【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、メディカル用体位保持ベルトを手術台のサイドレールに固定する、又は、手術台のサイドレールから取外すためのメディカル用体位保持ベルト固定装置において、アッパークランプ、ロワークランプ及び弾性体を備えており、前記アッパークランプ又は前記ロワークランプは、前記メディカル用体位保持ベルトに接続され、前記アッパークランプと前記ロワークランプとのそれぞれには、前記手術台のサイドレールを挟持するための挟持部が設けられており、前記弾性体は、その両端がそれぞれ前記アッパークランプと前記ロワークランプとに当接又は固定されており、前記メディカル用体位保持ベルト固定装置は、前記弾性体がその自体の弾性力で前記アッパークランプの挟持部と前記ロワークランプの挟持部とを接近させることで、前記メディカル用体位保持ベルトを前記手術台のサイドレールに固定する挟持状態と、前記弾性体の弾性力に抗して前記アッパークランプの挟持部と前記ロワークランプの挟持部とを離間させることで、前記メディカル用体位保持ベルトを前記手術台のサイドレールから取外す開放状態と、になることができる、ことを特徴とするメディカル用体位保持ベルト固定装置を提供する。
【0009】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、予備クランプ力を提供でき、手術台のサイドレールの任意位置に取付けられ、サイドレールと水平面とが30°の角度を成す際にスライドしないことを確保でき、異なる手術台のサイドレール(サイドレールの高さが一定)に適用でき、ボルトによる固定を避けて使用効率を向上できると共にクリーンを容易に行えるとの有益な技術的効果を奏することができる。
【0010】
好ましくは、前記アッパークランプ又は前記ロワークランプは、保持ベルト接続体を介して前記メディカル用体位保持ベルトに接続され、前記保持ベルト接続体は、その一端が前記メディカル用体位保持ベルトに固定され、その他端が前記アッパークランプ又は前記ロワークランプに固定されている。
【0011】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、追加の保持ベルト接続体を採用することで、メディカル用体位保持ベルトとメディカル用体位保持ベルト固定装置とを更に牢固に接続できるとの有益な技術的効果を奏することができる。
【0012】
好ましくは、前記弾性体は、前記アッパークランプと前記ロワークランプのうちの少なくとも一方のクランプの弾性体収容部に設置されている。
【0013】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、アッパークランプとロワークランプのうちの少なくとも一方のクレンプに弾性体収容部を設置するとともに、弾性体を該弾性体収容部に設置することで、弾性体の取付けが更に簡素化になり、且つ使用時に弾性体が隠され、医務スタッフへの汚染を防止できるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0014】
好ましくは、前記アッパークランプと前記ロワークランプとは、ピボット軸の廻りに互いに相対回転できる。
【0015】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、挟持状態と開放状態との切り替えが更に容易になり、メディカル用体位保持ベルトを手術台のサイドレールに固定する、又は、手術台のサイドレールから取外すことができるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0016】
好ましくは、前記ピボット軸が前記アッパークランプ又は前記ロワークランプに一体形成される。
【0017】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、メディカル用体位保持ベルト固定装置の構造が簡素化になり、部品数量が少なくなるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0018】
好ましくは、前記ロワークランプ又は前記アッパークランプには溝が設けられており、ストッパーは、前記アッパークランプと前記ロワークランプとが互いに横方向にずれないように前記溝内に設けられている。
【0019】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、アッパークランプとロワークランプとが互いに横方向にずれることを効果的に防止でき、メディカル用体位保持ベルト固定装置が崩れ難くなるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0020】
好ましくは、前記ピボット軸は、単独で形成され、且つ前記アッパークランプと前記ロワークランプとを貫通するようになっている。
【0021】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、挟持状態と開放状態との切り替えが比較的に容易であり、メディカル用体位保持ベルトを手術台のサイドレールに固定する、又は、手術台のサイドレールから取外すことができるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0022】
好ましくは、前記ピボット軸は、前記アッパークランプと前記ロワークランプとが互いに横方向にずれないように、その一端にピボット軸キャップが設けられ、その他端に固定ネジが接続されている。
【0023】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、アッパークランプとロワークランプとが互いに横方向にずれることを効果的に防止でき、メディカル用体位保持ベルト固定装置が崩れ難くなるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0024】
好ましくは、前記弾性体が圧縮バネである。
【0025】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、挟持状態と開放状態との切り替えが容易であり、メディカル用体位保持ベルトを手術台のサイドレールに固定する、又は、手術台のサイドレールから取外すことができるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0026】
好ましくは、前記
弾性体は、その一端が前記少なくとも一方のクレンプの前記弾性体収容部の底面に当接し、その他端が前記アッパークランプと前記ロワークランプとのうちの少なくとも他方のクランプに当接するようになっている。
【0027】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、挟持状態と開放状態との切り替えが容易であり、且つ弾性体の取り付けが安定になり、メディカル用体位保持ベルト固定装置が崩れ難くなるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0028】
好ましくは、前記メディカル用体位保持ベルト固定装置は、前記弾性体と、前記アッパークランプと前記ロワークランプとのうちの少なくとも他方のクランプとの間に挿入され且つ一部が前記弾性体収容部に収容されるスライダーを更に備えている。
【0029】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、スライダーが通常、耐摩耗性の材料(例えば、プラスチック)で製作されるので、弾性体とアッパークランプとの過度磨耗を避けることが可能になり、また、該スライダーのアッパークランプとの接触面積が通常、弾性体が直接アッパークランプと接触する面積よりも大きいので、弾性体とアッパークランプとのより安定的な接触を確保できると共に、メディカル用体位保持ベルト固定装置の全体が更に牢固になるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0030】
好ましくは、前記弾性体が引張りバネ、ねじりバネ又はスライスバネである。
【0031】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、各種類の弾性体を採用でき、挟持状態と開放状態との切り替えが容易になり、メディカル用体位保持ベルトを手術台のサイドレールに固定する、又は、手術台のサイドレールから取外すことができるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0032】
好ましくは、前記アッパークランプと前記ロワークランプとは、押出成形される。
【0033】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、アッパークランプとロワークランプとの形状や構造が複雑であっても、例えば、回転軸、回転軸包囲部、挟持部、当接部、弾性収容部等が形成されても、簡単に押出成形され、加工時間が短くなり、バッチ生産に寄与するとの有益的な技術的効果を奏することができる。例えば、クランプのロング形材を押出成形してから該ロング形材を複数のクランプに切断することによって、クランプの生産率が大幅に向上することになる。
【0034】
好ましくは、前記アッパークランプと前記ロワークランプのうち、前記弾性体収容部が設けられた前記少なくとも一方のクランプは、その一端に、前記弾性体が動きやすくなるように前記弾性体収容部と連通する通気孔が設けられている。
【0035】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、例えば圧縮バネの場合に、メディカル用体位保持ベルト固定装置が繰り返して開放、挟持し、圧縮バネが繰り返して圧縮、回復するので、空気が弾性体収容部に導入されて弾性体収容部に一定の気圧が発生してしまい、この気圧によりメディカル用体位保持ベルト固定装置に対する使用者の正常操作が邪魔され、例えば、使用者がメディカル用体位保持ベルト固定装置を開けることが邪魔されるが、弾性体収容部と連通する通気孔を設置することで、あまる空気を排出でき、使用者がメディカル用体位保持ベルト固定装置を容易に操作(特に開放)できるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0036】
好ましくは、前記メディカル用体位保持ベルト固定装置は、前記アッパークランプの当接部と前記ロワークランプの当接部とが前記弾性体の弾性力で互いに当接する使用前状態になることが可能である。
【0037】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、アッパークランプの挟持部が該使用前状態で弾性体の弾性力によりロワークランプの挟持部に近づき過ぎることを防止でき、ひいては、使用者がメディカル用体位保持ベルト固定装置を使用前状態から開放状態に切り替える際に過大の弾性力を克服する必要がなくなり、メディカル用体位保持ベルト固定装置による挟持が更に簡素化になり、なお、メディカル用体位保持ベルト固定装置の未使用時にメディカル用体位保持ベルト固定装置を使用前状態に安定的に保持することで、メディカル用体位保持ベルト固定装置が崩れ難くなるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0038】
好ましくは、前記保持ベルト接続体の前記他端がスクリューを介して前記アッパークランプに固定される。
【0039】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、保持ベルト接続体を容易に且つ調整可能にアッパークランプに固定できるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0040】
好ましくは、前記保持ベルト接続体の前記他端がスクリューを介して前記アッパークランプに固定され、且つ前記スクリューが前記ストッパーを構成する。
【0041】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、スクリューが、保持ベルト接続体の他端を調整可能にアッパークランプに固定する機能、及び、アッパークランプとロワークランプとが互いに横方向にずれることを防止できる機能を持つとの有益的な技術的効果を奏することができる。このため、メディカル用体位保持ベルト固定装置の部材数量が減少し、設計が簡素化になる。
【0042】
好ましくは、前記保持ベルト接続体が固定される前記アッパークランプの表面には、前記保持ベルト接続体の最大の偏り角が30°になるように円弧形状の段部が設けられている。
【0043】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、前記保持ベルト接続体の最大の偏り角を30°に制限することで、手術過程において横滑りにより患者の安全を脅かすことを避けるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0044】
好ましくは、前記ロワークランプ又は前記アッパークランプには、使用者が使用中に掴むためのフランジ部が設けられている。
【0045】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、使用者が、メディカル用体位保持ベルトを前記手術台のサイドレールに固定する、又はメディカル用体位保持ベルトの位置を調整する場合に、片手でメディカル用体位保持ベルト固定装置の開放及び挟持を実現でき、メディカル用体位保持ベルトの固定又は調整の過程が更に簡素化・迅速化になるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0046】
好ましくは、前記
挟持部が鈎状挟持部である。
【0047】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、手術台のサイドレールをより安定的に且つ確実的に挟持できるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0048】
好ましくは、前記アッパークランプの形状は、前記メディカル用体位保持ベルトの付加引張力の増大に伴い、前記アッパークランプの鈎状挟持部で前記手術台のサイドレールに与える付加挟持力が数倍に増大するように設計されている。
【0049】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、患者が手術過程において無意識的に動いたとしても、患者をある位置に安定的に保持でき、患者の動作が激しくなる(つまり、メディカル用体位保持ベルトの付加引張力が大きくなる)と、アッパークランプの鈎状挟持部で手術台のサイドレールに与える付加挟持力が大きくなり、患者をある位置に安定的に保持することを確保でき、アッパークランプの鈎状挟持部で手術台のサイドレールに与える付加挟持力により、メディカル用体位保持ベルトの付加引張力が数倍に増大し、増大倍率がL1/L2となり、更に患者をある位置に安定的に保持できるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0050】
好ましくは、前記メディカル用体位保持ベルト固定装置は、前記保持ベルト接続体と前記アッパークランプ又は前記ロワークランプとの間に設けられたガスケットを更に備える。
【0051】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、メディカル用体位保持ベルト固定装置の使用過程における保持ベルト接続体とアッパークランプ又はロワークランプとの相互摩擦を避けるように保持ベルト接続体とアッパークランプ又はロワークランプとを隔てており、保持ベルト接続体とアッパークランプ又はロワークランプとの絶対的連動を避けることができ、保持ベルト接続体が右方向に向かって右極限位置まで揺動してから更に右方向へ揺動しないと、アッパークランプ又はロワークランプが開放されないので、本発明に係るメディカル用体位保持ベルト固定装置が更に安全になるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0052】
好ましくは、前記メディカル用体位保持ベルト固定装置は、スライダーを備えており、前記弾性体は、その一端が前記アッパークランプと前記ロワークランプのうちの少なくとも一方のクランプに当接又は固定され、その他端が前記スライダーを介して前記アッパークランプと前記ロワークランプのうちの少なくとも他方のクランプに当接又は固定される。
【0053】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、スライダーが通常、耐摩耗性の材料(例えば、プラスチック)で製作されるので、弾性体とアッパークランプ又はロワークランプとの過度磨耗を避けることが可能になり、また、該スライダーのアッパークランプ又はロワークランプとの接触面積が通常、弾性体が直接アッパークランプ又はロワークランプと接触する面積よりも大きいので、弾性体とアッパークランプ又はロワークランプとのより安定的な接触を確保できると共に、メディカル用体位保持ベルト固定装置の全体が更に牢固になるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0054】
好ましくは、前記弾性体及び前記スライダーが何れも水平方向に沿って設置される。
【0055】
好ましくは、前記弾性体及び前記スライダーが何れも垂直方向に沿って設置される。
【0056】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、異なる要求に応じて異なる方向に沿って弾性体及びスライダーを柔軟に設置できるとの有益的な技術的効果を奏することができる。
【0057】
好ましくは、前記スライダーには、弾性体収容部が設けられ、前記弾性体は、少なくともその一部が前記弾性体収容部に収容される。
【0058】
上記の技術案によれば、本発明のメディカル用体位保持ベルト固定装置は、弾性体の取付けが更に簡素化になり、且つ使用時に弾性体が隠され、医務スタッフへの汚染を防止できるとの有益的な技術的効果を奏することができる。