(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
気密性の円筒縦型の容器と、該容器内に縦方向に設けられた回転軸と、該回転軸周りに固定された複数枚の撹拌翼と、該容器内に外気を送るための送気手段と、該容器内に蓄積する内気を容器外部に排出するための排気手段とを備えてなり、前記送気手段により容器内に外気を導入し、前記排気手段により内気を排気しつつ、好気性発酵菌の存在下、前記容器内に該容器上部から投入される有機性廃棄物を前記撹拌翼で撹拌しながら発酵および乾燥させて堆肥化して該容器下部から取り出す廃棄物処理装置であって、
該廃棄物処理装置は、前記容器の円筒外周を少なくとも一部に空間を介して覆うように設置した外部断熱パネルと、前記排気手段からの排気の熱により前記送気手段から容器内に導入される外気を加温する熱交換手段とを有する、前記容器の内容積が15〜45m3の装置であり、
前記外部断熱パネルが、複数の小単位のパネルを連結してなり、前記外部断熱パネルで構成される装置外壁が、前記容器の円筒外周に略外接する四角筒状であり、
前記熱交換手段は、前記装置外壁と前記容器の円筒外周との間で形成される前記四角筒状の角部の空間内に設置された、前記容器から排出された排気が通過する排気通過部と、該排気通過部の中を通して設置された前記容器に導入前の外気が通過する送風配管とから構成され、
前記熱交換手段において、前記送風配管が、前記排気通気部の中を鉛直上下方向に折り返す形で設置されていることを特徴とする廃棄物処理装置。
【背景技術】
【0002】
畜産経営体から排出される家畜排泄物や食品産業事業所などから排出される食品残渣などの有機性廃棄物は、その種類および排出量が近年増大して、その処理が大きな社会的課題となっている。これらの廃棄物を焼却処理する場合、コストが高く、ダイオキシン発生の問題もある。また、埋め立て処理する場合、排気場所の確保や悪臭被害の問題がある。加えて、近年では、食品リサイクル法などの法整備により有機性廃棄物の再利用の促進が求められている。これらの点に鑑みて、有機性廃棄物を堆肥化し、循環資源としてリサイクルすることが行われている。堆肥化する場合でも、食品残渣などの有機性廃棄物は含水量が多いことから、乾燥や発酵が十分でないと、体積および重量が大きく腐敗のおそれもある。
【0003】
このため、近年では、微生物の発酵作用を利用した密閉型発酵乾燥装置(「コンポ」とも呼ぶ)を用いて、有機性廃棄物を乾燥および堆肥化することが行なわれている。このコンポは、投入された廃棄物が外気と接触しにくい密閉縦型構造の堆肥化装置である。
【0004】
例えば、食品残渣の発酵処理装置として、気密性を有する縦型容器に、食品残渣と好気性微生物とを混入して、上記容器内を通気撹拌しながら好気性微生物の作用により食品残渣を発酵させる装置が提案されている(特許文献1参照)。この発酵処理装置では、縦型容器内に立設された回転軸周りに上下複数段の撹拌翼が放射状に延在されており、最下段の撹拌翼の下部に複数の通気孔が穿設され、この通気孔から容器内に通気がなされている。ここで、上記縦型容器は、内層と外層との間に断熱層を有する三層構造の断熱容器とされている。また、排気ブロワや送風ブロワなどの付帯機器は装置外部に設置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような廃棄物処理装置(コンポ)は屋外に設置して使用するものであるため、天候などの外環境の影響を受けやすく、断熱容器を用いる場合でも安定した処理ができないおそれがある。また、コンポは、撹拌翼を利用する内部構造から、その外観形状は単純な円筒縦型のタンク形状とされており、特に外観デザインに対する配慮はなされていない。
【0007】
また、畜産農家などのユーザーにおいて、畜糞などの有機性廃棄物の処理は不要物(塵)の処理であり、廃棄物処理装置では、その導入時のイニシャルコストおよび運転時のランニングコストを可能な限り削減することが望まれている。該装置の付帯機器として、油圧ユニット、送風ブロワ、排気ブロワ、脱臭装置などがあるが、これらを縦型容器とは別体とし、設置場所で組み込むことは、非常に手間であり工期および工費(イニシャルコスト)の増加に繋がる。さらに、断熱面の不安定化は、別途の送風加温用ヒータの継続的な運転を必要とし、ランニングコストの増加に繋がる。
【0008】
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、低コストで外観にも優れ、外環境の影響が少なく安定した処理が可能な廃棄物処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の廃棄物処理装置は、気密性の円筒縦型の容器と、該容器内に縦方向に設けられた回転軸と、該回転軸周りに固定された複数枚の撹拌翼と、該容器内に外気を送るための送気手段と、該容器内に蓄積する内気を容器外部に排出するための排気手段とを備えてなり、上記送気手段により容器内に外気を導入し、上記排気手段により内気を排気しつつ、上記容器内に該容器上部から投入される有機性廃棄物を上記撹拌翼で撹拌しながら発酵および乾燥させて堆肥化して該容器下部から取り出す廃棄物処理装置であって、上記容器の円筒外周を少なくとも一部に空間を介して覆うように設置した外部断熱パネルを有することを特徴とする。
【0010】
上記廃棄物処理装置は、上記排気手段からの排気の熱により上記送気手段から容器内に導入される外気を加温する熱交換手段を有し、上記容器の円筒外周と上記外部断熱パネルとの間の上記空間に該熱交換手段を設置していることを特徴とする。
【0011】
上記外部断熱パネルで構成される装置外壁が、上記容器の円筒外周に略外接する四角筒状であり、上記熱交換手段は、上記装置外壁と上記容器の円筒外周との間で形成される上記四角筒状の角部の空間内に設置された、上記容器から排出された排気が通過する排気通過部と、該排気通過部の中を通して設置された上記容器に導入前の外気が通過する送風配管とから構成されることを特徴とする。
【0012】
上記送気手段と上記排気手段とが、上記装置内部に収容されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の廃棄物処理装置は、気密性の円筒縦型の容器と、該容器内に縦方向に設けられた回転軸と、該回転軸周りに固定された複数枚の撹拌翼と、該容器内に外気を送るための送気手段と、該容器内に蓄積する内気を容器外部に排出するための排気手段とを備えてなり、送気手段により容器内に外気を導入し、排気手段により内気を排気しつつ、容器内に該容器上部から投入される有機性廃棄物を撹拌翼で撹拌しながら発酵および乾燥させて堆肥化して該容器下部から取り出す装置であって、容器の円筒外周を少なくとも一部に空間を介して覆うように設置した外部断熱パネルを有するので、上記空間の空気層により高い断熱効果を有し、屋外に設置する該装置において外環境の影響が少なく安定した処理が可能となる。また、外部断熱パネルの組み合わせにより、単純な円筒縦型形状以外の形状とできるので、外観にも優れる。
【0014】
上記廃棄物処理装置は、排気手段からの排気の熱により送気手段から容器内に導入される外気を加温する熱交換手段を有し、容器の円筒外周と外部断熱パネルとの間の空間に該熱交換手段を設置しているので、余剰空間を利用しつつ、処理物の発酵熱を有効に利用でき、別途送風加温用ヒータが不要であり、ランニングコストを削減できる。
【0015】
上記外部断熱パネルで構成される装置外壁が、容器の円筒外周に略外接する四角筒状であり、熱交換手段は、該装置外壁と容器の円筒外周との間で形成される四角筒状の角部の空間内に設置された、容器から排出された排気が通過する排気通過部と、該排気通過部の中を通して設置された容器に導入前の外気が通過する送風配管とから構成されるので、余剰空間を少なくして装置全体のコンパクト化を図りつつ、その余剰空間を有効に利用して上記同様にランニングコストを削減できる。
【0016】
上記送気手段と上記排気手段とが、上記装置内部に収容されているので、装置全体のコンパクト化が図れる。また、これらを別体として設置場所で組み込む場合と比較して、施行時の工期および工費(イニシャルコスト)を削減できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の廃棄物処理装置の一例を
図1および
図2に基づいて説明する。
図1(a)は廃棄物処理装置の外観を示す斜視図であり、
図1(b)はその平面図である。
図1(a)および(b)に示すように、廃棄物処理装置1は、内部に撹拌翼を設けた円筒縦型の容器2と、該容器2の円筒外周に略外接する四角筒状の装置外壁9とを有する密閉型発酵乾燥装置(コンポ)である。発酵槽である容器2は、それ自体が金属製外層と断熱層とを有する断熱容器であり、かつ、通気孔から導入される以外の外気とは接触しにくい気密性容器である。装置外壁9は、容器2の円筒外周を空間を介して覆うように設置した外部断熱パネル9a〜9dを組み合わせて構成されている。装置外壁9で覆われた容器2の下方に機械室5が一体に設けられている。装置全体の外観形状が、略四角柱状である。容器2と外部断熱パネル9a〜9dとの間の空間の空気層により断熱が図れ、(断熱)容器2との二重断熱構造により、屋外に設置する該装置において外環境の影響が少なく安定した処理が可能となる。
【0019】
外部断熱パネル9a〜9dは、それぞれを更に分解可能な小単位のパネルから構成してもよい。本発明の廃棄物処理装置は、容器2の内容積が15〜45m
3程度である業務用の大型の装置であるため、外部断熱パネルも非常に大きなサイズ(長手方向3m以上)となる。より小単位のパネルから構成することで少人数での施工が可能となる。また、パネル間の連結は、ボルト止めを採用すると製作誤差により穴が合わないなどの可能性がある。このため、ボルト等は利用せず、隣り合うパネル間で嵌合する凹凸形状を設け、これらを嵌合させて施行する方式とすることが好ましい。凹凸形状による嵌合とすることで、施行時のズレを防止でき、断熱性能の低下も抑制できる。
【0020】
図1の廃棄物処理装置の内部構造を
図2に基づいて説明する。
図2は
図1の廃棄物処理装置の縦断面図である。
図2に示すように、この廃棄物処理装置1は、円筒縦型の容器2と、容器2内に縦方向に設けられた回転軸3と、回転軸3周りに固定された複数枚の撹拌翼4と、容器2内への送気手段である送風ブロワ6と、容器2外への排気手段である排気ブロワ7とを備えてなる。最下段の撹拌翼の下部に通気孔4dを有し、送風ブロワ6から送られる外気を、装置内の送風配管(
図3参照)と回転軸内に設けられた導入配管10とを経て、該通気孔より容器内に導入している。容器2の上部に有機性廃棄物の投入口2aと、ガスなどの排気口2cとを有し、底部に堆肥(処理後の有機性廃棄物)の取出口2bを有する。投入口2aや取出口2bには、容器の気密性を確保するための開閉可能な蓋などが設けられている。また、機械室5内に回転軸3の駆動手段である油圧ユニット8と、上述の送風ブロワ6および排気ブロワ7が設けられている。回転軸3は、機械室5内に貫通しており、油圧ユニット8により所定回転数で回転させられる。油圧ユニット8、送風ブロワ6、および排気ブロワ7が、装置内部に収容されて一体化されているので、施行時の工期および工費(イニシャルコスト)を削減できる。
【0021】
本発明の廃棄物処理装置において、処理する有機性廃棄物(以下、単に「廃棄物」または「処理物」ともいう)としては、有機質成分を多く含む、家畜排泄物、食品廃棄物、浄化槽汚泥、またはこれらの混合物が挙げられる。具体的には、家畜排泄物として、鶏糞、豚糞、牛糞、馬糞などが挙げられ、食品廃棄物として生ごみ、食品製造副産物などが挙げられ、浄化槽汚泥として、家庭用浄化槽、食品工場の余剰汚泥浄化槽などから抜き取られる汚泥が挙げられる。また、廃棄物の堆肥化は、容器内において、好気性発酵菌の存在下で送風により通気しながら好気発酵させて行なう。好気性発酵菌としては、30〜90℃程度で活性化する発酵菌が好ましく、例えば、ジオバチスル属やバチルス属などが挙げられる。
【0022】
この装置において、投入口2aから処理物を容器2の内部に投入し、該処理物を容器内で発酵・堆肥化後に容器下部の取出口2bより取り出す。発酵・堆肥化は、最下段の撹拌翼の通気孔4dから外気を導入しつつ各撹拌翼4を低速で回転させて、処理物を通気撹拌し、好気発酵させることで行なう。また、送風により同時に乾燥もされる。最下段の撹拌翼の通気孔4dから容器内に導入された外気は、処理物中を通過しながら上方へ流れ、処理物より生じたガスや水蒸気とともに排気口2cから排気配管(
図3参照)へと送られる。
【0023】
図1(b)に示すように、この形態では、装置外壁9が、容器2の円筒外周に略外接する四角筒状であるので、装置外壁9と容器2の円筒外周との間で形成される四角筒状の角部の4つの空間(A〜D)がある程度の大きさを有する余剰空間となる。この余剰空間を有効利用するため、該部分に排気ブロワ7で送られる排気の熱を利用して送風ブロワ6で容器内に導入される外気を加温する熱交換手段を設けることが好ましい。
【0024】
排気ブロワを利用した排気口からの排気経路、送風ブロワを利用した送風経路、および上記熱交換手段を
図1(b)と
図3(a)〜(d)に基づいて説明する。
図3は、
図1の装置における送風・排気経路を、正面(
図3(a))、右側面(
図3(b))、背面(
図3(c))、左側面(
図3(d))から見た模式図である。図中において、実線矢印が容器内に導入する送風(容器に導入前の外気)の流れであり、2点鎖線矢印が容器内から排出された排気の流れである。送風ブロワ6は送風配管経路の途中に、排気ブロワ7は排気通過部を含む排気配管経路の途中にそれぞれ設置されている。送風ブロワ6の運転により、外気が外気取入口11から送風配管6aに導入され、該外気が送風配管6a内を連続的に送られる。また、排気ブロワ7の運転により、排気が排気口2cから排気配管7aに導入され、該排気が排気配管7a内を連続的に送られる。排気配管7aの途中に、排気が通過・充満している排気通過部7bを有する。送風配管6aは、この排気通過部7bの中を通して設置されている。また、送風配管6aは、排気通過部7b内を極力長い時間通過できるように、一部は鉛直上下方向に折り返す形で設置している。排気配管7aの経路末端に換気扇12を設置し、排気ブロワ7による排気を補助している。排気配管および送風配管は、4つの角部の各空間を順次通過するように連結されている。排気は発酵反応により加温されているので、外気よりも高温(60℃以上)である。排気通過部7bの中に送風配管6aを通すことで、排気の熱が送風配管内の外気に与えられ(熱交換)、外気(送風)を発酵反応に適した温度まで加温することができる。なお、外部断熱パネルにより、排気通過部内の排気の熱が装置外部に逃げることを防止できる。このような構造の熱交換手段により、外部断熱パネルを設けることでできた余剰空間を有効利用しながら、送風加温用のヒータを不要とでき、ランニングコストの大幅な削減が図れる。
【0025】
また、この余剰空間において、排気経路中に水洗脱臭装置やチップ(軽石)脱臭槽などの脱臭手段を設置することができる。このような脱臭手段を設けることで、熱交換手段と同様に上記余剰空間を有効利用しながら、排気の悪臭低減が図れる。
【0026】
図2における撹拌翼4の形状について説明する。撹拌翼4は、容器内おいて回転軸3の下部から上部にかけて所定間隔で離間して複数段の位置で各段に所定枚数設けられている。
図2に示す形態では、段数は5段であり、撹拌翼枚数は、下部から1段目に3枚(うち1枚は図示せず)、2段目に2枚、3段目に1枚、4段目に1枚、5段目に2枚の計9枚が設けられている。撹拌翼4の段数は
図2に示す例に限定されず、少なくとも3段以上の位置に設けることが好ましい。
図2においては、下部から1段目を「下段」、2段目と3段目を「中段」、4段目と5段目を「上段」として分類する。ここで、段数を3段以上で任意の段数とする場合、最上段は必ず「上段」に分類され、最下段は必ず「下段」に分類される。最上段と最下段以外については、少なくとも1段を「中段」とし、残りをその位置に応じて「上段」「中段」「下段」に分類する。なお、「上段」は容器2の縦方向中央位置より上の領域にあり、「下段」は容器2の縦方向中央位置より下の領域にある。
【0027】
また、各段における撹拌翼の枚数についても
図2に示す例に限定されず、少なくとも1枚設ければよい。最下段の撹拌翼(通気孔有)については、全体に対して送風を均一かつ十分に行なうため、3枚以上を円周方向等間隔で設けることが好ましい。なお、撹拌翼は、上段から下段にいくほど掛かる負荷が大きくなり、各撹拌翼においては、主軸に近い部分ほど掛かる負荷が小さくなる。
【0028】
廃棄物(処理物)は、後述するように容器2に満載せずに10〜20%程度の空間の余裕を設けて投入する。撹拌翼4は、容器2の底部から処理物の高さHまでの範囲に配置し、最上段の撹拌翼の位置が処理物の略最上部に位置する。また、最下段の撹拌翼の位置は、容器2の底部から若干上方とし、該底部との間に隙間を設けることが好ましい。また、各段の距離は、この最上段と最下段を基準にして段数に応じて任意に決定できる。撹拌翼の上段(特に最上段)は、処理物を平らにのばし、外気(撹拌翼から導入されたもの)との接触面積を増やすことで、発酵を促進することに供される。中段は、上段にて発酵熱で温度上昇した処理物を積極的に撹拌することに供される。下段(特に最下段)は、撹拌が上段および中段で完結しているため、主に全体に送風を行なうことに供される。
【0029】
全ての撹拌翼4の形状は、回転軸3から容器2の内壁側に向けて直線的に延設されたピッチドパドル形状であり、その回転方向前側に傾斜面を有している。これら撹拌翼4の傾斜面は、該撹拌翼の回転面(水平面)に対して90度未満(鋭角)の傾斜角度で傾斜した平面である。すなわち、回転方向後側方向と傾斜面上側方向とのなす角が90度未満である。撹拌翼が回転するに従い処理物が該傾斜面に沿って乗り上げる形で撹拌される。
【0030】
撹拌翼の形状を
図4に基づいて詳細に説明する。
図4は、
図2における各段における撹拌翼の回転軸方向の断面図である。
図4に示すように、各撹拌翼4は、該撹拌翼の回転面に平行(水平)な底板4bと、底板4bに接合された斜板4aと、底板4bと斜板4aとに接合された断面L字の屈曲板4cとから構成される。斜板4aの外表面(平面)が「撹拌翼の傾斜面」であり、該斜板4aは底板4bにおける回転方向前側に接合されている。なお、撹拌翼の形状は、上述の傾斜面を有していれば、その他の具体的構造は特に
図4に示す形状に限定されない。ただし、最下段の撹拌翼については、上述の外気の導入経路が必要となる。
【0031】
本発明の廃棄物処理装置において、上段のうち最上段の撹拌翼4の傾斜面の傾斜角度θ
1は、60度〜85度が好ましく、60度〜70度がより好ましく、62〜67度がさらに好ましい。下段(最下段を含む)の撹拌翼4の傾斜面の傾斜角度θ
3は、15度〜25度が好ましく、18度〜22度がより好ましい。上段(特に最上段)については、傾斜角度を上記範囲のように高くすることで、処理物を平らにのばしやすくなり、外気との接触面積を増加させることができる。また、処理物の上部であるため撹拌抵抗が小さく、高い傾斜角度でも負荷が大きくなりにくい。一方、下段については、処理物の下部であるため撹拌抵抗が大きいが、傾斜角度を上記範囲のように低くすることで負荷を小さくできる。また、撹拌が上段および中段で完結しているため、傾斜角度を低くして該部分の撹拌性能を低下させても装置全体として十分な撹拌性能を発揮できる。さらに、最下段の撹拌翼の傾斜角度は、該撹拌翼の役割である送風性能に悪影響を与えない。
【0032】
中段の撹拌翼4の傾斜面の傾斜角度θ
2は、35度〜45度が好ましく、38度〜42度がより好ましい。中段は、上段にて発酵熱で温度上昇した処理物を積極的に撹拌することに供される。中段において、下方への流動が多い場合には外気との接触時間や接触量の減少に繋がるが、上記のような傾斜角度を有する撹拌翼とすることで、この下方への流動を極力なくすことができる。また、中段の傾斜角度が大きいほど、撹拌性能は向上するが、負荷は大きくなる。
【0033】
高い処理能力と大幅な悪臭低減などを図れることから、
図2に示す構成(全5段)において、下から、20度(最下段)、40度、40度、40度、65度(最上段)とすることが最も好ましい。
【0034】
各撹拌翼4は、斜板4aと底板4bと屈曲板4cとで囲まれた中空部分4eを有する。最下段の撹拌翼4の中空部分4eが、回転軸3内の導入配管10(
図2参照)に連通し、屈曲板4c下部等に設けられた通気孔4d(貫通孔)までの送風経路を形成している。通気孔4dが設けられる屈曲板4c下部は、回動方向後側に位置するので、処理物による目詰まりが起こりにくい。また、
図2に示す形態では、最下段の撹拌翼のみに通気孔を形成しているが、これに限定されず、例えば、さらに1段上の撹拌翼にも通気孔を形成してもよい。
【0035】
また、通気孔4dは、撹拌翼4の長手方向に複数個設けられており、撹拌翼の長手方向の外側(容器の内壁側)ほどその間隔が段階的に密になるように形成されている。このように通気孔4dを配置することで、容器2の内壁側に寄って設けられた取出口2b(
図2参照)から堆肥を取り出す際に、十分に通気され乾燥された状態で取り出すことができる。
【0036】
本発明の廃棄物処理装置を用いて有機性廃棄物を処理(堆肥化)する具体的な処理手順は、以下のとおりである。
【0037】
(1)まず、廃棄物処理装置に、該装置の内容積に対して10〜20%の空間を残して、廃棄物(処理物)を投入する。10〜20%の空間を残して処理物を投入することにより、処理物の撹拌が十分になされるため、発酵および乾燥が効率よくなされる。
【0038】
(2)処理物を所定条件下で発酵および乾燥する。
運転方法には、「バッチ運転」と「連続運転」との2つの方法がある。
(a)「バッチ運転」の場合、処理物を廃棄物処理装置に投入して、撹拌翼を低速で回転させ、最下段の撹拌翼の通気孔より送風(外気)を導入しながら、5日間程度発酵および乾燥する。この5日間は、取り出しも投入も行なわない。その後、30質量%程度の発酵および乾燥された処理物(堆肥)を装置内に残して、残りの70質量%程度の堆肥を取り出す。取り出された堆肥が製品となる。必要に応じて、これを造粒してもよい。廃棄物処理装置内に残された堆肥は、新たに投入される処理物と共に、先と同条件で撹拌されながら、5日間程度発酵および乾燥されて堆肥となる。
(b)「連続運転」の場合、処理物を廃棄物処理装置に投入して、24時間発酵および乾燥して、運転開始24時間後に20質量%程度の堆肥を取り出す。その後、取り出した分の新たな処理物を投入する。このように、24時間サイクルで処理物投入と堆肥取り出しを繰り返す。
【0039】
いずれの運転の場合においても、廃棄物処理装置を最初に使用するときは、発酵されてこの装置から取り出された前回の堆肥を処理物全体の30質量%程度予め投入しておくことが好ましい。順養化された発酵菌を使用するためである。
【0040】
いずれの運転の場合においても、送風量については、1分当たりの送風量(m
3)を該容器の内容積(m
3)の1/4以上とすることが好ましい。この範囲とすることで、処理量の増加および乾燥時間の短縮が図れ、悪臭物質である低級脂肪酸やアンモニアの発生を抑制し得る。ただし、送風量が多すぎると、処理物を巻き上げて排気配管に詰まるなどのおそれがあるため、上限は該容器の内容積(m
3)の1/2.5程度とすることが好ましい。また、送風圧力については、静圧15kPa以上とすることが好ましい。静圧は、送風ブロワから撹拌翼の通気孔までの送風配管経路に設けた圧力計により測定する。このような高い静圧の送風ブロワを用いて高圧の送風を送ることで、含水率の高い廃棄物を処理する場合にも処理物内を送風が貫通でき、容器の内部全体に十分な送風を行き渡らせることができる。
【0041】
また、撹拌翼の回転数は、処理物の含水率に合わせて調整する。通常、40〜60分で1回転する程度の回転数に調整する。処理物の含水率は、撹拌翼の回転数にも依存し、早すぎる場合または遅すぎる場合のいずれにも該含水率が35%をこえるおそれがある。また、該含水率が35%をこえる場合、容器からの取出しが困難となるおそれがある。