【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
【0009】
本発明は、2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体用容器であって、前記化学発光体用容器が、外筒と前記外筒に内包される内筒とを有し、前記内筒が、前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルであり、前記外筒が、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を、外筒の内部でありかつ外筒に内包される前記内筒の外部に含むポリプロピレン樹脂含有組成物製であり、前記外筒がくびれ部を有するまたは略直方体状であることを特徴とする化学発光体用容器として達成することができる。
【0010】
本発明は、2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体用容器に関する。ここで、混合することで化学発光を生じさせる2種の化学組成物とは、例えば、化学発光用酸化液(シュウ酸エステルと色素、溶媒等)と化学発光用蛍光液(過酸化水素水のような酸化剤と触媒成分、溶媒等)のような液状のものが一般的であるが、一方にこれらの液と同様に混合することで化学発光を生じさせる粉体状や粒状の固体状のものを用いてもよい。双方が液状の場合、混合性に優れており全体で均一な発光を速やかに生じさせやすい。また、一方が固体状の場合、破割性アンプルを他方の液が通過し浸透しながら発光が生じる為、比較的緩やかな反応となる。なお、ここで混合することで化学発光を生じさせるものは、一般的にそれぞれを複数の化合物等の組成物として調製されるが、本発明においては単独の物質で用いることができるようなものも含めて化学組成物と表記する。
【0011】
本発明の化学発光体用容器は、外筒と、この外筒に内包される内筒とを有する。ここで、本発明において、この内筒は前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性のアンプルである。また、もう一方の外筒は前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を外筒の内部であり、かつ、外筒に内包される前記内筒の外部に含む。本発明の化学発光体用容器は、非使用時(保管時等)は、2種の化学組成物が混合されないように化学発光体用容器内の内筒によって分離されることが求められる。この分離と混合を行うために、化学発光体用容器内に設けられる内筒は破割性アンプルとして設けられる。使用時においては、化学発光体用容器を折り曲げることで、内筒である破割性アンプルが割れ、その内部の化学組成物がアンプル外部の化学組成物と混合されることで発光が生じる。
【0012】
内筒に用いられる破割性アンプルは、化学発光体容器に折り曲げの力が加わった時に、外筒内で割れるアンプルであればよく、一般的にはガラス製のアンプルが用いられる。ガラス製とすることで、非使用時には外部の液と内部の液の混合を遮断することができ、さらに、化学発光体用容器の折り曲げによりかかる負荷によって、適度に割れやすいものとすることができる為である。なお、本発明において、化学発光体用容器の折り曲げは、破割性アンプルが破割する程度の折り曲げであれば足り、特にガラス製の破割性アンプルとする場合、その折り曲げは緩やかなカーブを描く程度の折り曲げでよい。
【0013】
本発明は、前記外筒がポリプロピレン樹脂含有組成物製(以下、単に「ポリプロピレン製」と略記する。)であることを特徴とする。本発明の化学発光体用容器の外筒は、射出成型により成型されることが一般的である。この射出成型用としてポリプロピレンに適宜、添加剤が加えられたポリプロピレン樹脂組成物が市販されており、このような樹脂組成物により製造される容器がポリプロピレン樹脂組成物製の化学発光体用容器の外筒となる。また、使用時に化学発光体用容器内部の化学発光による光の分散性を向上させるために、ポリプロピレン樹脂組成物に適宜光分散剤を加えたり、色調を変えるために着色剤を混合して外筒を製造してもよい。また、製造条件の制御によって結晶化度をコントロールする等して、白濁状態の光分散性が高い容器としてもよい。
【0014】
さらには、外筒は、ポリプロピレン樹脂組成物に、ポリエチレン樹脂組成物等の他の樹脂組成物等を混合させて、樹脂組成物全体に占めるポリプロピレン濃度が20重量%以上程度となるように調製したポリプロピレン樹脂含有組成物製とすることできる。このポリプロピレン濃度が低い場合、硬さと、耐溶剤性等を満足することが難しい場合がある。このポリプロピレン濃度は、ポリプロピレン樹脂含有組成物中の25重量%以上が好ましく、35%以上がさらに好ましい。また、本発明に用いるポリプロピレン樹脂は、プロピレンのホモポリマーでもよいが、いわゆるポリプロピレン樹脂のランダムコポリマーと呼ばれるようなプロピレンとエチレンの共重合体(一般的にエチレンが10重量%未満)も用いることができる。また、このようなランダムコポリマーだけでなくブロックコポリマーも使用することができる。
【0015】
本発明の外筒は、前述のようにポリプロピレン樹脂含有組成物製である。ここで、外筒は、外筒の本体容器内に、内筒(アンプル)、化学発光用の化学組成物等を加えた後、所定の方法で密閉され外筒となる。この密閉方法の代表的な方法としては、外筒の本体容器に蓋部を取り付ける方法が挙げられ、具体的な蓋部の取り付け方として、熱溶着により蓋部を設ける方法が挙げられる。しかしながら、前述のように、一体成型した外筒の本体容器全体に比べ、この熱溶着された外筒の本体容器と蓋部との接着部は、やや耐久性が低下し、高温環境下で液漏れが生じる場合がある。本発明においては、この外筒をポリプロピレン樹脂含有組成物製とすることで、このような耐久性の低下を抑制し、より高温での優れた密閉性(液漏れ防止性、ガスバリア性)を有する構成とすることができる。
【0016】
本発明は、前記外筒がくびれ部を有することを特徴とする化学発光体用容器として達成することができる。くびれ部とは、長手方向の中央部付近に設ける最も径が細い部分である。前述のように、本発明においては、化学発光体用容器の外筒はポリプロピレン製の容器であるが、このようなポリプロピレン製の容器の場合、従来、一般的であった円筒状の形状では折り曲げにくくなり、内筒である破割性アンプルが破割しない場合がある。しかしながら、本発明においては、この外筒にくびれ部を設けることで、適度な折り曲げやすさを持たせ、内筒を破割させやすくする。このくびれ部は、一般的な手持ち型用の場合、細長い化学発光体用容器の長手方向の中央部付近の径をやや細い状態とするものである。このくびれ部は、外筒を折り曲げようとする力を加えたときの応力集中部に相当する部分であり、この応力集中しやすい部が設けられていることで外筒の折り曲げが破割性を有する内筒に伝わりやすくなる。
【0017】
本発明の外筒は、内包される内筒が内部で移動しにくいようにその内筒形状に合わせた形状を有するものであることが好ましい。すなわち、本発明の外筒は、前記内筒の移動を制限する内筒把持部を設けられた外筒であることが好ましい。例えば、外筒内に内筒の外径に併せた凹部を設けこの凹部に内筒をはめ込むことで内筒を把持することができる。または、外筒を蓋部により密閉する構成とし、この蓋部を、内筒形状に合わせた凹部や、内筒長さに併せたところまで押し込むような凸部を設けることで外筒内での内筒の移動を制限する形状とすることができる。このような、外筒内での内筒の移動を制限することで、折り曲げ時に内筒に折り曲げ応力がかかりやすくなり、より安全かつ容易に内筒を破割することができる。
【0018】
前記ポリプロピレン製の外筒の前記くびれ部における最小肉厚は0.8mm以上5mm以下であることが好ましい。本発明は好ましくは手持ち型発光体のように、使用時には撓りが生じにくいものとして用いられる。一方、ブレスレットタイプの化学発光体等においては、リング状に折り曲げることを想定したものであることから、肉厚が薄い化学発光体用容器となる場合がある。このような、本発明が好ましく適用される手持ち型発光体等においては、撓り等が生じにくいように一定の硬さを保持することが求められるため、化学発光体用容器の細い部となるくびれ部は0.8mm以上の肉厚であることが好ましい、この肉厚は、より撓りを防止し破損しにくくするためには、1.0mm以上であることがより好ましく、1.5mm以上であることがさらに好ましい。また、肉厚が薄い場合、容器が破損し内部の液が漏れやすくなる場合がある。他方、くびれ部における肉厚が5mmを超える場合、折り曲げが困難となる場合がある。折り曲げやすさを考慮すると、肉厚は3.5mm以下であることがより好ましく、2.5mm以下であることがさらに好ましい。
【0019】
前記くびれ部の直径の、外筒の最大直径に対する比(くびれ部の直径/最大直径)は、0.5〜0.95であることが好ましい。この比は、0.65〜0.9であることがより好ましい。この比が小さい、すなわち、くびれ部が細すぎる場合、応力が集中しすぎて破損する場合がある。または、相対的に内部に入れる内筒の大きさとの差が狭くなり、内筒内外の化学組成物の混合性を阻害する場合がある。一方、この比が大きい、すなわちくびれ部が太すぎる場合、外筒がポリプロピレン製の容器のため折り曲げにくく、内包される破割性アンプルを破割しにくくなる場合がある。なお、ここでくびれ部の直径、化学発光体用容器の最大直径いずれも外径として求められるものであり、それぞれの形状が円状の断面でなく、楕円状や略方形状等の場合、その断面積と同じ断面積を有する円の直径に相当する径(断面積の円相当径)としての比較でよい。
【0020】
本発明においては、くびれ部により折り曲げの応力が集中しやすくなるように、くびれ部付近に略平面を設けてもよい。すなわち、くびれ部の断面が、略方形や、円弧状等の形状となるようにしてもよい。このような形状とすることで、より安定した折り曲げによる破割性アンプルの破割を行い得る。
【0021】
本発明は、2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体用容器であって、前記化学発光体用容器が、外筒と、外筒に内包される内筒とを有し、前記内筒が、前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルであり、前記外筒が、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を外筒の内部であり、かつ外筒に内包される前記内筒の外部に含むポリプロピレン樹脂含有組成物製であり、前記外筒が略直方体状であることを特徴とする化学発光体用容器として達成することもできる。
【0022】
本発明の化学発光体用容器の外筒は、ポリプロピレン製であることを特徴とするが、ここで、折り曲げに伴う破割性アンプルの破割が起こりやすいように前述のくびれ部に代え、外筒全体を略直方体状とすることでも本発明を達成することができる。すなわち、外筒が折り曲げにくくなり化学発光させにくくなった分を、応力集中部となるくびれ部を設けるまたは略直方体状とするような方法で達成させることができる。
【0023】
本発明の化学発光体用容器の外筒の最小直径は6mm以上50mm以下であり、かつ、前記外筒の長さの、外筒の最大直径に対する比(外筒の長さ/外筒の最大直径)が、3以上であることが好ましい。外筒の最小直径は、より好ましくは10mm以上である。一方、30mm以下であることがより好ましい。この外筒の最小直径は、外筒の最も径が細いところとしての径であり、くびれ部を有する場合、くびれ部の直径である。外筒の最小直径がこれより細い場合、特に手持ち型等の発光体用容器として適さない場合がある。また、径がこれより太い場合、折り曲げが難しい場合がある。なお、ここで外筒の直径は、それぞれの形状が円状の断面でなく、楕円状や略方形状等の場合、その断面積と同じ断面積を有する円の直径に相当する径(断面積の円相当径)でよい。
【0024】
また、外筒の折り曲げやすさは、外筒の長さと直径の比によっても変化するため、この比を前述のような範囲にすることも好ましい。この外筒の長さの最大直径に対する比は、より好ましくは5以上である。また、その上限は一般的に15以下であり、12以下であることがより好ましい。また、一般的に本発明の化学発光体用容器の外筒の長さは握部を除く長さとして求めることができ、その値は30mm以上であり、好ましくは、50mm以上である。その長さの上限は特に定めはないが、一般的に300mm以下程度である。