特許第6284278号(P6284278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284278
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】穿孔検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/954 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   G01N21/954 A
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-181555(P2015-181555)
(22)【出願日】2015年9月15日
(65)【公開番号】特開2016-70924(P2016-70924A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年11月15日
(31)【優先権主張番号】10 2014 114 304.3
(32)【優先日】2014年10月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513235603
【氏名又は名称】イェノプティク・インダストリアル・メトロロジー・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ルードルフ
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−095207(JP,U)
【文献】 実開昭56−061202(JP,U)
【文献】 特開2010−261950(JP,A)
【文献】 実開昭54−174800(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0001984(US,A1)
【文献】 特開平07−191269(JP,A)
【文献】 特開平05−149885(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0080588(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/003692(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G01B 11/00−11/30
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工物(8)の回転対称又はほぼ回転対称な穴である穿孔(6)の内面(6)を検査する穿孔検査装置(2)であって、
画像撮影機(18)及びその後に配置された評価機器(20)と画像を伝送する形で接続された光学系(16)が配置された、前記穿孔(6)の軸線方向を向いた軸方向を規定する測定ヘッド(10)と、
この光学系(16)により捕捉される内面(4)の撮影範囲を照明する照明機器(22)と、
を備えた穿孔検査装置(2)において、
この照明機器(22)が、内面(4)のトポグラフィの陰影画像を生成するために、検査すべき内面(4)を異なる照明方向から照明するように構成、設置されていることと、 この評価機器(20)が、画像撮影機(18)により撮影した陰影画像に基づき、このトポグラフィを検出するように構成、設置されていることと、
当該の照明機器(22)が、第二の照明方向から内面(4)を照明する少なくとも一つの第二の光源配列(32)を備え、当該の第二の光源配列(32)が円周方向に接する異なる方向から内面(4)を照明するように構成、設置されていることと、
当該の第二の光源配列(32)が回転対称又はほぼ回転対称に内面(4)を照明するように構成、設置されており、当該の第二の光源配列(32)が円周方向にリング形状に配置された複数の光源を有することと、
当該の光学系(16)が、全方向視界の光学系であることと、
を特徴とする穿孔検査装置。
【請求項2】
当該の照明機器(22)が、第一の照明方向から内面(4)を照明する少なくとも一つの第一の光源配列(24)備えていることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
当該の第一の光源配列(24)が半径方向から内面(4)を照明するように構成、設置されていることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
当該の第一の光源配列(24が回転対称又はほぼ回転対称に内面(4)を照明するように構成、設置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の検査装置。
【請求項5】
当該の第一の光源配列(24が円周方向にリング形状に配置された複数の光源を有することを特徴とする請求項2から4までのいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項6】
当該の光源の少なくとも一部が発光ダイオード(30,34)であることを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
当該の照明機器(22)が、軸方向に互いに間隔を開けた、互いに対向する方向に照射する少なくとも二つの光源配列(24,24’)を有することを特徴とする請求項2から6までのいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項8】
当該の第一の光源配列(24,24’)及び第二の光源配列(32)を駆動するための制御手段を備えていることを特徴とする請求項2から7までのいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項9】
当該の制御手段が、異なる照明方向から時間的に順番に内面(4)を照明するように構成、設置されていることを特徴とする請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
当該の第一の光源配列(24)及び第二の光源配列(32)の各照明方向独自の照明色対応付けられていることと、
画像撮影機(18)がカラーセンサを備えていることと、
を特徴とする請求項2から9までのいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項11】
当該の測定ヘッド(10)には、測定ヘッド(10)を軸方向に段階的又は連続的に送るための送り機器が配備されていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項12】
少なくとも測定ヘッド(10)が、有利には、照明機器(22)を含む測定ヘッド(10)が、検査すべき穿孔(6)に挿入することが可能な内視鏡として構成されていることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項13】
当該の画像撮影機(18)がデジタル画像撮影機(画像センサ)であることと、
当該の評価機器(20)がデジタル評価機器であることと、
の一つ以上を特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項14】
当該の評価機器が、画像撮影機(18)により撮影された陰影画像をシェープフロムシェーディング方法に基づき評価するように構成、設置されていることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一つに記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に挙げた形式の加工物の穿孔の内面を検査する穿孔検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような内部検査センサとも呼ばれる穿孔検査装置は、例えば、クランク筐体の円筒形の穿孔を検査する際に穿孔の内面を検査するために使用される。それらは、穿孔の半径方向の内面を撮影し、それに基づき、内面が表面状態に関する予め決めた要件を満たすか否かを検査する役割を果たしている。
【0003】
それに相当する装置は、例えば、特許文献1〜4により周知である。
【0004】
特許文献5により、当該の形式の加工物の穿孔の内面を検査する穿孔検査装置が知られており、その検査装置は、軸方向を規定する測定ヘッドを備え、そこには、画像撮影機及びその後に配置された評価機器と画像を伝送する形で接続された光学系が配置されている。この特許文献5により周知の検査装置は、更に、光学系により捕捉される内面の撮影範囲を照明する照明機器を備えている。この特許文献5により周知の検査装置は、中空空間、例えば、穿孔の内面を速く精確に検査することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許公開第2009/003692号明細書
【特許文献2】ドイツ特許公開第4416493号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第4320845号明細書
【特許文献4】ドイツ特許第3232904号明細書
【特許文献5】ドイツ特許第102009019459号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Das dreidimensionale Computersehen − Shape from Shading”, Autorin: Ute Katranski, VDM Verlag, 2008, ISBN: 978−3−83648096−3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、加工物の穿孔内の表面欠陥の検出に関して改善された、請求項1の上位概念に挙げた形式の穿孔検査装置を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、請求項1に記載された発明によって解決される。
【0009】
本発明の基本的な考えは、検査すべき表面のトポグラフィを検出するのに適するように、周知の装置を修正することである。そのことから出発して、本発明は、陰影画像に基づき表面のトポグラフィを検出するとの考えに基づいている。
【0010】
本発明は、照明機器が、表面のトポグラフィの陰影画像を生成するために、検査すべき表面を異なる照明方向から照明するように構成、設置されると規定する。更に、本発明は、評価機器が画像撮影機により撮影された陰影画像に基づきトポグラフィを検出するように構成、設置されると規定する。
【0011】
即ち、本発明では、検査すべき表面が、異なる照明方向から照明される。その結果得られた陰影画像が、光学系(結像光学系)と画像撮影機(画像センサ)を用いて撮影され、そのようにして、表面のトポグラフィを検出するために、評価機器により評価される。この場合、陰影画像の評価は、例えば、それ自体周知のシェープフロムシェーディング方法により行なわれる。
【0012】
本発明による穿孔検査装置が検査すべき表面のトポグラフィを検出するように構成されることによって、表面欠陥の存在を検出できるだけでなく、更に、表面欠陥が窪みであるか否かも検出できる。言い換えると、本発明による検査装置は、撮影した陰影画像から、検査すべき表面に関する深さ情報を取得することができる。
【0013】
このようにして、表面の汚染により起こる誤検出を軽減することができる。更に、周知の検査装置では検出できなかった形式の欠陥を検出することが可能である。
【0014】
本発明による穿孔検査装置の別の利点は、比較的簡単かつコンパクトに構成されることである。
【0015】
検査すべき内面を照明する異なる照明方向の数は、各要件に応じて広い限界内で選択することができる。この場合、本発明では、基本的に二つの異なる照明方向から内面を照明すれば、それで十分である。そのために、本発明の有利な改善構成は、照明機器が、第一の照明方向から内面を照明する少なくとも一つの第一の光源配列と第二の照明方向から内面を照明する少なくとも一つの第二の光源配列を備えると規定する。この場合、画像撮影機により撮影される、所望の判定精度の範囲内で有用な陰影画像が生成されるように、これらの照明方向が選択される。しかし、各要件に応じて、二つよりも多い照明方向から、特に、四つの照明方向から照明すると規定することもできる。この場合、四つの照明方向において、それぞれ二つ照明方向が対になって互いに対向するのが特に有利である。測定ヘッドにより規定される軸方向がz軸である場合、一方の照明方向が正のz方向に延び、他方の照明方向が負のz方向に延びることができる。そのような配置構成では、第三の照明方向が正のファイ方向(検査すべき内面の円周方向)に延び、第四の照明方向が負のファイ方向に延びることができる。そのような配置構成は、より良い精度で表面欠陥を検出、判定することが可能である。
【0016】
前記の実施形態の改善構成は、第一の光源配列が半径方向から表面を照明し、第二の光源配列が円周方向に接する方向から内面を照明するように構成、設置されると規定する。
【0017】
本発明の別の有利な改善構成は、加工物の穿孔の内面を均一に照明するために、少なくとも一つの光源配列が回転対称又はほぼ回転対称に内面を照明するように構成、設置されると規定する。本発明の文脈において、穿孔とは、如何なる手法で、例えば、ドリル又はそれ以外の切削処理方法を用いて、或いは注型又はそれと同様の手法により穴が加工物に開けられているのかに関係無く、加工物における如何なる回転対称又はほぼ回転対称な穴であると解釈する。本発明の文脈において、ほぼ回転対称な穴とは、穴の基本形状が対称形であるが、例えば、溝又はそれと同様のものを有することができると解釈する。本発明の文脈において、回転対称な穴とは、当然のことながら、基本形状が異常のために回転対称形からずれた穴であるとも解釈する。本発明では、内面のほぼ回転対称な照明とは、生成された陰影画像の判定に影響を与えないような最大規模で、照明の明るさが内面の円周方向において変化すると解釈する。
【0018】
本発明の別の有利な改善構成は、少なくとも一つの光源配列が円周方向にリング形状に配置された複数の光源を備え、有利には、これらの光源の少なくとも一部が発光ダイオードであると規定する。発光ダイオードは、簡単かつ安価な標準部品として入手でき、検査すべき内面を均一に照明することができる。
【0019】
本発明の特別有利な改善構成は、照明機器が軸方向に互いに間隔を開けた、有利には、互いに対向する方向に照射する少なくとも二つの光源配列を備えると規定する。そのような機器は、二つの照明方向から検査すべき表面を照明することができる。
【0020】
本発明では、二つの互いに対向する照明方向は、別個の光源配列により実現することができる。それは、特に、z方向に照射する光源配列に言えることである。しかし、本発明では、光源配列の照射方向を変えることによって、二つの互いに対向する照明方向からの照明を一つの同じ光源配列を用いて実現することも可能である。
【0021】
本発明の別の有利な改善構成は、光源配列を駆動する制御手段を規定する。
【0022】
前記の実施形態の改善構成は、この制御手段が異なる照明方向から時間的に順番に内面を照明するように構成、配置されると規定する。この実施形態では、例えば、特に、内面の各測定位置を異なる照明方向から順番に照明して、それに対応する陰影画像をそれぞれ画像撮影機により撮影することができる。そして、照明方向の数に対応する数の撮影された陰影画像を評価機器で評価することができる。
【0023】
本発明の別の有利な改善構成は、検査プロセスを加速するために、各照明方向が独自の照明色に対応付けられるとともに、画像撮影機がカラーセンサを備えると規定する。即ち、この実施形態では、検査すべき内面の各測定位置が、異なる照明方向から同時に照明される、詳しくは、照明方向毎に、別個の照明色により照明され、その結果得られた陰影画像が、それに応じて単一のカラー画像に組み合わされて、画像撮影機により撮影される。そのため、評価機器では、その結果得られたカラー画像に含まれる陰影画像は、異なる照明色に基づき区別されて、所要の手法により互いに分けて評価することができる。
【0024】
本発明の有利な改善構成は、軸方向に沿って内面を検査するために、測定ヘッドを軸方向に段階的又は連続的に送るための送り機器を測定ヘッドに配備すると規定する。
【0025】
本発明では、基本的に、円周方向において、限定された視角で各測定位置を向く光学系を使用することが可能であり、この場合、光学系は、円周方向において隙間無く内面を検査するために、中空空間の回転対称軸の方向を向く回転軸の周りを回転する。この点に関して、本発明の特別有利な改善構成は、光学系が全方向視界の光学系であると規定する。この実施形態では、内面は、有利には、360°の全視角に渡って撮影され、その結果、光学系の回転が基本的に不要となる。
【0026】
本発明の別の有利な改善構成は、少なくとも一つの測定ヘッド、有利には、照明機器を含む測定ヘッドが、検査すべき中空空間内に挿入することが可能な内視鏡として構成されると規定する。本発明による検査装置の測定ヘッドも照明機器も原理的に比較的小さい構造空間しか占有しないので、本発明の基本原理に基づき、比較的狭い穿孔に挿入することが可能な内視鏡も実現することができる。
【0027】
以下において、本発明による穿孔検査装置の実施例を大幅に模式化して図示した添付図面に基づき本発明を詳しく説明する。この場合、請求項に記載された特徴、明細書に記載された特徴及び図面に図示された特徴の全ては、それ自体でも、任意に互いに好適に組み合わせても、その請求項への統合形態及びその引用形態に関係無く、並びにその記載又は図面での図示に関係無く、本発明の対象を構成する。
【0028】
異なる照明方向からの照明により生成された陰影画像の評価は、例えば、特に、それ自体周知のシェープフロムシェーディング方法に基づき行なうことができる。この周知の方法の範囲内で陰影画像を評価する手法は、当業者に普遍的に知られており、従って、ここでは詳しく説明しない。陰影画像の評価に関しては、例えば、特に、非特許文献1を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による穿孔検査装置の測定ヘッドの実施例の断面図
図2図1による検査装置を軸方向から見た断面図
図3図2と比べて縮尺を拡大した図2の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下において、この実施例を説明するために、図1〜3を参照する。
【0031】
図1には、本発明による加工物8の回転対称な穿孔6の内面4を検査する穿孔検査装置(bore inspection device)2の実施例が大幅に模式化されて図示されており、この検査装置は、図1で一点鎖線12により表示された軸により軸方向を規定する測定ヘッド10を備えている。
【0032】
図1には、座標系14が図示され、それにより、z軸が軸12に対応し、円周方向が角度ファイにより規定されることが分かる。
【0033】
測定ヘッド12には、この実施例では、360°の全方向視界の光学系により構成された光学系(結像光学系)16が配置されている。それに対応して、光学系16は、軸12に沿った測定ヘッド12の位置に応じて、内面4において円周方向に360°に渡って延びる帯を捕捉する。この光学系16は、デジタル画像撮影機(カメラ)16及びその後に配置されたデジタル評価機器20と画像を伝送する形で接続されている。
【0034】
この穿孔検査装置2は、更に、内面4における光学系により捕捉される(帯形状の)撮影範囲を照明する照明機器22を備えている。
【0035】
本発明では、照明機器は、表面のトポグラフィの陰影画像を生成するために、異なる照明方向から検査すべき内面4を照明するように構成、設置され、評価機器20は、この画像撮影機により撮影された陰影画像に基づきトポグラフィを検出すように構成、設置される。
【0036】
図示された実施例では、照明機器は、この実施例では、負のz方向に対応する第一の照明方向から内面4を照明する第一の光源配列24を有する。
【0037】
図示された実施例では、照明機器22は、更に、この実施例では、正のz方向に対応する第二の照明方向から内面4を照明する役割を果たす第三の光源配列24’を有する(第二の光源配列に関しては、図3の符号32を参照)。図1から明らかな通り、これらの光源配列24,24’は、半径方向から内面4を照明するように構成されている。以下において、専ら光源配列24を詳しく説明する。光源配列24’は、それに対応して構成されており、従って、ここでは詳しく説明しない。
【0038】
光源配列24は、光学系16の縁26と接続されたリング形状の支持体28(図2を参照)を有し、この支持体には、円周方向に巡回する形でリング形状の光源が配置されており、これらの光源は、この実施例では、発光ダイオードにより構成され、図面では、その中の一つの発光ダイオードだけが符号30を付与されている(図3を参照)。従って、この発光ダイオードのリング形状の配置構成のために、第一の光源配列24は、円周方向に回転対称に内面4を照明するように構成されている。
【0039】
図示された実施例では、照明機器22は、更に、円周方向に360°の角度に渡ってリング形状に配置された複数の光源を備えた第二の光源配列32を有し、これらの光源は、この実施例では、発光ダイオード34により構成されている(図3を参照)。この第二の光源配列32は、発光ダイオード34が好適な光線案内部品を用いて円周方向に接する方向において図3で符号36により表示された正のファイ方向及び/又は図3で符号36’により表示された負のファイ方向に内面4を照明するように構成、設置されている。
【0040】
そのため、図示された実施例では、第二の光源配列32は、互いに対向する照明方向からの、即ち、第三の照明方向(正のファイ方向)と第四の照明方向(負のファイ方向)からの内面4の照明を実現している。
【0041】
そのため、内面4の測定位置を照明した場合、これら四つの照明方向の各々において、異なる陰影画像が得られる。図示された実施例では、画像撮影機18が、各照明方向に関して、別個の陰影画像を撮影することができる。即ち、それに対応して、測定位置が四つの照明方向から時間的に順番に照明されて、それぞれその結果得られた陰影画像が画像撮影機18により撮影されるように、詳しく図示されていない制御機器により、光源配列24,24’,32を時間的に順番に駆動することができる。そして、例えば、シェープフロムシェーディング方法により、別個に撮影した陰影画像を評価機器20で評価することができ、その結果、そのようにして、測定位置における内面4のトポグラフィを検出することができる。
【0042】
しかし、本発明では、四つの照明方向の各々を別個の照明色に対応付けることも可能である。それは、一方では光源配列24,24’が異なる照明色を有することを意味する。他方では、正のファイ方向に照射する発光ダイオードが第三の照明色を有し、負のファイ方向に照射する発光ダイオードが第四の照明色を有するように、光源配列32が構成される。それにより、異なる照明方向からの異なる照明色による照明から、個々の照明色により生成された陰影画像の重ね合わせから構成される単一のカラー画像が得られる。そして、この結果得られたカラー画像は、画像撮影機18のカラーセンサによって撮影される。そして、評価機器20では、個々の照明方向に、そのため、照明色に対応する陰影画像を色に基づき区別することができる。そして、個々の陰影画像から、又もや内面4のトポグラフィを検出することができる。
【0043】
この穿孔検査装置2を用いて、内面4の表面異常を判定する場合、検出したトポグラフィに基づき、それが隆起であるか、或いは窪みであるかを判定することができる。
【0044】
本発明による穿孔検査装置2は、より高い精度と速度で内面を検査することができ、表面の汚染による誤検出が軽減される。更に、これまで検出できなかった形式の欠陥を評価機器20で検知することが可能である。
【0045】
図1から明らかな通り、図示された実施例では、照明機器22を含む測定ヘッド10は、穿孔6に挿入することが可能な内視鏡として構成されている。
【0046】
この穿孔6をその軸方向の延びに沿って検査するために、図示された実施例では、軸方向に、即ち、軸12に沿って測定ヘッドを段階的又は連続的に送るための送り機器が検査装置2に配備されている。
【符号の説明】
【0047】
2 穿孔検査装置
4 内面
6 穿孔
8 加工物
10 測定ヘッド
12 軸
14 座標系
16 光学系
18 画像撮影機
20 評価機器
22 照明機器
24 第一の光源配列
24’ 第三の光源配列
26 光学系16の縁
28 支持体
30 発光ダイオード
32 第二の光源配列
34 発光ダイオード
36 正のファイ方向
36’ 負のファイ方向
図1
図2
図3