(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284578
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】マスクを、折畳み可能にし、立体的に支持可能にする折り目を有するマスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20180215BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
A41D13/11 B
A62B18/02 C
A41D13/11 J
A41D13/11 Z
A41D13/11 E
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-119862(P2016-119862)
(22)【出願日】2016年6月16日
(65)【公開番号】特開2017-222953(P2017-222953A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2016年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】516077253
【氏名又は名称】段 睿紘
【氏名又は名称原語表記】Ronald TUAN
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】段 睿紘
【審査官】
米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3188156(JP,U)
【文献】
特開2010−110336(JP,A)
【文献】
特開2011−110306(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3131051(JP,U)
【文献】
実公昭51−030151(JP,Y1)
【文献】
特開2007−097904(JP,A)
【文献】
特開2011−024942(JP,A)
【文献】
特開2012−161370(JP,A)
【文献】
特開2005−342419(JP,A)
【文献】
特開2009−160454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの顔部をカバーするためのものであり、
二つの主体片と、二つの折畳み部と、主遮蔽片と、を含み、
前記主体片、前記折畳み部及び前記主遮蔽片は、横方向に沿って延び、その両端がそれぞれ第1の端及び第2の端とされ、前記主体片と前記折畳み部と前記主遮蔽片とは、前記第1の端が互いに重なり、前記第2の端が互いに重なり、前記第1の端と前記第2の端との重なり箇所で圧着部がそれぞれ形成され、
二つの前記主体片は、ホールドアップ方向に沿って配列され、前記ホールドアップ方向は前記横方向に垂直し、二つの前記主体片はユーザの顔部に当接可能であり、
二つの前記折畳み部は、前記主体片と前記主遮蔽片との間に位置し、前記主体片と前記主遮蔽片とを連接し、互いに連接する少なくとも三つの折畳み片を有し、
前記主体片に粘着層が設けられており、前記粘着層により、ユーザの顔部に前記主体片を粘着可能であり、
折畳み状態にあるときには、二つの前記主体片が互いに隣接し、前記各折畳み片が互いに重なり、展開状態にあるときには、二つの前記主体片が、前記横方向の中央から互いに離れ、前記各折畳み片が、展開されて互いに重ならない状態となり、立体的な構造となり、
耳かけループを有さないことを特徴とする、
マスク。
【請求項2】
前記折畳み片は、三つあり、順序に連接する、第1の折畳み片と、第2の折畳み片と、第3の折畳み片と、から構成され、前記第1の折畳み片は前記主体片と連接し、前記第1の折畳み片と前記主体片との連接箇所では、第1の折り目が形成され、前記第1の折畳み片と前記第2の折畳み片との連接箇所では、第2の折り目が形成され、前記第2の折畳み片と前記第3の折畳み片との連接箇所では、第3の折り目が形成され、前記第3の折畳み片は前記主遮蔽片と連接し、前記第3の折畳み片と前記主遮蔽片との連接箇所では、第4の折り目が形成され、折畳み状態にあるときに、前記第1の折畳み片、前記第2の折畳み片及び前記第3の折畳み片は、それぞれ前記ホールドアップ方向に沿って延び、立体方向に沿って平行に配列され、前記立体方向は、前記横方向と前記ホールドアップ方向とに垂直し、展開状態にあるときに、前記第1の折畳み片、前記第2の折畳み片及び前記第3の折畳み片は、展開されて全体が立体的な構造になることを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記第1の折り目と前記第3の折り目との折り方向は同じであり、前記第2の折り目と前記第4の折り目との折り方向は同じであることを特徴とする、請求項2に記載のマスク。
【請求項4】
ユーザの顔部をカバーするためのものであり、
二つの主体片と、二つの折畳み部と、主遮蔽片と、を含み、
前記主体片、前記折畳み部及び前記主遮蔽片は、横方向に沿って延び、その両端がそれぞれ第1の端及び第2の端とされ、前記主体片と前記折畳み部と前記主遮蔽片とは、前記第1の端が互いに重なり、前記第2の端が互いに重なり、前記第1の端と前記第2の端との重なり箇所で圧着部がそれぞれ形成され、前記主体片と前記折畳み部と前記主遮蔽片とは、連続する立体折り目を有し、
二つの前記主体片は、ホールドアップ方向に沿って配列され、前記ホールドアップ方向は前記横方向に垂直し、二つの前記主体片はユーザの顔部に当接可能であり、
二つの前記折畳み部は、前記主体片と前記主遮蔽片との間に位置し、前記主体片と前記主遮蔽片とを連接し、互いに連接する少なくとも三つの折畳み片を有し、
前記主遮蔽片の前記ホールドアップ方向に沿う両端は、折畳み部とそれぞれ連接し、
前記主体片に粘着層が設けられており、前記粘着層により、ユーザの顔部に前記主体片を粘着可能であり、
折畳み状態にあるときには、二つの前記主体片が互いに隣接し、前記各折畳み片が互いに重なり、展開状態にあるときには、二つの前記主体片が、前記横方向の中央から互いに離れ、前記第1の端と前記第2の端とが互いに重なり、前記各折畳み片が、展開されて互いに重ならない状態となり、立体的な構造となり、
耳かけループを有さないことを特徴とする、
マスク。
【請求項5】
前記折畳み片は、三つあり、順序に連接する、第1の折畳み片と、第2の折畳み片と、第3の折畳み片と、から構成され、前記第1の折畳み片は前記主体片と連接し、前記第1の折畳み片と前記主体片との連接箇所では、第1の折り目が形成され、前記第1の折畳み片と前記第2の折畳み片との連接箇所では、第2の折り目が形成され、前記第2の折畳み片と前記第3の折畳み片との連接箇所では、第3の折り目が形成され、前記第3の折畳み片は前記主遮蔽片と連接し、前記第3の折畳み片と前記主遮蔽片との連接箇所では、第4の折り目が形成され、前記立体折り目は、互いに連接する、主立体折り目と、第1の立体折り目と、第2の立体折り目と、第3の立体折り目と、サブ立体折り目と、を含み、前記主立体折り目は二つの前記主体片に位置し、前記第1の立体折り目は前記第1の折畳み片に位置し、前記第2の立体折り目は前記第2の折畳み片に位置し、前記第3の立体折り目は前記第3の折畳み片に位置し、前記サブ立体折り目は前記主遮蔽片に位置し、折畳み状態にあるときに、前記第1の折畳み片、前記第2の折畳み片及び前記第3の折畳み片は、それぞれ前記ホールドアップ方向に沿って延び、立体方向に沿って平行に配列され、前記立体方向は、前記横方向と前記ホールドアップ方向とに垂直し、展開状態にあるときに、前記第1の折畳み片、前記第2の折畳み片及び前記第3の折畳み片は、展開されて全体が立体的な構造になることを特徴とする、請求項4に記載のマスク。
【請求項6】
前記主立体折り目と前記第2の立体折り目と前記サブ立体折り目との折り方向は、同じであり、第1の折り方向とし、前記第1の立体折り目と前記第3の立体折り目との折り方向は、同じであり、第2の折り方向とし、前記マスクが折畳み状態にあるときに、前記第1の折り方向と前記第2の折り方向とは互いに反対し、前記マスクが展開状態にあるときに、前記第1の折り方向と前記第2の折り方向とは同じであることを特徴とする、請求項5に記載のマスク。
【請求項7】
前記粘着層は、二つの前記主体片の周囲と前記圧着部とに環設されていることを特徴とする、請求項1又は請求項4に記載のマスク。
【請求項8】
前記圧着部は、長手辺と、短手辺と、前記長手辺と前記短手辺とを連接する二つの斜め辺と、を含み、前記圧着部は台形を呈することを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載のマスク。
【請求項9】
前記圧着部は、短手辺と、前記短手辺の両端を連接する二つの斜め辺と、から構成されることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載のマスク。
【請求項10】
前記第1の端と前記第2の端とには、逃げ穴がそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関し、特に、マスクを、折畳み可能にし、立体的に支持可能にする折り目を有するマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の折畳み式マスクは、折り目の折畳み方式及び折畳み方向が同じであり、折り目が互いに平行する。そしてこのようなマスクは、ユーザの耳に掛けるため、本体の両端に弾性付きバンドが設けられている。しかしながら、これには次のような欠点がある。
【0003】
(1)折り目の折畳み方式及び折畳み方向が同じであり、折り目が互いに平行するため、マスクが展開される場合には、立体的な構造が各折り目に制限され、支持力が不足する。
【0004】
(2)折り目の折畳み方式及び折畳み方向が同じであり、折り目が互いに平行するため、マスクが展開される場合には、各折り目の突出する支持部が整列しないことにより、支持力が集中せず、マスクを折畳むときには、マスクがスムーズにならない。
【0005】
(3)従来の折畳み式マスクは、ユーザの耳に掛け可能なため、マスクを展開してユーザの耳に掛ける場合には、弾性付きバンドによる引っぱりにより、マスクの両端に円弧状の開口が形成され、マスクの密封効果及び隔離効果が降下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、マスクが展開されるときの支持力及び立体感を増加可能なマスクを提供することにある。
【0007】
本発明の次の目的は、マスクを折畳みたいときに、マスクを迅速でスムーズに折畳み可能であり、収納に便利なマスクを提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、マスクの使用時の密封効果及び隔離効果を増加可能であり、空気に含むホコリなどを有効にろ過可能となるマスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のマスクは、ユーザの顔部をカバーするためのものであり、二つの主体片と、二つの折畳み部と、主遮蔽片と、を含み、主体片、折畳み部及び主遮蔽片は、横方向に沿って延び、その両端がそれぞれ第1の端及び第2の端とされ、主体片と折畳み部と主遮蔽片とは、第1の端が互いに重なり、第2の端が互いに重なり、第1の端と第2の端との重なり箇所で圧着部がそれぞれ形成され、二つの主体片は、ホールドアップ方向に沿って配列され、ホールドアップ方向は横方向に垂直し、二つの主体片はユーザの顔部に当接可能であり、二つの折畳み部は、主体片と主遮蔽片との間に位置し、主体片と主遮蔽片とを連接し、互いに連接する少なくとも三つの折畳み片を有し、主体片に粘着層が設けられており、粘着層により、ユーザの顔部に主体片を粘着可能であり、折畳み状態にあるときには、二つの主体片が互いに隣接し、各折畳み片が互いに重なり、展開状態にあるときには、二つの主体片が、横方向の中央から互いに離れ、第1の端と第2の端とが互いに重なり、各折畳み片が、展開されて互いに重ならない状態となり、立体的な構造となることを特徴とする。
【0010】
本発明のマスクは、折畳み片は、三つあり、順序に連接する、第1の折畳み片と、第2の折畳み片と、第3の折畳み片と、から構成され、第1の折畳み片は主体片と連接し、第1の折畳み片と主体片との連接箇所では、第1の折り目が形成され、第1の折畳み片と第2の折畳み片との連接箇所では、第2の折り目が形成され、第2の折畳み片と第3の折畳み片との連接箇所では、第3の折り目が形成され、第3の折畳み片は主遮蔽片と連接し、第3の折畳み片と主遮蔽片との連接箇所では、第4の折り目が形成され、折畳み状態にあるときに、第1の折畳み片、第2の折畳み片及び第3の折畳み片は、それぞれホールドアップ方向に沿って延び、立体方向に沿って平行に配列され、立体方向は、横方向とホールドアップ方向とに垂直し、展開状態にあるときに、第1の折畳み片、第2の折畳み片及び第3の折畳み片は、展開されて全体が立体的な構造になることを特徴とする。
【0011】
本発明のマスクは、第1の折り目と第3の折り目との折り方向は同じであり、第2の折り目と第4の折り目との折り方向は同じであることを特徴とする。
【0012】
本発明のマスクは、ユーザの顔部をカバーするためのものであり、二つの主体片と、二つの折畳み部と、主遮蔽片と、を含み、主体片、折畳み部及び主遮蔽片は、横方向に沿って延び、その両端がそれぞれ第1の端及び第2の端とされ、主体片と折畳み部と主遮蔽片とは、第1の端が互いに重なり、第2の端が互いに重なり、第1の端と第2の端との重なり箇所で圧着部がそれぞれ形成され、主体片と折畳み部と主遮蔽片とは、一貫な立体折り目を有し、二つの主体片は、ホールドアップ方向に沿って配列され、ホールドアップ方向は横方向に垂直し、二つの主体片はユーザの顔部に当接可能であり、二つの折畳み部は、主体片と主遮蔽片との間に位置し、主体片と主遮蔽片とを連接し、互いに連接する少なくとも三つの折畳み片を有し、主遮蔽片のホールドアップ方向に沿う両端は、折畳み部とそれぞれ連接し、主体片に粘着層が設けられており、粘着層により、ユーザの顔部に主体片を粘着可能であり、折畳み状態にあるときには、二つの主体片が互いに隣接し、各折畳み片が互いに重なり、展開状態にあるときには、二つの主体片が、横方向の中央から互いに離れ、第1の端と第2の端とが互いに重なり、各折畳み片が、展開されて互いに重ならない状態となり、立体的な構造となることを特徴とする。
【0013】
本発明のマスクは、折畳み片は、三つあり、順序に連接する、第1の折畳み片と、第2の折畳み片と、第3の折畳み片と、から構成され、第1の折畳み片は主体片と連接し、第1の折畳み片と主体片との連接箇所では、第1の折り目が形成され、第1の折畳み片と第2の折畳み片との連接箇所では、第2の折り目が形成され、第2の折畳み片と第3の折畳み片との連接箇所では、第3の折り目が形成され、第3の折畳み片は主遮蔽片と連接し、第3の折畳み片と主遮蔽片との連接箇所では、第4の折り目が形成され、立体折り目は、互いに連接する、主立体折り目と、第1の立体折り目と、第2の立体折り目と、第3の立体折り目と、サブ立体折り目と、を含み、主立体折り目は二つの主体片に位置し、第1の立体折り目は第1の折畳み片に位置し、第2の立体折り目は第2の折畳み片に位置し、第3の立体折り目は第3の折畳み片に位置し、サブ立体折り目は主遮蔽片に位置し、折畳み状態にあるときに、第1の折畳み片、第2の折畳み片及び第3の折畳み片は、それぞれホールドアップ方向に沿って延び、立体方向に沿って平行に配列され、立体方向は、横方向とホールドアップ方向とに垂直し、展開状態にあるときに、第1の折畳み片、第2の折畳み片及び第3の折畳み片は、展開されて全体が立体的な構造になることを特徴とする。
【0014】
本発明のマスクは、主立体折り目と第2の立体折り目とサブ立体折り目との折り方向は、同じであり、第1の折り方向とし、第1の立体折り目と第3の立体折り目との折り方向は、同じであり、第2の折り方向とし、マスクが折畳み状態にあるときに、第1の折り方向と第2の折り方向とは互いに反対し、マスクが展開状態にあるときに、第1の折り方向と第2の折り方向とは同じであることを特徴とする。
【0015】
本発明のマスクは、粘着層は、二つの主体片の周囲と圧着部とに環設されていることを特徴とする。
【0016】
本発明のマスクは、圧着部は、長手辺と、短手辺と、長手辺と短手辺とを連接する二つの斜め辺と、を含み、圧着部は台形を呈することを特徴とする。
【0017】
本発明のマスクは、圧着部は、短手辺と、短手辺の両端を連接する二つの斜め辺と、から構成されることを特徴とする。
【0018】
本発明のマスクは、第1の端と第2の端とには、逃げ穴がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のマスクには、次のような効果がある。
(1)マスクが展開されるときの支持力及び立体感を増加することが可能である。
【0020】
(2)マスクを折畳みたいときに、マスクを迅速でスムーズに折畳み可能であり、収納が便利である。
【0021】
(3)マスクの使用時の密封効果及び隔離効果を増加可能であり、空気に含むホコリなどを有効にろ過可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るマスクの展開状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係るマスクの使用状態を示す模式図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す上面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す断面図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係るマスクの展開状態を示す上面図である。
【
図12】本発明の第3の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す上面図である。
【
図13】本発明の第4の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す上面図である。
【
図14】本発明の第5の実施形態に係るマスクの折畳み状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
本実施形態に係るマスクSは、ユーザの顔部をカバーするためのものであり、二つの主体片10と、二つの折畳み部20と、主遮蔽片30と、を含む。
主体片10、折畳み部20及び主遮蔽片30は、横方向Xに沿って延び、その両端がそれぞれ第1の端10A,20A,30A及び第2の端10B,20B,30Bとされる。主体片10と折畳み部20と主遮蔽片30とは、第1の端10A,20A,30Aが互いに重なって結合し、第2の端10B,20B,30Bが互いに重なって結合する。第1の端10A,20A,30Aと第2の端10B,20B,30Bとの重なり箇所で圧着部Pがそれぞれ形成される。
圧着部Pは、
図12に示すように、ある幅を有する。圧着部Pは、長手辺P1と、短手辺P2と、長手辺P1と短手辺P2とを連接する二つの斜め辺P3と、を含む。これにより、圧着部Pは台形を呈する。
図13に示すように、圧着部Pは、短手辺P2と、短手辺P2の両端を連接する二つの斜め辺P3と、から構成されることが好ましい。
【0025】
主体片10は、二つあり、ホールドアップ方向Yに沿って配列される。ホールドアップ方向Yは横方向Xに垂直する。二つの主体片10は、ホールドアップ方向Yに沿って隣接する対応辺101をそれぞれ有し、ユーザの顔部に当接可能である。
【0026】
折畳み部20は、二つあり、主体片10と主遮蔽片30との間に位置し、主体片10と主遮蔽片30とを連接する。折畳み部20は、第1の連接辺20Iと、第2の連接辺20Jと、をそれぞれ有する。第1の連接辺20Iは、主体片10の対応辺101を連接する。折畳み部20は、互いに連接する少なくとも三つの折畳み片200を有する。
本実施形態では、折畳み片200は、三つあり、順序に連接する、第1の折畳み片201と、第2の折畳み片202と、第3の折畳み片203と、から構成される。第1の連接辺20Iは第1の折畳み片201に位置する。第1の折畳み片201は主体片10と連接する。第1の折畳み片201と主体片10との連接箇所では、第1の折り目U1が形成される。第1の折畳み片201と第2の折畳み片202との連接箇所では、第2の折り目U2が形成される。第2の折畳み片202と第3の折畳み片203との連接箇所では、第3の折り目U3が形成される。第3の折畳み片203と第2の折畳み片202との別の連接箇所は、第2の連接辺20Jである。第3の折畳み片203は主遮蔽片30と連接する。第3の折畳み片203と主遮蔽片30との連接箇所では、第4の折り目U4が形成される。第1の折り目U1と第3の折り目U3との折り方向は同じである。第2の折り目U2と第4の折り目U4との折り方向は同じである。
【0027】
マスクSが折畳み状態にあるときに、
図4に示すように、第1の折畳み片201、第2の折畳み片202及び第3の折畳み片203は、それぞれホールドアップ方向Yに沿って延び、立体方向Zに沿って平行に配列される。立体方向Zは、横方向Xとホールドアップ方向Yとに垂直する。
【0028】
マスクSが展開状態にあるときに、
図5に示すように、第1の折畳み片201、第2の折畳み片202及び第3の折畳み片203は、展開されてマスクS全体が立体的な構造になる。
【0029】
主遮蔽片30は一つある。主遮蔽片30のホールドアップ方向Yに沿う両端は、二つの折畳み部20の第3の折畳み片203の第2連接辺20Jとそれぞれ連接する。
【0030】
粘着層40は、二つの主体片10の対応辺101から離れる一端に位置する。粘着層40は、
図2に示すように、横方向Xに沿って設けられ、二つの主体片10のユーザの顔部に接触する側に位置する。粘着層40は、
図3に示すように、二つの主体片10の周囲と圧着部Pとに環設されていることが好ましい。
【0031】
上記の説明から明らかなように、本実施形態に係るマスクSは、順序に連接する、主体片10と、第1の折畳み片201と、第2の折畳み片202と、第3の折畳み片203と、主遮蔽片30と、第3の折畳み片203と、第2の折畳み片202と、第1の折畳み片201と、主体片10と、から構成される。
【0032】
(第2の実施形態)
本実施形態に係るマスクSは、
図9から
図11に示すように、更に、立体折り目Lを有する。立体折り目Lは、マスクSの横方向Xの中央に位置し、ホールドアップ方向Yに沿って延びる。立体折り目Lは、互いに連接する、主立体折り目L1と、第1の立体折り目L2と、第2の立体折り目L3と、第3の立体折り目L4と、サブ立体折り目L5と、を含む。主立体折り目L1は二つの主体片10に位置する。第1の立体折り目L2は第1の折畳み片201に位置する。第2の立体折り目L3は第2の折畳み片202に位置する。第3の立体折り目L4は第3の折畳み片203に位置する。サブ立体折り目L5は主遮蔽片30に位置する。
主立体折り目L1と第2の立体折り目L3とサブ立体折り目L5との折り方向は、同じであり、第1の折り方向とする。第1の立体折り目L2と第3の立体折り目L4との折り方向は、同じであり、第2の折り方向とする。マスクSが折畳み状態にあるときに、前記第1の折り方向と前記第2の折り方向とは互いに反対する。マスクSが展開状態にあるときに、前記第1の折り方向と前記第2の折り方向とは同じである。立体折り目Lは、一貫に延びるため、マスクSが展開状態にあるときに、主立体折り目L1と、第1の立体折り目L2と、第2の立体折り目L3と、第3の立体折り目L4と、サブ立体折り目L5とが互いに連接して円弧線を形成する。これにより、支持力が立体折り目Lに集中して、マスクSを支持する支持力が増加する。
【0033】
(第5の実施形態)
本実施形態に係るマスクSは、
図14に示すように、第1の端10A,20A,30Aと第2の端10B,20B,30Bとには、逃げ穴Rがそれぞれ設けられている。本実施形態に係るマスクSが展開状態にあるときに、二つの逃げ穴Rの両側にある部分は、逃げ穴Rに進入して互いに重なる。これにより、主体片10と折畳み部20との第1の端10A,20A,30Aと第2の端10B,20B,30Bとに位置する連接箇所で、皺が形成されて隙間を形成することを回避可能である。このように、マスクS全体の密封性を増加可能である。
【0034】
上記の説明から明らかなように、本実施形態に係るマスクSは、主遮蔽片30と二つの主体片10とに二つの折畳み部20をそれぞれ連接することにより、折畳み部20が少なくとも三つの折畳み片200を有するため、マスクSを使用したいときに、各折畳み片200が展開されて立体的な構造になる。これにより、マスクSは、より良い支持力及び立体感を得ることが可能である。
【0035】
主遮蔽片30と主体片10と折畳み部20とから、一貫な立体折り目Lが形成されるため、展開状態にあるマスクSは、支持力が更に集中する。
【0036】
第1の端10A,20A,30Aと第2の端10B,20B,30Bとには、逃げ穴Rがそれぞれ設けられているため、マスクSが展開状態にあるときに、主体片10と折畳み部20との第1の端10A,20A,30Aと第2の端10B,20B,30Bとに位置する連接箇所で、皺が形成されて隙間を形成することを回避可能である。これにより、マスクS全体の密封性を増加可能である。
【0037】
本発明は、マスクに適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
10 主体片
10A,20A,30A 第1の端
10B,20B,30B 第2の端
20 折畳み部
20I 第1の連接辺
20J 第2の連接辺
30 主遮蔽片
40 粘着層
101 対応辺
200 折畳み片
201 第1の折畳み片
202 第2の折畳み片
203 第3の折畳み片
P 圧着部
P1 長手辺
P2 短手辺
P3 斜め辺
L 立体折り目
L1 主立体折り目
L2 第1の立体折り目
L3 第2の立体折り目
L4 第3の立体折り目
L5 サブ立体折り目
R 逃げ穴
S マスク
U1 第1の折り目
U2 第2の折り目
U3 第3の折り目
U4 第4の折り目
X 横方向
Y ホールドアップ方向
Z 立体方向