特許第6284789号(P6284789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6284789自動車のための、ブレーキディスクパッドユニットのための電気防食回路、及びキット、並びにその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284789
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】自動車のための、ブレーキディスクパッドユニットのための電気防食回路、及びキット、並びにその方法
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/00 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   F16D65/00 Z
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-46573(P2014-46573)
(22)【出願日】2014年3月10日
(65)【公開番号】特開2014-173734(P2014-173734A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2017年1月26日
(31)【優先権主張番号】TO2013A 000188
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514060514
【氏名又は名称】アイティーティー・イタリア・エス.アール.エル
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】ディエゴ・アドルフォ・サンタマリア・ラゾ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・トラベット
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/140717(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0027212(US,A1)
【文献】 特開2011−189826(JP,A)
【文献】 特開2013−181646(JP,A)
【文献】 特開2007−309052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00−71/04
B60T 15/00−17/22
C23F 13/00−13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のブレーキディスクパッドユニット(2,3)のための、腐食保護能動回路であって、金属ディスク(2)及び前記金属ディスク(2)を選択的に停止させるように適合されたパッド(3)の一方と、直流電源(7)と、前記電源(7)並びに前記ディスク(2)及びパッド(3)の一方と接続可能な導電体(5,6)と、を備え、電流の機能が前記ディスク(2)と前記パッド(3)との間の接触領域内に局地化されるように、前記パッド(3)が前記ディスク(2)を停止させるときに、前記ディスク(2)と前記パッド(3)との間に単極電流束を生じさせる電子回路を形成する、腐食保護能動回路。
【請求項2】
前記ディスク(2)とパッド(3)との間の接触を示す、制御信号(S)に従って前記電流を制御する、制御ユニット(4)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記制御信号(S)は、パーキングブレーキを適用した条件を示すことを特徴とする、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記制御ユニット(4)はタイマー(C)を起動して、単極の間欠的な電圧を前記ディスク(2)及びパッド(3)の前記一方に適用するか、又は前記ディスク(2)とパッド(3)との間に単極の間欠的な電流を生じさせることを特徴とする、請求項2又は3に記載の回路。
【請求項5】
前記制御ユニット(4)によって制御され、開放位置と、前記ディスク(2)が前記電源(7)に電気接続されるように適合された接触位置との間で選択的に移動可能である、作動装置(8)を備えることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の回路。
【請求項6】
前記作動装置(8)が、前記ディスク(2)上の前記パッド(3)により使用される、起動(T)上における接触によって、前記ディスク(2)の周辺部を前記電源(7)と接続させるために、配置される、ことを特徴とする、請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記制御ユニット(4)が、少なくとも1周期に従って、前記単極の間欠的な電圧又は電流を適用し、周期は、電圧又は電流が第1レベルである工程と、電圧又は電流が前記第1レベルよりも高い第2レベルである更なる工程と、を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の回路。
【請求項8】
前記制御ユニット(4)が、1周期が前記電圧又は電流が前記第1レベルにある前記工程を開始するように、単極の間欠的な電圧又は電流を適用することを特徴とする、請求項7に記載の回路。
【請求項9】
前記制御ユニット(4)が、前記更なる工程の前記持続時間が前記工程の持続時間よりも短かくなるように、前記単極の間欠的な電圧又は電流を適用することを特徴とする、請求項7又は8のいずれかに記載の回路。
【請求項10】
前記制御ユニット(4)が、前記周期の前記持続時間が1時間超えて持続するように、単極の、間欠的な電圧又は電流を適用する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の回路。
【請求項11】
前記制御ユニット(4)が、前記パッド(3)の摩擦材料の組成に関する保存されたデータに従って前記第2レベルを選択することにより、単極の間欠的な電圧又は電流を適用する、請求項7〜10のいずれか一項に記載の回路。
【請求項12】
前記第2レベルが、0.5アンペアよりも低いレベルの電流であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の回路。
【請求項13】
前記パッド(3)を備え、前記パッドを接地するか、前記パッド(3)を前記電源(7)に接続するために、導電体(6)を更に備えることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の回路。
【請求項14】
自動車のディスクパッドユニットの能動腐食保護のためのキットであって、
前記ディスク(2)又は前記パッド(3)を電源(7)に接続するか、前記ディスク(2)又は前記パッド(3)を接地するように適合された、導電体(5,6)と、
−電圧又は電流のいずれかを適用することによって、開放位置と、前記ディスク(2)が前記電源(7)に電気的に接続される接触位置との間で選択的に移動可能である、作動装置(8)と、
−制御信号(S)に従って、単極の電圧又は電流を適用し、前記電流の作用が、前記ディスク(2)と前記パッド(3)との間の接触領域に局地化されるようにして、前記パッド(3)が前記ディスク(2)を静止させる際に、前記ディスク(2)と前記パッド(3)との間に電流束を生じさせるように、前記接触位置で前記作動装置(8)を制御する、制御ユニット(4)と、を備える、キット。
【請求項15】
自動車のディスクパッドユニット(3)の能動腐食保護の方法であって、
−ディスク(2)又はパッド(3)と、直流電源(7)との間に電気接触を提供する工程と、
−電流の作用が、前記ディスク(2)と前記パッド[3]との間の前記接触領域において局地化されるように、前記パッド(3)が前記ディスク(2)を静止させるときに前記ディスク(2)と前記パッド(3)との間に単極電流束を生じさせる工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のブレーキディスクパッドユニットの電気防食回路、及び性能向上キット、並びにその保護方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のディスクブレーキシステムは、車両の速度を落とすため、又は駐車中に位置を維持するため、特に、自動車が上り坂及び下り坂で駐車し、運転者が運転席から出るために使用される。
【0003】
駐車中、車両シャーシに固定されたキャリパー又はブレーキシューが自動車のタイヤに固定された回転金属ディスクと接触し、ディスク自体に負荷(好ましくは一定)をもたらす。特に、ディスクブレーキがパーキングブレーキとして機能するとき、湿った又は特に湿潤した環境において、長い、又は更に非常に長い停止において、腐食の電気化学的現象が、特にディスクとパッドとの間の境界において始まることがある。これは、腐食した印象を伴い、これはディスクを損傷する傾向にあり、パッドの摩擦材料とディスク(これは離脱を防ぐことができ、よって駐車位置において車両を静止させる)との間の接着を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
腐食及び接着は、摩擦材料が低い金属容量を有するか、金属を含まない粉末を含まず、大量の熱硬化性ポリマー材料を含む場合により顕著になることが見出された。この欠点は、銅粉末などによる、従来的な摩擦粉末と比較した際に、より環境に優しいことが示されている、ポリマー粉末を含む摩擦金属の使用が、現在の規制により、促進されているために、より顕著に感じられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、ディスクパッドユニットを腐食から保護する回路を提供することである。
【0006】
本発明の目的は、請求項1に記載の回路、請求項14に記載のキット、及び請求項15に記載の方法によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明はここで、添付の図面に関して記載され、これらは、非限定的な実施例の代表を示す。
図1】本発明による、ディスクパッドユニットのための、電気防食回路を概略的に示す。
図2図1の拡大詳細図を示す。
図3図1の回路に適用される、断続的な電圧及び電流を示す。
【0008】
図1は、自動車のブレーキ回路のキャリパーKによって制御された、ディスク2及びパッド3のための、能動電気防食回路を全体的に示す1を備えるものとして例示される。特に、ディスク2及びパッド3は、電気を通す材料から作製され、例えば、ブレーキディスクは金属製であり、パッド3は、金属プレート及び金属プレートに固定された導電性の摩擦層を含む。回路はディスク2及びパッド3の電気防食のための設備を元々備えていない車両に取り付けられるキットとして作製されてもよく、又は自動車の元来の設備として既に備わっていてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態により、電気防食回路1は、ディスク2を電圧源7の陰極に接続するための導電体5、及びディスク2に適用される電圧を制御するための制御ユニット4(いくつかの動作条件において、例えば、キャリパーがディスク2を静止させるとき)を備える。更なる実施形態により、直流電圧源7の陰極は、パッド3に接続され、ディスク2は、接地するか、又は直接電圧源7の負極に接続されるかのいずれかである。パッド3の摩擦材料とディスク2との間の腐食を防ぐための、適切な極性は、摩擦材料自体の組成に依存することが証明された。特に、ディスク2が鋳鉄であるとき、パッド3の支持体は鋼又は鋼合金から成り、腐食を助長するのではなく、防ぐために、支持体に堆積される摩擦材料が鉄、銅、亜鉛、及び真鍮を含む場合(例えば、それぞれ、10、5、2、及び2%)、極性を逆転させて、キャリパーを陰極2に接続する必要がある。全金属粉末の重量の合計比率が、摩擦材料の組成物の重量の約15%を超える場合、このように挙動することが必要であることが見出された。
【0010】
便利なことにまた、他の回路素子は、ディスク2とキャリパー3との間の接触領域における通電を可能にするため、電気接続を有する。例えば、ディスク2が陰極に接続される場合、パッド3は、電池の陽極若しくはシャーシHに電気接続されるか、又は導体6を通じて接地された。パッド3が電気絶縁材料により、その独自のキャリパーに取り付けられるとき、導体6は、好ましくは、パッド3とシャーシH又は電池7との間で接続されるワイヤーである。上記の材料は、例えば、振動又はノイズを低減するために、パッド3の支持体とキャリパーとの間に挿入されるポリマー層である。このポリマー層は、パッド3を車両のシャーシHから電気的に絶縁する。あるいは、導体6は、任意の導電性素子、更には、パッド3をシャーシHに接続するキャリパーKなどの、追加的な機能を備える素子である。更に、パッド3の摩擦材料を構成する粉末混合物の殆どが、黒鉛若しくは金属、又は金属合金から作製された導電性粉末の存在により、電気防食目的の導電体とみなされる。更に具体的に、摩擦材料の層は、その組成により、500オーム超、多くの場合、1000オーム超の電気抵抗を有する導体を画定し、上記電気抵抗は回路1の電流を最適値で均衡させる。上記電気抵抗のレベルは、水への暴露後、例えば、水たまりを横断する後、又は冬に除氷物質で道路が処理されたときに、生じ得る生理食塩水水溶液に暴露された後に、数分〜数十分の様々な持続時間の過渡時の後に、摩擦材料の層によって達成されることがまた証明された。
【0011】
本発明により、制御ユニット4は、タイマーC、ディスク2に適用された電圧、及び便利なことにディスク2−パッド3ユニットを循環する電流を調節する制御装置を含み、かつこれは電流を活性化及び非活性化するために制御信号Sを入力として受け取る。特に、タイマーCは、制御信号Sにしたがって、好適な方法で電圧及び電流を時間測定するか、又はこれを間欠的に時間測定するように構成されている。ディスク2に適用された電圧、又は電流は、単極であり、すなわち、極性が変化せず、好ましくは直流である(すなわち、電池によって生成される、及び/又は過渡時を覗いて一定レベルである)。本発明により、電圧又は電流は、これが可変周波数周期にも従うという意味において、間欠的である(図3)。各周期は、電圧又は電流が第1レベルである少なくとも1つの工程と、電圧又は電流が第1レベルよりも高い第2レベルである少なくとも1つの更なる工程とを有する。好ましくは、自動車電池を好適に備える、電圧源7の充電量を保存するために、電圧又は電流の第1レベルはゼロである。
【0012】
より高い電圧、又は電流の工程の持続時間は、防食効果の有効性を損なうことなく、より低い又はゼロ電圧又は電流工程よりも短いことがあることが証明された。各周期のより高い電圧、又は電流工程の持続時間は、より低い又はゼロ電圧又は電流工程の持続時間よりも、少なくとも3倍長い。良好な結果はまた、比率が10超の周期においても得られた。
【0013】
更に、周期の周波数は、好ましくは低く、1周期/時間未満である。特に、制御ユニット4が制御信号Sを受信するとき、第1周期が好ましくは第1工程において開始する。更に、制御ユニット4は、電池7の充電レベルを示す信号を生成し、電池7の充電レベルが規定の閾値を下回る際に、間欠的な電圧又は電流を自動的に停止してもよい。
【0014】
制御ユニット4はまた、パッド3の摩擦材料の組成、持続時間及び/又は電圧又は電流のレベルとの関係における間欠的な電圧又は電流の周期とそれぞれ関連する、記録されたデータベースにしたがって、電圧又は電流レベルの値をプログラミングすることができる。ディスク2が鋳鉄であり、パッド3の支持体が鉄から作製されている試験において、パッド3の摩擦材料が金属粉末を含まず、黒鉛粉末及び熱硬化性材料を有する場合、摩擦材料がより高い割合の金属粉末、又は金属合金ベースを有する場合に必要とされる電圧又は電流のレベルよりも低いレベルの電圧又は電流で、パッド3とディスク2との間の接着を打ち消す、同様の効果が得られることが証明された。更に、パッド3とディスク2との間の接着に対する同等の保護において、必要とされる電流レベルは、パッド3によって担持される摩擦材料中の金属の重量%と共に増加することが証明された。この点において、防食効果を得るために、ディスク2とパッド3との間の極性を逆転することが必要であり得る。
【0015】
回路1の動作の有効性を示す方法は、ディスク2−パッド3ユニットが、パーキングブレーキの機能に対応し、湿潤の環境条件、場合により侵食性の環境(食塩又は他の物質の溶液)(これは、ディスク2、及びパッド3の摩擦表面とディスク2との間の接着の侵食を起こしやすい)に暴露される、規定の負荷条件において動作する第1工程を含む。第2工程において、ディスク2−パッド3ユニットへの負荷はが解放され、これは好ましくは、ディスク2とパッド3との間における圧力の不在下において、相対回転を得るように、ディスク2とパッド3との間にトルクがかかるように、連続的な方法で測定される。
【0016】
このテストに関連して、他の条件は全て同じとして、相対回転を得るために測定されたトルク係数の最大値を維持するためにディスク2−パッド3ユニットに適用されなくてはならないアンペアで測定される電流のレベルは、パッド3の摩擦層内の金属粉末、又は含まれる金属合金の割合と比例して増加すことがまた示された。
【0017】
鋳鉄ディスク2及び鋼支持体のパッド3の場合においてまた、現在使用され、より高い比率の金属粉末又は金属合金を含む摩擦材料の場合、ディスク2−パッド3ユニットに、0.9アンペア未満、好ましくは0.6アンペア未満の最大レベルを有する間欠的な電流が流れるときに、いずれの場合においても低レベルの離脱トルクが測定されることが、証明された。間欠的な電流の最大レベルは、パッド3の摩擦層が90重量%以上の金属粉末を有する際に、代替的に0.3アンペア未満である。摩擦材料が、金属粉末又は金属合金を含まない場合、腐食に対して適切な割合を確保する電流レベルは、0.1アンペア未満である。試験は、以下の摩擦材料を有するパッドで実行された。
【0018】
A組成物:1%のアラミド繊維、12%のフェノール樹脂、17.6%のクロマイト、6.5%のスズ硫化物、14.4%のバライト、7%酸化アルミニウム、15.5%の黒鉛、20%の鉄、5%の銅、1%のゴム(15%より高い比率の金属粉末);
B組成物:3%アラミド繊維、9.5%フェノール樹脂、15%クロマイト、8%スズ硫化物、23.5%バライト、10%チタンカリウム、4%黒鉛、17%酸化ジルコニウム、4%銅、6%イオン(10%の比率の金属粉末);
C組成物:3%アラミド繊維、10%フェノール樹脂、15%クロマイト、10%スズ硫化物、24%バライト、12%チタンカリウム、6%黒鉛、20%酸化ジルコニウム(金属粉末を有さない組成物);
試験の間に使用されるパッド3の金属プレートの材料は、S275JR(EN10025による)、及びS420MC(EN10149による)と称される。
【0019】
本発明により、制御ユニット4は、例えば、パーキングブレーキの挿入を示し得る制御信号Sにより、間欠的な電流の周期の開始を制御する(すなわち、車両停止時、ユーザーによりキーでエンジンが切られたとき、長い停止の場合にはユーザーが車両内に存在せず、及び/又は車両のドアが閉じられ、ロックされるとき、パッド3がディスク2を静止させる)。パーキングブレーキブレーキのモードは、ユーザーがコックピット内のスイッチを押すことにより手動で直接的に、又はブレーキペダルの作動又は歯車の係合など、ユーザーの動作の結果として自動的に、様々な方法で切り替えることができるパーキングブレーキのモードがオフになると、制御ユニット4は、ディスク2−パッド3ユニットにより、間欠的な電圧又は電流の適用を停止する。
【0020】
図1の実施形態により、回路1はまたディスク2を電池7に選択的に接続するために、作動装置8を含む。作動装置8は、回路1が開く開放位置と、ディスク2が電池7の陰極に接続される接触位置(図2の破線)との間で移動可能であり、したがってディスク2は、電池7の対応する極に選択的に(恒久的にではなく)接続される。例えば、接触位置において、導電体5は、ディスク2又はタイヤPに対して回転可能に固定された別の要素のいずれかと接触し、これは回路1が閉じるときに、ディスク2によって電圧又は電流を適用することができる。ディスク2と導電体5との間の電気接触の点は、ディスク2の周辺部(ここでパッド3の摩擦材料が、使用後、ディスク2に軌道Tを形成する)に便利に配置される。この軌道Tは実際、使用のためにディスク2の比較的清浄な表面であり、したがって電気接触にとって好ましい。
【0021】
好ましくは、作動装置8は、制御ユニット4によって制御され、少なくとも間欠的な電圧又は電流の第1周期の第2工程が開始するときに、ディスク2を電池7の対応する極に接続しなくてはならない。好ましくはディスク2は、制御ユニット4が間欠的な電圧又は電流を中断する信号を受信するまで、作動装置8によって電池7の対応する極に接続されたままである。あるいは、開放位置と接触位置との間及びその反対の切り替えが、それぞれ、間欠的な電圧又は電流の各周期のより高い電圧又は電流工程の開始時及び終了時を規定する。
【0022】
好ましくは、パッド3はむしろ、パッド3がディスク2を静止させる際の、ディスク2とパッド3との間の接触領域を通じて電流が通過し得るように、電池7の他方の極に恒久的に接続される。
【0023】
回路1の動作は以下の通りである。
ディスク2に適用される間欠的な電圧は、例えば、生理食塩水物質を含む可能性がある、水として定義される、侵食性の環境において、ディスク2において生じる腐食反応を、単独で遅らせるか、又は相殺することができる。防食硬化を得るために、ディスク2に達する電荷の量が重要であることが証明された。保護効果は電荷がディスク2に到達する様式により(すなわち、頻度、及び一般的には電荷がディスク2に到達する時間の配分により)、あまり影響されないか、又は影響されない。更に、ディスク2及びパッド3の両方は、電流がディスク2とパッド3の摩擦材料との間の境界面を横断するように誘導されるように、分極される。このようにして、電流の作用は、腐食が最も進む区域に局地化される。
【0024】
直流電源7によって誘起される電荷は、例えば、電気回路の構成要素(すなわち、ディスク2及びパッド3)を大きく悪化させることなく、腐食作用を打ち消す。
【0025】
本発明による回路1の利点は以下の通りである。
ディスク2及びパッド3の両方が電気回路の電極として機能するとき、ディスク2のパッド3に反作用するために最も重要な領域(すなわち、パッド3の摩擦材料とディスク2との間の接触領域)に局地化される。更に、専用の犠牲電極を設け、場合によってモーターの耐用期間中に交換する必要はなく、車両1の耐用期間中に、ディスク2とパッド3との間の境界面に電流が流れる際に、構成要素が顕著に悪化することはない。
【0026】
間欠的な電圧又は電流により、腐食からの保護のために消費される電気は大きく制限され得、したがって電池寿命7を保存する。
【0027】
更に、ディスク2及びパッド3は、回路が、ディスク2を含むことなく、制御ユニット4、導電体5、並びに任意によりパッド3及び/又は作動装置8により得られるように、異なる企業により生産される。
【0028】
同じ目的により、以下の場合に良好な結果が得られることが証明された:
−より高い電流レベルの工程の持続時間が、ゼロ電流又は低い電流レベルの工程の持続時間よりも短い;
−周期の周波数は、過渡時によるエネルギーの消散を避けるために、低い;
−パッド3の摩擦材料の金属粉末、及び金属合金の容量と無関係に0.9アンペア未満であるか、又は摩擦材料が金属粉末及び金属合金を含まない場合に0.1アンペア未満である;
−電流がディスク2及びパッド3に適用されるとき、周期の第1工程は、低い又はゼロのレベルを有し、パッド3の摩擦層によって規定される電気抵抗のレベルを安定化させる。
【0029】
作動装置8は、特に回路1が元々の設備としてではなく、改造部品として設けられる際に使用され得る。加えて、作動装置8により、回路は信頼性が高く、最小限のメンテナンスを必要とし、ディスク2−パッド3が静的である(したがって表面が接触、又は相対運動しない)ときのみ間欠的な電流が流れるために、操作が容易である。
【0030】
最後に、添付の請求項により定義される保護の範囲から逸脱することなく、本明細書において記載及び例示される電気防食回路1に、修正又は変更を行うことが可能であることが明らかである。
【0031】
例えば、特に、回路1が自動車のシステムの元来の装置として提供される場合、ホイールハブは、例えば、導体5に恒久的に又は開放可能に接続された固定子リング、及びディスク2に電気的に接続された固定子リングを含む、導電性回転ベアリングにより(ベアリングリングの間の電気接続は、例えば、回転本体によって得られる)、ディスク2がディスク2の金属及びパッド3の材料によって電池7の対応する電極に接続されるか又は接地するように、特に設計されてもよい。この構成においては、回路1は、制御ユニット4によって制御されるスイッチを含み、制御ユニット4に送信された制御信号Sに従って間欠的な電流が流れ、パッド3が単純に毎回ディスク2に接触しない。
【0032】
回路1が元々の装置として設けられるとき、制御ユニット4は、自動車の制御ユニット、特に自動車の内燃機関(これは、制御信号Sに従って、ディスク2−パッド3を流れる、間欠的な電流を制御する)に組み込まれ得る。
【0033】
ディスク2又はパッド3の、電池7及び電流の陽極又は負極への接続は、ディスク2及びパッド3の大きさ及び材料に依存する。
【0034】
一般的に車両において、電池の陽極は、車両シャーシHによって接地接続される。
有利なことに、電圧又は電流のレベルは、図3に例示されるように、防食作用の全ての適用周期中において、一定である。
【0035】
特に、パッド3の摩擦材料の重量による金属粉末の容量が15%を超えるとき、パッド3を電源7の陰極及びディスク2に接続する必要がある(これは通常、シャーシにより接地しており、電池への接続を必要とせず、またこの場合において、作動装置8の存在は必要ではない)。
【0036】
通常、各キャリパーKは対向するパッド3の一つの対を作動し、回路1は、キャリパーKのパッド3の一方のみ又は両方に適用され得る。
図1
図2
図3