【実施例】
【0015】
本発明の乾海苔反転搬送装置及び乾海苔処理ラインの平面図を
図1に、また、従来の海苔製造装置全体の平面図を
図4に示す。
海苔製造装置は、抄き部、脱水部、乾燥室(図示せず)、
図4に示す簀2、簀ホルダー3及び簀2から海苔を剥ぎ取る2箇所の剥ぎ部(図示せず)を有する前処理装置1と、2箇所の剥ぎ部で剥ぎ取られ、搬出コンベア11、12で1枚ずつ送られてくる乾海苔Sを、反転し、検査し、折り畳み、結束する後処理装置9で構成されている。
なお、
図1には前処理装置が示されていないが、従来の海苔製造装置と同様の前処理装置が搬出コンベア11、12の上流側にある。
【0016】
後処理装置9は、前処理装置1の2箇所から搬出コンベア11、12により1枚ずつ送られてくる乾海苔Sを反転して、それぞれ同じ高さで平行に近接して配置される搬送コンベア31、32の上に載せる乾海苔反転搬送装置21、22と、搬送コンベア31、32により送られてくる乾海苔Sを検査し、折り畳み、結束する乾海苔処理ライン10で構成されている。
【0017】
このうち、乾海苔反転搬送装置は、2つの搬出コンベア11、12と、搬出コンベア11より下側に配置され搬出コンベア11と立体的に交差する搬送コンベア31と、搬出コンベア12より下側に配置され搬出コンベア12と立体的に交差する搬送コンベア32と、搬出コンベア11により1枚ずつ送られてくる乾海苔Sを表裏反転し、搬送コンベア31の上に載せる乾海苔反転装置21と、搬出コンベア12により1枚ずつ送られてくる乾海苔Sを表裏反転し、搬送コンベア32の上に載せる乾海苔反転装置22を備えている。
そして、搬送コンベア32は、搬送コンベア31に対して搬出コンベア12の下流側に同じ高さで平行に近接して配置されるとともに搬送コンベア31よりも短く、搬送コンベア31だけが搬送コンベア32より左側に延出している。
また、搬出コンベア12は、搬送コンベア31の上方を通過して立体的に交差しており、乾海苔Sを搬送コンベア32の近傍に配置されている乾海苔反転装置22へ送り込むことができるようになっている。
【0018】
乾海苔反転装置21は、
図2に示すように、搬出コンベア11の先端部に、乾海苔を挟んで送る2つの送出挟持ローラ23、24と水平板25を設け、搬出コンベア11の移送方向(矢印方向)と45度に斜交する水平軸を回転軸とする大径回転ロール26を設けるとともに、大径回転ロール26の上面に小径押えロール27を設けて乾海苔の入口を形成している。
また、大径回転ロール26の背面には乾海苔Sの案内誘導回動ベルト28を接し、大径回転ロール26とその下部前方に設けた小径テンションロールとの間に掛回した回動ベルト(図示せず)との間に乾海苔Sの出口を形成しており、大径回転ロール26の周囲を転回して出口から送り出された乾海苔Sは、搬送コンベア31の上に載り、乾海苔処理ライン10へと搬送される。
なお、この実施例においては、乾海苔反転装置22も乾海苔反転装置21と全く同じ構造のものである。
【0019】
乾海苔処理ライン10は、同じ高さで平行に近接して配置される2つの搬送コンベア31、32により、送られてくる乾海苔Sを一緒に1台又は複数台の検査装置40に通して、乾燥度合、異物の付着、穴の有無及び欠けの有無のうち少なくともいずれか1つについて検査を行い、乾燥が十分でないもの、異物の付着したもの、穴があいているもの、一部が欠けているものを不良品として、検査装置40の一側部に排出するようになっている。
検査装置40から出てきた乾海苔Sの良品は搬出コンベア31、32からW型カウンター50に送られる。
そして、搬出コンベア31から送られてきた乾海苔Sは、W型カウンター50からまっすぐに不揃い排出装置51に運ばれ、折曲げ機61で10枚ずつ折り曲げられた後に、それまでの搬送方向に対して直交する方向に配置された結束機71で10枚×10組が1束として束ねられ、海苔集積機81に束ねられた乾海苔が集積されるようになっている。
また、搬出コンベア32から送られてきた乾海苔Sは、W型カウンター50により搬送方向が90度変えられた上で不揃い排出装置52に運ばれ、折曲げ機62で10枚ずつ折り曲げられた後に、W型カウンターからの搬送方向に対して直交する方向に配置された結束機72で10枚×10組が1束として束ねられ、海苔集積機81に束ねられた乾海苔が集積されるようになっている。
【0020】
実施例の乾海苔反転搬送装置に関する変形例を列記する。
(1)実施例の乾海苔反転搬送装置の乾海苔反転装置21、22は、上側に搬出コンベア、下側に搬送コンベアがあるタイプのものであったが、下側に搬出コンベア、上側に搬送コンベアがあるタイプのものを用いても良い。
そうした場合、搬出コンベア12は、実施例とは逆に搬送コンベア31の下方を通過することとなる。
下側に搬出コンベア11、上側に搬送コンベア31がある乾海苔反転装置を
図3によって簡単に説明すると、搬出コンベア11の先端部に、挿入端プーリ91と第1の小プーリ92を設け、その奥に下部の高さが搬出コンベア11の上面とほぼ同じ高さの大プーリ93を設ける。
また、大プーリ93の奥側には2つの変向プーリ94、95、前斜め上側には排出端プーリ96、前側には第2の小プーリ97を設ける。
そして、第1の小プーリ92、大プーリ93及び第2の小プーリ97の周囲に内側ベルト98を掛け回し、さらに、挿入端プーリ91、2つの変向プーリ94、95、排出端プーリ96及び大プーリ93の周囲に外側ベルト99を掛け回す。
すると、搬出コンベア11の先端部から送り込まれた乾海苔Sは、内側ベルト98と外側ベルト99に挟持されて大プーリ93の周囲を転回し、排出端プーリ96から送り出されて搬送コンベア31の上に載り、乾海苔処理ラインへと搬送される。
(2)実施例の乾海苔反転搬送装置の乾海苔反転装置21、22は、2つとも上側に搬出コンベア、下側に搬送コンベアがあるタイプのものであったが、乾海苔反転装置21を、上側に搬出コンベア、下側に搬送コンベアがあるタイプのもの、乾海苔反転装置22を、下側に搬出コンベア、上側に搬送コンベアがあるタイプのものとしても良い。
そうした場合、少なくとも搬出コンベア11の先端部は搬出コンベア12より高いところに配置される必要があり、搬出コンベア12は、搬送コンベア31の下方を通過することとなる。
(3)実施例の乾海苔反転搬送装置の乾海苔反転装置21、22は、2つとも上側に搬出コンベア、下側に搬送コンベアがあるタイプのものであったが、乾海苔反転装置21を、下側に搬出コンベア、上側に搬送コンベアがあるタイプのもの、乾海苔反転装置22を、上側に搬出コンベア、下側に搬送コンベアがあるタイプのものとしても良い。
そうした場合、少なくとも搬出コンベア11の先端部は搬出コンベア12より低いところに配置される必要があり、搬出コンベア12は、搬送コンベア31の上方を通過することとなる。
(4)実施例における乾海苔反転装置21、22は、
図2のような構造のものであり、上記(1)に記載した変形例における乾海苔反転装置は、
図3のような構造のものであったが、必ずしもこのような構造のものに限らず、上側又は下側から送り込まれた乾海苔を反転し、下側又は上側に送り出せるものであれば、どのような構造のものであっても良い。