特許第6284782号(P6284782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三井化学アグロ株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284782
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】農薬粒剤及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/12 20060101AFI20180215BHJP
   A01N 47/18 20060101ALI20180215BHJP
   A01N 41/06 20060101ALI20180215BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20180215BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20180215BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20180215BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20180215BHJP
   A01N 43/16 20060101ALI20180215BHJP
   A01N 25/26 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   A01N25/12
   A01N47/18 101B
   A01N41/06 B
   A01P7/04
   A01P13/00
   A01P3/00
   A01N25/30
   A01N43/16 C
   A01N25/26
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-33711(P2014-33711)
(22)【出願日】2014年2月25日
(65)【公開番号】特開2015-157783(P2015-157783A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2017年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】303020956
【氏名又は名称】三井化学アグロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(74)【代理人】
【識別番号】100078662
【弁理士】
【氏名又は名称】津国 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100135873
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 圭子
(72)【発明者】
【氏名】石崎 秀治
(72)【発明者】
【氏名】梶野 史恵
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−110605(JP,A)
【文献】 特開2013−035761(JP,A)
【文献】 特開平09−183701(JP,A)
【文献】 特開平08−099803(JP,A)
【文献】 特開2000−239103(JP,A)
【文献】 特開平05−000906(JP,A)
【文献】 特開2002−154901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00−65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点が50℃以上80℃以下のパラフィンワックス、及び固体担体を含有する粒核の表面に、20℃における水溶解度が15ppm以下である農薬活性成分;ポリカルボン酸塩、及びリグニンスルホン酸塩から選択される1種又は2種以上である水溶性高分子;ならびにアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩からなる群から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤を含む被覆有することを特徴とする農薬粒剤。
【請求項2】
農薬活性成分が、クロマフェノジド、エトフェンプロックス、ピリミジフェン、ミルベメクチン、レピメクチン、N−(2−ブロモ−4−(パーフルオロプロパン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−フルオロ−3−(N−メチルベンズアミド)ベンザミド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、フルスルファミド、ペンチオピラド、3−(4,4−ジフルオロ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン−1−イル)キノリン、ピラゾレート、シクロピリモネート、カフェンストロール、及び、ダイムロンからなる群から選択されるいずれか1種以上である請求項1記載の農薬粒剤。
【請求項3】
農薬活性成分が、クロマフェノジド、シクロピリモネート、フルスルファミド、及び、クロラントラニリプロールからなる群から選択されるいずれか1種以上である請求項1記載の農薬粒剤。
【請求項4】
農薬活性成分が、クロマフェノジド、シクロピリモネート、及び、フルスルファミドからなる群から選択されるいずれか1種以上である請求項1記載の農薬粒剤。
【請求項5】
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤の含有量が、農薬粒剤全体の0.05〜5重量%であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の農薬粒剤。
【請求項6】
水溶性高分子の含有量が、農薬粒剤全体の0.05〜5重量%であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の農薬粒剤。
【請求項7】
融点が50℃以上80℃以下のパラフィンワックス、及び固体担体を含有する粒核の表面に、20℃における水溶解度が15ppm以下である農薬活性成分;ポリカルボン酸塩、及びリグニンスルホン酸塩から選択される1種又は2種以上である水溶性高分子;ならびにアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩からなる群から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤を被覆させることを特徴とする農薬粒剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温での保管後も、水難溶性の農薬活性成分の水中溶出性に優れた農薬粒剤に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで作物に悪影響を及ぼす雑草及び病害虫を防除することを目的として、農薬粒剤が広く用いられている。従来、水田用の除草剤では、10a当たり3〜4kgの農薬粒剤を施用していたが、近年の施用省力化の要望に伴い、より低施用量の250g〜1kg施用で効力を発揮するような粒剤が開発されている。またさらに、水稲用農薬としては田植え前の育苗箱に農薬を処理する育苗箱用粒剤や、水田に入らず畔から投げ込んだ場合でも水面に浮かんで広がる水面浮遊性粒剤などの普及が進んできている。
【0003】
これら粒剤の製造方法としては、農薬活性成分と炭酸カルシウムなどの鉱物質微粉等を混合し、水を加えて混練後に押し出し造粒する方法が一般的である。この方法では、農薬活性成分が粒剤内部に鉱物質微粉等とともに練り込まれた状態となるために、特に水難溶性の農薬活性成分では溶出が不十分となり満足な効果が出ない場合がある。
【0004】
これに対し、農薬活性成分を粒核の表面に被覆して製造する方法が知られている。この方法では、農薬活性成分が表面のみに存在するために、農薬活性成分を速やかに溶出させることが可能である。あるいは逆に、特定の接着剤を用いて表面に接着することにより、農薬活性成分をゆっくり溶出させることも可能である。また、これら粒核の内部には、別の農薬活性成分と低融点の疎水性ワックス等を含有させることができ、この農薬活性成分の溶出をワックスの効果により徐放化させることも可能である。
【0005】
このような表面被覆型の粒剤としては、例えば、農薬活性成分を含有する微体又は農薬活性成分自体を水溶性接着剤と水不溶性接着剤との混合物を用いて被覆する粒剤(特許文献1)、特定の粒度分布をもつ固形担体に農薬活性成分及び界面活性剤を担持させてなる粒剤(特許文献2)、農薬活性成分とベントナイトの混合原末を、糖類等を含む水溶液を用いて非崩壊性担体に被覆する粒剤(特許文献3)、農薬活性成分を含む内核粒の表面に、同一の農薬活性成分をそのままか、あるいは固体担体とともに付着させてなる粒剤(特許文献4)、水難溶性の農薬活性成分、ジアルキルスルホサクシネート塩及びリグニンスルホン酸塩からなる粉状組成物を、焼成軽石の粒核に、植物油及び界面活性剤からなる混合物を用いて担持被覆せしめてなる水面浮遊性粒剤(特許文献5)、農薬活性成分(A)を酢酸ビニル樹脂エマルジョンと界面活性剤(A)の混合溶液により粒状担体に被覆して得られる粒核に、農薬活性成分(B)を含む農薬原末組成物を、界面活性剤(B)を含む水溶液によってさらに被覆する粒剤(特許文献6)、水溶性樹脂及び水不溶性熱可塑性樹脂の1種以上を接着剤として、樹脂で被覆された粒状担体に農薬活性成分を被覆してなる粒剤(特許文献7)、水溶性高分子で被覆した焼成軽石の粒核に、水難溶性の農薬活性成分、ジアルキルスルホサクシネート塩を含む粉状組成物を、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いて被覆せしめてなる水面浮遊性粒剤(特許文献8)、第一の農薬活性成分含有層、及びワックス層が中心から層状をなした核顆粒、並びに最外殻層に第二の農薬活性成分含有層を有する粒剤(特許文献9)、農薬活性成分及び結合剤を含有する混合組成物によって粒核を被覆して成る粒状組成物と、農薬活性成分、高分子樹脂、疎水性物質、及びタルク等を含有する混合組成物によって粒核を被覆して成る粒状組成物から成る混合粒剤(特許文献10)、水溶解度が10ppm以下の農薬活性成分を粒剤の外層部に被覆してなる粒剤(特許文献11)等が挙げられる。
【0006】
しかしながら、これらの方法では農薬活性成分の溶出制御が不十分で薬害の原因となったり、逆に効果が不十分となったりする場合があった。特に粒剤中に融点の低い物質を含む場合、高温での保管後に農薬活性成分の溶出が低下しやすいなど満足のいくものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−352701
【特許文献2】特開平5−902
【特許文献3】特開平5−906
【特許文献4】特開平9−132503
【特許文献5】特開平11−315004
【特許文献6】特開2000−186004
【特許文献7】特開2000−191407
【特許文献8】特開2000−319107
【特許文献9】WO2005/089544
【特許文献10】特開2007−176920
【特許文献11】特開2013−35761
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、融点が低い物質を含有する場合においても、高温での保管後も農薬活性成分の水中溶出性が良好な農薬粒剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、農薬粒剤の粒核表面を、農薬活性成分、水溶性高分子及び特定の界面活性剤の組み合わせで被覆することにより、高温での保管後も農薬活性成分の水中溶出性が良好であることを見出して本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0010】
[1]融点が50℃以上80℃以下の物質、及び固体担体を含有する粒核の表面に、20℃における水溶解度が20ppm以下である農薬活性成分;水溶性高分子;ならびにアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤を被覆させることを特徴とする農薬粒剤。
[2]水溶性高分子が、ポリカルボン酸塩及びリグニンスルホン酸塩から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする[1]に記載の農薬粒剤。
[3]融点が50℃以上80℃以下の物質が、パラフィンワックスであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の農薬粒剤。
[4]アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤の含有量が、農薬粒剤全体の0.05〜5重量%であることを特徴とする[1]乃至[3]の何れかに記載の農薬粒剤。
[5]水溶性高分子の含有量が、農薬粒剤全体の0.05〜5重量%であることを特徴とする[1]乃至[4]の何れかに記載の農薬粒剤。
[6]農薬活性成分の20℃における水溶解度が15ppm以下であることを特徴とする[1]乃至[5]の何れかに記載の農薬粒剤。
[7]20℃における水溶解度が15ppm以下である農薬活性成分が、クロマフェノジド、シクロピリモレート、及び、フルスルファミドのいずれか1種以上である[6]に記載の農薬粒剤。
[8]融点が50℃以上80℃以下の物質、及び固体担体を含有する粒核の表面に、20℃における水溶解度が20ppm以下である農薬活性成分;水溶性高分子;ならびにアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤を被覆させることを特徴とする農薬粒剤の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の農薬粒剤は、その被覆層中に、水溶性高分子;ならびにアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤を配合することにより、種々の農薬活性成分の溶出を向上させることが可能である。その結果、農薬活性成分の水に対する溶解性が低い場合であっても、農薬活性成分の効果を十分に発揮させることができる。また、高温で保管した後でも溶出性の低下を抑え、良好な水中溶出性を保持する。さらには、容易な技術で高い製品収率及び高い生産能力を得ることができるため、製造コストを低く抑えることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の農薬粒剤における粒核表面に被覆される農薬活性成分としては、殺生物活性を有し、農園芸用に使用されるものであって、20℃における水溶解度が20ppm以下であれば任意の農薬活性成分を用いることができる。
【0013】
このような農薬活性成分の例として、殺虫剤ではクロマフェノジド、エトフェンプロックス、ピリミジフェン、ミルベメクチン、レピメクチン、N−(2−ブロモ4−(パーフルオロプロパン2−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−フルオロ3−(N−メチルベンズアミド)ベンザミド、イソキサチオン、インドキサカルブ、エチプロール、エチルチオメトン、カルボスルファン、クロラントラニリプロール、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、ジアフェンチウロン、シアントラニリプロール、シクロプロトリン、ジフルベンズロン、シペルメトリン、テブフェノジド、テフルトリン、テフルベンズロン、ビフェントリン、フェンチオン、フェントエート、ブプロフェジン、フラチオカルブ、フルフェノクスロン、フルベンジアミド、ヘキサフルムロン、ベンスルタップ、ベンゾエピン、ベンフラカルブ、メタフルミゾン、ルフェヌロン等が挙げられる。
【0014】
殺菌剤ではフルスルファミド、ペンチオピラド、3−(4,4−ジフルオロ3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン1−イル)キノリン、アゾキシストロビン、カルプロパミド、シアゾファミド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジチアノン、チアジニル、チフルザミド、トリフロキシストロビン、ファモキサドン、フサライド、フルトラニル、プロシミドン、ペンシクロン等が挙げられる。
【0015】
除草剤ではピラゾレート、シクロピリモネート、アニロホス、エスプロカルブ、オキサジクロメホン、カフェンストロール、キザロホップエチル、クミルロン、クロメプロップ、シハロホップブチル、ダイムロン、テニルクロール、ビフェノックス、ピラゾキシフェン、ピリフタリド、ピリブチカルブ、ピラフルフェンエチル、フェントラザミド、フェンメディファム、ブタミホス、フルミオキサジン、プロジアミン、プロピリスルフロン、ブロモブチド、ベンゾフェナップ、ベンゾビシクロン、ペンディメタリン、ペントキサゾン、メフェナセット等が挙げられる。
【0016】
農薬活性成分は通常1種に限定されることはなく、これらを組み合わせて使用してもよい。
【0017】
農薬活性成分として好ましくは、20℃における水溶解度が15ppm以下である農薬活性成分を用いることができる。このような農薬活性成分として具体的には、クロマフェノジド、エトフェンプロックス、ピリミジフェン、ミルベメクチン、レピメクチン、N−(2−ブロモ4−(パーフルオロプロパン2−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−フルオロ3−(N−メチルベンズアミド)ベンザミド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、フルスルファミド、ペンチオピラド、3−(4,4−ジフルオロ3,3−ジメチル3,4−ジヒドロイソキノリン1−イル)キノリン、ピラゾレート、シクロピリモネート、カフェンストロール、ダイムロン等が挙げられる。なかでも、クロマフェノジド、シクロピリモネート、フルスルファミド、クロラントラニリプロール、特にクロマフェノジド、シクロピリモネート、及びフルスルファミドを挙げることができる。
【0018】
さらに、例えば、「農薬ハンドブック2011年版」(財団法人 日本植物防疫協会)、「The Pesticide Manual sixteenth edition」(British Crop Production Council)などの文献に記載されている、20℃における水に対する溶解度が15ppm以下である農薬も本発明の農薬活性成分として使用することができる。これらの農薬活性成分はそれぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0019】
本発明の農薬粒剤における粒核の表面に被覆される農薬活性成分の含有量は、活性成分の物性、適用場面によって適宜決定することができるが、粒剤全体に対して、通常0.05〜5重量%であり、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
【0020】
また必要に応じて、粒核内部に、表面に被覆されるものと同一又は異なる農薬活性成分を、1種又は2種以上含有させることも可能である。
【0021】
本発明の農薬粒剤の粒核に配合される固体担体は、通常の農薬粒剤に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、クレー、珪石、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム、軽石、ケイソウ土、バーミキュライト、パーライト、アタパルジャイト、ホワイトカーボン、木粉、コルク、グルコースやフルクトースなどの単糖類、ラクトースやスクロース等の二糖類、尿素、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等などが挙げられる。通常農薬粉剤や粒剤に利用される、いわゆる増量剤や担体の1種又は2種以上を併用することができる。
【0022】
本発明の農薬粒剤の粒核に配合される固体担体の含有量は、活性成分の物性、適用場面等などによって適宜決定することができるが、農薬粒剤全体に対して、通常30〜99.8重量%であり、好ましくは50〜99.6重量%の範囲である。
【0023】
本発明の農薬粒剤の粒核に配合される融点が50℃以上80℃以下の物質としては、農薬活性成分、石油系ワックス、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、合成系ワックス、高級アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
融点が50℃以上80℃以下の農薬活性成分の例としては、アニロホス、イソプロチオラン、ジメタメトリン、ジメチルビンホスが挙げられる。
【0025】
石油系ワックスの例としては、パラフィンワックス、イソパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0026】
動物系ワックスとしては、ミツロウワックス、牛脂硬化油等が挙げられる。
【0027】
植物系ワックスとしては、木蝋、キャンデリラワックス等が挙げられる。
【0028】
鉱物系ワックスとしては、モンタン酸ワックス、モンタン酸エステルワックス等が挙げられる。
【0029】
合成系ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0030】
高級アルコールとしては、ステアリルアルコールやベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0031】
脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、グリセリンステアレート等のグリセリン脂肪酸エステルやジグリセリンテトラベヘネート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0032】
本発明の農薬粒剤の粒核に配合される融点が50℃以上80℃以下の物質の量は、通常、農薬粒剤に対して0.05〜20重量%であり、好ましくは0.1〜15重量%である。
【0033】
本発明の農薬粒剤の粒核の表面に被覆される水溶性高分子としては、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;可溶性デンプンやアルファ化デンプン等の加工デンプン;ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等のビニル系高分子が挙げられ、好ましくはポリカルボン酸塩及びリグニンスルホン酸塩である。
【0034】
本発明の農薬粒剤の粒核の表面に被覆されるポリカルボン酸塩及びリグニンスルホン酸塩としては、ポリカルボン酸及びリグニンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は種々のアミン塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。
【0035】
本発明の農薬粒剤の粒核の表面に被覆される水溶性高分子の量は、通常、農薬粒剤に対して0.05〜5重量%であり、好ましくは0.1〜2重量%である。また必要に応じて、粒核内部に、表面に被覆されるものと同一又は異なる水溶性高分子を、1種又は2種以上含有させることも可能である。
【0036】
本発明の農薬粒剤の粒核の表面に被覆される界面活性剤の一つであり、ドデシルベンゼンスルホン酸塩に代表されるアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は種々のアミン等塩が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。
【0037】
本発明の農薬粒剤の粒核の表面に被覆される、ラウリル硫酸塩に代表されるアルキル硫酸塩としては、アルキル硫酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は種々のアミン塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。
【0038】
本発明の農薬粒剤の粒核の表面に被覆される、C14〜18α−オレフィンスルホン酸塩に代表されるα−オレフィンスルホン酸塩としては、α−オレフィンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は種々のアミン塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。
【0039】
本発明の農薬粒剤の粒核の表面に被覆される、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤の含有量は、通常、農薬粒剤全体に対して0.05〜5重量%であり、好ましくは0.1〜2重量%である。
【0040】
また本発明に係わる農薬粒剤では、必要に応じて、粒核内部にも、表面に被覆されるものと同一又は異なる更なる界面活性剤を、1種又は2種以上含有させることも可能である。これらは農薬製剤中に含まれる農薬活性成分の溶出速度を微調整するためや、止水効果による農薬活性成分の効果安定化のために使用できる。
【0041】
本発明の農薬粒剤に使用できる更なる界面活性剤としては、農薬製剤に通常使用される非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0042】
例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン性界面活性剤、スルホコハク酸塩、アリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メチルタウリン酸塩、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤及びアルキルベタイン、アミンオキサイド等の両性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種でもよいが、同種のものあるいは異種のものを併用してもよい。本発明におけるこれら界面活性剤の量は、通常、農薬粒剤に対して0.05〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0043】
また、本発明の農薬粒剤には、本発明の目的と効果を損なわない範囲で、酸化防止剤や紫外線吸収剤、帯電防止剤等などの各種添加剤を用いることもできる。
【0044】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤等などが挙げられる。
【0045】
紫外線吸収剤としては、二酸化チタン等などの無機化合物系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾールやベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエート、サリシレート等などの有機化合物系紫外線吸収剤等などが挙げられ、これら酸化防止剤や紫外線吸収剤は農薬活性成分の物理化学的性質によって選択すればよく、またその効果が認められる量を配合すればよい。
【0046】
帯電防止剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等などの無機化合物、リン酸カルシウム系化合物等などが挙げられる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等などのリン酸エステル系界面活性剤も帯電防止剤として使用することができる。尚、該帯電防止剤は必要に応じて使用すればよく、その配合量も本発明の目的と効果を損なわない範囲で、帯電防止効果が認められる量とすればよい。
【0047】
本発明の農薬粒剤には、さらに農薬活性成分を溶解したり、製剤の物理性を改良したりするために、溶剤として、1,2−ジメチル−4−エチルベンゼン、メチルナフタレン、1−フェニル−1−キシリルエタン、1−キシリル−1,3−ジフェニルブタン等などの芳香族炭化水素;ノルマルパラフィン、イソパラフィン、流動パラフィン等などのパラフィン系炭化水素;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジエチルヘキシル、トリメット酸2−エチルヘキシル、トリメット酸トリデシル等などの多塩基酸アルコールエステル;2−エチルヘキサン酸セチル、ヤシ脂肪酸セチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル等などの脂肪酸アルコールエステル;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート等などの多価アルコール脂肪酸エステル;オクチルアルコール、ラウリルアルコール等などの高級アルコール等などを使用してもよい。
【0048】
本発明の農薬粒剤には、固形製剤を水面に浮かせて広がらせ農薬活性成分を水田全体に行き渡らせるために、上記の成分のほか、水面浮遊剤を含有させることができる。水面浮遊剤を配合した本発明の農薬粒剤を、そのまま又は水田投げ込み用製剤にして、例えば額縁処理、水口処理及び投げ込み処理等のように農薬製剤を水田全体に均一に処理せず局所的に処理することができる。用いられる水面浮遊剤は、例えば、発泡シラス、発泡パーライト、発泡軽石及び焼成バーミキュライトのような鉱物質;コルク、木粉及びセルロースのような植物質;発泡スチロールのような発泡合成樹脂;塩ビ粉末のような合成樹脂粉末;プラスチックの中空体(例えば、松本油脂製薬社製、マツモトマイクロスフェアーF30);合成樹脂の粒状物;又はそれらの混合物であり、好ましくはコルク、木粉、発泡シラス、発泡軽石、焼成バーミキュライト、発泡パーライト、発泡合成樹脂、合成樹脂粉末又はプラスチック中空体である。
【0049】
用いられる水面浮遊剤の配合量は、例えば、水面浮遊剤の種類や剤型及び固形製剤の粒度により異なるが、農薬粒剤を水面に浮かせるために十分な量であればよく、通常、農薬粒剤に対して、0.01〜90重量%であり、好適には、0.1〜70重量%であり、より好適には、0.5〜60重量%である。
【0050】
本発明の農薬粒剤には、上述の各成分に加えて、農薬粒剤の水面での拡展をよくするために水面拡展剤を含有することができる。用いられる水面拡展剤としては、前述の非イオン界面活性剤や陰イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤、分子構造中にフッ素原子を含有する界面活性剤、流動パラフィン、ナフテン系及び芳香族系の高沸点溶媒、低粘度のポリブテン、マシン油等の鉱物油類、シリコンオイル、種々の植物油、松脂等の樹脂類等が挙げられる。
【0051】
用いられる水面拡展剤の配合量は、例えば、農薬活性成分の種類と含有量、水面拡展剤の種類とその添加方法及びその他成分の種類と配合量等の製剤処方や剤型によって異なるが、通常、農薬粒剤中に、0.01〜10重量%であり、好適には、0.1〜5重量%であり、より好適には、0.2〜3重量%である。
【0052】
本発明の農薬粒剤には、上述の各成分に加えて、増量剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、安定化剤などに代表される、粒剤に通常配合される添加剤も配合することができる。
【0053】
本発明の農薬粒剤は、以下の方法により調整することができる。
【0054】
まず固体の農薬活性成分は、原体のまま用いることも可能であるが、粒度が粗いと投入地点に濃厚に局在化し、その結果として効力不足や薬害などの不具合が生じる原因となる。従って水溶解度が高いものであっても、通常ある程度微粉砕することが好ましく、特に水溶解度が低いものでは微粉砕しておくことがより好ましい。このため、ハンマーミル、ジェットミル等による乾式粉砕や、必要に応じて界面活性剤及び水等の溶剤を用いたサンドミル、ダイノミル又はアトライターによる湿式粉砕を行い、粉末状乃至液体状プレミックスに調製することができる。液体の農薬活性成分は、通常そのまま用いることも可能であり、あるいは溶剤に溶解又は分散した状態の液体状プレミックス、またあるいは固体担体と混合した粉末状プレミックスを用いることも可能である。
【0055】
本発明における農薬粒剤の製造に関しては、まず固体担体及び融点が50℃以上80℃以下の物質、さらに必要に応じてその他成分を混合し、転動造粒法、攪拌混合造粒法、押し出し造粒法、流動層造粒法、噴霧乾燥造粒法、圧縮造粒法等で粒核を製造する。
【0056】
粒核の粒径は、用途に応じて適宜選択することができるが、例えば0.3〜10mm、好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは0.7〜2mmとすることができる。
【0057】
次に、この粒核に、農薬活性成分あるいは先述の方法により得られた粉末状乃至液体状の農薬活性成分プレミックス;水溶性高分子;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤、さらに必要に応じてその他成分及び溶剤をリボンミキサーやナウターミキサー等の混合機を用いて混合することによって、粒核を被覆する。
【0058】
このようにして得られた粒を必要に応じて乾燥及び篩分することにより、本発明で用いられる農薬粒剤が得られる。農薬粒剤の粒径は、用途に応じて適宜選択することができるが、例えば0.3〜10mm、好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは0.7〜2mmとすることができる。
【実施例】
【0059】
以下に実施例、比較例及び試験例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。尚ここで示す配合割合はすべて重量部とする。
【0060】
(調製例1)
クロマフェノジド原体(20℃における水溶解度1.1ppm)50.0部、ニューコール607−PDE(ポリオキシエチレンスチリル化フェノールリン酸エステル塩、日本乳化剤社製)4.0部、及び水46.0部を混合し、アトライターにて湿式粉砕して、中位径が2.1μmのクロマフェノジドプレミックススラリーを得た。
【0061】
(調製例2)
クロマフェノジド原体をジェットミルにて乾式粉砕して、中位径が3.5μmのクロマフェノジドプレミックス原末を得た。
【0062】
(調製例3)
シクロピリモレート原体(20℃における水溶解度11.9ppm)50.0部、ニューコール607−PDE 4.0部、及び水46.0部を混合し、アトライターにて湿式粉砕して、中位径が2.7μmのシクロピリモレートプレミックススラリーを得た。
【0063】
(調製例4)
フルスルファミド原体(20℃における水溶解度2.9ppm)50.0部、ニューコール607−PDE 4.0部、及び水46.0部を混合し、アトライターにて湿式粉砕して、中位径が3.2μmのフルスルファミドプレミックススラリーを得た。
【0064】
(調製例5)
LUWAX E(モンタン酸エステルワックス、BASF社製、融点76℃)16.0部、カープレックス80−D(ホワイトカーボン、エボニックデグサジャパン社製)3.0部、Sタルク(タルク、日本滑石製錬株式会社製)10.0部、NS#100(炭酸カルシウム、日東粉化工業社製)71.0部を加熱混合し、79℃で粉体の状態で排出した。この粉体を90℃に保持したスクリュー式押出し機(目開き0.8mmのスクリーン)を用いて押し出し造粒した。この造粒物67.0部に、パラフィンワックス150(パラフィンワックス、日本精鑞社製、融点66℃)3.6部、カープレックス80−D 1.0部、NS#100 27.9部を70℃に保持した混合機内で加熱混合し、冷却後にカープレックス80−D 0.5部を加えて混合し、粒核を得た。
【0065】
[実施例1]
クロマフェノジドスラリー2.0部、ジェロポンSC/213(ポリカルボン酸塩、ローディア日華株式会社製)0.5部、ニューカルゲンSX−C(アルキルベンゼンスルホン酸塩、竹本油脂社製)0.5部及び水2.0部を混合し、先述した粒核93.5部に添加し、ナウターミキサーで混合した。さらにカープレックス80−D 1.5部を添加し混合した。40℃にて乾燥後、篩分(篩目開き500〜2360μm)して本発明の農薬粒剤を得た。
【0066】
[実施例2]
実施例1において、ニューカルゲンSX−Cをエマール10PT(アルキル硫酸塩、花王社製)に変えた以外は実施例1と同様にして本発明の農薬粒剤を得た。
【0067】
[実施例3]
実施例1において、ニューカルゲンSX−CをM−3801G(α−オレフィンスルホン酸塩、第一工業製薬社製)に変えた以外は実施例1と同様にして本発明の農薬粒剤を得た。
【0068】
[実施例4]
実施例3において、ジェロポンSC/213をサンエキスP252(リグニンスルホン酸塩、日本製紙ケミカル社製)に変えた以外は実施例3と同様にして本発明の農薬粒剤を得た。
【0069】
[実施例5]
クロマフェノジド原末1.0部、ジェロポンSC/213 0.5部、ニューカルゲンSX−C 0.5部及び水3.0部を混合し、先述した粒核93.5部に添加し、ナウターミキサーで混合し、さらにカープレックス80−D 1.5部を添加し混合した。40℃にて乾燥後、篩分(篩目開き500〜2360μm)して本発明の農薬粒剤を得た。
【0070】
[実施例6]
実施例3において、クロマフェノジドスラリーをシクロピリモレートスラリーに変えた以外は実施例3と同様にして本発明の農薬粒剤を得た。
【0071】
[実施例7]
実施例4において、クロマフェノジドスラリーをフルスルファミドスラリーに変えた以外は実施例4と同様にして本発明の農薬粒剤を得た。
【0072】
[比較例1]
クロマフェノジドスラリー2.0部、ジェロポンSC/213 0.5部、及び水2.5部を混合し、先述した粒核93.5部に添加し、ナウターミキサーで混合した。さらにカープレックス80−D 1.5部を添加し混合した。40℃にて乾燥後、篩分(篩目開き500〜2360μm)して比較例1の農薬粒剤を得た。
【0073】
[比較例2]
比較例1において、ジェロポンSC/213をニューカルゲンSX−Cに変えた以外は比較例1と同様にして比較例2の農薬粒剤を得た。
【0074】
[比較例3]
クロマフェノジドスラリー2.0部、ジェロポンSC/213 0.5部、サンエキスP252 0.5部及び水2.0部を混合し、先述した粒核93.5部に添加し、ナウターミキサーで混合した。さらにカープレックス80−D 1.5部を添加し混合した。40℃にて乾燥後、篩分(篩目開き500〜2360μm)して比較例1の農薬粒剤を得た。
【0075】
[比較例4]
比較例3において、サンエキスP252をニューコール291PG(ジアルキルスルホサクシネート塩、日本乳化剤社製)に変えた以外は比較例3と同様にして比較例4の農薬粒剤を得た。
【0076】
[比較例5]
比較例3において、サンエキスP252をニューカルゲンBX−C(アルキルナフタレンスルホン酸塩、竹本油脂社製)に変えた以外は比較例3と同様にして比較例5の農薬粒剤を得た。
【0077】
[比較例6]
調製例4において、カープレックス80−Dをクロマフェノジド原末に変えた以外は調製例4と同様にして粒核を得た。ジェロポンSC/213 0.5部、ニューカルゲンSX−C 0.5部及び水3.0部を混合し、この粒核94.5部に添加し、ナウターミキサーで混合した。さらにカープレックス80−D 1.5部を添加し混合した。40℃にて乾燥後、篩分(篩目開き500〜2360μm)して比較例6の農薬粒剤を得た。
【0078】
[比較例7]
クロマフェノジド原末 1.0部、ジェロポンSC/213 0.5部、ニューカルゲンSX−C 0.5部、アミコールHF(アルファ化デンプン日澱化学社製)4.0部、ベントナイト穂高(ベントナイト、ホージュン社製)25.0部、NS#100 69.0部を混合し、水15.0部を加えて練合後、スクリュー式押出し機(目開き0.8mmのスクリーン)を用いて押し出し造粒した。60℃にて乾燥後、篩分(篩目開き500〜2360μm)して比較例7の農薬粒剤を得た。
【0079】
[比較例8]
比較例1において、クロマフェノジドスラリーをシクロピリモレートスラリーに変えた以外は比較例1と同様にして比較例8の農薬粒剤を得た。
【0080】
[試験例1](農薬粒剤の溶出試験)
本試験では、実施例1〜7及び比較例1〜8で得られた農薬粒剤の製造直後のものと、54℃の恒温機中に3日間保存したものを用いた。
【0081】
各粒剤40mgを、精製水1000mLを入れたガラス瓶に投入して水中に沈め、25℃下所定時間静置後、全量を濾別し、濾液中の農薬活性成分量をHPLCにて測定した。測定より下記式に基づき溶出率を計算した。
溶出率=(濾液中の農薬活性成分量/粒剤中の農薬活性成分量)×100
【0082】
結果を表1に示した。
【0083】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0084】
水溶解度の低い農薬活性成分を、融点の低い物質を含む粒核の表面に被覆した粒剤においても、水溶性高分子と、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選択されるいずれか1種以上の界面活性剤を用いることにより、高温での保管後も農薬活性成分を速やかに水中へ溶出させ、十分な効果を発揮することが可能となる。