特許第6284423号(P6284423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284423
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】内視鏡装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   A61B1/045 640
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-98775(P2014-98775)
(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公開番号】特開2015-213656(P2015-213656A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2017年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】魁生 諭
【審査官】 樋熊 政一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−212070(JP,A)
【文献】 特開平07−023978(JP,A)
【文献】 特開2005−052455(JP,A)
【文献】 特開2011−167332(JP,A)
【文献】 特開2007−175428(JP,A)
【文献】 特開2007−313132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの入力部と、
複合的入力操作方式に従った前記入力部に対する入力操作を検出可能な入力操作検出部と、
前記複合的入力操作に従い、所定の処理を実行する処理部とを備え、
前記複合的入力操作方式が、同一の入力部に対して複数回入力操作を行う複数回操作方式と、異なる入力部に対してそれぞれ入力操作を行う複数入力対象操作方式と、入力部に対して1回入力操作が行われてから所定時間経過するまで入力操作を行わない時差方式の少なくともいずれか1つの方式であり、
複数回操作方式、複数入力対象操作方式、時差方式のうちいずれか1つの方式を複合的入力操作方式として選択的に設定する入力操作方式設定部が設けられていることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記処理部が、時差方式による入力操作が行われると、所定の処理を実行し、
前記処理部が、複数回操作方式もしくは複数入力対象操作方式による入力操作が行われると、所定の処理の実行をキャンセルすることを特徴とする請求項に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記入力操作検出部が、1回目の入力操作を検出すると、複合的入力操作方式に関する情報を画面に表示する表示処理部を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記入力操作検出部が、1回目の入力操作を検出すると、所定の処理の実行をキャンセルする入力操作方式に関する情報を画面に表示することを特徴とする請求項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記複合的入力操作方式において、1回目の入力操作が、所定時間経過するまで入力状態を持続させる長時間入力操作であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記入力部が、ビデオプロセッサに設けられたプロセッサ入力部と、スコープに設けられたスコープ入力部とを有し、
前記入力操作検出部が、前記プロセッサ入力部と前記スコープ入力部に対する入力操作を、複数入力対象操作方式として検出することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記入力部が、押下式入力部であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記処理部が、所定の処理として観察画像に対する画像処理を実行することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内視鏡装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スコープによって器官内壁などの被写体を撮像し、観察画像をモニタに表示する内視鏡装置に関し、特に、オペレータの入力操作に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡装置では、内視鏡作業に関連する様々な機能が備えられており、オペレータは、ビデオプロセッサに設けられたボタン、ビデオプロセッサのタッチパネル、あるいはビデオプロセッサに接続されたキーボード、マウス、ビデオスコープなどに対し入力操作することにより、設定作業を行うことができる。例えば、白色被写体撮影用筒体を用いたホワイトバランス調整、撮影画像のフリーズ、スコープ先端部からの洗浄用水の噴射などが、ボタンなどを操作することによって行われる。
【0003】
内視鏡作業中に誤操作が生じると、被検者に影響を及ぼす可能性がある。そのため、リスクの高い処理を実行するとき、誤操作の生じにくい入力操作を一般的に採用している。具体的には、ホワイトバランス調整などの場合、オペレータは数秒間に渡るボタンの長押し操作をしなければならない(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−185388号公報(段落[0064])
【特許文献2】特開2006−346010号公報(段落[0036])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長押し操作など安全性を考慮した入力操作方法は、場合によっては内視鏡作業効率を低下させる。例えば、白色被写体の筒体を用いたホワイトバランス調整を行う場合、スコープを片手で保持し、筒体を撮影しながらビデオプロセッサのボタンを長押ししなければならず、次の動作へスムーズに移行しにくい。
【0006】
したがって、安全性とともに内視鏡作業効率を維持しながら、ユーザインターフェイスの優れた入力操作で処理を実行可能にすることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内視鏡装置は、少なくとも1つの入力部と、所定の入力操作方式(以下、複合的入力操作方式という)に従った入力部に対する入力操作を検出可能な入力操作検出部と、入力操作に従い、所定の処理を実行する処理部とを備える。入力部としては、押下式入力部を適用することが可能であり、例えば、ボタン、タッチパネルなどが適用される。またシステムコントローラなどの制御部、および/あるいは画像処理部を設けて所定の処理を実行することが可能であり、例えば、所定の処理として、ホワイトバランス調整など観察画像に対する画像処理を適用することができる。
【0008】
本発明では、単純な1回の入力操作とは異なる複合的入力操作方式による入力操作によって所定の処理が実行される構成であり、複合的入力操作方式として、同一の入力部に対して複数回入力操作を行う複数回操作方式と、異なる入力部に対してそれぞれ1回ずつ入力操作を行う複数入力対象操作方式と、入力部に対して1回入力操作が行われてから所定時間経過するまで入力操作を行わない時差方式の少なくともいずれか1つの方式が採用されている。
【0009】
例えば、ボタンなどに対する入力操作の場合、2回同じ入力部を続けて操作するダブルクリック方式、異なる2つのボタンを操作するダブルボタン方式などが適用可能である。また、時差方式としては、1回の入力操作から次の操作を行わず、数秒経過してから処理を実行開始させればよい。このような入力操作方式を採用することにより、安全性を確保しながら効率性を落とすことなく処理へスムーズに移行することができる。
【0010】
例えば、入力部として、ビデオプロセッサに設けられたプロセッサ入力部と、スコープに設けられたスコープ入力部とを設けることが可能である。入力操作検出部は、プロセッサ入力部とスコープ入力部に対する入力操作を、複数入力対象操作方式として検出すればよい。特に、ホワイトバランス調整の場合、オペレータはスコープ保持を伴うため、効率よく調整作業に移行することができる。
【0011】
誤操作を確実に防ぐことを考慮し、複合的入力操作方式において、1回目の入力操作を所定時間経過するまで入力状態を持続させる長時間入力操作に設定してもよい。例えば、長押し操作とすることができる。
【0012】
複合的入力操作方式は、自動的に設定してもよく、あるいはオペレータによる入力操作に従って設定してもよい。例えば、入力操作検出部が、複数回操作方式、複数入力対象方式、時差方式のうちいずれか1つの方式を複合的入力操作方式として選択的に設定する入力操作方式設定部を設けることが可能である。
【0013】
単純に1回操作して処理実行開始に移行しないことを考慮すれば、処理開始前に何らかの入力操作で処理をキャンセルさせることも可能である。この場合、複合的入力操作によってキャンセルさせてもよい。例えば、処理部は、時差方式による入力操作が行われると、所定の処理を実行し、1回目の入力操作から所定時間経過するまでに複数回操作方式もしくは複数入力対象操作を実行することになる入力操作が行われると、所定の処理の実行をキャンセルすることが可能である。
【0014】
所定実行開始までにある程度の時間経過、入力操作が必要であることがあるから、1回目の入力操作を検出すると、複合的入力操作方式に関する情報を画面に表示する表示処理部を備えるようにしてもよい。例えば、1回目の入力操作が行われると、設定された複合的入力操作を案内するメッセージを表示してもよい。また、上述したキャンセル機能を備えている場合、所定の処理の実行をキャンセルする入力操作方式に関する情報を画面に表示し、キャンセルの入力操作をオペレータに案内することも可能である。
【0015】
本発明の他の態様における内視鏡装置は、少なくとも1つの入力部と、複数の複合的入力操作方式に従った入力部に対する入力操作を検出可能な入力操作検出部と、入力操作に従い、所定の処理を実行する処理部とを備え、複数の複合的入力操作方式が、入力操作回数もしくは操作対象入力部の数が複数である。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明によれば、誤操作を防ぐ入力操作をさせながら、スムーズに内視鏡作業へ移行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
図2】入力操作検出処理のフローチャートである。
図3】第2の実施形態における入力操作検出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図面を参照して本実施形態である電子内視鏡装置について説明する。
【0019】
図1は、第1の実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
【0020】
電子内視鏡装置は、その挿入部分が体内へ挿入されるビデオスコープ10と、プロセッサ30とを備え、ビデオスコープ10はプロセッサ30に着脱自在に接続される。プロセッサ30には、キーボード50、マウス52、フットスイッチ54、モニタ60が接続されている。
【0021】
プロセッサ30は、ランプなどの光源32を備え、光源32から放射された照明光は、集光レンズ33を通ってビデオスコープ10内に設けられたライトガイド12に入射する。ライトガイド12を通った光は、配光レンズ13を通ってスコープ先端部10Mから被写体(観察対象)に向けて照射される。
【0022】
被写体に反射した光は、スコープ先端部10Mに設けられた対物レンズ15を通り、これによって被写体像がCCDなどのイメージセンサ14の受光面に形成される。駆動回路16から出力されるクロック信号に基づき、1フレーム/フィールド分の画素信号がイメージセンサ14から所定の時間間隔(例えば1/30、1/60秒間隔)で読み出され、アナログ信号処理回路11へ送られる。
【0023】
イメージセンサ14には、Cy,Ye,G、MgあるいはR,G,Bなどの色要素を市松状に配列させた色フィルタが配設されており、例えば画素混合読み出し方式に従って1フレーム/フィールド分の画像信号が順次読み出される。アナログ信号処理回路11では、イメージセンサ14から読み出された画像信号に対し、増幅処理、ゲイン処理などが施され、プロセッサ30の前段信号処理回路36へ送られる。
【0024】
前段信号処理回路36では、アナログ画素信号に対してデジタル変換処理、ホワイトバランス処理、色変換処理などが施される。これにより、R,G,Bの画像信号が生成される。生成されたR,G,Bの画像信号は、画像メモリ37に一時的に格納された後、後段信号処理回路38へ送られる。なお、前段信号処理回路36における画像処理は、ビデオスコープ10内に画像信号処理回路を設けて行ってもよい。
【0025】
後段信号処理回路38では、輪郭強調処理、文字情報などを観察画像とともに表示するためのスーパーインポーズ処理などが画像信号に対して施される。画像処理された映像信号がモニタ60に出力されることにより、観察画像がリアルタイム動画像としてモニタ60に表示される。
【0026】
CPU等を含むシステムコントロール回路40は、プロセッサ30の動作を制御し、絞り34、タイミングコントローラ42等へ制御信号を出力する。また、システムコントロール回路40は、フロントタッチパネル35に対する入力操作を検出するとともに、I/F回路44を経由してキーボード50、マウス52、フットスイッチ54に対する入力操作を検出する。
【0027】
さらにシステムコントロール回路40は、ビデオスコープ10内のスコープコントローラ18との間で相互通信可能であり、スコープコントローラ18は、プロセッサ30から送られてくるデータに基づいて、タイミングコントローラ17などへ制御信号を出力する。一方、スコープ操作部に設けられたスコープボタン10Tが操作されると、スコープコントローラ18はシステムコントロール回路40へ入力操作検出信号を送信する。プロセッサ30の動作制御に関するプログラムは、不揮発性のメモリ41にあらかじめ格納されている。
【0028】
フロントタッチパネル35には、明るさ調整、ホワイトバランス調整など、観察画像に対する画像処理に関して設定するための設定画面が表示されており、オペレータは、フロントタッチパネル35、スコープボタン10Tなどを操作することによって観察画像の画質等を調整する。このとき、あらかじめ設定された入力操作方式に従って入力操作が行われる。
【0029】
内視鏡作業での誤操作は被検者に対し重大な影響を与える可能性があるため、ここでは、単純な1回の押下による入力操作は採用せず、操作回数、操作対象ボタン数を複数に設定し、また、処理実行までに時間差を設けるなど、煩雑な操作を伴う入力操作方式(以下、複合的入力操作方式という)を採用している。
【0030】
具体的な入力操作方式としては、ダブルクリック方式(複数回操作方式)、ダブルボタン方式(複数入力対象操作方式)、時差方式を採用することが可能である。ダブルクリック方式は、同一のボタンを続けて2回押下する操作方式、ダブルボタン方式は、異なる2つのボタンを別々に続けて押下する操作方式である。また、時差方式は、1回目のボタン操作から次の入力操作を行わない状態で一定時間経過すると、自動的に処理が実行される操作方式である。
【0031】
オペレータは、これらの入力操作方式を選択的に設定可能である。設定内容をモニタ60に表示する設定モードに切り替えてキーボード50などを操作することにより、複合的入力操作方式がシステムコントロール回路40によって設定される。
【0032】
また、1回目の入力操作が行われると、入力操作に関する文字情報をモニタ60に表示する。システムコントロール回路40は、設定された入力操作方式に従って入力操作を検出し、処理を実行する。
【0033】
図2は、入力操作検出処理のフローチャートである。以下、入力操作の検出処理について説明する。
【0034】
ここでは、白色被写体を撮影するための用具である筒体を用いたホワイトバランス調整時における入力操作検出処理について説明する。ダブルクリック方式の場合、フロントタッチパネル35に表示されたボタンのマーク部分を2回押下する。時差方式の場合、フロントタッチパネル35のボタンを1回押下する。ダブルボタン方式の場合、フロントタッチパネル35のボタン操作を1回目の入力操作とし、ビデオスコープ10に設けられたスコープボタン10Tを2回目の入力ボタンとする。
【0035】
1回目の入力操作が行われたことを検出すると、入力操作方式としてダブルクリック方式が設定されているか否かが判断される(S101、S102)。ダブルクリック方式が設定されている場合、ダブルクリック方式に関するメッセージがモニタ60に表示される(S103)。ここでは、「もう1回同じボタンを操作して下さい」といった、2回目の入力操作を促す文字情報が表示される。
【0036】
一方、ダブルクリック方式が設定されておらず、ダブルボタン方式が設定されている場合、ダブルボタン方式に関するメッセージが表示される(S104、S105)。ここでは、2回目の入力操作対象ボタンがスコープボタン10Tであることから、「スコープボタンを操作して下さい」といったメッセージが表示される。
【0037】
ステップS107では、2回目の入力操作が行われたか否かが判断される。ダブルクリック方式の場合にはフロントタッチパネル35、ダブルボタン方式の場合にはスコープボタン10Tに対する入力操作が行われたと判断されると、ホワイトバランス調整処理が実行開始される(S108)。これによって、白色被写体が撮影された状態で、R,G,Bの画像信号の比が1:1:1となるように、ゲイン処理が行われる。
【0038】
一方、入力操作方式として時差方式が設定されている場合、1回目の入力操作が行われると、時差方式に関するメッセージが表示される(S104、S106)。ここでは、あらかじめ定められた一定時間(例えば、3秒)が経過するまでの時間をカウントするカウント表示を行うとともに、「あと・・秒でホワイトバランス処理が実行開始されます」といったメッセージが表示される。そして、一定時間が経過すると、ホワイトバランス調整処理が実行開始される(S109、S110)。
【0039】
このように本実施形態によれば、内視鏡装置においてホワイトバランス調整を行う場合、入力操作方式としてダブルクリック方式、ダブルボタン方式、時差方式のいずれかが設定される。ダブルクリック方式の場合、タッチパネルの表示されたボタンマークを2回押すことによって、ホワイトバランス調整処理が実行開始される。ダブルボタン方式の場合、1回目にタッチパネルの入力操作、2回目にスコープボタンの入力操作をすることによって、ホワイトバランス調整処理が実行開始される。時差方式の場合、1回目にタッチパネルの入力操作の後所定時間経過すると、ホワイトバランス調整処理が実行開始される。
【0040】
単純な1回の入力操作以外の入力操作方式を採用する一方、長押しのように作業効率を低下させる入力操作方式とは異なり、入力操作に融通性があり、所定の処理開始へスムーズに移行できる入力操作を採用することができる。また、ホワイトバランス処理以外にも入力操作方式を設定可能であるため、所定内容、機能に合わせた入力操作を選択的に設定することができる。
【0041】
特に、ホワイトバランス調整時にダブルボタン方式を設定すると、白色の被写体である筒体を撮影するためビデオスコープ10を保持していることから、容易にスコープボタン10Tを操作することによって確実にホワイトバランスを調整することができる。
【0042】
また、1回目の入力操作に従って入力操作に関するメッセージを表示することにより、オペレータは、設定した入力操作方法を確認し、確実に次の入力操作を誤りなく行うことができる。
【0043】
なお、1回目の入力操作として、長時間続けて押下する長押し操作を採用し、長押し操作を検出することで1回目の入力操作が行われたと判断してもよい。また、システムコントロール回路40によって自動的に入力操作方式を設定してもよい。複合的入力操作方式としては、いずれか1つの方式のみ設定可能な構成にしてもよい。
【0044】
次に、図3を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、入力操作方式として時差方式があらかじめ設定されており、ダブルボタン方式もしくはダブルクリック方式が行われると、所定の実行がキャンセルされる。
【0045】
図3は、第2の実施形態における入力操作検出処理のフローチャートである。
【0046】
1回目の入力操作として長押し操作が検出されると、時差方式に関するメッセージとともにキャンセルするためのメッセージが表示される(S201、S202)。時差方式に関しては、上述したようにカウントダウンと処理実行開始のメッセージが表示される。キャンセルに関しては、「もう一度同じボタンを押すか、異なるボタンを押すと処理の実行をキャンセルします」といったメッセージが表示される。
【0047】
一定時間経過前にダブルクリックもしくはダブルボタン操作が行われると、ホワイトバランス調整処理の実行がキャンセルされる(S203、S206)。一方、その間に入力操作が行われず一定時間が経過すると、ホワイトバランス調整処理が実行開始される(S204、S205)。なお、キャンセルするための入力操作方式は、あらかじめ設定されているが、オペレータが設定してもよい。
【0048】
このように所定の実行をキャンセルする入力操作方式を設定することにより、誤って1回目の入力操作を行っても次の作業へ速やかに移行することができる。特に、時差方式を設定し、ダブルボタンあるいはダブルクリック方式をキャンセル入力操作方式として設定することにより、所望する所定への実行開始、あるいはキャンセルを確実に行うことができる。また、キャンセル入力操作方法をメッセージとして表示することにより、誤った入力操作なくキャンセルすることができる。
【0049】
なお、処理をキャンセル入力操作方式として、ダブルボタン方式、ダブルクリック方式以外の入力操作方式を採用してもよい。この場合、その入力操作に関するメッセージが表示される。
【0050】
第1、第2の実施形態では、タッチパネルの押下、スコープボタンの押下といった押下式入力操作部材、あるいは電気的、磁気的な接触検出タイプの入力部が適用されているが、それ以外の入力部を適用してもよい。また、ホワイトバランス調整以外の画像処理、あるいは画像処理以外についても上述した入力操作検出処理を行ってもよい。
【0051】
ダブルクリック方式、ダブルボタン方式では操作回数、操作対象ボタン数は2回に限定されず、さらには、ダブルクリック方式、ダブルボタン方式、時差方式以外の複合的な入力操作方式を、単純な1回操作(長押し操作を含む)とは異なる操作方法として採用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 ビデオスコープ
10T スコープボタン(入力部、スコープ入力部)
30 プロセッサ
35 フロントタッチパネル(入力部、プロセッサ入力部)
36 前段信号処理回路(処理部)
38 後段信号処理回路(処理部)
40 システムコントロール回路(入力操作検出部、入力操作方式設定部)
図1
図2
図3