(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む外用組成物であり、
(b)紫外線吸収剤が、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体、アントラニル誘導体及びイミダゾリジン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、外用組成物(ただし、前記ピロロキノリンキノンは還元型ピロロキノリンキノンでない)。
(a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む外用組成物であり、
アルカンジオール類が、1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、及び1,10−デカンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、外用組成物(ただし、前記ピロロキノリンキノンは還元型ピロロキノリンキノンでない)。
紫外線吸収剤が、ケイ皮酸誘導体、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体、アントラニル誘導体及びイミダゾリジン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の外用組成物。
脂溶性ビタミン類が、トコフェロール類及びその誘導体、レチノール類及びその誘導体、アスコルビン酸誘導体、ユビキノン類及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.00001〜1重量%含む請求項1〜4の何れかに記載の外用組成物。
ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩の1重量部に対して、紫外線吸収剤を0.01〜20000重量部含む請求項1〜6の何れかに記載の外用組成物。
脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を、組成物の全量に対して、0.0001〜5重量%含む請求項1〜7の何れかに記載の外用組成物。
ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩の1重量部に対して、脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を0.01〜2000重量部含む請求項1〜8の何れかに記載の外用組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の外用組成物は、(a)PQQ又はその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種を含む外用組成物である。
【0014】
(a)PQQ又はその塩
PQQは動物、植物、及び細菌など多様な生物体内に存在するので、種々の生物から抽出できる。また、PQQは、市販品を購入できる。
PQQの生理学的又は薬学的に許容されるその塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、及びリチウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩などが挙げられる。塩の中では、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩が好ましい。
【0015】
組成物中のPQQ又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.00001重量%以上が好ましく、0.0001重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、化粧品、医薬部外品、医薬外用剤の通常使用量で、PQQ又はその塩の生理活性が十分に得られる。
また、組成物中のPQQ又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、1重量%以下が好ましく、0.3重量%以下がより好ましく、0.1重量%以下がさらにより好ましく、0.03重量%以下が特により好ましい。上記範囲であれば、製剤中での溶解性が良好で、また外用組成物としての外観の点で優れたものとなる。
【0016】
(b)紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、ケイ皮酸誘導体、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリジン誘導体等の有機紫外線吸収剤が挙げられる。
【0017】
ケイ皮酸誘導体の例としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(ユビナールMC80、ユビナールMC80N、BASFジャパン社;パルソールMCX、DSMニュートリションジャパン社)、メトキシケイ皮酸イソアミル(ネオヘリパンTS、ハーマンドレイマー社)、α−シアノ−β−フェニルケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名:オクトクリレン、パルソール340、DSMニュートリションジャパン社)、メトキシケイ皮酸イソプロピル、シンノキサート、DEAメトキシシンナマート、メチルケイ皮酸ジイソプロピル、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロン)シリルイソペンチル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等が挙げられる。
【0018】
ベンザルマロナート誘導体の例としては、ジメチコジエチルベンザルマロネート(パルソールSLX、DSMニュートリションジャパン社)が挙げられる。
【0019】
トリアジン誘導体の例としては、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(チノソルブS、BASFジャパン社)、2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(チノソルブM、BASFジャパン社)、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン(ユビナールT150、BASFジャパン社)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾリン(ユバソーブHEB、シグマ3V社)等が挙げられる。
【0020】
ジベンゾイルメタン誘導体の例としては、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(パルソール1789、DSMニュートリションジャパン社)、4−イソプロピルジベンゾイルメタン(ユーソレックス8020、メルク社)等が挙げられる。
【0021】
安息香酸誘導体の例としては、2−[−4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル(ユビナールAプラス、BASFジャパン社)、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸(PABA)、グリセリルPABA、エチルPABA、エチル−ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル−ジメチルPABA等が挙げられる。
【0022】
サリチル酸誘導体の例としては、サリチル酸ホモメンチル(パルソールHMS、DSMニュートリションジャパン社)、エチルヘキシルサリチラート(ネオヘリパンOS、ハーマンアンドレイマー社)、ジプロピレングリコールサリチラート(ディピサル、スケル社)、TEAサリラート(ネオヘリパンTS、ハーマンアンドレイマー社)、サチリル酸エチレングリコール等が挙げられる。
【0023】
ベンゾフェノン誘導体の例としては、ベンゾフェノン−1(ユビナール400、BASFジャパン社)、ベンゾフェノン−2(ユビナールD50、BASFジャパン社)、ベンゾフェノン−3(ユビナールM40、BASFジャパン社)、ベンゾフェノン−4(ユビナールMS40、BASFジャパン社)、ベンゾフェノン−5(ヘリソーブ11、ノルクアイ社)、ベンゾフェノン−8(スペクトラソーブ、アメリカン・シアナミド社)、ベンゾフェノン−9(ユビナールDS49、BASFジャパン社)等が挙げられる。
【0024】
ベンジリデンショウノウ誘導体の例としては、3−ベンジリデンショウノウ(メギゾリルSD、シメックス社)、ベンジリデンショウノウスルホン酸(メギゾリルSL、シメックス社)、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム(メギゾリルSO、シメックス社)、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸(メギゾリルSX、シメックス社)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ(メギゾリルSW、シメックス社)等が挙げられる。
【0025】
フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体の例としては、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(パルソールHS、DSMニュートリションジャパン社)、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム(ネオヘリパンAP、ハーマンアンドレイマー社)等が挙げられる。
【0026】
アントラニル誘導体の例としては、アントラニル酸メンチル等が挙げられる。
【0027】
イミダゾリジン誘導体の例としては、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸等が挙げられる。
【0028】
紫外線吸収剤の中では、ケイ皮酸誘導体、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリジン誘導体が好ましく、中でもケイ皮酸誘導体、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体がより好ましく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−[−4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシルがさらにより好ましい。
紫外線吸収剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0029】
外用組成物中の紫外線吸収剤の含有量は、組成物の全量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、外用組成物中でPQQ又はその塩を安定に保つことができる。
また、外用組成物中の紫外線吸収剤の含有量は、組成物の全量に対して、30重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、良好な使用感が得られる。
【0030】
また、PQQ又はその塩の含有量に対する紫外線吸収剤の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、1重量部以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、外用組成物中でPQQ又はその塩を安定に保つことができる。
また、PQQ又はその塩の含有量に対する紫外線吸収剤の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、20000重量部以下が好ましく、10000重量部以下がより好ましく、5000重量部以下がさらにより好ましく、2000重量部以下が特に好ましい。上記範囲であれば、良好な使用感が得られる。
【0031】
(c)成分
脂溶性ビタミン類
脂溶性ビタミン類としては、トコフェロール類及びその誘導体、レチノール類及びその誘導体、アスコルビン酸誘導体、ユビキノン類及びその誘導体等が挙げられる。
【0032】
トコフェロール類としては、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールなどが挙げられる。トコフェロール類の誘導体としては、酢酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、(リノール酸/オレイン酸)トコフェロール等が挙げられる。
【0033】
レチノール類としては、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸、水添レチノール等が挙げられる。また、その誘導体としては、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール、酢酸レチノールなどが挙げられる。また、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、クリプトキサンチンなどのプロビタミンA類もレチノール類に含まれる。
【0034】
アスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレート、テトラへキシルデカン酸アスコルビルなどのアスコルビン酸モノアルキルエステル類;アスコルビン酸ジステアレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸ジオレートなどのアスコルビン酸ジアルキルエステル類;アスコルビン酸トリステアレート、アスコルビン酸トリパルミテート、アスコルビン酸トリオレートなどのアスコルビン酸トリアルキルエステル類等が挙げられる。
【0035】
ユビキノンは、2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−ポリプレニル−1,4−ベンゾキノンの総称で、コエンザイムQとも呼ばれている。ユビキノンは、側鎖のイソプレン単位が、通常1〜20であり、それぞれコエンザイムQ1〜20の名称で表される。
【0036】
脂溶性ビタミン類の中では、本発明の効果がより顕著に発揮される点で、トコフェロール類及びその誘導体、レチノール類及びその誘導体、アスコルビン酸誘導体、ユビキノン類及びその誘導体が好ましく、この中でも、酢酸トコフェロール、α−トコフェロール、δ−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、テトラへキシルデカン酸アスコルビル、アスコルビン酸モノパルミテート、コエンザイムQ10がより好ましく、酢酸トコフェロール、δ−トコフェロール、パルミチン酸レチノール、テトラへキシルデカン酸アスコルビル、コエンザイムQ10がさらに好ましい。
【0037】
パラベン類
パラベン類としては、炭素数8〜14のものが挙げられ、具体的にはメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、ペンチルパラベン、ヘキシルパラベン、へプチルパラベン、ベンジルパラベン等が挙げられる。
【0038】
パラベン類としては、本発明の効果がより顕著に発揮される点で、炭素数8〜11のメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベンがより好ましく、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベンがさらにより好ましい。
【0039】
アルカンジオール類
アルカンジオール類としては、炭素数3〜10のものが挙げられ、具体的には、1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール等が挙げられる。
【0040】
アルカンジオール類の中では、本発明の効果がより顕著に発揮される点で、1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールが好ましく、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオールがより好ましく、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが更により好ましい。
【0041】
(c)成分の脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールの中では、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノールが好ましい。
【0042】
(c)成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。後者の場合、例えば、脂溶性ビタミン類から1種以上とパラベン類から1種以上とを組み合わせることもでき、或いは、例えば、脂溶性ビタミン類から2種以上を組み合わせることもできる。
【0043】
外用組成物中の(c)成分の含有量は、組成物の全量に対して、0.0001重量%以上が好ましく、0.001重量%以上がより好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、PQQ又はその塩の安定性が良好になる。
また、外用組成物中の(c)成分の含有量は、組成物の全量に対して、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
【0044】
また、PQQ又はその塩の含有量に対する(c)成分の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、1重量部以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、PQQ又はその塩の安定性が良好になる。
また、PQQ又はその塩の含有量に対する(c)成分の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、2000重量部以下が好ましく、1000重量部以下がより好ましく、500重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
【0045】
また、紫外線吸収剤の1重量部に対する(c)成分の含有量の比率は、紫外線吸収剤1重量部に対して、0.00001重量部以上が好ましく、0.00005重量部以上がより好ましく、0.0001重量部以上がさらにより好ましく、0.005重量部以上が特に好ましい。上記範囲であれば、安定性に優れた組成物となる。
また、紫外線吸収剤の含有量に対する(c)成分の含有量の比率は、紫外線吸収剤1重量部に対して、500重量部以下が好ましく、300重量以下がより好ましく、100重量部以下がさらにより好ましく、50重量部以下が特に好ましい。上記範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
【0046】
増粘剤
本発明の外用組成物は増粘剤を含むことができ、これにより、水溶性化合物であるPQQ又はその塩と、通常は脂溶性化合物である紫外線吸収剤との混合性が良好になる。
増粘剤としては、例えば、アクリル酸アクリル共重合体、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、カルボキシビニルポリマーのようなアクリル酸系増粘剤(即ち、(メタ)アクリル酸モノマー及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルモノマーを構成成分としてなるポリマー、コポリマー、又はクロスポリマー);メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースのようなセルロース系増粘剤;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラト硫酸、又はこれらの塩のようなムコ多糖;グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カラギーナン、キサンタンガム、カードランのような増粘多糖類;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリエチレングリコール;ベントナイト;アルギン酸;マクロゴールなどが挙げられる。
【0047】
中でも、アクリル酸系増粘剤が好ましく、アクリル酸アクリル共重合体、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、カルボキシビニルポリマーがより好ましく、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、カルボキシビニルポリマーがさらにより好ましい。
増粘剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0048】
本発明の外用組成物が増粘剤を含む場合のその含有量は、組成物の全量に対して、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、安定性が良く、使用感に優れた製剤を作製できる
また、増粘剤の含有量は、組成物の全量に対して、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1.5重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、安定性が良い製剤を作製できる。
【0049】
pH
本発明の組成物のpHは、2.5以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらにより好ましい。また、9以下が好ましく、8.5以下がより好ましく、8以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、PQQ及びその誘導体又はその塩が安定に保たれる。
【0050】
製剤形態
本発明の外用組成物は、(a)PQQ又はその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を、医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に使用できる、薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体、及び必要に応じて医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に使用できる添加剤と共に混合して、医薬品、医薬部外品、又は化粧品用の外用組成物とすることができる。
【0051】
医薬品用の外用組成物の形態は特に限定されず、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、及びエアゾール剤などが挙げられる。これらの製剤は、第16改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合も、上記の医薬品と同様の形態にすることができる。また、それ以外にも、スティック剤、及び不織布に薬液を含浸させたシート剤等が挙げられる。
【0052】
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合の用途としては具体的には、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、リップクリーム、ボディローション、及びボディークリームのような基礎化粧料;ファウンデーション、口紅、チークカラー、及びアイカラーのようなメークアップ化粧料;並びに洗顔料、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、及びトリートメントのような洗浄用化粧料などが挙げられる。また、これら基礎化粧料、メイクアップ化粧料、及び洗浄用化粧料などの製剤機能を少なくとも2つ以上を1つの製剤にまとめた多機能型製剤も挙げられる。
【0053】
基剤又は担体
医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に使用される、薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体としては、スクワラン、ワセリン、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、及びステアリルアルコールのような高級アルコール;コレステロール、フィトステロール、及びヒドロキシステアリン酸フィトステリルのようなステロール類;ラノリン、オレンジラフィー油、スクワラン、及び馬油のような動物油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアガム、及びアセチル化ヒアルロン酸のような天然高分子誘導体;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、及びアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体のような合成高分子;カラギーナン、アルギン酸、セルロース、グアーガム、クインスシード、デキストラン、ジェランガム、及びヒアルロン酸のような天然高分子;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;エタノール、及びイソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、及びジプロピレングリコールなどの多価アルコール;コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、及びクエン酸などの有機酸;並びに水などの水系基剤などが挙げられる。
【0054】
中でも、多価アルコール、高級アルコール、炭化水素、エステル類、シリコーン油、及び有機酸が好ましく、多価アルコールがより好ましい。多価アルコールの中では、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、及びジプロピレングリコールが好ましく、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びジグリセリンがさらに好ましい。本発明の組成物の好ましい例として、基剤として低級アルコール及び/又は多価アルコールを含む液剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、乳剤、及び軟膏が挙げられる。
【0055】
本発明の外用組成物が水を含む場合のその含有量は、組成物の全量に対して、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらにより好ましい。また、90重量%以下が好ましく、75重量%以下がより好ましく、50重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、使用感が良く、安定性に優れた製剤を作製できる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0056】
添加剤
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に添加される添加剤、例えば、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、香料、及び/又はパール光沢付与剤等を添加することができる。
【0057】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレートのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、及びイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤;リン脂質、サーファクチン、及びサポニンなどの天然界面活性剤;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミドなどの脂肪酸アミドアミン;トリラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、及びジ−2−エチルヘキシルアミンなどのアルキルアミン;並びにステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、及びラウリルヒドロキシスルホベタインなどのベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。
【0058】
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、及び硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、及びコハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウムなど)、並びに有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びトリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
【0059】
防腐剤としては、例えば、デヒドロ酢酸及びその塩、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピル、クロロブタノール、ソルビン酸及びその塩、及びグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0060】
安定化剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、アスコルビン酸及びその塩類、エリソルビン酸及びその塩類、亜硫酸ナトリウム、二硫化硫黄などが挙げられる。
【0061】
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0062】
その他の有効成分
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、PQQ又はその塩以外の薬理活性成分又は生理活性成分を含むことができる。
その他の薬理活性成分又は生理活性成分の具体例としては、例えば、保湿成分、抗炎症成分、抗菌又は殺菌成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、角質軟化成分、及び収斂成分等が挙げられる。
【0063】
保湿成分としては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、及びジグリセリンのような多価アルコール;グルコース、マルトース、及びトレハロースのような糖類;ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、及びキトサンのような高分子化合物;グリシン、及びアスパラギン酸のようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、及びピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、及びリン脂
質のような脂質などが挙げられる。
【0064】
抗炎症成分としては、例えば、植物(例えば、コンフリー)に由来する成分、アラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、塩酸ピリドキシン、サリチル酸又はその誘導体、及びε-アミノカプロン酸などが挙げられる。
【0065】
抗菌又は殺菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、イオウ、レゾルシン、エタノール、塩化ベンゼトニウム、アダパレン、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、グリセリン脂肪酸エステル、塩酸アルキルジアミノグリシン、グルコン酸クロルヘキシジン、パラフェノールスルホン酸亜鉛、及びアゼライン酸等が挙げられる。
【0066】
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、並びにアシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、及びパルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
【0067】
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、及びクレアチン等が挙げられる。
【0068】
角質軟化成分としては、例えば、尿素、サリチル酸、グリコール酸、フルーツ酸、フィチン酸、及びイオウなどが挙げられる。
【0069】
収斂成分としては、例えば、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、メントール、及びエタノールなどが挙げられる。
紫外線防御成分としては、例えば、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物、それらの無機化合物を含水ケイ酸、無水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。
【0070】
PQQ又はその塩以外の有効成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0071】
使用方法
本発明の外用組成物(皮膚外用剤)は、使用対象の皮膚の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、1回当たり適量(例えば、約0.05〜5g)を皮膚に塗布、貼付、又は噴霧などにより適用すればよい。また、PQQ又はその塩の1日使用量が、例えば、約0.0005〜0.05g、好ましくは約0.001〜0.02g、より好ましくは約0.002〜0.01gとなるように組成物を塗布すればよい。また、塗布期間は、特に制限はないが、例えば、約2週間〜6ヶ月、好ましくは約1〜6ヶ月間とすればよい。
本発明の外用組成物は、PQQ又はその塩の生理活性を期待して、種々の皮膚疾患や皮膚トラブルを有する人に好適に使用できる。特に、シワ、タルミを有する人、肌のキメが乱れている人、敏感肌の人が好適な対象となる。また、特に光老化による皮膚トラブルの予防のため、正常な肌を有する人も好適な使用対象となる。
本発明の外用組成物は、紫外線からの皮膚や毛髪の保護、日焼け予防などのための日焼け止め化粧料、紫外線防御用化粧料としても好適に使用することができる。
【0072】
その他
本発明は、(a)PQQ又はその塩、及び(b)紫外線吸収剤を含む組成物(特に、外用組成物)に、(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を添加する、当該組成物の使用感の向上方法、当該組成物のきしみ感又はべたつき感の抑制方法、PQQ又はその塩の光安定性の向上方法、及び当該組成物の粘度変化(例えば粘度低下)の抑制方法(特に、光照射による粘度低下の抑制方法)を包含する。
各成分の種類、各成分の含有量、組成物のpH、組成物の性状などは、上記説明した本発明の外用組成物の場合と同じである。
【実施例】
【0073】
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0074】
(1)使用感評価(きしみ感の評価No.1)
外用組成物の使用感(きしみ感)の評価を行った。
具体的には、表1、表2の組成に従って調製した実施例及び比較例の各外用組成物の米粒大の量を、5名の判定員(平均年齢36歳、女性)の前腕内側部に、塗布し、約3cm四方に指で塗り伸ばした直後のきしみ感をVAS法により評価した。評点は、きしみ感がある場合を評点0とし、きしみ感がない場合を評点100とした。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
結果を表1、表2に示す。
紫外線吸収剤を配合した化粧品は、使用感においてきしみ感を感じやすく使用感が悪いという難点があった。紫外線吸収剤のパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル又はジメチコジエチルベンザルマロネートにPQQ-2Naを配合したところ、それぞれパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネートのみの場合(比較例1、4)よりも、きしみ感が増し、使用感が悪化した(比較例2、5)。しかし、そこに酢酸トコフェロール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、パルミチン酸レチノール、又はテトラヘキシルデカン酸アスコルビルを配合すると、PQQ-2Na添加によるきしみ感増大が抑制されただけでなく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル及びジメチコジエチルベンザルマロネート単独の場合よりもきしみ感が抑えられ、使用感が著しく向上した(実施例1〜7)。
【0078】
(2)使用感評価(きしみ感の評価No.2)
下記表3の組成に従って調製した実施例および比較例の各外用組成物を、「きしみ感の評価No.1」と同じ方法で行い、製剤のきしみ感を評価した。
【表3】
【0079】
結果を表3に示す。
紫外線吸収剤としてジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸−2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、又は2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを用いた場合でも、これら紫外線吸収剤とPQQ-2Naを組合わせた製剤と比較して、パルミチン酸レチノール、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、δ−トコフェロール、コエンザイムQ10、又はベヘニルアルコールを配合した組成物では、きしみ感が抑えられ、使用感が著しく向上した(実施例8〜10)。
【0080】
(3)使用感評価(べたつき感の評価No.1)
外用組成物のべたつき感を評価した。
具体的には、表4、表5の組成に従って調製した実施例及び比較例の各外用組成物の米粒大の量を、5名の判定員(平均年齢36歳、女性)の前腕内側部に塗布し、約3cm四方に指で塗り伸ばした直後のべたつき感をVAS法により評価した。評点は、べたつく場合を評点0とし、べたつかない場合を評点100とした。
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
紫外線吸収剤のような脂溶性の高い成分を配合した化粧品は、べたつきを感じやすく使用感が悪くなるという課題があった。
結果を表4に示す通り、紫外線吸収剤のパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルにPQQ-2Naを配合すると、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルのみの場合(比較例9)よりも、べたつき感が増し、使用感が悪化した(比較例10、比較例11)。しかし、そこにフェノキシエタノール、又は1,2−ヘキサンジオールを配合すると、PQQ-2Na添加によるべたつき感増大が抑制されただけでなく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル単独の場合よりもべたつき感が抑えられ、使用感が著しく向上した(実施例11、12)。
また、結果を表5に示す通り、PQQ-2Naに加えて紫外線吸収剤のジメチコジエチルベンザルマロネートを10重量%配合した組成物(比較例12)に比べて、そこにパルミチン酸レチノールを配合した組成物(実施例13)は、紫外線吸収剤によるべたつきが抑えられ、使用感が著しく優れていた。
【0084】
(4)使用感評価(べたつき感の評価No.2)
下記表6の組成に従って調製した実施例および比較例の各外用組成物を、「きしみ感の評価No.1」と同じ方法で行い、製剤のべたつき感を評価した。
【表6】
【0085】
結果を表6に示す。
PQQ-2Naに加えて、紫外線吸収剤としてジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸−2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、又は2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを用いた組成物(比較例13〜15))に比べて、そこにコエンザイムQ10、ベヘニルアルコール、又はδ−トコフェロールを配合した組成物(実施例14〜16)は、べたつき感が抑えられ、使用感が著しく優れていた。
【0086】
(5)光安定性の評価No.1
外用組成物中のPQQ-2Na又はその塩の光安定性を評価した。
具体的には、表7、表8の組成に従って調製した実施例および比較例の各外用組成物を、ガラス製スクリューバイアル(容量10mL)に2gずつ充填し、サンテスター(機器名:SUNTESTET XLS+)にて積算照射量3万kJ/m
2(765W/m
2×3hr)の光照射を行った後に、HPLCによりPQQ-2Naの残存量を定量した。
さらに以下の式に従により、PQQ残存率を算出した。
PQQ-2Na残存率(%)
=(照射サンプルのPQQ-2Na含有量/未照射サンプルのPQQ-2Na含有量)×100
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
結果を表7、表8に示す。
PQQ-2Naを含む組成物に、紫外線吸収剤であるパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを加えた比較例17に、さらに酢酸トコフェロール、フェノキシエタノール、又はプロピルパラベンを配合することにより、PQQ-2Naの光安定性が著しく向上した(実施例17〜19)。これにより、(a)、(b)、及び(c)の3成分を配合することにより、使用感に優れ、かつPQQ又はその塩の光安定性に優れる製剤となることが確認できた。
【0090】
(6)光安定性の評価No.2
外用組成物中のPQQ-2Na又はその塩の光安定性を評価した。
具体的には、表9に示す組成の実施例および比較例の各外用組成物を調製し、ガラス製スクリューバイアル(容量10mL)に2gずつ充填した。そのサンプルを光安定性試験装置(Light−Tron LT−120 D3CJ型、ナガノ科学株式会社)を用いて、D65ランプを光原として、積算照射量120万lx・hr(5000lx×240時間)の光を照射した。「光安定性の評価No.2」と同じ方法で、HPLCを用いてPQQ-2Naの残存量を測定し、PQQ-2Naの残存率を算出した。
【0091】
【表9】
【0092】
結果を表9に示す。
PQQ-2Naを含む組成物に、紫外線吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを加えた比較例24、及び紫外線吸収剤である2−[−4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステルを加えた比較例25に、それぞれ酢酸トコフェロールを配合することにより、PQQ-2Naの光安定性が著しく向上した(実施例22、及び実施例23)。
【0093】
(7)粘度安定性の評価
外用剤においては、製剤の粘度安定性を保つことが重要となる。そのため、本発明の外用組成物の粘度安定性を評価した。
具体的には、表10に示す各外用組成物を調製し、ガラス製スクリューバイアル(容量30mL)にねじ口の最上部まで充填し、サンテスター(機器名:SUNTEST XLS+)にて積算照射量12万kJ/m
2(365W/m
2×92hr)の光照射を行い、25℃にて恒常化後、回転粘度計(TVB−10H、ローターNo.:H7)にて5rpmにおける粘度を測定し、粘度安定性を以下の式2に従い算出した。
粘度維持率(%)=〔(エージング品の粘度)/(スタート品の粘度)〕×100
【0094】
【表10】
【0095】
結果を表10に示す。パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、及びPQQ-2Naを合わせた処方ると、光照射後において粘度低下が認められた(比較例26)。しかし、そこにメチルパラベンを配合すると、粘度安定性が向上した(実施例24)。
【0096】
以上より、(a)PQQ又はその塩、及び(b)紫外線吸収剤を含有する製剤に、上記(c)成分を添加することにより、使用感が顕著に向上し、PQQ又はその塩の含有量の低下が抑えられ、さらに製剤の粘度低下も抑えられることが分かる。
【0097】
以下の表11〜14に、本発明の外用組成物の処方例を示す。表中の数値の単位は、w/w%である。
【表11】
【0098】
【表12】
【0099】
【表13】
【0100】
【表14】