(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
近位配置のハンドグリップ(92)および遠位に配置の胴体(94)を含んだハンドピース(52)であって、前記ハンドグリップ(92)と前記胴体(94)は、前記ハンドグリップ(92)を基準とした前記胴体の角度向きが選択的に設定可能となるようにして一体にピボット動作可能に接続される、ハンドピース(52)と、
前記ハンドグリップと前記胴体との間に配置され、前記胴体を前記ハンドグリップを基準とした固定の角度向きに着脱可能に保持するロックアセンブリであって、前記ロックアセンブリは、前記ロックアセンブリが前記胴体を前記ハンドグリップを基準とした前記固定の角度向きに保持する固定状態から、前記ハンドグリップを基準とした前記胴体の前記角度向きが調整可能である調整状態に遷移させるために作動されるボタンを含む、ロックアセンブリと、
潅注流体源(53)から前記ハンドピース(52)まで延びる潅注チューブ(54)と、
前記胴体内に配置されたポンプ(388)であって、前記潅注チューブからの潅注流体をポンピングするように構成されている、ポンプと、
前記ハンドグリップ(92)内に配置されたモータと、
前記ポンプの作動を調節するために前記モータの作動を調節する、前記ハンドグリップ(92)に装着された手動で作動可能な部材(534)と、
前記ポンプを作動させるために前記モータ(340)によって出力された力学的エネルギーを前記ポンプ(388)に転送するための前記ハンドピース内に配置された少なくとも1つのギヤ(368)であって、前記ギヤは、前記胴体(94)が前記ハンドグリップ(92)を基準としてピボット動作する軸の周りに回転するように前記ハンドグリップ(92)または前記胴体に対して回転可能に装着されている、少なくとも1つのギヤ(368)と、
前記ポンプからポンピングされた前記潅注流体を受け取るように前記ポンプに接続された、前記ハンドピースの前記胴体(94)から前方に延びる先端アセンブリ(80)と、
を含む洗浄ユニット(50)。
前記潅注チューブ(54)は、前記胴体(94)を少なくとも部分的に通過して延びるとともに、前記ハンドグリップ(92)を基準とした前記胴体の前記角度向きによらず前記胴体を基準として静止に保たれるようにして前記ハンドピースに装着されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
前記胴体(94)を、前記ハンドグリップ(92)を基準としたある角度向きに着脱可能に保持するロックアセンブリ(320、330)をさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
前記ロックアセンブリは、前記ハンドピース(52)を前記胴体(94)の前記角度向きが固定されているロック状態から前記ハンドグリップ(92)を基準とした前記胴体(992)の前記角度向きが調整可能である調整状態に遷移させるために押下されるボタン(330)を含む、請求項7に記載の洗浄ユニット。
前記ハンドグリップ(92)は、前記ハンドグリップ(92)と前記胴体(94)の間を延びている、前記ハンドグリップ(92)を基準とした前記胴体の前記角度向きによらず前記ハンドピース(52)の内部で前記ハンドグリップ(92)と前記胴体の間の空間へのアクセスを防止する構造フィーチャ(122、166、222、264)を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
I.基本的な洗浄ユニット
図1〜3は、本発明の洗浄ユニット50の基本的な構成要素を示している。洗浄ユニット50は、先端アセンブリ80が着脱可能に取り付けられる先のハンドピース52(時に、体部とも呼ぶ)を含む。潅注チューブ54は、潅注流体源53からハンドピース52まで続く。ハンドピース52には吸引チューブ56が嵌め込まれる。吸引チューブ56は、廃棄物回収容器58と吸引源60の両方に対する近位に延びている。(ここで、「近位に」とは先端アセンブリ80が当てられる患者から離れるようなハンドピース52を保持する施術者に向かう方向を意味している。「遠位に」とは施術者から離れまた患者に向かう方向を意味している。)ハンドピース64の内部には、潅注チューブ54の遠位端が接続されるポンプ388がある。ポンプ388はモータ340によって駆動される。モータ340のオン/オフ状態は、ハンドピース64の下側にピボット動作可能に装着されたトリガー534によって制御される。
【0016】
先端アセンブリ80は剛性の潅注チューブ82を含む。
図19にのみ破線で示している潅注チューブ82は、吸引チューブ84の内部に配置されている。吸引チューブ84を覆うように飛散シールド86が着脱可能に配置されている。先端アセンブリ80がハンドピース52に取り付けられたとき、ポンプ388のアウトレットポートと潅注チューブ82の間に第1の流体連通経路が確立される。吸引チューブ84の近位端とハンドピース52に取り付けられかつハンドピース52から延び出る吸引チューブ56との間には第2の流体連通経路が確立される。先端アセンブリ80の構造は本発明の一部ではない。
【0017】
ハンドピース52は近位配置のハンドグリップ92を含む。胴体(バレル)94がハンドグリップ92にピボット動作可能に装着され、かつハンドグリップ92から遠位で前方向に延びている。胴体94はロックボタン320によって、洗浄ユニット50の使用者が希望するハンドグリップ92を基準とした向きに保持される。ハンドグリップ92内にはモータ340が装着されている。ポンプ388は胴体(バレル)内に配置されている。ハンドピース52内には、ギヤ348および368もまた配置されている。ギヤ348および368はモータによって出力された力学的エネルギーをポンプを往復動作させる運動に転換する。先端アセンブリ80は胴体(バレル)の遠位端に着脱可能に装着されている。潅注チューブ54と吸引チューブ56の両者は、ハンドグリップ92と胴体の両者の少なくとも一部分を通過して長手方向に延びている。
【0018】
ハンドグリップ92は右側および左側シェル102および142のそれぞれを含む。シェル102と162の両者は、ABSや高耐衝撃性ポリスチレンなどのプラスチックから形成された単一片構成要素である。
図4および5において最適に確認されるように、右側シェル102はベース104を含む。上部リム106は、ベース104の上部エッジから上方向に湾曲している。近位リム108は、ベース104の近位端から上方向に湾曲している。底部リム110は、ベース104の底部エッジから上方向に湾曲している。近位リム108が上部リム106と底部リム110の間を延びることを理解すべきである。いくつかの支柱112がベース102の内面から外方に突き出ている。各支柱112は、支柱の端部から内方に延びた閉端穴(特定なし)を伴って形成されている。
【0019】
ウェブ114、116および118が、ベース104の内面から外方に延びている。ウェブ114は、上部リム106から同じく下方向に延びるという意味で垂直方向に延びるウェブである。2つの最近位のウェブ114は底部リム110まで延びている。ウェブ116および118は、概してシェルの近位リム108から垂直方向に延びるという意味で水平に延びている。ウェブ116と118の両者は、上部リム106のかなり近くに配置されており、ウェブ116の方がよりリム106の近くにある。ウェブ116と118の両者は、ウェブ114と交差する。ウェブ118は、外方にウェブ116を越えて延びている。ウェブ114、116および118によって、右側シェル102に対してある程度の構造的剛性が提供される。ウェブ114のうちのいくつかはさらに、モータ340を据える際に押し当てる支持部材の役割をするような形状としている。ウェブ114、116および118はさらに、潅注チューブ54と吸引チューブ56からなるタンデム型アセンブリを据える際に押し当てるハンドグリップ92の内部にある支持構造の役割をするような形状としている。したがってチューブは、ウェブ116の上側表面に当たるように据えられる。
【0020】
右側シェル92は、さらに、底部リム110がベース104の底部端部の全体から上に突き出ないように形成されている。リム110は、シェル92内のノッチ111を画定するように形成されている。ノッチ111は、ベース104に沿った距離の概ね半分の箇所から遠位で前方向に延びている。ノッチ111は、ベースの遠位端までの概ね1cm近位の位置で終わっている。支柱117は、ノッチ111の近位端の近傍のシェルベース104の内側表面から上方向に延びている。支柱119は、ノッチ111の若干上方の位置からシェルベース104の内側表面から上方向に延びている。
【0021】
右側シェル92に対して、形状が概して円形の耳部122を一体化させている。耳部122は、シェルベース102の前方に配置されるとともに、ベースから若干外方に離間させている。円形のリム124が耳部122の内面から外方に延びるとともに、耳部122を囲繞している。リム124は、リムの内径および外径が耳部122の面からの距離に従って増大するという意味でテーパ付きである。リム124はさらに、リムの面から内方に延びた溝126を有するように形成されている。2つのボス(ボス128および132)が耳部122の内面から上方向に延びている。一方のボス(ボス128)は耳部122の中心から上方向に延びている。第2のボス(ボス132)は、リム124の内周縁の近傍の箇所から上方向に延びている。ボス132は、ボス128の外径と比べてより小さい外径を有する。各ボス128および132は、閉端穴を伴って形成されている。耳部122はさらに、4つのウェブ130を有するように形成されている(このうちの1つだけ特定されている)。ウェブ130は、ボス128から半径方向で外方に延びている。ウェブ130は、互いに等角角度に離間されている。ウェブ130のうちの3つはリム124の内側表面まで延びている。4つ目のウェブ130は、ボス128とボス132の間を延びている。
【0022】
ハンドグリップ左側シェル142は、本質的に右側シェルベース104に関する鏡像となったベース144を含む。ベース144の内側表面の周縁から外方に3つのリム146、148および150が延びている。リム146は、右側シェル上部リム106と係合している。リム148は、右側シェル近位リム108と係合している。リム150は、右側シェル底部リム110と係合している。左側シェル142は、右側シェル支柱112に相当する支柱152を伴って形成されている。各支柱152は、支柱の中心から外方に突き出たピン154(1つを特定)を伴って形成されている。ピン152は、右側シェル支柱112の内部にある穴内のピンに対するプレス嵌めを容易にするような直径を有する。したがって、洗浄ユニット30が組み立てられると、左側シェルピン154が右側シェル支柱112内に据えられることによってシェル92と142が一体に保持される。
【0023】
ハンドグリップ左側シェル142は、垂直方向に延びるウェブ158(1つのみを特定)を含む。ウェブ158は右側シェルウェブ114と同様であり、かつ右側シェルウェブ114と同じ機能を実行する。左側シェル142は、また、水平方向に延びるウェブ160および162を含む。ウェブ160は、箇所および形状において右側シェルウェブ116と相当する。ウェブ162は、箇所および形状において右側シェルウェブ118と相当する。
【0024】
ハンドグリップ左側シェル142は、また、支柱155および支柱157を有する。支柱157は本質的に、右側シェル支柱117と同じである。支柱157は本質的に、右側シェル支柱119と同じである。
【0025】
耳部166が左側シェルベース144と一体化されるとともに左側シェルベース144から前方に延びている。耳部166は、概して円形であり、かつシェル102と142を一体に配置させたときに右側シェル耳部122と共軸性となる。耳部166は横方向の断面厚において耳部122と比べてより幅広である。左側シェル142の内面上に、耳部166は形状が概して円形のベース表面168を有する。ベース表面168は、耳部166を通って横方向に続く軸を基準に中心合わせされている。ボス170は、ベース表面168の中心から外方に突出している。ボス170は、耳部の中心軸を基準に中心合わせされた閉端穴(特定なし)を伴って形成されている。ベース表面168から外方には弧状リブ172も突出している。リブ172は、ボス170と同心性でありかつボス170から半径方向で外方に離間されている。本発明の図示したバージョンでは、リブ172は、表面168の上方にボス170と比べてより大きな距離だけ突出している。
【0026】
左側シェル耳部166はさらに、ベース表面168の周りに延びるリム174を有するように形成されている。リムは、ベースに対する外方に配置されるとともに、リブ172から半径方向で外方に離間されている。リム174の外側表面からリブ176が外方に延びている。リブ176は、ボス170と同心性のリム174と同心性である。リブ176はリム174の上側部分の周りに配置されている。耳部166もまた、ベース表面168を基準として左側シェル142の外側表面のより近くに配置された凹形表面180を有する。凹形表面は、形状が概して円形であるとともに、ベース表面168、リブ172およびリム174のすべてを遮っている。凹形表面180の中心からボス182が外方に延びている。ボス182の中心から閉端穴(特定なし)が内方に延びている。凹形表面180およびボス182は、シェル102および142を一体に配置させたときに表面180およびボス182をその周りで中心合わせする軸が右側シェルボス132の軸と共軸性となるようにして配置させている。凹形表面180から上方向にさらにリブ184が突き出ている。リブ184はボス182と同心状であるとともに、ボスから半径方向で離れるように間隔をとっている。リブ184は、凹形表面180を基準とした高さがボス182と比べてより低い。
【0027】
外部からは左側シェル耳部166が、概して円形のベース表面188を有するように見える。ベース表面188は耳部166の内側面上のベース表面168に対応する。ベース表面188からボス190が外方に突き出ている。ベース表面188から外方にチューブ形状のスリーブ192が突き出ている。スリーブ192は、半径方向でボス190から外方に離間させるとともに、ボス190の上方で延びている。左側シェル耳部166はさらに、ベース表面188の外方に配置されたステップ194を有することが確認される。ステップ194は、耳部166の内側面上に凹形表面180があるために存在している。ステップ194は、ベース表面188の弧状区画を遮るとともに、スリーブ194の外側表面まで延びている。円形の内側リング表面196が、ベース表面188およびステップ194の上方でベース表面188およびステップ194の周りに配置されている。リング表面196の内側周縁は、スリーブ192から半径方向に離間されている。耳部166はさらに、リング表面196の内側周縁から内方に延びた歯198を有する。歯198は、耳部ベース表面188およびステップ194の上方の空間内まで突き出ている。
【0028】
耳部166の外側部分は、内側リング表面196の周りで円周方向に延びた外側リング表面204を有する。外側リング表面204は内側リング表面196の外方に配置されている。内側リング表面196と外側リング表面204の間にはリム202がそれぞれ配置されている。リム202は外側リング表面204の外方に延びている。
【0029】
左側シェル耳部166は、外側表面204から内方に延びた第1の側壁206を有する。側壁206は、ウェブ166から遠位に延びるとともに、耳部166の遠位の前部分の周りで湾曲している。この側壁206は、横断面が凹形に見えるような輪郭を有する。側壁206は、第2の湾曲した側壁(壁208)で終わっている。
図6では、側壁206のエッジのみを特定している。壁208は、耳部の下側部分の周りに湾曲している。壁208は断面が、直線または凸形のいずれかの形状を有する。
【0030】
ハンドピース胴体92は、右側シェル220および左側シェル262のそれぞれを含む。
図8および
図9を参照しながらここで説明する右側シェル220は、形状が概して弧状をした足部222を含む。さらに詳細には足部222はその外側表面に沿って、ハンドグリップ右側シェル耳部122と一体化したリム124の直径に等しい直径を有する。足部222の外側表面は概して平面状である。足部222の外側表面から弧形状のリブ224が外方に延びている。足部222の外側周縁から内方にリブ224が配置されている。リブ224は、ハンドピース30が組み立てられたときに、リブ224が、リム124内に形成された溝126に据えられるとともに溝126内を動くように位置決めされている。足部222は、中心配置の開口部226を伴って形成されている。足部222はまた、弧形状のスロット228を有する。スロット228は、開口部228に対する近位で、かつ開口部228の下側に配置されている。スロット228は、ハンドピースが組み立てられたときに、ハンドグリップ右側シェル耳部122と一体化されたボス132がスロットと位置合わせされるように位置決めされている。
【0031】
足部222の内側表面から2つのスカートが内方に延びている。この2つのスカートは、足部の外側周縁から延びている。第1のスカート(スカート232)は足部222の上部から内方に延びている。横断面においてスカート232は、ハンドグリップ左側耳部166の側壁206の輪郭と同様の凸形輪郭を有する。スカート234は、足部222の底部から内方に延びている。スカート234は、ハンドグリップ左側耳部166と一体化された壁208と同じ断面形状を有する。足部222の近位端においてスカートは、スカート間のギャップ(特定なし)を規定するように互いから離間されている。ハンドピースが組み立てられたときに、スカート232の内面は耳部166の壁206を画定する部分と面一である一方、スカート234の内面は耳部166の壁208を画定する部分と面一である。
【0032】
足部222の内側表面からリブ235が内方に延びている。リブ235は、スカート234の内部表面から上方向に延びている。リブ235は、開口部226に最も近いスロット228の周縁の周りで湾曲している。リブ235は、スカート232と234の間のギャップに向かって湾曲している。リブ235は、スカート232および234が足部から上方向に延びるのと同じ距離だけ足部222の内側表面から上方向に延びていない。
【0033】
足部222の前方にシェル220はベース238を有する。ベース238は、足部220の外側表面の外方に配置された外側表面を有する。ベース238の外側周縁から外方には、ベースの内側表面から突き出るように3つのリムが突出している。上部リム240は、ベースの外側周縁の上部に沿って延びている。ベースの近位端ではリム240がスキット234から離間されていることに留意されたい。したがってスカート234とリム240の間にはギャップ(ギャップは特定せず)が存在する。リム240の遠位端はリム242に至るまで湾曲している。リム242は、ベース238の遠位端から上方向に延びている。リム242は、底部リム244に至るまで湾曲している。底部リム244は、ベース238の底部エッジから外方に延びている。底部リム244は、ベース238に沿って近位に延びるとともに、スカート234で終わっている。
【0034】
ベース238の内面から支柱112と同様の支柱246が外方に延びている。いくつかのウェブが、シェル220を通って垂直に上部から底部まで延びている。シェルの近位部分において、ベースから外方にかつ上部リム240から下方向に3つの平行なウェブ248が延びている。2つの最近位のウェブは足部222にわたる内側表面全体にわたって延びている。ウェブ252は各ウェブ248と長手方向に整列している。2つの最近位のウェブ252は、スカート234から延びており、かつ足部222の内側表面から外方に延びている。各ウェブ252は相補性のウェブ248から離間されている。ウェブ248は、上部リム240から下方向に共通ウェブ250まで延びている。ウェブ250は、ウェブ248と直交する。ウェブ252は、上部リム244から上方向に共通ウェブ254まで延びている。ウェブ254はウェブ252と直交する。したがってウェブ250および254は互いに平行である。各ウェブ250および254はしたがって、足部222の内側表面およびベース238の隣接する部分から上方向に延びている。ウェブ250は、開口部226の上方に配置されている。ウェブ254は、開口部226の下方に配置されている。特定していないが、ウェブ250および254の対面する部分は、ウェブの最も高い部分から内方に階段状になった表面を伴って形成されている。
【0035】
シェルベース238の内側表面から上方向に、3つの追加の垂直方向に延びるウェブ258が延びている。ウェブ258はウェブ248および252と平行であるとともに、ウェブ248および252の前方に配置されている。各ウェブ258は、シェル上部リム240から底部リム244まで延びている。ウェブ248および258は、吸引チューブ56が据えられる窪み(特定なし)を伴って形成されている。ウェブ258はさらに、以下で説明するポンプハウジング420を受け容れるための窪みを伴って形成されている(
図17)。
【0036】
図2および10から、胴体左側シェル262が平坦な円形の足部264を含むことが確認できよう。スカート266は、足部264から外方および内方に向かってテーパが付けられている。スカート266は、その自由端がハンドグリップ左側シェル耳部166のリム174と等しい外径を有するように寸法設定されている。足部264はまた、中心開口部268を有する。
【0037】
シェル262はさらに、足部264の内側表面から歯270が上方向に延びるように形成されている。歯270は、互いに弧状に離間されており、かつシェルの開口部268を画定する部分から外方に延びている。歯270から外方に、等角度に離間させた4つのウェブ272(2つだけを特定)が延びている。ウェブ272は、足部264から外方に突き出た円形のリム274まで延びている。リム274はまた、スカート266のベース表面であると考えることが可能である。リム274は、リムの面から内方に延びた円形の溝276を伴って形成されている。胴体(バレル)シェル262がハンドグリップシェル142を覆うように位置決めされたとき、ハンドグリップシェル142と一体化されたリブ202は胴体(バレル)シェル溝276内に据えられる。
【0038】
胴体左側シェル262は、足部264から遠位で前方に配置されたベース280を有する。さらに詳細にはベース280はスカート266から前方に延びる。ベース280はしたがって、足部264の外側表面の内方に配置されている。ベース280の内側表面から外方にピン(特定なし)を備えた支柱282が延びている。ハンドピース52が組み立てられると、シェル220と262を一体に保持するように左側シェル支柱282が右側シェル支柱246と係合する。ベース280の上部周縁から上部リム284が外方に延びている。シェル262は、リム284の近位端がスカート266から離間されるような形状としている。ベースの遠位端において、上部リム284は遠位リム286に至るまで湾曲している。遠位リム286は、底部リム288に至るまで湾曲している。底部リム288の近位端はスカート266から前方のある短い距離(0.5cm未満)で終わっている。
【0039】
上部リム284の内側表面から下方向に、かつシェルベース280の内側表面から外方に6つのウェブが延びている。2つの最近位のウェブ(ウェブ292および294)はスカート266のベース280に向かって延びるとともに、スカート266のベース280と交差する区画の手前のある短い距離で終わっている。残りの4つのウェブ(ウェブ296、298、300および302)は、底部リム288まで延びている。ウェブ292、294、296、298、300および302の各々は、1つまたは複数の窪み(特定なし)を伴って形成されている。これらの窪みは、潅注チューブ54またはポンプハウジングのいずれかをウェブ292、294、296、298、300または302に突き当てて据えるのを容易にする。
【0040】
シェル220および262のそれぞれの遠位リム242および286によってハンドピースの前側端部が形成されている。リム242は、ノッチ304(
図2で1つのみを特定)を伴って形成されている。ノッチ304は、先端アセンブリ80をハンドピース50に取り付ける際に通す開口部の役割をする。シェルベース238および184のそれぞれには、開口部306および窪み308が設けられている(シェル220に関して
図9でのみ特定される)。開口部306および窪み308は先端アセンブリ80と一体化された留め具構成要素を受け入れている。先端アセンブリをハンドピース52に着脱可能に取り付ける方法は本発明の一部ではない。この取外し可能な接続を容易にするために、ハンドピース52および先端アセンブリと一体化させた代替的なフィーチャが使用されることがある。したがってこれらのフィーチャについて以下で最小程度でのみ検討することにする。
【0041】
ハンドピース52が組み立てられたときに、胴体(バレル)右側シェル足部222はハンドグリップシェル102および142のそれぞれの耳部122および166の間に配置される。ハンドグリップ左側シェル耳部166は、胴体(バレル)シェル220および262のそれぞれの足部222および264の間に配置される。ハンドグリップ耳部122および166と胴体(バレル)足部222および264とは一体となって、ハンドグリップ92と胴体(バレル)94の間のジョイント310を形成する。胴体(バレル)94はジョイント310の周りにピボット動作することができる。これによって、ハンドグリップ92の長手方向軸を基準とした胴体(バレル)94の長手方向軸の角度向きを選択的に設定することが可能となる。
【0042】
ここで
図2および11を参照することによって説明するロックボタン320によって、胴体(バレル)94がハンドグリップ92を基準とした選択的な角度向きに保持される。ボタン320は、円形のヘッド322を含む。ヘッド322の中心は、指の中心合わせを容易にするために外側周縁を基準として凹形としている。ヘッド322の周りで円周方向にリム324が延びている。ハンドピース52の構成要素は、ボタンヘッド322およびリム324がハンドグリップ左側シェルスリーブ192の周りで、かつ胴体(バレル)左側シェル中心開口部268の内部に嵌め込みできるように形成されている。リム324から半径方向で外方に、弧状に離間させた歯326が延びている。歯326は、ボタンヘッド322の下に配置されている。歯326は、ハンドグリップ左側シェルの歯198と胴体(バレル)左側シェルの歯270の両方の係合が可能となるように互いから離間されている。ボタン320の弧状区画の周りにおいて、1組の歯326はその他の歯326と比べてより短い。ハンドグリップ左側シェルの耳部166の上にボタンが嵌め合されたとき、この短い歯326がステップ194を覆うように配置される。
【0043】
ハンドグリップ左側シェルの耳部ボス190とスリーブ192の間にはスプリング330(
図2にのみ示す)が配置されている。スプリング330は、ボタンヘッド322の内側表面に押し当てられている。したがってスプリング330によってボタン320に対してバイアス性の力がかかり、これによりボタン歯326が通常胴体(バレル)歯270の間に据えられるようなボタンの変位が生じる。ボタンのこの外方への動きは、ボタン歯326が胴体(バレル)左側シェル足部264の内側表面に突き当たることによって阻止される。
【0044】
ボタン歯326は常に、ハンドグリップ左側シェル歯198と係合している。したがって胴体歯270とのボタン歯326の係合によって、胴体54はハンドグリップ52を基準とした固定の角度向きに保持される。このボタンはロック位置にある。胴体の角度向きを調整するためには、ボタン320が押下される。スプリング330の力に打ち勝つには、ボタン320に対する手指の力で十分である。ボタン320の内方への変位によって、ボタン歯326が動かされて胴体歯270との係合が外れる。ボタン320がこのように係合解除されるとき、ボタンは胴体調整状態にあると考えることが可能である。次いで胴体54の角度向きを調整することが可能である。ボタンに対する指の力を解放すると、スプリング330によってボタンがロック位置まで復帰する。
【0045】
ハンドグリップシェル102と142の間にはモータ340が配置されている。さらに詳細にはモータは、ハンドグリップ92内で右側シェルウェブ114と右側シェルウェブ158の間に支持されている。モータ340の体部から前方に、回転するシャフト(特定なし)が延びている。シャフトの自由端にはシャフトによって回転させるためのギヤ344(
図30でのみ特定)が嵌め合されている。モータ340がハンドグリップ92に据えられたとき、ギヤ344はハンドグリップ左側シェル耳部166および胴体右側シェル足部222に配置される。
【0046】
ギヤ344は、同じくハンドグリップ92の内部にあるフェースギヤ348を係合する。フェースギヤ348は、
図12において確認されるように円盤状のベース350を含む。歯352は、ベースの外側周縁の周りに延びるようにベース350から上方向に延びている。ベース350の中心から、高くなった円形台座354が上方向に延びている。台座378の露出した表面から上方向に内側および外側のスリーブ356および359のそれぞれが延びている。台座354とスリーブ356および359とは、ギヤベース350の回転軸である中心軸と共軸性である。外側スリーブ359の内側表面は内側スリーブ380から半径方向で外方に離間されている。弧状に間隔をとったウェブ358が、内側スリーブ356の外側表面から外側スリーブ384の隣接する内側表面までの間を延びる。内側スリーブ356および下にある台座354を通って延びる共軸性の貫通穴は特定していない。外側スリーブ359はギヤ歯362を伴って形成されている。
【0047】
フェースギヤ348は、ベース350の歯のない側が左側シェルボス182に突き当てて配置されるように位置決めされる。ピン364(
図12でのみ特定)が、フェースギヤ348をハンドグリップ92に対して回転可能に保持している。ピン364は、台座354および内側スリーブ356を貫通する軸方向穴を通って延びている。ピン364の一方の端部は、右側シェルボス132と一体化された穴内に据えられる。ピン364の反対側の端部は、左側シェルボス182と一体化された穴内に据えられる。フェースギヤ348は、ギヤベース350が左側シェルボス182と隣接するように位置決めされる。ハンドピース64が組み立てられたときに、ギヤ344はフェースギヤ歯352を係合する。
【0048】
フェースギヤ348は、同じくハンドグリップ92に回転可能に配置された偏心ギヤ368を駆動する。偏心ギヤ368(
図13において最良に示す)は円形のベース370を伴って形成されている。ベース370は、いくつかの弧状に間隔をとった貫通開口部372を伴って形成されている。ベース370はまた、いくつかの弧状に間隔をとった凹部374を有するように形成されている。凹部374はベースの外側周縁の内方に配置されている。本発明の図示したバージョンでは、凹部は異なる弧に対応する。さらに、大きな弧で延びる凹部374は複数の開口部372と交差する。ベース370の外側周縁から外方に歯376が突き出ている。ギヤベース370から上方向に円筒状のヘッド378が突き出ている。ヘッド378の中心長手方向軸は、ベース370の回転軸から横方向にオフセットされている。偏心ギヤはさらに、貫通穴380を有するように形成されている。穴380は、ベース370の中心と、ベース398の回転軸を覆うように延びるヘッド378の外側部分と、を貫通して延びている。穴380はしたがって、偏心ギヤ368が回転する際の軸に対して中心合わせされている。ギヤ368は2つの空隙382を伴って形成されている。空隙382は、ヘッド378とベース398のヘッドより下側の部分とを通過して延びている。空隙382は、穴380を2等分する平面の周りで対称性である。
【0049】
ピン386(
図2において特定)は、偏心ギヤ368をハンドグリップ92に対して回転可能に保持している。ピン386の一方の端部は、右側シェルボス128と一体化された穴内に据えられる。ピン386の反対側の端部は、左側シェルボス170と一体化された穴内に据えられる。したがってギヤ368は、胴体94がハンドグリップ92を基準として回転する際の軸の周りに回転するようにしてハンドピース52に装着されることが理解されよう。ハンドピース52が組み立てられたときに、偏心ギヤの歯376はフェースギヤ348の歯362を係合する。
【0050】
偏心ギヤ368は、ハンドピースジョイント310内に配置されたヨーク390を往復動作させる。
図14において確認されるようなヨーク390はポンプ388の一部であり、概して矩形のプレート392を含む単一片構成要素である。ヨーク390は、ヨークの長手方向軸が胴体94を通る長手方向軸と平行となるような向きとしている。ヨークの全体幅は、ヨークが胴体左側シェル220と一体化されたウェブ250および254上に据えられることおよびこれらの間で摺動することが可能となるような幅とする。プレート392の側部エッジから外方にかつプレート392の近位端を越えて後方向に、2つのビーム394が延びている。ビーム394は、互いに向かって内方に湾曲するとともに、プレートの近位端から後方向に離間した箇所で出合っている。ビーム394またさらにはビーム396によって、長円形の開口部398が画定される。開口部398の長軸はプレート392の長手方向軸と直交する。開口部398は、幅が偏心ギヤヘッド378を受け容れるだけの寸法となった鏡軸を有する。
【0051】
ヨーク390はさらに、フレームの遠位端においてプレート392から垂直で外方にタブ402が延びるようにして形成されている。タブ402は、U字形のスロット404を伴って形成されており、このスロット404の開放端部は胴体右側シェル220のベース238に向かうフレームの端部に隣接して配置されている。タブ402の近位に向いた面からプレート392の表面までブラケット406が延びている。プレートの表面から上方向に追加のビーム408(このうちの2つのみを特定)も突き出ている。
【0052】
ハンドピース52が組み立てられるとヨーク390は、ウェブ250および254の内側の階段状部分の上に据えられる。ヨーク開口部398には偏心ギヤヘッド378が配置される。
【0053】
ヨーク390は、同じくポンプ388の一部であるベローズ408を駆動する。ベローズ408は、潅注チューブ54を通して流体を引き入れかつポンプハウジング420および先端アセンブリ80を通して流体を押し出しているポンプ構成要素である。ここで
図15および16に関連して説明するベローズ408は、柔軟な熱可塑性プラスチックから形成されるとともに、円周方向に延びたプリーツ(特定なし)を伴って形成された円筒状の本体部410を有する。ベローズ本体410は近位の閉端を有する。ベローズ本体410の閉端からボタン414が外方に延びている。ボタン414より小さい直径を有するネック部412によって、ボタンを本体410の閉端に接続している。ベローズ本体410の開放端部の周りの半径方向で外方におよび円周方向にリップ416が延びている。
【0054】
潅注器50が組み立てられると、ベローズと一体化されたネック部412はヨークスロット404内に配置される。ボタン414は、ヨークタブ404の近位に向いた面に当てて配置されている。ベローズリップ416は、胴体92の内部にあるウェブ258とウェブ300のうちの一方の遠位に向いた表面に当てて配置される。この構成要素の接触によってベローズ408の近位への動きが防止される。ヨーク390が前後に往復動作することによって、ベローズ本体部410についての同様の拡張および収縮が生じる。
【0055】
ポンプハウジング420は、潅注チューブ54、吸引チューブ56およびベローズ408が接続されるポンプ388の構成要素である。ポンプハウジング420はまた、先端アセンブリ80の潅注チューブ82および吸引チューブ84が接続される先のハンドピース52の内部にある構成要素でもある。ポンプハウジング420は、ベローズ408の前方で胴体94内に配置されている。
図17、17Aおよび17Bで最良に確認できるようにポンプハウジング420は、単一片の成形プラスチックから形成されるとともに、ベース424を含む。ベース424は、外側表面に沿って概して一定の直径を有する外側スリーブ426を含む。スリーブ426の近位端から半径方向で外方にリップ428が突き出ている。リップ428から近位で後方向にリング430が延びている。リング430はリップ428の外側周縁の内方に配置されている。本発明の図示したバージョンではリング430は、外側スリーブ426の外径より大きな内径を有する。ポンプハウジングはさらに、リングの外側表面に沿ってリングの周りの円周方向にステップ432が延びるように形成されている。したがってリング430の近位部分の外径は、リングの遠位部分(ステップ432に対する遠位の部分)の外径より小さい。リップ428から後方向に2つの柔軟な脚部434が延びている。脚部434は互いに対角位置に相対している。各脚部434は内方に向いた足部436を伴って形成されている。
【0056】
ポンプハウジング422は、外側スリーブ426と共軸性で外側スリーブ426内に配置された内側スリーブ438を伴って形成されている。内側スリーブ438は、外側スリーブ426の近位端から遠位方向に延びている。内側スリーブ438は、概ね外側スリーブを通る中間面にある箇所で終わっている。内側スリーブまで延びている外側スリーブの内部にある円形のウェブは特定していない。スリーブ426および438は、スリーブ同士の間に環状のギャップ(ギャップは特定なし)が存在するように寸法設定されている。内側スリーブ438の近位端において円形のリップ442がスリーブから内方に突き出ている。
【0057】
外側スリーブ426はさらに、3つの穴が一体となってスリーブを通過して延びるように形成されている。第1の穴(穴446)は内側スリーブ438の内側壁によって画定されている。第2の穴(穴480)は穴446の直ぐ前方に配置されている。第3の穴(穴482)は、外側スリーブ426内までの遠位端開口部を形成している。スリーブ426は、穴482が穴480より大きな直径を有するように形成されている。
【0058】
ポンプハウジング422はさらに、円筒状のネック部484を有するように形成されている。ネック部484は、外側スリーブ426から垂直で上方向に延びている。ポンプハウジング484は、スリーブ426を通る長手方向軸と直交することに加えてスリーブ426を通る長手方向軸から横方向にオフセットされた軸に沿ってネック部484が上方向に延びるように形成されている。ネック部484はチャンネル486を伴って形成されている。
図17Aおよび17Bで確認できるようにチャンネル486は、外側スリーブ426と内側スリーブ438の間の環状のギャップ内に開いている。
【0059】
ハウジングネック部484はヘッド490まで延びている。ポンプハウジングヘッド490は、概して形状を多角形と見なし得るいくつかの下位区画から形成された主区画(特定なし)を有する。本発明の開示したバージョンではヘッド490は、上部配置の開口部492を伴って形成されている。開口部492は、ネック部チャンネル486と共軸性である。開口部492は、ポンプハウジング422の形成に使用した射出成形プロセスの帰結として存在する。より具体的には開口部492は、ネック部チャンネル486を画定する型の構成要素の帰結として存在する。ハンドピース64を製造するプロセス中に、ハウジングヘッド490の上部に開口部492を閉鎖するためにキャップ(図示せず)が嵌め込まれる。
【0060】
ポンプハウジング420は、2つのフィッティング(フィッティング496および504)がヘッド490の近位に向いた面から近位に延びるように形成されている。フィッティング496は、潅注チューブ54の遠位端が嵌め合されるフィッティングである。ハウジング420は、フィッティング496を通り部分的にヘッド490を通ってネック部チャンネル486まで延びる閉端穴(図示せず)を伴って形成されている。この穴は、潅注流体が潅注チューブからポンプハウジングベース424内まで流れる際に通る導管である。
【0061】
ハウジングヘッド490から遠位で前方に円筒状の筒先(nose,ノーズ)502が延びている。筒先502は、筒先の遠位前側端部から近位で後方向に延びる円筒状の穴(bore,ボア)512を伴って形成されている。筒先502と穴512は共通の長手方向軸を共有する。この軸を延長すると、フィッティング496と504がヘッドから延びる箇所の間でハウジングヘッド490を通過して延びることになる。チャンネル(特定なし)が、ヘッドを通るフィッティング502から穴512までの流体連通経路の役割をする。
【0062】
ハンドピース52が組み立てられるとポンプハウジング420は、胴体右側シェルウェブ258と胴体左側シェルウェブ300および302との間に挟まれた状態となる。潅注チューブ54の遠位端はフィッティング496に取り付けられる。吸引チューブ56の遠位端はフィッティング504に取り付けられる。
【0063】
ハウジングボア446によって画定された穴内にダックビルバルブ526(
図15および16で確認できる)が据えられている。バルブ526は、バルブの開放端部がベローズ520の方向を向くようにして配列されている。バルブ526のリップはチューブ穴480の方向に向けられている。バルブ526は、バルブの開放端部の周りでバルブから半径方向で外方に延びたベース528を有する。ベース528は断面で湾曲している。バルブベース528の外側周縁は、内側スリーブ438の近位端および隣接するリップ442を覆うように延びている。したがってベース528によって、ベローズ内への傘型のインレットバルブが形成される。さらに詳細にはこのインレットバルブは、ベローズによって画定されたポンプチェンバの外側周縁の周りに配置されている。
【0064】
リング430と一体化されたステップ432上にOリング524(
図15においてのみ確認できる)が据えられている。Oリング524は、ハウジングリング430とベローズリップ416の間で押されている。Oリング524は、ベローズ514とポンプハウジングベース424の間の封止に寄与している。ハウジング脚部434はベローズリング520の外側表面を覆うように延びている。ハウジング足部436は、ベローズ408をポンプハウジング424に対して保持するためにベローズリップ416を覆うように延びている。
【0065】
図2および18を参照することによって、モータ340に付勢信号がどのようにして選択的に付与されるかに関する理解が得られる。
図18で破線の円筒で示したケーブル532は、潅注チューブ56と吸引チューブ66の対を備えたアセンブリと一緒に束ねられるのが典型的である。ケーブルの近位端は、洗浄ユニット50と関連付けされた電源530に接続されている。この電源530は、電池パックの形態をとることがある。別法としてこの電源は、2つの異なる電位であるAC電圧をDC電圧に変換するデバイスの形態をとることがある。電源の厳密な構造は本出願の洗浄ユニット50の構成の一部ではない。
図18では電源530を直列接続の4つのセルの形で示している。右側シェル支柱117と左側シェル支柱115のそれぞれに対して、トリガー534がピン(図示せず)によってピボット動作可能に装着されている。ハンドグリップシェル102および162内にはさらに、柔軟な導電性接点536を示している。トリガー534および接点536をハンドグリップに装着させる手段は本発明の一部ではない。
【0066】
ケーブル532の内部にはいくつかの絶縁されたワイヤがある。1つのワイヤ(ワイヤ538)は電源からモータ340と一体化された接点(モータ接点は図示せず)まで延びている。第2のワイヤ(ワイヤ540)は、電源から接点536まで延びている。ハンドグリップ92の内部には、導電性支柱542がある。支柱542は、接点536が曲げられたときに接点が支柱に当たるように位置決めされる。ハンドピースハンドグリップ92の内部には絶縁されたワイヤ544がある。ワイヤ544は、支柱542からモータ340の第2の端子まで延びている。
【0067】
通常ではトリガー534を接点536から離間させている。接点536は導電性支柱542から離間されている。したがって、モータ340と電源530の回路は開回路となっている。トリガー534をピボット動作させるとトリガーが接点536に当たり接点536を曲げる。接点536が曲がると接点が導電性支柱542に当たる。接点536を支柱に当てることがモータと電源530の回路を閉じるスイッチの役割をする。
【0068】
先端アセンブリ80は、
図2および3において最良に確認できるようにコネクタ81を含む。コネクタ81は、胴体開口部306および窪み308と協働してハンドピース52に対して先端アセンブリ80を着脱可能に保持するフィーチャを含む。コネクタ81はまた、ポンプハウジング穴482および512内に据えられる管状部材(特定なし)を含む。ポンプハウジング穴482内に据えられた管状部材は、ポンプハウジング422から先端アセンブリ80と一体化された潅注チューブ82までの流体連通経路を確立する。ポンプハウジング穴512内に据えられた管状部材は、先端アセンブリ吸引チューブからポンプハウジング422までの流体連通経路を確立する。
【0069】
II.操作
本発明の洗浄ユニット50は、先端アセンブリ80をハンドピース52に取り付けることによって使用の準備がなされる。潅注チューブ54が潅注流体源53に接続される。吸引チューブ56が容器58および吸引源60に接続される。必要であればケーブル352が電源に接続される。これらのステップが完了すると、洗浄ユニットは操作準備完了となる。
【0070】
洗浄ユニット50は、トリガー534の押下によって操作される。この結果として導電性支柱542に当たるように接点536が突き当たることによって、付勢信号(付勢電流)がモータ340まで流れる。結果としてのモータ340の作動によってベローズ408の往復動作が生じる。サイクルのうちベローズが後退しているフェーズでは、潅注流体が潅注チューブ54からベローズに引き入れられる。サイクルのうちベローズが圧縮されているフェーズでは、潅注流体がポンプハウジング420を通り、また先端アセンブリ潅注チューブ86を通って放出される。
【0071】
任意の時点でのロックボタン320の押下によって、ハンドグリップ92を基準としたハンドピース胴体94の角度向きを選択的に設定することが可能である。このことは、ロックアセンブリのセット状態から調整状態への遷移と呼ばれる。したがって施術者は、ハンドピースを
図1に示したようなピストルタイプのユニットとして、
図19で確認できるようなステッキタイプのユニットとして、あるいはこれら2つの構成の中間の形状で操作することが可能である。胴体94の角度向きによらず、偏心ギヤ368はフェースギヤ348およびヨーク390を基準として固定の位置にあるままである。これによって胴体94の向きによらずモータ340が依然としてポンプを作動できることが保証される。
【0072】
したがって本発明の洗浄ユニット50は、実施される具体的な手技にとって人間工学的に最も快適な構成で操作することが可能である。常に当てはまるわけではないが、ユニット50を当てようとする組織が施術者のウエストの高さまたはその下にある場合、ユニットはピストル構成で操作される。ユニットが当てられる組織が施術者のウエスト位置より上にある場合、ステッキ構成により近い何らかの構成でのユニットの操作が有用であるとする施術者が多い。
【0073】
洗浄ユニット50をステッキ構成で操作する際には、施術者はもちろんハンドグリップ92、胴体94、ジョイント310またはこれらの構成要素の任意の組合せによってハンドピース52を自由に保持することが理解されよう。ハンドピースをこのように保持したときに、施術者は多くの場合、トリガー534を押すために親指または人差し指を使用することになる。
【0074】
本発明のハンドピース52はさらに、潅注チューブ54と吸引チューブ56の両者がハンドグリップ92および胴体94内に配置されるように設計される。したがってハンドグリップ92に対する胴体94の向きによらず、これらのチューブが洗浄ユニット50の扱いを妨害するような緩んだ構成要素となることがない。胴体のピボット動作に応答して潅注チューブ54および吸引チューブ56は、ジョイントの外側表面の周りで曲げられる。これらのチューブ54および56のうち胴体の内に配置された部分は静止状態のままである。したがって手技の間に胴体94が反復してピボット動作をする場合であっても、チューブ54および56がポンプハウジング420から失われるように作用する可能性は本質的にまったくない。
【0075】
本発明の洗浄ユニットの別の特徴は、ハンドグリップ耳部122および166と胴体足部222および264とがハンドグリップ92と胴体94の間のジョイントの内部から仕切られていることである。布類、見失った医用デバイスまたは好奇な指がこのジョイントに捕えられた状態になるような可能性は本質的にまったくない。
【0076】
III.第1の代替的ポンプ
ここで
図21を参照しながら、上に記載したピボット動作可能なハンドピース52を備えた洗浄ユニットを含む洗浄ユニットに組込み可能な代替的なベローズ560について説明することにする。ベローズ560は、チューブ54と同様の潅注チューブ550から潅注流体を受け取る。チューブ550の遠位端は、チューブ形状のインレットフィッティング552に取り付けられている。このインレットフィッティング552(
図22で特定)は典型的には、ベローズ560が据え付けられるハンドピース内に静止状態で装着されている。インレットフィッティング552は、ベローズ560の近位端内まで続いている。
【0077】
ベローズ560自体は、インレットフィッティング542と剛性のアウトレットフィッティング590の間を延びている。アウトレットフィッティング590は、上で説明したポンプハウジング420のスリーブ426、リップ428、リング430および脚部434に相当する。ベローズ560は柔軟な材料から形成される。この材料は、ゴム、熱可塑性プラスチック、ポリエチレンまたはポリプロピレンとすることができる。近位端においてベローズは、断面がL字形をした足部562を有する。足部562は、インレットフィッティング542の開いた遠位端を覆って嵌め合されるような形状としている。インレットフィッティング542の周縁の周りに配置されたOリング544によって、フィッティングとリップ562の間の封止が提供される。足部562から前方に延びるように、ベローズ560は形状が概して管状をした脚部564を有する。脚部564の前方においてベローズは、近位プリーツ区画566を有する。したがって近位プリーツ区画566は、ベローズ560の内部で補足的なチェンバ(供給チェンバ568)を画定する。近位プリーツ区画566の前方に管状胴体(torso,トルソ)570が配置されている。胴体570は、外側表面の周りに2つの離間したリブ572(1つのみを特定)を有するように形成されている。リブ572は、胴体570の周りで円周方向に部分的に(全体でない場合)延びている。
【0078】
胴体570は、遠位プリーツ区画574内に開いている。遠位プリーツ区画574はポンプチェンバ576を画定する。遠位プリーツ区画574から前方に管状ヘッド578が延びている。ヘッド578の開放端部の周りで前方および外方にリップ580が延びている。断面がL字形をしたリップ580は、アウトレットフィッティング590の開放近位端の周りに延びている。アウトレットフィッティング590の外側近位端の周りに配置されたOリング588によってベローズ560とフィッティングの間の封止が提供される。
【0079】
ベローズの内部には近位バルブ582がある。バルブ582は、バルブ内においてベローズの近位端から遠位端までおよび遠位端を通過する流れだけを可能にするような一方向バルブである。近位バルブは、胴体570内でチェンバ568と576の間に来るように配置されている。したがってバルブ582は、ポンプチェンバ576へのインレットバルブである。近位バルブ582は、ダックビルバルブ、傘型バルブまたはフラッパーバルブとすることがある。本発明の洗浄ユニットはまた、遠位バルブ584を有する。遠位バルブは、その全体とまたはその一部が端部ベローズヘッド578またはアウトレットフィッティング590の隣接区画に配置されることがある。遠位バルブ584は、近位バルブ582によって流れを可能としたのと同じ方向への流れだけを可能にするような一方向バルブである。遠位バルブ584は、近位バルブ582を形成する上述したバルブのうちの1つと同じ構造を有することがある。したがって遠位バルブ584は、ポンプチェンバ576からのアウトレットバルブの役割をする。
【0080】
図示していないが、バルブ582または584のいずれの部分もベローズ560と一体に成形され得る。別法としてベローズ560は、バルブ582または584のうちの1つまたは複数のベローズへの装着を容易にするリブなどの成形された内部フィーチャを有することがある。さらに本発明の図示したバージョンでは、ベローズの壁厚を、ベローズの長さに沿って一定であるように示している。このことは単に例証を容易にするためである。ベローズが単一片ユニットとして成形されるような本発明のバージョンでは、補足的(供給)チェンバ568およびポンプチェンバ576を画定するベローズの区画は低減させた壁厚を有することが多い。したがってプリーツ区画566および574は、脚部564、胴体570およびヘッド578の壁厚と比べてより薄い壁厚を有することが多い。
【0081】
偏心ギヤ602およびヨーク608はベローズ560を往復動作させる。偏心ギヤ602(歯は図示せず)は上で説明した偏心ギヤ368と同様である。偏心ギヤを回転させる駆動アセンブリは図示していない。このアセンブリは、上で説明したモータ340およびフェースギヤ348とすることが可能である。偏心ギヤ602は円筒状のヘッド604を有する。偏心ギヤ602は、ヘッド604が偏心ギヤの回転する際の軸(点603で示す)からオフセットされた軸(点605で示す)に対して中心合わせされるように構成されている。
【0082】
ヨーク608は、概して矩形のフレーム610を含む。フレーム610の中央は開放されている。さらに詳細にはフレームの内部にある空き空間は、当該空間内で偏心ギヤヘッド604の滑合(slip fiting)を可能とするような横方向寸法を有する。空き空間の長手方向軸に沿った長さは、偏心ギヤヘッドの直径より大きい。フレーム610の反対側端部から遠位で前方に2つの脚部612が延びている。脚部の遠位端に隣接して各脚部612から内方に足部614(1つのみを特定)が延びている。ベローズ560の外側表面の周りに配置されたリブ572の間を足部614が延びている。ヨークは、ハンドピースに装着されており、このハンドピース内で脚部612と平行な軸に沿って前後に往復動作するように据え付けられている。
【0083】
ベローズ560を含む潅注ユニットは従来の潅注ユニットのように使用される。このユニットは、ユニットハンドピースの内部にあるモータを付勢することによって作動させる。ハンドピースの付勢によって偏心ギヤ602の回転が生じる。偏心ギヤの回転によってヨーク608の往復動作が生じる。
【0084】
ヨークの往復動作の結果として、ベローズプリーツ区画566および574が循環式に拡張および圧縮する。
図21Aで確認できる第1のフェーズは、ヨーク脚部612が遠位で前方に移動した
図21にあるベローズの状態の位置を発端とすると考えることが可能である。この動きによってベローズ遠位プリーツ区画574の圧縮が生じる。ポンプチェンバ576はその最小体積まで押されている。バルブ582および584が存在するため、チェンバ576内の任意の流体はアウトレットバルブ584およびアウトレットフィッティング590ならびにハンドピースに取り付けられ先端アセンブリ80を通過してチェンバ576から押し出される。
【0085】
このサイクルの次のフェーズは、遠位の延びた状態から近位の後退した状態までのヨークの動きである。このフェーズの初期部分において、供給チェンバ568の体積は増大する。したがって供給チェンバ568の圧力は、潅注供給チューブ550およびインレットフィッティング552の上流側圧力と比較して小さくなる。この圧力低下によってチューブ550およびフィッティング552内の流体が供給チェンバ568に流入する。ヨーク608の動きが継続する結果として、
図21Bで確認されるように近位プリーツ区画が圧縮される。供給チェンバ568の体積は最小体積まで低下する。さらにこの時点で、バルブ584がアウトレットフィッティング590からポンプチェンバ576内への流体の逆流を防止している。したがって、ベローズ560が動く間に、供給チェンバ568内の流体はバルブ582を通過してポンプチェンバ576に流入する。ベローズ560が近位プリーツ区画566が圧縮された状態から移動した後、ヨーク608は
図21Aに示した状態まで戻すようにベローズを往復動作させる。
【0086】
ヨーク608の往復動作は、チェンバ568および576の圧縮/拡張を生じさせる以外にバルブ582を往復動作させることを理解すべきである。
【0087】
本発明の洗浄ユニットのポンプの利点は、潅注供給チューブ540からアウトレットフィッティング590を通って出る流体の流れが近位から遠位への概して直線状の経路に沿った流れとなることにある。流体は曲がった導管を通って流れる必要がない。本発明によって、流体が湾曲した移動経路に従わなければならないことに由来する摩擦流体流動損失が排除される。
【0088】
IV.第2の代替的ポンプ
図22は、本発明の第2の代替的ポンプ(ポンプ620)を示している。ポンプ620は、ポンプ560と同じベローズ様の構造を有する。したがって脚部564、胴体570、ヘッド578および関連する構成要素については再度説明しないことにする。ポンプ脚部564はポンプ560と同様に、フィッティング552によって潅注チューブ550に結合されている。ポンプヘッド578はアウトレットフィッティング590に結合されている。
【0089】
ポンプ620は脚部564と胴体570の間にプリーツ状とするか、さもなければ圧縮可能とした近位区画(区画622)を有する。近位区画622はポンプ620のポンプチェンバ624を画定する。ポンプ620は胴体570とヘッド578の間に、プリーツ状とするか、さもなければ圧縮可能とした遠位区画(区画628)を有する。遠位区画628はポンプ620の補足的なチェンバ(具体的には、アウトレットチェンバ630)を画定する。
【0090】
潅注チューブとポンプ近位区画622の間にはインレットバルブ634が配置されている。近位区画622と遠位区画628の間にはアウトレットバルブ638が配置されている。ポンプチェンバ624からのアウトレットとアウトレットチェンバ630へのインレットの間にはアウトレットバルブ638が配置されている。
【0091】
偏心ギヤ602およびヨーク608は、ベローズ560を往復動作させるのと同じ全般的方式でベローズ620を往復動作させる。ベローズ560の往復動作の間にバルブ638は、ヨーク608と一緒に往復動作する。往復動作サイクルの第1のフェーズの間に、ヨーク608は偏心ギヤ608の方向に移動する。これによって、ポンプチェンバ624を形成するポンプ区画622の圧縮が生じる。インレットバルブ634によって、ポンプチェンバ624内の流体がインレットチューブ550に向けて戻る逆流が防止される。これに代えて流体は、アウトレットバルブ638を通ってアウトレットチェンバ630に流入する。
【0092】
ベローズ往復動作の第2のフェーズではヨーク608はアウトレットフィッティング590の方向に移動する。これによってアウトレットチェンバ630を形成するベローズ区画の圧縮が生じる。バルブ638によってアウトレットチェンバ630内の流体のポンプチェンバ624への逆流が防止される。したがって流体は、アウトレットチェンバから出てアウトレットフィッティングを通りかつ先端アセンブリ内に入るように押し出される。
【0093】
ヨーク608が伸展位置(脚部614が偏心ギヤ602から離れている)から後退位置(脚部が偏心ギヤの近くにある)まで移動するに従って、ベローズ近位区画622およびポンプチェンバ624は拡張する。区画622の直前の圧縮のためにポンプチェンバには本質的に液体状の流体が空である。したがってポンプチェンバ624の体積拡張のために、チェンバ内の圧力はインレットフィッティング522内の圧力と比較して低いレベルまで低下する。この圧力差は、インレットフィッティング552内の潅注流体にバルブ634を開けさせかつポンプチェンバ624に流入させるのに十分である。
【0094】
V.代替的な実施形態
上の説明は本発明の洗浄ユニットの2つのバージョンについてものである。本発明の代替的な洗浄ユニットは、ここまでに説明したのとは別の特徴を有し得る。
【0095】
たとえば、ピボット動作可能な胴体94を備えた本発明のすべての洗浄ユニットがタンデムポンプチェンバ568および576を備えた記載ベローズを有するべきとの要件は存在しない。同様に、ポンプチェンバおよびタンデムの補足的チェンバを備えた本発明のすべてのバージョンがピボット動作胴体94を有するべきとの要件も存在しない。
【0096】
同様に、ピボット動作胴体を備えた本発明のすべてのバージョンが上述したパルスタイプのポンプを有するべきとの要件も存在しない。本発明の代替的なバージョンでは、ベーンポンプや渦巻ポンプなどの別のタイプのポンプを備えた洗浄ユニットを提供することが望ましくなり得る。さらにポンプモータがハンドグリップ92内にあり、かつポンプユニットが胴体94内にあるように洗浄ユニット50を設計することが望ましいが、このことは本発明のすべてのバージョンで必要となるとは限らない。同様に本発明は、電気駆動式モータを備えた洗浄ユニットに限定されない。本発明の代替的な洗浄ユニットは、ポンプの作動のための力学的エネルギーを提供する空気圧式または液圧式のユニットを有することがある。
【0097】
さらにピボット動作軸の周りに回転するようにハンドピースに装着される具体的なギヤを偏心ギヤ368とするべきとの要件も存在しない。本発明の代替的なバージョンでは、フェースギヤ348が装着される。しかし一般的には、ハンドグリップ装着のモータから胴体装着のポンプまで力学的パワーを転送する1つのギヤはピボット動作軸の周りに回転するようにハンドピースに装着されている。
【0098】
さらに本発明のいくつかのバージョンでは、ポンプユニットをハンドピースから遠隔に置くことがある。本発明のこれらのバージョンでは潅注ライン(また設けられていれば、吸引ライン)は、胴体を通過し、かつハンドグリップの少なくとも一部分を通過して延びることになる。
【0099】
同様に本発明のいくつかの洗浄ユニットは、潅注流体が当てられる部位から吸引を引き離すための構成要素を含まないことがある。本発明のこれらのバージョンでは、ハンドピースは吸引ラインを含まないことになる。
【0100】
本発明には、胴体94を、ハンドグリップを基準とした固定の角度向きで着脱可能に保持するために、開示したロックボタン以外の代替的な手段が組み入れられることがある。たとえばハンドグリップ92および胴体94は、これらの構成要素の間の摩擦接触によってこれらが互いを基準とした固定の向きに保持されるようにして一体に組み立てられることがある。本発明のこの構成の利点は、これにより開示したロックボタンおよびスプリングを設けることが不要になることである。別法として解放可能なクランプによって胴体94をハンドグリップ92を基準とした固定の角度向きに着脱可能に保持させることがある。クランプが調整状態にあるとき、胴体は自由にピボット動作することが可能である。クランプがロック状態にあるとき、ハンドグリップ92を基準とした胴体94のピボット動作を防止するためにあるクランプ構成要素が別のクランプ構成要素に押し当てられる。本発明のこのバージョンの利点は、これにより胴体94の角度向きの精密設定が可能になることである。
【0101】
シェルによってハンドピースの体部を一体に形成する手段は、支柱のプレス嵌めに限定されない。構成要素を一体に形成するこれらの体部を保持するためには、スナップ嵌め構成要素、留め具または接着剤を使用することが可能である。
【0102】
さらに、潅注チューブ54(また存在していれば、吸引チューブ56)はハンドグリップ92の近位端から出るように延びることが望ましいが、これは必ず必要なものではない。本発明のいくつかのバージョンでは、これらのチューブがグリップの近位端に対して遠位の箇所にあるハンドグリップ92から出るように延びることがある。同様に本発明のいくつかのバージョンでは、潅注チューブおよび吸引チューブは、完全に胴体94を通過して延びないことさえあり得る。同様に本発明のいくつかのバージョンでは胴体とグリップの間を延びるチューブ(または、複数のチューブ)は、ジョイントを覆うように据えられるのではなくジョイント内に配置されることがある。本発明のこのバージョンの可能な利点は、好奇な手指によるチューブ(または、複数のチューブ)の脱接続が防止されることである。
【0103】
同様に本発明のバージョンで、胴体をピボット動作させたときに潅注チューブおよび吸引チューブが曲がるという要件が必ずしも存在するわけではない。本発明のいくつかのバージョンでは、胴体およびハンドピース内に別々の潅注チューブおよび吸引チューブを配置させることがある。ベローズは、各チューブ対を形成するチューブ同士の間にある屈曲性の接続構成要素の役割をする。さらに本発明のいくつかのバージョンではチューブは、胴体がピボット動作した結果として、チューブのハンドグリップ内に配置された区画が何らかの移動を受けるようにしてハンドピースに嵌め合わされることがある。本発明のいくつかのバージョンではチューブは、何らかの屈曲と、何らかの移動(ハンドピース内)とを組み合わせて受けることがある。
【0104】
同様に、本発明のいくつかのバージョンではユニットの作動を制御するトリガーアセンブリや他のスイッチアセンブリを胴体に装着することが望ましくなり得る。本発明のいくつかのバージョンでは、ハンドピース52に2つ以上のトリガーや他の手動作動式スイッチを設けることが望ましくなり得る。これらのスイッチは、ハンドピース上の様々な位置に配置される。各スイッチは、制御回路に関連するいくつかの並列の導電性経路のうちの1つに関する開放/閉鎖状態を制御する。本発明のこのバージョンの恩恵は、施術者がハンドピースを通常でないような方式で保持したいときハンドピースが保持されている近くにユニットを作動させるためのトリガーやスイッチが存在することになり得ることである。これによれば施術者がハンドピースを希望に従って保持することおよび洗浄ユニットを作動することの両方の目的で自身の指を通常でない位置に位置決めする必要がなくなる。
【0105】
本発明のいくつかのバージョンでは先端アセンブリをハンドピースと一体化させることがある。
【0106】
さらにタンデムチェンバ568および576を備えたポンプを含んだ本発明のバージョンでは、ベローズを必ずしも常に単一片ユニットとして形成されないことがある。ベローズの区画を画定するチェンバを形成するための材料は、互いに異ならせることさえあり得る。
【0107】
さらに説明していないが、本発明の潅注器の作動子はモータ340に与えられる付勢信号の特性を調節するための何らかの手段を有することがある。これによれば施術者は、潅注器のオン/オフ状態の制御以外に、潅注流体を放出する流量の調節が可能となる。
したがって、本発明の真の精神および趣旨の域内にあるこのような修正形態や変形形態のすべてを包含することが添付の特許請求の範囲の目的である。
【0108】
本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
近位配置のハンドグリップ(92)および遠位に配置の胴体(94)を含んだハンドピース(52)であって、前記ハンドグリップ(92)と前記胴体(94)は、前記ハンドグリップを基準とした前記胴体の角度向きが選択的に設定可能となるようにして一体にピボット動作可能に接続される、ハンドピース(52)と、
潅注流体源(53)から前記ハンドピース(52)まで延びる潅注チューブ(54)と、
前記潅注チューブ(54)から放出のための潅注流体を受け取るように前記ハンドピース(52)に接続された、前記ハンドピースの前記胴体(94)から前方に延びる先端アセンブリ(80)と、
前記胴体(94)を、前記ハンドグリップ(92)を基準としたある角度向きに着脱可能に保持するために前記ハンドピースに取り付けられたロックアセンブリ(320、330)であって、前記ロックアセンブリは、前記ハンドピース(52)を前記胴体(94)の前記角度向きが固定されているロック状態から前記ハンドグリップ(92)を基準とした前記胴体(992)の前記角度向きが調整可能である調整状態に遷移させるために押下されるボタン(330)を含む、ロックアセンブリ(320、330)と、
を含む洗浄ユニット(50)。
[実施形態2]
前記潅注チューブ(54)からの潅注流体をポンピングして前記先端アセンブリ(80)を通して出すために前記胴体(94)内にポンプ(388)が配置されており、
前記ポンプを作動させるために前記ハンドグリップ(92)内にモータ(360)が配置されており、かつ
前記ハンドピース内に前記モータ(360)によって出力された力学的エネルギーを前記ポンプ(388)に転送するための少なくとも1つのギヤ(368)が配置されており、前記ギヤは前記胴体(94)が前記ハンドグリップ(92)を基準としてピボット動作する軸の周りに回転するように前記ハンドグリップまたは前記胴体に対して回転可能に装着されている、
実施形態1に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態3]
前記ポンプ(388)は、パルスポンプ、またはベーンポンプまたは渦巻ポンプである、
実施形態2に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態4]
前記モータ(360)は電気駆動式モータである、実施形態2または3に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態5]
前記潅注チューブ(54)は、前記胴体(94)を少なくとも部分的に通過して延びるとともに、前記ハンドグリップ(92)を基準とした前記胴体の前記角度向きによらず前記胴体を基準として静止に保たれるようにして前記ハンドピースに装着されている、実施形態1から4のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態6]
前記ハンドグリップ(92)と前記胴体(94)の間にジョイントが延びており、かつ
前記潅注チューブ(54)は前記ジョイントに隣接するとともにその周りに延びている、
請求項5に記載の洗浄ユニット。
[実施形態7]
前記潅注チューブ(54)は前記ハンドグリップ(92)の近位端を通って外に延び出ている、実施形態5または6に記載の洗浄ユニット。
[実施形態8]
前記先端アセンブリ(80)は前記ハンドピース(52)に着脱可能に取り付けられている、実施形態1から7のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態9]
前記ハンドピース(52)を通過して、吸引源まで延びた吸引チューブ(56)が延びている、実施形態1から8のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態10]
前記ハンドグリップは、前記ハンドグリップ(92)と前記胴体(94)の間を延びている、前記ハンドグリップを基準とした前記胴体の前記角度向きによらず前記ハンドピース(52)の内部で前記ハンドグリップと前記胴体の間の空間へのアクセスを防止する構造フィーチャ(122、166、222、264)を含む、実施形態1から9のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態11]
前記ハンドピースからの潅注流体の放出を調節するために前記ハンドピースに装着された少なくとも1つの手動で作動可能な部材(534)をさらに含む実施形態1から10のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態12]
前記作動可能な部材(534)は前記ハンドグリップ(92)に装着されている、実施形態11に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態13]
前記ハンドグリップ(92)および前記胴体(94)は、軸を備えたジョイント(310)を形成するフィーチャ(122、166、222、264)を有しており、前記軸の周りで前記胴体(94)が前記ハンドグリップ(92)を基準としてピボット動作可能であり、
前記ロックアセンブリ(320、330)は、前記ボタン(330)が、前記胴体(94)がその周りでピボット動作する前記ジョイントの前記軸を基準に中心合わせされるように、前記ハンドピースに取り付けられている、
実施形態1から12のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態14]
前記ロックアセンブリ(320、330)は、前記ボタンと分離し且つ前記ボタンを通常前記ロック状態に保持するスプリング(330)を含んでいる、実施形態1から13のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態15]
近位配置のハンドグリップ(92)および遠位に配置の胴体(94)を含んだハンドピース(52)であって、前記ハンドグリップ(92)と前記胴体(94)は、前記ハンドグリップを基準とした前記胴体の角度向きが選択的に設定可能となるようにして一体にピボット動作可能に接続される、ハンドピース(52)と、
潅注流体源(53)から前記ハンドピース(52)まで延びる潅注チューブ(54)と、
前記胴体内に配置されたポンプ(388)であって、前記潅注チューブからの潅注流体をポンピングするように構成されている、ポンプと、
前記ハンドグリップ内に配置されたモータと、
前記ポンプを作動させるために前記モータ(360)によって出力された力学的エネルギーを前記ポンプ(388)に転送するための前記ハンドピース内に配置された少なくとも1つのギヤ(368)であって、前記ギヤは、前記胴体(94)が前記ハンドグリップ(92)を基準としてピボット動作する軸の周りに回転するように前記ハンドグリップまたは前記胴体に対して回転可能に装着されている、少なくとも1つのギヤ(368)と、
前記ポンプからポンピングされた前記潅注流体を受け取るように前記ポンプに接続された、前記ハンドピースの前記胴体(94)から前方に延びる先端アセンブリ(80)と、
を含む洗浄ユニット(50)。
[実施形態16]
前記ポンプ(388)は、パルスポンプである、実施形態15に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態17]
前記モータ(360)は電気駆動式モータである、実施形態15または16に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態18]
前記潅注チューブ(54)は、前記胴体(94)を少なくとも部分的に通過して延びるとともに、前記ハンドグリップ(92)を基準とした前記胴体の前記角度向きによらず前記胴体を基準として静止に保たれるようにして前記ハンドピースに装着されている、実施形態15から17のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態19]
前記ハンドグリップ(92)と前記胴体(94)の間にジョイントが延びており、かつ
前記潅注チューブ(54)は前記ジョイントに隣接するとともにその周りに延びている、
実施形態18に記載の洗浄ユニット。
[実施形態20]
前記潅注チューブ(54)は前記ハンドグリップ(92)の近位端を通って外に延び出ている、実施形態18または19に記載の洗浄ユニット。
[実施形態21]
前記胴体(94)を、前記ハンドグリップ(92)を基準としたある角度向きに着脱可能に保持するロックアセンブリ(320、330)をさらに含む、実施形態15から20のいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
[実施形態22]
前記ロックアセンブリは、前記ハンドピース(52)を前記胴体(94)の前記角度向きが固定されているロック状態から前記ハンドグリップ(92)を基準とした前記胴体(992)の前記角度向きが調整可能である調整状態に遷移させるために押下されるボタン(330)を含む、実施形態21に記載の洗浄ユニット。
[実施形態23]
前記先端アセンブリ(80)は、前記ハンドピース(52)に着脱可能に取り付けられている、実施形態15から22のいずれか1項に記載の洗浄ユニット。
[実施形態24]
前記ハンドピース(52)を通過して、吸引源まで延びた吸引チューブ(56)が延びている、実施形態15から23のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態25]
前記ハンドグリップは、前記ハンドグリップ(92)と前記胴体(94)の間を延びている、前記ハンドグリップを基準とした前記胴体の前記角度向きによらず前記ハンドピース(52)の内部で前記ハンドグリップと前記胴体の間の空間へのアクセスを防止する構造フィーチャ(122、166、222、264)を含む、実施形態15から24のいずれか1項に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態26]
前記ハンドピースからの潅注流体の放出を調節するために前記ハンドピースに装着された少なくとも1つの手動で作動可能な部材(534)をさらに含む、実施形態1から25のいずれか1に記載の洗浄ユニット(50)。
[実施形態27]
前記作動可能な部材(534)は前記ハンドグリップ(92)に装着されている、実施形態26に記載の洗浄ユニット(50)。