(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の顧客情報検索システムにおいて、 前記今回の検索結果表示エリアと、前記前回の検索結果表示エリアは、略同一の大きさで表示し、 前記前回の検索結果表示エリアは範囲選択手段を有し、該範囲選択手段で選択範囲を指定することにより、選択範囲のプロットデータにマーキングができ、 前記マーキングしたプロットデータは、今回の検索結果表示エリアに表示されているグラフのプロットデータにおいて、予め設定された色、色の濃さ、図形、または大きさで表示することを特徴とする顧客情報検索システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の一実施例を
図1で説明する。
図1は本発明の一実施例である顧客情報検索システムを説明するためのブロック図である。
図1の顧客情報検索システムは、例えば、証券向けCRM(Customer Relationship Management)システムである。
図1において、顧客情報検索システムの構成は、データセンタ10と、証券会社20と、クライアント端末71,72をインターネット等のネットワーク40で接続している。
【0013】
データセンタ10は、証券取引所や勘定系システム等の上位ホストにある外部サーバ1からネットワーク2を介して株価等の証券情報を取得して、データベースサーバ11に記憶する。なお、ネットワーク2は汎用回線でも専用回線でも良く、有線と無線のどちらでも良い。
データセンタ10は、証券情報や顧客情報等を管理するデータベースサーバ11と、証券情報や顧客情報等をウェブ形式の情報に変換するためのWEBサーバ12をLAN(Local Aria Network)13で接続する構成である。
事務所20は、複数のクライアント端末21,22がLAN23で接続する構成である。
クライアント端末21,22,71,72は、Webサーバ12と証券情報や顧客情報等の情報を送受信するものである。クライアント端末21,22,71,72は、各々表示部300を備えている。なお、クライアント端末を代表して説明する場合は端末21と称する。
本発明の一実施例では、クライアント端末21,22,71,72を有線で接続する形態としているが、無線で接続する形態でも良い。
【0014】
次に、
図2を用いて、データセンタ10に記憶するデータについて説明する。
図2は本発明の一実施例であるデータベースサーバに記憶している顧客情報のテーブルを説明するための図である。
なお、
図2の各テーブルの情報は、顧客コードまたは顧客コード+銘柄コードで結合できる。
図2(A)〜(F)は、顧客コードを基にした顧客属性情報である。
【0015】
図2(A)は、データベースサーバ11に記憶する顧客情報に関する顧客情報テーブルを説明するための図である。
顧客情報テーブルは、顧客コード、顧客名、・・・、年齢、取引回数、資金性格(投資資金の分類)、投資経験(年)、世帯主収入、顧客個人年収、職業、金融資産(金融資産額)、投資目的、預り資産額、投資運用収支等である。
なお、顧客情報は営業員等が顧客に接触時に取得した情報を含む。
【0016】
図2(B)は、データベースサーバ11に記憶する顧客損益情報に関する顧客損益情報テーブル(顧客サマリ)を説明するための図である。
顧客損益情報テーブル(顧客サマリ)は、顧客毎の損益情報であり、項目が顧客コード、預り数量、評価額、累計損益、売買損益額、利金分配金配当金、特別分配金、評価損益額等である。
【0017】
図2(C)は、データベースサーバ11に記憶する顧客の取引明細情報に関する取引情報テーブルを説明するための図である。
取引情報テーブルは、顧客コード、銘柄コード、・・・、約定日、数量、約定金額、売買損益額等である。
なお、取引情報は発生ベースのトランザクションデータである。
【0018】
図2(D)は、データベースサーバ11に記憶する顧客の預り残高情報に関する預り残高情報テーブルを説明するための図である。
預り残高情報テーブルは、顧客コード、銘柄コード、・・・、約定日、受渡日、数量、評価額等である。
なお、預り残高情報は算出ベースの蓄積データである。
【0019】
図2(E)は、データベースサーバ11に記憶する顧客の利金・分配金・配当金の明細情報に関する利金分配金配当金情報テーブルを説明するための図である。
利金分配金配当金情報テーブルは、顧客コード、銘柄コード、・・・、約定日、受渡日、数量、利金、分配金等である。
なお、利金分配金配当金情報は発生ベースのトランザクションデータである。
【0020】
図2(F)は、データベースサーバ11に記憶する顧客・銘柄毎の損益情報に関する顧客損益情報テーブルを説明するための図である。
顧客損益情報テーブルは、顧客コード、銘柄コード、預り数量、評価額累計損益、売買損益額、利金分配金配当金、特別分配金、評価損益額等である。
【0021】
次に
図3〜
図7を用いて本発明の一実施例である顧客情報検索システムの詳細な動作について説明する。
図3は、本発明の一実施例である表示部に表示される顧客情報検索画面を説明するための図である。
端末21の操作者は、表示部300の表示箇所をポインティングデバイス(マウス)で指定および選択(押下)することができる。なお、表示部300はタッチパネルであってもよい。
【0022】
表示部300は、表示・条件設定エリア310が表示されていて、このエリアに検索条件を入力することができる。
入力ボックス311,312は、検索結果を表示する図の表示軸X,Yを設定するための入力ボックスであり、例えば、表示軸Xに「世帯主年収」、表示軸Yに「累計損益」と直接入力されてもよいしプルダウン等で選択されるようにしてもよい。
表示軸Xの入力ボックス311は、世帯主年収の他に、年齢、取引回数、資金性格、投資経験等が入力される。
表示軸Yの入力ボックス312は、累計損益の他に、預り数量、評価額、売買損益、評価損益等が入力される。
【0023】
次に、操作者は、検索する項目や条件等を入力することができる。
表示・条件設定エリア310には、項目313、条件314、H/L表示315、表示形式316を入力できる入力ボックスが表示されている。
操作者は、例えば、317の行であるNo.1は、項目313に「年齢」、条件314に「65歳以上」、H/L表示315に「■」、表示形式316に「★」と直接入力してもよいしプルダウン等で選択してもよい。
H/L表示315は、条件設定するためのものである。Hは検索条件に入れることで「■」で表示し、Lは検索条件から除くことで「□」で表示する。
操作者は、318〜320の行の入力ボックスも同様に入力することができる。
項目追加325は、押下されることにより、入力できる入力ボックスが追加される。
設定クリア328は、押下されることにより、入力された内容が全て消去される。
【0024】
次に、操作者は、顧客情報の検索を実行する。
操作者は、最初の顧客情報を検索時には、単純検索327を押下する。なお、最初の検索時に関連検索326が押下されても単純検索として実行される。
端末21は、単純検索327または関連検索326が押下されると、データセンタ10に入力された条件を送信して検索させ、検索結果をデータセンタ10から返信させ、返信させた検索結果を表示部300に表示する。
なお、端末21は、データセンタ10から顧客情報をダウンロードし、入力された条件を基にダウンロードした顧客情報を検索し、検索結果を表示部300に表示するようにしてもよい。
【0025】
次に、
図4を用いて顧客情報の検索結果について説明する。
図4は、本発明の一実施例である表示部に表示される顧客情報検索および検索結果の画面を説明するための図である。
図4の表示部300は、表示・条件設定エリア310、検索結果表示エリア420、詳細情報表示エリア430、検索結果履歴表示エリア440等のエリアがある。
【0026】
検索結果表示エリア420は、単純検索327または関連検索326が押下された場合に、検索結果を表示するエリアである。
検索結果表示エリア420は、表示・条件設定エリア310で入力された表示軸X,Yに基づいて検索結果が表示される。
図4の検索結果表示エリア表示420は、X軸に“世帯主年収(M¥)”と、Y軸に“累計損益(M¥)”を表示した図の一例である。
【0027】
検索結果表示エリア420は、表示された検索結果において、選択範囲421が指定され、詳細表示422が押下されると、選択された範囲の詳細なデータが詳細情報表示エリア430に一覧表が表示される。
詳細情報表示エリア430は、予め設定された項目および順番で表示される。予め設定する項目および順番は、例えば、項目としては顧客名、年齢、取引回数、資金性格等を設定し、順番としてはX軸またはY軸の数値の高い順等を設定することができる。さらに、数値を段階的に区分し、区分に応じて文字や枠線を色分け表示してもよい。
詳細情報表示エリア430は、項番(No)毎に「詳細」の押下ボタンがあり、「詳細」が押下されることにより、さらに詳細情報を図示していない別の表示エリアに表示される。別の表示エリアに表示される項目は予め設定することができる。
【0028】
端末21の操作者は、検索結果表示エリア420のグラフ内において、選択範囲421を指定し、マーキング423を押下することにより、選択範囲421内にあるプロットデータにマーキングすることができる。このマーキングしたプロットデータは、次の検索結果(関連検索で作成した2つ目のグラフ)では、例えば、赤色で表示する。このことにより、所定範囲421内にあるプロットデータがどのように分布しているかが一目で判別することができる。
端末21の操作者は、3つ目のグラフ以降でも同様に、マーキングしたプロットデータの色、色の濃さ、プロットデータ図形、大きさ等、さらにこれらの組合せを変えて検索することができる。
なお、プロットデータをマーキングしても、単純検索327が押下された場合、検索結果表示エリア420に表示されるグラフのプロットデータには反映されない。
また、次の関連検索時に、選択範囲421の指定から外れたプロットデータは、次の検索結果のグラフに表示しない条件設定を設けてもよい。
端末21の操作者は、表示部300に表示された上記の表示内容から、顧客情報の分析が容易となる。
なお、クリア424は押下されると、選択範囲421の指定が解除される。
【0029】
検索結果履歴表示エリア440は、例えば、単純検索、関連検索を複数作成された場合、単純検索327または関連検索326が押下された順に検索結果のグラフ441−1、441−2、・・・、441−nを表示する。
グラフ441−1〜441−nは、X軸及びY軸の名称を例えば、グラフの下にグラフの大きさと比較して大き目の字で表示する。このようにX軸及びY軸の名称を大きく表示することにより、検索結果の内容が判り易くなる。
なお、端末21の操作者が検索結果履歴表示エリア440のグラフを大きく表示したい場合は、例えば、グラフ441−1を選択することにより、表示・条件設定エリア310と検索結果表示エリア420にグラフ441−1の情報を再表示することができる。
また、検索結果履歴表示エリア440のグラフは、図示していない削除(Delete)ボタンを押下することにより、消去することができる。
【0030】
次に、本発明の運用時の操作フローの一実施例を
図1、
図5〜
図7で説明する。
図5は本発明の一実施例である顧客情報検索システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図6および
図7は、
図5のフローチャートの動作説明のための表示部に表示される顧客情報検索および検索結果の画面図である。
なお、本例のフローチャートは、
図1の端末21からデータセンタ10に検索条件を送信して検索させ、検索結果をデータセンタ10から返信させる場合である。
【0031】
図5のフローチャートの動作において、
図6に示すように、端末21は、表示部300の表示・条件設定エリア310に検索条件が入力され、関連検索326または単純検索327が押下されたか否かを判定し(S101)、押下されていない場合(NO)には処理を終了し、押下されている場合(YES)にはS102の処理に進む。
S102では、データセンタ10に検索条件を送信し、データセンタ10に顧客情報を検索させる。そして、S103ではデータセンタ10から返信された検索結果である顧客情報を受信する。
【0032】
S104では、検索が1回目か否かを判定し、検索が1回目の場合(YES)にはS105の処理に進み、検索が2回目以降の場合(NO)にはS106の処理に進む。
S105では、例えば、
図6において、検索結果のグラフを中央付近(検索結果表示エリア420)に表示し、縮小したグラフを画面の左上(検索結果履歴表示エリア440のグラフ441−1)に表示し、S110の処理に進む。
S106では、例えば、
図7において、検索結果のグラフを中央付近(検索結果表示エリア420)に表示し、縮小したグラフを前回の検索結果の縮小したグラフの右横(検索結果履歴表示エリア440のグラフ441−2)に表示し、S107の処理に進む。
【0033】
S107では、
図7の関連検索326が押下されたか否かを判定し、押下されていない場合(NO)にはS110の処理に進み、押下されている場合(YES)にはS108の処理に進む。
S108では、前回の検索結果でマーキングされたプロットデータが有るか否かを判定し、マーキングされたプロットデータがない場合(NO)にはS110の処理に進み、マーキングされたプロットデータが有る場合(YES)にはS109の処理に進む。
S109では、
図7の検索結果表示エリア420に表示されたプロットデータの中でマーキングされたプロットデータを予め設定されている色および大きさで表示する。
【0034】
S110では、
図6または
図7において、ユーザが検索結果表示エリア420の中で選択範囲421を指定したか否かを判定し、指定している場合(YES)にはS111の処理に進み、指定していない場合(NO)にはS101の処理に戻る。
S111では、
図6または
図7において、詳細表示422が押下されたか否かを判定し、押下されていない場合(NO)にはS113の処理に進み、押下されている場合(YES)にはS112の処理に進む。
S112では、
図6または
図7において、選択範囲421内にあるプロットデータに該当する項目の詳細情報を詳細情報表示エリア430に表示し、S113の処理に進む。
【0035】
S113では、
図6または
図7において、マーキング423が押下されたか否かを判定し、押下されていない場合(NO)にはS101の処理に戻り、押下されている場合(YES)にはS114の処理に進む。
S114では、
図6または
図7において、選択範囲421内にあるプロットデータにマーキングし、S101の処理に戻る。
【0036】
次に、本発明の他の一実施例について、
図8を用いて説明する。
図8は、本発明の他の一実施例である表示部に表示される顧客情報検索および検索結果の画面を説明するための図である。
なお、
図3および
図4と同じ符号については説明を省略する。
図8の表示部300は、表示・条件設定表示エリア310、今回の検索結果表示エリア660、前回の検索結果表示エリア850、検索結果履歴表示エリア440等の表示エリアがある。
【0037】
今回の検索結果表示エリア860は、単純検索327または関連検索326が押下された場合に、検索結果を表示するエリアである。
今回の検索結果表示エリア860は、表示・条件設定エリア310で入力された表示軸X,Yに基づいて検索結果が表示される。
図6の今回の検索結果表示エリア860は、X軸に“世帯主年収(M¥)”と、Y軸に“年齢(才)”を表示した図の一例である。
また、単純検索327または関連検索326が押下された場合の検索結果は、今回の検索結果表示エリア860と、検索結果履歴表示エリア440の両方に表示される。
今回の検索結果表示エリア860に表示されているグラフは、検索結果履歴表示エリア440のグラフ441−2と同じ検索結果のものである。
なお、今回の検索結果表示エリア860は、選択範囲861が指定され、マーキング863が押下されると、選択範囲861内にあるプロットデータにマーキングがされる。
なお、クリア864は押下されると、選択範囲861の指定が解除される。
【0038】
前回の検索結果表示エリア850は、単純検索327または関連検索326が押下された場合に、今回の検索結果表示エリア860に表示されている検索結果の移動先である。
前回の検索結果と今回の検索結果を並列に同じ大きさで表示させることにより、顧客情報の傾向が対比し易くなる。
なお、前回の検索結果表示エリア850に表示されているグラフは、検索結果履歴表示エリア440のグラフ441−1と同じ検索結果のものである。
前回の検索結果表示エリア850の選択範囲851は、選択範囲851内にあるプロットデータにマーキングした範囲である。このマーキングされたプロットデータは、今回の検索結果表示エリア860に表示されているグラフのプロットデータに反映されている。
なお、プロットデータがマーキングされていても、単純検索327が押下された場合、今回の検索結果表示エリア860に表示されるグラフのプロットデータには反映されない。
【0039】
端末21の操作者は、検索結果履歴表示エリア440のグラフを大きく表示したい場合には、例えば、グラフ441−2を選択することにより、表示・条件設定エリア310に検索したときの条件と、今回の検索結果表示エリア860にグラフ441−2の情報(検索結果)と、前回の検索結果表示エリア850にグラフ441−1の情報(検索結果)を再表示することができる。
なお、操作者が
図8のグラフ441−1を選択した場合は、前回の検索結果がないため、前回の検索結果表示エリア850に空白の表示、または“前回の検索結果なし”のテキストを表示する。
【0040】
上述の
図3、
図4、
図6、
図7、
図8の表示部300に表示する各エリアは、どこに配置してもよいことは云うまでもない。
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、端末21の操作者は、上記の検索を繰り返し実行することにより、各顧客の損益の原因分析ができ、分析結果から特定の顧客が選定でき、選定した顧客に適した金融商品を表示部300に表示することができる。また、顧客の要望に応じて、金融商品の再検索を行う機能を備えてもよい。