可能なケース部、該ケース部の前記上部の開口を開閉可能な蓋部、および、前記ケース部内に着脱可能に配置され、前記冷媒配管を介して供給される冷媒を流通させることで、前記ケース部内に導入された外気との間で熱交換可能な熱交換器を有する外気調和機と、該外気調和機の導出口に一端側が接続されていると共に、他端側が室内側に開口し、同外気調和機により温調された空気が流通可能な温調空気用流路と、前記外気調和機が設置された建物内の空間を空調可能であると共に、室内機と室外機のいずれか一方または双方から分岐された冷媒配管を介して、前記外気調和機の前記熱交換器で流通する冷媒を供給可能なエアコンとを備える。
【0029】
ここで、換気システムは、外気調和機が、上部が開口したケース部内に着脱可能な熱交換器を備えた構造であることによって、メンテナンス等の際に熱交換器を取り外して作業を行うことができ、従来の天井設置型の外気調和機と比較して、作業性が向上しており、メンテナンス等を行いやすい。
【0030】
加えて、換気システムは、外気調和機の熱交換器が、機外に設置されたエアコンから供給される冷媒を使用して熱交換を行うものであるため、熱交換器による熱交換はエアコンの運転と連動する。つまり、外気調和機は、エアコンの運転に依存し、それを利用しており、それ自体の稼働のために、エアコン用とは別の電力や動力を必要としないので、システム全体で消費する電力を低減でき、省エネルギーに貢献することができる。また、外気調和機の熱交換器は、室温との温度差が少なくなるように温調可能であり、温調した空気を室内へ供給することで、室内に設置されたエアコンの運転負荷を低減することができ、ひいては省エネルギーに貢献することができる。
【0031】
外気用流路は、屋外と外気調和機を繋いでおり、屋外側の開口から流入した外気が外気調和機の方向へ流通する。流入した外気は、ケース部の導入口を通じて、ケース部内に導入される。なお、熱交換器で温調された内部の空気は、導出口を通じて、ケース部の外に導出される。
【0032】
外気調和機は、ケース部の上部が開口しているため、ケース部内に熱交換器を収容することができる。また、ケース部の上部の開口は、蓋部により閉じることができ、蓋部で閉じた状態のケース部は、温調された空気が外部温度の影響を受けにくく、雑菌あるいは埃の混入、害虫類の侵入を防止することできる。
【0033】
また、ケース部は、上部の開口が建物の床面に形成された開口と通ずるように建物の床下に設置されるものであることにより、従来の天井設置型の外気調和機と比較して、メンテナンス等の際に脚立等を必要とせず、蓋部を開ければ作業が開始できるので、メンテナンス等を行いやすい。
【0034】
更に、ケース部は、冷媒配管導入口を通じて、機外のエアコンから延設された冷媒配管を内部に導入することができる。また、ケース部は、排水口を通じて、内部に生じた溜まり水(例えばケース部内に結露が起きて内底に滴下したもの、清掃時に使用した洗浄水等)を外部へ排出することができる。
【0035】
熱交換器は、ケース部内に導入された外気との間で熱交換を行って同外気を加熱あるいは冷却することができる。
【0036】
温調空気用流路は、外気調和機と室内を繋いでおり、導出口から導出された温調された空気が室内の方向へ流通する。
【0037】
エアコンは、室内空間の空調を行うと共に、その運転と連動して、分岐された冷媒配管を介して、冷媒を外気調和機の熱交換器に供給する。
【0038】
また、前記外気用流路の途中に全熱交換器または顕熱交換器を備える場合は、外気用流路に導入した外気が、全熱交換器または顕熱交換器によって加熱あるいは冷却され、その後に外気調和機による温調が行われるため、外気調和機から導出される際の空気の温度を、室温との温度差がより少ないものとすることができる。この結果、室内に設置されたエアコンの運転負荷が更に低減され、省エネルギーに貢献することができる。
【0039】
また、前記外気用流路の屋外側の開口箇所にエアフィルタを備える場合は、外気調和機内あるいは室内に、PM2.5等の粉塵の流入や虫等の侵入を防止できる。
【0040】
また、前記外気用流路と前記温調空気用流路のいずれか一方または双方がファンを備える場合は、換気システムをいわゆる第一種換気方式あるいは第二種換気方式(いずれも給気側が機械換気である方式)にすることができ、屋外から外気調和機への送気あるいは外気調和機から屋内への送気を、より安定させることができる。
【0041】
また、前記温調気用流路の途中に、前記外気調和機と構成を同じくする他の外気調和機を備える場合は、最初に通過する外気調和機による温調を含め、空気が複数回加熱あるいは冷却されることになる。この場合、流通する冷媒に、加熱または冷却の能力に充分な余力(温度)があれば、室温との温度差がより少ない空気を室内に供給することができる。この結果、室内に設置されたエアコンの運転負荷が更に低減され、省エネルギーに貢献することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の外気調和機によれば、従来の外気調和機と比較して、メンテナンス等を行いやすいと共に、室内に設置されたエアコンの運転負荷を低減して省エネルギーを実現することができる。
また、本発明の換気システムによれば、従来の外気調和機を用いた換気システムと比較して、メンテナンス等を行いやすいと共に、室内に設置されたエアコンの運転負荷を低減して省エネルギーを実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1ないし
図13を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。なお、各図における符号は、煩雑さを軽減し理解を容易にする範囲内で付している。最初に、
図1ないし
図7を参照して、外気調和機1と、これを用いた換気システムVについて説明し、その後に、外気調和機1の各構成材等の変形例(変形例1−7)について説明する。
【0045】
〔外気調和機1〕
外気調和機1は、上部が開口した(以下、同部分を「上部開口部」という)有底箱状のケース部10と、上部開口部110を開閉可能な蓋部111と、ケース部10内に着脱可能に配置された熱交換器13と、ケース部10内で熱交換器13を着脱可能に保持するスペーサ部14と、ケース部10内で着脱可能に保持された外気拡散部12を備える。外気調和機1は、
図6および
図7に示すように、建物Hの床下の空間部に、床開口部F1のやや下方にケース部10の上部開口部110が位置するように(各々の開口が通ずるように)設置されている。以下、外気調和機1の各部について説明する。
【0046】
<ケース部>
ケース部10は、長方形の底壁107と、底壁107の外縁から上方に立ち上がった側壁100からなり、底壁107と側壁100の外面側には断熱層106を有している。側壁100には、導入口101、導出口103および冷媒配管導入口105が形成されており、各々が断熱層106を含む板厚方向への貫通穴である。底壁107には、略中央部に排水口108が形成されており、排水口108は断熱層106を含む板厚方向への貫通穴である。
【0047】
導入口101は、後述する外気用流路15と接続して外気を導入可能な円穴であり、この穴の周囲には、ケース部10の外方側に突出した円筒状の導入用接続管102が設けられている。
【0048】
導出口103は、導入口101と正対する側の側壁100に形成され、導入口101と対向するように配置されている。導出口103は、後述する温調空気用流路16と接続して、ケース部10内で温調された空気を導出可能な円穴であり、この穴の周囲には、ケース部10の外方側に突出した円筒状の導出用接続管104が設けられている。
【0049】
冷媒配管導入口105は、機外から導入される冷媒配管17を導入可能な円穴であり、冷媒配管17を通した際に、冷媒配管17との間に隙間ができないか、シーリング材等で隙間を埋めることが可能な内径に形成されている。
【0050】
排水口108は、フランジ付きのチューブ(符号省略)が挿入されており、チューブを介してドレン管18と連通して接続している。
【0051】
<蓋部>
蓋部111は、ケース部10の上部開口部110を気密かつ水密に塞ぐと共に、持ち上げるだけで容易に開閉できるものである。蓋部111は、内部に断熱層113を有している。また、蓋部111は、上面側に、平行に形成された二条の凹部により構成された把持部112が一対設けられている。
【0052】
<熱交換器>
熱交換器13は、ケース部10内に導入された外気との間で熱交換可能なものであり、本実施の形態では、伝熱管(符号省略)と、該伝熱管の径方向に交差した複数のフィン(符号省略)からなる(いわゆるフィンアンドチューブ型の)熱交換器を使用している。
【0053】
この熱交換器13は、冷媒配管17を介して後述する機外のエアコン2から供給される冷媒を流通させて、外気との間で熱交換を行う構造である。この冷媒の供給は、エアコン2の運転開始に伴って開始され、エアコン2の運転停止によって停止する。つまり、熱交換器13は、エアコンの運転に依存し、それを利用しており、それ自体の稼働のために、エアコン用とは別の電力や動力を必要としない構造である。
【0054】
熱交換器13は、前述の伝熱管と接続した第一の出入管131と第二の出入管133を有しており、第一の出入管131の先端には継手部132が、第二の出入管133の先端には継手部134が、それぞれ設けられている。継手部132および継手部134は、機内に導入される冷媒配管17と着脱(接続及び取り外しが)可能なものである。
【0055】
第一の出入管131、継手部132、第二の出入管133、および継手部134は、熱交換器13をケース部10に入れた際に、ケース部10の内部空間に収まるように配置されている。
【0056】
<スペーサ部>
スペーサ部14は、所要長さの金属製の細長い板材により形成され、両方の端部が、同一方向に同じ長さ突出するように曲げて形成された形状(平面視コ字状、あるいはCチャンネル状とも換言できる形状)に形成されている。なお、この両方の端部は、側壁100への取付片を構成する。
【0057】
スペーサ部14は、その中間部の長さが、ケース部10の内部空間の短手方向(
図1において左右方向)と略同じ長さである。スペーサ部14の中間部の両側寄りの二箇所および両端の取付片の所要箇所にはネジ、ビス、ボルト等の取付部材(以下「ネジ等」という)を挿通可能な孔(符号省略)が形成されている。
【0058】
スペーサ部14は合計4本であり、中間部の孔に通すネジ等により熱交換器13に取り付けられている。スペーサ部14は、熱交換器13の表裏面(
図1において手前側と奥側)に各々2本ずつ上下に取り付けられている。
【0059】
スペーサ部14の両端は、ネジ等を介して、ケース部10の側壁100の内面側に着脱可能に取り付けられている。このとき、スペーサ部14は、熱交換器13の底部とケース部10の底壁107の内面側との間隔が3〜5cm程度になるように保持する(
図2、
図5(b)参照)。更に、スペーサ部14は、熱交換器13の両方の側部とケース部10の側壁100の内面側との間隔が3〜5cm程度になるように保持する(
図1、
図5(a)参照)。
【0060】
<外気拡散部>
外気拡散部12は、板厚方向に貫通した複数の孔が形成された合成樹脂製のパネル(パンチングパネル)であり、ケース部10内における熱交換器13と導入口101との間の領域に、導入口101と所要間隔を設けると共に、熱交換器13と所要間隔を開けて平行に配置されている(
図1、
図5(a)参照)。また、外気拡散部12は、底壁107内面に下縁部が接触しないように、外気拡散部用スペーサ121を介してケース部10の側壁100の内面側に着脱可能に取り付けられている。
【0061】
外気拡散部12は、各孔がパネル中央から右側にかけて形成されており、左側には孔が形成されていない構造となっている(
図1、
図4参照)。これは、外気拡散部12の孔を設けた開口領域と熱交換器13の位置が略一致するように設定しているためである(
図1、
図5(a)参照)。
【0062】
外気拡散部用スペーサ121は、所要長さの金属製の細長い板材により形成され、両方の端部が、同一方向に同じ長さ突出するように曲げて形成された形状(平面視コ字状、あるいはCチャンネル状とも換言できる形状)に形成されている。この両方の端部は、側壁100への取付片を構成する。
【0063】
外気拡散部用スペーサ121は、その中間部の長さが、ケース部10の内部空間の短手方向(
図1において左右方向)と略同じ長さである。外気拡散部用スペーサ121の両側寄りの二箇所および両端の取付片の所要箇所にはネジ等を挿通可能な孔(符号省略)が形成されている。
【0064】
外気拡散部用スペーサ121は、中間部の孔に通すネジ等により外気拡散部12に取り付けられている。そして、外気拡散部用スペーサ121の両端は、ネジ等を介して、ケース部10の側壁100の内面側に着脱可能に取り付けられている。このとき、外気拡散部用スペーサ121は、外気拡散部12の底部とケース部10の底壁107の内面側との間隔が3〜5cm程度になるように保持する(
図2、
図5(b)参照)。
【0065】
〔換気システムV〕
換気システムVは、建物Hの屋内換気システムであり、外気用流路15と、前述の外気調和機1と、温調空気用流路16と、エアコン2を備える。以下、
図7を主に参照して換気システムVについて説明するが、外気調和機1に関する説明は前述しているため省略する。
【0066】
<外気用流路>
外気用流路15は、建物Hの床下に配設されたダクトであり、一端側に外気導入口151が設けられて屋外側に開口し、他端側が外気調和機1の導入用接続管102を介して導入口101に接続されている。外気導入口151には、エアフィルタ152が設けられている。
【0067】
<温調空気用流路>
温調空気用流路16は、建物Hの床下に配設されたダクトであり、室内の床上へ温調された空気を流通させると共に、室内側へ延設して、天井等の室内上方から温調された空気を流通させることができるように設けられている。
【0068】
温調空気用流路16は、導出用接続管104を介して導出口103に接続されており、他端側に給気口161、162が設けられて、室内側に開口している。給気口161は室内天井側の壁面に、給気口162は室内床側に、それぞれ設けられている。
【0069】
<エアコン2>
エアコン2は、建物Hの室内の上方に設置された室内機20と、屋外に設置された室外機21を有し、室内機20と室外機21は冷媒配管22により接続されている。室内機20および室外機21は、その内部で冷媒配管22が分岐され、分岐された冷媒配管17を介して、外気調和機1の熱交換器13で流通する冷媒を供給可能としている。なお、冷媒の供給の態様としては、
図13(a)に示すように直列に接続する態様と、
図13(b)に示すように並列に接続した態様がある。
【0070】
直列に接続した態様によれば、構造が簡単であるため、施工が容易である。一方、並列に配置した態様によれば、分岐部あるいは三方弁を要するため、直列に接続した場合よりも構造が複雑になるが、室内機20あるいは室外機21から供給される冷媒が、途中で室内機20あるいは室外機21を経由せずに、充分な温度で外気調和機1に届くため、熱交換効率が良い。
【0071】
本実施の形態において、外気調和機1のケース部10の底壁107は略平坦であるが、これに限定するものではなく、例えば、排水の便宜上、排水口108に向かって傾斜しているものであってもよい。
【0072】
本実施の形態において、蓋部111と床蓋材Cが別部材であるが、これに限定するものではなく、例えば、蓋部が床蓋材と一体になったものであって、蓋部を閉めた際に蓋部上面と床面が略面一になるように構成したものであってもよい。この構成において、蓋部の上面側には、設置される床面と同じ素材に見える化粧シートを貼り付けてもよく、この場合、周囲の床面と変わらない見た目となり、違和感が少なくなる。
【0073】
本実施の形態において、外気調和機1は前述の構成要素を備えているが、これに限定するものではなく、例えば、ケース部10内の空気を加湿する加湿器(図示省略)を備えるものであってもよい。この場合、外気調和機1は、ケース部10内において空気を温調すると共に加湿でき、温調および加湿された空気が、送り出された先の室内空間の乾燥を防止することができる。また、この加湿器で使用される液体が次亜塩素酸水溶液である場合は、外気調和機によって温調された加湿空気が、送り出された先の室内空間の乾燥を防止することができると共に、霧化または気化した次亜塩素酸水溶液が室内を除菌してクリーンな環境を実現することができる。
【0074】
本実施の形態において、外気調和機1は前述の構成要素を備えているが、これに限定するものではなく、例えば、ケース部10の内部空間へ照射可能な殺菌灯(図示省略)を備える場合は、例えば紫外線等の照射光によってケース部10の内部の空気が殺菌されて清浄なものとなり、清浄かつ温調された空気を室内空間へ送り出すことができる。
【0075】
本実施の形態において、ケース部10は、外側の面に断熱層106を有しており、この断熱層106は硬質ウレタン等の断熱材の吹き付けにより形成されるか、あるいは発泡ウレタン等の断熱材の貼り付けにより形成されているが、これに限定するものではなく、例えば、表裏二層の表面材の間に断熱材を挟んだ構造のもの等であってもよい。
【0076】
本実施の形態においては、熱交換器13は、伝熱管と、該管の径方向に交差した複数のフィンからなるフィンアンドチューブ型の熱交換器を採用しているが、これに限定するものではなく、空気の通過が可能な構造であれば、プレート型等の他の公知の熱交換器であってもよい。
【0077】
なお、本実施の形態において、換気システムVには特に設けていないが、換気システムは、外気用流路と温調空気用流路のいずれか一方または双方が、排出方向への空気の円滑な流通を可能にするファンを備えるものであってもよい。前述の換気システムVはいわゆる第三種換気方式であり、建物H内部の空気を屋外に排出して室内を負圧にする排気ファン3のみを有しているが、これを第一種換気方式あるいは第二種換気方式(いずれも外気の取り入れが機械換気である方式)にすることができ、屋外から外気調和機への送気あるいは外気調和機から屋内への送気を、より安定させることができる。
【0078】
本実施の形態において、外気調和機は1台のみであるが、これに限定するものではなく、例えば、前述の温調空気用流路の途中に、外気調和機と構成を同じくする他の外気調和機を備えるものであってもよい。この場合、最初に通過する外気調和機による温調を含め、空気が複数回加熱あるいは冷却されることになり、流通する冷媒に、加熱または冷却の能力に充分な余力(温度)があれば、室温との温度差がより少ない空気を室内に供給することができる。この結果、室内に設置されたエアコンの運転負荷が更に低減され、省エネルギーに貢献することができる。
【0079】
本実施の形態において、ケース部10の底壁107内面と熱交換器の13底部との間の間隔は、特に限定されないが、溜まり水や側壁に付着した水が付かない程度の間隔、例えば1〜5cmであれば充分であり、仮に5cmを超えても特に問題は無い。ケース部10の側壁100内面と熱交換器13の両方の側部との間の間隔、あるいはケース部10の底壁107内面と外気拡散部12底部との間の間隔についても、同様である。
【0080】
なお、熱交換器13は、少なくとも溜まり水に付かないように底部が浮いた状態に保持されていることが好ましいが、側部については、ケース部の側壁に接触する態様で保持されることを除外するものではない。なお、外気拡散部12は、ケース部の側壁内面と接触しないように保持される態様を除外するものではない。
【0081】
(作 用)
図1〜7を参照して、外気調和機1と換気システムVの作用について説明する。なお、以下では、運転時とメンテナンス時を分けて説明する。
【0082】
<運転時:外気導入>
図7に示すように、建物H内部は排気ファン3により室内が負圧になっており、外気A1は、外気導入口151から外気用流路15に導入されて外気調和機1の方向へ流通し、ケース部10の導入口101を通じて外気調和機1内に至る。このとき、外気A1は、外気導入口151に設けられたエアフィルタ152により濾過され、外気調和機1内に(ひいては室内に)、PM2.5等の粉塵の流入や虫等の侵入を防止できる。
【0083】
<運転時:温調>
図5に示すように、外気調和機1内に導入された外気は、外気拡散部12に当たって流動方向が変わり、各孔を通じて熱交換器13がある方向へ向かう。また、それと共に、導入口101と外気拡散部12の間の空間の空気圧が高くなり、設ける領域を熱交換器13に対応させてある各孔からほぼ均等に空気が排出される。つまり、外気A1は、拡散して熱交換器13に満遍なく当たるようになる。熱交換器13に当たった外気A1は、熱交換器13のフィンの間をすり抜けながら熱交換が行われ、熱交換器13を抜けた空気は温調された温調空気A2となる。
【0084】
なお、外気拡散部12は、前述の通り、外気拡散部12の孔の開口領域と熱交換器13の位置が略一致するように設定してあるため、熱交換器13とケース部10の間の隙間には外気A1が向かわず、熱交換されない空気が生じないようにしてある。
【0085】
このように、外気拡散部12は、熱交換器13の外気が当たらずに熱交換がなされない(機能していない)部位を減少させ、熱交換器13を通る空気量が熱交換器13の各部において平均化するので無駄がなく、熱交換効率が向上する。また、外気拡散部12は、簡易な構造であり、かつ動力を使用しないものでありながら、導入した外気A1を効率良く拡散させることができる。
【0086】
運転時において、外気調和機1のケース部10は、上部開口部110を蓋部111により閉じており、これにより、温調された空気が外部温度の影響を受けにくく、雑菌あるいは埃の混入、害虫類の侵入を防止することできる。また、ケース部10と蓋部111の双方が断熱性を有するため、ケース部10内の温調された空気が機外の周囲の温度の影響を受けにくくなり、エネルギーロスを抑制することができる。また、冷房運転時に、外気調和機1の外表面に結露が生じることを防止または抑制することができ、機外を結露水で汚したり、垂れた結露水によって機外周辺にカビが生えたりしにくくなる。
【0087】
また、熱交換器13は、熱交換器13による熱交換が機外に設置されたエアコン2から供給される冷媒を利用するものであるため、熱交換器13による熱交換はエアコン2の運転と連動する。つまり、熱交換器13は、エアコン2の運転に依存し、それを利用しており、それ自体の稼働のために、エアコン用とは別の電力や動力を必要としないので、省エネルギーに貢献することができる。
【0088】
また、スペーサ部14は、ケース部10内で、熱交換器13がケース部10の内面に接触しないように保持する。また、ケース部10は、排水口108とドレン管18を通じて、内部に生じた溜まり水を外部へ排出することができる。これにより、熱交換器13は、溜まり水等が付着しないので雑菌も繁殖しにくくなり、清潔に保たれ、ひいては、温調した空気を衛生的なものとすることができる。
【0089】
<運転時:温調空気の導出、温調空気の室内への流入>
熱交換器13で温調された内部の空気(温調空気A2)は、導出口103を通じて、温調空気用流路16に導出される。このとき、導出口103は、導入口101と対向配置されているため、温調された空気が効率良く機外へ抜けやすくなる。
【0090】
そして、温調空気A2は、温調空気用流路16と通って室内の方向へ流通し、給気口161、162から室内へ供給される。室内に供給された温調空気A2は、外気の温度が調整されたものであり、室内温度との温度差が小さくなっているので、室内に設置されたエアコンの運転負荷を低減することができ、ひいては省エネルギーに貢献することができる。
【0091】
<メンテナンス時>
図6に示すように、外気調和機1は、ケース部10の上部開口部110が建物Hの床Fに形成された床開口部F1と通ずるように建物Hの床下に設置されているので、従来の天井設置型の外気調和機と比較して、メンテナンス等の際に脚立等を必要とせず、床蓋材Cと蓋部111を開ければ作業が開始できるので、メンテナンス等を行いやすい。
【0092】
熱交換器13と外気拡散部12がケース部10内から着脱可能な構造であり、かつ、継手部134がケース部10の内部空間に収まるように配置されていることによって、熱交換器13等を取り外すと、ケース部10内の清掃作業が行いやすく、かつ、熱交換器13のメンテナンス等も行いやすい。つまり、従来の外気調和機と比較して、メンテナンス等における作業性が向上している。
【0093】
〔変形例1〕
図8に示す外気調和機1aは、外気調和機1の変形例である。なお、外気調和機1aは、外気拡散部12を有していない点以外は、外気調和機1と同様であるため、共通部分には同じ符号を付し、その構造の説明を省略する。外気調和機1aによれば、外気調和機1よりも更に構造がシンプルなため、メンテナンス性が向上している。
【0094】
〔変形例2〕
図9(a)は、外気拡散部の変形例である外気拡散部12aを示している。外気拡散部12aは、本体の外表面形状がほぼ半球面状のパンチングパネルであり、縁部がフランジ状に形成されている。
【0095】
外気拡散部12aは、その本体の直径と導入口101の直径が略同じである。外気拡散部12aは、その縁部を、ケース部10に設けられた受け部109aが受ける構造であり、着脱可能である。
【0096】
受け部109aは、導入口101が設けられた側壁100に、導入口101の側方から下方に沿って形成された半円形の受け部材である。
【0097】
外気拡散部12aによれば、外気拡散部12と同様に、導入された外気A1を熱交換器13の導入口101側に向いた面の全域に向けて拡散させることができる。これにより、熱交換器13を通る空気量が熱交換器13の各部において平均化するので無駄がなく、熱交換効率が向上する。また、外気拡散部12aは、取り付けにネジ等が不要であるため、メンテナンス等の際に着脱がしやすい。
【0098】
〔変形例3〕
図9(b)は、外気拡散部の変形例を示している。外気拡散部12bは、取り付け時において正面となる側が矩形の板状であり、取り付け時において左右となる側が開口した枠状であり、かつ先端に鉤状の引っかけ部(符号省略)が形成されている。
【0099】
外気拡散部12bは、取り付け時において正面となる側の板の大きさと導入口101の直径が略同じである。外気拡散部12bは、その引っかけ部を、ケース部10に設けられた受け部109bに掛着して取り付けられる。
【0100】
受け部109bは、導入口101が設けられた側壁100に、導入口101の側方に形成された部材であり、正面側に縦方向のスリットが形成され、各受け部109bの上下二箇所には、スリットに挿入した引っかけ部を上から掛ける掛止受部(符号省略)が設けられている。
【0101】
外気拡散部12bによれば、導入された外気A1が、まず外気拡散部12bの正面となる側の板に当たり、続いて上下左右方向に拡散する。この結果、ケース部10内において、熱交換器13を通る空気量が熱交換器13の各部で平均化するので無駄がなく、熱交換効率が向上する。また、外気拡散部12bは、取り付けにネジ等が不要であるため、メンテナンス等の際に着脱がしやすい。
【0102】
〔変形例4〕
図10(a)(b)は、スペーサ部の変形例であるスペーサ部14aを示している。スペーサ部14aは、上部スペーサ141aと下部スペーサ142aからなる。
【0103】
上部スペーサ141aは、取り付け時において側壁100と略平行となるように配置された当接板(符号省略)と、一端側が熱交換器13に取り付けられ、他端側に当接板が設けられたシャフト(符号省略)からなる。上部スペーサ141aは、熱交換器13の左右両側に設けられており、シャフトの長さが非対称である(
図10(a)において左側には、第一の出入管131と第二の出入管133があるため、左側のスペーサ部14bのシャフトは長く、右側のシャフトは短い)。下部スペーサ142aは、熱交換器13の左右下端に取り付けられた山型の脚状部材である。
【0104】
上部スペーサ141a(
図10(b)では、熱交換器13と共に想像線で表している)と下部スペーサ142aは、ケース部10の側壁100および底壁107の内側に設けられた二条のリブからなる受け部109cにより着脱可能に取り付けられる。
【0105】
受け部109cのリブ間の幅は、上部スペーサ141aと下部スペーサ142aの幅と略同じに設定されており、これにより熱交換器13がケース部10内で倒れないようにしてある。そして、熱交換器13は、下部スペーサ142aで底壁107との間隔を保ち、上部スペーサ141aで両側の側壁との間隔を保つことができる。
【0106】
また、底壁107における受け部109cのリブ間には排水口108を配置されているので、熱交換器13の直下に滴下した結露水は、ケース部10内に広がらずにそのまま排出される。
【0107】
〔変形例5〕
図11はスペーサ部の変形例であるスペーサ部14bを示している。スペーサ部14bは、熱交換器13の左右両方の高さ方向に取り付けられ、下方が熱交換器13の底部よりも所要長さ下方に突出した本体部分と、本体部分上端に設けられ、長さ方向途中から下方に曲げて形成された掛止爪部分(部号省略)からなる。
【0108】
左右のスペーサ部14bは、
図11に示すように、ケース部10内の側壁上方に設けられた受け部109dにより着脱可能に取り付けられる。受け部109dは、スペーサ部14bの掛止爪部分を受け入れ可能に形成されており、スペーサ部14bを受け部109dに掛止することにより、熱交換器13がケース部10内で倒れないようにしてある。そして、熱交換器13は、本体部分の下側の突出部分で底壁107との間隔を保ち、上側の掛止爪部分で両側の側壁との間隔を保つことができる。
【0109】
〔変形例6〕
図12に示す換気システムV2は、換気システムVの変形例である。換気システムV2は、外気用流路15の途中に全熱交換器S(顕熱交換器にも置き換え可能)を備える点において、換気システムVと異なっている。換気システムV2は、外気用流路15に導入した外気A1が、全熱交換器によって加熱あるいは冷却され、その後に外気調和機1による温調が行われるため、外気調和機1から導出される際の空気の温度を、室温との温度差がより少ないものとすることができる。この結果、室内に設置されたエアコン2の運転負荷が更に低減され、省エネルギーに貢献することができる。
【0110】
〔変形例7〕
図14に示す外気調和機1bは、外気調和機1aの変形例である。なお、外気調和機1bは、ケース部10内に排水栓4を備えている点において、外気調和機1aと異なっており、その他の構成部材および作用は共通するため、説明を省略する。
【0111】
排水栓4は、排水口108に取着されるものであり、排水口108に挿入した場合に排水口108の内周と水密に当接する軸部(符号省略)と、取着時にケース部10の底壁内側と略面一になる略平坦形状の頭部(符号省略)を有する。なお、排水栓4は、これに限定するものではなく、例えばシート形状等であってもよいし、排水口108を水密に封止できるものであれば、その形状あるいは構造を問わない。
【0112】
排水栓4は、冷房運転時あるいは夏場のドライ運転時には結露水が生じることがあるため、排水のために外しておくことが好ましいが、暖房運転時には結露水が生じないので排水栓4を取着しても問題はなく、むしろ冷房運転を行う時期以外は、排水線4を取着した方が、害虫の侵入や外部からの匂いの流入を防止できる点で好ましい。
【0113】
また、外気調和機1bは、排水口108に排水栓4を取着することで、ケース部10内に水等の液体が貯留可能となる。
図14に示すように、ケース部10内に熱交換器13に触れない程度の量の水を張ることで、熱交換器13からの輻射熱を受けて水蒸気が発生し、水蒸気は送風と共に加湿空気として室内へ送られるので、送り出された先の室内空間の乾燥を防止することができる。なお、このとき使用される水に代えて次亜塩素酸水溶液を用いることにより、気化した次亜塩素酸水溶液が室内を除菌してクリーンな環境を実現することができる。
【0114】
本明細書および本特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書および本特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。更にまた、第1、第2などの言葉は、等級や重要度を意味するものではなく、一つの要素を他の要素から区別するために使用したものである。
【課題】従来の外気調和機と比較して、清掃やメンテナンスを行いやすいと共に、室内に設置されたエアコンの運転負荷を低減して省エネルギーを実現することができる外気調和機および換気システムを提供する。
【解決手段】外気調和機1は、上部開口部110を有する有底箱状のケース部10と、上部開口部110を開閉可能な蓋部111と、ケース部10内に着脱可能に配置された熱交換器13と、ケース部10内で熱交換器13を着脱可能に保持するスペーサ部14と、ケース部10内で着脱可能に保持された外気拡散部12を備える。外気調和機1は、建物の床下の空間部に、床開口部のやや下方にケース部10の上部開口部110が位置するように設置されている。