特許第6284410号(P6284410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284410
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】スタビライザーブッシュ
(51)【国際特許分類】
   B60G 21/055 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   B60G21/055
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-81678(P2014-81678)
(22)【出願日】2014年4月11日
(65)【公開番号】特開2015-202714(P2015-202714A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】今津 栄一
(72)【発明者】
【氏名】才原 義之
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−203756(JP,A)
【文献】 特開2013−087902(JP,A)
【文献】 特開平10−231910(JP,A)
【文献】 特開2002−002249(JP,A)
【文献】 特開2006−069234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 21/055
F16D 3/84
F16L 33/025
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム状弾性体から筒状に形成されスタビライザーバーに外嵌されるスタビライザーブッシュであって、取付部材により外周面が保持されて車体側に取り付けられる本体部材と、前記本体部材の軸方向端面に一体に連設されると共に前記スタビライザーバーの外周面に弾性嵌合されるシール部材と、を備えるスタビライザーブッシュにおいて、
前記シール部材の外周面に外嵌されて前記スタビライザーバーの外周面に前記シール部材を弾性嵌合させるための締め付け力を前記シール部材に付与するクリップ部材を備え、
前記クリップ部材は、周方向の一部を分断して形成される開口部を備えると共に前記シール部材の外径よりも小さな内径の略C字形状に金属材料から形成され
前記シール部材は、前記本体部材との連設部分の外周面に凹設され周方向に延設される連設部凹溝を備えることを特徴とするスタビライザーブッシュ。
【請求項2】
前記連設部凹溝は、溝底側が断面視円形状に形成されて溝幅が拡大されることを特徴とする請求項記載のスタビライザーブッシュ。
【請求項3】
前記シール部材は、前記シール部材の外周面に凹設されると共に周方向に沿って延設され前記クリップ部材が外嵌される被外嵌凹溝を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタビライザーブッシュ。
【請求項4】
前記シール部材の被外嵌凹溝は、前記被外嵌凹溝の内壁の少なくとも一部が内側へ向けて張り出して形成されることを特徴とする請求項記載のスタビライザーブッシュ。
【請求項5】
前記本体部材および前記シール部材は、前記筒状における周方向の一部が分断されて形成される切り割り部を備え、
前記シール部材の被外嵌凹溝の内壁は、前記切り割り部と位相を180度異ならせた位置を含む所定範囲を部分的に内側へ向けて張り出して形成される張出内壁を備えることを特徴とする請求項又はに記載のスタビライザーブッシュ。
【請求項6】
前記本体部材および前記シール部材は、前記筒状における周方向の一部が分断されて形成される切り割り部を備え、
前記シール部材の前記被外嵌凹溝は、前記クリップ部材の開口部に係合可能に形成されると共に前記クリップ部材の開口部を前記シール部材の切り割り部と同位相となる位置に位置決めする位置決め部を備えることを特徴とする請求項からのいずれかに記載のスタビライザーバーブッシュ。
【請求項7】
前記クリップ部材は、断面視横長矩形の平板状体から形成されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のスタビライザーブッシュ。
【請求項8】
前記クリップ部材は、断面視円形の線状体から形成されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のスタビライザーブッシュ。
【請求項9】
前記クリップ部材は、前記シール部材の軸方向に所定間隔を隔てつつ複数本が前記シール部材の外周面に外嵌されることを特徴とする請求項記載のスタビライザーブッシュ。
【請求項10】
前記シール部材は、前記シール部材の外周面から径方向外方へ突設されると共に前記複数本のクリップ部材の間に介在される突設部を備えることを特徴とする請求項記載のスタビライザーブッシュ。
【請求項11】
前記クリップ部材は、前記開口部を備え前記シール部材の外周面に外嵌されると共に前記開口部と位相を180度異ならせた部分が分断される巻回部と、前記巻回部の分断される部分から前記巻回部の径方向外方に延長され略環状に形成される補助部と、を備えることを特徴とする請求項1から1のいずれかに記載のスタビライザーブッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタビライザーブッシュに関し、特に、ゴム状弾性体にへたりが生じた場合でも、スタビライザーバーへの弾性嵌合のための締め代を確保できるスタビライザーブッシュに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スタビライザーブッシュは、ゴム状弾性体から筒状に形成され、スタビライザーバーに外嵌されることで、スタビライザーバーを車体に弾性支持する。この場合、左右の車輪が上下逆位相に変位されると、スタビライザーバーからスタビライザーブッシュにこじり方向の力が作用され、スラビライザーバーの外周面とスタビライザーブッシュの内周面との間に隙間が形成される。この隙間に異物が入り込むと、摺動性の悪化および異物に起因した異音の発生を招く。
【0003】
そこで、特許文献1には、スタビライザーバーの外周面とゴムブッシュ(スタビライザーブッシュ)の内周面との間を熱硬化性の接着剤で接着して、これらの内外周面の間に異物が入り込むことを抑制する技術が開示される。
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、接着剤の塗布や乾燥に工数が嵩むと共に設備が大型化するため、生産能率が悪く、その分、製品コストが嵩む。これに対し、特許文献2には、スタビライザーブッシュの軸方向端面からシールリップを突出させ、このシールリップをスタビライザーバーの外周面に所定の締め代で弾性嵌合させることで、これらの内外周面の間に異物が入り込むことを抑制する技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−69234号公報(例えば、段落0008、第3図など)
【特許文献2】特開2012−197056号公報(例えば、段落0018、第6図など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献2の技術では、ゴム状弾性体からなるシールリップの弾性力のみにより弾性嵌合のための締め代が付与される構成であるので、経時に伴いゴム状弾性体にへたりが生じると、スタビライザーバーへの弾性嵌合のための締め代が減少するという問題点があった。
【0007】
なお、上述した特許文献1の技術では、接着剤による接着工程の際、ゴムブッシュの軸方向の両外方側に設けたゴムリング部に締付けバンドを巻回して締め付けることで、ゴムブッシュの内周面(特に軸方向の両外方側)をスタビライザーバーの外周面に密着させやすくして、接着不良の発生を抑制する。
【0008】
ここで、これら締付けバンド及びゴムリング部は、接着工程の後、分離除去される部位であるが(特許文献2の段落0021及び第4図)、仮に、かかる締付けバンド及びゴムリング部を利用して、スタビライザーバーの外周面とスタビライザーブッシュの内周面との間に異物が入り込むことを抑制することを試みたとしても、締付けバンドの内径は一定であるため、経時に伴いゴム状弾性体(ゴムリング部)にへたりが生じると、その分、締め代が減少する。
【0009】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ゴム状弾性体にへたりが生じた場合でも、スタビライザーバーへの弾性嵌合のための締め代を確保できるスタビライザーブッシュを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0010】
請求項1記載のスタビライザーブッシュによれば、シール部材の外周面にクリップ部材が外嵌されると、そのクリップ部材の締め付け力によって、弾性嵌合のための締め代がシール部材に付与される。その結果、シール部材の内周面がスタビライザーバーの外周面に密着され、スタビライザーバーの外周面と本体部材の内周面との間に異物が入り込むことが抑制される。
【0011】
この場合、クリップ部材は、周方向の一部を分断して形成される開口部を備えると共にシール部材の外径よりも小さな内径の略C字形状に金属材料から形成されるので、経時に伴いゴム状弾性体(シール部材)にへたりが生じた場合でも、クリップ部材が自身の弾性回復力によって縮径される。よって、スタビライザーバーへの弾性嵌合のための締め代をシール部材に継続的に付与することができる。
【0012】
また、シール部材は、本体部材との連設部分の外周面に凹設され周方向に延設される連設部凹溝を備えるので、その連接部凹溝の凹設の分、シール部材と本体部材との連接部分の厚みを小さくすることができる。これにより、本体部材からシール部材を独立させる(即ち、本体部材の影響をシール部材が受け難くする)ことができ、スタビライザーバーの動きにシール部材を追従させやすくすることができる。
【0013】
請求項記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、連設部凹溝は、溝底側が断面視円形状に形成されて溝幅が拡大されるので、応力緩和効果によって応力集中を小さくして、連接部凹溝の溝底側に亀裂が発生することを抑制できる。
【0014】
請求項記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項1又は2に記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、シール部材は、その外周面に凹設されると共に周方向に沿って延設されクリップ部材が外嵌される被外嵌凹溝を備えるので、被外嵌凹溝の内壁によってクリップ部材の変位を規制して、脱落することを抑制することができる。
【0015】
特に、本発明では、被外嵌凹溝にクリップ部材が外嵌されると、クリップ部材の締め付け力によって、被嵌合凹溝の内壁が内側に倒れ込む(折り込まれる)ので、クリップ部材の軸方向への変位だけでなく、内側に倒れ込んだ内壁によって、クリップ部材の径方向外方への変位も規制できる。
【0016】
請求項記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、シール部材の被外嵌凹溝は、被外嵌凹溝の内壁の少なくとも一部が内側へ向けて張り出して形成されるので、被外嵌凹溝にクリップ部材が外嵌され締め付け力が付与されることによって、被外嵌凹溝の内壁を内側へ更に倒れ込ませ、クリップ部材との重なり代を確保できる。その結果、クリップ部材の径方向外方への変位をより確実に規制できる。
【0017】
請求項記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項又は4に記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、シール部材の被外嵌凹溝の内壁は、切り割り部と位相を180度異ならせた位置を含む所定範囲を部分的に内側へ向けて張り出して形成される張出内壁を備えるので、クリップ部材をシール部材に外嵌させた状態で、本体部材およびシール部材の切り割り部とクリップ部材の開口部とを開いて、本体部材およびシール部材をスタビライザーバーに外嵌させる際に、クリップ部材が開口部(切り割り部)と反対側へ飛び出すことを張出内壁により規制して、その脱落を抑制できる。
【0018】
一方で、張出内壁は、所定範囲に部分的に形成される。よって、張出内壁が全周にわたって形成される場合と比較して、シール部材の被外嵌凹溝にクリップ部材を外嵌させる作業が張出内壁によって阻害されることを抑制して、その作業性の向上を図ることができる。
【0019】
請求項記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項からのいずれかに記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、シール部材の被外嵌凹溝は、クリップ部材の開口部をシール部材の切り割り部と同位相となる位置に位置決めする位置決め部を備えるので、シール部材の被外嵌凹溝にクリップ部材が外嵌された状態において、シール部材の切り割り部とクリップ部材の開口部との位相を一致させておくことができる。
【0020】
よって、本体部材およびシール部材の切り割り部とクリップ部材の開口部とを開いて、本体部材およびシール部材をスタビライザーバーに外嵌させる際には、クリップ部材の開口部の位置を切り割り部に合わせる必要がないので、その分、作業性の向上を図ることができる。
【0021】
また、車両に装着された使用状態では、位置決め部がクリップ部材の開口部に係合されることで、クリップ部材が周方向に回転することを規制できる。即ち、クリップ部材の開口部の周方向位置を、スタビライザーバーからのこじり方向の力が作用され難い位置に維持できるので、スタビライザーバーから作用されるこじり方向の力によりクリップ部材の開口部が開いて、シール部材からクリップ部材が脱落することを抑制できる。
【0022】
請求項記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項1からのいずれかに記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、クリップ部材は、断面視横長矩形の平板状体から形成されるので、クリップ部材からシール部材に付与される締め付け力が一部に偏ることを抑制して、シール部材の耐久性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項1からのいずれかに記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、クリップ部材が、断面視円形の線状体から形成されるので、シール部材がクリップ部材4200によって拘束される拘束領域を限定的として、スタビライザーバーの動きにシール部材を追従させやすくできる。
【0024】
請求項記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、クリップ部材は、シール部材の軸方向に所定間隔を隔てつつ複数本がシール部材の外周面に外嵌されるので、スタビライザーバーの動きにシール部材を追従させやすくする効果と、異物が入り込むことを抑制する効果との両立を図ることができる。
【0025】
請求項1記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、シール部材は、その外周面から径方向外方へ突設されると共に複数本のクリップ部材の間に介在される突設部を備えるので、その突設部の側壁によって、クリップ部材4200の軸方向への変位だけでなく、径方向への変位も規制でき、その結果、クリップ部材がシール部材から脱落することを抑制できる。
【0026】
なお、請求項1において、シール部材が被外嵌凹溝を備える場合には、「シール部材の外周面」は「被外嵌凹溝の底壁」が対応する。即ち、この場合には、突設部は、被外嵌凹溝の底壁から突設される。
【0027】
請求項1記載のスタビライザーブッシュによれば、請求項1から1のいずれかに記載のスタビライザーブッシュの奏する効果に加え、クリップ部材は、開口部を備えシール部材の外周面に外嵌されると共に開口部と位相を180度異ならせた部分が分断される巻回部と、巻回部の分断される部分から巻回部の径方向外方に延長され略環状に形成される補助部とを備えるので、本体部材およびシール部材の切り割り部とクリップ部材の開口部とを開いて、本体部材およびシール部材をスタビライザーバーに外嵌させる際には、補助部によりクリップ部材を変形しやすくすることができる。これにより、クリップ部材の開口部を開く作業を容易とでき、スタビライザーバーへの装着の作業性の向上を図ることができる。また、クリップ部材の開口部を開く際に、クリップ部材の変形が塑性域に達し難くして、規定の締め付け力が発揮できなくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】(a)は、本発明の第1実施形態におけるスタビライザーブッシュの上面図であり、(b)は、図1(a)の矢印Ib方向視におけるスタビライザーブッシュの正面図である。
図2】(a)は、図1(a)の矢印IIa方向視におけるスタビライザーブッシュの側面図であり、(b)は、図1(a)の矢印IIb方向視におけるスタビライザーブッシュの側面図である。
図3図1(a)のIII−III線におけるスタビライザーブッシュの部分拡大断面図である。
図4】(a)は、図3のIVa−IVa線におけるスタビライザーブッシュの部分拡大断面図であり、(b)は、図3のIVb−IVb線におけるスタビライザーブッシュの部分拡大断面図である。
図5】第2実施形態におけるスタビライザーブッシュの部分拡大断面図である。
図6】(a)は、第3実施形態におけるスタビライザーブッシュの部分拡大断面図であり、第4実施形態におけるスタビライザーブッシュの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態におけるスタビライザーブッシュ100の上面図であり、図1(b)は、図1(a)の矢印Ib方向視におけるスタビライザーブッシュ100の正面図である。また、図2(a)は、図1(a)の矢印IIa方向視におけるスタビライザーブッシュ100の側面図であり、図2(b)は、図1(a)の矢印IIb方向視におけるスタビライザーブッシュ100の側面図である。
【0030】
なお、図2(a)及び図2(b)では、スタビライザーブッシュ100の一部が部分的に断面視された状態が図示される。また、以下においては、上下方向の概念を用いて説明するが、この説明における上下方向は、スタビライザーブッシュ100の形状を説明するための便宜上のものであり、車両における上下方向とは逆となる。
【0031】
図1及び図2に示すように、スタビライザーブッシュ100は、保持孔101を有する筒状にゴム状弾性体から形成される部材であり、その筒状体の周方向の一部を分断して形成される切り割り部102を開いて、スタビライザーバー(図示せず)を保持孔101まで通過させることで、かかるスタビライザーバーに外嵌される。
【0032】
詳細には、スタビライザーブッシュ100は、筒状の本体部材110と、その本体部材110の軸方向端面(図1(a)下側面)に一体に連設される筒状のシール部材120と、そのシール部材120に外嵌される金属製のクリップ部材200とを備える。保持孔101は、本体部材110及びシール部材120を貫通して形成され、切り割り部102は、本体部材110及びシール部材120の軸方向(図2(b)左右方向)全長にわたって形成される。
【0033】
本体部材110の下面(図1(b)下側面)を除く外周面には、断面円弧状の凹部が凹設される。この凹部は、ブラケット金具(取付部材)の内周面の形状に合わせて形成されており、車体に取り付けられたブラケット金具によって本体部材110の外周面が保持されることで、スタビライザーブッシュ100が車体に固定される。
【0034】
シール部材120は、保持孔101と同心の円筒状に形成され、クリップ部材200は、シール部材120の外径よりも小さな内径を有し、径方向内方への締め付け力によりシール部材120に所定の締め代を付与する。ここで、図3及び図4を参照して、シール部材120及びクリップ部材200の詳細構成について説明する。
【0035】
図3は、図1(a)のIII−III線におけるスタビライザーブッシュ100の部分拡大断面図である。図4(a)は、図3のIVa−IVa線におけるスタビライザーブッシュ100の部分拡大断面図であり、図4(b)は、図3のIVb−IVb線におけるスタビライザーブッシュ100の部分拡大断面図である。
【0036】
なお、図3では、本体部材110の図示が省略される。また、図3及び図4では、クリップ部材200の締め付け力がシール部材120に作用されていない状態(シール部材120が変形されておらず、クリップ部材200が初期形状よりも拡径方向に弾性変形されている状態)が図示される。
【0037】
図3及び図4に示すように、シール部材120には、外周面に凹設される被嵌合凹溝121と、その被嵌合凹溝121の内壁に形成される第1張出壁122及び第2張出壁123と、被嵌合凹溝121を周方向に区画する位置決め部124と、本体部材110側に凹設される連設部凹溝125とを主に備える。
【0038】
被外嵌凹溝121は、シール部材120の外周面に凹設される凹溝であり、周方向に沿って連続して形成される。被外嵌凹溝121の幅寸法(図4(a)左右方向寸法)は、クリップ部材200の幅寸法(図4(a)左右方向寸法)よりも大きくされ、クリップ部材200が被外嵌凹溝125の底壁に外嵌可能とされる。なお、底壁は、保持孔101と同心の円筒面として形成される。
【0039】
第1張出内壁122及び第2張出内壁123は、被外嵌凹溝121の互いに対向する内壁から内側に張り出して形成される部位であり、第2張出内壁122の内側への張り出し量(図4(a)参照)が第1張出内壁121の内側への張り出し量(図4(b)参照)よりも大きくされる。
【0040】
第2張出内壁123は、切り割り部102と位相を180度異ならせた位置を含む所定範囲(本実施形態では、図3において保持孔101の軸を中心とする中心角略15度の範囲)にわたって部分的に形成され、第1張出内壁121は、一端が第2張出内壁123に接続されると共に他端が位置決め部124と若干の隙間(クリップ部材200の折返し部202を配置可能な隙間)を有する範囲にわたって周方向に連続して形成される。
【0041】
第1張出内壁122及び第2張出内壁123は、被外嵌凹溝121の開放側(底壁と反対側、図4(a)及び図4(b)上側)に形成される。また、本実施形態では、クリップ部材200の締め付け力が作用していない状態において、第1張出内壁122及び第2張出内壁123の張り出し先端がクリップ部材200と軸方向(図4(a)及び図4(b)左右方向)において重なり代を有する。
【0042】
よって、被外嵌凹溝121に外嵌されたクリップ部材200が径方向外方(図4(a)及び図4(b)上方向)へ変位することを、第1張出内壁122及び第2張出内壁123により規制することができ、これにより、クリップ部材200がシール部材120から脱落することを抑制できる。一方で、内側への張出量が大きい第2張出内壁123は、一部のみに部分的に形成されるので、クリップ部材200を被外嵌凹溝121に外嵌する際の作業性の向上を図ることができる。
【0043】
この場合、被外嵌凹溝121にクリップ部材200が外嵌されると、クリップ部材200の径方向内方(図4(a)及び図4(b)下方向)への締め付け力によって、被嵌合凹溝121の内壁を内側に倒れ込ませる(折り込ませる)ことができる。よって、内壁が内側に倒れ込む分、重なり代を拡大して、クリップ部材200の径方向外方への変位(シール部材120からの脱落)をより確実に規制できる。また、クリップ部材200を外嵌させる前は、内壁どうしの間隔(図4(a)及び図4(b)左右方向の間隔)が広くされているので、この点からも、クリップ部材200を被外嵌凹溝121に外嵌する際の作業性の向上を図ることができる。
【0044】
特に、クリップ部材200は、開口部を備え略C字形状に形成されるので、経時に伴いゴム状弾性体(シール部材120)にへたりが生じた場合には、クリップ部材200が自身の弾性回復力によって縮径され、径方向内方への締め付け力を継続的に付与することができる。即ち、ゴム状弾性体にへたりが生じるほど、内壁の弾性力が弱くなり、クリップ部材200の径方向外方への変位を規制できなくなるところ、ゴム状弾性体にへたりが生じるほど、クリップ部材200を縮径させ、内壁を内側へ倒れませることができ、その結果、クリップ部材200のシール部材120からの脱落を抑制しやすくできる。
【0045】
また、内側への張り出し量が大きくされる第2張出内壁123は、切り割り部102と位相を180度異ならせた位置(図3左側)に配置されるので、クリップ部材200がシール部材120に外嵌された状態(図3の状態)から、切り割り部102を開いて、スタビライザーバー(図示せず)を保持孔101まで通過させる際に、クリップ部材200が切り割り部102と反対方向(図3左方向)へ飛び出すことを、第2張出内壁123により規制することができる。その結果、スタビライザーバーにスタビライザーブッシュ100を外嵌させる際にクリップ部材200が脱落することを抑制できる。
【0046】
位置決め部124は、被外嵌凹溝121の底壁から径方向外方(図3右方向)へ突設され、切り割り部102により分断される。この位置決め部124は、クリップ部材200の開口部に係合される。よって、切り割り部102を開いてスタビライザーバー(図示せず)を保持孔101へ通過させる際には、切り割り部102を開く動作により、クリップ部材200の開口部も同時に開くことができる。
【0047】
また、位置決め部124は、その厚み寸法(図3上下寸法)がクリップ部材200の初期形状における折返し部202の対向間隔(図3上下方向寸法)よりも小さな寸法に設定され、クリップ部材200の開口部(折返し部202の対向間)に係合可能とされる。
【0048】
よって、位置決め部124によりクリップ部材200の開口部を切り割り部102と同位相となる位置に位置決めすることができる。また、位置決め部124とクリップ部材200の折返し部202との対向間に隙間が形成されることで、クリップ部材200を締め付け方向(縮径方向)へ変形しやすくすることができる。
【0049】
連設部凹溝125は、周方向全周にわたって延設される断面U字状の凹溝であり、本体部材110との連設部分の外周面に凹設される。本実施形態では、連設部凹溝125の形成位置が、一方(図4(a)及び図4(b)右側)の内壁が本体部材110の軸方向端面に面一に連なる位置に設定される。
【0050】
このように、本体部材110との連設部分に連設部凹溝125を凹設することで、シール部材120の厚み寸法(図4(a)及び図4(b)上下方向寸法)を部分的に小さく(薄く)できる。これにより、シール部材120の内周面とスタビライザーバーの外周面との間に異物が入り込むことを抑制できる。
【0051】
即ち、本体部材110は、ブラケット金具(図示せず)により外周面が保持され、その変位が拘束されているところ、かかる本体部材110からシール部材120を独立させる(即ち、本体部材110の影響をシール部材120が受け難くする)ことができ、スタビライザーバー(図示せず)の動きにシール部材120を追従させやすくできる。よって、スタビライザーバーからこじり方向への力が作用される場合でも、シール部材120の内周面とスタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成され難くでき、その結果、異物が入り込むことを抑制できる。
【0052】
クリップ部材200は、金属材料からなり断面視横長矩形の平板帯状体をその長手方向に沿って環状に巻回すると共に、環状における周方向の一部を分断して開口部を形成することで、略C字形状に形成される部材であり、巻回部201と、折返し部202とを備える。
【0053】
巻回部201は、開口部を除く部分が軸方向視円形に形成される部位であり、その内径寸法が、シール部材120の被外嵌凹溝121の底壁における外径寸法よりも小さな寸法(小径)に設定される。よって、クリップ部材200(巻回部201)がシール部材120(被外嵌凹溝121の底壁)の外周面に外嵌されることで、シール部材120に締め付け力を付与して、シール部材120の内周面をスタビライザーバー(図示せず)の外周面に弾性嵌合(所定の締め代で密着)させることができる。
【0054】
折返し部202は、巻回部201の分断された箇所(開口部)を径方向外方(図3右方向)へ折り返して形成される部位であり、一対が互いに平行に形成される。これにより、切り割り部102を開く際、及び、車両に装着された使用状態においてクリップ部材200が周方向へ変位する際には、折返し部202の平坦面を位置決め部124に当接させることができ、かかる位置決め部124に亀裂が生じることを抑制できる。
【0055】
次いで、スタビライザーブッシュ100によるスタビライザーバー(図示せず)の車体への弾性支持の方法について説明する。本実施形態におけるスタビライザーブッシュ100は、例えば部品メーカーにおいて、シール部材120にクリップ部材200を外嵌させるASSY工程が行われ、そのASSY品が、例えば自動車メーカーにおける組立工程へ搬送される。この場合、シール部材120には、第1及び第2張出内壁122,123が形成されているので、搬送中にクリップ部材200がシール部材120から脱落することを抑制できる。
【0056】
組立工程では、クリップ部材200を弾性変形させつつ、切り割り面102を開いて、スタビライザーバーを保持孔101まで通過させ、スタビライザーブッシュ100をスタビライザーバーに外嵌させる。次いで、スタビライザーブッシュ100の外周面を保持させつつブラケット金具(図示せず)を車体に取り付ける。これにより、スタビライザーブッシュ100を介してスタビライザーバー(図示せず)が車体に弾性支持される。
【0057】
このように、ASSY工程(例えば部品メーカ)において、クリップ部材200をシール部材120に事前に外嵌させておいても、クリップ部材200が開口部を備える(即ち、略C字形状に形成される)ので、組立工程(例えば自動車メーカー)において、スタビライザーブッシュ100をスタビライザーバーに外嵌させることができる。よって、組立工程において、シール部材120にクリップ部材200を外嵌させる作業を行う必要がなく、その作業能率の向上を図ることができる。即ち、スタビライザーブッシュ100の商品価値を高めることができる。
【0058】
この場合、シール部材120の被外嵌凹溝121には、クリップ部材200の開口部に係合する位置決め部124が形成され、シール部材120の切り割り部102とクリップ部材200の開口部との位相を一致させておくことができる。よって、組立工程において、切り割り部102を開いて、スタビライザーブッシュ100をスタビライザーバー(図示せず)に外嵌させる際には、クリップ部材200の開口部の位置を切り割り部102に合わせる必要がないので、その分、作業性の向上を図ることができる。
【0059】
なお、車両に装着された使用状態では、クリップ部材200の開口部に位置決め部124が係合されることで、クリップ部材200が周方向に回転することを規制できる。即ち、クリップ部材200の開口部の周方向位置を、スタビライザーバー(図示せず)からのこじり方向の力が作用され難い位置に維持しておくことができるので、スタビライザーバーから作用されるこじり方向の力によりクリップ部材200の開口部が開いて、シール部材120からクリップ部材200が脱落することを抑制できる。
【0060】
以上のように、本実施形態におけるスタビライザーブッシュ100によれば、シール部材120の外周面に外嵌されるクリップ部材200の締め付け力によって、弾性嵌合のための締め代がシール部材120に付与される。その結果、シール部材120の内周面がスタビライザーバー(図示せず)の外周面に密着され、スタビライザーバーの外周面と本体部材110の内周面との間に異物が入り込むことを抑制できる。
【0061】
この場合、クリップ部材200は、シール部材120の外径よりも小さな内径を有すると共に開口部を備え略C字形状に形成されるので、経時に伴いゴム状弾性体(シール部材120)にへたりが生じた場合には、クリップ部材200を自身の弾性回復力によって縮径させることができ、その結果、スタビライザーバーへの弾性嵌合のための締め代をシール部材120に継続的に付与することができる。
【0062】
次いで、図5を参照して、第2実施形態におけるスタビライザーブッシュ2100について説明する。図5は、第2実施形態におけるスタビライザーブッシュ2100の部分拡大断面図であり、図1(a)のIII−III線における断面図に対応する。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
図5に示すように、第2実施形態におけるクリップ部材2200は、補助部2203を更に備える。詳細には、クリップ部材2200は、巻回部201の開口部と位相を180度異ならせた部分が分断され、その巻回部201の分断される部分に補助部2203が接続される。補助部2203は、軸方向視において縦長の長円形状となる略環状に形成され、巻回部201の径方向外方(図5左側)に配置される。
【0064】
なお、補助部2203の幅寸法(図5紙面垂直方向寸法)は、巻回部201及び折返し部202の幅寸法と同一の寸法に設定される。また、第2実施形態では、第2張出内壁123の形成が省略される。
【0065】
よって、第2実施形態におけるスタビライザーブッシュ2100によれば、クリップ部材2200の開口部を開いて、かかるクリップ部材2200をシール部材120に外嵌させる際、或いは、切り割り部102を開いて、スタビライザーバー(図示せず)を保持孔101まで通過させる際に、補助部2203によりクリップ部材2200を変形しやすくすることができる。
【0066】
これにより、クリップ部材2200の開口部(切り割り部102)を開く作業を容易とできるので、クリップ部材2200をシール部材120に外嵌させる際の作業性、或いは、スタビライザーバーへスタビライザーブッシュ2100を外嵌させる際の作業性の向上を図ることができる。
【0067】
また、このように、切り割り部102と位相を180度異ならせた位置に補助部2203が形成されていることで、例えば、作業者の作業不良などに起因して、クリップ部材2200の開口部が過大に開かれた場合でも、クリップ部材2200の変形が塑性域に達し難くすることができるので、その分、規定の締め付け力を発揮できなくなることを抑制できる。
【0068】
次いで、図6(a)を参照して、第3実施形態におけるスタビライザーブッシュ3100について説明する。図6(a)は、第3実施形態におけるスタビライザーブッシュ3100の部分拡大断面図であり、図3のIVa−IVa線における断面図に対応する。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
図6(a)に示すように、第3実施形態における連設部凹溝3125は、溝底側(図6(a)下側)が断面視円形状に形成されて溝幅(図6左右方向寸法)が拡大される。これにより、本体部材110からシール部材120を独立させる(即ち、本体部材110の影響をシール部材120が受け難くする)効果を発揮させやすくすることができ、スタビライザーバー(図示せず)の動きにシール部材120を追従させやすくできる。同時に、応力緩和効果によって応力集中を小さくして、連接部凹溝3125の溝底側に亀裂が発生することを抑制できる。
【0070】
次いで、図6(b)を参照して、第4実施形態におけるスタビライザーブッシュ4100について説明する。図6(b)は、第4実施形態におけるスタビライザーブッシュ4100の部分拡大断面図であり、図3のIVa−IVa線における断面図に対応する。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
図6(b)に示すように、第4実施形態におけるクリップ部材4200は、金属材料からなり断面視円形の線状体をその長手方向に沿って環状に巻回すると共に、環状における周方向の一部を分断して開口部を形成することで、略C字形状に形成される。即ち、第4実施形態におけるクリップ部材4200は、第1実施形態におけるクリップ部材4200に対して、断面形状が異なる点を除き、他の構成は同一とされる。
【0072】
よって、クリップ部材4200は、巻回部4201と、折返し部(図示せず)とを備え、巻回部4201は、開口部を除く部分が軸方向視(図6(b)左右方向)円形に形成されると共に、その内径寸法が、シール部材120の被外嵌凹溝121の底壁における外径寸法よりも小さな寸法(小径)に設定される。従って、クリップ部材4200(巻回部4201)がシール部材120(被外嵌凹溝121の底壁)の外周面に外嵌されることで、シール部材120に締め付け力を付与して、シール部材120の内周面をスタビライザーバー(図示せず)の外周面に弾性嵌合(所定の締め代で密着)させることができる。
【0073】
このように、本実施形態では、クリップ部材4200を断面円形の線状体から形成するので、シール部材120がクリップ部材4200によって拘束される拘束領域を限定的として、スタビライザーバー(図示せず)の動きにシール部材120を追従させやすくできる。よって、スタビライザーバーからこじり方向への力が作用される場合でも、シール部材120の内周面とスタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成され難くでき、その結果、異物が入り込むことを抑制できる。
【0074】
また、被外嵌凹溝121には、2本のクリップ部材4200が軸方向(図6(b)左右方向)に所定間隔を隔てつつ配設される。これにより、スタビライザーバー(図示せず)の動きにシール部材120を追従させやすくする効果と、異物が入り込むことを抑制する効果との両立を図ることができる。
【0075】
この場合、被外嵌凹溝121は、その底壁から径方向外方(図6(b)上方向)へ突設されると共に周方向に連続して形成され2本のクリップ部材4200の間に介在される突設部4126を備える。上述した被外嵌凹溝121の内壁の場合と同様に、クリップ部材4200の外嵌時には、その締め付け力によって、突設部4126の側壁を内側に倒れ込ませる(折り込ませる)ことができるので、クリップ部材4200の軸方向(図6(b)左右方向)の変位だけでなく、クリップ部材4200の径方向(図6(b)上方向)への変位も規制でき、その結果、クリップ部材4200が脱落することを抑制することができる。
【0076】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0077】
上記各実施形態では、クリップ部材200,2200が断面横長矩形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の断面形状であっても良い。他の断面形状としては、例えば、円形状や楕円形状、多角形状が例示される。
【0078】
上記実施形態では、その説明を省略したが、保持孔101の内周面には、潤滑性を確保するために、テフロン(登録商標)繊維が配設されていても良く、或いは、コーティングが施されていても良い。
【0079】
この場合、本体部材110に形成される保持孔101とシール部材120に形成される保持孔101とで、それらの内周面における摩擦特性を互いに異ならせても良い。例えば、一方を他方に対して低摩擦特性(又は高摩擦特性)とすることで、スタビライザーバー(図示せず)の動きにシール部材を追従させやすくして、スタビライザーバーからのこじり方向の力が作用される場合に、スール部材120の内周面とスタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることを抑制できる。
【0080】
上記各実施形態では、被外嵌凹溝121の内壁に異なる張り出し量の張出部分(第1張出内壁122及び第2張出内壁123)をそれぞれ設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、位置決め部124を除く全周に第1張出内壁122又は第2張出内壁123のいずれか一方のみを設けるものであっても良い。
【0081】
上記各実施形態では、本体部材110の一方の軸方向端面のみにシール部材120を連設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本体部材110の両方の軸方向端面にそれぞれシール部材120を連設しても良い。
【0082】
上記各実施形態では、組立工程において、クリップ部材200,2200がシール部材120に外嵌された状態のスタビライザーブッシュをスタビライザーバーに装着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本体部材110及びシール部材120を先にスタビライザーバーに装着し、その後、クリップ部材200,2200をシール部材120に外嵌しても良い。
【0083】
上記各実施形態では、連設部凹溝125が周方向に沿って同一断面形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、周方向位置に応じて断面形状が異なるものであっても良い。
【0084】
例えば、上下方向(スタビライザーバーからこじり方向の力が作用される方向)に位置する連設部凹溝125の断面形状の断面積を、上下方向に直交する方向に位置する連設部凹溝125の断面形状の断面積よりも大きくする形態が例示される。具体的には、連設部凹溝125の幅寸法または深さ寸法のいずれか一方または両方を大きくする。
【0085】
これにより、スタビライザーバー(図示せず)の動きにシール部材を追従させやすくして、スタビライザーバーからのこじり方向の力が作用される場合に、スール部材120の内周面とスタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることを抑制できる。
【0086】
上記各実施形態では、連設部凹溝125の一方の内壁が本体部材110の軸方向端面に面一に連なる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本体部材110の軸方向端面から離間される位置に連設部凹溝125が形成されていても良い。
【0087】
上記第2実施形態では、クリップ部材2200の補助部2203が軸方向視において縦長の長円形状となる略環状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状であっても良い。他の形状としては、例えば、円形状や横長の長円形状・楕円形状などが例示される。
【0088】
上記第2実施形態では、第2張出内壁123の形成を省略する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2張出内壁123を形成すると共に、かかる第2張出内壁123をクリップ部材2200の補助部2203に挿通(係合)させるようにしても良い。これにより、クリップ部材2200のシール部材120からの脱落をより確実に抑制できる。
【0089】
上記第4実施形態では、クリップ部材4200の配設数が2本とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、配設数は、1本であっても良く、3本以上であっても良い。3本以上の場合は、各クリップ部材4200どうしの間に突設部4126をそれぞれ配設することが好ましい。
【0090】
上記第4実施形態では、突設部4126の高さ寸法(被外嵌凹溝121の底壁からの突設高さ)がクリップ部材4200の直径と略同等に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突設部4126の高さ寸法は任意の寸法に設定できる。例えば、突設部4126の高さ寸法を、被外嵌凹溝121の深さ寸法(シール部材120の外周面からの凹設深さ)と同じ寸法としても良い。
【0091】
上記第4実施形態では、突設部4126の側壁が平坦面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被嵌合凹溝121の内壁と同様に、第1張出内壁122又は(及び)第2張出内壁123が突設部4126の側壁に形成されていても良い。
【0092】
上記第4実施形態では、突設部4126が周方向に連続して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突設部4126は周方向に断続的に形成されていても良い。
【0093】
上記第4実施形態では、クリップ部材4200が巻回部4201と折返し部とを備えて形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2実施形態における補助部2203と同様の形状の部分を開口部と位相を180度異ならせる位置に更に備えていても良い。
【符号の説明】
【0094】
100,2100,3100,4100 スタビライザーブッシュ
110 本体部材
120 シール部材
125,3125 連設部凹溝
121 被外嵌凹溝
122 第1張出内壁(内壁の一部)
123 第2張出内壁(張出内壁)
102 切り割り部
124 位置決め部
4126 突設部
200,2200,4200 クリップ部材
201,4201 巻回部
2203 補助部
図1
図2
図3
図4
図5
図6