【実施例】
【0058】
以下、具体例を挙げて、さらに本願発明を説明する。本願発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例での配合量は質量%である。
【0059】
「表1」又は「表2」に示す処方の水中油型乳化皮膚化粧料(クリーム)を常法により調整し、女性パネル10名によって、以下の評価試験を行った。
【0060】
「機器分析による長時間の保湿効果」
「表1」に示す水中油型乳化皮膚化粧料の製品サンプル(クリーム)について、機器分析による保湿効果を測定した。
保湿効果の測定には、株式会社インテグラル社製 水分計 Corneometer CM825を用いて、
図1に示す前腕内側部を測定部位として、1サンプルあたり9cm
2の塗布部に9μl塗布した。無塗布、本願発明品「実施例1」、成分(A)抜去品、成分(B)抜去品、成分(C)抜去品、成分(D)抜去品の合計6サンプルを、それぞれ順番に
図1の前腕のL1〜L3、R1〜R3の部位に塗布した。そして、塗布60分後、120分後、360分後、720分後に、保湿効果としてそれぞれの保湿上昇値(水分量)を測定した。
図2にそれぞれのサンプルの保湿上昇値を示す。
図2の結果より、本発明品の水中油型乳化皮膚化粧料は長時間の保湿効果に極めて優れていることが分かる。
したがって、本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、特にエモリエント感の持続性に優れた効果を有していることが機器分析の結果からも理解される。
【0061】
「使用性の評価」
さらに、「表1」及び「表2」の水中油型乳化皮膚化粧料(クリーム)について、後述する各方法により、肌へののび、肌へのなじみ、べたつきのなさ、塗布直後のエモリエント感、塗布12時間後のエモリエント感、塗布直後のはり感、連用1ヶ月間後のはり感、塗布直後のしわ・たるみ改善効果、連用1ヶ月間後のしわ・たるみ改善効果を評価した。評価結果を「表1」及び「表2」に示す。
【0062】
「肌へののび」
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌へののびについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
○:7〜9名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
△:3〜6名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
×:0〜2名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
【0063】
「肌へのなじみ」
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌へのなじみについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、肌へのなじみがあると判定した。
○:7〜9名が、肌へのなじみがあると判定した。
△:3〜6名が、肌へのなじみがあると判定した。
×:0〜2名が、肌へのなじみがあると判定した。
【0064】
「べたつき」
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、べたつきについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
○:7〜9名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
△:3〜6名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
×:0〜2名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
【0065】
「塗布直後および塗布12時間後のエモリエント感」
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、塗布直後および塗布12時間後に、エモリエント感について、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、エモリエント感があると判定した。
○:7〜9名が、エモリエント感があると判定した。
△:3〜6名が、エモリエント感があると判定した。
×:0〜2名が、エモリエント感があると判定した。
【0066】
「塗布直後および連用1ヶ月間後のはり感」
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、塗布直後および連用1ヶ月間後に、はり感について、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、はり感があると判定した。
○:7〜9名が、はり感があると判定した。
△:3〜6名が、はり感があると判定した。
×:0〜2名が、はり感があると判定した。
【0067】
「塗布直後および連用1ヶ月後のしわ・たるみ改善効果」
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、塗布直後および連用1ヶ月間後に、しわ・たるみ改善効果について、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、しわ・たるみ改善効果があると判定した。
○:7〜9名が、しわ・たるみ改善効果があると判定した。
△:3〜6名が、しわ・たるみ改善効果があると判定した。
×:0〜2名が、しわ・たるみ改善効果があると判定した。
【0068】
[試験処方]
【表1】
*1:極限粘度:100cm
3/g、アセチル基置換数が3.2個のアセチル化ヒアルロン酸
*2:商品名:9041 Silicone Elastomer Blend,東レ・ダウコーニング株式会社製
(非乳化性架橋型シリコーン含有量16%、溶媒ジメチコン5mPa・sの膨潤物)
*3:N,N’−ジメチルアクリルアミド−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム−N,N’−メチレンビスアクリルアミド共重合体
商品名 SUポリマーG1 東邦化学工業製
*4:商品名:LIPIDURE-PMB(分子量60万,x/y=8/2)、日油株式会社製、本発明の成分(B)の含有量:5質量%
【0069】
次に、さらに実施例と比較例により本発明の効果を実証する。
[試験処方]
【表2】
*5:極限粘度:160cm
3/g、アセチル基置換数:2.8個のアセチル化ヒアルロン酸
*6:分子量90万のヒアルロン酸ナトリウム
*7:商品名:KSG-16、信越化学工業株式会社製
非乳化性架橋型シリコーン含有量25%、溶媒ジメチコン6mPa・sの膨潤物
*8:商品名:KP-545、信越化学工業株式会社製
ポリマー分含有量:30%、溶媒シクロペンタシロキサン
*9:商品名:Aristoflex AVC、クラリアントジャパン株式会社製
*10:商品名:LIPIDURE-PMB(Ph)(分子量60万,x/y=8/2),日油株式会社製
本発明の成分(B)の含有量:5%
*11:商品名:COATSOME NC-21,日油株式会社製
【0070】
上記「表1」及び「表2」の結果から、本願発明の実施例1〜4は、肌へののび、肌へのなじみ、べたつきのなさ、塗布直後のエモリエント感、塗布12時間後のエモリエント感、はり感に優れることがわかる。
これに対して、本願発明の必須成分である成分(A)〜(G)のいずれかを欠いた「表1」の抜去品及び「表2」の比較例1〜4は、上記の効果のいずれかを欠いたものとなることが明らかである。
【0071】
本発明に関しさらに実施例を下記に示す。実施例5〜9の水中油型皮膚化粧料は、いずれも本発明の効果に優れた水中油型乳化皮膚化粧料である。
【0072】
[実施例5]美白&エモリエントクリーム(O/W型)
成分 配合量(質量%)
(1)ステアリルアルコール 2.0
(2)ベヘニルアルコール 1.0
(3)水添ポリイソブテン 6.0
(4)ジメチコン(1.5mPa・s) 7.0
(5)スクワラン 7.0
(6)ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール 2.0
(7)1,3−ブチレングリコール 5.0
(8)成分(D)グリセリン 10.0
(9)ジプロピレングリコール 3.0
(10)成分(A)アセチル化ヒアルロン酸 0.005
極限粘度:200cm
3/g、アセチル基置換数:2.6個
(11)成分(C)ジメチコンクロスポリマー/ジメチコン混合物
25.0
(架橋型シリコーン分:3.0%)
商品名:9045 Silicone Elastomer Blend[非乳化性架橋型
シリコーン含有量12%]、東レ・ダウコーニング株式会社製
(12)成分(B)ポリメタクリロイルエチルホスホリルコリン誘導体
[成分(B)含有量0.05%] 0.1
商品名:LIPIDURE-PMB(BG)[成分(B)含有量5%]、
日油株式会社製
(13)ポリエチレングリコール1500 1.0
(14)モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン
商品名:NIKKOL TL-10V、日光ケミカルズ株式会社製 3.0
(15)モノステアリン酸グリセリル 2.0
(16)エチルパラベン 0.1
(17)ブチルパラベン 0.1
(18)トコフェロール 0.1
(19)アスコルビン酸グルコシド 2.0
(20)香料 適量
(21)イオン交換水 残余
(22)水酸化ナトリウム 適量
(23)成分(F)ビニルピロリドン/2−アクリルアミド 0.5
−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体
商品名:ARISTOFLEX AVS,クラリアントジャパン株式会社製
(24)成分(E)ポリビニルアルコール 0.8
<製法>
(21)に(7)、(8)、(9)、(10)、(12)、(13)、(16)〜(19)、(22)、(23)、(24)を加え、70℃に加熱膨潤した。次いで、(1)〜(6)、(11)、(14)、(15)、(20)の油相を70℃に調製した。これを先の水相に加えて、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にして、脱気、冷却、濾過を行い、目的の美白&エモリエントクリーム(O/W型)を得た。
【0073】
[実施例6]乳液
成分 配合量(質量%)
(1)ジメチコン(5mPa・s) 10.0
(2)成分(C)ポリシリコーン−11/デカメチルシクロペンタ
シロキサン混合物[成分(C)の含有量0.6%] 10.0
商品名:GRANCIL GCM-5[非乳化性架橋型シリコーン含有量6%]、
GRANT社製
(3)スクワラン 5.0
(4)オレフィンオリゴマー 6.0
(5)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(6)ステアリン酸PEG−20 0.3
商品名:EMALEX 820,日本エマルジョン株式会社製
(7)セスキステアリン酸ソルビタン 0.1
商品名:NIKKOL SS-15V,日光ケミカルズ株式会社製
(8)モノステアリン酸グリセリル(自己乳化型) 0.3
商品名:NIKKOL MGS-ASEV,日光ケミカルズ株式会社製
(9)香料 適量
(10)ジプロピレングリコール 1.0
(11)1,3−ブチレングリコール 4.0
(12)成分(D)グリセリン 6.0
(13)カルボキシビニルポリマー 0.1
(14)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.05
(15)水酸化カリウム 適量
(16)成分(A)アセチル化ヒアルロン酸 0.01
極限粘度:120cm
3/g、アセチル基置換数:3.0個
(17)成分(B)ポリメタクリロイルエチルホスホリルコリン誘導体
[成分(B)含有量0.005%] 0.1
商品名:LIPIDURE-PMB(Ph)[成分(B)含有量5%]、
日油株式会社製
(18)スギナエキス 0.1
(19)ハマメリスエキス 0.1
(20)エタノール 5.0
(21)フェノキシエタノール 0.3
(22)イオン交換水 残余
(23)成分(E)ポリビニルアルコール 0.6
(24)成分(F)(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/
ビニルピロリドン)コポリマー 0.5
<製法>
(10)〜(24)を60℃で均一に溶解する(水相)。次いで、(1)、(3)〜(9)を60℃で均一に溶解し、先の水相に添加して、ホモミキサーで60℃で乳化する。さらに、この乳化物に(2)を添加して、ディスパーで均一に分散する。脱気、冷却、濾過を行い、目的の乳液を得た。
【0074】
[実施例7]エモリエントクリーム(O/W型)
成分 配合量(質量%)
(1)ベヘニルアルコール 0.1
(2)バチルアルコール 0.5
(3)水添ポリイソブテン 5.0
(4)流動パラフィン 5.0
(5)エチルヘキサン酸セチル 6.0
(6)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
(7)成分(C)(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)
クロスポリマー/ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン混合物
(非乳化性架橋型シリコーン2.25%) 15.0
商品名:KSG-18A[非乳化性架橋型シリコーン含有量15%]、
信越化学工業株式会社製
(8)香料 適量
(9)成分(A)アセチル化ヒアルロン酸 0.1
極限粘度:90cm3/g、アセチル基置換数:3.4個
(10)ポリエチレングリコール20000 1.0
(11)エチルパラベン 0.1
(12)ブチルパラベン 0.1
(13)トコフェロール 0.1
(14)成分(F)(ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体 0.2
商品名:SU-Polymer G-1、東邦化学株式会社製
(15)成分(B)ポリメタクリロイルエチルホスホリルコリン誘導体
[成分(B)含有量0.1%] 2.0
商品名:LIPIDURE-PMB(Ph)[成分(B)含有量5%]、
日油株式会社製
(16)サンザシエキス 0.1
(17)フトモモ葉エキス 0.1
(18)アロエエキス 0.1
(19)ワレモコウエキス 0.1
(20)チョウジエキス 0.1
(21)ジュウヤクエキス 0.1
(22)アルテア根エキス 0.1
(23)ムラサキ根エキス 0.1
(24)1,3−ブチレングリコール 3.0
(25)成分(D)グリセリン 6.0
(26)イオン交換水 残余
(27)水酸化カリウム 適量
(28)成分(E)ポリビニルアルコール 0.8
<製法>
(25)に、(9)〜(24)、(26)、(28)を加え、70℃に加熱調製した。次いで、(1)〜(6)、(8)の油相を70℃に調製した。これを水相に加えて、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした。さらに、(7)を添加して、ディスパーで均一に分散する。脱気、冷却、濾過を行い、目的のエモリエントクリーム(O/W型)を得た。
【0075】
[実施例8]美白&エモリエントクリーム(O/W型)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸 2.0
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 4.0
(4)スクワラン 13.0
(5)トリエチルヘキサノイン 8.0
(6)オレイン酸ソルビタン 2.0
商品名:EMALEX SPO-100、日本エマルジョン株式会社製
(7)香料 0.1
(8)成分(C)(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)
クロスポリマー/イソドデカン混合物 10.0
[成分(C)含有量2.5%]
商品名:KSG−42[非乳化性架橋型シリコーン含有量25%]、
信越化学工業社製
(9)トラネキサム酸 1.0
(10)成分(F)(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/
ビニルピロリドン)コポリマー 0.4
(11)メチルパラベン 0.1
(12)フェノキシエタノール 0.1
(13)成分(A)アセチル化ヒアルロン酸 0.08
極限粘度:110cm
3/g、アセチル基置換数:3.1個
(14)成分(B)ポリメタクリロイルエチルホスホリルコリン誘導体
[成分(B)含有量0.3%] 6.0
商品名:LIPIDURE-PMB(Ph)[成分(B)含有量5%]、
日油株式会社製
(15)成分(D)グリセリン 8.0
(16)オトギリソウエキス 0.1
(17)メリロートエキス 0.1
(18)イオン交換水 残余
(19)成分(E)ポリビニルアルコール 0.4
<製法>
(18)に、(9)〜(17)、(19)を加え、70℃に加熱調製した。次いで、(1)〜(7)の油相を70℃に調製した。この油相を先に調製した水相に加え、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、(8)を添加して、ディスパーで均一に分散した。脱気、冷却、濾過を行い、目的の抗老化・美白効果のある美白&エモリエントクリーム(O/W型)を得た。
【0076】
[実施例9]ジェル状美容液
成分 配合量(質量%)
(1)成分(F)ポリアクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体 2.0
商品名:SIMLUGEL EG、SEPIC社製
(2)成分(C)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー
/ジメチコン混合物[成分(C)含有量0.75%] 3.0
商品名:KSG-16[非乳化性架橋型シリコーン含有量25%]、
信越化学工業社製
(3)ジメチコン5mPa・s 20.0
(4)ピバリン酸イソデシル 5.0
(5)ポリオキシエチレン(20モル)ベヘニルエーテル 0.5
商品名:NIKKOL BB-20、日光ケミカルズ株式会社製
(6)エタノール 5.0
(7)フェノキシエタノール 0.1
(8)香料 0.1
(9)イオン交換水 残余
(10)成分(D)グリセリン 5.0
(11)1,3−ブチレングリコール 3.0
(12)成分(A)アセチル化ヒアルロン酸 0.07
極限粘度:170cm
3/g、アセチル基置換数:3.0個
(13)ビャクレンカエキス 0.1
(14)トウキ根エキス 0.1
(15)ショウキョウエキス 0.1
(16)ボタンエキス 0.1
(17)成分(B)ポリメタクリロイルエチルホスホリルコリン誘導体
[成分(B)含有量0.25%] 5.0
商品名:LIPIDURE-PMB(Ph)[成分(B)含有量5%]、
日油株式会社製
(18)水酸化カリウム 適量
(19)成分(E)ポリビニルアルコール 0.2
<製法>
(1)、(5)〜(19)を均一に溶解した水相に、(2)〜(5)の混合物を添加して、ディスパーで均一に分散する。脱気、冷却、濾過を行い、目的のジェル状美容液を得た。