特許第6284212号(P6284212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6284212
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】荷役作業割当システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20060101AFI20180215BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   G05D1/02 P
   B66F9/24 A
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-42929(P2017-42929)
(22)【出願日】2017年3月7日
【審査請求日】2017年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 絢介
【審査官】 加藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−61736(JP,A)
【文献】 特開2005−239314(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/139757(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人搬送車及び有人搬送車が荷役作業を行う作業エリア内で前記有人搬送車に対して所定の前記荷役作業を割り当てるための荷役作業割当システムであって、
前記無人搬送車及び前記有人搬送車に接続される管理サーバーを備え、
前記無人搬送車は、
現在の位置を検知するための第1位置センサーと、
現在の動作を検知するための第1動作センサーと、
前記無人搬送車の現在の位置及び動作を前記管理サーバーへ送信するための第1通信部と、を備え、
前記有人搬送車は、
現在の位置を検知するための第2位置センサーと、
現在の動作を検知するための第2動作センサーと、
前記有人搬送車の現在の位置及び動作を前記管理サーバーへ送信し、かつ、割り当てられた前記荷役作業を受信するための第2通信部と、
前記割り当てられた荷役作業を表示するための表示部と、を備え、
前記管理サーバーは、
前記無人搬送車の現在の位置及び動作を収集するための第1収集部と、
前記有人搬送車の現在の位置及び動作を収集するための第2収集部と、
前記無人搬送車の前記荷役作業のスケジュールを記憶するための第1記憶部と、
前記有人搬送車に割り当てる前記荷役作業のリストを記憶するための第2記憶部と、
前記有人搬送車に搭乗するオペレーターの効率度に応じて、前記リストの中の前記荷役作業に必要な作業時間を決定するための作業時間決定部と、
前記無人搬送車の荷役作業のスケジュールと、前記無人搬送車の現在の位置及び動作と、に基づいて、所定時間後における前記無人搬送車が所定数以下となる空位置を割り出すと共に、前記割り出された空位置における前記無人搬送車が所定数以下で継続する継続時間を割り出すための位置時間割出部と、
前記有人搬送車の荷役作業のリストと、前記有人搬送車の現在の位置及び動作と、前記割り出された空位置及び継続時間と、に基づいて、前記有人搬送車に対して所定の前記荷役作業を割り当てるための作業割当部と、を備える
ことを特徴とする荷役作業割当システム。
【請求項2】
無人搬送車及び有人搬送車が荷役作業を行う作業エリア内で前記有人搬送車に対して所定の前記荷役作業を割り当てるための荷役作業割当方法であって、
前記管理サーバーに前記無人搬送車及び前記有人搬送車を接続するステップと、
前記無人搬送車が、現在の位置を検知するステップと、
前記無人搬送車が、現在の動作を検知するステップと、
前記無人搬送車が、現在の位置及び動作を前記管理サーバーへ送信するステップと、
前記有人搬送車が、現在の位置を検知するステップと、
前記有人搬送車が、現在の動作を検知するステップと、
前記有人搬送車が、現在の位置及び動作を前記管理サーバーへ送信するステップと、
前記管理サーバーが、前記無人搬送車の現在の位置及び動作を収集するステップと、
前記管理サーバーが、前記有人搬送車の現在の位置及び動作を収集するステップと、
前記管理サーバーが、前記無人搬送車の前記荷役作業のスケジュールを記憶するステップと、
前記管理サーバーが、前記無人搬送車の荷役作業のスケジュールと、前記無人搬送車の現在の位置及び動作と、に基づいて、所定時間後における前記無人搬送車が所定数以下の空位置を割り出すと共に、前記割り出された空位置における前記無人搬送車が所定数以下で継続する継続時間を割り出すステップと、
前記管理サーバーが、前記有人搬送車に割り当てる前記荷役作業のリストを記憶するステップと、
前記管理サーバーが、前記有人搬送車に搭乗するオペレーターの効率度に応じて、前記リストの中の前記荷役作業に必要な作業時間を決定するステップと、
前記管理サーバーが、前記有人搬送車の荷役作業のリストと、前記有人搬送車の現在の位置及び動作と、前記割り出された空位置及び継続時間と、に基づいて、前記有人搬送車に対して所定の前記荷役作業を割り当てるステップと、
前記有人搬送車が、前記割り当てられた荷役作業を前記管理サーバーから受信して表示部に表示するステップと、を備える
ことを特徴とする荷役作業割当方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車及び有人搬送車が荷役作業を行う作業エリア内で有人搬送車に対して所定の荷役作業を割り当てるための荷役作業割当システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業エリア内に設置された複数の棚に対して、無人搬送車で荷物を搬送及び積み降ろしする無人搬送システムがある(例えば特許文献1参照)。無人搬送車は、荷役作業のスケジュールが記憶されており、このスケジュールに従って、荷物を搬送及び積み降ろしするように構成されている。
【0003】
ところで、無人搬送システムの作業エリア内で、オペレーターが有人搬送車で荷役作業を行う場合がある。この場合、同一の作業エリア内で、無人搬送車及び有人搬送車が混在する。無人搬送車の走行速度は有人搬送車の走行速度に比べて遅いので、有人搬送車が荷役作業を行う位置に無人搬送車がいると、有人搬送車の荷役作業を邪魔して、有人搬送車が効率的に荷役作業を実行できない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−34497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記の問題に鑑みて、無人搬送車及び有人搬送車が混在する作業エリア内で、効率的に実行できる荷役作業を有人搬送車に割り当てるための荷役作業割当システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る荷役作業割当システムは、
無人搬送車及び有人搬送車が荷役作業を行う作業エリア内で有人搬送車に対して所定の荷役作業を割り当てるための荷役作業割当システムであって、
無人搬送車及び有人搬送車に接続される管理サーバーを備え、
無人搬送車は、
現在の位置を検知するための第1位置センサーと、
現在の動作を検知するための第1動作センサーと、
無人搬送車の現在の位置及び動作を管理サーバーへ送信するための第1通信部と、を備え、
有人搬送車は、
現在の位置を検知するための第2位置センサーと、
現在の動作を検知するための第2動作センサーと、
有人搬送車の現在の位置及び動作を管理サーバーへ送信し、かつ、割り当てられた荷役作業を受信するための第2通信部と、
割り当てられた荷役作業を表示するための表示部と、を備え、
管理サーバーは、
無人搬送車の現在の位置及び動作を収集するための第1収集部と、
有人搬送車の現在の位置及び動作を収集するための第2収集部と、
無人搬送車の荷役作業のスケジュールを記憶するための第1記憶部と、
有人搬送車に割り当てる荷役作業のリストを記憶するための第2記憶部と、
有人搬送車に搭乗するオペレーターの効率度に応じて、リストの中の荷役作業に必要な作業時間を決定するための作業時間決定部と、
無人搬送車の荷役作業のスケジュールと、無人搬送車の現在の位置及び動作と、に基づいて、所定時間後における無人搬送車が所定数以下となる空位置を割り出すと共に、割り出された空位置における無人搬送車が所定数以下で継続する継続時間を割り出すための位置時間割出部と、
有人搬送車の荷役作業のリストと、有人搬送車の現在の位置及び動作と、割り出された空位置及び継続時間と、に基づいて、有人搬送車に対して所定の荷役作業を割り当てるための作業割当部と、を備える。
【0007】
また、本発明に係る荷役作業割当方法は、
無人搬送車及び有人搬送車が荷役作業を行う作業エリア内で有人搬送車に対して所定の荷役作業を割り当てるための荷役作業割当方法であって、
管理サーバーに無人搬送車及び有人搬送車を接続するステップと、
無人搬送車が、現在の位置を検知するステップと、
無人搬送車が、現在の動作を検知するステップと、
無人搬送車が、現在の位置及び動作を管理サーバーへ送信するステップと、
有人搬送車が、現在の位置を検知するステップと、
有人搬送車が、現在の動作を検知するステップと、
有人搬送車が、現在の位置及び動作を管理サーバーへ送信するステップと、
管理サーバーが、無人搬送車の現在の位置及び動作を収集するステップと、
管理サーバーが、有人搬送車の現在の位置及び動作を収集するステップと、
管理サーバーが、無人搬送車の荷役作業のスケジュールを記憶するステップと、
管理サーバーが、無人搬送車の荷役作業のスケジュールと、無人搬送車の現在の位置及び動作と、に基づいて、所定時間後における無人搬送車が所定数以下の空位置を割り出すと共に、割り出された空位置における無人搬送車が所定数以下で継続する継続時間を割り出すステップと、
管理サーバーが、有人搬送車に割り当てる荷役作業のリストを記憶するステップと、
管理サーバーが、有人搬送車に搭乗するオペレーターの効率度に応じて、リストの中の荷役作業に必要な作業時間を決定するステップと、
管理サーバーが、有人搬送車の荷役作業のリストと、有人搬送車の現在の位置及び動作と、割り出された空位置及び継続時間と、に基づいて、有人搬送車に対して所定の荷役作業を割り当てるステップと、
有人搬送車が、割り当てられた荷役作業を管理サーバーから受信して表示部に表示するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る荷役作業割当システム及び方法は、無人搬送車及び有人搬送車が混在する作業エリア内で、効率的に実行できる荷役作業を有人搬送車に割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】荷役作業割当システムを示す概略図。
図2】無人搬送車及び有人搬送車が荷役作業を行う作業エリアを示す平面図。
図3】無人搬送車を示すブロック図。
図4】有人搬送車を示すブロック図。
図5】管理サーバーを示すブロック図。
図6】荷役作業割当工程を示すフローチャート図。
図7】無人搬送車の荷役作業のスケジュールを示す表。
図8】有人搬送車の荷役作業のリストを示す表。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本発明に係る荷役作業割当システム及び方法の一実施形態を説明する。
【0011】
[荷役作業割当システム]
図1図5に基づいて、荷役作業割当システムを説明する。
【0012】
図1の通り、荷役作業割当システムは、管理サーバー1と、無人搬送車2と、有人搬送車3と、管理サーバー1に無人搬送車2及び有人搬送車3を無線で接続するための中継器4と、を備える。
【0013】
管理サーバー1は、CPU(中央処理装置)、入出力インターフェース、ROM、RAM等で構成されており、情報を処理するためのプログラムが記憶される。無人搬送車2は2台であり、有人搬送車3は1台である。
【0014】
無人搬送車2及び有人搬送車3は、フォークリフトからなる。無人搬送車2は、予め記憶された荷役作業のスケジュールに従って、荷物を搬送及び積み降ろしするように構成される。有人搬送車3は、オペレーターの操作に従って、荷物を搬送及び積み降ろしするように構成される。
【0015】
図2の通り、荷役作業割当システムは、無人搬送車2及び有人搬送車3が荷役作業を行う作業エリア100と、作業エリア100内に設置された棚101と、を備える。棚101は、3台である。作業エリア100は、X座標(図2の横方向)及びY座標(図2の縦方向)を有する。そのため、作業エリア100内には、座標(X)・・・座標(X)が設定される。
【0016】
図3の通り、無人搬送車2は、第1位置センサー22を備える。第1位置センサー22は、作業エリア100に埋設された複数のマークの中の最も近いマークを検知し、検知されたマークの座標に基づいて、無人搬送車2の現在の位置を検知する。
【0017】
無人搬送車2は、第1動作センサー23を備える。第1動作センサー23は、駆動輪を駆動するための駆動モーター、フォークをリフトアップ、リフトダウン、リーチイン及びリーチアウトするためのアクチュエーター等を検知することで、無人搬送車2の現在の動作を検知する。
【0018】
無人搬送車2は、記憶部24を備える。記憶部24は、予め設定された荷役作業のスケジュールを記憶する。無人搬送車2は、動作部25を備える。動作部25は、駆動輪を駆動するための駆動モーター、フォークをリフトアップ、リフトダウン、リーチイン及びリーチアウトするためのアクチュエーター等からなる。動作部25は、荷役作業のスケジュールに従って動作される。
【0019】
無人搬送車2は、第1通信部26を備える。第1通信部26は、中継器4を介して、無人搬送車2の現在の位置及び動作を管理サーバー1へ送信する。無人搬送車2は、制御部21を備える。制御部21は、第1位置センサー22、第1動作センサー23、記憶部24、動作部25及び第1通信部26を制御する。制御部21は、CPU(中央処理装置)、入出力インターフェース、ROM、RAM等で構成されており、情報を処理するためのプログラムが記憶される。
【0020】
図4の通り、有人搬送車3は、第2位置センサー32を備える。第2位置センサー32は、作業エリア100に埋設された複数のマークの中の最も近いマークを検知し、検知されたマークの座標に基づいて、有人搬送車3の現在の位置を検知する。
【0021】
有人搬送車3は、第2動作センサー33を備える。第2動作センサー33は、駆動輪を駆動するための駆動モーター、フォークをリフトアップ、リフトダウン、リーチイン及びリーチアウトするためのアクチュエーター等を検知することで、有人搬送車3の現在の動作を検知する。
【0022】
有人搬送車3は、動作部35を備える。動作部35は、駆動輪を駆動するための駆動モーター、フォークをリフトアップ、リフトダウン、リーチイン及びリーチアウトするためのアクチュエーター等からなる。動作部35は、オペレーターの操作に従って、動作される。
【0023】
有人搬送車3は、第2通信部36を備える。第2通信部36は、中継器4を介して、有人搬送車3の現在の位置及び動作を管理サーバー1へ送信する。第2通信部36は、さらに、中継器4を介して、管理サーバー1が割り当てた荷役作業を受信する。
【0024】
有人搬送車3は、表示部30を備える。表示部30は、管理サーバー1が割り当てた荷役作業を表示する。有人搬送車3は、制御部31を備える。制御部31は、表示部30、第2位置センサー32、第2動作センサー33、動作部35及び第2通信部36を制御する。制御部31は、CPU(中央処理装置)、入出力インターフェース、ROM、RAM等で構成されており、情報を処理するためのプログラムが記憶される。
【0025】
図5の通り、管理サーバー1は、第1収集部11を備える。第1収集部11は、無人搬送車2の現在の位置及び動作を収集する。管理サーバー1は、第2収集部12を備える。第2収集部12は、有人搬送車3の現在の位置及び動作を収集する。
【0026】
管理サーバー1は、第1記憶部13を備える。第1記憶部13は、無人搬送車2の荷役作業のスケジュールを記憶する。管理サーバー1は、第2記憶部14を備える。第2記憶部14は、有人搬送車3に割り当てる荷役作業のリストを記憶する。
【0027】
管理サーバー1は、作業時間決定部17を備える。作業時間決定部17は、有人搬送車3に搭乗するオペレーターの効率度eに応じて、有人搬送車3の荷役作業のリストの中の荷役作業に必要な作業時間tを決定する。管理サーバー1は、入力部18を備える。入力部18を介して、有人搬送車3に搭乗するオペレーターの効率度eが入力され、その入力結果に応じて、作業時間決定部17が、有人搬送車3の荷役作業のリストの中の荷役作業に必要な作業時間tを決定する。即ち、効率度eが低ければ、作業時間tが長くなる一方、効率度eが高ければ、作業時間tが短くなる。
【0028】
管理サーバー1は、位置時間割出部15を備える。位置時間割出部15は、第1記憶部13及び第1収集部11に接続される。位置時間割出部15は、無人搬送車2の荷役作業のスケジュールと、無人搬送車2の現在の位置及び動作と、に基づいて、所定時間後における無人搬送車2が所定数以下の複数の空位置Iを割り出すと共に、割り出された空位置Iにおける無人搬送車2が所定数以下で継続する継続時間Tを割り出す。例えば、所定時間後とは、5分後、10分後、15分後等であり、所定数とは、0台、1台等である。
【0029】
管理サーバー1は、作業割当部16を備える。作業割当部16は、第2記憶部14、第2収集部12及び位置時間割出部15に接続される。作業割当部16は、有人搬送車3の荷役作業のリストと、有人搬送車3の現在の位置及び動作と、割り出された空位置I及び継続時間Tと、に基づいて、有人搬送車3に対して所定の荷役作業を割り当てる。
【0030】
[荷役作業割当工程]
図6図8に基づいて、荷役作業割当工程を説明する。荷役作業割当工程は、上記の荷役作業割当システムを用いる。そのため、無人搬送車2及び有人搬送車3は、管理サーバー1に接続される。
【0031】
無人搬送車2が、第1位置センサー22を用いて、現在の位置を検知すると共に、第1動作センサー23を用いて、現在の動作を検知する(ステップS1)。その後、無人搬送車2が、第1通信部26を用いて、現在の位置及び動作を管理サーバー1へ送信する(ステップS2)。
【0032】
一方、有人搬送車3が、第2位置センサー32を用いて、現在の位置を検知すると共に、第2動作センサー33を用いて、現在の動作を検知する(ステップS3)。その後、有人搬送車3が、第2通信部36を用いて、現在の位置及び動作を管理サーバー1へ送信する(ステップS4)。
【0033】
その後、管理サーバー1が、第1収集部11を用いて、無人搬送車2の現在の位置及び動作を収集すると共に、第2収集部12を用いて、有人搬送車3の現在の位置及び動作を収集する(ステップS5)。
【0034】
一方、管理サーバー1が、第1記憶部13を用いて、無人搬送車2の荷役作業のスケジュールを記憶する(ステップS6)。そして、管理サーバー1が、無人搬送車2の荷役作業のスケジュールと、無人搬送車2の現在の位置及び動作と、に基づいて、所定時間後における無人搬送車2が所定数以下の複数の空位置Iを割り出すと共に、割り出された空位置Iにおける無人搬送車2が所定数以下で継続する継続時間Tを割り出す(ステップS7)。
【0035】
即ち、図7の通り、第1記憶部13には、各無人搬送車2の荷役作業のスケジュールが記憶されている。無人搬送車2の現在の位置(X20)及び動作(リーチイン)に基づいて、荷役作業のスケジュール中の時間を特定する。
【0036】
なお、無人搬送車2が荷役作業のスケジュールの通りに行動できれば、現在の位置及び動作を検知する必要はないが、無人搬送車2は、衝突防止・回避機能に基づいて、停止・旋回等するので、無人搬送車2が荷役作業のスケジュールの通りに行動しないことがある。そのため、常時、無人搬送車2の現在の位置及び動作を検知する。
【0037】
現在の荷役作業のスケジュール中の時間を特定すると、荷役作業のスケジュールに基づいて、所定時間後(5分後、10分後、15分後)における各無人搬送車2の位置を予測する。この予測結果に基づいて、作業エリア100内の、所定時間後における無人搬送車2が所定数以下(0台)の複数の空位置Iを割り出す。
【0038】
管理サーバー1が、第2記憶部14を用いて、有人搬送車3に割り当てる複数の荷役作業のリストを記憶する(ステップS8)。管理者が、入力部18を介して、有人搬送車3に搭乗するオペレーターの効率度eを入力する(ステップS20)。管理サーバー1が、作業時間決定部17を用いて、有人搬送車3に搭乗するオペレーターの効率度eに応じて、リストの中の荷役作業に必要な作業時間tを決定する(ステップS21)。
【0039】
即ち、図8の通り、荷役作業のリストとして、荷役作業A、荷役作業B等が記憶される。荷役作業Aの作業時間tは5分であり、荷役作業Bの作業時間tは8分であるが、効率度eが低ければ、作業時間tが長くなる一方、効率度eが高ければ、作業時間tが短くなる。
【0040】
その後、管理サーバー1が、作業割当部16を用いて、有人搬送車3の荷役作業のリストと、有人搬送車3の現在の位置及び動作と、割り出された空位置I及び継続時間Tと、に基づいて、有人搬送車3に対して所定の荷役作業を割り当てる(ステップS9)。
【0041】
即ち、有人搬送車3の現在の位置及び動作に基づいて、有人搬送車3が所定時間後(5分後、10分後、15分後)に到達可能な複数の候補位置Pを特定する。現在の位置からの所定のルートを考慮して、有人搬送車3が到達可能な複数の候補位置Pを特定する。また、有人搬送車3が割り当てられた荷役作業を実行しているとき、荷役作業の終了時間も考慮して、有人搬送車3が到達可能な候補位置Pを特定する。
【0042】
例えば、到達可能な複数の候補位置Pの中に、荷役作業Aの位置A(X10)及び荷役作業Bの位置B(X15)の双方が含まれていれば、荷役作業A又はBのいずれかが任意に選択される一方、位置A又はBの一方だけが含まれていれば、該当する荷役作業が選択される。その後、選択された荷役作業A・Bの中から、作業時間tが継続時間Tよりも短い(t<T)荷役作業A・Bが任意に有人搬送車3に割り当てられる。
【0043】
その後、有人搬送車3が、割り当てられた荷役作業を管理サーバー1から受信して表示部30に表示する(ステップS10)。オペレーターは、表示部30に表示された荷役作業に従って、有人搬送車3を動作する。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されない。例えば、以下のように変更することもできる。
・無人搬送車2及び有人搬送車3等の数は限定されない。
・第1及び第2位置センサー22,32は、GPS、ラインの位置を読み取るセンサー等でもよい。
【0045】
本発明に係る荷役作業割当システム及び方法では、無人搬送車及び有人搬送車が混在する作業エリア内であっても、無人搬送車の数が少ない空位置で実行される荷役作業を有人搬送車に割り当てるので、有人搬送車は、無人搬送車に邪魔されることなく、効率的に荷役作業を実行できる。
【符号の説明】
【0046】
1 管理サーバー
11 第1収集部
12 第2収集部
13 第1記憶部
14 第2記憶部
15 位置時間割出部
16 作業割当部
17 作業時間決定部
2 無人搬送車
22 第1位置センサー
23 第1動作センサー
26 第1通信部
3 有人搬送車
32 第2位置センサー
33 第2動作センサー
36 第2通信部
100 作業エリア
I 空位置
T 継続時間
e 効率度
t 作業時間
【要約】      (修正有)
【課題】無人、有人搬送車が混在する作業エリア内で、効率的な荷役作業を有人搬送車に割り当てること。
【解決手段】無人、有人搬送車2,3に接続される管理サーバー1は、無人、有人搬送車の位置、動作を収集する収集部11,12と、無人搬送車の荷役作業スケジュールを記憶する記憶部13と、有人搬送車に割当てる荷役作業リストを記憶する記憶部14と、オペレーターの効率度により、リスト中の荷役作業に必要な作業時間を決定する作業時間決定部17と、無人搬送車の荷役作業のスケジュールと、無人搬送車の位置、動作と、に基づいて、所定時間後の無人搬送車が所定数以下となる空位置を割出すと共に、空位置の無人搬送車が所定数以下で継続する継続時間を割出す位置時間割出部15と、有人搬送車の荷役作業のリストと、有人搬送車の位置、動作と、割出された空位置、継続時間により有人搬送車に対して荷役作業を割当てる作業割当部16と、を備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8