(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
まず第1実施形態として、第1及び第2の発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態におけるエンジン駆動発電装置を示すブロック図である。
図1は、本発明の第1実施形態のエンジン駆動発電装置を、交流電力を負荷に供給する発電機に適用した例である。その構成としては、以下のようになっている。
【0056】
エンジン1により、発電体2を駆動させて交流電力を発生させる。この交流電力を整流器3によって直流電力に変換して、直流電力母線部4を介して、負荷電力供給部60に電力を供給する。
【0057】
負荷電力供給部60には、出力端子部60cに接続した電気機器(負荷)に対して、交流電力を供給するためのインバータ(電力調整手段)60aを設けてある。このインバータ60aは、直流電力母線部4からの直流電力を所望の交流電力に変換する。
【0058】
また、インバータ(電力調整手段)60aに対して、その入力側に、直流電力の脈動を平滑化する平滑コンデンサ5を設けている。また、インバータ60aの出力側に、交流電力のノイズを除去するフィルタ60bを負荷電力供給部60に設けている。
【0059】
また、本発明では、直流電力母線部4の整流器3の直後にキャパシタ(蓄電手段)7を並列に接続している。
【0060】
第1実施形態では、電力補助を行うための蓄電手段として、キャパシタ7(電気二重層コンデンサ)を用いている。キャパシタは、バッテリに比べて充電時間が短く、また、大電流を取り出すことが可能という性質があることから、本発明に用いる蓄電手段として好ましい。ただし、本発明における電力補助に用いる蓄電手段としては、これに限定するものではなく、種々の蓄電手段を用いることが可能である。
【0061】
キャパシタ7の充電および放電は、直流電力母線部4を介して行われる。すなわち、まず、発電体2で発生させた交流電力を整流器3で変換して直流電力を得る。この直流電力を、直流電力母線部4を介してキャパシタ7に供給することで、キャパシタ7の充電を行う。この充電の制御は、直流電力母線部4とキャパシタ7との間に設けた充電器8によって行われる。
【0062】
充電器8は、電気的なスイッチング素子を含む回路で構成することが好ましいが、機械的なスイッチで構成することもできる。また、充電器8は、キャパシタ7への過剰な電力供給によるキャパシタ7の損傷を防止するため、昇降圧チョッパ回路のような電流調整や電圧調整が可能な構成を有するとよい。また、充電器8は、直流電力母線部4からキャパシタ7への一方向にのみ電流を流すように構成されている。
【0063】
また、キャパシタ7から放電を行うと、その直流電力は、直流電力母線部4へと出力される。この直流電力は、発電体2で発生させた交流電力を整流器3で変換した直流電力と重畳されて、負荷電力供給部60に供給される。キャパシタ7の放電は、直流電力母線部4とキャパシタ7との間に設けた放電器9によって制御される。放電器9は、電流調整および電圧調整が可能な構成、たとえば昇降圧チョッパ回路で構成されている。
【0064】
次に、上記の構成の制御を行うために、本実施形態では、直流電力母線部4の負荷電力供給60の直前に、電圧検出手段10および電流検出手段11を設けて、負荷電力供給部60への入力電圧V
inおよび入力電流I
inを検出している。また、キャパシタ端子電圧検出手段12を設けて、キャパシタ端子電圧V
caを検出している。さらに、エンジン回転速度検出手段13を設けて、エンジン回転速度Nを検出している。
なお、エンジン回転速度Nを検出する手段としては、回転速度センサーを設ける他に、発電体2の出力電圧を検出することで回転速度の検出を行うようにしても良い。
【0065】
次に、各構成を制御するための制御手段14について説明する。
本実施形態では、制御手段14が、エンジン1、発電体2、充電器8、放電器9およびインバータ(電力調整手段)60aの構成要素の動作を制御している。
【0066】
これらの構成要素の動作を制御するため、制御手段14は以下の演算を行う。
まず、電圧検出手段10および電流検出手段11によって検出される負荷電力供給部60への入力電圧V
inおよび入力電流I
inの検出値から、入力電力P
inを算出する。
【0067】
更に、キャパシタ端子電圧検出手段12によって検出されるキャパシタ端子電圧V
caから、キャパシタ7の特性曲線に基づき、キャパシタ7の蓄電量Q
caを算出する。
【0068】
また、発電体出力演算手段15として、
図4に示す電力−回転速度マップ15aによって、発電体2から発生させる電力と、そのときのエンジン回転速度Nを決定する。
【0069】
電力−回転速度マップ15aは、
図4に示すように、エンジン1および発電体2の特性曲線に基づき、発電体2で発生させた交流電力を整流器3で変換した直流電力P
gとエンジン回転速度Nの関係を表すものである。
【0070】
なお、本願では、この直流電力P
gを「発電体2の出力P
g」と記載することがある。これは、発電体2で発生させた交流電力を整流器3で変換した直流電力として記載している。
【0071】
また、
図4に示す回転速度の設定範囲の最大値N
maxのときに得られる発電体2の出力を、「発電体2の最大電力P
g・max」と記載している。すなわち、発電体2の最大電力P
g・maxは、発電体2で発生した交流電力を整流器3により変換した直流電力において、発電体2の使用限界の回転速度N
maxにおいて得られる直流電力の値である。
【0072】
本発明では、発電体2により、負荷の稼動に必要な電力、およびキャパシタ7の充電に必要な電力を得る。
【0073】
負荷に対して必要な電力は、負荷電力供給部60、61、62への入力電力P
inの値によって求める。
【0074】
また、キャパシタ7の充電に必要な電力は、キャパシタ端子電圧V
caの検出値とキャパシタ蓄電量Q
caの演算値から求める。
【0075】
このような電力を発電体2の出力で得るべく、
図4の電力−回転速度マップ15aにより、発電体2の出力P
gとして必要な電力が得られるようにエンジン回転速度Nを決定する。
【0076】
なお、本発明の第1実施形態では、電力−回転速度マップ15aでエンジン回転速度Nの制御を行っているが、本発明は、これに限定するものではなく、たとえば、電流−回転速度マップによって、エンジン回転速度Nの制御を行ってもよく、また、既存の、インバータ式発電機における周知のエンジン回転速度演算手段を用いることが可能である。
【0077】
本発明の第1実施形態のエンジン駆動発電装置を、交流電力を負荷に供給する発電機に適用した例を
図1に示したが、本発明の第1実施形態は、
図2及び
図3に示すような直流電力を用いる溶接機に対しても適用することが可能である。
【0078】
図2及び
図3の溶接機に適用した例の構成と、
図1の発電機に適用した例の構成における相違点は、負荷電力供給部(60、61、62)の構成である。
図2の溶接機における負荷電力供給部61は、溶接出力を調整するために、インバータ(電力調整手段)61a、トランス61b、整流手段61c、出力端子部61dを設けている。
【0079】
また、
図3の溶接機における負荷電力供給部62は、電力調整手段を設けておらず、また、負荷電力供給部62の入口側に平滑コンデンサを設けていない。このように、直流電力母線部4の直流電力をそのまま溶接用の直流電力として用いる構成のものとなっている。
【0080】
このような負荷電力供給部60、61、62の構成は、最終的に取り出す電力が、交流電力であるか、直流電力であるかという点で相違する。
【0081】
しかし、発電体2で発生させた交流電力を整流器3で変換した直流電力を直流電力母線部4から充電器8を介して、キャパシタ7の充電電力として供給し、かつ、発電体2で発生させた交流電力を整流器3で変換した直流電力をキャパシタ7から放電器9を介して直流電力母線部4に出力させた直流電力と重畳させて負荷電量供給部60、61、62へ出力することで負荷に給電する、という機能は同じものである。
【0082】
ゆえに、適用する作業機が発電機であっても、溶接機であっても、本発明によって得られる効果は同じものとなる。
【0083】
次に、本発明の第1実施形態におけるエンジン駆動発電装置の動作の制御方法について説明する。
本発明の第1実施形態では、過負荷状態となる場合にのみ、キャパシタ(蓄電手段)7による電力補助を行う。
【0084】
本発明の第1実施形態では、エンジン1が稼動してキャパシタ7の充電が完了した時点で、
図5に示す制御フローが開始される。
【0085】
図5は、本発明の第1実施形態における、過負荷状態であるかどうかの判定を行う制御を説明するフローチャートである。
【0086】
なお、本願では、「過負荷状態」とは、負荷への入力電力P
inが、エンジン1および発電体2で決まる最大電力P
g・maxを上回る状態となることで、エンジン1の性能限界を超える回転抵抗が生じる状態として記載している。このような状態では、エンジン1は、負荷の稼動に対して必要な回転速度を得られないだけでなく、性能限界を超える回転抵抗が生じるため、失速(エンジンストップ)する危険性がある状態となる。
【0087】
反対に、過負荷状態ではない状態、つまり、負荷の使用電力が、発電体2の最大電力P
g・maxの範囲内にある場合を「軽負荷状態」あるいは「軽負荷」と記載している。
【0088】
ステップS1〜S5の動作は、過負荷ではない状態において、キャパシタ7の放電による電力補助を行わない場合のエンジン駆動発電装置の動作である。
【0089】
本発明の第1実施形態では、負荷の稼動状態が変化することで、入力電力P
inが変化すると、ステップS1により、「電力−回転速度マップ15a」に基づき、変化後の回転速度Nを決定する。
【0090】
続いて、ステップS2により、変化後の値に対応する回転速度Nに対して、極力時間を掛けずに、速やかに回転速度の調整を行うようにしている。本願では、このような制御方法を、ステップS2に示すように、「即応」と記載している。
【0091】
そして、ステップS3により、キャパシタ7の充電を停止とするように充電器8を制御して、ステップS4により、キャパシタ7の放電を停止とするように放電器9を制御する。
【0092】
また、ステップS5により、負荷給電ON/OFF切替は、ONとなるように制御を行う。負荷への給電の許容と禁止の切替えを行う手段としての負荷給電ON/OFF切替手段は、後述する
図9におけるキャパシタ7の充電に関する制御フローにおいて動作させるものであって、負荷への給電をON(給電を許容)とOFF(給電を禁止)との切替を行うものである。負荷給電ON/OFF切替手段は、例えば、
図1および
図2の構成の場合、インバータ60a、61aの制御動作の一環として作動する。
【0093】
また、
図3の構成の場合は、負荷給電ON/OFF切替手段62aとして、たとえば、遮断器などの制御動作の一環として実行する。
【0094】
ステップS6は、負荷の稼動状態が過負荷状態であるかどうか、についての判定部である。
【0095】
本発明における「過負荷状態」の判定方法は、負荷電力供給部60、61、62への入力電力P
inの算出値が、発電体2の最大電力P
g・max(=エンジン1の最大出力)を上回ったかどうかで行っている。
【0096】
ただし、本願はこれに限定するものではなく、過負荷状態を判定する周知の手法を利用することができる。
【0097】
例えば、特許文献1に記載のように、全波整流回路(本発明の整流器3に相等するもの)の直後の直流電圧によって、判定を行っても良い。
【0098】
このステップS6により、過負荷状態ではないと判定される場合は、ステップS1〜S5を繰り返すため、この状態では、キャパシタの放電による電力補助は行わない(ステップS4)。
【0099】
そして、負荷の稼動状態が過負荷状態に変化すると、過負荷状態であると判定されて、ステップS7に進み、
図6に示す「過負荷状態におけるキャパシタの電力補助を実行する制御フロー」に入る。
【0100】
図6は、
図5のステップS6(過負荷状態であるかどうかの判定)において、過負荷状態であると判定された場合に、キャパシタ7の放電による電力補助を説明するフローチャートである。
【0101】
ステップS1において、エンジン回転速度Nを、
図4に示す「電力−回転速度マップ15a」における設定範囲の最大値N
maxとして、発電体2からの最大電力P
g・maxを出力させる。そして、ステップS2〜S4において、放電器9により、キャパシタ7からの放電を実行させるよう制御を行う。
【0102】
ステップS2により、キャパシタ7への放電を実行するように放電器9の制御を行う。
【0103】
ステップS3により、「過負荷分」となる電力、すなわち、入力電力P
inに対して発電体2の最大電力P
g・maxだけでは不足している電力を算出する。
【0104】
ステップS4により、「過負荷分」の電力を、キャパシタ7から、放電器9によって調整された放電出力P
cを直流電力母線部4へ供給している。
【0105】
そしてステップS5において、キャパシタ7の蓄電量Q
caが、放電の継続が可能な値であると判定されると、ステップS6に進む。
【0106】
ステップS6は、過負荷状態を脱したかどうか、を判定する。その判定方法は
図5のステップS6と同様に入力電力P
inの値で行う。このステップにおいて、過負荷状態が継続している場合は、ステップS1に戻り、キャパシタ7からの放電を継続する(ステップS1〜S6)。
【0107】
そして、過負荷状態を脱した場合は、ステップS7に進み、キャパシタ7の放電を停止するべく、放電器9の制御を行う。
【0108】
キャパシタ7の放電による電力補助を停止した後は、ステップS8へ進み、
図9に示す「エンジン回転速度Nが設定範囲の最大値N
maxであるときのキャパシタ7の充電を実行する制御フロー」に進む。
【0109】
ステップS5は、キャパシタ7からの放電がいつまで可能なのかを判定する。キャパシタ7の蓄電量Q
caが、所定値を下回っても、過負荷状態が続く場合(Yesの場合)、エンジン駆動発電装置(発電体2+キャパシタ7)の出力許容限界を超えていると判定する。
【0110】
ステップS9により、キャパシタ7の放電を停止した後、ステップS10により、警報ランプやブザーなどで、使用者への報知を実行する。
【0111】
ステップS9において、キャパシタ7の放電による電力補助が行われなくなっているので、エンジン1および発電体2は、過負荷状態となっている。このため、エンジンストップが生じることを防止するため、ステップS11により、ブレーカ動作を実行して、負荷への給電を遮断する。このブレーカ動作は、
図1および
図2の構成であれば、例えばインバータ60a、61aにより、給電を停止させる、つまり、出力を0とする。
【0112】
一方、
図3のように、インバータのような電力調整手段を持たない構成の場合は、たとえば、遮断器によって、負荷への給電を遮断させる。
【0113】
ステップS5からステップS9〜S11に進みブレーカ動作を行った後は、この期間を利用してエンジン回転速度Nを最大値N
maxとして、キャパシタ7の充電を実行するか、もしくは、エンジン回転速度Nをアイドル状態N
idleとして待機させるか、のいずれかの動作を行う。
【0114】
ステップS2により、キャパシタ7の放電を実行している場合は、キャパシタ7の充電を停止させる。このように、本発明では、キャパシタ7の放電を実行している間は、キャパシタ7の充電を停止させている。これにより、発電体2の出力P
gが充電に使われることなく、その全てが負荷への給電に割り当てられるため、負荷への電力供給を確実に行うことができる。
【0115】
更に、発電体2の出力P
gをキャパシタ7への充電に割り当てないようにすることで、発電体2の出力P
gの出力の全てを、負荷への給電に割り当てることができる。このため、キャパシタ7からの放電出力も、必要最小限にすることが可能となる。これにより、後述するキャパシタの充電における、充電時間を最短とすることが可能となる。
【0116】
ステップS3およびステップS4において、「過負荷分の電力の値」=P
in−P
g・maxとすることができるのは、キャパシタ7の放電を実行しているときに、キャパシタ7の充電を停止しているためである。
【0117】
仮に、キャパシタ7の充電も実行する場合は、
「過負荷分の電力の値」=P
in−((P
g・max)−(キャパシタへの充電電力))
となる。このため、キャパシタ7への充電を行えば、その分、余分にキャパシタ7からの放電出力を増加させる必要が生じる。
【0118】
図7及び
図8は、負荷に実際の給電を行う際の、負荷電力供給部(60、61、62)への入力電力P
inと、これに対する発電体2の出力P
g、及びキャパシタ7の放電器9の放電出力P
cとの関係についての説明図である。
図7および
図8は、縦軸を負荷電力供給部60、61、62への入力電力P
in、横軸を時間tとしている。また、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cを斜線部分で表示している。
【0119】
図7は、交流電力によって稼動する、空圧コンプレッサのような誘導負荷に電力を供給している例である。
図7中の期間A01は、入力電力P
inが、発電体2の最大電力P
g・maxを上回る「過負荷状態」である。この期間A01中、
図5のステップS6において、過負荷状態の判定がなされる。その結果、
図6のステップS1〜S6において、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cが継続して供給されている。
【0120】
そして、
図7中の期間B01および期間B02の状態になると、入力電力P
inが、発電体2の最大電力P
g・maxを下回っている。このため、
図6のステップS6において、過負荷状態を脱したと判定される。その結果、ステップS7において、キャパシタ7の放電器9からの放電が停止される。
【0121】
期間B01は、誘導負荷の起動が終了して、通常状態で運転している状態であり、負荷の使用電力(=入力電力P
in)は、発電体2の出力P
gのみで供給している。
【0122】
図8は、直流電力を用いる溶接機についてのもので、溶接棒と溶接母材に対して電力を供給している例である。
図8中の期間A11は、
図7の期間A01と同様に、過負荷状態となっている。このため、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cが継続して、供給されている。
【0123】
一方、
図8のように溶接機では、負荷(溶接棒と溶接母材で電流が消費されるもの)の大きさは、溶接作業による電力の使用中では、ほぼ一定値となる。このため、
図7の期間B01のような状態が生じることはない。しかし、溶接作業は、溶接棒を消費すると、作業を一旦終了することから、その間は、入力電力P
inは発生せず、期間B11のように、入力電力P
inが0となる。その結果、この時点で、キャパシタ7の放電器9からの放電が停止される。
【0124】
次に、本発明の第1実施形態におけるキャパシタ7の充電を行うための制御方法について説明する。
図9は、キャパシタ7の放電による電力補助を行ってから、その後、エンジン回転速度Nが、「電力−回転速度マップ15a」の設定範囲の最大値N
maxとした状態において、キャパシタ7の充電制御のフローチャートである。
【0125】
ステップS1は、キャパシタ7の充電において、負荷が非稼動の状態の場合、負荷への給電自体を止める「負荷給電ON/OFF切替」を行うかどうかの判定部である。
【0126】
本発明の第1実施形態における「負荷給電ON/OFF切替」においてOFF(給電を禁止)の動作が行われるのは、(1)キャパシタ7の放電器9の作動が停止していること、(2)キャパシタ7が満充電になっていないこと、(3)負荷が非稼動の状態となっていることを検知していることを動作条件としている。
【0127】
負荷の稼動状態/非稼動状態の判定方法としては、本発明では、入力電力P
inが所定値(たとえば=0)を上回っているかどうかで判定している。ここでいう所定値とは、たとえば、インバータ60a、61aのような電力調整手段はその回路構成によっては、負荷が非稼動であっても微弱に電流が流れることもあり、この場合は、入力電力P
inは0とならないことを考慮したものであり、所定値については、負荷の非稼動を検出できるように、適宜選べば良い。
【0128】
負荷が稼動中の場合、つまり、入力電力P
inが所定値を下回らない場合は、「Yes」(負荷は稼働中の状態)となり、ステップS2へと進み、「負荷給電ON/OFF切替」はON(給電を許容)のままとされ、ステップS3に進む。
【0129】
反対に、負荷が非稼動の場合は、「No」(負荷は非稼動の状態)となり、ステップS11で条件を満たせば、ステップS12に進み、「負荷給電ON/OFF切替」はOFF(給電を禁止)とする制御がなされて、ステップS13へと進む。
【0130】
まず、ステップS1においてYES(負荷は稼働中の状態)と判定されて、ステップS2により、負荷給電ON/OFF切替が、ONのまま、とされ、ステップS3に進んだ状態について説明する。
【0131】
ステップS3により、エンジン回転速度NをN
maxとすることで、発電体2から最大電力P
g・maxを発生させる状態として、ステップS4に進む。
【0132】
ステップS4は、キャパシタ7を充電できる状態にあるかどうか、についての判定部である。その判定方法は、発電体2の出力P
gが、キャパシタ7の充電のための電力に割り当てることができるだけの「残り電力」、すなわち、「(発電体2の最大電力P
g・max)−(入力電力P
in)」が0を上回っているかどうかで行う。
【0133】
残り電力が0を上回っていないとき、つまり、(P
g・max)−(P
in)=0のときは、負荷が、発電体2の最大電力P
g・maxに相等する使用電力で稼動している。この状態でキャパシタ7の充電を実行すると、エンジン1が過負荷状態になる。このため、充電が不可能であると判定して、ステップS5に進み、キャパシタの充電を停止させるように充電器8の制御を行う。
【0134】
反対に、(P
g・max)−(P
in)>0のときは、負荷は、発電体2の最大電力P
g・maxを下回る使用電力で稼動している。このため、充電が可能であると判定して、ステップS6に進み、キャパシタの充電を実行する。
【0135】
ステップS4での動作は、具体的には、
図10(a)及び
図10(b)に示す通りである。
図10(a)及び
図10(b)は、交流電力により稼動する誘導負荷に電力を供給している例である。
【0136】
図10(a)は、縦軸を負荷電力供給部60への入力電力P
in、横軸を時間tとしており、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cを斜線部分で表示している。また、
図10(b)は、縦軸を発電体2の出力P
g、横軸を時間tとしており、キャパシタ7への充電電力を斜線部分で表示している。
【0137】
期間A21の過負荷状態に対しては、キャパシタ7の放電による電力補助を行っている状態である。その後の、期間C21や期間C22のように、入力電力P
inが、発電体2の最大電力P
g・maxと同値となる場合は、発電体2の出力における残り電力((P
g・max)−(P
in))=0となる。このため、この状態ではキャパシタ7の充電は行わない(
図9のステップS5)。
【0138】
そして、期間B21や期間B22のように、発電体2の出力における残り電力((P
g・max)−(P
in))は、
図10(b)の発電体2の出力P
gにおける領域H21や領域H22で示されるように、0とはならない。この状態において、キャパシタ7の充電を行う。(
図9のステップS6)
【0139】
このように、キャパシタ7の充電電力が確保できない状態であれば、
図9におけるステップS3→S4→S5…を繰り返す。
【0140】
一方、キャパシタ7の充電電力が確保できる状態であれば、
図9のステップS4から、ステップS6に進み、キャパシタ7の充電を実行する。さらに、ステップS7に進み、キャパシタ7の蓄電量Q
caが満充電に達しているかどうか、の判定を行う。
【0141】
キャパシタ7の充電量が満充電に達していない場合は、ステップS3へ戻り、満充電に達するまで、ステップS3→S4→S6→S7…を繰り返す。
【0142】
キャパシタ7の充電量が満充電に達したら、ステップS7から、ステップS8に進み、キャパシタ7の充電を停止する。そして、ステップS9に進み、「電力−回転速度マップ15a」に従ってエンジン回転速度Nを決定する。さらに、ステップS10に進み、エンジン回転速度Nの調整が、即応の変動方法で、つまり、すみやかに調整が行われる。
【0143】
この時点では、キャパシタ7の充電を行っていないため、発電体2で発生させる必要がある電力は、負荷の稼働に必要な電力、つまり入力電力P
inのみとなる。このため、負荷の使用電力が軽負荷の状態であれば、ステップS9によって、エンジン回転速度Nは、キャパシタ7の充電中における設定範囲の最大値N
maxから低下する。
【0144】
また、負荷の使用電力に対して、過剰な電力の供給を行わないようにするため、ステップS10により、エンジンの回転速度Nの調整は、即応の変動方法で、調整を行うようにする。
【0145】
図10(a)及び
図10(b)に示した例では、ステップS4において、「(発電体2の最大電力P
g・max)−(入力電力P
in)」が0を上回っている場合に、キャパシタ7を充電できる状態にあると判定している。しかし、以下に説明するように、発電体2の出力を、設定範囲の最大電力P
g・maxより低い所定値P
gaを維持するようにして、充電を行ってもよい。この所定値は、例えば最大電力P
g・maxの80%又は60%のように、最大電力P
g・maxに対する比率として設定するとよい。
【0146】
そして、ステップS4において、発電体2の設定範囲の最大電力P
g・maxの代わりに、より低い所定値P
gaを採用してもよい。その場合、(P
ga)−(P
in)=0のときは、負荷が、発電体2の所定値P
gaに相等する使用電力で稼動している。この状態でキャパシタ7の充電を実行すると、エンジン1の出力を所定値P
gaよりも上昇させなければならない。このため、充電が不可能(禁止状態)であると判定して、ステップS5に進み、キャパシタの充電を停止させるように充電器8の制御を行う。
【0147】
反対に、(P
ga)−(P
in)>0のときは、負荷は、発電体2の所定値P
gaよりも低い使用電力で稼動している。このため、充電が可能(許容状態)であると判定して、ステップS6に進み、キャパシタの充電を実行する。
【0148】
この場合のステップS4での動作は、具体的には、
図11(a)及び
図11(b)に示す通りである。
図11(a)及び
図11(b)も、
図10(a)及び
図10(b)と同様に交流電力により稼動する誘導負荷に電力を供給している例である。
【0149】
図11(a)は、縦軸を負荷電力供給部60への入力電力P
in、横軸を時間tとしており、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cを斜線部分で表示している。また、
図111(b)は、縦軸を発電体2の出力P
g、横軸を時間tとしており、キャパシタ7への充電電力を斜線部分で表示している。
【0150】
期間A21の過負荷状態に対しては、キャパシタ7の放電による電力補助を行っている状態である。その後の、期間C21や期間C22のように、入力電力P
inが、発電体2の最大電力P
gaと同値となる場合は、発電体2の出力における残り電力((P
ga)−(P
in))=0となる。このため、この状態ではキャパシタ7の充電は行わない(
図9のステップS5)。
【0151】
そして、期間B21や期間B22のように、発電体2の出力における残り電力((P
ga)−(P
in))は、
図11(b)の発電体2の出力P
gにおける領域H21’や領域H22’で示されるように、0とはならない。この状態において、キャパシタ7の充電を行う
(
図9のステップS6)。以下、
図10(a)及び
図10(b)に示した場合と同様のステップを行うとよい。
【0152】
このように、エンジン1及び発電体2の少なくとも一方を制御して、発電体2の出力が設定範囲の最大値P
g・maxより低い所定値P
gaを維持すれば、エンジン回転数の変動を抑制することができるうえ、エンジン回転数を最大出力時よりも低減できる。これにより、エンジン駆動式発電装置の低燃費化及び低騒音化を図ることができる。
【0153】
次に、ステップS1において、入力電力P
inが所定値を上回っていない、つまり、負荷が非稼動である、と判定されて、ステップS11に進んだ状態について説明する。
【0154】
ステップS11では、禁止の切り替え動作を有効にするか無効にするかを選択する手段としての、
図1〜
図3における負荷給電ON/OFF切替機能の有効/無効の選択スイッチ16が「有効」の状態を、使用者が選択している場合に、ステップS12に進む。ステップS12では、負荷給電ON/OFF切替をOFF(給電を禁止)として、ステップS13に進む。
【0155】
反対に、「無効」の状態を、使用者が選択している場合は、負荷給電ON/OFF切替の機能による、OFFの動作を無効とする、つまり、OFFへの切替操作の制御を不実行とするようにしている。このことから、たとえ負荷が非稼動の状態を検知したとしても、負荷給電ON/OFF切替をON(給電を許容)のままとするため、ステップS2に進む。
【0156】
ステップS13により、エンジン回転速度NをN
maxとすることで、発電体2から最大電力P
g・maxを発生させる状態とする。ステップS14により、キャパシタ7の充電を実行する。さらに、ステップS15により、キャパシタ7が満充電に達したかどうかの判定を行い、キャパシタ7が満充電に達するまで、ステップS13→SS14→S15…を繰り返す。そして、キャパシタ7が満充電に達したら、ステップS8からS10までの操作を行う。
【0157】
ステップS12以降の、ステップS13からS15までの操作は、ステップS2の、負荷給電ON/OFF切替をONのままとした後の、ステップS3からS7までの操作のうち、ステップS3→S4→S5…の制御動作、すなわち、キャパシタ7の充電を停止する操作をなくしたものと同じである。これは、負荷給電ON/OFF切替をOFF(給電を禁止)とすることで、キャパシタ7の充電が完了するまでは、負荷への給電自体を強制的に禁止としているためである。
【0158】
このような操作を行うことで、キャパシタ7を最短時間で、かつ、確実に、満充電にすることが可能となる。
【0159】
負荷給電ON/OFF切替機能を設けて、給電をOFFとすることの利点としては、
図12(a)、
図12(b)に示すような、たとえば、溶接機に本発明の第1実施形態を適用した例において発揮される。
図12(a)は、縦軸を負荷電力供給部60、61、62への入力電力P
in、横軸を時間tとして、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cを斜線部分で表示している。
図12(b)は、縦軸を発電体2の出力P
g、横軸を時間tとして、キャパシタ7への充電電力を斜線部分で表示している。
【0160】
溶接作業では、期間A31、期間A32では、溶接作業を実行している状態であり、図に示すように過負荷状態となっているため、キャパシタ7からの放電による電力補助を行っている。
【0161】
一方、溶接作業において、溶接棒を使いきると、溶接作業を一旦停止する必要がある。さらに、溶接棒の交換を行うとともに、次の溶接作業のための準備として、溶接残渣の除去を行うこともある。ゆえに、作業の性質上、期間B31および期間B32では、入力電力P
inは発生しない。
【0162】
ゆえに、
図12(a)における期間B31、期間B32における作業停止時において、負荷給電ON/OFF切替をOFFになるように制御が行われるようにすれば、
図12(b)で示す発電体2の出力P
gを領域H31、領域H32において、キャパシタ7の充電に、その全てを割り当てることが可能となり、充電時間を最短化することができる。
【0163】
また、溶接作業においては、溶接棒と溶接母材に必要な電力を確実に供給できなければ、溶接不良が発生してしまう。このことは、作業において好ましくない結果(溶接不良)を招くだけでなく、キャパシタ7の充電電力を最大にできないために、充電時間の増加にもつながる。
【0164】
ゆえに、
図12(a)に示す期間B31、期間32において、キャパシタ7の充電を実行する間、負荷給電ON/OFF切替をOFFになるように制御が行われるようにすれば、負荷の稼動における好ましくない状態を防止することができる。
【0165】
ゆえに、このような作業を行う場合は、負荷給電ON/OFF切替において、OFF(給電を禁止)とすることで、充電時間を最短化させるとともに、負荷における好ましくない状態、たとえば、溶接機に適用する場合は溶接不良が発生する状態、あるいは、発電機に適用する場合は、誘導負荷の起動に失敗する状態、を防止することが可能となる。
なお、本願においては、溶接作業を例に挙げたが、同様の作業内容の負荷、すなわち、途中で電力が不使用になることが予め分かっているような使用方法の負荷であれば、同様の利点を享受できる。
【0166】
上述のように、
図12(a)に示した例では、過負荷状態での溶接作業中の期間A31及び期間A32に、発電体2のエンジン回転速度NをN
maxとすることで、発電体2から最大電力P
g・maxを発生させている。一方、溶接作業を中断している期間B31及び期間B32では、
図12(b)に示すように、発電体2の最大電力P
g・maxを領域H31、領域H32において、キャパシタ7の充電に割り当ている。
【0167】
これに対して、
図13(a)及び
図13(b)に示すように、発電体2の出力を、設定範囲の最大電力P
g・maxより低い所定値P
gaに維持するようにして、溶接作業及び充電を行ってもよい。
図13(a)も、
図12(a)と同様に、縦軸を負荷電力供給部60、61、62への入力電力P
in、横軸を時間tとして、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cを斜線部分で表示している。
図13(b)も、
図12(b)と同様に、縦軸を発電体2の出力P
g、横軸を時間tとして、キャパシタ7への充電電力を斜線部分で表示している。
【0168】
図13(a)に示した例では、過負荷状態での溶接作業中の期間A31及び期間A32、及び溶接作業を中断している期間B31及び期間B32を通じて、発電体2の出力を、最大電力P
g・maxより低い一定の所定値P
gaとしている。そして、
図13(b)に示すように、発電体2の所定値P
gaの出力を領域H31’及び領域H32’において、キャパシタ7の充電に割り当ている。
【0169】
このように、エンジン1及び発電体2の少なくとも一方を制御して、発電体2の出力が設定範囲の最大値P
g・maxより低い所定値P
gaを維持すれば、エンジン回転数の変動を抑制することができるうえ、エンジン回転数を最大出力時よりも低減できる。これにより、エンジン駆動式発電装置の低燃費化及び低騒音化を図ることができる。
【0170】
また、本発明では、
図9のステップS11のように、「負荷給電ON/OFF切替」の制御について、この制御における「OFF(給電を禁止)の動作」を行わせるかどうかを、負荷給電ON/OFF切替機能の有効/無効の選択スイッチ16の状態を使用者自らが選択するようにしていることで、使用者自身が、この機能が働くことを予め意識して、作業に用いることができる。
【0171】
また、本発明における、
図9に示す「エンジン回転速度が設定範囲の最大値N
maxであるときのキャパシタの充電を実行する制御フロー」における、ステップS2〜S7、および、ステップS12〜S15の一連の制御において、キャパシタ7の充電を実行している間で、キャパシタ7が満充電に達するまでは、エンジン回転速度NをN
maxとすることで、発電体2から最大電力P
g・maxを発生させる状態としている。
【0172】
そして、ステップS7、もしくは、ステップS15から、ステップS8、S9、S10への制御のように、キャパシタ7が満充電に達した後は、キャパシタ7の充電を停止して、負荷の使用電力に合うように、エンジン回転速度Nを電力−回転速度マップ15aに従って発電体2の出力P
gを調節するようにしている。
【0173】
このように、キャパシタ7の蓄電量Q
caの状態に応じて、発電体2の出力P
gを制御することで、キャパシタ7が満充電になっていない状態では、発電体2の出力P
gを最大電力P
g・maxが得られる状態を維持する。これにより、キャパシタ7への充電電力を最大とすることができ、充電時間を最短とすることができる。また、キャパシタ7が満充電に達した状態では、キャパシタ7の充電を停止して、発電体2の出力P
gを負荷の使用電力に合わせるように制御をおこなう。これにより、負荷の稼動に必要な最低限の電力を得るようにエンジン1を運転させることができ、燃費改善、および、騒音低減が可能となる。
【0174】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態として、第3及び第4の発明の実施形態について説明する。
図14は、本発明の第2実施形態におけるエンジン駆動発電装置を示すブロック図である。
図14は、本発明の第2実施形態のエンジン駆動発電装置を、交流電力を負荷に供給する発電機に適用した例である。その構成としては、第1実施形態の
図1における構成と比較して、更に、回転速度−変動期間マップ15b、発電体出力−変動期間マップ17を設けていることが異なる。同一の構成については、第1実施形態の
図1と同一の符号を付している。
【0175】
図15は、第2実施形態において、キャパシタ7の放電による電力補助を行うための発電体2の出力P
gとキャパシタ7の放電器9の放電出力P
cの割り振りを示す概略図である。
図15では、縦軸を負荷電力供給部60への入力電力P
in、横軸を時間tとしている。
【0176】
第1実施形態では、キャパシタ7の放電による電力補助は、負荷の稼動が過負荷状態になったときのみに行っている。これに対して、第2実施形態では、負荷の大小に関わらず、負荷が増加変動するときに、負荷の変動直後では、エンジン1の回転速度Nを変化させず、発電体2の出力P
gを変動前の状態に維持しておき、キャパシタ7から、放電器9を経て、負荷の増加変動の変動量に応じた電力を供給する。その後、発電体2の出力P
gを、時間をかけて徐徐に増加させるとともに、キャパシタ7からの放電出力P
cを、発電体2の出力P
gが増加するのと同量だけ、時間をかけて徐徐に減少させるようにする。
【0177】
このような、発電体2の出力P
gを徐徐に増加させ、反対に、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cを徐徐に減少させる制御を本発明では「徐変動制御」と記載している。
【0178】
図15において、発電体2の出力P
gの変動範囲は、図中のIII−IV−Vに示す範囲である。負荷が増加変動すると、変動期間の最大値T
x・maxの期間中において、最大でアイドル時(図中のIII)から発電体2の最大電力P
g・max(図中のV)まで変動する。
【0179】
例えば、最大電力P
g・max=10[kW]、変動期間の最大値T
x・max=3[秒]の場合、増加率k=10/3≒3.33[kW/秒]となる。また、3秒間あれば、エンジンの回転速度を充分に増加させることができる。
【0180】
反対に、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cは、図中のI−II−III−V−VIの範囲に示す範囲において負荷が増加変動すると、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cの変動範囲として、図中II−III−Vの範囲の出力分だけ減少させる。この範囲は、発電体2の出力P
gの変動範囲III−IV−Vと対をなす部分である。
【0181】
ここで、図中I−II−V−VIは、発電体2の最大電力P
g・maxを超える範囲、すなわち、過負荷分に相等する範囲である。この部分に相当する出力は、入力電力P
inが過負荷状態となるときは、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cで供給する。このため、この範囲においては、出力の徐変動制御による出力の減少制御は行わない。
【0182】
なお、本発明の
図15では、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cの最大値P
c・maxの設定は、発電体2の最大電力P
g・maxの約2倍程度として図示している。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、キャパシタ7や、エンジン駆動発電装置の性能に応じて、適宜選択すれば良い。
【0183】
まず、
図16に示すように、変動終了時において、負荷の変動が発電体2の最大電力P
g・maxの範囲内にある、いわゆる軽負荷での増加変動の場合について説明する。
【0184】
図16は、
図15の割り振りをもとに、実際に負荷の増加変動があったときの徐変動制御を行うための制御動作の説明図である。H41に示される領域は、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cを示す。
図16において、負荷の増加変動が生じた直後の時刻、および、徐変動制御を開始させる時刻をt1として、その後、徐変動制御を終了させる時刻をt2としている。
【0185】
負荷の増加変動の前の発電体2の出力P
g・1は、電力−回転速度マップ15aで検出および監視が可能である。変動前の発電体2の出力P
g・1と、電力の変動曲線III−Vとの交点が、徐変動制御を開始させる時刻t1となる。そして、負荷の増加変動が生じると、負荷電力供給部60への入力電力P
inが増加する。
【0186】
負荷の増加変動が生じた直後において、エンジン回転速度Nを変えずに、発電体2の出力P
gを維持したまま、まず、キャパシタ7より放電器9を介して、電力補助を行って対処する。この時刻t1におけるキャパシタ7の放電器9の放電出力をP
c・1とする。
【0187】
この入力電力P
inは、電圧検出手段10の入力電圧V
inの検出値、および、電流検出手段11の入力電流I
inの検出値から演算によって求める。
【0188】
図16における時刻t1での入力電力P
in(t1)は、図示のように、
P
in(t1)=P
c・1+P
g・1となる。
【0189】
次に、徐変動制御を開始させる時刻t1における、入力電力P
in(t1)の値と、電力の変動曲線III−Vとの交点から、徐変動制御の終了時の時刻t2が求まる。この時刻t2における発電体2の出力をP
g・2とする。
【0190】
徐変動制御の終了時の時刻t2において、入力電力P
in(t2)を、
P
in(t2)=P
g・2とする。
つまり、その全てを発電体2の出力P
gで供給するようにするため、時刻t1から時刻t2にかけて、発電体2の出力P
gを電力の変動曲線III−Vに従って、P
g・1からP
g・2へと増加させる。
【0191】
反対に、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cは、時刻t1からt2にかけて、
電力の変動曲線III−Vに従って、P
c・1から0へと減少させる。
【0192】
図17は、
図15に図示した発電体2の出力P
gの変動範囲(III−IV−V)をそのまま、横軸を時間t、縦軸を発電体出力P
gとして表したものである。本実施形態では、このマップを、「発電体出力−変動期間マップ17」と記載している。
【0193】
この発電体出力−変動期間マップ17は、
図16で図示したように、徐変動制御の変動開始時の発電体2の出力をP
g・1、徐変動制御の変動終了時の発電体2の出力をP
g・2、また、徐変動制御の変動開始時の時刻をt1、徐変動制御の変動終了時の時刻をt2、としている。
【0194】
図18は、
図17において縦軸を発電体2の出力P
gとして表示したものを電力−回転速度マップ15a基づき、対応するエンジン回転速度Nに置き換えたものである。本実施形態では、このマップを「回転速度−変動期間マップ15b」と記載している。
【0195】
図18の回転速度−変動期間マップ15bでは、
図17における変動前の発電体2の出力をP
g・1に対応する回転速度をN
1とし、また、
図17における徐変動制御の変動終了時の出力をP
g・2に対応する回転速度をN
2としている。発電体2の出力P
gの徐変動制御は、この回転速度−変動期間マップ15bに従って行われる。
【0196】
図18の回転速度−変動期間マップ15bの回転速度と変動期間の関係を定めた特性曲線に基づき、変動開始時刻t1と変動終了時刻t2を算出して、変動開始時刻から変動終了時刻までの時間を求める。そして、負荷への供給電力を一定に維持しつつ、この時間をかけて、発電体の出力を徐々に増加させながら、放電器によりキャパシタの出力を徐々に減少させる。
【0197】
なお、発電体2の出力P
gは、
図18によって徐変動制御行われるが、キャパシタ7の放電器9の徐変動制御は、
図17の発電体出力−変動期間マップ17に基づき演算を行う。
【0198】
図19は、キャパシタ7の放電器9の徐変動制御を行うための、放電器9の放電出力P
cの演算方法の説明図である。この
図19は、
図17を基に図示している。キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cは、発電体2の出力P
gが増加する量を演算して、放電器9において、この増加分を減少させるように制御を行う。
【0199】
徐変動制御を開始させる時刻t1におけるキャパシタ7の放電器9の放電出力P
c・1は、
図16に示すように、
P
c・1=P
in(t1)−P
g・1=P
g・2−P
g・1で求まる。
図19においては、時刻t1において、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
c・1は図中のiの位置から、iiの位置にかけての破線矢印で示される。
【0200】
一方、発電体2の出力P
gは、このキャパシタ7の放電器9からの放電出力P
c・1の分だけ増加させる。その結果、時刻t1から時刻t2にかけて、P
g・1からP
g・2に増加する。この動作は、
図19においては、変動曲線III-Vに沿ってiの位置からiiiの位置への変動となる。
【0201】
ゆえに、キャパシタ7の放電器9の放電出力Pcは、発電体2の出力P
gの逆となる。時刻t1において、P
c・1=P
g・2−P
g・1であったものを、時刻t2におけるキャパシタ7の放電器9の放電出力をP
c・2とすれば、時刻t2において、P
c・2=0となるように変動させる。この動作は、
図19においては、iiの位置から、ivの位置への破線矢印で示される。たとえば、変動曲線III-Vが直線であれば、本発明の
図15から
図19での、変動曲線III-Vの傾きkは、
k=(P
g・max/T
x・max)=(P
g・2−P
g・1)/(t2−t1)である。
【0202】
発電体2の出力P
gの値は、
図19の線分i-iiiで表すことができ、
時刻tにおける値は、
P
g(t)=k(t−t1)+P
g・1で与えられる。
【0203】
また、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cの値は、
図19の点iを原点とする線分ii−ivで表すことができる。したがって、時刻tにおける値は、
P
c(t)=−k(t−t1)+(P
g・2−P
g・1)となる。
【0204】
このように、徐変動制御をするためのキャパシタ7の放電器9の放電出力P
cの値は、発電体出力−変動期間マップ17から演算によって、その放電出力の算出が可能である。
なお、本発明においては、説明の簡略化のために、変動曲線III-Vが直線の場合について説明したが、変動曲線III−Vを決定する関数さえ用意すれば、曲線であっても
図19と同様の方法で、その増加分を計算することができる。このため、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cにおける減少量を計算することが可能である。
【0205】
また、変動曲線III−Vが、関数ではなく、各時刻における電力の特性値を与えたマップデータであっても、各時刻ごとの発電体2の出力P
gの変化量が求まれば、この変化量に-1を掛けた値をキャパシタ7の放電器9の放電出力P
cの制御量として用いればよい。
【0206】
図16から
図19では、負荷の増加変動が、発電体2の最大電力P
g・maxの範囲内である、いわゆる軽負荷について説明した。しかし、本発明の第2実施形態では、軽負荷での増加変動だけでなく、過負荷状態であっても、
図15で示した割り振りによって、負荷の増加変動へのキャパシタ7の放電による電力補助が可能である。
【0207】
図20に示すように、過負荷での変動の場合、徐変動制御を開始させる時刻t1における、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
c・1を、更に、変動範囲成分をP
c・1-n、過負荷範囲成分をP
c・1-EXに分けて、
P
c・1=P
c・1-n+P
c・1-EXとする。
【0208】
過負荷状態での変動の場合は、過負荷範囲成分P
c・1-EXは変動させず、変動範囲成分のP
c・1-nを、
図17から
図19で示したマップに従って変動させる。
【0209】
図20において、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cのうち、領域H51で示される範囲が、過負荷範囲成分、領域H52で示される範囲が、変動範囲成分、となる。
【0210】
過負荷範囲成分P
c・1-EX、および変動範囲成分P
c・1-n、はそれぞれ、具体的には、
図20に示すように、
P
c・1-EX=P
in(t1)−P
g・max
P
c・1-n=P
g・max−P
g・1
となる。
【0211】
P
g・1は、エンジン回転速度Nから、電力−回転速度マップ15aによって演算する。また、P
in(t1)は、入力電圧V
inと入力電流I
inから演算で算出する。また、P
g・maxは、エンジン1および発電体2の性能によって決定される値である。
【0212】
以上の計算により求めた変動範囲成分P
c・1-nに対して、
図17で示した発電体出力−変動期間マップ17、および
図18で示した回転速度−変動期間マップ15bにおいて、過負荷の変動である場合は、
図20に示すように、変動終了時の時刻t2を、徐変動期間の最大値T
x・maxとして、変動終了時の発電体出力P
g・2を、発電体2の最大電力P
g・maxとして、変動終了時のエンジン回転速度N
2を、設定範囲の最大値N
maxとする。
【0213】
発電体2の出力P
gは、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
c・1-nの分だけ増加させるので、時刻t1から時刻t2にかけて、P
g・1からP
g・2(=P
g・max)に増加する。
【0214】
反対に、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cは、時刻t1において、
P
c・1=P
c・1-n+P
c・1-EX
=(P
g・2−P
g・1)+P
c・1-EX=(P
g・max−P
g・1)+P
c・1-EX
である。
【0215】
時刻t2(=T
x・max)において、このときのキャパシタ7の放電器9の放電出力をP
c・2とすれば、
P
c・2=0+P
c・1-EX
となる。
【0216】
図19で説明したときと同様に、変動期間III-Vを直線とする場合は、キャパシタ7の放電器9の放電出力P
cの時刻tにおける値は、
P
g(t)=k(t−t1)+P
g・1
P
c(t)=−k(t−t1)+(P
g・2−P
g・1)+P
c・1-EX
=−k(t−t1)+(P
g・max−P
g・1)+P
c・1-EX
となる。これは、
図16から
図19で示した軽負荷の変動と比較して、過負荷範囲成分P
c・1-EXを加えたものと同じものとなる。
【0217】
図21、
図22は、本発明の第2実施形態における、負荷の増加変動時における徐変動制御のフローチャートである。
図21は、負荷の増加変動があるかどうかの判定のフローチャートである。この判定制御フローは、エンジンが稼動して、キャパシタの充電が完了した時点で開始される。
【0218】
負荷の増加変動があるかどうかの判定は、ステップS10における判定部において行われる。負荷の増加変動がある場合は、ステップS11に進み、
図22に示す負荷の増加変動に対する徐変動制御を行うための制御フローに進む。
【0219】
一方、負荷の増加変動がない場合は、ステップS1からS10を繰り返す。
【0220】
負荷の変動の有無については、第1実施形態と同様に、負荷電力供給部60への入力電力P
inの演算値によって行う。
【0221】
ステップS1からS3は、入力電力P
inが減少する場合に、回転速度の減速調整を行うための制御である。
【0222】
ステップS1により、エンジン回転速度Nは、電力−回転速度マップ15aに従って制御される。
【0223】
ステップS2により、負荷の使用電力に対して過剰な電力の供給を行わないように、ここでは、エンジンの回転速度Nの調整は、即応の変動方法で調整を行うようにする。
【0224】
ステップS3において、入力電力P
inが減少する場合は、ステップS1に戻り、ステップS1→S2→S3→…を繰り返す。
【0225】
そして、入力電力P
inが減少しない状態、すなわち、変動しない場合、もしくは、増加変動があった場合は、ステップS4に進む。
【0226】
入力電力P
inの変動がない場合は、ステップS10において、ステップS1に戻るように制御がなされる。
【0227】
ステップS4からS6は、変動開始時の情報を取得、監視するための制御フローである。ステップS4により、電力−回転速度マップ15aから、変動開始時の回転速度(N
1)を取得する。
【0228】
ステップS5により、回転速度−変動期間マップ15bから、変動開始時の時刻(t1)を取得する。
【0229】
ステップS6により、発電体出力−変動期間マップ17から、変動開始時の発電体出力(P
g・1)を取得する。
【0230】
このように、負荷の変動がない場合は、ステップS4からS6において、変動開始時の情報が取得され続けることで、変動開始前の運転状態が継続される。
【0231】
そして、ステップS7により、キャパシタ7の充電は停止する。また、ステップS8により、キャパシタ7の放電は停止する。また、ステップS9により、負荷給電ON/OFF切替は、ONの状態とする。
【0232】
図22は、
図21のステップS10において、負荷の増加変動が検出された場合における、発電体2の出力P
gを徐徐に増加させ、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cを徐徐に減少させる、徐変動制御のフローチャートである。
【0233】
ステップS1において、エンジン回転速度Nは、変動開始時と同じ回転速度N
1を維持した状態である。
【0234】
ステップS2において、変動開始時の時刻t1における入力電力P
in(t1)の大きさが、軽負荷の状態なのか、過負荷の状態なのかを判定する。軽負荷の場合はステップS3へ進み、過負荷の場合はステップS12に進む。
【0235】
まず、ステップS2において、軽負荷であると判定されて、ステップS3に進んだ場合について説明する。
【0236】
ステップS3により、キャパシタ7の放電器9による放電出力P
c・1を算出する。
【0237】
ステップS4およびS5により、キャパシタ7の放電器9から、負荷の増加変動の大きさに合わせた放電出力P
c・1で放電を行う。
【0238】
ステップS6により、徐変動制御の変動終了時の情報を電力−回転速度マップ15aから、変動終了時の回転速度N
2を取得する。ステップS7により、回転速度−変動期間マップ15bから、変動終了時の時刻t2を取得する。ステップS8により、発電体出力−変動期間マップ17から、変動終了時の発電体2の出力P
g・2を取得する。
【0239】
そして、ステップS9により、各マップに従って、ステップS6、S7、S8で取得した各目標値に向けて徐変動制御を実行する。
【0240】
軽負荷の場合であれば、ステップS9の徐変動制御によって目標値に到達する。さらに、ステップS10により、キャパシタ7の放電を停止する。そして、ステップS11により、
図30に示す「軽負荷時のキャパシタの充電の制御フロー」に進む。
【0241】
次に、ステップS2において、過負荷であると判定されて、ステップS12に進んだ場合について説明する。
【0242】
ステップS12により、キャパシタ7の放電器9による放電出力P
c・1を算出する。更に、キャパシタ7の放電器9による放電出力P
c・1における過負荷範囲成分P
c・1-EXと変動範囲成分P
c・1-nを算出する。
【0243】
そして、ステップS13およびS14により、キャパシタ7の放電器9から、負荷の増加変動の大きさに合わせた放電出力P
c・1で放電を行う。
【0244】
ステップS15、S16、S17により、徐変動制御の変動終了時の情報を取得する。変動終了時の回転速度N
2として、電力−回転速度マップ15aにおける設定範囲の最大値N
maxを取得する。また、変動終了時の時刻t2として、回転速度−変動期間マップ15bにおける設定範囲の最大値T
x・maxを取得する。また、変動終了時の発電体2の出力P
g・2として、発電体出力−変動期間マップ17における設定範囲の最大値P
g・maxを取得する。
【0245】
そして、ステップS18により、マップに従って、ステップS15、S16、S17で取得した各目標値に向けて徐変動制御を実行する。
【0246】
過負荷の場合、ステップS18の徐変動制御の後であっても、過負荷状態が継続する場合がある。その場合、ステップS19により、第1実施形態の
図6に示す「過負荷時におけるキャパシタの電力補助を実行する制御フロー」に進む。
【0247】
図22のステップS19から、
図6の「過負荷時におけるキャパシタの放電による電力補助を実行する制御フロー」への制御方法の移行は、
図23に示す通りである。
【0248】
図23において、徐変動制御における、キャパシタ7の放電器9からの放電出力P
cのうち、領域H61が過負荷範囲成分であり、領域H62が変動範囲成分である。また、領域H63が、徐変動制御が終了した後の過負荷時におけるキャパシタの電力補助を実行する制御におけるキャパシタ7の放電器9からの放電出力となる。
【0249】
図23に示すように、時刻t1からt2にかけては、
図22の徐変動制御が実行されている。時刻t2以降は、
図6の過負荷時におけるキャパシタの電力補助を実行する制御によって、キャパシタ7による電力補助が行われている。
【0250】
このように、第2実施形態における、負荷の増加変動時に対するキャパシタ7の放電による電力補助を行うことで、負荷の大きさに関わらず、負荷の増加変動がある場合に、キャパシタ7の放電による電力補助を実行する。これにより、従来のエンジン駆動発電装置では、負荷の増加変動に即応するために行っていた急加速に必要であった燃料をなくすことができるため、燃費改善が可能となる。
【0251】
なお、本発明の第2実施形態では、軽負荷と過負荷の両方ともに対応できる手段について説明をしたが、軽負荷のみに対応するようにすることも可能である。軽負荷のみに対応する方法としては、たとえば、
図15で示したキャパシタ7の放電器9の放電出力P
cの設定範囲を図中のII−III−Vの範囲に設定するようにすれば良い。
【0252】
なお、本発明の第2実施形態では、
図16に、負荷の増加変動に対する電力補助の動作として、「負荷の増加変動の状態」が、軽負荷の状態に留まるときの例を示し、
図20及び
図23に、過負荷の状態に達するときの例を示している。これらの例では、変動制御を行っている期間T
x(t1→t2)に、「エンジン1/発電体2」と「キャパシタ7/放電器9」の「双方」から、負荷に電力供給を行っている。すなわち、「エンジン1/発電体2」と「キャパシタ7/放電器9」の「双方」が電力を分担している。
【0253】
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、
図24及び
図25に示すように、負荷の増加変動があった場合、エンジン1/発電体2の出力は徐徐に変動させるが、エンジン1/発電体2の出力が上昇するまで(
図16、
図20及び
図23における時刻t2まで)、キャパシタ7からの出力のみで、負荷に電力を供給するようにすることも可能である。
【0254】
図24は、負荷の増加変動が、軽負荷に留まるときの例であり、
図16と同じ内容については、
図16のものと同一の符号を付している。また、
図25は、負荷の増加変動が、過負荷に達するときの例であり、
図23と同じ内容については、
図23のものと同一の符号を付している。
【0255】
負荷の増加変動の直後から、「エンジン/発電体の出力P
g」は、
図17に示した「発電体出力−変動期間マップ17」及び
図18に示した「回転速度−変動期間マップ15b」に従って、エンジン1の回転速度を上昇させておく。その一方、その間の期間、つまり、T
x(t1→t2)の期間の間は、エンジン1/発電体2からは、負荷に電力の供給は行わず、キャパシタ7からの出力P
cのみで、負荷の稼動に必要な電力を供給する。すなわち、入力電力P
in=P
cとなる。
【0256】
具体的には、変動期間T
x(t1→t2)の間、キャパシタ7からの出力は、
図24に示す軽負荷時の例では、図中の領域H41’に示すように、P
c=P
c・1(=P
g・2−P
g・1)の固定値である。また、
図25に示す過負荷時の例では、図中の領域H61’とH62’に示すように、P
c=P
c・1(=P
c1-n-固定+P
c1-EX)の固定値である。
【0257】
なお、「発電体2+整流器3」からの出力電圧と「放電器9」からの出力電圧の「大きさ」を調節することによって、「エンジン/発電体」及び「キャパシタ/放電器」の「双方」から負荷に給電することもできるし、それらのうちの「片方のみ」から負荷に給電することもできる。具体的には、「双方の出力電圧が等しい」場合には、「双方」から負荷に給電される。また、何れか「片方の出力電圧が高い」場合には、出力電圧が高い方、つまり、「片方のみ」から負荷に給電される。
【0258】
そして、
図24及び
図25に示すように、変動期間T
x(t1→t2)の間、(「エンジン1/発電体2/整流器3」の出力電圧)<(「キャパシタ7/放電器9」の出力電圧)とすることによって、「キャパシタ7/放電器9」からのみ、負荷に給電する。続いて、変動期間の終了後(時刻t2以降)は、(「エンジン1/発電体2/整流器3」の出力電圧)>(「キャパシタ/放電器」の出力電圧)とすることによって、今度は、「エンジン1/発電体2/整流器3」からのみ、負荷に給電する。
なお、
図24及び
図25に示した例では、「キャパシタからの出力の制御としては、より簡便な方法となり、設計がしやすい」という利点、及び「エンジンは、無負荷状態となるため、回転速度の立ち上がり時での燃料消費量は、負荷がかかる状態に比べて少ない」という利点を有する。
【0259】
このように、本発明の第2実施形態では、
図16、
図20及び
図23に示した例を実施してもよいし、
図24及び
図25に示した例を実施してもよい。
【0260】
次に本発明の第2実施形態における充電に必要な電力を得るための発電体2の出力および、エンジン1の運転方法について説明する。
【0261】
本発明の第2実施形態では、
図21及び
図22に示した「負荷の増加変動における徐変動制御を行うための制御」を実行したときに、「軽負荷」の範囲の増加変動に対して、キャパシタ7の放電による電力補助を行う場合、徐変動制御が終了した後の次の負荷の増加変動に対する電力補助に対して、十分な電力を供給できるようにキャパシタ7の充電を行う。
【0262】
徐変動制御が完了した後は、負荷が稼動するために必要な電力を供給するとともに、キャパシタ7の充電電力を得る必要がある。このため、負荷への供給する電力(
図16におけるP
g・2)に加えて、キャパシタ7への充電電力を発電体2の出力P
gによって発生させる必要がある。そこで、徐変動制御を行った後の回転速度(
図18におけるN
2)から更に回転速度を増加させて、キャパシタ7の充電電力を得るようにする。
【0263】
この更なる回転速度の増加において、燃費改善を達成するとともに、静音性を得られる運転方法を実施できるように、本発明の第2実施形態では、
図30の制御フローに従って、エンジン駆動発電装置の制御を行う。
【0264】
まず、キャパシタ7の充電に必要な電力と充電時間について説明する。
キャパシタ7(電気二重層コンデンサ)は、
図26に示すように、端子電圧V
caに対して、蓄電量Q
caは、ほぼ比例関係にある。端子電圧V
ca[V]を検出することで、その特性曲線から、蓄電量Q
ca[A・hr]の演算が可能である。
【0265】
また、キャパシタ7を充電するために必要な電力と充電時間は、充電前の端子電圧V
ca・11の検出値と、充電前の蓄電量Q
ca・11の演算値、および、キャパシタ7の性能によって決まる値として、満充電時の端子電圧V
ca・maxと、満充電時の蓄電量Q
ca・maxから、
図26の領域L
yの面積の値〔V・A・hr〕を算出すれば、「電力×時間」の値[W・hr]を得ることができる。
【0266】
図27及び
図28は、キャパシタ7を充電するためのエンジン1の運転状態に関する説明図である。
【0267】
なお、キャパシタ7を満充電にするための電力×時間の積の値は、
図26で示した領域L
yの面積の値と等価である。
図27及び
図28においても同一構成成分に同一の符号を付して説明している。
【0268】
たとえば、
図27(a)のように、キャパシタ7が満充電に達するまで、負荷に供給する電力P
inに加えて、キャパシタ7の充電のための電力を一定の電力P
yとして、発電体2から出力させるようにエンジン1を運転させる場合を検討する。この場合、単純に、負荷へ電力を供給するときと同じように、電力−回転速度マップ15aに従ってエンジン1の回転速度を決定して、かつ、回転速度の変動方法も即応させる方法で制御を行うことが考えられる。しかし、そのような制御では、
図27(b)に示すように、エンジンの運転方法は、時刻t11において、充電電力P
yが得られるように、負荷への電力P
inを得るために必要な回転速度N
inに加えて、エンジン回転速度の増加量ΔN
y加えた回転速度N
in+ΔN
yまで急加速させることになる。さらに、充電期間T
yの間、回転速度をN
in+ΔN
yの一定値に保ち、そして、キャパシタ7が満充電に達する時刻t12において、今度は、エンジン回転速度を元の値N
inに戻すべく、エンジン回転速度を急減速させることになる。
【0269】
このようなエンジン1の運転方法では、時刻t11において、エンジン1を急加速させ、また、時刻t12において、エンジン1を急減速させることになる。このため、
図27(c)に示すように、t11の増速時では、必要な回転速度N
in+ΔN
yに遅滞無く達するように制御を行うと、回転速度N
in+ΔN
yを維持するのに必要な燃料投入量Gに対して、急加速のために、余分な燃料を必要とする。
【0270】
また、このような急加速、急減速を行うと、エンジン1から発生する運転音の変動が大きくなる。このため、運転音が使用者にとって耳障りである。その結果、静音性を確保するために、防音手段に工夫が必要となる。
【0271】
図27のような、急加速、急減速を行うような制御を行うがゆえの悪影響を改善するために、本発明の第2実施形態では、充電に必要な電力と、充電時間を得るために、以下の方法を採用する。
【0272】
図28(b)のように、時刻t11からt12にかけて、エンジン1の回転速度をN
inからN
in+ΔN
yへ徐加速させる。その後、時刻t12からt13にかけて、エンジン1の回転速度をN
in+ΔN
yからN
inへ徐減速させる。このようにして、発電体2から充電に必要な電力×時間の値を得るように制御を行う。
【0273】
図28(b)及び
図28(c)に示す例のようにエンジン1を徐加速、徐減速させる場合、
図27(b)及び
図27(c)に示す例のように急加速、急減速させる場合において必要であった急加速のための余分な燃料の供給をなくすことができる。このため、燃費改善が可能となる。また、使用者にとって耳障りとなるエンジン1から発生する運転音の変動が緩やかになることから、静音性を確保することが容易となる。
【0274】
図28(b)のようなエンジン1の運転方法を行う場合、得られる電力×時間の積の値を、
図27(a)と同値とすることを検討する。
図27(b)の運転方法では、
図27(a)に示すように、充電期間T
yにおいて充電電力の値を一定値P
yとなるようにしていた。これに対して、
図28(b)の運転方法では、
図28(a)に示すように、徐加速が完了した時点で、充電電力の最大値を迎える。このため、この充電電力の最大値を、
図27(a)での充電電力P
yと同値とするなら、
図28(a)における充電時間T
ysを
図27(a)における充電時間T
yの2倍とすれば、充電に必要な電力×時間の積は、
図27(a)と同値となる。
【0275】
なお、
図28(a)では、徐加速を行う期間T
y・iと、徐減速を行う期間T
y・iiとをほぼ同値として図示している。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、これらの期間は、エンジン1及び発電体2の性能に合わせて適宜選択することができる。また、例えば、充電時間T
ys=3[秒]とするとよい。
【0276】
図29は、
図28に示すエンジン1の運転方法を実行する場合の電力−回転速度マップ15aでの、回転速度の決定方法に関する説明図である。
【0277】
負荷の稼動に必要な電力は、負荷電力供給部60への入力電力P
inの値で決定する。
【0278】
一方、キャパシタ7の充電に必要な電力と時間は、キャパシタ端子電圧V
caと、
図26で示したキャパシタ7の特性曲線からキャパシタ蓄電量Q
caを演算して、充電に必要な電力×時間の値を求める。
【0279】
そして、予め設定しておいた充電時間T
ysにおいて、エンジン1を徐加速させて、その後、徐減速させる場合の電力の最大値P
yを
図26から求めた「電力×時間」の値から求める。
【0280】
そして、負荷の稼動に必要なエンジン回転速度N
inは、電力−回転速度マップ15aを基に、入力電力P
inから求める。
【0281】
また、負荷への入力電力P
inと充電のために必要な電力の最大値P
yを得るためのエンジン回転速度N
in+ΔN
yは、電力−回転速度マップ15aを基に、電力値P
in+P
yから求める。
【0282】
図30は、
図29におけるキャパシタ7の充電の制御のフローチャートである。
【0283】
ステップS1により、
図26に示す領域L
yの面積を計算することで、充電に必要な「電力×時間」の積の値を演算する。
【0284】
ステップS2により、
図28(a)に示すように、予め設定した所定の充電期間T
ysにおいてエンジン1を徐加速して、その徐減速させる場合における必要な電力の最大値P
yを求める。
【0285】
ステップS3は、発電体2の残り電力(P
g・max−P
in)とステップS2によって算出された必要な電力の最大値P
yを比較するための判定部である。
【0286】
必要な電力の最大値P
yが発電体2の残り電力(P
g・max−P
in)を下回っている場合は、ステップS4に進む。そして、
図29に示すように、電力−回転速度マップ15aから、負荷への入力電力P
inと充電のために必要な電力の最大値P
yを得るためのエンジン回転速度の最大値(N
in+ΔN
y)を演算する。
【0287】
ステップS5において、キャパシタ7の充電を実行する。
【0288】
ステップS6により、
図28(b)に示すように、所定の充電期間T
ysにおいて、エンジン回転速度を、負荷の稼動に必要なエンジン回転速度N
inから、負荷への入力電力P
inと充電のために必要な電力の最大値P
yを得るためのエンジン回転速度の最大値(N
in+ΔN
y)へ徐加速させる。その後、回転速度を負荷の稼動に必要なエンジン回転速度N
inまで徐減速させる。
【0289】
その後、ステップS7に進み、キャパシタ7の充電を停止させる。ステップS8により、電力−回転速度マップ15aに従って、エンジン回転速度Nを制御させる。
【0290】
ステップS1からS8までの制御により、キャパシタ7の充電制御が完了すると、ステップS9に進み、
図21に示す、負荷に電力を供給するための制御フローに入る。
【0291】
なお、ステップS3において、必要な電力の最大値P
yが発電体2の残り電力(P
g・max−P
in)を上回っている場合は、必要な電力の最大値P
yを得ることができない。この場合は、ステップS10に進み、エンジン回転速度Nを設定範囲の最大値N
maxに調節する。そして、ステップS11において、
図9に示す「エンジン回転速度を設定範囲の最大値N
maxした状態において、キャパシタ7の充電を行うための制御フロー」に入り、キャパシタ7の充電を実行する。
【0292】
図31は、
図22によるキャパシタ7の放電の電力補助を行った後に
図22のステップS11に進み、
図30のキャパシタ7の充電の制御動作におけるステップS4からS7までの制御を実行した場合の、負荷電力供給部への入力電力P
in、発電体2の出力P
g、およびエンジン回転速度Nの状態を示したものである。
【0293】
なお、
図31(a)では、時刻t1から時刻t11まで、キャパシタ7からの給電量を徐々に減少させながら、発電体2からの給電量を徐々に増加させている。しかし、本実施形態では、時刻t1から時刻t11まで、キャパシタ7から負荷への給電量を一定としつつ、発電体2の出力を上昇させ、時刻t11に、キャパシタから負荷への給電を停止し、かつ発電体2から負荷へ、増加変動後の負荷の使用電力に相当する電力、つまり、
図24における徐変動制御の終了時t2における発電体2の出力P
g・2の電力の供給を開始するようにしてもよい。
【0294】
時刻t1からt11において、負荷の増加変動に対して
図22の制御フローにより、キャパシタ7の放電による電力補助を行う。また、時刻t11からt13において、
図30に示したキャパシタ7の充電の制御動作を行っている。
【0295】
図31(b)及び
図31(c)に示すように、負荷の増加変動の開始時刻t1から、キャパシタ7の充電の制御動作の終了時刻t13にかけて、エンジン回転速度Nは緩やかに変動している。
【0296】
このように、
図27(b)及び
図27(c)に示すようなエンジン1の運転方法において、急加速のために必要な余分な燃料をなくすことができるため、燃費改善が可能となる。また、
図27に示すようなエンジン1の運転方法と比べて、エンジン回転速度Nは緩やかに変動している。このため、使用者にとって耳障りとなるエンジン1から発生する運転音の変動が緩やかになるため、静音性を確保することが容易となる。
【0297】
上述した実施形態では、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組合せを行うことができ、これに限定されるものではない。たとえば、上述した第1及び第2実施形態では、蓄電手段としてキャパシタを使用した例について説明したが、第1〜第4の発明では、蓄電手段はこれに限定されず、種々のバッテリを使用してもよい。
【0298】
また、たとえば、本発明では、発電体2の出力P
gを調整する手段として、エンジン回転速度Nによって制御する方法で記載したが、発電体を制御して発電体の出力を調整してもよい。具体的には、発電体の構成として、回転子に巻線を設けて電磁石とする方式のものであれば、回転子巻線の励磁電流を調節するにより、発生する磁束を調節する方法を用いる方法であっても、発電体2の出力P
gの制御をすることが可能である。また、エンジンの回転数と発電体の励磁電流の両方を調節して、発電体の出力を調整してもよい。
【0299】
発電体の出力が増加して、発電体の固定子巻線に流れる電流が増加すると、この電流の増加によって発生する電磁力が増加するため、エンジン1の回転に対する抵抗が増加する。たとえば、エンジン回転速度Nを固定とする場合、このような回転抵抗の増加に対して、エンジン1では、燃料投入量を増加させて、より大きなトルクを発生させるように調整を行うことで、回転速度Nを保つように制御が行われる。
【0300】
このように、励磁電流を増加させることで、発電体の出力を増加させる方法であっても、燃料投入量を増加させることに変わりはない。ゆえに、励磁電流の制御によって、発電体の出力を制御する手段を用いる場合でも、本発明においても有効である。
【0301】
具体的には、エンジン1の回転速度Nを所定値に固定して、本発明における
図4の電力−回転速度マップ15aにおいて、横軸を回転速度Nとしていたものを、励磁電流に変更して、電力-励磁電流マップに置き換えれば良い。また、本発明の第2実施形態においては、
図18の回転速度−変動期間マップ15bにおいて、縦軸を回転速度としていたものを、励磁電流に変更して、励磁電流−変動期間マップに、置き換えれば、本発明と同等の効果が得ることができる。
【0302】
また、本発明では、エンジン回転速度N、および、キャパシタ7の放電器9の制御において、
図4の電力−回転速度マップ15a、
図17の発電体−変動期間マップ17
図18の回転速度−変動期間マップ15bのような、マップ式演算手段を用いる制御方法ついて記載したが、本発明は、マップ式演算手段に限定するものではない。具体的には、必要な情報を、マップ式演算手段のように、複数の特性値を設けることで得られる特性曲線を得るものではなく、計算式に従って算出するものであっても良い。