(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る画像読取装置の水平状態における斜視図である。
図2は、実施形態1に係る画像読取装置の傾斜状態における斜視図である。
図3は、実施形態1に係る画像読取装置のブロック図である。
図4は、実施形態1に係る画像読取装置の正面図である。
図5は、実施形態1に係る画像読取装置の側面図である。
図6は、実施形態1に係る画像読取装置の平面図である。
図7は、実施形態1に係る画像読取装置の動作のフロー図である。
図8は、実施形態1に係る画像読取装置の動作説明図である。
図9は、実施形態1に係る画像読取装置の動作説明図である。
図10は、実施形態1に係る画像読取装置の水平状態における読取領域の説明図である。
図11は、実施形態1に係る画像読取装置の水平状態における読取領域の説明図である。
図12は、実施形態1に係る画像読取装置の動作説明図である。
図13は、実施形態1に係る画像読取装置の傾斜状態における読取領域の説明図である。
図14は、実施形態1に係る画像読取装置の傾斜状態における読取領域の説明図である。なお、図面において画像読取装置の幅方向はX方向、幅方向と水平面で直交する奥行き方向はY方向、幅方向および奥行き方向と直交する鉛直方向はZ方向と図示する。
図3は、実施形態1に係る画像読取装置が有する機能をブロックで示した機能ブロック図である。
図4〜
図6、
図8〜
図26は、実施形態に係る画像読取装置の機能を説明するため、各構成要素を模式的に図示している。
【0013】
実施形態1に係る画像読取装置1Aは、
図10,
図11,
図13,
図14に示すように、媒体、特に複数枚の紙媒体が綴じ部により綴じられることで構成される綴じ媒体Pを手動でめくりながら、綴じ媒体Pの見開きの面、すなわち第1見開き面P1および第2見開き面P2を個別に読み取り、各見開き面P1,P2にそれぞれ対応する各読取データを合成して、綴じ媒体Pの両見開き面P1,P2に対する画像データを生成することで、綴じ媒体Pを読み取るものである。なお、綴じ媒体Pは、特に限定されるものではないが、例えば、本、雑誌、複数枚の紙をステープルやクリップなどで綴じた書類などである。なお、以下、各実施形態1〜6における同一符号は、同一の構成要素であるためその説明について省略あるいは簡略化する。
【0014】
画像読取装置1Aは、
図1〜
図3に示すように、載置台2と、アーム3と、第1支持部4と、第2支持部5と、第1読取ユニット6と、第2読取ユニット7と、照明8と、回転機構9と、制御装置10とを備える。なお、画像読取装置1Aでは、綴じ媒体Pの開き方向を幅方向、開き方向と水平面視において直交する綴じ部の延在方向を奥行き方向、幅方向と奥行き方向と直交する厚さ方向を鉛直方向とする。本実施形態における画像読取装置1Aは、1枚の紙媒体のサイズが所定のサイズであり、厚さが所定の厚さである所定の綴じ媒体Pを最大読取対象とする構成となっている。
【0015】
載置台2は、綴じ媒体Pを載置するものであり、
図2に示す載置台本体部21と、第1載置部22と、第2載置部23と、切替機構26と、
図3に示す載置台検出センサ27とを備える。
【0016】
載置台本体部21は、画像読取装置1Aの設置面に接触する部分であり、
図10に示すように、綴じ媒体Pを開いた際に、鉛直方向視において開かれた状態の綴じ媒体Pを内側に載置できる広さに形成されている。
【0017】
第1載置部22および第2載置部23は、
図1に示すように、載置台本体部21に対して、綴じ媒体Pの開き方向に隣接して配置されている。第1載置部22は、平板状に形成されており、鉛直方向において第1読取ユニット6と対向して第1載置面24が形成されている。第2載置部23は、平板状に形成されており、鉛直方向において第2読取ユニット7と対向して第2載置面25が形成されている。本実施形態における第1載置面24は、
図10に示すように、平坦な面であり、鉛直方向において第1見開き面P1と対向するように綴じ媒体Pの一部が載置されるものである。本実施形態における第2載置面25は、平坦な面であり、鉛直方向において第2見開き面P2と対向するように綴じ媒体Pの一部が載置されるものである。つまり、第1載置面24および第2載置面25は、綴じ媒体Pの開き方向において隣接して設けられている。なお、第1載置部22および第2載置部23は、載置台2が水平状態および傾斜状態である場合に、隙間を有して載置台2に対して配置されている。従って、綴じ媒体Pが載置台2に載置された状態では、綴じ部をこの隙間に挿入することができる。つまり、綴じ媒体Pの綴じ部は、載置台2において、開かれた状態の綴じ媒体Pの開き方向における両端部よりも、低い位置、すなわち鉛直方向における下側に位置する。従って、開かれた状態の綴じ媒体Pが、隙間の形成されていない載置台2に載置された場合と比較して、綴じ媒体Pのうち、綴じ部の近傍が鉛直方向の上側に盛り上がることを抑制することができ、載置台2に対する綴じ媒体Pの位置ずれを抑制することができる。
【0018】
切替機構26は、第1載置面24および第2載置面25を水平状態と傾斜状態とに切り替えるものである。本実施形態における切替機構26による載置台2の水平状態と傾斜状態との切り替えは、ユーザーにより、すなわち手動により行われる。切替機構26は、
図2に示すように、回転支持部261と、保持機構262,263とを備える。回転支持部261は、幅方向において、第1載置部22および第2載置部23の中央に奥行き方向に延在する図示しない回転軸を基準に第1載置部22および第2載置部23を回転させるものである。ここで、載置台2の水平状態とは、
図1および
図4に示すように、第1載置部22および第2載置部23が水平位置、すなわち第1載置面24および第1載置面25が同一水平面上となる状態(第1載置面24と第1載置面25とのなす角度が180度となる状態)をいう。一方、載置台2の傾斜状態とは、
図2および
図12に示すように、第1載置部22および第2載置部23が奥行き方向視でV字状、すなわち第1載置面24および第1載置面25の綴じ媒体Pの開き方向において近接する側の端部よりも反対側の端部が2つの読取ユニット6,7に対して近接する状態(第1載置面24と第1載置面25とのなす角度が180度未満となる状態)をいう。さらに、切替機構26は、後述する第1回転軸O1から載置台2が水平状態における第1載置面24におろした第1垂線の距離と、第1回転軸O1から載置台2が傾斜状態における第2載置面25におろした第2垂線の距離が等しく、かつ、後述する第2回転軸O2から載置台2が水平状態における第2載置面25におろした第3垂線の距離と、第2回転軸O2から載置台2が傾斜状態における第1載置面24におろした第4垂線の距離が等しくなるように、載置台2の傾斜状態における各載置面24,25の位置を設定する。なお、載置台2の傾斜状態における第1載置面24と第1載置面25とのなす角度は、180度未満であればよく、好ましくは、165度、150度、135度、120度、105度などがよい。保持機構262,263は、載置台2の傾斜状態において、第1載置部22および第2載置部23の状態をそれぞれ維持することで、第1載置面24および第2載置面25の傾斜を保持するものである。保持機構262,263の構成は、特に限定されるものではないが、
図2に示すように、ヒンジ機構を備え、載置台2の水平状態において載置台本体部21の内部に収容されることが好ましい。
【0019】
載置台検出センサ27は、
図3に示すように、載置台2の状態を検出するセンサである。載置台検出センサ27は、載置台2が水平状態であるか、傾斜状態であるかを検出するものである。本実施形態における載置台検出センサ27は、第1載置面24または第2載置面25の水平状態と傾斜状態とにおける位置変化を検出するものである。載置台検出センサ27は、例えば、第1載置面24または第2載置面25に、水平状態で接触し、傾斜状態で非接触となることを検出するスイッチセンサや、水平状態で載置台本体部21の内部が暗くなり、傾斜状態で載置台本体部21の内部が明るくなることを検出する光学センサ、第1載置面24または第2載置面25の水平状態と傾斜状態とにおける鉛直方向における高さの変化を検出する高さセンサなどがある。載置台検出センサ27は、制御装置10に接続されている。
【0020】
アーム3は、
図1および
図2に示すように、2つの読取ユニット6,7を支持することで、2つの読取ユニット6,7を鉛直方向において載置台2に対して対向させるものである。本実施形態におけるアーム3は、平板状であり、載置台本体部21の2つの載置面24,25よりも奥行き方向の奥側から鉛直方向の上側に延在して形成されている。
【0021】
第1支持部4は、第1読取ユニット6を回転自在に支持するものである。第1支持部4は、アーム3の鉛直方向の上側の部分から、幅方向の一方側(
図1において左側)に向かって突出して形成されている。第1支持部4は、第1回転軸O1周りに、第1読取ユニット6を回転自在に支持する。
【0022】
第2支持部5は、第2読取ユニット7を回転自在に支持するものである。第2支持部5は、アーム3の鉛直方向の上側の部分から、幅方向の他方側(
図2において右側)に向かって突出して形成されている。第2支持部5は、第2回転軸O2周りに、第2読取ユニット7を回転自在に支持する。
【0023】
第1読取ユニット6は、鉛直方向において載置台2の第1載置面24と対向して配置されるものであり、
図3〜
図6に示すように、第1画像読取部61と、第1キャリア62と、第1キャリア移動機構63と、第1ミラー64、第1ミラー回転機構65と、レンズ66と備える。第1読取ユニット6は、第1支持部4から奥行き方向の手前側に延在して形成されている。第1読取ユニット6は、後述する第1水平位置と第1傾斜位置との間を第1回転軸O1周りに回転するものである。
【0024】
第1画像読取部61は、載置台2に載置された綴じ媒体Pの一部の領域を読み取るものであり、第1水平位置で、奥行き方向視において幅方向に1列以上配列された複数の図示しない撮像素子により構成された、例えば線状CCDセンサである。第1画像読取部61は、
図3に示すように、画像読取制御部101および画像処理部105に接続されている。第1画像読取部61の第1光軸L1(載置台2に向かう光軸)は、綴じ媒体Pの開き方向と直交する方向、すなわち奥行き方向から見た場合に、
図4に示すように、第1読取ユニット6が第1水平位置で、水平状態の第1載置面24の垂線と平行である。また、第1画像読取部61の第1光軸L1(載置台2に向かう光軸)は、奥行き方向から見た場合に、
図12に示すように、第1読取ユニット6が第1傾斜位置で、傾斜状態の第2載置面25の垂線と平行である。また、第1画像読取部61は、
図4に示すように、第1水平位置で、かつ水平状態における読取領域S1Fは、第1載置面24を含む。つまり、第1画像読取部61は、
図10および
図11に示すように、第1水平位置で、かつ水平状態において、綴じ媒体Pの第1見開き面P1を読取領域S1Fにより形成される読取領域S1FAに含む。一方、第1画像読取部61は、
図12に示すように、第1傾斜位置で、かつ傾斜状態における読取領域S1Vは、第2載置面25を含む。つまり、第1画像読取部61は、
図13および
図14に示すように、第1傾斜位置で、かつ傾斜状態において、綴じ媒体Pの第2見開き面P2を読取領域S1Vにより形成される読取領域S1VAに含む。
【0025】
第1キャリア62は、第1光路長変更機構を構成するものであり、
図4および
図5に示すように、第1画像読取部61が収容されている。本実施形態における第1キャリア62は、第1光軸L1上に配置されるレンズ66も収容されている。第1キャリア62は、第1読取ユニット6に対して、第1光軸L1の延在方向、すなわち奥行き方向に移動自在に支持されている。従って、第1キャリア62が奥行き方向に移動することで、第1画像読取部61の位置が変化し、第1画像読取部61と第1ミラー64との間の光路長が変化する。
【0026】
第1キャリア移動機構63は、第1光路長変更機構を構成するものであり、奥行き方向に移動自在に支持された第1キャリア62を奥行き方向に移動させるものである。第1キャリア移動機構63は、第1キャリア62を読取開始位置(
図5参照)と、読取開始位置よりも、奥行き方向の奥側の位置、すなわち第1画像読取部61と第1ミラー64との間の光路長が短くなる読取終了位置(
図9参照)との間を往復移動させる。第1キャリア移動機構63は、図示しないアクチュエータを有しており、アクチュエータからの駆動力により第1キャリア62を往復移動させる。第1キャリア移動機構63は、
図3に示すように、機構制御部103に接続されている。
【0027】
第1ミラー64は、
図5および
図6に示すように、第1画像読取部61の第1光軸L1の向きを変更するものであり、第1読取ユニット6に対して回転自在に支持されている。本実施形態における第1ミラー64は、第1水平位置で綴じ媒体Pの開き方向に平行な第3回転軸O3周りに支持されている。第1ミラー64は、第1画像読取部61よりも奥行き方向における奥側に位置している。本実施形態における第1ミラー64は、幅方向視において載置台2に載置される綴じ媒体P(各載置面24,25)よりも、奥行き方向における奥側に配置されている。第1ミラー64は、奥行き方向の第1光軸L1を、第3回転軸O3において、鉛直方向の下側で、かつ幅方向視において第1ミラー64よりも奥行き方向の手前側に折り返す。また、第1ミラー64は、第3回転軸O3周りに回転することで、綴じ媒体Pの開き方向と直交する方向、すなわち奥行き方向に第1光軸L1を移動させるものである。
【0028】
第1ミラー回転機構65は、第3回転軸O3周りに回転自在に支持された第1ミラー64を回転させるものである。第1ミラー回転機構65は、第1ミラー64を、第1光軸L1が綴じ媒体Pの奥行き方向の奥側の端部よりも奥側に位置する読取開始位置(
図5参照)と、綴じ媒体Pの奥行き方向の奥側の端部よりも手前側に位置する読取終了位置との間を回転させる。ここで、読取終了位置は、読取開始位置よりも、第1ミラー64と各載置面24,25との間の光路長が長くなる。第1ミラー回転機構65は、図示しないアクチュエータを有しており、アクチュエータからの駆動力により第1ミラー64を回転させる。第1ミラー回転機構65は、機構制御部103に接続されている。
【0029】
第2読取ユニット7は、鉛直方向において載置台2の第2載置面25と対向して配置されるものであり、
図3〜
図6に示すように、第1読取ユニット6と同様の構成であり、第2画像読取部71と、第2キャリア72と、第2キャリア移動機構73と、第2ミラー74、第2ミラー回転機構75と、レンズ76と備える。第2読取ユニット7は、第2支持部5から奥行き方向の手前側に延在して形成されている。第2読取ユニット7は、後述する第2水平位置と第2傾斜位置との間を第2回転軸O2周りに回転するものである。
【0030】
第2画像読取部71は、載置台2に載置された綴じ媒体Pの一部の領域を読み取るものであり、第2水平位置で、奥行き方向視において幅方向に1列以上配列された複数の図示しない撮像素子により構成された、例えば線状CCDセンサである。第2画像読取部71は、
図3に示すように、画像読取制御部101および画像処理部105に接続されている。第2画像読取部71の第2光軸L2(載置台2に向かう光軸)は、綴じ媒体Pの開き方向と直交する方向、すなわち奥行き方向から見た場合に、第2読取ユニット7が第2水平位置で、水平状態の第2載置面25の垂線と平行である。また、第2画像読取部71の第2光軸L2(載置台2に向かう光軸)は、奥行き方向から見た場合に、
図12に示すように、第2読取ユニット7が第2傾斜位置で、傾斜状態の第1載置面24の垂線と平行である。また、第2画像読取部71は、
図4に示すように、第2水平位置で、かつ水平状態における読取領域S2Fは、第2載置面25を含む。つまり、第2画像読取部71は、
図10および
図11に示すように、第2水平位置で、かつ水平状態において、綴じ媒体Pの第2見開き面P2を読取領域S2Fにより形成される読取領域S2FAに含む。一方、第2画像読取部71は、
図12に示すように、第2傾斜位置で、かつ傾斜状態における読取領域S2Vは、第1載置面24を含む。つまり、第2画像読取部71は、
図13および
図14に示すように、第2傾斜位置で、かつ傾斜状態において、綴じ媒体Pの第1見開き面P1を読取領域S2Vにより形成される読取領域S2VAに含む。
【0031】
ここで、第1画像読取部61の読取領域S1F,S1Vと、第2画像読取部71の読取領域S2F,S2Vとは、一方の読取領域S1F,S1Vに、他方の読取領域S2F,S2Vの一部を含む。第1画像読取部61の読取領域S1Fは、
図4に示すように、綴じ媒体Pの開き方向において第1載置面24よりも広い。読取領域S1Fの幅方向における第2載置面25側の端部は、幅方向における第1載置部22および第2載置部23の中央よりも第2載置面25側に位置する。第1画像読取部61の読取領域S1Vは、
図12に示すように、綴じ媒体Pの開き方向において第2載置面25よりも広い。読取領域S1Vの幅方向における第1載置面24側の端部は、幅方向における第1載置部22および第2載置部23の中央よりも第1載置面24側に位置する。また、第2画像読取部71の読取領域S2Fは、
図4に示すように、綴じ媒体Pの開き方向において第2載置面25よりも広い。読取領域S2Fの幅方向における第1載置面24側の端部は、幅方向における第1載置部22および第2載置部23の中央よりも第1載置面24側に位置する。第2画像読取部71の読取領域S2Vは、
図12に示すように、綴じ媒体Pの開き方向において第1載置面24よりも広い。読取領域S2Vの幅方向における第2載置面25側の端部は、幅方向における第1載置部22および第2載置部23の中央よりも第2載置面25側に位置する。従って、第1画像読取部61の読取領域S1F,S1Vおよび第2画像読取部71の読取領域S2F,S2Vの一部が重なるので、第1画像読取部61により読み取られて生成された第1読取データと、第2画像読取部71により読み取られて生成された第2読取データとには、互いに重複した読取データが含まれることとなる。
【0032】
第2キャリア72は、第2光路長変更機構を構成するものであり、
図4および
図5に示すように、第2画像読取部71が収容されている。本実施形態における第2キャリア72は、第2光軸L2上に配置されるレンズ76も収容されている。第2キャリア72は、第2読取ユニット7に対して、第2光軸L2の延在方向、すなわち奥行き方向に移動自在に支持されている。従って、第2キャリア72が奥行き方向に移動することで、第2画像読取部71の位置が変化し、第2画像読取部71と第2ミラー74との間の光路長が変化する。
【0033】
第2キャリア移動機構73は、第2光路長変更機構を構成するものであり、奥行き方向に移動自在に支持された第2キャリア72を奥行き方向に移動させるものである。第2キャリア移動機構73は、第2キャリア72を読取開始位置と、読取開始位置よりも、奥行き方向の奥側の位置、すなわち第2画像読取部71と第2ミラー74との間の光路長が短くなる読取終了位置(
図9参照)との間を往復移動させる。第2キャリア移動機構73は、図示しないアクチュエータを有しており、アクチュエータからの駆動力により第2キャリア72を往復移動させる。第2キャリア移動機構73は、
図3に示すように、機構制御部103に接続されている。
【0034】
第2ミラー74は、
図6に示すように、第2画像読取部71の第1光軸L2の向きを変更するものであり、第2読取ユニット7に対して回転自在に支持されている。本実施形態における第2ミラー74は、第2水平位置で綴じ媒体Pの開き方向に平行な第4回転軸O4周りに支持されている。第2ミラー74は、第2画像読取部71よりも奥行き方向における奥側に位置している。本実施形態における第2ミラー74は、幅方向視において載置台2に載置される綴じ媒体P(各載置面24,25)よりも、奥行き方向における奥側に配置されている。第2ミラー74は、奥行き方向の第2光軸L2を、第4回転軸O4において、鉛直方向の下側で、かつ幅方向視において第2ミラー74よりも奥行き方向の手前側に折り返す。また、第2ミラー74は、第4回転軸O4周りに回転することで、綴じ媒体Pの開き方向と直交する方向、すなわち奥行き方向に第2光軸L2を移動させるものである。
【0035】
第2ミラー回転機構75は、第4回転軸O4周りに回転自在に支持された第2ミラー74を回転させるものである。第2ミラー回転機構75は、第2ミラー74を、第2光軸L2が綴じ媒体Pの奥行き方向の奥側の端部よりも奥側に位置する読取開始位置と、綴じ媒体Pの奥行き方向の奥側の端部よりも手前側に位置する読取終了位置との間を回転させる。ここで、読取終了位置は、読取開始位置よりも、第2ミラー74と各載置面24,25との間の光路長が長くなる。第2ミラー回転機構75は、図示しないアクチュエータを有しており、アクチュエータからの駆動力により第2ミラー74を回転させる。第2ミラー回転機構75は、機構制御部103に接続されている。
【0036】
照明8は、載置台2に載置された綴じ媒体Pに光を照射するものである。本実施形態における照明8は、
図3〜
図6に示すように第1読取ユニット6側に設けられる第1照明81と、第2読取ユニット7側に設けられる第2照明82と、第1照明回転機構83と、第2照明回転機構84とを備える。第1照明81は、第3回転軸O3周りに支持されている。本実施形態における第1照明81は、第1読取ユニット6に対して第3回転軸O3方向の両端部に設けられている。一対の第1照明81の照射範囲は、幅方向に延在する帯状となり、幅方向において読取領域S1F,S1Vよりも広く設定されている。第2照明82は、第4回転軸O4周りに支持されている。本実施形態における第2照明82は、第2読取ユニット7に対して第4回転軸O4方向の両端部に設けられている。一対の第2照明82の照射範囲は、幅方向に延在する帯状となり、幅方向において読取領域S2F,S2Vよりも広く設定されている。第1照明81および第2照明82は、照明制御部102と接続されている。第1照明回転機構83は、第3回転軸O3周りに回転自在に支持された一対の第1照明81を回転させるものである。第2照明回転機構84は、第4回転軸O4周りに回転自在に支持された一対の第2照明82を回転させるものである。各照明回転機構83、84は、各照明81,82を読取開始位置(
図5参照)と、読取終了位置(
図9参照)との間をそれぞれ回転させる。各照明回転機構83,84は、読取開始位置と読取終了位置との間で回転する各ミラー64,74により変化する各光軸L1,L2(読取領域S1F,S1V,S2F,S2V)が、回転時における各照明81,82の照射領域LAに、常に含まれるように各照明81,82を回転させる。つまり、照明8による綴じ媒体Pに対する照射位置は、第1光軸L1および第2光軸L2の綴じ媒体Pに対する位置変化に同期して変化することとなる。本実施形態における各照明回転機構83,84は、各ミラー64,74の回転角の2倍の回転角で各照明81,82が回転するように構成されている。各照明回転機構83,84は、図示しないアクチュエータをそれぞれ有しており、各アクチュエータからの駆動力により各照明81,82を回転させる。各照明回転機構83,84は、機構制御部103に接続されている。
【0037】
回転機構9は、2つの読取ユニット6,7をそれぞれ回転させるものである。本実施形態における回転機構9は、
図3、
図6に示すように、第1回転機構91と、第2回転機構92とを備える。第1回転機構91は、第1読取ユニット6に設けられており、第1読取ユニット6を第1水平位置と第1傾斜位置との間で、第1回転軸O1周りに回転させるものである。第1回転機構91は、載置台2が水平状態であると第1読取ユニット6を第1水平位置に位置させ、載置台2が傾斜状態であると第1読取ユニット6を第1傾斜位置に位置させる。第1回転機構91は、第1水平位置において第1光軸L1を水平状態における第1載置面24の垂線と平行にし、第1傾斜位置において第1光軸L1を傾斜状態における第2載置面25の垂線と平行にする。第2回転機構92は、第2読取ユニット7に設けられており、第2読取ユニット7を第2水平位置と第2傾斜位置との間で、第2回転軸O2周りに回転させるものである。第2回転機構92は、載置台2が水平状態であると第2読取ユニット7を第2水平位置に位置させ、載置台2が傾斜状態であると第2読取ユニット7を第2傾斜位置に位置させる。第2回転機構92は、第2水平位置において第2光軸L2を水平状態における第2載置面25の垂線と平行にし、第2傾斜位置において第2光軸L2を傾斜状態における第1載置面24の垂線と平行にする。各回転機構91,92は、機構制御部103に接続されている。
【0038】
制御装置10は、画像読取装置1Aを制御するものであり、載置台2の水平状態と傾斜状態との切り替えに応じて、各読取ユニット6,7を水平位置と傾斜位置との間で回転させる回転動作を制御する。また、制御装置10は、各キャリア62,72の移動動作、各ミラー64,74の回転動作および各照明81,82の回転動作を制御しつつ、各画像読取部61,71による綴じ媒体Pの撮像動作を制御するものである。制御装置10は、
図3に示すように、画像読取制御部101と、照明制御部102と、機構制御部103と、装置制御部104と、画像処理部105と、記憶部106と、通信部107とを機能として備える。制御装置10のハード構成は、主に演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、プログラムや情報を格納するメモリ(RAM、ROM)、入出力インターフェースなどから構成され、既知のパーソナルコンピュータや、スキャナ装置と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0039】
画像読取制御部101は、各画像読取部61,71の撮像動作を制御するものである。画像読取制御部101は、各画像読取部61,71の撮像開始・終了タイミング、露光時間、露光タイミングなどを制御するものである。なお、本実施形態における画像読取制御部101は、各画像読取部61,71の撮像動作のうち、少なくとも撮像開始・終了タイミングを同期して制御する。
【0040】
照明制御部102は、各照明81,82の明滅動作を制御するものである。照明制御部102は、各照明81,82の点灯・消灯タイミング、光量などを制御するものである。なお、本実施形態における照明制御部102は、各照明81,82の明滅動作のうち、少なくとも点灯・消灯タイミングを同期して制御する。
【0041】
機構制御部103は、各キャリア移動機構63,73と、各ミラー回転機構65,75と、各照明回転機構83,84と、各回転機構91,92とを制御するものである。機構制御部103は、各機構のアクチュエータを動作させ、各キャリア62,72の移動動作、各ミラー64,74の回転動作、各照明81,82の回転動作、各読取ユニット6,7の回転動作を制御する。なお、本実施形態における機構制御部103は、各キャリア62,72の移動動作を互いに同期して、各ミラー64,74の回転動作を互いに同期して、各照明81,82の回転動作を互いに同期して、各読取ユニット6,7の回転動作を互いに同期して制御する。また、機構制御部103は、第1キャリア62の移動動作、第1ミラー64の回転動作および照明81の回転動作を同期させ、第2キャリア72の移動動作、第2ミラー74の回転動作、照明82の回転動作を同期させる。
【0042】
装置制御部104は、ユーザーの読取指示に基づいて、各制御部101〜103,105〜107に指示を出力し、画像読取装置1Aに各動作を行わせるものである。また、装置制御部104は、画像読取装置1Aの状態を図示しないセンサにより判断し、画像読取装置1Aの故障などを外部に報知するものでもある。なお、本実施形態における画像読取装置1Aは、図示は省略するが、外部に露出するスキャンボタンが設けられている。スキャンボタンは、制御装置10と接続されており、押下されることでスキャンボタンON信号を出力し、装置制御部104に読取指示を与えるものである。なお、スキャンボタンは、ユーザーが操作することでスキャンボタンON信号を出力するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、機械式押しボタン、静電容量型タッチボタン、光学式タッチボタンなどのいずれかであればよい。また、装置制御部104に読取指示を与えられればよいので、スキャンボタンではなく、制御装置10と接続される外部機器100からスキャンボタンON信号が制御装置10に出力されてもよい。
【0043】
画像処理部105は、第1画像読取部61から出力された第1撮像信号に基づいて、綴じ媒体Pの一部に対応する第1読取データを生成し、第2画像読取部71から出力された第2撮像信号に基づいて、綴じ媒体Pの一部に対応する第2読取データを生成するものである。また、画像処理部105は、生成された第1読取データおよび第2読取データを合成して綴じ媒体Pに対応する画像データを生成する。ここで、第1読取データおよび第2読取データは、互いに重複した読取データを含むので、第1読取データおよび第2読取データのうち重複した領域に基づいて、第1読取データおよび第2読取データの一方の読取データと、他方の重複した領域を除いた読取データとを合成して画像データを生成する。また、画像処理部105は、第1読取データおよび第2読取データ、または画像データの補正やクロッピングも行うものである。
【0044】
記憶部106は、生成された第1読取データ、第2読取データ、画像データを記憶するものである。
【0045】
通信部107は、画像読取装置1Aと外部機器100との接続を行うものである。通信部107は、USBなどによる有線や、Wi−Fiなどによる無線により、外部機器100との接続を行う。通信部107は、記憶部106に記憶されている第1読取データ、第2読取データ、画像データを接続された外部機器100に出力することができる。ここで、外部機器100は、特に限定されるものではなく、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートPCなどの携帯端末、デスクトップPC、サーバーなどがある。なお、画像読取装置1Aは、通信部107により外部と接続されることで、ネットワークスキャナとして機能してもよい。
【0046】
次に、本実施形態に係る画像読取装置1Aの動作について説明する。画像読取装置1Aは、載置台2に開かれた状態で載置された綴じ媒体Pの両見開き面P1,P2の読取動作を行う。まず、ユーザーは、画像読取装置1Aの図示しない電源をONとして、画像読取装置1Aに外部から電力を供給する。次に、ユーザーは、
図1または
図2に示すように、画像読取装置1Aの載置台2の状態を水平状態または傾斜状態に切り替える。なお、電源ON時には、各キャリア62,72、各ミラー64,74および各照明81,82は、読取開始位置に位置している。また、ユーザーは、電源ON時に、載置台2が所望する状態である場合、切り替え作業を行う必要はない。
【0047】
次に、装置制御部104は、
図7に示すように、載置台2は水平状態であるか否かを判定する(ステップST1)。ここでは、装置制御部104は、載置台検出センサ27からの検出信号に基づいて、載置台2が水平状態または傾斜状態のいずれかであるかを判定する。
【0048】
次に、装置制御部104は、載置台2は水平状態であると判定する(ステップST1肯定)と、各読取ユニット6,7を水平位置に回転させる(ステップST2)。ここでは、装置制御部104は、載置台2が傾斜状態から水平状態に切り替えられると、機構制御部103により、各回転機構91,92を制御し、各読取ユニット6,7を傾斜位置から水平位置に回転させる。なお、電源ON前に予め水平状態である場合は、各読取ユニット6,7が既に水平位置に回転しているので、各読取ユニット6,7を水平位置に回転させる必要はない。
【0049】
次に、ユーザーは、
図10および
図11に示すように、載置台2が水平状態において、第1載置面24に第1見開き面P1が対向し、かつ第2載置面24に第2見開き面P2が対向するように、綴じ媒体Pを載置台2に載置する。
【0050】
次に、装置制御部104は、
図7に示すように、読取指示があるか否かを判定する(ステップST4)。ここでは、装置制御部104は、図示しないスキャンボタンが押下され、スキャンボタンON信号を取得したか否かを判定する。
【0051】
次に、装置制御部104は、読取指示があると判定する(ステップST4肯定)と、綴じ媒体Pの読取を開始する(ステップST5)。ここでは、装置制御部104は、照明制御部102により、各照明81,82を読取開始位置において点灯し、画像読取制御部101により、各画像読取部61,71による綴じ媒体Pの読み取りを開始する。なお、装置制御部104は、読取指示がないと判定する(ステップST4否定)と、読取指示があるまで、ステップST1〜ST4を繰り返す。
【0052】
次に、機構制御部103は、ミラー回転制御、キャリア移動制御、照明回転制御を行う(ステップST6)。ここでは、機構制御部103は、各キャリア移動機構63,73、各ミラー回転機構65,75、各照明回転機構83,84を同期して制御し、
図5および
図6に示す、読取開始位置にある各キャリア62,72、各ミラー64,74および各照明81,82を、
図8および
図9に示す、読取終了位置に向かって移動、回転させる。このとき、各画像読取部61,71を撮像動作を行っているので、画像読取部61,71の読取領域S1F,S2Fは、綴じ媒体Pの開き方向と直交する方向、すなわち奥行き方向の奥側から手前側に向かって変化する。つまり、第1画像読取部61は、綴じ媒体Pのうち、第1見開き面P1を、奥行き方向のうち奥側から手前側に向かう方向である副走査方向に連続して読み取る。第2画像読取部71は、綴じ媒体Pのうち、第2見開き面P2を副走査方向に向かって連続して読み取る。ここで、各ミラー64,74の読取開始位置から読取終了位置に向かっての回転により、各ミラー64,74と各載置面24,25との間の光路長が長くなるが、各キャリア62,72も読取開始位置から読取終了位置に向かって移動することにより、各画像読取部61,71と各ミラー64,74との間の光路長が短くなる。従って、各画像読取部61,71と各載置面24,25との間の光路長の変化を抑制、本実施形態では同じ(ほぼ同じを含む)とすることができるので、各ミラー64,74により各読取領域S1F,S2Fが綴じ媒体Pに対して奥行き方向に変化しても、読取開始位置で読み取られた読取データおよび読取終了位置で読み取られた読取データにおける光路長に起因する画質の変化を抑制することができる。従って、画質の低下を抑制することができる。
【0053】
次に、機構制御部103は、
図7に示すように、読取終了位置となったか否かを判定する(ステップST7)。
【0054】
次に、画像処理部105は、読取終了位置となったと判定する(ステップST7肯定)と、読取データを画像処理する(ステップST8)。ここでは、画像処理部105は、各画像読取部61,71により綴じ媒体Pの読み取りが終了すると、第1読取データおよび第2読取データを生成する。ここで、第1読取データは、
図10に示すように、第1画像読取部61により、読取開始位置から読取終了位置までに読み取られた領域である読取領域S1FAに対応するものであり、載置台2が水平状態における第1見開き面P1を含む第1載置面24側の画像に対応するものである。第2読取データは、第2画像読取部71により、読取開始位置から読取終了位置までに読み取られた領域である読取領域S2FAに対応するものであり、載置台2が水平状態における第2見開き面P2を含む第2載置面25側の画像に対応するものである。そして、画像処理部105は、読取領域S1FA,S2FAとの重複領域S0FAを基準に各読取データを合成して、載置台2が水平状態における綴じ媒体Pを含む画像に対応する画像データを生成する。本実施形態における画像処理部105では、生成された画像データに対して補正、クロッピングを行い、載置台2が水平状態における綴じ媒体Pに対応する画像データを生成する。
【0055】
次に、機構制御部103は、
図7に示すように、各キャリア62,72、各ミラー64,74および各照明81,82を待機位置、すなわち読取開始位置に移動、回転させる(ステップST9)。
【0056】
次に、装置制御部104は、画像データを出力する(ステップST10)。ここでは、装置制御部104は、載置台2が水平状態において読み取られた綴じ媒体Pの両見開き面P1,P2に対応する画像データを外部機器100に出力する。
【0057】
また、装置制御部104は、載置台2は水平状態ではないと判定する(ステップST1否定)と、各読取ユニット6,7を傾斜位置に回転させる(ステップST3)。ここでは、装置制御部104は、載置台2が水平状態から傾斜状態に切り替えられると、機構制御部103により、各回転機構91,92を制御し、各読取ユニット6,7を水平位置から傾斜位置に回転させる。なお、電源ON前に予め傾斜状態である場合は、各読取ユニット6,7が既に傾斜位置に回転しているので、各読取ユニット6,7を傾斜位置に回転させる必要はない。
【0058】
次に、ユーザーは、
図13および
図14に示すように、載置台2が傾斜状態において、第1載置面24に第1見開き面P1が対向し、かつ第2載置面25に第2見開き面P2が対向するように、綴じ媒体Pを載置台2に載置する。
【0059】
次に、ステップST4〜ステップST8までを行う。生成された第1読取データは、
図13に示すように、第1画像読取部61により、読取開始位置から読取終了位置までに読み取られた領域である読取領域S1VAに対応するものであり、載置台2が傾斜状態における第2見開き面P2を含む第2載置面25側の画像に対応するものである。第2読取データは、第2画像読取部71により、読取開始位置から読取終了位置までに読み取られた領域である読取領域S2VAに対応するものであり、載置台2が傾斜状態における第1見開き面P1を含む第1載置面24側の画像に対応するものである。そして、画像処理部105は、読取領域S1VA,S2VAとの重複領域S0VAを基準に各読取データを合成して、載置台2が傾斜状態における綴じ媒体Pを含む画像に対応する画像データを生成する。本実施形態における画像処理部105では、生成された画像データに対して補正、クロッピングを行い、載置台2が傾斜状態における綴じ媒体Pに対応する画像データを生成する。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置1Aは、第1画像読取部61および第2画像読取部61が、水平状態で各光軸L1,L2が交差せず綴じ媒体Pを読み取り、傾斜状態で各光軸L1,L2が交差して綴じ媒体Pを読み取る。また、各回転軸O1,O2と各載置面24,25までの距離が、載置台2が水平状態または傾斜状態であっても等しいので、載置台2が水平状態または傾斜状態かに起因して各読取ユニット6,7から綴じ媒体Pまでの光路長が変化することを抑制することができる。これらにより、載置台2に載置された綴じ媒体Pの異なる領域を読み取り、第1読取ユニット6および第2読取ユニット7が、載置台2の水平状態および傾斜状態において同一の読取状態条件で、綴じ媒体Pに対する読取領域が入れ替わるので、載置台2が水平状態、傾斜状態のいずれにおいても、綴じ媒体Pを同様の画質で読み取ることができる。
【0061】
また、1つの画像読取部により、綴じ媒体Pの両見開き面P1,P2を読み取らず、2つの画像読取部により、綴じ媒体Pの各見開き面P1,P2をそれぞれ読み取るので、高解像度で綴じ媒体Pを読み取ることができる。また、綴じ媒体Pの各見開き面P1,P2を同時に読み取るので、1つの画像読取部により両見開き面P1,P2を読み取る場合と比較して、高速に読み取ることができる。
【0062】
また、各ミラー64、74は、奥行き方向の各光軸L1,L2を鉛直方向の下側で、かつ幅方向視において各ミラー64,74よりも奥行き方向の手前側に折り返すので、画像読取装置1Aの奥行き方向の長さを短くすることができる。
【0063】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2について説明する。
図15は、実施形態2に係る画像読取装置を示す図である。
図16は、実施形態2に係る画像読取装置の動作説明図である。
図15および
図16に示すように、実施形態2に係る画像読取装置1Bは、実施形態1に係る画像読取装置1Aに対して、各キャリア67,77に収容されるものが異なる。
【0064】
第1キャリア67は、第1画像読取部6の第1光軸L1を第1読取ユニット6の内部で奥行き方向に折り返すために2つの折り返しミラー68,69が収容されている。ここで、第1画像読取部61およびレンズ66は、キャリア67には収容されず、第1読取ユニット6の内部に固定されている。第1画像読取部61およびレンズ66は、第1ミラー64よりも鉛直方向の上側に配置されている。また、第1画像読取部61、第1ミラー64およびレンズ66は、キャリア67よりも奥行き方向の奥側に配置される。
【0065】
第2キャリア77は、第2画像読取部71の第2光軸L2を第2読取ユニット7の内部で奥行き方向に折り返すために2つの折り返しミラー78,79が収容されている。ここで、第2画像読取部71およびレンズ76は、キャリア77には収容されず、第2読取ユニット7の内部に固定されている。第2画像読取部71およびレンズ76は、第2ミラー74よりも鉛直方向の上側に配置されている。また、第2画像読取部71、第2ミラー74およびレンズ76は、キャリア77よりも奥行き方向の奥側に配置される。
【0066】
各キャリア67,77は、各読取ユニット6,7による読取動作を行う際には、各ミラー64,74および各照明81,82の回転動作に同期して、
図15に示す読取開始位置から、
図16に示す読取終了位置まで、各キャリア移動機構63,73により移動される。これにより、各画像読取部61,71と各ミラー64,74との間の光路長が短くなり、読取開始位置で読み取られた読取データおよび読取終了位置で読み取られた読取データにおける光路長に起因する画質の変化を抑制することができる。従って、画質の低下を抑制することができる。
【0067】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置1Bは、各画像読取部61,71と各ミラー64,74との間の光路長を各読取ユニット6,7において奥行き方向に折り返すことで、キャリア67,77の奥行き方向の移動量に対して光路長を2倍に変化させることができる。従って、各ミラー64、74と各載置面24,25との間の光路長の変化を考慮して、各画像読取部61,71と各レンズ66,76との間の光路長を変化させるために、実施形態1と比較して各読取ユニット6,7の奥行き方向が長くなることを抑制することができる。
【0068】
〔実施形態3〕
次に、実施形態3について説明する。
図17は、実施形態3に係る画像読取装置の正面図である。
図18は、実施形態3に係る画像読取装置の動作説明図である。
図17および
図18に示すように、実施形態3に係る画像読取装置1Cは、実施形態1に係る画像読取装置1Aに対して、各読取ユニット6,7が奥行き方向ではなく、鉛直方向に設けられている。
【0069】
ケース11は、各読取ユニット6,7、各照明81,82、回転機構12を収容するものである。ケース11は、載置台2から鉛直方向の上側に延在して形成されており、鉛直方向の下側から上側に向かって見た際に、各ミラー64,74および各照明81,82が各載置面24,25に対して露出するように、図示しない開口部が形成されている。ケース11は、第1読取ユニット6を第1回転軸O1周りに、回転自在に支持する。ケース11は、第2読取ユニット7を第2回転軸O2周りに、回転自在に支持する。
【0070】
回転機構12は、2つの読取ユニット6,7をそれぞれ回転させるものである。本実施形態における回転機構12は、第1回転機構121と、第2回転機構122とを備える。第1回転機構121は、ケース11に設けられており、第1読取ユニット6を
図17に示す第1水平位置と
図18に示す第1傾斜位置との間で、第1回転軸O1周りに回転させるものである。第1回転機構121は、載置台2が水平位置であると第1読取ユニット6を第1水平位置に位置させ、載置台2が傾斜位置であると第1読取ユニット6を第1傾斜位置に位置させる。第2回転機構122は、ケース11に設けられており、第2読取ユニット7を
図17に示す第2水平位置と
図18に示す第2傾斜位置との間で、第2回転軸O2周りに回転させるものである。第2回転機構122は、載置台2が水平位置であると第2読取ユニット7を第2水平位置に位置させ、載置台2が傾斜位置であると第2読取ユニット7を第2傾斜位置に位置させる。各回転機構121,122は、図示は省略するが機構制御部103に接続されている。
【0071】
ここで、第1ミラー64は、第1画像読取部61よりも鉛直方向の上側に位置している。本実施形態における第1ミラー64は、幅方向視において載置台2に載置される綴じ媒体P(各載置面24,25)よりも、奥行き方向における奥側に配置されている。第1ミラー64は、鉛直方向の第1光軸L1を、第3回転軸O3において、鉛直方向で、かつ幅方向視において第1ミラー64よりも奥行き方向の手前側に折り返す。また、第2ミラー74は、第2画像読取部71よりも鉛直方向の上側に位置している。本実施形態における第2ミラー74は、幅方向視において載置台2に載置される綴じ媒体P(各載置面24,25)よりも、奥行き方向における奥側に配置されている。第2ミラー74は、鉛直方向の第2光軸L2を、第4回転軸O4において、鉛直方向で、かつ幅方向視において第2ミラー74よりも奥行き方向の手前側に折り返す。
【0072】
画像読取装置1Cは、載置台2を水平状態から傾斜状態に切り替えると、
図18に示すように、各読取ユニット6,7は、各回転軸O1,O2周りに、水平位置から傾斜位置に回転する。このとき、各読取ユニット6,7は、ケース11内で回転することとなる。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置1Cは、各読取ユニット6,7が奥行き方向に延在しておらず、鉛直方向の下側に延在しているので、鉛直方向の上側における奥行き方向の設置スペースを省略することができるので、小型化を図ることができる。
【0074】
なお、上記実施形態1〜3において、各ミラー回転機構65,75と、照明回転機構83,84とを別体としたが、1つの回転機構で、各ミラー64,74および照明81,82をそれぞれ同期して回転させてもよい。この場合、1つの回転機構は、各ミラー64,74の回転角の2倍の回転角で各照明81,82が回転するように構成する。
【0075】
〔実施形態4〕
次に、実施形態4について説明する。
図19は、実施形態4に係る画像読取装置の正面図である。
図20は、実施形態4に係る画像読取装置の動作説明図である。
図19および
図20に示すように、実施形態4に係る画像読取装置1Dは、実施形態3に係る画像読取装置1Cに対して、照明13が各キャリア62,72に収容されている。
【0076】
照明13は、載置台2に載置された綴じ媒体Pに光を照射するものである。本実施形態における照明13は、第1キャリア62に設けられる第1照明131と、第2キャリア72に設けられる第2照明132とを備える。第1照明131は、奥行き方向視においてレンズ66の幅方向の両端部に設けられ、第1ミラー64を介して綴じ媒体Pに光を照射する。一対の第1照明131の照射範囲は、幅方向に延在する帯状となり、幅方向において読取領域S1F,S1Vよりも広く設定されている。第2照明132は、奥行き方向視においてレンズ76の幅方向の両端部に設けられ、第2ミラー74を介して綴じ媒体Pに光を照射する。一対の第2照明132の照射範囲は、幅方向に延在する帯状となり、幅方向において読取領域S2F,S2Vよりも広く設定されている。つまり、画像読取装置1Dでは、各照明回転機構83,84を有さず、各照明131,132が各キャリア62,72に固定され、各キャリア62,72の移動により、各画像読取部61,71および各レンズ66,76とともに、各ミラー64,74との距離が変化する。各照明131,132は、各光軸L1,L2(読取領域S1F,S1V,S2F,S2V)が照射範囲に含まれるように、各画像読取部61,71および各レンズ66,76に対して設けられている。つまり、照明13による綴じ媒体Pに対する照射位置は、第1光軸L1および第2光軸L2の綴じ媒体Pに対する位置変化に同期して変化することとなる。
【0077】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置1Dは、各照明131,132を各ミラー64,74の回転に同期させて回転させずに、各画像読取部61,71により綴じ媒体Pの読取を行うことができるので、簡単な構成とすることができる。
【0078】
〔実施形態5〕
次に、実施形態5について説明する。
図21は、実施形態5に係る画像読取装置の正面図である。
図22は、実施形態5に係る画像読取装置の動作説明図である。
図21および
図22に示すように、実施形態5に係る画像読取装置1Eは、実施形態4に係る画像読取装置1Dに対して、各回転軸O1,O2と、各回転軸O3,O4とが異なる位置に配置されている。
【0079】
第1読取ユニット6は、第1ミラー64の回転軸である第3回転軸O3が奥行き方向視において第1回転軸O1よりも鉛直方向の下側に位置するようにケース11に対して支持されている。第2読取ユニット7は、第2ミラー74の回転軸である第4回転軸O4が奥行き方向視において第2回転軸O2よりも鉛直方向の下側に位置するようにケース11に対して支持されている。なお、第1回転軸O1と第3回転軸O3との距離と、第2回転軸O2と第4回転軸O4との距離は同じである。
【0080】
回転機構14は、2つの読取ユニット6,7をそれぞれ回転させるものである。本実施形態における回転機構14は、第1回転機構141と、第2回転機構142とを備える。第1回転機構141は、ケース11と第1読取ユニット6との間に設けられており、第1読取ユニット6を
図21に示す第1水平位置と
図22に示す第1傾斜位置との間で、第1回転軸O1周りに回転させるものである。つまり、第1回転機構141は、第1ミラー64を第1回転軸O1周りに回転させるものである。第1回転機構141は、載置台2が水平位置であると第1読取ユニット6を第1水平位置に位置させ、載置台2が傾斜位置であると第1読取ユニット6を第1傾斜位置に位置させる。第2回転機構142は、ケース11と第2読取ユニット7との間に設けられており、第2読取ユニット7を
図21に示す第2水平位置と
図22に示す第2傾斜位置との間で、第2回転軸O2周りに回転させるものである。つまり、第2回転機構142は、第2ミラー74を第2回転軸O2周りに回転させものである。第2回転機構142は、載置台2が水平位置であると第2読取ユニット7を第2水平位置に位置させ、載置台2が傾斜位置であると第2読取ユニット7を第2傾斜位置に位置させる。各回転機構141,142は、図示は省略するが機構制御部103に接続されている。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置1Eは、各ミラー64,74を各読取ユニット6,7の回転軸である各回転軸O1,O2よりも鉛直方向の下側に配置するので、読取ユニット6,7のうち、各回転軸O1,O2よりも鉛直方向の上側の部分を小さくすることができる。従って、鉛直方向の設置スペースを小さくすることができるので、小型化を図ることができる。
【0082】
なお、上記実施形態3〜5において、載置台2の傾斜状態で、鉛直方向に設けられた各読取ユニット6,7が奥行き方向視において重なる場合は、各読取ユニット6,7を幅方向視において重ならないように、ケース11内に設けることが好ましい。
【0083】
〔実施形態6〕
次に、実施形態6について説明する。
図23は、実施形態6に係る綴じ媒体用画像読取装置の正面図である。
図24は、実施形態6に係る画像読取装置の側面図である。
図25は、実施形態6に係る画像読取装置の平面図である。
図26は、実施形態6に係る画像読取装置の動作説明図である。
図23に示すように、実施形態6に係る画像読取装置1Fは、実施形態1〜5に係る画像読取装置1A〜1Eに対して、各画像読取部15,16の構成が異なる。
【0084】
第1画像読取部15は、
図23〜
図25に示すように、第1読取ユニット6に固定して設けられており、載置台2に載置された綴じ媒体Pの一部の領域を読み取るものであり、第1水平位置で、奥行き方向視において幅方向および鉛直方向に複数列配列された複数の図示しない撮像素子により構成された、例えば面状CCDセンサである。第1画像読取部15は、図示は省略するが画像読取制御部101および画像処理部105に接続されている。第1画像読取部15の第1光軸L1(載置台2に向かう光軸)は、綴じ媒体Pの開き方向と直交する方向、すなわち奥行き方向から見た場合に、
図23に示すように、第1読取ユニット6が第1水平位置で、水平状態の第1載置面24の垂線と平行である。また、第1画像読取部15の第1光軸L1(載置台2に向かう光軸)は、奥行き方向から見た場合に、
図26に示すように、第1読取ユニット6が第1傾斜位置で、傾斜状態の第2載置面25の垂線と平行である。また、第1画像読取部15は、
図25に示すように、第1水平位置で、かつ水平状態における読取領域S1FAは、第1載置面24を含む。つまり、第1画像読取部15は、第1水平位置で、かつ水平状態において、綴じ媒体Pの第1見開き面P1を読取領域S1FAに含む。一方、第1画像読取部15は、第1傾斜位置で、かつ傾斜状態における読取領域S1VAは、第2載置面25を含む。つまり、第1画像読取部15は、第1傾斜位置で、かつ傾斜状態において、綴じ媒体Pの第2見開き面P2を読取領域S1VAに含む。
【0085】
第2画像読取部16は、
図23〜
図25に示すように、第2読取ユニット7に固定して設けられており、載置台2に載置された綴じ媒体Pの一部の領域を読み取るものであり、第2水平位置で、奥行き方向視において幅方向および鉛直方向に複数列配列された複数の図示しない撮像素子により構成された、例えば面状CCDセンサである。第2画像読取部16は、図示は省略するが画像読取制御部101および画像処理部105に接続されている。第2画像読取部16の第2光軸L2(載置台2に向かう光軸)は、綴じ媒体Pの開き方向と直交する方向、すなわち奥行き方向から見た場合に、
図23に示すように、第2読取ユニット7が第2水平位置で、水平状態の第2載置面25の垂線と平行である。また、第2画像読取部16の第2光軸L2(載置台2に向かう光軸)は、奥行き方向から見た場合に、
図26に示すように、第2読取ユニット7が第2傾斜位置で、傾斜状態の第1載置面24の垂線と平行である。また、第2画像読取部16は、
図25に示すように、第2水平位置で、かつ水平状態における読取領域S2FAは、第2載置面25を含む。つまり、第2画像読取部16は、第2水平位置で、かつ水平状態において、綴じ媒体Pの第2見開き面P2を読取領域S2FAに含む。一方、第2画像読取部16は、第2傾斜位置で、かつ傾斜状態における読取領域S2VAは、第1載置面24を含む。つまり、第2画像読取部16は、第2傾斜位置で、かつ傾斜状態において、綴じ媒体Pの第1見開き面P1を読取領域S2VAに含む。
【0086】
ここで、第1画像読取部15の読取領域S1FA,S1VAと、第2画像読取部16の読取領域S2FA,S2VAとは、一方の読取領域S1FA,S1VAに、他方の読取領域S2FA,S2VAの一部を含む。第1画像読取部15の読取領域S1FAは、
図23に示すように、綴じ媒体Pの開き方向において第1載置面24よりも広い。読取領域S1FAの幅方向における第2載置面25側の端部は、幅方向における第1載置部22および第2載置部23の中央よりも第2載置面25側に位置する。第1画像読取部15の読取領域S1VAは、
図26に示すように、綴じ媒体Pの開き方向において第2載置面25よりも広い。読取領域S1VAの幅方向における第1載置面24側の端部は、幅方向における第1載置部22および第2載置部23の中央よりも第1載置面24側に位置する。また、第2画像読取部16の読取領域S2FAは、
図23に示すように、綴じ媒体Pの開き方向において第2載置面25よりも広い。読取領域S2FAの幅方向における第1載置面24側の端部は、幅方向における第1載置部22および第2載置部23の中央よりも第1載置面24側に位置する。第2画像読取部16の読取領域S2VAは、
図26に示すように、綴じ媒体Pの開き方向において第1載置面24よりも広い。読取領域S2VAの幅方向における第2載置面25側の端部は、幅方向における第1載置部22および第2載置部23の中央よりも第2載置面25側に位置する。従って、第1画像読取部15の読取領域S1FA,S1VAおよび第2画像読取部16の読取領域S2FA,S2VAの一部が重なるので、第1画像読取部15により読み取られて生成された第1読取データと、第2画像読取部16により読み取られて生成された第2読取データとには、互いに重複した読取データが含まれることとなる。
【0087】
第1ミラー17は、
図23〜
図25に示すように、第1画像読取部15の第1光軸L1の向きを変更するものであり、第1読取ユニット6に固定して設けられている。第1ミラー17は、第1画像読取部15よりも奥行き方向における奥側に位置している。第1ミラー17は、奥行き方向の第1光軸L1を、鉛直方向の下側に折り返す。
【0088】
第2ミラー18は、第2画像読取部16の第2光軸L2の向きを変更するものであり、第2読取ユニット7に固定して設けられている。第2ミラー18は、第2画像読取部16よりも奥行き方向における奥側に位置している。第2ミラー18は、奥行き方向の第2光軸L2を、鉛直方向の下側に折り返す。
【0089】
次に、本実施形態に係る画像読取装置1Fの動作について説明する。画像読取装置1Fは、載置台2に開かれた状態で載置された綴じ媒体Pの両見開き面P1,P2の読取動作を行う。まず、ユーザーは、画像読取装置1Fの図示しない電源をONとして、画像読取装置1Fに外部から電力を供給する。次に、ユーザーは、画像読取装置1Fの載置台2の状態を水平状態または傾斜状態に切り替える。また、ユーザーは、電源ON時に、載置台2が所望する状態である場合、切り替え作業を行う必要はない。
【0090】
次に、装置制御部104は、載置台2は水平状態であると判定すると、各読取ユニット6,7を水平位置に回転させる。次に、ユーザーは、載置台2が水平状態において、綴じ媒体Pを載置台2に載置する。
【0091】
次に、装置制御部104は、読取指示があると判定すると、綴じ媒体Pの読取を行う。ここでは、装置制御部104は、画像読取制御部101により、各画像読取部15,16による綴じ媒体Pの読み取りを行い、第1読取データおよび第2読取データを生成する。そして、画像処理部105は、読取領域S1FA,S2FAとの重複領域S0FAを基準に各読取データを合成して、載置台2が水平状態における綴じ媒体Pを含む画像に対応する画像データを生成する。本実施形態における画像処理部105では、生成された画像データに対して補正、クロッピングを行い、載置台2が水平状態における綴じ媒体Pに対応する画像データを生成する。次に、装置制御部104は、画像データを出力する。
【0092】
また、装置制御部104は、載置台2は水平状態ではないと判定すると、各読取ユニット6,7を傾斜位置に回転させる。次に、ユーザーは、載置台2が傾斜状態において、綴じ媒体Pを載置台2に載置する。
【0093】
次に、装置制御部104は、読取指示があると判定すると、綴じ媒体Pの読取を行う。ここでは、装置制御部104は、画像読取制御部101により、各画像読取部15,16による綴じ媒体Pの読み取りを行い、第1読取データおよび第2読取データを生成する。そして、画像処理部105は、読取領域S1VA,S2VAとの重複領域S0VAを基準に各読取データを合成して、載置台2が傾斜状態における綴じ媒体Pを含む画像に対応する画像データを生成する。本実施形態における画像処理部105では、生成された画像データに対して補正、クロッピングを行い、載置台2が傾斜状態における綴じ媒体Pに対応する画像データを生成する。次に、装置制御部104は、画像データを出力する。
【0094】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置1Fは、各画像読取部15,16が綴じ媒体Pの読み取り時に、読取領域S1F,S1V,S2F,S2Vを副走査方向に移動することが不要なので、各キャリア62,72、各キャリア移動機構63,73および各ミラー回転機構65,75が不要となる。従って、簡単な構成とすることができる。
【0095】
なお、実施形態6における各画像読取部15,16は、ユーザーにより取り外し可能であってもよい。この場合は、ユーザーが所有するカメラを有する携帯端末を各画像読取部15,16として用いることができる。
【0096】
また、実施形態1〜6における載置台2の傾斜状態は、1段階に限られず複数段階であってもよい。この場合、載置台2の傾斜状態の段階数に応じて、各読取ユニット6,7の傾斜位置が設定されている。従って、制御装置10は、載置台検出センサ27により検出された載置台2の傾斜状態の段階数に対応して、各読取ユニット6,7を回転機構9,12,14により回転させることとなる。
【0097】
また、実施形態1〜6における切替機構26は、図示しないアクチュエータを有していてもよい。切替機構26は、アクチュエータからの駆動力により、載置台2の水平状態と傾斜状態を切り替えてもよい。つまり、載置台2の状態の切り替えを自動で行ってもよい。また、実施形態1〜6における回転機構9,12,14は、アクチュエータからの駆動力により、各読取ユニット6,7を回転させるが、ユーザーが手動により各読取ユニット6,7を回転させてもよい。