(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284246
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】スポンジホルダー
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20180215BHJP
A47L 13/10 20060101ALI20180215BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
A47L13/16 B
A47L13/16 Z
A47L13/10 E
A47L13/20 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-46516(P2016-46516)
(22)【出願日】2016年3月10日
(65)【公開番号】特開2017-158821(P2017-158821A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2016年3月10日
【審判番号】不服2017-2224(P2017-2224/J1)
【審判請求日】2017年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306032648
【氏名又は名称】小川 修
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】小川 修
【合議体】
【審判長】
紀本 孝
【審判官】
井上 哲男
【審判官】
佐々木 正章
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−116760(JP,A)
【文献】
特開2015−205140(JP,A)
【文献】
特開昭60−210231(JP,A)
【文献】
特開2007−68664(JP,A)
【文献】
特開平5−293069(JP,A)
【文献】
実開昭52−46060(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/10
A47L 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要長さ・幅・厚さを有するスポンジに装着されるスポンジホルダーであって、
前記スポンジホルダーは、全体が一定のしなやかさと剛健性を備える合成樹脂素材から成ると共に、外縁が装着対象たるスポンジの上面若しくは側面周縁よりやや小形に形成され且つ外周フレーム状又は格子状又は平板状に形成されて成る基体と、該基体の下方に備えられる突出した複数の突起部と、から成り、
前記突起部を上方若しくは側方からスポンジに突き刺すことで装着されることを特徴とするスポンジホルダー。
【請求項2】
前記突起部の先端が、曲面状に形成されて成ることを特徴とする請求項1に記載のスポンジホルダー。
【請求項3】
前記基体が、上方へ反った湾曲状に形成されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスポンジホルダー。
【請求項4】
前記突起部の長さが、突き刺す方向のスポンジの厚みに対して10〜80%の長さで形成されて成ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスポンジホルダー。
【請求項5】
前記基体の上方に、所要長さを有するシャフトが備えられて成ることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のスポンジホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポンジの把持性と作業性を向上させるスポンジホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、食器等の表面にこびりついた汚れや油膜を洗い落とすには、柔軟性を利用してソフト且つ効率よく洗い落とすことができるスポンジや、食器の表面に塊状にこびりついた食品カスや油垢などを剥ぎ落とすフェルト繊維やナイロン繊維を片側に織り込んだ二層スポンジなどが用いられていた。
【0003】
しかしながら、上記における柔軟性のあるスポンジや二層スポンジでは、食器の表面に塊状にこびりついた食品カスや油垢などを簡単に落としきれるものではなく、それらを洗い落とすには、接触面が剛健性の高い素材で形成されている亀の子束子や金属ウールタワシを用いてこすり落とす術しか方法がなかった。
【0004】
従来における上記の問題点を解決しようと、柔軟性のあるスポンジの一部に剛健性を持たせた提案がなされている。例えば、長尺なバンド部と、該バンド部の基端に連設されるフック用孔部とを備え、該バンド部には、その長手方向に沿って、該バンド部を2分する任意の長さと幅と形状からなるスリットが切り込み形成されている「洗浄器用結束バンド」(特許文献1参照)が提案されている。
【0005】
しかしながら、係る洗浄器用結束バンドの提案は、スポンジのような柔軟性をもった洗浄器具を結束して剛性を出すものであるが、バンド部をスポンジに装着するためにスポンジの厚み幅が一定以上確保されなければならないことから、スポンジ自体が一般的に使用されるスポンジと比較して厚みのある大型になりがちであると共に、局部的に汚れを落とそうとする場合に、スポンジ自体の柔軟性によって落としきれない問題があった。
【0006】
また、スポンジに切り込みを設け、柄部の先端に設けた板片を該スポンジの切り込みに強制挿入してスポンジと柄部を一体組付けする構造「掃除用スポンジと清掃具」(特許文献2参照)が提案されている。簡単且つ確実に浴室や洗面室、台所等の掃除が達成できる
【0007】
しかしながら、係る掃除用スポンジと清掃具の提案は、スポンジと板片の接触固定面積が極めて小さいため、経時的変化による耐久性に問題があると共に、長尺の柄部を有していることによって、台所用のスポンジとしてではなく主にフローリングや壁面等の清掃道具に限定されるものであった。
【0008】
また、吸盤にて台所シンクの壁面に吸着支持されるベース部材に2本以上のアームを突設して形成され、該アームは、スポンジタワシ等の変形自由な食器洗い具を変形させて挟みつけることができる間隔を存して設けられている「洗い具ホルダー」(特許文献3参照)が提案されている。
【0009】
しかしながら、係る洗い具ホルダーの提案は、スポンジを壁面などに保持する目的で形成されているもので、該洗い具ホルダーに挟持されたままスポンジとして各種用途に使用することができるものではなかった。
【0010】
本出願人は、以上のような従来のスポンジに関する問題点を解決するために、スポンジ本来の柔軟性と加工容易性に着目し、洗い物作業の状況にあわせて適度な柔軟性と剛健性を使い分けることによって、スポンジ自体の把持性と作業性を向上させることができないものかとの着想の下、基体の下方に備えられる突出した複数の突起部を上方からスポンジに突き刺すことで、スポンジの変形量を最小限に留めてスポンジの把持性と作業性を向上させると共に、スポンジに柔軟性と剛健性を兼ね備えさせることが可能なスポンジホルダーを開発し、本発明の「スポンジホルダー」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−81489号公報
【特許文献2】特開2001−78940号公報
【特許文献3】特開2002−475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、基体の下方に備えられる突出した複数の突起部を上方からスポンジに突き刺すことで装着され、スポンジの変形量を最小限に留めてスポンジの把持性と作業性を向上させると共に、スポンジに柔軟性と剛健性を兼ね備えさせることが可能なスポンジホルダーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明は、所要長さ・幅・厚さを有するスポンジに装着されるスポンジホルダーであって、
全体が一定のしなやかさと剛健性を備える合成樹脂素材から成ると共に、外縁が装着対象たるスポンジの上面若しくは側面周縁よりやや小形に形成されて成る基体と、該基体の下方に備えられる突出した複数の突起部と、から成り、該突起部を上方若しくは側方からスポンジに突き刺すことで装着される構成となっている。
【0014】
また、本発明は、前記基体が、外周フレーム状又は格子状又は平板状に形成された構成を採用する。
【0015】
さらに、本発明は、前記突起部の先端が、曲面状に形成された構成を採用し得る。
【0016】
またさらに、本発明は、前記基体が、上方へ反った湾曲状に形成された構成を採用することもできる。
【0017】
さらにまた、本発明は、前記突起部の長さが、突き刺す方向のスポンジの厚みに対して20〜80%の長さで形成された構成とすることもできる。
【0018】
そしてまた、本発明は、前記基体の上方に、所要長さを有するシャフトが備えられた構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかるスポンジホルダーによれば、突起部を上方若しくは側方から突き刺すことでスポンジに装着されることで、スポンジ本来の柔軟性を利用して今まで同様のソフトタッチな作業が可能であると共に、突き刺さった突起部の剛健性を利用してハードタッチな作業も効率よく可能となる、といった優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明にかかるスポンジホルダーによれば、突起部を上方若しくは側方から突き刺すことでスポンジに剛健性が付加されるため、均圧性ならびに耐圧性に優れ、スポンジの変形や劣化を防止して耐久性向上に資する、といった優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明にかかるスポンジホルダーによれば、突起部を上方若しくは側方から突き刺すだけでスポンジに装着されるため、使用・経時劣化によるスポンジの交換作業が容易である、といった優れた効果を奏する。
【0022】
さらに、本発明にかかるスポンジホルダーによれば、突起部が備えられる基体が、外周フレーム状又は格子状又は平板状に形成されることで、スポンジ本体の全体形状が常時維持されて使用時における変形量を最小限に留めることができ、把持性が良くなると共に、対象と接触するスポンジ下面へ均等に圧が伝わり、作業能率が向上する、といった優れた効果を奏する。
【0023】
またさらに、本発明にかかるスポンジホルダーによれば、突起部の先端が曲面状に形成されていることによって、万が一突起部の先端がスポンジを突き抜けた場合であっても、対象物の表面にキズをつけることなく作業可能である、といった優れた効果を奏する。
【0024】
さらにまた、本発明にかかるスポンジホルダーによれば、基体が上方へ反った湾曲状に形成されて成ることによって、スポンジ全体が掌にフィットすることにより使用時の作業労力が軽減されると共に、スポンジから突起部が抜け難くなる、といった優れた効果を奏する。
【0025】
そしてまた、本発明にかかるスポンジホルダーによれば、突起部の長さが突き刺す方向のスポンジの厚みに対して10〜80%の長さで形成されていることによって、突起部の先端がスポンジを突き抜け難い構造を為し、使用時の力の入れ具合に拘わらず、対象物の表面にキズをつけることなく作業可能である、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明にかかるスポンジホルダーの実施形態を示す説明図である。(実施例1)
【
図2】本発明にかかるスポンジホルダーの実施形態を示す断面図である。(実施例1)
【
図3】本発明にかかるスポンジホルダーの実施形態を示す説明図である。(実施例1)
【
図4】本発明にかかるスポンジホルダーの実施形態を示す説明図である。(実施例1)
【
図5】本発明にかかるスポンジホルダーの他の実施形態を示す説明図である。(実施例2)
【
図6】本発明にかかるスポンジホルダーの他の実施形態を示す説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、所要長さ・幅・厚さを有するスポンジ20に装着されるスポンジホルダー10であって、
全体が一定のしなやかさと剛健性を備える合成樹脂素材から成ると共に、外縁が装着対象たるスポンジ20の上面若しくは側面周縁よりやや小形に形成されて成る基体30と、該基体30の下方に備えられる突出した複数の突起部31と、から成り、該突起部31を上方若しくは側方からスポンジ20に突き刺すことで装着されることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかるスポンジホルダー10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0028】
尚、本発明にかかるスポンジホルダー10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができる。
【実施例1】
【0029】
図1は、本発明にかかるスポンジホルダー10の実施形態を示す説明図であり、(a)は平面視において矩形の場合のスポンジ20とスポンジホルダー10を示し、(b)は平面視において瓢箪形の場合のスポンジ20とスポンジホルダー10を示し、(c)は平面視において円形の場合のスポンジ20とスポンジホルダー10を示している。
また、
図2は、本実施形態にかかるスポンジホルダー10の装着状態を示す断面図である。
【0030】
本実施形態にかかるスポンジホルダー10は、外縁が装着対象たるスポンジ20の上面周縁よりやや小形に形成されて成る基体30と、該基体30の下方に備えられる突出した複数の突起部31と、により形成されるものである。
【0031】
基体30は、
その素材について、一定のしなやかさと剛健性を備える合成樹脂製から成る。該基体30の形状については、
図1(a)乃至(c)に例示されるように、外周フレーム状であって、装着対象たるスポンジ20の平面視形状に合わせて、外縁がスポンジ20の上面周縁よりやや小形に形成されている。
【0032】
基体30の下方には、突起部31が複数備えられている。該突起部31は、上方からスポンジ20に突き刺すものであって、
その素材については、基体と同素材、すなわち一定のしなやかさと剛健性を備える合成樹脂製から成る。突起部31の数については、複数であれば特に限定は無い。また、突起部31の配備箇所については、基体30の下方へ突出するものであれば特に限定は無いが、外周フレーム状の基体30に対し、略均等間隔で配備されることが好ましい。
【0033】
突起部31の先端33形状について、
図2(a)に示すように、曲面状に形成されることが望ましい。かかる形態を採ることで、万が一突起部31の先端33がスポンジ20を突き抜けた場合であっても、曲面状であるため対象物の表面にキズをつけることなく作業可能となる。
【0034】
また、突起部31の長さLについて、
図2(a)に示すように、スポンジ20の厚みTに対して40〜80%の長さLで形成されることが望ましい。かかる形態を採ることで、上方から力を入れてスポンジ20が押し潰された場合であっても、突起部31の先端33が簡単にはスポンジ20を突き抜けない構造となり、使用時の力の入れ具合に拘わらず、対象物の表面にキズをつけることなく作業可能となる。
【0035】
ところで、基体30の形状について、
図3に示す様な格子状とする態様や、
図4に示す様な平板状とする態様も可能である。かかる格子状あるいは平板状とすることで、基体30自体の強度が増すと共に基体30中心部を含め全面に突起部31を満遍なく配備することができ、それによってスポンジ20の変形量をより最小限に留めることが可能となる。
【0036】
さらに、基体30の形態として、
図2(b)に示すように、上方へ反った湾曲状に形成されて成る態様を採用し得る。かかる形態を採用することで、スポンジ20全体が基体30に沿って上方へ若干反られることとなり、掌へのフィット性が向上して使用時の作業労力が軽減されると共に、スポンジ20から突起部31が抜け難くなる。
【0037】
本実施形態にかかるスポンジホルダー10の装着対象たるスポンジ20については、天然スポンジと人工スポンジとを問わずにその素材について特に限定は無く、例えば、ウレタン樹脂系の熱可塑性発泡樹脂体やメラニン樹脂を素材として形成される。形状についても限定はなく、目的に合わせて所定の厚みTを有し、
図1(a)乃至(c)に示す様な、平面視において矩形、瓢箪形、丸形など多様に形成される。
【0038】
以上で構成される本実施形態にかかるスポンジホルダー10は、柔軟性のみ有するスポンジ20に突起部31を備えた基体30を上方から突き刺し装着することで、柔軟性と剛健性を併せ持つスポンジ20とすることができる。このとき、スポンジ20が本来有する膨縮性により、突き刺した突起部31はスポンジ20の膨張作用によって挟持されるため、使用中に自然に抜け落ちる心配はない。
【0039】
このように、本実施形態にかかるスポンジホルダー10を装着することで、スポンジ20は、本来の柔軟性を利用して今まで同様のソフトタッチな作業が可能であると共に、突き刺さった突起部31の剛健性を利用してハードタッチな作業も効率よく可能となり、また、均圧性ならびに耐圧性に優れ、スポンジ20の変形や劣化を防止して耐久性向上に資すると共に、スポンジ20の全体形状が常時維持されて使用時における変形量を最小限に留めることができ、把持性が良くなるため作業効率の向上にも資することとなる。
【実施例2】
【0040】
図5は、本発明にかかるスポンジホルダー10の実施形態を示す説明図であり、(a)は本実施形態にかかるスポンジ20とスポンジホルダー10の斜視図、(b)は本実施形態にかかるスポンジホルダー10の装着状態を示す断面図である。
【0041】
本実施形態にかかるスポンジホルダー10は、外縁が装着対象たるスポンジ20の側面周縁よりやや小形に形成されて成る基体30と、該基体30の下方(側方)に備えられる突出した複数の突起部31と、により形成されるものである。
【0042】
基体30や突起部31の素材、基体30の形状・形態、突起部31の数、突起部31の先端33形状、スポンジ20の素材・形状については、上記実施例1と同様であるため、説明は省略する。
【0043】
突起部31の長さLについて、
図5(b)に示すように、スポンジ20の厚みTに対して10〜80%の長さLで形成されることが望ましい。かかる形態を採ることで、側方から力を入れてスポンジ20が押し潰された場合であっても、突起部31の先端33が簡単にはスポンジ20を突き抜けない構造となり、使用時の力の入れ具合に拘わらず、対象物の表面や持ち手をキズつけることなく作業可能となる。
【0044】
なお、図面では、スポンジ20の両側面にスポンジホルダー10を突き刺し装着した態様について図示しているが、スポンジ20の一方の側面にのみスポンジホルダー10を装着する態様であってもよい。スポンジ20の一方の側面にのみスポンジホルダー10を装着する態様の場合、剛健性に鑑み、突起部31の長さLをスポンジ20の厚みTに対して40〜80%とすることが望ましい。逆に、図示の様なスポンジ20の両側面にスポンジホルダー10を装着する態様の場合は、突起部31の長さLをスポンジ20の厚みTに対して10〜40%と短く成形することができる。
【0045】
以上で構成される本実施形態にかかるスポンジホルダー10は、柔軟性のみ有するスポンジ20に突起部31を備えた基体30を側方から突き刺し装着することで、柔軟性と剛健性を併せ持つスポンジ20とすることができる。このとき、スポンジ20が本来有する膨縮性により、突き刺した突起部31はスポンジ20の膨張作用によって挟持されるため、使用中に自然に抜け落ちる心配はない。
【0046】
このように、本実施形態にかかるスポンジホルダー10を装着することで、スポンジ20は、本来の柔軟性を利用して今まで同様のソフトタッチな作業が可能であると共に、突き刺さった突起部31の剛健性を利用してハードタッチな作業も効率よく可能となり、また、均圧性ならびに耐圧性に優れ、スポンジ20の変形や劣化を防止して耐久性向上に資すると共に、スポンジ20の全体形状が常時維持されて使用時における変形量を最小限に留めることができ、把持性が良くなるため作業効率の向上にも資することとなる。
【実施例3】
【0047】
図6は、本発明にかかるスポンジホルダー10の実施形態を示す説明図である。
本実施形態にかかるスポンジホルダー10は、前記実施例1若しくは実施例2にかかるスポンジホルダー10において、基体30の上方に、所要長さを有するシャフト40が備えられて成る。
【0048】
基体30や突起部31の素材、基体30の形状・形態、突起部31の数、突起部31の先端33形状、突起部31の長さL、スポンジ20の素材・形状については、上記実施例1並びに実施例2と同様であるため、説明は省略する。
【0049】
シャフト40は、基体30の上方に備えられるもので、所要長さを有する棒状体から成り、その形状について図示の様な直棒状のほか、曲棒状など特に限定はない。また、該シャフト40の素材についても特に限定は無く、例えば、剛健性を備える合成樹脂製や軽量金属製から成る。該シャフト40は、図示の様に、基体30に対し固定的に備えられる態様も考え得るが、定法の着脱機構を介して着脱自在に備えられる態様であってもよい。
【0050】
基体30に対するシャフト40の角度については、特に限定はない。図面では、基体30に対し斜めにシャフト40が備えられている場合について示しているが、基体30と略直角(鉛直方向)にシャフト40を備える態様も考え得る。また、基体30とシャフト40とを可動式に接続することで、シャフト40の角度を自在に可変できる構造とすることも可能である。
【0051】
シャフト40の長さについては、特に限定はなく、作業態様に合わせて適宜決定される。このとき、該シャフト40の長さについて、一定ではなく可変式とする態様も考え得る。なお、図面に示す様に、シャフト40の上端部には、作業者が把持するための把持部41が備えられ、必要に応じて滑り止め加工が施されていることが好ましい。
【0052】
以上で構成される本実施形態にかかるスポンジホルダー10によれば、これを装着することで、上記実施例1及び実施例2と同様にスポンジ20の耐久性及び作業効率の向上に資するだけでなく、直接手が届き難いような場所(天井や床面その他狭いスペースなど)であっても、シャフト40を使用することでスポンジ20を容易に作業箇所へ届かせることが可能となり、さらなる作業効率の向上に資することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明にかかるスポンジホルダー10は、台所用の洗浄用スポンジを初めとする種々作業用のあらゆるスポンジ20に対して利用することができることから、産業上の利用可能性は大であると思料する。
【符号の説明】
【0054】
10 スポンジホルダー
20 スポンジ
30 基体
31 突起部
33 先端
40 シャフト
41 把持部
T 厚み
L 長さ