(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の通路を通行する大型車両を感知して大型車両感知信号を出力する大型車両感知手段であって、前記大型車両の前部又は前記大型車両の本体の前部が前記通路上の第1の位置に到達したときに前記大型車両感知信号の出力を開始し、前記大型車両の後部が前記第1の位置を通過した後に前記大型車両感知信号の出力を終了する大型車両感知手段と、
前記大型車両感知信号の出力開始に応答して、当該大型車両を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像のうち、前記第1の位置に対して車両進行方向とは反対方向へ所定距離だけ離れた前記通路上の第2の位置で車両の軸重を検出して当該検出された軸重が所定軸重を超えた場合に軸重違反検出信号を出力する軸重違反検出手段から、前記軸重違反検出信号が、前記大型車両感知信号の出力中に出力された場合に、前記撮影手段により最新に撮影された画像のみを、軸重違反車両の候補の画像としてではなく軸重違反車両の画像として識別する識別手段と、
を備え、
前記所定距離は、前記軸重違反検出手段から前記軸重違反検出信号が出力される場合において、当該軸重違反検出信号を招いた大型車両による前記大型車両感知信号の出力中に当該軸重違反検出信号が出力されるように設定された、
ことを特徴とする軸重違反車両撮影装置。
所定の通路を通行する大型車両を感知して大型車両感知信号を出力する大型車両感知手段であって、前記大型車両の前部又は前記大型車両の本体の前部が前記通路上の第1の位置に到達したときに前記大型車両感知信号の出力を開始し、前記大型車両の後部が前記第1の位置を通過した後に前記大型車両感知信号の出力を終了する大型車両感知手段と、
前記大型車両感知信号の出力開始に応答して、当該大型車両を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像のうち、前記第1の位置に対して車両進行方向とは反対方向へ所定距離だけ離れた前記通路上の第2の位置で車両の軸重を検出して当該検出された軸重が所定軸重を超えた場合に軸重違反検出信号を出力する軸重違反検出手段から、前記軸重違反検出信号が、前記大型車両感知信号の出力中に出力された場合に、前記撮影手段により最新に撮影された画像のみを、軸重違反車両の候補の画像としてではなく軸重違反車両の画像として識別する識別手段と、
を備え、
前記所定距離は、225mm以上かつ4500mm以下であることを特徴とする軸重違反車両撮影装置。
前記大型車両感知手段は、前記大型車両の後部が前記第1の位置を通過した直後から所定時間経過後に前記大型車両感知信号の出力を終了することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の軸重違反車両撮影装置。
前記大型車両感知手段は、前記大型車両が遮断するとともに小型車両が遮断しない高い位置において前記通路を横切る第1のビームを発するとともに、前記第1のビームが遮断されているときに第1の感知信号を出力する第1の感知信号を出力する第1の感知器と、前記第1の感知器の感知信号に基づいて、前記大型車両感知信号を出力させる信号処理手段と、を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の軸重違反車両撮影装置。
前記信号処理手段は、前記大型車両感知信号が出力されていない状態で前記第1の感知信号の出力が開始されたときに前記大型車両感知信号の出力を開始させるとともに、前記大型車両感知信号が出力されている状態で前記第1の感知信号の出力が終了した時点から所定時間経過する時点までの間に前記第1の感知信号の出力が開始されない場合に、前記所定時間経過したときに前記大型車両感知信号の出力を終了させることを特徴とする請求項6記載の軸重違反車両撮影装置。
前記大型車両感知手段は、前記高い位置より低くて大型特殊車両の前頭部上方の突起物より低い位置において前記通路を横切る第2のビームであって、前記第1のビームに対して車両進行方向には間隔をあけないかあるいは間隔をあけて近接する第2のビームを発するとともに、該第2のビームが遮断されているときに第2の感知信号を出力する第2の感知器を、更に有し、
前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知器の感知信号に基づいて、前記大型車両感知信号を出力させる、
ことを特徴とする請求項6記載の軸重違反車両撮影装置。
前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知信号の両方が出力されていない状態から前記第1の感知信号の出力が開始された場合に、前記第1の感知信号の出力開始後に前記第2の感知信号の出力が開始されたときに前記大型車両感知信号を出力させるとともに、前記状態から前記第2の感知信号の出力が開始された場合に、前記第2の感知信号の出力中に前記第1の感知信号の出力が開始されたときに前記大型車両感知信号を出力させ、
前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知信号の出力が両方とも終了したときに前記大型車両感知信号の出力を終了させる、
ことを特徴とする請求項8記載の軸重違反車両撮影装置。
前記記憶させる手段による前記画像の前記第2の記憶手段への記憶が完了した後に、当該画像に対応する前記第1の記憶手段内の画像の記憶領域を開放する手段を、備えたことを特徴とする請求項12記載の軸重違反車両撮影装置。
前記大型車両感知信号の出力中に前記軸重違反検出信号が出力されることなく当該大型車両感知信号の出力が終了した後に、当該大型車両感知信号の出力開始に応答して前記撮影手段により撮影された画像の前記第1の記憶手段内の記憶領域を、開放する手段を、備えたことを特徴とする請求項12又は13記載の軸重違反車両撮影装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の車軸重量違反車両検出システムでは、撮影された映像に含まれるナンバープレートを画像認識した結果に基づいて前記違反車両の候補から車軸重量の基準に違反していない車両を識別して除外している。具体的には、軸重違反の可能性があるのは、ナンバープレートサイズが大板の車両か、ナンバープレートサイズが中板であって1ナンバーまたは8ナンバーの車両(普通トラック等)であることに鑑み、中板且つ用途コード(小数字)が1と8以外の数字である車両を、軸重違反車両候補から除外している。
【0006】
したがって、ナンバープレートの画像認識精度は100%ではないので、前記従来の車軸重量違反車両検出システムでは、その画像認識精度に応じて、2台の軸重違反車両候補から真の軸重違反車両を選択する精度が低下してしまう。また、例えば、前記従来の車軸重量違反車両検出システムでは、2台の軸重違反車両候補がいずれも、中板且つ用途コード(小数字)が1又は8の数字である車両である場合には、いずれが真の軸重違反車両であるかを識別することができない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軸重違反車両の正面側を適切に撮影することができるとともに、撮影された画像のうちから軸重違反車両の画像を精度良く識別することができる軸重違反車両撮影装置、及び、これを用いた軸重違反車両撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による軸重違反車両撮影装置は、所定の通路を通行する大型車両を感知して大型車両感知信号を出力する大型車両感知手段であって、前記大型車両の前部又は前記大型車両の本体の前部が前記通路上の第1の位置に到達したときに前記大型車両感知信号の出力を開始し、前記大型車両の後部が前記第1の位置を通過した後に前記大型車両感知信号の出力を終了する大型車両感知手段と、前記大型車両感知信号の出力開始に応答して、当該大型車両を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像のうち、前記第1の位置に対して車両進行方向とは反対方向へ所定距離だけ離れた前記通路上の第2の位置で車両の軸重を検出して当該検出された軸重が所定軸重を超えた場合に軸重違反検出信号を出力する軸重違反検出手段から、前記軸重違反検出信号が、前記大型車両感知信号の出力中に出力された場合に、前記撮影手段により最新に撮影された画像を、軸重違反車両の画像として識別する識別手段と、を備え、前記所定距離は、前記軸重違反検出手段から前記軸重違反検出信号が出力される場合において、当該軸重違反検出信号を招いた大型車両による前記大型車両感知信号の出力中に当該軸重違反検出信号が出力されるように設定されたものである。
【0009】
この第1の態様によれば、大型車両が軸重違反車両であるか否かに拘わらず、大型車両の前部又は前記大型車両の本体の前部が前記通路上の第1の位置に到達したときに当該大型車両が撮影手段により撮影されるので、軸重違反車両の側面が撮影されてしまうような事態が防止され、軸重違反車両の正面側を適切に撮影することができる。そして、前記第1の態様では、大型車両感知信号は、大型車両の前部又は前記大型車両の本体の前部が前記通路上の第1の位置に到達したときに出力が開始されるとともに前記大型車両の後部が前記第1の位置を通過した後に出力が終了され、前記第1の位置とこれに対して上流側に位置する前記第2の位置との間の所定距離が、前記軸重違反検出手段から前記軸重違反検出信号が出力される場合において、当該軸重違反検出信号を招いた大型車両による前記大型車両感知信号の出力中に当該軸重違反検出信号が出力されるように設定されているので、前記軸重違反検出信号が出力された場合に、前記撮影手段により最新に撮影された画像は、確実に、軸重違反車両の画像となる。したがって、本実施の形態によれば、識別手段が、前記軸重違反検出信号が前記大型車両感知信号の出力中に出力された場合に、前記撮影手段により最新に撮影された画像を、軸重違反車両の画像として識別するので、撮影された画像のうちから軸重違反車両の画像を精度良く識別することができる。
【0010】
第2の態様による軸重違反車両撮影装置は、所定の通路を通行する大型車両を感知して大型車両感知信号を出力する大型車両感知手段であって、前記大型車両の前部又は前記大型車両の本体の前部が前記通路上の第1の位置に到達したときに前記大型車両感知信号の出力を開始し、前記大型車両の後部が前記第1の位置を通過した後に前記大型車両感知信号の出力を終了する大型車両感知手段と、前記大型車両感知信号の出力開始に応答して、当該大型車両を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像のうち、前記第1の位置に対して車両進行方向とは反対方向へ所定距離だけ離れた前記通路上の第2の位置で車両の軸重を検出して当該検出された軸重が所定軸重を超えた場合に軸重違反検出信号を出力する軸重違反検出手段から、前記軸重違反検出信号が、前記大型車両感知信号の出力中に出力された場合に、前記撮影手段により最新に撮影された画像を、軸重違反車両の画像として識別する識別手段と、を備え、前記所定距離は、225mm以上かつ4500mm以下であるものである。
【0011】
前記所定距離が225mm以上かつ4500mm以下であるので、前記所定距離は、前記軸重違反検出手段から前記軸重違反検出信号が出力される場合において、当該軸重違反検出信号を招いた大型車両による前記大型車両感知信号の出力中に当該軸重違反検出信号が出力されるように設定されていることになる。
【0012】
したがって、この第2の態様によれば、前記第1の実施の形態と同様に、軸重違反車両の側面が撮影されてしまうような事態が防止され、軸重違反車両の正面側を適切に撮影することができるとともに、撮影された画像のうちから軸重違反車両の画像を精度良く識別することができる。
【0013】
第3の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第1又は第2の態様において、前記大型車両感知手段は、小型車両の車高よりも高い所定車高以上の車高を有する車両を、前記大型車両として感知するものである。
【0014】
この第3の態様は、大型車両の判別を車高により行う例を挙げたものである。
【0015】
第4の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記大型車両感知手段は、前記大型車両の後部が前記第1の位置を通過した直後から所定時間経過後に前記大型車両感知信号の出力を終了するものである。
【0016】
この第4の態様は、大型車両感知手段の出力の終了時点の例を挙げたものである。
【0017】
第5の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記大型車両感知手段は、前記大型車両が遮断するとともに小型車両が遮断しない高い位置において前記通路を横切る第1のビームを発するとともに、前記第1のビームが遮断されているときに第1の感知信号を出力する第1の感知信号を出力する第1の感知器と、前記第1の感知器の感知信号に基づいて、前記大型車両感知信号を出力させる信号処理手段と、を有するものである。
【0018】
この第5の態様は、小型車両の車高よりも高い所定車高以上の車高を有する車両を大型車両として感知する場合の具体例を挙げたものである。
【0019】
第6の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第5の態様において、前記信号処理手段は、前記大型車両感知信号が出力されていない状態で前記第1の感知信号の出力が開始されたときに前記大型車両感知信号の出力を開始させるとともに、前記大型車両感知信号が出力されている状態で前記第1の感知信号の出力が終了した時点から所定時間経過する時点までの間に前記第1の感知信号の出力が開始されない場合に、前記所定時間経過したときに前記大型車両感知信号の出力を終了させるものである。
【0020】
この第6の態様によれば、大型車両がその途中に前記第1のビームを遮らないような部分(例えば、運転席部と荷台部との間の隙間)を有する場合であっても、適切な大型車両感知信号を得ることができ、ひいては、撮影された画像のうちから軸重違反車両の画像をより精度良く識別することができる。
【0021】
第7の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第5の態様において、前記大型車両感知手段は、前記高い位置より低くて大型特殊車両の前頭部上方の突起物より低い位置において前記通路を横切る第2のビームであって、前記第1のビームに対して車両進行方向には間隔をあけないかあるいは間隔をあけて近接する第2のビームを発するとともに、該第2のビームが遮断されているときに第2の感知信号を出力する第2の感知器を、更に有し、前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知器の感知信号に基づいて、前記大型車両感知信号を出力させるものである。
【0022】
この第7の態様によれば、大型車両感知手段が前記第1の感知器のみならず前記第2の感知器を有しているので、大型車両が大型トラックなどの通常の大型車両である場合のみならずトラック・クレーンやラフター・クレーン等の大型特殊車両である場合であっても、当該大型車両を適切に撮影することができる。
【0023】
第8の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第7の態様において、前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知信号の両方が出力されていない状態から前記第1の感知信号の出力が開始された場合に、前記第1の感知信号の出力開始後に前記第2の感知信号の出力が開始されたときに前記大型車両感知信号を出力させるとともに、前記状態から前記第2の感知信号の出力が開始された場合に、前記第2の感知信号の出力中に前記第1の感知信号の出力が開始されたときに前記大型車両感知信号を出力させ、前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知信号の出力が両方とも終了したときに前記大型車両感知信号の出力を終了させるものである。
【0024】
この第8の態様は、前記第7の態様の具体例を挙げたものである。
【0025】
第9の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第7の態様において、前記第2のビームは、前記第1のビームに対して車両進行方向には間隔をあけて近接するとともに前記第1のビームに対して車両進行方向の側に位置し、前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知信号の両方が出力されていない状態から前記第1の感知信号の出力が開始した場合に、前記第1の感知信号の出力開始後に前記第2の感知信号の出力が開始されたときに前記大型車両感知信号を出力させ、前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知信号の出力が両方とも終了したときに前記大型車両感知信号の出力を終了させるものである。
【0026】
この第9の態様は、前記第7の態様の他の具体例を挙げたものである。
【0027】
第10の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第7の態様において、前記第2のビームは、前記第1のビームに対して車両進行方向には間隔をあけて近接するとともに前記第1のビームに対して車両進行方向の側に位置し、前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知信号の両方が出力されていない状態から前記第1の感知信号の出力が開始した場合に、前記第1の感知信号の出力開始後に前記第2の感知信号の出力が開始されたときに前記大型車両感知信号を出力させるとともに、前記状態から前記第2の感知信号の出力が開始された場合において、前記第2の感知信号の出力中に前記第1の感知信号の出力が開始された場合に、前記第2の感知信号の出力が一旦終了された後に再び開始されたときに前記大型車両感知信号を出力させ、前記信号処理手段は、前記第1及び第2の感知信号の出力が両方とも終了したときに前記大型車両感知信号の出力を終了させるものである。
【0028】
この第10の態様は、前記第7の態様の更に他の具体例を挙げたものである。
【0029】
第11の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第1乃至第10のいずれかの態様において、前記撮影手段により撮影された画像を記憶する第1の記憶手段と、第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像のうち、前記識別手段により軸重違反車両の画像として識別された画像を、そのまま又は所定の加工を施した後に、前記第2の記憶手段に記憶させる手段と、を備えたものである。
【0030】
この第11の態様によれば、前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段を備えているので、前記第1の記憶手段を画像の一時的な保存場所として利用するとともに、前記第2の記憶手段を軸重違反車両の画像の本保存場所として利用することができ、画像の取り扱いが容易になる。
【0031】
第12の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第11の態様において、前記記憶させる手段による前記画像の前記第2の記憶手段への記憶が完了した後に、当該画像に対応する前記第1の記憶手段内の画像の記憶領域を開放する手段を、備えたものである。
【0032】
この第12の態様によれば、前記第1の記憶手段の記憶容量を抑えることができる。
【0033】
第13の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第11又は第12の態様において、前記大型車両感知信号の出力中に前記軸重違反検出信号が出力されることなく当該大型車両感知信号の出力が終了した後に、当該大型車両感知信号の出力開始に応答して前記撮影手段により撮影された画像の前記第1の記憶手段内の記憶領域を、開放する手段を、備えたものである。
【0034】
この第13の態様によれば、前記第1の記憶手段の記憶容量を抑えることができる。もっとも、前記第11及び第12の態様において、前記大型車両感知信号の出力中に前記軸重違反検出信号が出力されることなく当該大型車両感知信号の出力が終了した後に、当該大型車両感知信号の出力開始に応答して前記撮影手段により撮影された画像は、必要に応じて、当該大型車両が軸重違反車両でないことがわかるようにして保存しておいてもよい。
【0035】
第14の態様による軸重違反車両撮影装置は、前記第1乃至第13のいずれかの態様による軸重違反車両撮影装置と、前記軸重違反検出手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、軸重違反車両の正面側を適切に撮影することができるとともに、撮影された画像のうちから軸重違反車両の画像を精度良く識別することができる軸重違反車両撮影装置、及び、これを用いた軸重違反車両撮影システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明による軸重違反車両撮影装置及びこれを用いた軸重違反車両撮影システムについて、図面を参照して説明する。
【0039】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による軸重違反車両撮影システム1の概略構成を示すブロック図である。
図2は、本実施の形態による軸重違反車両撮影システム1を高速道路の料金所入路に設置した状態を示す図であり、
図2(a)はその平面図、
図2(b)は
図2(a)中のC−C’矢視図である。
【0040】
本実施の形態による軸重違反車両撮影システム1は、
図1に示すように、載荷板5と、軸重測定装置6と、軸重違反車両撮影装置7とを備えており、高速道路の料金所入路に設置されている。軸重違反車両撮影装置7は、大型車両感知部11と、撮影手段としてのカメラ12と、制御部13とを備えている。
【0041】
図2において、2はアイランド、3はブース、4は車両100が通過する通路としてのレーンであり、レーン4の所定箇所には、レーン4を通過する車両100のタイヤ通過時に軸重を計測する軸重検出部としての載荷板5が配置されている。
図1に示す軸重測定装置6は、載荷板5からの出力に基づいて、検出された軸重が予め設定した軸重を超えたときに軸重違反検出信号を出力するように構成されている。本実施の形態では、載荷板5及び軸重測定装置6が、車両100の軸重を検出して当該検出された軸重が所定軸重を超えた場合に軸重違反検出信号を出力する軸重違反検出手段を構成している。前記軸重違反検出信号は、軸重違反車両撮影装置7の制御部13の通信インターフェース36に供給される。本実施の形態では、軸重測定装置6は、制御部13からの要求に応じて、軸重違反情報(例えば、時刻、地点名、軸重、車速等)も制御部13に供給する。なお、前記軸重検出部は、載荷板5に限らず、例えば、それに代えて又はそれに加えて、動荷重を検出するセンサなどを用いて構成してもよい。
【0042】
大型車両感知部11は、レーン4を通行する大型車両100を感知して大型車両感知信号を出力するものであり、大型車両100の前部又は大型車両100の本体の前部がレーン4上の第1の位置(載荷板5による軸重検出位置(第2の位置)に対して車両進行方向へ所定距離Lだけ離れた位置)に到達したときに前記大型車両感知信号の出力を開始し、大型車両100の後部が前記第1の位置を通過した後に前記大型車両感知信号の出力を終了する。以下の説明において、前記大型車両感知信号は、「H」のとき感知状態で出力状態を示し、「L」のとき非感知状態で非出力状態を示すものとする。本実施の形態では、大型車両感知部11は、
図1に示すように、感知器21と、信号処理部22とを有している。
【0043】
感知器21は、
図2に示すように、載荷板5に対する車両進行方向側(
図2中の右側)であるアイランド2のブース3近傍に設けられている。感知器21は、
図2(b)に示すように、大型車両が遮断するとともに小型車両が遮断しない高い位置(例えば、高さH1=2.3mの位置)において同一高さを維持するようにレーン4を横切る検出ビーム21dを発するとともに、該検出ビーム21dが遮断されているときに感知信号SAを出力する。したがって、感知器21は、所定高さ以上の車高の車両である大型車両を検出することになる。以下の説明において、感知信号SAは、「H」のとき感知状態で出力状態を示し、「L」のとき非感知状態で非出力状態を示すものとする。
【0044】
本実施の形態では、
図1及び
図2に示すように、感知器21は、発光器21a及び受光器21bを有し、発光器21aから発せられる検出ビーム21dとしての赤外線ビームが反射器21cで反射されて受光器21bで受光されようになっている。もっとも、感知器21は、いわゆる透過型のものであってもよいし、超音波式のもの等であってもよい。
【0045】
信号処理部22は、感知器21からの感知信号SAに基づいて、前記大型車両感知信号を出力させる。本実施の形態では、信号処理部22は、前記大型車両感知信号が出力されていない状態(大型車両感知信号がLの状態)で感知信号SAの出力が開始されたとき(感知信号SAがLからHとなったとき)に前記大型車両感知信号の出力を開始させる(大型車両感知信号のHを開始させる)とともに、前記大型車両感知信号が出力されている状態(大型車両感知信号がHの状態)で感知信号SAの出力が終了した(感知信号SAがHからLとなった)時点から所定時間Δt経過する時点までの間に感知信号SAの出力が開始されない(感知信号SAがLからHとならない)場合に、所定時間Δt経過したときに前記大型車両感知信号の出力を終了させる(大型車両感知信号をLにする)。この場合、大型車両100の後部が前記第1の位置を通過した直後から所定時間Δt経過後に前記大型車両感知信号の出力が終了される(大型車両感知信号がLにされる)ことになる。所定時間Δtは、例えば、100msec〜300msecに設定することができる。信号処理部22は、具体的には、、論理回路やCPU等を用いて構成することができる。
【0046】
図2に示すように、感知器21に対する車両進行方向側の位置のアイランド2上には、撮影装置としてのカメラ12が、撮影位置付近、すなわち、感知器21の検出ビーム21dの位置(第1の位置)に達した車両100の前面を撮影する方向に向けて配置されている。カメラ12は、軸重違反車両100の前面を感知器21の検出ビーム21dを遮断した位置(第1の位置)で最適に撮影できるように設定されている。本実施の形態では、カメラ12としては、いわゆるスチルカメラ等の電子カメラを用いられている。もっとも、本発明では、カメラ12として、フィルム式のカメラを用いてもよい。なお、図面には示していないが、カメラ12と同期して発光するストロボ等の発光光源も前記撮影装置の一部として設けられている。
【0047】
制御部13は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、ハードディスク等の記憶装置34と、入出力インターフェース35と、通信インターフェース36と、これらを相互に接続するバス37とを備えている。ROM32は、CPU31が後述する動作を行うためのプログラム等が格納されている。本実施の形態では、RAM33が、カメラ12により撮影された画像を一時的に記憶する第1の記憶手段として用いられ、記憶装置34が、前記第1の記憶手段により記憶された画像のうち軸重違反車両として識別された画像又はそれに対して所定の加工が施された画像を記憶する第2の記憶手段として用いられている。もっとも、前記第1及び第2の記憶手段は、これらに限らない。例えば、前記第2の記憶手段として、通信回線(図示せず)を介して通信インターフェース36に接続されたサーバーのハードディスク等の記憶部を用いてもよい。
【0048】
制御部13は、通信インターフェース36を介して、軸重測定装置6から軸重違反検出信号や軸重違反情報を受け取るとともに、軸重測定装置6に対して軸重違反情報の要求を送出する。また、制御部13は、後述するタイミングで、入出力インターフェース35を介して撮影信号をカメラ12に供給し、カメラ12に撮影動作を行わせ、カメラ12により撮影された画像を入出力インターフェース35を介して受け取る。これらの動作を含む制御部13の動作については、後に
図5及び
図6に示すフローチャートを参照して説明する。以下の説明では、撮影信号は、「H」のとき撮影指令状態で出力状態を示し、「L」のとき非撮影指令状態で非出力状態を示すものとする。
【0049】
ここで、実際の車両100の位置関係に応じた本実施の形態による軸重違反車両撮影システム1の動作例について、
図3及び
図4を参照して説明する。
【0050】
図3は、本実施の形態による軸重違反車両撮影システム1における各状態の車両100の位置関係を示す概略側面図である。
図4は、本実施の形態による軸重違反車両撮影システム1の動作の一例を示すタイムチャートである。
図3において、車両100のハッチングを付したタイヤは、違反軸(軸重違反に係る車軸)のタイヤを示している。
図3において、車両100は、大型トラック等の前頭部上方の突起物を有しない通常の大型車両を示している。
【0051】
図3(a)に示す状態1は、大型車両100の前部がちょうど感知器21の検出ビーム21dを遮る位置(第1の位置)に到達した状態である。
図4では、時点t1で状態1となっている。時点t1より前は、感知信号SAがLであるとともに大型車両感知信号がLであったが、時点t1で、検出ビーム21dが遮られて、感知信号SAがHとなるとともに大型車両感知信号がHとなる。時点t1で、大型車両感知信号がLからHになったことに応答して、撮影信号が所定期間Hとなり、カメラ12が撮影動作を行い、大型車両100が軸重違反車両であるか否かに拘わらず、大型車両100の正面側が適切に撮影される。
【0052】
図3(b)に示す状態2は、大型車両100の違反軸のタイヤが載荷板5上に載った状態を示している。この状態で、軸重測定装置6からの軸重違反検出信号がHとなる。
図4では、時点t1後の時点t4で状態2となっており、軸重違反検出信号は、時点t1から所定時間Hとなっている。
【0053】
図4に示すように、時点t1後の時点t2から時点t4前の時点t3までの期間において、感知信号SAが一旦Lになっている。これは、例えば、大型車両100において運転席部と荷台部との間に隙間が存在し、検出ビーム21dがその隙間を通過することにより、時点t2から時点t3までの期間だけ感知信号SAがLとなることにより生ずる。しかし、時点t2から時点t3までの期間は、前記所定期間Δtよりも短いため、この期間においても、大型車両感知信号はHに維持されている。
【0054】
図3(c)に示す状態3は、大型車両100の後部がちょうど感知器21の検出ビーム21dを遮る位置(第1の位置)を通過していく状態である。
図4では、時点t5で状態3となっている。時点t5より前は、感知信号SAがHであるとともに大型車両感知信号がHであったが、時点t5で、検出ビーム21dが遮られなくなって、感知信号SAがLとなる。時点t5から前記所定時間Δtを経過する時点t6までの間に、感知信号SAはHにならないので、大型車両感知信号は時点t6までHに維持された後に時点t6でLにされる。
【0055】
そして、本実施の形態では、大型車両感知信号の出力開始位置である前記第1の位置(本実施の形態では、感知信号SAの感知器21の検出ビーム21dの車両進行方向位置)と載荷板5による軸重検出位置(第2の位置)との間の距離Lは、軸重測定装置6から前記軸重違反検出信号が出力される場合(軸重違反検出信号がHの場合)において、当該軸重違反検出信号を招いた大型車両100による大型車両感知信号の出力中に(大型車両感知信号がHとなっているときに)当該軸重違反検出信号が出力されるように、設定されている。換言すれば、大型車両100が軸重違反車両であれば、当該大型車両100による軸重違反検出信号は、必ず、当該大型車両100による大型車両感知信号がHである期間(例えば、
図4中の時点t1から時点t6までの期間)において出力されるように、所定距離Lが設定されている。したがって、本実施の形態では、前記軸重違反検出信号が出力された場合に、カメラ12前記撮影手段により最新に撮影された画像は、確実に、軸重違反車両の画像となる。
【0056】
具体的には、所定距離Lは、例えば、225mm以上かつ4500mm以下に設定される。所定距離Lを225mm以上かつ4500mm以下に設定に設定すると、軸重違反検出信号がHとなる場合において、当該軸重違反検出信号のHを招いた大型車両100による大型車両感知信号のH中に当該軸重違反検出信号がHとなる。ここで、所定距離Lを225mm以上としているのは、大型車両の最後段の車軸を検出してから軸重違反を検出するまでに大型車両が前進し、大型車両感知信号がLになった後に軸重違反検出信号がHになるという事態を防ぐためであり、大型車両の最大通過速度が時速80km(料金所に設置するETC設備の制限速度)以下であることを考慮するとともに、車軸が載荷板5による軸重検出位置(第2の位置)に到達した時点から遅くとも約10msec後には軸重違反が検出できる(軸重違反検出信号がHになる)ことを考慮したものである。すなわち、所定距離Lを225mm以上にすると、大型車両が80km以下で通過するとともに軸重違反検出信号の出力遅延時間が約10msec以下であれば、前記事態を防ぐことができる。また、所定距離Lを4500mm以下としているのは、車長が短い大型車両の車軸を軸重違反として捉え、大型車両感知信号がHになる前に軸重違反検出信号がHになるのを防ぐためであり、大多数の大型車両では、本体の前面から最後段の車軸までの距離が4500mmを下回ることがないことを考慮したものである。
【0057】
次に、軸重違反車両撮影装置7の制御部13の動作について、
図5及び
図6を参照して説明する。
図5は、軸重違反車両撮影システム1の軸重違反車両撮影装置7の制御部13の動作を示す概略フローチャートである。
図6は、制御部13の動作を示す他の概略フローチャートである。
【0058】
制御部13のCPU31は、後述する
図6に示す処理を行っている際に、前記大型車両感知信号が立ち上がる(LからHとなる)度に、
図5に示す割り込み処理を開始する。例えば、CPU31は、
図3(a)に示す状態1となった
図4中の時点t1で、
図5に示す割り込み処理を開始する。
【0059】
図5に示す割り込み処理を開始すると、CPU31は、まず、入出力インターフェース35を介して撮影信号(H)をカメラ12に供給し、カメラ12に撮影動作を行わせる(ステップS1)。
【0060】
次に、CPU31は、ステップS1で供給した撮影信号(H)に応答してカメラ12が撮影した画像(大型車両100の正面側の画像)を、入出力インターフェース35を介して取り込んでRAM(内部メモリ)33に一時的に記憶させる(ステップS2)。このとき、先に撮影された画像がRAM33に既に記憶されており、当該先の画像のRAM33内の記憶領域が後述するステップS12又はステップS24で開放されていない場合には、CPU31は、当該先の画像を毀損することなく、直前のステップS1で撮影された画像を、RAM33内の空いている記憶領域に記憶させる。
【0061】
次いで、CPU31は、前記大型車両感知信号がHであるか否かを検出する(ステップS3)。前記大型車両感知信号がHでなければ、ステップS12へ移行する一方で、前記大型車両感知信号がHであれば、ステップS4へ移行する。ステップS4において、CPU31は、前記軸重違反検出信号がHであるか否かを判定する。前記軸重違反検出信号がHでなければ、ステップS3へ戻る一方、前記軸重違反検出信号がHであれば、ステップS5へ移行する。
【0062】
したがって、本実施の形態では、当該割り込み処理を開始するに際して前記大型車両感知信号をHにした大型車両100が軸重違反車両であれば、当該大型車両100により軸重違反検出信号がHとなるまで(例えば、
図3(b)に示す状態2となった
図4中の時点t4まで)、ステップS3でYESかつステップS4でNOを繰り返し、その後にステップS4でYESとなってステップS5へ移行する。一方、当該割り込み処理を開始するに際して前記大型車両感知信号をHにした大型車両100が軸重違反車両でなければ、
図4に示す場合と異なり当該大型車両100により軸重違反検出信号がHとなることはないので、当該大型車両100の後部が前記第1の位置(本実施の形態では、感知信号SAの感知器21の検出ビーム21dの車両進行方向位置)を通過した直後から所定時間Δt経過する時点まで(例えば、
図3(c)に示す状態3となった
図4中の時点t5から所定時間Δtを経過する時点t6まで)、ステップS3でYESかつステップS4でNOを繰り返し、その後にステップS3でNOとなってステップS12へ移行する。
【0063】
本実施の形態では、ステップS3及びステップS4は、前記大型車両感知信号が出力中(H中)に前記軸重違反検出信号が出力された(Hとなった)か否かを判定することによって、ステップS1で最新に撮影されてステップS2でRAM33に記憶された画像が、軸重違反車両の画像であるか否かを識別する識別手段に、相当している。ステップS4でYESの場合が、ステップS1で最新に撮影されてステップS2でRAM33に記憶された画像を、軸重違反車両の画像であるとして識別する場合に相当し、ステップS3でNOの場合が、ステップS1で最新に撮影されてステップS2でRAM33に記憶された画像を、軸重違反車両の画像ではない(すなわち、非軸重違反車両の画像である)として識別する場合に相当している。
【0064】
ステップS12において、CPU31は、ステップS1で最新に撮影されてステップS2でRAM33に記憶された画像(ここでは、非軸重違反車両の画像)の、RAM33内の記憶領域を開放し、一連の割り込み処理を終了する。もっとも、CPU31は、ステップS3でNOの場合、ステップS12の処理の前に、ステップS1で最新に撮影されてステップS2でRAM33に記憶された画像(ここでは、非軸重違反車両の画像)を、例えば記憶装置34の非軸重違反車両画像用の記憶領域に記憶させて、残すようにしてもよい。
【0065】
ステップS5において、CPU31は、通信インターフェース36を介して、軸重測定装置6に対して、ステップS4でYESと判定された軸重違反検出信号(H)に対応して得られた軸重違反情報(例えば、時刻、地点名、軸重、車速等)を要求する通信を行う。
【0066】
次に、CPU31は、軸重違反情報を取得するための軸重測定装置6との通信が完了したか否かを判定する(ステップS6)。このとき、CPU31は、CPU31からのN回(Nは2以上の整数)内の軸重違反情報の要求に応答して軸重測定装置6から軸重違反情報を取得することができた場合(正常通信の場合)、及び、CPU31からのN回目の軸重違反情報の要求に応答して軸重測定装置6から軸重違反情報を取得することができなかった場合(異常通信の場合)に、軸重違反情報を取得するための軸重測定装置6との通信が完了したと判定する。また、ステップS6において、CPU31は、CPU31からのN−1回目までの軸重違反情報の要求に応答して軸重測定装置6から軸重違反情報を取得することができなかった場合には、軸重違反情報を取得するための軸重測定装置6との通信が完了していないと判定し、ステップS5へ戻る。
【0067】
ステップS6において軸重違反情報を取得するための軸重測定装置6との通信が完了したと判定されると、CPU31は、軸重違反情報を取得するための軸重測定装置6との通信が正常に終了したか否か(すなわち、前記正常通信であったか前記異常通信であったか)を判定する(ステップS7)。ステップS7において前記通信が正常に終了したと判定されると、ステップS8へ移行する一方、ステップS7において前記通信が正常に終了しなかったと判定されると、ステップS9へ移行する。
【0068】
ステップS8において、CPU31は、ステップS1で最新に撮影されてステップS2でRAM33に記憶された画像(ここでは、軸重違反車両の画像)に、前記通信により軸重測定装置6から取得した軸重違反情報を貼り付け、その貼り付け後の画像を、元の画像に上書きするようにRAM33に記憶させる。本実施の形態では、軸重違反情報を撮影画像に貼り付けるという加工が行われているが、撮影画像に対して加工を行わず撮影画像をそのままとし、撮影画像に対して軸重違反情報を関連づけ、互いに関連付けられた撮影画像と軸重違反情報とを別データとして、後述する
図6中のステップS22で、それぞれ記憶装置34に記憶させるようにしてもよい。
【0069】
ステップS8の後、CPU31は、ステップS8においてRAM33に記憶された前記貼り付け後の画像を記憶装置34に記憶させる旨のタスクを示す、本保存タスク情報を、生成してRAM33に記憶させ(ステップS10)、一連の割り込み処理を終了する。
【0070】
ステップS9において、CPU31は、ステップS1で最新に撮影されてステップS2でRAM33に記憶された画像(ここでは、軸重違反車両の画像)に、前記通信が正常に行われずに伝送異常であった旨を示すマーク“E”を貼り付け、その貼り付け後の画像を、元の画像に上書きするようにRAM33に記憶させる。本実施の形態では、マーク“E”を撮影画像に貼り付けるという加工が行われているが、撮影画像に対して加工を行わず撮影画像をそのままとし、撮影画像に対してマーク“E”を関連づけ、互いに関連付けられた撮影画像とマーク“E”とを別データとして、後述する
図6中のステップS22で、それぞれ記憶装置34に記憶させるようにしてもよい。
【0071】
ステップS9の後、CPU31は、ステップS9においてRAM33に記憶された前記貼り付け後の画像を記憶装置34に記憶させる旨のタスクを示す、本保存タスク情報を、生成してRAM33に記憶させ(ステップS11)、一連の割り込み処理を終了する。
【0072】
ここで、
図6に示す処理について、説明する。
【0073】
CPU31は、動作を開始すると、まず、前述したステップS10又はS11で生成されたRAM33に記憶されかつ後述するステップS24で削除されていない本保存タスク情報が、あるか否かを判定する(ステップS21)。CPU31は、その本保存タスク情報がなければ、ステップS21を繰り返し、本保存タスク情報が前述したステップS10又はS11で生成されたRAM33に記憶されるまで、待つ。
【0074】
ステップS21において本保存タスク情報があると判定されると、CPU31は、そのうちの1つの本保存タスク情報が示すタスク(すなわち、RAM33に記憶されている所定の貼り付け後の画像を記憶装置34に記憶させること)を、実行する(ステップS22)。
【0075】
次に、CPU31は、ステップS22で記憶装置34に記憶された前記所定の貼り付け後の画像の、RAM33内の記憶領域を開放する(ステップS23)。
【0076】
その後、CPU31は、ステップS22で実行したタスクを示す本保存タスク情報を、RAM33内から削除し(ステップS24)、ステップS21へ戻る。
【0077】
このように、本実施の形態では、
図6に示す処理を行っている際に、前記大型車両感知信号が立ち上がる(LからHとなる)度に、
図5に示す割り込み処理を行うので、RAM33内の画像を記憶装置34に記憶させる動作に時間を要する場合であっても、適切に処理を行うことができる。もっとも、本発明では、RAM33内の画像を記憶装置34に記憶させる動作にさほど時間を要しない場合には、
図5中の割り込み処理において、ステップS10,S11において、ステップS22,S23に相当する処理を行ってもよい。
【0078】
本実施の形態によれば、
図3(a)に示すように、大型車両100が軸重違反車両であるか否かに拘わらず、大型車両100の前部がレーン4上の第1の位置(本実施の形態では、感知信号SAの感知器21の検出ビーム21dの車両進行方向位置)に到達したときに当該大型車両100がカメラ12により撮影されるので、軸重違反車両の側面が撮影されてしまうような事態が防止され、軸重違反車両の正面側を適切に撮影することができる。
【0079】
そして、本実施の形態では、前記所定距離Lが前述したように設定されているので、前記軸重違反検出信号が出力された(Hとなった)場合に、カメラ12により最新に撮影された画像は、確実に、軸重違反車両の画像となる。したがって、本実施の形態によれば、ステップS3及びステップS4が、前記大型車両感知信号が出力中(H中)に前記軸重違反検出信号が出力された(Hとなった)場合に、カメラ12により最新に撮影された画像を、軸重違反車両の画像として識別するので、撮影された画像のうちから軸重違反車両の画像を精度良く識別することができる。
【0080】
また、本実施の形態では、感知器を多数要するものではないため、本実施の形態による軸重違反車両撮影システム1を、ETC設備等と干渉しないように容易に設置することができる。
【0081】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態による軸重違反車両撮影システムを高速道路の料金所入路に設置した状態を示す図であり、
図7(a)はその平面図、
図7(b)は
図7(a)中のD−D’矢視図である。
図7(a)及び
図7(b)は、
図2(a)及び
図2(b)にそれぞれ対応している。
図7において、
図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図8は、本発明の第2の実施の形態による軸重違反車両撮影システムの大型車両感知部11の信号処理部22の動作を示す概略フローチャートである。
【0082】
本実施の形態による軸重違反車両撮影システムが前記第1の実施の形態による軸重違反車両撮影システムと異なる所は、大型車両感知部11において前記感知器21の他に感知器23が追加されている点と、大型車両感知部11の信号処理部22が
図8に示す動作を行う点のみである。
【0083】
感知器23は、
図7に示すように、感知器21と同様に、載荷板5に対する車両進行方向側(
図2中の右側)であるアイランド2のブース3近傍に設けられている。感知器23は、
図7(b)に示すように、感知器21の検出ビーム21dの位置より低くて大型特殊車両の前頭部上方の突起物より低い位置において所定の高さ(本例では1.7m)の位置から斜め下方にアイランド2側面までレーン4を横切る検出ビーム23dを発するとともに、該検出ビーム23dが遮断されているときに感知信号SBを出力する。したがって、感知器21は、所定高さ以上の車高の車両である大型車両を検出することになるのに対して、感知器23は、車両の形状の如何にかかわらずに車両の存在を検出することになる。そして、本実施の形態では、検出ビーム23dは、検出ビーム21dに対して車両進行方向には間隔をあけていない。以下の説明において、感知信号SBも、感知信号SAと同様に、「H」のとき感知状態で出力状態を示し、「L」のとき非感知状態で非出力状態を示すものとする。
【0084】
本実施の形態では、感知器23は、
図7に示すように、感知器21と同様に、発光器23a及び受光器23bを有し、発光器23aから発せられる検出ビーム23dとしての赤外線ビームが反射器23cで反射されて受光器23bで受光されようになっている。もっとも、感知器23は、感知器21と同様に、いわゆる透過型のものであってもよいし、超音波式のもの等であってもよい。
【0085】
本実施の形態では、信号処理部22は、感知器21からの感知信号SA及び感知器23からの感知信号SBに基づいて、感知信号SA,SBの両方が出力されていない状態から感知信号SAの出力が開始された場合に、感知信号SAの出力開始後に感知信号SBの出力が開始されたときに大型車両感知信号を出力するとともに、前記状態から感知信号SBの出力が開始された場合に、感知信号SBの出力中に感知信号SAの出力が開始されたときに大型車両感知信号を出力するように、構成されている。具体的には、信号処理部22は、論理回路やCPU等を用いて構成することができる。信号処理部22と軸重違反車両撮影装置7の制御部13とは、例えば、同一のCPUを用いて構成することもできる。
【0086】
ここで、本実施の形態における信号処理部22の動作の具体例について、
図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0087】
本実施の形態では、信号処理部22は、感知信号SAがLでかつ感知信号SBがLの状態(すなわち、検出ビーム21d,23dが遮断されていない状態)であるとともに、保持信号SA’がLの状態において、動作を開始する。
【0088】
信号処理部22は、動作を開始すると、まず、感知信号SAがHであるか否か(検出ビーム21dが遮断されているか否か)を判定する(ステップS31)。初期状態では感知信号SAがLであったので、ステップS31では、感知信号SAが立ち上がったか否か、すなわち、感知信号SAの出力が開始したか否かを判定することになる。
【0089】
ステップS31で感知信号SAがHであると判定されると、信号処理部22は、保持信号SA’をHにし(ステップS32)、保持信号SA’がHに保持されている間に感知信号SBがHであるか否か(検出ビーム23dが遮断されているか否か)を判定する(ステップS33)。初期状態では感知信号SBがLであったので、ステップS33では、感知信号SBが立ち上がったか否か、すなわち、感知信号SBの出力が開始したか否かを判定することになる。そして、ステップS33で感知信号SBがHでないと判定されると、ステップS33を繰り返して感知信号SBがHになるまで待つ。ステップS33で感知信号SBがHであると判定されると、ステップS34へ移行する。
【0090】
一方、ステップS31で感知信号SAがHでないと判定されると、信号処理部22は、感知信号SBがHであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で感知信号SBがHでないと判定されるとステップS31に戻る。一方、ステップS35で感知信号SBがHであると判定されると、信号処理部22は、感知信号SAがHであるか否かを判定する(ステップS36)。ステップS36で感知信号SAがHでないと判定されると、ステップS35に戻る。一方、ステップS36で感知信号SAがHであると判定されると、保持信号SA’をHにし(ステップS37)、ステップS34へ移行する。
【0091】
ステップS34において、信号処理部22は、大型車両感知信号をHにする(すなわち、大型車両感知信号の出力を開始する)。その後、信号処理部22は、感知信号SAがLでかつ感知信号SBがLの状態(すなわち、検出ビーム21d,23dが遮断されていない状態)となるのを待ち(ステップS38)、その状態となると、大型車両感知信号をLにし(すなわち、大型車両感知信号の出力を終了させ)(ステップS39)、保持信号SA’をLにリセットし(ステップS40)、ステップS31に戻る。
【0092】
次に、実際の車両100の位置関係に応じた本実施の形態による軸重違反車両撮影システムの動作例について、
図9及び
図10を参照して説明する。
【0093】
図9は、本実施の形態による軸重違反車両撮影システムにおける各状態の車両100の位置関係を示す概略側面図である。
図10は、本実施の形態による軸重違反車両撮影システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
図9において、車両100のハッチングを付したタイヤは、違反軸(軸重違反に係る車軸)のタイヤを示している。
図9において、車両100は、前頭部上方の突起物であるブーム101を有する大型特殊車両を示している。
図9において、102はブーム101の先端の滑車部分であり、103はワイヤーロープである。
【0094】
図9(a)に示す状態1(大型特殊車両100の前頭部上方の突起物であるブーム101の先端の滑車部分102が高い検出ビーム21dに達してこれを遮断した状態)となると、感知信号SAがHとなり、
図8中のステップS31を経てステップS32で保持信号SA’がHにされ、ステップS33の判定を繰り返す状態となる。
【0095】
次に、
図9(b)に示す状態2(大型特殊車両100のブーム101等は高い検出ビーム21dを遮断していないが、大型特殊車両100の本体の前部が低い検出ビーム23dを遮断した状態)となると、感知信号SBがHとなり、
図8中のステップS31,S32,S33を経てステップS34で大型車両感知信号がHとなり、ステップS38の判定を繰り返す状態となる。そして、この状態2では、大型車両感知信号がHとなることから、
図5に示す割り込み処理が開始されて
図5中のステップS1で撮影信号が出力され(Hにされ)、カメラ12により大型特殊車両100の本体の正面側が撮影される。
【0096】
図9(c)に示す状態3(大型特殊車両100の違反軸のタイヤが載荷板5上に載った状態)となると、軸重違反検出信号が出力される(Hにされる)。
【0097】
その後、
図9(d)に示す状態4(大型特殊車両100がちょうど検出ビーム21d,23を通過して検出ビーム21d,23dが遮断されていない状態)となると、感知信号SA,SBがLとなり、
図8中のステップS39で大型車両感知信号がLにされ、ステップS40で保持信号SA’がLにリセットされ、ステップS31に戻る。
【0098】
一方、大型車両100として、大型トラック等の前頭部上方の突起物を有しない通常の大型車両がレーン4を通行する場合には、当該大型車両の前面の凹凸形状に応じて定まる順序で検出ビーム21d,23dが遮断される。大型車両の前面により検出ビーム21dが先に遮断されると前述した大型特殊車両の場合と全く同様に動作し、また、大型車両の前面により検出ビーム23dが先に遮断されると
図8中のステップS31,S35,S36,S37,S34,S38,S39,S40を経て動作し、当該大型車両の前面が検出ビーム21d,23dの位置(第2の位置)に達したときに、撮影動作が行われる。
【0099】
このように、本実施の形態によれば、車種の如何にかかわらず、大型車両の撮影に適した箇所(通常の大型車両の場合には大型車両の前部、大型特殊車両の場合には大型特殊車両の本体の前部)が所定の第2の位置(検出ビーム21d,23dの車両進行方向位置)に達したことが検出され、当該車両の前面、ナンバープレート、運転者の像に対して効果的な撮影結果が得られる位置で撮影することができる。
【0100】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0101】
[第3の実施の形態]
図11は、本発明の第3の実施の形態による軸重違反車両撮影システムを高速道路の料金所入路に設置した状態を示す図であり、
図11(a)はその平面図、
図11(b)は
図11(a)中のE−E’矢視図である。
図11(a)及び
図11(b)は、
図7(a)及び
図7(b)にそれぞれ対応している。
図11において、
図7中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0102】
本実施の形態が前記第2の実施の形態と異なる所は、前記第2の実施の形態では、検出ビーム21dと検出ビーム23dとの間には車両進行方向に間隔があけられていないのに対し、本実施の形態では、検出ビーム21dと検出ビーム23dとを近接させ、検出ビーム21dと検出ビーム23dとの間には車両進行方向に間隔をあけた点である。本実施の形態では、検出ビーム23dが検出ビーム21dに対して車両進行方向の側に配置されているが、逆に、検出ビーム21dを検出ビーム23dに対して車両進行方向の側に配置してもよい。
【0103】
本実施の形態では、
図11に示すように感知器21,23が配置されているので、大型車両100が大型特殊車両の場合のみならず前頭部上方に突起物のない通常の大型車両の場合であっても、当該大型車両により、常に、検出ビーム21dが先に遮断され、その後に検出ビーム23dが遮断されることになる。
【0104】
このため、本実施の形態では、信号処理部22の動作を、前記第2の実施の形態における信号処理部22の動作に対して変更したものにしてもよい。すなわち、
図8において、ステップS35,S36,S7を取り除き、ステップS31においてNOと判定された場合には再びステップS1に戻るようにしてもよい。もっとも、本実施の形態においても、信号処理部22の動作は、前記第2の実施の形態における信号処理部22の動作と同じにしてもよい。
【0105】
本実施の形態によっても、前記第2の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0106】
[第4の実施の形態]
ところで、前述した第2の実施の形態においては、大型車両感知部11は、大型特殊車両に先行する小型車両に対して当該大型特殊車両の前頭部上方の突起物が車両進行方向に重なるような特殊な状況においては、当該大型特殊車両の撮影位置検出を適切に行うことができない。例えば、
図9(a)に示す状態1において先行する乗用車(図示せず)の後部が感知器23の検出ビーム23dを遮断しているような特殊な状況では、その時点で大型車両感知信号が出力を開始してしまい、その時点で撮影が行われ、誤撮影が生じてしまう。
【0107】
次に、このような不都合を解消することができる、本発明の第4の実施の形態による軸重違反車両撮影システムについて、特に
図12乃至
図14を参照して説明する。なお、本実施の形態は第3の実施の形態を変形したものであるので、本実施の形態の説明においては、前記第3の実施の形態と重複した説明は省略する。
【0108】
図12は、本発明の第4の実施の形態による軸重違反車両撮影システムの大型車両感知部11の信号処理部22の動作を示す概略フローチャートである。
図13は、本発明の第4の実施の形態による軸重違反車両撮影システムにおける各状態の車両の位置関係を示す概略側面図である。
図14は、本発明の第4の実施の形態による軸重違反車両撮影システムの動作の一例を示すタイムチャートであり、
図13に対応している。
【0109】
本実施の形態は、前記第3の実施の形態を次のように変形したものである。すなわち、本実施の形態では、感知器21,23の配置は、前記第3の実施の形態と同じく前述した
図11に示す配置としているが、信号処理部22の動作を変更したものである。
【0110】
本実施の形態では、信号処理部22は、感知器21からの感知信号SA及び感知器23からの感知信号SBに基づいて、感知信号SA,SBの両方が出力されていない状態から感知信号SAの出力が開始された場合に、感知信号SAの出力開始後に感知信号SBの出力が開始されたときに大型車両感知信号を出力するとともに、前記状態から感知信号SBの出力が開始された場合において、感知信号SBの出力中に感知信号SAの出力が開始された場合に、感知信号SBの出力が一旦終了された後に再び開始されたときに大型車両感知信号を出力するように、構成されている。具体的には、信号処理部22は、論理回路やCPU等を用いて構成することができる。
【0111】
ここで、このような信号処理部22の動作の具体例について、
図12に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明においても、感知信号SA,SBは、「H」のとき感知状態で出力状態を示し、「L」のとき非感知状態で非出力状態を示すものとする。
【0112】
本実施の形態では、信号処理部22は、感知信号SAがLでかつ感知信号SBがLの状態(すなわち、検出ビーム21d,23dが遮断されていない状態)であるとともに、保持信号SA’,SA”がLの状態において、動作を開始する。
【0113】
信号処理部22は、動作を開始すると、まず、感知信号SBがHであるか否か(検出ビーム23dが遮断されているか否か)を判定する(ステップS51)。初期状態では感知信号SAがLであったので、ステップS51では、感知信号SBが立ち上がったか否か、すなわち、感知信号SBの出力が開始したか否かを判定することになる。
【0114】
ステップS51で感知信号SBがHでないと判定されると、信号処理部22は、感知信号SAがHであるか否か(検出ビーム21dが遮断されているか否か)を判定する(ステップS52)。初期状態では感知信号SAがLであったので、ステップS52では、感知信号SAが立ち上がったか否か、すなわち、感知信号SAの出力が開始したか否かを判定することになる。
【0115】
ステップS52で感知信号SAがHであると判定されると、信号処理部22は、信号SA’をHにし(ステップS53)、その後、感知信号SBがHであるか否か(検出ビーム23dが遮断されているか否か)を判定する(ステップS54)。そして、ステップS54で感知信号SBがHでないと判定されると、ステップS54を繰り返して感知信号SBがHになるまで待つ。ステップS54で感知信号SBがHであると判定されると、
図8中のステップS34,S38,S39,S40とそれぞれ同一のステップS55〜S58を経て、ステップS51に戻る。
【0116】
ステップS51で感知信号SBがHであると判定されると、信号処理部22は、感知信号SAがHであるか否か(検出ビーム21dが遮断されているか否か)を判定する(ステップS59)。ステップS59で感知信号SAがHであると判定されると、信号処理部22は、保持信号SA”をHにし(ステップS60)、感知信号SBがLであるか否か(検出ビーム23dが遮断されていないか否か)を判定する(ステップS61)。ステップS61以前に感知信号SBがHであったので、ステップS61では、感知信号SBが立ち上がったか否か、すなわち、感知信号SBの出力が終了したか否かを判定することになる。そして、ステップS61で感知信号SBがLでないと判定されると、ステップS61を繰り返して感知信号SBがLになるまで待つ。ステップS61で感知信号SBがLであると判定されると、保持信号SA”をLにリセットするとともに保持信号SA’をHにし(ステップS62)、前記ステップS54、並びに、
図8中のステップS34,S38,S39,S40とそれぞれ同一のステップS55〜S58を経て、ステップS51に戻る。
【0117】
ステップS52で感知信号SAがHでないと判定されると、信号処理部22は、感知信号SBがHであるか否か(検出ビーム23dが遮断されているか否か)を判定し(ステップS63)、ステップS63でHでないと判定されるとステップS52に戻る一方、ステップS63でHであると判定されるとステップS59に移行する。
【0118】
ステップS59で感知信号SAがHでないと判定されると、信号処理部22は、感知信号SBがLであるか否か(検出ビーム23dが遮断されていないか否か)を判定し(ステップS64)、ステップS64でLであると判定されるとステップS52に戻る一方、ステップS64でLでないと判定されるとステップS59に移行する。
【0119】
次に、実際の車両の位置関係に応じた本実施の形態による軸重違反車両の撮影装置の動作例について、
図12乃至
図14を参照して説明する。
【0120】
図13において、車両100のハッチングを付したタイヤは、違反軸(軸重違反に係る車軸)のタイヤを示している。
図13において、車両100は、前頭部上方の突起物であるブーム101を有する大型特殊車両を示している。
図13において、102はブーム101の先端の滑車部分であり、103はワイヤーロープである。
【0121】
図13(a)に示す状態1は、大型特殊車両100に先行する乗用車(小型車両)100’により低い検出ビーム23dが遮断されている状態である。この状態1では、感知信号SAがLで感知信号SBはHであるので、
図12中のステップS59,S64の判定を繰り返している。
【0122】
次に、
図13(b)に示す状態2(大型特殊車両100の前頭部上方の突起物であるブーム101の先端の滑車部分102が先行乗用車100’の後部に対して車両進行方向に重なっており、大型特殊車両100のブーム101の先端の滑車部分102が高い検出ビーム21dに達してこれを遮断し、先行乗用車100’により低い検出ビーム23dが遮断されている状態)となると、感知信号SBがHのまま感知信号SAがHとなり、
図12中のステップS59を経てステップS60で保持信号SA”をHにし、ステップS61の判定を繰り返す状態となる。
【0123】
次に、
図13(c)に示す状態3(大型特殊車両100のブーム101の先端の滑車部分102やワイヤーロープ103等は高い検出ビーム21dを遮断しておらず、大型特殊車両100の本体の前面が低い検出ビーム23dに達していないとともに先行乗用車100’が検出ビーム23dを通り越して検出ビーム23dが遮断されていない状態)となると、感知信号SA,SBがLとなり、
図12中のステップS61を経てステップS62で保持信号SA”をLにリセットするとともに保持信号SA’をHにし、ステップS54の判定を繰り返す状態となる。
【0124】
次に、
図13(d)に示す状態4(大型特殊車両100のブーム101の先端の滑車部分102やワイヤーロープ103等は高い検出ビーム21dを遮断しておらず、大型特殊車両100の本体の前面が低い検出ビーム23dに達してこれを遮断している状態)となると、感知信号SBがHとなり、ステップS54を経てステップS55で大型車両感知信号がHとなり、ステップS56の判定を繰り返す状態となる。そして、この状態4では、大型車両感知信号がLからHになることから、これに応答して、撮影信号が所定期間Hとなり、カメラ12が撮影動作を行い、大型特殊車両100が軸重違反車両であるか否かに拘わらず、大型特殊車両100の正面側が適切に撮影される。
【0125】
次いで、
図13(e)に示す状態5(大型特殊車両100の違反軸のタイヤが載荷板5上に載った状態)となると、軸重違反検出信号が出力される(Hにされる)。
【0126】
その後、
図13(f)に示す状態6(大型特殊車両100が検出ビーム21d,23dを通過して検出ビーム21d,23dが遮断されていない状態)となると、感知信号SA,SBがLとなり、
図12中のステップS57で大型車両感知信号がLとなり、ステップS58で保持信号SA’がLにリセットされ、ステップS51に戻る。
【0127】
一方、大型特殊車両100の前頭部上方の突起物であるブーム101の先端の滑車部分102等が先行乗用車100’に対して車両進行方向に重なっていない通常の状況では、大型特殊車両100がレーン3を通行すると、
図12中のステップS52,S53を経てステップS54〜S58の動作を行った後にステップS51に戻ることになる。この動作は、前述した第2の実施の形態における
図9及び
図10を参照して説明した動作と同様である。
【0128】
また、大型トラック等の前頭部上方の突起物を有しない通常の大型車両がレーン3を通行する場合には、検出ビーム21dが遮断された後に検出ビーム23dが遮断され、大型車両の前面により検出ビーム23dが遮断されると、
図12中のステップS51〜S58を順次経て動作し、当該大型車両の前面が検出ビーム23dの位置に達したときに、撮影動作が行われる。
【0129】
このように、本実施の形態によれば、車種の如何にかかわらず、大型車両の撮影に適した箇所(通常の大型車両の場合には大型車両の前部、大型特殊車両の場合には大型特殊車両の本体の前部)が所定の撮影位置(検出ビーム23dの車両進行方向位置)に達したことが検出され、当該車両の前面、ナンバープレート、運転者の像に対して効果的な撮影結果が得られる位置で撮影することができる。
【0130】
そして、本実施の形態によれば、大型特殊車両に先行する小型車両に対して当該大型特殊車両の前頭部上方の突起物が車両進行方向に重なるような特殊な状況においても、当該大型特殊車両の撮影位置検出を適切に行って適切な撮影を行うことができ、誤撮影を防止することができる。
【0131】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0132】
以上、本発明の各実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。