(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の構成では、シートフレームを構成する部品の点数が多いため、組み立てのための工数が多くなったり、シートフレームの重量が大きくなったりするという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、シートフレームの部品点数を削減して組立工数を削減したり、シートフレームを軽量化したりすることができる乗物用シートを提供することを目的とする。
また、本発明は、シートフレームの剛性を向上させることを目的とする。
また、本発明は、着座フィーリングを向上させることを目的とする。
また、本発明は、部品の取付強度を向上させることを目的とする。
また、本発明は、部品をコンパクトに配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の乗物用シートは、シートクッションと、シートバックとを備えた乗物用シートであって、所定方向に離間して配置された第1フレームおよび第2フレームと、前記第1フレームおよび前記第2フレームの一端部同士を連結する第3フレームと、前記第1フレームおよび前記第2フレームの他端部同士を連結する第4フレームと、前記第1フレームおよび前記第2フレームから離れた位置で前記第3フレームと前記第4フレームを連結する連結フレームとを有するシートフレームを備え、前記シートフレームは、前記第1フレームと、前記連結フレームと、前記第1フレームと前記連結フレームをつなぐ前記第3フレームの一部とを構成するU字形状の第1パイプ部材と、前記第2フレームと、前記第3フレームの残りの一部と、前記第4フレームとを構成し、前記第1パイプ部材と連結されたU字形状の第2パイプ部材とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、シートフレームの部品点数を削減することができるので、組立工数を削減したり、シートフレームを軽量化したりすることができる。また、簡易な構造で高い剛性を得ることができる。
【0008】
前記した乗物用シートにおいて、前記シートフレームは、前記第1パイプ部材および前記第2パイプ部材の少なくとも一方に連結される板状部材を備え、前記板状部材は、着座者側に向けて突出し、前記所定方向に対して直交するように延びる少なくとも1つの第1凸部と、着座者側に向けて突出し、前記所定方向に対して傾斜するように延びる少なくとも1つの第2凸部とを有する構成とすることができる。
【0009】
これによれば、シートフレームを構成する板状部材の剛性を向上させることができるので、シートフレームの剛性を向上させることができる。特に、第1凸部が延びる方向と第2凸部が延びる方向とが異なっているので、シートフレームの剛性をより向上させることができる。また、第1凸部と第2凸部の配置によって部位別に最適な剛性を設定することが可能となる。
【0010】
前記した乗物用シートにおいて、前記シートフレームは、前記第1パイプ部材および前記第2パイプ部材の少なくとも一方に連結される板状部材を備え、前記板状部材は、着座者側に向けて突出し、着座者側から見て三角形状をなす少なくとも1つの第3凸部を有する構成とすることができる。
【0011】
これによれば、シートフレームを構成する板状部材の剛性を向上させることができるので、シートフレームの剛性を向上させることができる。また、第3凸部の配置によって部位別に最適な剛性を設定することが可能となる。
【0012】
前記した乗物用シートにおいては、シートベルトと、前記シートベルトを巻き取るシートベルト巻取装置と、前記シートベルト巻取装置を前記シートフレームに取り付けるためのブラケットとを備え、前記ブラケットは、前記連結フレームに設けられている構成とすることができる。
【0013】
これによれば、従来は、ブラケットを取り付けるため、上部フレームと下部フレームの間に左右に延びるフレームを設けていたが、このようなフレームの省略が可能となるので、部品点数の増加を抑えることができる。また、着座者が左右に延びるフレームの当たり感を感じることがなくなり、着座フィーリングを向上させることができる。
【0014】
前記した乗物用シートにおいて、前記シートフレームは、前記連結フレームと複数の接合部で接合されている板状部材を備え、前記ブラケットは、隣接した2箇所の前記接合部の間に配置されている構成とすることができる。
【0015】
これによれば、ブラケットの取付強度を向上させることができる。
【0016】
前記した乗物用シートにおいて、前記シートフレームは、前記第1パイプ部材および前記第2パイプ部材の少なくとも一方に連結される板状部材を備え、前記ブラケットは、前記連結フレームに取り付けられた取付部を有し、前記取付部は、前記連結フレームと前記板状部材の間に配置されている構成とすることができる。
【0017】
これによれば、ブラケットの取付部をコンパクトに配置することができる。これにより、例えば、着座者と、ブラケットに取り付けられるシートベルト巻取装置との間に配置されるパッド材の厚みを厚くできるので、着座フィーリングを向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、シートフレームの部品点数を削減して組立工数を削減したり、シートフレームを軽量化したりすることができる。また、簡易な構造で高い剛性を得ることができる。
【0019】
また、本発明によれば、シートフレームを構成する板状部材に延びる方向が異なる第1凸部と第2凸部を設けることで、シートフレームの剛性を向上させることができる。
【0020】
また、本発明によれば、シートフレームを構成する板状部材に三角形状の第3凸部を設けることで、シートフレームの剛性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明によれば、シートベルト巻取装置をシートフレームに取り付けるためのブラケットを連結フレームに設けることで、部品点数の増加を抑えることができるとともに、着座フィーリングを向上させることができる。
【0022】
また、本発明によれば、ブラケットを連結フレームと板状部材が接合された、隣接した2箇所の接合部の間に配置することで、ブラケットの取付強度を向上させることができる。
【0023】
また、本発明によれば、ブラケットの取付部を連結フレームと板状部材の間に配置することで、ブラケットの取付部をコンパクトに配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照しながら発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、実施形態に係る乗物用シートは、自動車に搭載される車両用シートSとして構成されている。車両用シートSは、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3,S4,S5と、中央のシートのためのシートベルトB1と、シートベルトB1を巻き取るシートベルト巻取装置R1と、アームレストARとを主に備えている。
【0026】
アームレストARは、使用するときの位置である
図2に示す使用位置と、シートバックS2に収納された位置である
図1に示す収納位置との間で、シートバックS2に対して前後に回動可能に支持されている。アームレストARは、当該アームレストARの図示しないフレームを、ウレタンフォームなどのクッション材からなるパッド材と、布地などからなる表皮材で覆うことで構成されている。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、車両用シートSに座った者(着座者)から見た、前後、左右、上下に対応している。
【0027】
シートバックS2は、中央のシートと左側のシートのシートバックを構成する左側の第1シートバックS21と、第1シートバックS21の右側に配置されて右側のシートのシートバックを構成する右側の第2シートバックS22とを有している。
【0028】
第1シートバックS21は、
図3に示すように、骨格を構成するシートフレームの一例としてのシートバックフレームF1と、シートベルト巻取装置R1をシートバックフレームF1に取り付けるための第1ブラケット10および第2ブラケット20とを主に備えている。第1シートバックS21は、シートバックフレームF1を、クッション材からなるパッド材P1(
図8参照)と、布地などからなる表皮材P2で覆うことで構成されている。
【0029】
シートバックフレームF1は、パイプフレーム30と、板状部材としてのバックパネル40とを主に備えて構成されている。
【0030】
パイプフレーム30は、左右に離間して配置された左右のサイドフレーム31,32と、左右のサイドフレーム31,32の上端部同士を連結する上部フレーム33と、左右のサイドフレーム31,32の下端部同士を連結する下部フレーム34と、上部フレーム33と下部フレーム34を連結する連結フレーム35とを主に有している。連結フレーム35は、左右のサイドフレーム31,32から左右方向内側に離れた位置であって、左右方向における上部フレーム33と下部フレーム34の中央付近同士を連結するように設けられている。本実施形態では、サイドフレーム31が「第1フレーム」の一例であり、サイドフレーム32が「第2フレーム」の一例であり、上部フレーム33が「第3フレーム」の一例であり、下部フレーム34が「第4フレーム」の一例である。
【0031】
パイプフレーム30は、
図4に示すように、第1パイプ部材100と、第2パイプ部材200とを備えて構成されている。
第1パイプ部材100は、金属製のパイプ材を略U字形状に屈曲させることにより形成されており、縦パイプ部110と、縦パイプ部110の上端から右に屈曲して延びる横パイプ部120と、横パイプ部120の右端から下に屈曲して延びる縦パイプ部130とを有している。
【0032】
縦パイプ部110は、左のサイドフレーム31を構成する部位である。縦パイプ部110は、前側から見て、略上下に延びる第1部位111と、第1部位111の上端から左右方向外側の斜め上方に向けて延びる第2部位112と、第2部位112の上端から略上下に延びる第3部位113とを有している。このような構成により、シートバックフレームF1は、上端部の左右の幅が、下端部の左右の幅よりも大きくなっており、シートバックフレームF1にパッド材P1と表皮材P2を被せた第1シートバックS21の左側のシートの左右の幅を、例えば、大型の乗用車に対応させて広くすることができる。
【0033】
横パイプ部120は、上部フレーム33の一部である上部フレーム33の左側部分を構成する部位である。横パイプ部120の前側には、ヘッドレストS3(
図1参照)を取り付けるための左右一対のヘッドレスト取付ブラケット36,36が溶接により取り付けられている(
図3、溶接部W1参照)。横パイプ部120は、ヘッドレスト取付ブラケット36,36が取り付けられる部分が、パイプ材の一部をつぶすように変形させて形成した平面部121となっている。
【0034】
縦パイプ部130は、連結フレーム35を構成する部位である。縦パイプ部130は、左右方向から見て、略上下に延びる第1部位131と、第1部位131の上端から前斜め上方に向けて延びる第2部位132と、第2部位132の上端から略上下に延びる第3部位133とを有している(
図7も参照)。なお、縦パイプ部110も、左右方向から見ると、第2部位112が第1部位111の上端から前斜め上方に向けて延び、略上下に延びる第3部位113の下端につながっている。
【0035】
第2パイプ部材200は、金属製のパイプ材を略U字形状に屈曲させることにより形成されており、縦パイプ部210と、縦パイプ部210の上端から左に屈曲して延びる横パイプ部220と、縦パイプ部210の下端から左に屈曲して延びる横パイプ部230とを有している。第2パイプ部材200を形成するパイプ材の直径は、第1パイプ部材100を形成するパイプ材の直径よりも小さくなっている。つまり、第2パイプ部材200は、第1パイプ部材100よりも細いパイプ材から形成されている。
【0036】
縦パイプ部210は、右のサイドフレーム32を構成する部位である。縦パイプ部210は、左のサイドフレーム31を構成する第1パイプ部材100の縦パイプ部110とは異なり、略上下にまっすぐ延びている。
【0037】
横パイプ部220は、上部フレーム33の第1パイプ部材100の横パイプ部120によって構成される部分を除いた残りの一部である上部フレーム33の右側部分を構成する部位である。横パイプ部220の前側には、中央のシートのヘッドレストS4(
図1参照)の骨格を構成するヘッドレストフレームF4が溶接により取り付けられている(
図3、溶接部W2参照)。横パイプ部220は、ヘッドレストフレームF4が取り付けられる部分が、パイプ材の一部をつぶすように変形させて形成した平面部221となっている。なお、ヘッドレストS4は、ヘッドレストフレームF4を、クッション材からなるパッド材と、布地などからなる表皮材で覆うことで構成されている。
横パイプ部230は、下部フレーム34を構成する部位である。
【0038】
図4および
図3に示すように、第1パイプ部材100と第2パイプ部材200は、縦パイプ部110の下端と横パイプ部230の左端部とが溶接され、縦パイプ部130の下端と横パイプ部230の左右方向中央付近とが溶接され、横パイプ部220の左端と横パイプ部120の右端とが連結ブラケット37を介して溶接されている(溶接部W3参照)。これにより、第1パイプ部材100と第2パイプ部材200は、互いに連結されてパイプフレーム30を形成している。
【0039】
バックパネル40は、金属板を板金加工することにより形成されており、第1部位41と、第2部位42と、第3部位43と、第4部位44とを有している。
第1部位41は、右のサイドフレーム32、上部フレーム33、下部フレーム34および連結フレーム35に囲まれる部位であり、車両用シートSの中央のシートに座った着座者の後方に位置する。また、第2部位42は、左のサイドフレーム31、上部フレーム33、下部フレーム34および連結フレーム35に囲まれる部位であり、車両用シートSの左側のシートに座った着座者の後方に位置する。また、第3部位43は、連結フレーム35の後方に位置する部位であり、第4部位44は、左右のサイドフレーム31,32、上部フレーム33および下部フレーム34の後方に位置する部位であり、バックパネル40の周縁部に相当する。
【0040】
図5に示すように、バックパネル40には、当該バックパネル40の剛性を高めるため、着座者側としての前側に向けて突出する複数の凸部が形成されている。複数の凸部は、第1凸部51、第2凸部52、第3凸部53、第4凸部54および第5凸部55を含む。また、複数の凸部は、パイプフレーム30の第1パイプ部材100および第2パイプ部材200に連結される第1連結凸部61および第2連結凸部62を含む。また、バックパネル40には、前側に向けて突出する略円形状のブラケット接合部71と、略矩形状の開口部72が形成されている。
【0041】
第1凸部51は、所定方向としての左右方向に対して直交するように略上下に延びる凸部であり、第1部位41と第3部位43に左右方向に並んで複数設けられている。複数の第1凸部51のうち、幅広の第1凸部51A,51Bには、略円形の貫通穴73が、第1凸部51A,51Bが延びる方向に並んで複数形成されている。このような貫通穴73を有することで、バックパネル40を軽量化することができ、結果としてシートバックフレームF1を軽量化することができる。
【0042】
第2凸部52は、左右方向に対して傾斜するように延びる凸部であり、第2部位42に、左右方向に並ぶように複数設けられている。詳しくは、第2凸部52は、第2部位42の上下方向中央付近から下側の部分において、バックパネル40の上縁部の左右方向中央付近とバックパネル40の下縁部の左端部とを結ぶ方向に対して略平行となるように延びている。複数の第2凸部52のうち、幅広の第2凸部52Aには、貫通穴73が、第2凸部52Aが延びる方向に並んで複数形成されている。
【0043】
第3凸部53は、前側から見て略三角形状をなしており、第2部位42の左端部に1つ設けられ、第2部位42の下側部分に複数設けられている。各第3凸部53には、それぞれ貫通穴73が1つずつ形成されている。なお、第3凸部53Aの左端部と第2凸部52Aの下端部とは、接続部56によってつながっており、前側に向けて突出する一体の凸部を形成している。
【0044】
第4凸部54は、左右に延びており、第2部位42の下端部に設けられている。第4凸部54には、貫通穴73が、第4凸部54が延びる方向に並んで複数形成されている。
第5凸部55は、略上下に延びる上側部分と、上側部分の下端から屈曲して第2凸部52と略平行に延びる下側部分とを有し、第2部位42の上側部分の左右方向中央付近に設けられている。第5凸部55には、貫通穴73が複数形成されている。
【0045】
第1連結凸部61は、左右のサイドフレーム31,32や上部フレーム33、下部フレーム34に連結される部分であり、バックパネル40の周縁部である第4部位44に複数設けられている。
第2連結凸部62は、連結フレーム35に連結される部位であり、第3部位43に複数設けられている。詳しくは、第2連結凸部62は、略円形の凸部であり、上下に間隔をあけて2つ設けられている。第2連結凸部62は、第1凸部51Bと一体に形成されており、第1凸部51Bよりも前側に突出している。
【0046】
ブラケット接合部71は、第1ブラケット10が接合される部分であり、第2部位42の右端部の上下方向中央付近に1つ設けられている。ブラケット接合部71は、上下方向において、2つの第2連結凸部62の間の位置に設けられている。また、ブラケット接合部71は、左右と下を、第2凸部52B、第1凸部51B、および第3凸部53Bによって囲まれる位置に設けられている。
【0047】
図3に示すように、開口部72は、図示しないチャイルドシートのトップテザーを係合させるためのテザーアンカー74を露出させる貫通した穴であり、第5凸部55の左側に隣接して1つ設けられている。開口部72の周縁部は、前側に突出しており、これによって、開口部72付近の剛性を確保している。テザーアンカー74は、略U字形状に屈曲させたワイヤ状の部材からなり、両端部が開口部72の左右の縁部に溶接により固定されている(溶接部W4参照)。
【0048】
パイプフレーム30とバックパネル40は、バックパネル40をパイプフレーム30の後側に配置して、複数の第1連結凸部61とフレーム31〜34とを互い接触させ、また、2つの第2連結凸部62と連結フレーム35とを互いに接触させた状態で溶接することにより接合されている(溶接部W5参照)。パイプフレーム30とバックパネル40とが接合されていない部分は、主にバックパネル40の凹凸形状によって、パイプフレーム30とバックパネル40との間に十分な隙間が確保されている(
図7参照)。これにより、ビビリ音などの異音の発生を抑制することができる。
【0049】
アームレストAR(
図1参照)は、収納位置にあるとき、右のサイドフレーム32と連結フレーム35との間に配置される。本実施形態では、右のサイドフレーム32(縦パイプ部210)を構成する第2パイプ部材200が、連結フレーム35(縦パイプ部130)を構成する第1パイプ部材100よりも細いパイプ材から形成されているので、アームレストARの収納スペースを広くすることができる。これにより、アームレストARの図示しないフレームを覆うパッド材の厚みを厚くすることができる。なお、右のサイドフレーム32と連結フレーム35の下端部には、アームレストARを回動可能に支持する一対のアームレスト支持ブラケット38,38が設けられている。
【0050】
図6に示すように、ブラケットの一例としての第1ブラケット10は、金属板を板金加工することにより形成されており、連結フレーム35に取り付けられた取付部11と、シートベルト巻取装置R1が固定される固定部12と、取付部11と固定部12をつなぐ連結部13とを主に有している。連結部13は、取付部11の左端から左斜め前方に延び、固定部12は、連結部13の左端から左に延びている。
図8に示すように、固定部12には、シートベルト巻取装置R1を固定するためのボルト15が設けられている。ボルト15は、固定部12に形成された図示しない貫通穴に後側から挿通されて、頭部が固定部12の後側の面に溶接により固定されている。また、第1ブラケット10の周縁部は、角部が外側に向けて凸となる緩やかな曲面状をなすように後側に向けて屈曲している。
【0051】
図6に示すように、第1ブラケット10は、取付部11を連結フレーム35の上下方向中央付近に後側から接触させた状態で、上縁部、下縁部および前面部の3箇所を連結フレーム35に溶接により接合することで(溶接部W6参照)、連結フレーム35(パイプフレーム30)に取り付けられている。また、第1ブラケット10は、固定部12をブラケット接合部71に前側から接触させた状態でブラケット接合部71にスポット溶接により接合することで(溶接部W7参照)、バックパネル40に取り付けられている。
【0052】
このように取り付けられた第1ブラケット10は、
図3に示すように、シートバックフレームF1の略中央の位置であって、上部フレーム33および下部フレーム34から上下方向内側に離れた位置で連結フレーム35の後側に設けられている。
図7に示すように、取付部11は、連結フレーム35とバックパネル40の間に配置されている。取付部11とバックパネル40との間には隙間が形成されている。
【0053】
また、
図3に示すように、第1ブラケット10は、上下方向において、連結フレーム35と上側の第2連結凸部62との溶接部W51と、連結フレーム35と下側の第2連結凸部62との溶接部W52との間、つまり、隣接した2箇所の溶接部W51,W52(接合部)の間に配置されている。さらに、第1ブラケット10は、前側から見て、バックパネル40に形成された凸部51〜55を避けた位置に配置されている。言い換えると、凸部51〜55は、第1ブラケット10の周囲に設けられている。
【0054】
図8に示すように、第2ブラケット20は、金属板を板金加工することにより形成されており、上部フレーム33に接合される取付部21と、シートベルト巻取装置R1が固定される固定部22と、取付部21と固定部22をつなぐ連結部23と、取付部21の上端から前側に屈曲して延びるカバー部24とを主に有している。連結部23は、取付部21の下端から前斜め下方に延び、固定部22は、連結部23の下端から取付部21と略平行に延びている。固定部22には、第1ブラケット10と同様に、シートベルト巻取装置R1を固定するためのボルト25が設けられている。なお、本実施形態では、ボルト15の軸部の直径が、ボルト25の軸部の直径よりも大きくなっている。
【0055】
第2ブラケット20は、取付部21を上部フレーム33の左右方向中央付近に後側から接触させた状態で上部フレーム33に溶接により接合することで、パイプフレーム30に取り付けられている。
【0056】
シートベルト巻取装置R1は、第1ブラケット10と第2ブラケット20との間で架け渡された状態で第1ブラケット10および第2ブラケット20に取り付けられている。詳しくは、シートベルト巻取装置R1は、下部固定片R10に形成された図示しない貫通穴にボルト15を通してナット16を締結するとともに、上部固定片R20に形成された図示しない貫通穴にボルト25を通してナット26を締結することで、第1ブラケット10および第2ブラケット20を介してシートバックフレームF1に取り付けられている
【0057】
シートベルト巻取装置R1から引き出されたシートベルトB1は、第2ブラケット20の後側および上側を通って、上部フレーム33に固定されたガイドワイヤ39に掛けられ、第1シートバックS21の前側に引き出されている。そして、シートベルトB1はタングB11(
図1参照)を取り付けた上で、端部が車体に固定された図示しないアンカーに接続されている。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、第1ブラケット10が連結フレーム35に設けられているので、従来は、ブラケットを取り付けるため、上部フレームと下部フレームの間に左右に延びるフレームを設けていたが、このようなフレームを省略することができる。このように、上部フレームと下部フレームの間の左右に延びるフレームがなくなることで、着座者が当たり感を感じることがなくなるので、着座フィーリングを向上させることができる。また、左右に延びるフレームを省略して部品点数の増加を抑えることができるので、シートバックフレームF1の部品点数を削減することができる。これにより、シートバックフレームF1の組立工数を削減したり、シートバックフレームF1を軽量化したりすることができる。また、シートバックフレームF1の部品点数を削減したり、組立工数を削減したりできることで、シートバックフレームF1の低コスト化を図ることができる。
【0059】
また、バックパネル40が前側に向けて突出する凸部51〜55を有するので、シートバックフレームF1を構成するバックパネル40の剛性を向上させることができ、その結果、シートバックフレームF1の剛性を向上させることができる。特に本実施形態では、第1凸部51が延びる方向と第2凸部52が延びる方向とが異なっており、また、第3凸部53などの形状が第1凸部51の形状や第2凸部52の形状と異なっているので、シートバックフレームF1の剛性をより向上させることができる。また、第1凸部51や第2凸部52、第3凸部53などの配置や組み合わせなどによってバックパネル40の部位別に最適な剛性を設定することが可能となる。
【0060】
また、第1ブラケット10が凸部51〜55を避けた位置に配置されているので、第1ブラケット10とバックパネル40の凸部51〜55との干渉を抑制することができる。また、第1ブラケット10が凸部51〜55を避けた位置に配置されていることで、第1ブラケット10を着座者からより遠ざけて配置することが可能となる。これにより、着座者とシートベルト巻取装置R1との間に配置されるパッド材P1の厚みを厚くできるので、着座フィーリングを向上させることができる。
【0061】
また、シートバックフレームF1が、略U字形状の第1パイプ部材100と、略U字形状の第2パイプ部材200とを備える構成なので、例えば、シートバックフレームが、U字形状のメインパイプと、メインパイプの下端部同士をつなぐ直線状のアンダーパイプと、メインパイプの上側部分とアンダーパイプをつなぐ直線状のサブパイプとを備えるような構成と比較して、シートバックフレームF1の部品点数をより削減することができる。また、第1パイプ部材100と第2パイプ部材200が、両方とも略U字形状であり、さらに、例えば、第1パイプ部材100の縦パイプ部110,130のように適宜曲げ構造を形成することで、シートバックフレームF1の部品点数を増やさずに削減しながら、部位ごとに剛性や強度を最適に調整することができる。これにより、例えば、第1ブラケット10が取り付けられる縦パイプ部130(連結フレーム35)付近などをさらに強固に補強することができる。また、簡易な構造で高い剛性を得ることができる。
【0062】
また、第2パイプ部材200が第1パイプ部材100よりも細いことで、アームレストARの収納スペースを広くすることができ、これによって、アームレストARのパッド材の厚みを厚くできるので、アームレストARのクッション感を向上させることができる。
【0063】
また、第1ブラケット10が連結フレーム35の後側に設けられているので、前側に設ける場合よりも、第1ブラケット10を着座者から離れた位置に配置することができ、着座者と、第1ブラケット10に取り付けられるシートベルト巻取装置R1との距離を大きくすることができる。これにより、着座者とシートベルト巻取装置R1との間に配置されるパッド材P1の厚みを厚くできるので、着座フィーリングをより向上させることができる。また、パッド材P1の厚みを確保できることで、パッド材P1の厚みがシートバックS2の他の部分に比べて薄くなるような位置にも第1ブラケット10を配置することが可能となるため、第1ブラケット10の取付位置の自由度を向上させることができる。
【0064】
また、連結フレーム35とバックパネル40が複数の溶接部W51,W52で接合されている構成において、第1ブラケット10が隣接した2箇所の溶接部W51,W52の間に配置されているので、言い換えれば、第1ブラケット10が溶接部W51,W52の間の連結フレーム35が撓みにくい部分に取り付けられているので、第1ブラケット10の取付強度を向上させることができる。
【0065】
また、第1ブラケット10の取付部11が連結フレーム35とバックパネル40の間に配置されているので、取付部11をコンパクトに配置することができる。これにより、例えば、着座者と、第1ブラケット10に取り付けられるシートベルト巻取装置R1との間に配置されるパッド材P1の厚みを厚くできるので、着座フィーリングを向上させることができる。
【0066】
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、第1パイプ部材100が、左のサイドフレーム31と、上部フレーム33の一部と、連結フレーム35とを構成し、第2パイプ部材200が、右のサイドフレーム32と、上部フレーム33の残りの一部と、下部フレーム34とを構成していたが、これに限定されない。例えば、第1パイプ部材が、右のサイドフレームと、上部フレームの一部と、連結フレームとを構成し、第2パイプ部材が、左のサイドフレームと、上部フレームの残りの一部と、下部フレームとを構成していてもよい。また、第1パイプ部材が、左のサイドフレームと、連結フレームと、下部フレームの一部とを構成し、第2パイプ部材が、右のサイドフレームと、下部フレームの残りの一部と、上部フレームとを構成していてもよい。また、第1パイプ部材が、右のサイドフレームと、連結フレームと、下部フレームの一部とを構成し、第2パイプ部材が、左のサイドフレームと、下部フレームの残りの一部と、上部フレームとを構成していてもよい。
【0067】
また、前記実施形態では、所定方向に離間して配置された第1フレームおよび第2フレームとして左右のサイドフレーム31,32を例示し、第1フレームおよび第2フレームの一端部同士を連結する第3フレームとして上部フレーム33を例示し、第1フレームおよび第2フレームの他端部同士を連結する第4フレームとして下部フレーム34を例示したが、これに限定されない。例えば、第1フレームおよび第2フレームがシートバックの上下のフレームであり、第3フレームおよび第4フレームがシートバックの左右のフレームであってもよい。また、前記実施形態では、シートフレームとしてシートバックフレームF1を例示したが、これに限定されず、例えば、シートフレームは、シートクッションのフレームであってもよい。この場合においては、第1フレームおよび第2フレームがシートクッションの左右のフレームであり、第3フレームおよび第4フレームがシートクッションの前後のフレームであってもよいし、第1フレームおよび第2フレームがシートクッションの前後のフレームであり、第3フレームおよび第4フレームがシートクッションの左右のフレームであってもよい。
【0068】
また、前記実施形態では、第1ブラケット10が補強用の凸部51〜55を避けた位置に配置されていたが、これに限定されず、前後方向から見て、補強用の凸部と重なる位置に配置されていてもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、例えば、第1凸部51がバックパネル40に複数設けられていたが、これに限定されず、1つだけ設けられている構成であってもよい。また、バックパネルの剛性を確保できるのであれば、第1凸部を設けない構成であってもよい。以上は、第2凸部や第3凸部についても同様である。
【0070】
また、前記実施形態では、例えば、バックパネル40が、パイプフレーム30を構成する第1パイプ部材100および第2パイプ部材200の両方に連結されていたが、これに限定されない。例えば、パイプフレームとバックパネルの固定強度を確保できるのであれば、バックパネルは、第1パイプ部材だけに連結されていてもよいし、第2パイプ部材だけに連結されていてもよい。
【0071】
また、前記実施形態では、パイプフレーム30とバックパネル40が溶接により接合されることで互いに連結されていたが、これに限定されない。例えば、パイプフレームとバックパネルは、ボルトとナットの締結などにより互いに連結されていてもよい。これは、パイプフレームを構成するパイプ部材同士の連結についても同様である。
【0072】
また、前記実施形態では、乗物用シートとして、自動車に搭載される車両用シートSを例示したが、これに限定されず、自動車以外の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などに搭載される乗物用シートであってもよい。