(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記膨張機と前記凝縮器との間における前記作動媒体の流路と、前記ポンプと前記蒸発器との間における前記作動媒体の流路と、に配置されて、前記膨張機と前記凝縮器との間を流れる前記作動媒体と、前記ポンプと前記蒸発器との間を流れる前記作動媒体と、の間で熱交換を行うレキュペレータを更に備え、
前記冷却熱交換器が、前記レキュペレータと前記リザーブタンクとの間に配置されている、
請求項1〜5の何れか一項に記載のランキンサイクルシステム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Aは、車両(不図示)に搭載されて、蒸発器2、膨張機3、凝縮器4、リザーブタンク5及びポンプ6の順に作動媒体を循環させるランキンサイクルシステムである。
【0022】
蒸発器2は、エンジン7を冷却するためのエンジン冷却水を熱源として作動媒体を蒸発させるものである。
【0023】
膨張機3は、蒸発器2で蒸発された作動媒体を膨張させて発電を行うものである。
【0024】
凝縮器4は、サブラジエータ8により冷却された冷却水を冷熱源として、膨張機3において発電に利用された作動媒体を冷却して凝縮するものである。
【0025】
リザーブタンク5は、凝縮器4で冷却凝縮された作動媒体を貯留するものである。
【0026】
ポンプ6は、リザーブタンク5に貯留されている作動媒体(凝縮器4で凝縮された作動媒体)を圧縮して蒸発器2に送り出すものである。
【0027】
そして、ランキンサイクルシステム1Aには、更に熱音響機関10が取り付けられている。ここで、熱音響機関10について説明する。
【0028】
図2は、シングルループ型の熱音響機関を示す模式図であり、
図3は、ダブルループ型の熱音響機関を示す模式図である。
図2及び
図3に示すように、熱音響機関10は、入力部20と、出力部30と、入力部20と出力部30とを連結する音響管40と、により構成されており、入力部20の温度差により生じる音波エネルギーを用いて出力部30を冷却するものである。
【0029】
入力部20は、高温熱交換器21と、蓄熱器(第一スタック)22と、低温熱交換器23と、をこの順に並べて配置したものである。つまり、入力部20は、高温熱交換器21と低温熱交換器23との間に蓄熱器(第一スタック)22が配置されている。高温熱交換器21の熱源は、特に限定されるものではないが、例えば、排気ガスやEGRガスとすることができる。低温熱交換器23の冷熱源は、特に限定されるものではないが、例えば、エンジンの冷却水や外気(空冷)とすることができる。
【0030】
出力部30は、冷却熱交換器31と、蓄熱器(第二スタック)32と、放熱熱交換器33と、をこの順に並べて配置したものである。つまり、出力部30は、冷却熱交換器31と放熱熱交換器33との間に蓄熱器(第二スタック)32が配置されている。
【0031】
音響管40は、入力部20と出力部30とをループにより連結するものである。
図2に示すように、シングルループ型の熱音響機関10の音響管40は、一つのループにより入力部20と出力部30とを連結した管である。また、
図3に示すように、ダブルループ型の熱音響機関10の音響管40は、入力部20と出力部30とを別のループに連結し、この二つのフープを連結した管である。なお、
図3では、高温熱交換器21、蓄熱器(スタック)22及び低温熱交換器23で構成される入力部20が直列的に複数設けられているが、入力部20の数は特に限定されるものではない。
【0032】
そして、入力部20では、高温熱交換器21と低温熱交換器23との間の温度差が生じると、音響管40に自励振動(音波)が発生し、この発生した音波が音響管40を進行する。一方、出力部30では、音響管40に発生した自励振動(音波)のエネルギーにより冷却熱交換器31の熱が放熱熱交換器33に移動し、冷却熱交換器31が冷却される。
【0033】
そして、
図1に示すように、第1の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Aでは、熱音響機関10の冷却熱交換器31が、膨張機3とリザーブタンク5との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。より詳細には、冷却熱交換器31が、膨張機3と凝縮器4との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。
【0034】
また、熱音響機関10の放熱熱交換器33が、ポンプ6と蒸発器2との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。
【0035】
次に、本実施形態に係るランキンサイクルシステム1Aの動作について説明する。
【0036】
まず、膨張機3から凝縮器4側に送られる高温の作動媒体は、凝縮器4に供給される前に冷却熱交換器31を通る。
【0037】
このとき、熱音響機関10の入力部20では、高温熱交換器21が排気ガスやEGRガス等の熱源により加熱されるとともに、低温熱交換器23がエンジンの冷却水や外気(空冷)等の冷熱源により冷却されることにより、高温熱交換器21と低温熱交換器23との間に温度差が生じる。そして、高温熱交換器21と低温熱交換器23との間の温度差により音響管40に自励振動(音波)が発生し、この発生した音波が音響管40を進行する。すると、熱音響機関10の出力部30では、音響管40に発生した自励振動(音波)のエネルギーにより冷却熱交換器31の熱が放熱熱交換器33に移動する。
【0038】
このため、膨張機3から凝縮器4側に送られる高温の作動媒体は、冷却熱交換器31により冷却されて、凝縮器4に供給される。
【0039】
凝縮器4に供給された作動媒体は、サブラジエータ8により冷却された冷却水等の冷熱源により冷却凝縮されて、リザーブタンク5に貯留される。
【0040】
リザーブタンク5に貯留された作動媒体は、ポンプ6により蒸発器2側に送り出されるが、蒸発器2に供給される前に放熱熱交換器33を通る。
【0041】
このとき、熱音響機関10の出力部30では、音響管40に発生した自励振動(音波)のエネルギーにより冷却熱交換器31の熱が放熱熱交換器33に移動するため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出された低温の作動媒体は、放熱熱交換器33により加熱されて、蒸発器2に供給される。
【0042】
そして、蒸発器2に供給された作動媒体は、エンジン冷却水等の熱源による加熱により蒸発して、膨張機3に供給される。
【0043】
このように、本実施形態に係るランキンサイクルシステム1Aによれば、高温熱交換器21と低温熱交換器23との間の温度差により発生する自励振動(音波)により冷却熱交換器31の熱が放熱熱交換器33に移動する熱音響機関10の熱音響効果により、膨張機3とリザーブタンク5との間の流路を流れる作動媒体の温度が低下する。これにより、凝縮器4の大型化により作動媒体の温度低下を図らなくても、リザーブタンク5に貯留される作動媒体の温度を低下させて、膨張機3の膨張比を高められるため、凝縮器4の大型化を抑制しつつ、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0044】
そして、冷却熱交換器31を、膨張機3と凝縮器4との間における作動媒体の流路に配置することで、凝縮器4入口における作動媒体の温度が低下するため、凝縮器4を小型化することができる。
【0045】
また、放熱熱交換器33を、ポンプ6と蒸発器2との間における作動媒体の流路に配置することで、熱音響機関10の熱音響効果により、ポンプ6と蒸発器2との間の流路を流れる作動媒体の温度を上昇させることができる。これにより、蒸発器2入口における作動媒体の温度が上昇するため、蒸発器2での入熱量を抑制できるので、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、基本的に第1の実施形態(
図1参照)と同様であり、熱音響機関10の放熱熱交換器33の配置のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態と相違する事項のみを説明し、第1の実施形態と同様の説明を省略する。
【0047】
図4は、第2の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図4に示すように、第2の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Bでは、熱音響機関10の放熱熱交換器33が、空冷されている。つまり、放熱熱交換器33が、蒸発器2、膨張機3、凝縮器4、リザーブタンク5及びポンプ6を循環する作動媒体の流路から分離されて、車両の走行風が通過する位置に配置(接続)されている。
【0048】
このため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出された低温の作動媒体は、放熱熱交換器33により加熱されることなく蒸発器2に供給されるが、放熱熱交換器33の温度が、作動媒体の温度によらず常温(外気温)に保持される。
【0049】
このように、第2の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Bによれば、作動媒体の温度によらず放熱熱交換器33の温度が常温に保持されることで、冷却熱交換器31において作動媒体を安定的に冷却することができるため、ランキンサイクルを適切に制御することができる。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、基本的に第1の実施形態(
図1参照)と同様であり、熱音響機関10の冷却熱交換器31の配置のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態と相違する事項のみを説明し、第1の実施形態と同様の説明を省略する。
【0051】
図5は、第3の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図5に示すように、第3の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Cでは、熱音響機関10の冷却熱交換器31が、凝縮器4とリザーブタンク5との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。
【0052】
このため、凝縮器4からリザーブタンク5側に送られる作動媒体は、リザーブタンク5に供給される前に冷却熱交換器31を通る。
【0053】
このとき、熱音響機関10の出力部30では、音響管40に発生した自励振動(音波)のエネルギーにより冷却熱交換器31の熱が放熱熱交換器33に移動するため、凝縮器4からリザーブタンク5側に送られる作動媒体は、冷却熱交換器31により冷却されて、リザーブタンク5に供給される。
【0054】
このように、第3の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Cによれば、低温熱源で制限される凝縮器4出口温度よりもリザーブタンク5入口における作動媒体の温度が十分に低下し、これにより膨張機3の膨張比が高まるため、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0055】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、基本的に第1の実施形態(
図1参照)と同様であり、熱音響機関10の冷却熱交換器31及び放熱熱交換器33の配置のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態と相違する事項のみを説明し、第1の実施形態と同様の説明を省略する。
【0056】
図6は、第4の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図6に示すように、第4の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Dでは、熱音響機関10の冷却熱交換器31が、第3の実施形態(
図5参照)と同様に凝縮器4とリザーブタンク5との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。
【0057】
このため、凝縮器4からリザーブタンク5側に送られる作動媒体は、リザーブタンク5に供給される前に冷却熱交換器31を通るため、冷却熱交換器31により冷却されて、リザーブタンク5に供給される。
【0058】
また、第4の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Dでは、熱音響機関10の放熱熱交換器33が、第2の実施形態(
図4参照)と同様に空冷されている。つまり、放熱熱交換器33が、蒸発器2、膨張機3、凝縮器4、リザーブタンク5及びポンプ6を循環する作動媒体の流路から分離されて、車両の走行風が通過する位置に配置されている。
【0059】
このため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出された低温の作動媒体は、放熱熱交換器33により加熱されることなく蒸発器2に供給されるが、放熱熱交換器33の温度が、作動媒体の温度によらず常温(外気温)に保持される。
【0060】
このように、第4の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Dによれば、冷却熱交換器31を上記の位置に配置することで、低温熱源で制限される凝縮器4出口温度よりもリザーブタンク5入口における作動媒体の温度が十分に低下し、これにより膨張機3の膨張比が高まるため、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0061】
また、放熱熱交換器33を上記の位置に配置することで、作動媒体の温度によらず放熱熱交換器33の温度が常温に保持されることで、冷却熱交換器31において作動媒体を安定的に冷却することができるため、ランキンサイクルを適切に制御することができる。
【0062】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、基本的に第1の実施形態(
図1参照)と同様であり、レキュペレータが追加されている点のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態と相違する事項のみを説明し、第1の実施形態と同様の説明を省略する。
【0063】
図7は、第5の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図7に示すように、第5の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Eでは、作動媒体が流れる流路に、レキュペレータ9が設けられている。
【0064】
レキュペレータ9は、膨張機3の入口側(上流側)の作動媒体と膨張機3の出口側(下流側)の作動媒体との間で熱交換を行う排熱回収装置である。
【0065】
レキュペレータ9は、膨張機3と凝縮器4との間における作動媒体の流路と、ポンプ6と蒸発器2との間における作動媒体の流路と、に配置(接続)されており、膨張機3と凝縮器4との間を流れる前記作動媒体と、ポンプ6と蒸発器2との間を流れる作動媒体と、の間で熱交換を行う。
【0066】
そして、熱音響機関10の冷却熱交換器31は、レキュペレータ9とリザーブタンク5との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。より詳細には、冷却熱交換器31は、レキュペレータ9と凝縮器4との間における作動媒体の流路に配置されている。
【0067】
また、熱音響機関10の放熱熱交換器33は、ポンプ6とレキュペレータ9との間における作動媒体の流路に配置されている。
【0068】
次に、本実施形態に係るランキンサイクルシステム1Eの動作について説明する。
【0069】
まず、膨張機3から凝縮器4側に送られる高温の作動媒体は、凝縮器4に供給される前に、まずレキュペレータ9を通り、次に冷却熱交換器31を通る。
【0070】
レキュペレータ9では、膨張機3と凝縮器4との間を流れる前記作動媒体と、ポンプ6と蒸発器2との間を流れる作動媒体と、の間で熱交換が行われるため、膨張機3から凝縮器4側に送られる高温の作動媒体は、まず、レキュペレータ9により冷却されて、冷却熱交換器31に供給される。
【0071】
また、熱音響機関10では、熱音響効果により冷却熱交換器31の熱が放熱熱交換器33に移動するため、レキュペレータ9により冷却された作動媒体は、更に冷却熱交換器31により冷却されて、凝縮器4に供給される。
【0072】
凝縮器4に供給された作動媒体は、サブラジエータ8により冷却された冷却水等の冷熱源により冷却凝縮され、リザーブタンク5に貯留される。
【0073】
リザーブタンク5に貯留された作動媒体は、ポンプ6により蒸発器2側に送り出されるが、蒸発器2に供給される前に、まず放熱熱交換器33を通り、次にレキュペレータ9を通る。
【0074】
熱音響機関10では、熱音響効果により冷却熱交換器31の熱が放熱熱交換器33に移動するため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出された低温の作動媒体は、放熱熱交換器33により加熱されて、レキュペレータ9に供給される。
【0075】
また、レキュペレータ9では、膨張機3と凝縮器4との間を流れる前記作動媒体と、ポンプ6と蒸発器2との間を流れる作動媒体と、の間で熱交換が行われるため、放熱熱交換器33により加熱された作動媒体は、更にレキュペレータ9により加熱されて、蒸発器2に供給される。
【0076】
そして、蒸発器2に供給された作動媒体は、エンジン冷却水等の熱源による加熱により蒸発して、膨張機3に供給される。
【0077】
このように、本実施形態に係るランキンサイクルシステム1Eによれば、レキュペレータ9を備えることで、膨張機3出口の廃熱を利用して、蒸発器2入口における作動媒体の温度を上昇させるとともに、凝縮器4入口における作動媒体の温度を低下させることができるため、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0078】
また、冷却熱交換器31がレキュペレータ9とリザーブタンク5との間に配置されているため、膨張機3出口圧力を低減することができる。これにより、膨張比が増加するのでランキンサイクルの効率を向上させることができる。
【0079】
そして、冷却熱交換器31をレキュペレータ9と凝縮器4との間における作動媒体の流路に配置することで、凝縮器4入口における作動媒体の温度が低下するため、凝縮器4を小型化することができる。
【0080】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、基本的に第5の実施形態(
図7参照)と同様であり、熱音響機関10の冷却熱交換器31の配置のみ第5の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第5の実施形態と相違する事項のみを説明し、第5の実施形態と同様の説明を省略する。
【0081】
図8は、第6の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図8に示すように、第6の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Fでは、熱音響機関10の冷却熱交換器31が、凝縮器4とリザーブタンク5との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。
【0082】
このため、凝縮器4からリザーブタンク5側に送られる作動媒体は、リザーブタンク5に供給される前に熱音響機関10の冷却熱交換器31を通るため、冷却熱交換器31により冷却されて、リザーブタンク5に供給される。
【0083】
このように、第6の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Fによれば、低温熱源で制限される凝縮器4出口温度よりもリザーブタンク5入口における作動媒体の温度が十分に低下し、これにより膨張機3の膨張比が高まるため、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0084】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、基本的に第5の実施形態(
図7参照)と同様であり、熱音響機関10の放熱熱交換器33の配置のみ第5の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第5の実施形態と相違する事項のみを説明し、第5の実施形態と同様の説明を省略する。
【0085】
図9は、第7の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図9に示すように、第7の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Gでは、熱音響機関10の放熱熱交換器33が、レキュペレータ9と蒸発器2との間における作動媒体の流路に配置されている。
【0086】
このため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出される作動媒体は、蒸発器2に供給される前に、まずレキュペレータ9を通り、次に熱音響機関10の放熱熱交換器33を通るため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出された作動媒体は、レキュペレータ9により加熱され、レキュペレータ9で加熱された作動媒体は、更に放熱熱交換器33により加熱されて、蒸発器2に供給される。
【0087】
このように、第7の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Gによれば、蒸発器2入口における作動媒体の温度が上昇するため、膨張機3の膨張比が高まり、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0088】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態は、基本的に第5の実施形態(
図7参照)と同様であり、熱音響機関10の冷却熱交換器31及び放熱熱交換器33の配置のみ第5の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第5の実施形態と相違する事項のみを説明し、第5の実施形態と同様の説明を省略する。
【0089】
図10は、第8の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図10に示すように、第8の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Hでは、熱音響機関10の冷却熱交換器31が、第6の実施形態(
図8参照)と同様に凝縮器4とリザーブタンク5との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。
【0090】
このため、凝縮器4からリザーブタンク5側に送られる作動媒体は、リザーブタンク5に供給される前に熱音響機関10の冷却熱交換器31を通るため、熱音響機関10の冷却熱交換器31により冷却されて、リザーブタンク5に供給される。
【0091】
また、第8の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Hでは、熱音響機関10の放熱熱交換器33が、第7の実施形態(
図9参照)と同様にレキュペレータ9と蒸発器2との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。
【0092】
このため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出される作動媒体は、蒸発器2に供給される前に、まずレキュペレータ9を通り、次に放熱熱交換器33を通るため、レキュペレータ9により加熱され、レキュペレータ9で加熱された作動媒体は、更に熱音響機関10の放熱熱交換器33により加熱されて、蒸発器2に供給される。
【0093】
このように、第8の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Hによれば、低温熱源で制限される凝縮器4出口温度よりもリザーブタンク5入口における作動媒体の温度が十分に低下し、これにより膨張機3の膨張比が高まるため、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0094】
また、蒸発器2入口における作動媒体の温度が上昇するため、膨張機3の膨張比が高まり、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0095】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。第9の実施形態は、基本的に第5の実施形態(
図7参照)と同様であり、熱音響機関10の放熱熱交換器33の配置のみ第5の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第5の実施形態と相違する事項のみを説明し、第5の実施形態と同様の説明を省略する。
【0096】
図11は、第9の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図11に示すように、第9の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Iでは、熱音響機関10の放熱熱交換器33が、空冷されている。つまり、放熱熱交換器33が、蒸発器2、膨張機3、凝縮器4、リザーブタンク5及びポンプ6を循環する作動媒体の流路から分離されて、車両の走行風が通過する位置に配置されている。
【0097】
このため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出された低温の作動媒体は、熱音響機関10の放熱熱交換器33により加熱されることなく蒸発器2に供給されるが、放熱熱交換器33の温度が、作動媒体の温度によらず常温(外気温)に保持される。
【0098】
このように、第9の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Iによれば、作動媒体の温度によらず放熱熱交換器33の温度が常温に保持されることで、冷却熱交換器31において作動媒体を安定的に冷却することができるため、ランキンサイクルを適切に制御することができる。
【0099】
(第10の実施形態)
次に、第10の実施形態について説明する。第10の実施形態は、基本的に第5の実施形態(
図7参照)と同様であり、熱音響機関10の冷却熱交換器31及び放熱熱交換器33の配置のみ第5の実施形態と相違する。このため、以下の説明では、第5の実施形態と相違する事項のみを説明し、第5の実施形態と同様の説明を省略する。
【0100】
図12は、第10の実施形態に係るランキンサイクルシステムを示す模式図である。
図12に示すように、第10の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Jでは、熱音響機関10の冷却熱交換器31が、第6の実施形態(
図8参照)のように凝縮器4とリザーブタンク5との間における作動媒体の流路に配置(接続)されている。
【0101】
これにより、凝縮器4からリザーブタンク5側に送られる作動媒体は、リザーブタンク5に供給される前に熱音響機関10の冷却熱交換器31を通るため、熱音響機関10の冷却熱交換器31により冷却されて、リザーブタンク5に供給される。
【0102】
また、第10の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Jでは、熱音響機関10の放熱熱交換器33が、第9の実施形態(
図11参照)のように空冷されている。つまり、放熱熱交換器33が、蒸発器2、膨張機3、凝縮器4、リザーブタンク5及びポンプ6を循環する作動媒体の流路から分離されて、車両の走行風が通過する位置に配置されている。
【0103】
このため、ポンプ6から蒸発器2側に送り出された低温の作動媒体は、熱音響機関10の放熱熱交換器33により加熱されることなく蒸発器2に供給されるが、放熱熱交換器33の温度が、作動媒体の温度によらず常温(外気温)に保持される。
【0104】
このように、第10の実施形態に係るランキンサイクルシステム1Jによれば、低温熱源で制限される凝縮器4出口温度よりもリザーブタンク5入口における作動媒体の温度が十分に低下し、これにより膨張機3の膨張比が高まるため、ランキンサイクルの効率を向上することができる。
【0105】
また、作動媒体の温度によらず放熱熱交換器33の温度が常温に保持されることで、冷却熱交換器31において作動媒体を安定的に冷却することができるため、ランキンサイクルを適切に制御することができる。
【0106】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、蒸発器、膨張機、凝縮器、リザーブタンク及びポンプによりランキンサイクルシステムが構成されるものとして説明したが、ランキンサイクルシステムは上記以外の構成を含んでもよい。