【実施例】
【0031】
実施例に使用した材料は以下の通りである。なお、クラスターデキストリン(登録商標)、デキストリン(1)、デキストリン(2)は、サイクロデキストリンではない。
α−サイクロデキストリン:シクロケム社製
β−サイクロデキストリン:日本食品加工社製
γ−サイクロデキストリン:シクロケム社製
クラスターデキストリン:グリコ栄養食品社製
デキストリン(1):パインデックス#4、松谷化学工業社製
デキストリン(2):パインデックス#100、松谷化学工業製
乳ペプチド(1):C800、カゼインタンパク質由来ペプチド、森永乳業社製
乳ペプチド(2):W800、乳清タンパク由来ペプチド、森永乳業社製
乳清タンパク(1):WPI895、フォンテラジャパン社製
乳清タンパク(2):ビプロ、光洋商会社製
大豆ペプチド:バーサホイップ500、光洋商会社製
大豆タンパク:フジプロCL、不二製油社製
卵タンパク:乾燥卵白ELS(キユーピー社製)
小麦タンパク由来ペプチド:ケリー・ジャパン社製
エンドウ豆由来ペプチド:ピーペプチド、OCI社製
カゼインナトリウム:DMV社製
HMペクチン:イナゲルJP−30、伊那食品工業社製
大豆多糖類:ソヤファイブS、不二製油社製
CMC−Na:セロゲンF−90 7A、第一工業製薬社製
ローカストビーンガム:イナゲルL−15、伊那食品工業社製
寒天:伊那寒天イーナ、伊那食品工業社製
カラギナン:イナゲルE−150、伊那食品工業社製
ファーセレラン:ファーセレラン、伊那食品工業社製
アルギン酸塩:アルギン酸Na、イナゲルGS−70、伊那食品工業社製
フノリ抽出物:フノリ抽出物、伊那食品工業社製
グアーガム:イナゲルGR−10、伊那食品工業社製
タラガム:イナゲルタラガムA、伊那食品工業社製
グルコマンナン:イナゲルマンナン100、伊那食品工業社製
タマリンドガム:グリロイド3S、DSP五協フード&ケミカル社製
澱粉:馬鈴薯澱粉、スタビローズ1000、松谷化学工業社製
化工澱粉:ゆり8、松谷化学工業社製
LMペクチン:イナゲルJM−15、伊那食品工業社製
キサンタンガム:イナゲルV−10、伊那食品工業社製
ジェランガム:ケルコゲル、CPケルコ社製
ネイティブ型ジェランガム:LT−100、CPケルコ社製
プルラン:PI−20、林原商事社製
ゼラチン:イナゲルN−150、伊那食品工業社製
メチルセルロース:MCE−1500、信越化学工業社製
ヒドロキシメチルセルロース:SFE−4000、信越化学工業社製
アラビアガム:アラビアガムA、伊那食品工業社製
アスパルテーム:味の素社製
スクラロース:サンスイート、三栄源FFI社製
アセスルファムK:サネットD、キリン協和フーズ社製
クエン酸:磐田化学社製
クエン酸Na:磐田化学社製
砂糖:東洋精糖社製
アガロオリゴ糖:伊那食品工業社製
【0032】
[実験例1](タンパク質またはペプチドの種類)
表1に氷菓の素の配合量を示し、表1におけるタンパク質またはペプチドの種類を表2に示す。これらを、実施例1〜10、比較例1〜12とする。表1および表2に示した配合にて氷菓の素を製造した。具体的には各粉末を秤量し混合した後、この粉末を80℃の水1000gに加え撹拌して溶解した。この溶液をアイスクリーマー(ハイパートロン・ミニ HTF−3、エフ・エム・アイ社製)を使用して8分間撹拌し−5℃まで冷却して含気された氷菓を製造した。製造後は−35℃で保管した。
【0033】
製造した氷菓について比重を測定し食感を確認した。比重は100mLの容器に充填したときの氷菓の重量から、下記の式で算出した。
氷菓の比重=100mL当たりの氷菓の重量(g)÷100
食感は10名のパネラーにより
A:口溶けに優れ口腔内での崩壊が早く、従来にない美味しい氷菓である。
B:従来の氷菓と同程度である。
C:従来の氷菓より劣る
の判断基準で評価した。結果を表3に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
以上のように、タンパク質またはペプチドおよびサイクロデキストリンを使用含む含気された氷菓は口溶に優れ口腔内での崩壊が早く従来にない美味しい氷菓となった。また、タンパク質またはペプチドのいずれか1以上と、サイクロデキストリンとの両方が含まれない場合は、気泡が生成しにくくて氷菓の比重が大きくなり、従来の氷菓より劣った。
【0038】
[実験例2](サイクロデキストリンの種類)
表4に氷菓の素の配合量を示し、これらを、実施例11〜13、比較例13とする。表4に示した配合にて氷菓を製造した。製法および氷菓の物性評価は実験例1と同様にして行った。結果を表5に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
以上のように、タンパク質またはペプチドおよびサイクロデキストリンを使用含む含気された氷菓において、使用するサイクロデキストリンはαタイプが口溶に優れ、最も含気効果があった。
【0042】
[実験例3](サイクロデキストリン以外の糖類を使用)
表6に氷菓の素の配合量を示し、これらを、実施例14、比較例14〜16とする。表6に示した配合にて氷菓を製造した。製法および氷菓の物性評価は実験例1と同様にして行った。結果を表7に示す。
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
以上のようにタンパク質またはペプチドおよびサイクロデキストリンを使用含む含気された氷菓において、サイクロデキストリン以外のデキストリンは含気効果がなかった。
【0046】
[実験例4](タンパク質またはペプチドの配合量)
表8に氷菓の素の配合量を示し、これらを、実施例15〜21とする。表8に示した配合にて氷菓を製造した。製法および氷菓の物性評価は実験例1と同様にして行った。結果を表9に示す。
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】
以上のようにタンパク質またはペプチドの配合量が0.017%〜5.0%において良好な結果が得られた。
【0050】
[実験例4](サイクロデキストリン配合量)
表10に氷菓の素の配合量を示し、これらを、実施例22〜28とする。表10に示した配合にて氷菓を製造した。製法および氷菓の物性評価は実験例1と同様にして行った。結果を表11に示す。
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
以上のようにサイクロデキストリンの配合量が0.08〜16.0%において良好な結果が得られた。
【0054】
[実験例5](タンパク質またはペプチドとサイクロデキストリンの配合割合)
表12に氷菓の素の配合量を示し、これらを、実施例29〜35とする。表12に示した配合にて氷菓を製造した。製法および氷菓の物性評価は実験例1と同様にして行った。結果を表13に示す。
【0055】
【表12】
【0056】
【表13】
【0057】
以上のように、タンパク質またはペプチドとサイクロデキストリンの配合割合が1:0.05〜1:100のものは含気された食感の良い氷菓を製造することができた。
【0058】
[実験例6](増粘多糖類の添加)
表14に氷菓の素の配合量を示し、表14における増粘多糖類の種類を表15に示す。これらを、実施例36〜58、59とする。表14および表15に示した配合にて氷菓の素を製造した。製法および氷菓の物性評価は実験例1と同様にして行った。結果を表16に示す。
【0059】
【表14】
【0060】
【表15】
【0061】
【表16】
【0062】
HMペクチン、大豆多糖類、CMC−Naを添加した実施例36〜38は、pH低下によるペプチドの沈殿が観察されず、均一に分散していた。また増粘多糖類を添加した実施例36〜58において、増粘多糖類を添加していない実施例59に比べ比重が小さくなりより含気されていた。