特許第6284828号(P6284828)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284828
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20180215BHJP
【FI】
   H05K7/20 H
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-112337(P2014-112337)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-226047(P2015-226047A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144393
【氏名又は名称】株式会社三社電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090310
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 正俊
(72)【発明者】
【氏名】金子 真幸
【審査官】 久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−164939(JP,A)
【文献】 特開2001−245408(JP,A)
【文献】 特開平11−220280(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0058330(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
G06F 1/20
H02M 3/00 − 3/44
H05K 5/00 − 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防塵領域と、それ以外の開放領域とに区画され、前記防塵領域の一部に第1の開口が設けられ、前記第1の開口を被蓋している蓋板を有する筐体と、
前記筐体の防塵領域内に設けられ、内部に要冷却部品が設けられ、前記第1の開口側に開口した第2の開口を有するヒートシンクと、
前記蓋板に形成された空気流通口と、
前記蓋板の内面に取り付けられ、前記空気流通口を介して流通する空気が通過する空気流通路が内部に形成され、外面の少なくとも一部が前記第2の開口を被蓋している伝熱性の空気流通路形成部とを、
有する電気機器。
【請求項2】
請求項1記載の電気機器において、前記筐体は、一方の側面が開口されて第1の開口とされた直方体状とされ、前記蓋板は、前記第1の開口を被う側板である電気機器。
【請求項3】
請求項1記載の電気機器において、前記筐体内には、前記ヒートシンクとは別のヒートシンクに取り付けられた別の要冷却部品が設けられ、前記ヒートシンク及び前記別のヒートシンクとを冷却するためのファンが前記筐体内に設けられ、前記ファンは、前記筐体内における前記空気流通路形成部の近傍に設けられている電気機器。
【請求項4】
請求項1記載の電気機器において、前記空気流通路形成部は、一端側に前記筐体内で開放領域に連通する第3の開口を有し、前記空気流通口は、前記空気流通路形成部の他端側に形成されている電気機器。
【請求項5】
請求項1記載の電気機器において、前記防塵領域が有する支持板には、前記第2の開口に前記空気流通路形成部の外面の少なくとも一部が挿入可能なように切欠が形成されている電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器に関し、特に、要冷却部品を冷却する冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器、例えば電源装置には、電力半導体素子やこれを制御する回路が使用されており、これらを冷却する必要がある。この冷却構造の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の技術では、筐体の内部に発熱する回路モジュールが配置されている。この回路モジュールは、カバーで覆われ、かつヒートシンクに熱的に接続されている。ヒートシンクは、筐体内に露出されている。ヒートシンクが位置する第1の通風路と、上記のカバーが位置する第2の通風路とに、筐体の内部が仕切られている。筐体にはファンが設けられ、このファンが第1及び第2の通風路内に冷却用空気を流す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−164939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、回路モジュールがカバーで覆われているので、回路モジュールが粉塵に晒されることを防止した上で、回路モジュールを冷却することができる。しかし、カバーの内部に収容されている回路モジュールを保守点検する場合、カバーを外す必要があり、保守点検作業が面倒である。
【0005】
本発明は、要冷却部品が粉塵に晒されることを防止した上で冷却を行いつつ、保守点検も容易に行える電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の電気機器は、筐体を有している。筐体は、防塵領域と、それ以外の開放領域とに区画されている。防塵領域は、例えば、筐体内を仕切る仕切壁と筐体の側板と後述する蓋板とで囲まれているものとすることができる。防塵領域の一部に第1開口が設けられている。開口の形状は、任意であり、例えば矩形、円形等である。この第1開口を蓋板が被蓋している。蓋板は、第1開口に対応する形状である。筐体内の防塵領域内にヒートシンクが設けられている。このヒートシンクの内部には、要冷却部品、例えば電力半導体素子、その制御回路、インダクタ、コンデンサ等が設けられている。このヒートシンクは、筐体本体の第1開口側に開口した第2開口を有している。このヒートシンクは、例えば筐体とは別個に形成した箱型のものを、筐体内の防塵領域に収容することによって構成することができるし、或いは、筐体の内部を、仕切りによって仕切ることによって構成することもできる。前記蓋板に空気流通口が形成されている。空気流通口から空気が流入することも可能であるし、空気が流出することも可能である。前記蓋板の内面に空気流通路形成部が取り付けられている。空気流通路形成部の内部に、前記空気流通口を介して流通する空気が通過する空気流通路が形成され、この空気流路形成部の外面の少なくとも一部が前記第2の開口を被蓋している。空気流通路形成部は、伝熱性の材料によって構成されている。
【0007】
このように構成された電気機器では、筐体内の防塵領域に備えられたヒートシンクの第2の開口は、空気流通路形成部の少なくとも一部によって被蓋されているので、防塵領域内のヒートシンクの内部も防塵構造とされている上に、ヒートシンクの内部の要冷却部品が発生した熱は、空気流通路に伝達される。この空気流通路には、空気流通口を介して空気が流通しているので、要冷却部品が冷却される。また、空気流通路形成部の少なくとも一部がヒートシンクの第2の開口を被っているので、防塵領域及びヒートシンク内の要冷却部品が粉塵に晒されない。しかも空気流通路形成部は、蓋板に設けられているので、蓋板を第1の開口から外すと、筐体内のヒートシンクの第2の開口から空気流通路形成部が外れて、防塵領域とその内部に設けられたヒートシンクが露出される。その結果、単に蓋板を外せば、保守点検が容易に行える。
【0008】
前記筐体は、直方体状に形成することができる。その場合、直方体状の筐体の一方の側面が開口されて第1の開口が形成される。前記蓋板は、第1の開口を被う側壁である。
【0009】
このように構成すると、直方体状の筐体の側壁を外すことによって、保守点検が行えるので、更に保守点検が容易となる。
【0010】
前記筐体内には、前記ヒートシンクとは別のヒートシンクに取り付けられた別の要冷却部品を設けることができる。この場合、前記ヒートシンク及び前記別のヒートシンクとを冷却するためのファンも前記筐体内に設けられる。このファンは、前記筐体内における前記空気流通路形成部の近傍に設けられている。
【0011】
このように構成すると、空気流通路内の圧力損失が大きくても、ファンの作用により冷却用の空気が確実に空気流通路内を流れるため、ヒートシンク内の要冷却部品を冷却することができる。
【0012】
前記空気流通路形成部は、一端側に前記筐体内に連通する第3の開口を有するものとすることができる。この場合、前記空気流通口は、前記空気流通路形成部の他端側に形成されている。
【0013】
このように構成すると、空気流通口を流通する空気は、筐体外部と、第1の開口と空気流通路及び第3の開口からなる経路で開放領域との間を流れるので、ヒートシンクの第2の開口を閉じている空気流通路形成部の蓋に該当する部分も効率よく冷却され、ヒートシンク内の要冷却部品を効率よく冷却することができる。
【0014】
前記防塵領域が有する支持板、例えばヒートシンクの支持板には、前記第2の開口に前記空気流通路形成部の外面の少なくとも一部が挿入可能なように切欠を形成することができる。
【0015】
このように構成すると、切欠が空気流通路形成部の位置決め部材として機能するので、空気流路形成部が第2の開口に密着し、放熱効率を向上させることができる。また、切欠に空気流通路形成部が挿入されるので、側板を閉じると防塵領域と開放領域との間の隙間も塞がれるため、防塵領域内に粉塵が入り込むことがなく、さらにヒートシンク内部も粉塵に晒されることがない、耐環境性のよい電気装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、電気機器が備える要冷却部品が粉塵に晒されることが防止できる上に、要冷却部品の冷却を行うことができ、更に、要冷却部品の保守点検が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態による電気機器の縦断面図である。
図2図1の電気機器の分解斜視図である。
図3図1の電気機器の一部の拡大平面図である。
図4】本発明の第2の実施形態による電気機器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態の電気機器は、例えば溶接機等の電源装置である。この電源装置は、図1及び図2に示すように筐体2を有している。筐体2は、例えば概略直方体に金属によって形成され、上壁4、下壁6、正面壁8、背面壁10及び側壁12、14を有している。側壁14は、枠を残して矩形に除去されて、第1の開口、例えば矩形の側壁開口16が側壁14に形成されている。この側壁開口16を被蓋するように、蓋板、例えば側壁板18が着脱自在に側壁14に取り付けられている。側壁板18は、側壁14と一致する大きさである。
【0019】
図1に示すように、筐体2内における側壁12側に寄った位置に正面壁8と背面壁10とに跨って仕切壁22が配置されている。この仕切壁22は、上壁4と接しているが、下壁6とは接していない。仕切壁22の下部から側壁板18に達する支持板30が水平に設けられている。この支持板30は、図2に示すように正面壁8と背面壁10との間に跨っている。この仕切壁22の背面壁10側の面に、複数、例えば2つのヒートシンク24が上壁4及び下壁6の方向、即ち上下方向に沿って設けられている。これらヒートシンク24には、図示していないが、電源装置において使用する要冷却部品、例えば電力用半導体素子が熱的に結合されている。電力用半導体素子は、例えば仕切壁22のヒートシンク24と反対側の面に取り付けられ、仕切壁22を貫通してヒートシンク24に取り付けられている。ヒートシンク24は、側壁12との間に間隙を有し、ヒートシンク24のうち上部にあるものに対応して、空気流通口26が側壁12に形成されている。これら空気流通口26は、正面壁8及び背面壁10の方向に長く、上下方向に間隔をおいて複数形成されたものを一群として、複数群が正面壁8及び背面壁10の方向、即ち前後方向に沿って側壁12に設けられている。
【0020】
仕切壁22の下部よりも下方に位置するように、送風手段、例えばファン28が図2に示すように、背面壁10に設けられている。このファン28を動作させることによって、図1に細線で示すように、空気流通口26から筐体2内に導入された空気がヒートシンク24を通り、筐体2内を後方に向かって進行し、ファン28によって筐体2の外部に放出される。空気がヒートシンク24を通ることにより、ヒートシンク24に取り付けられている電力半導体素子等が冷却される。
【0021】
仕切壁22のヒートシンク24と反対側の面には、図示していないが、電力用半導体素子以外の電源装置の部品が取り付けられている。
【0022】
また、この支持板30上に、ヒートシンク32が取り付けられている。ヒートシンク32は、仕切壁22と間隔をおいて位置し、また側壁14の側壁開口16とも間隔をおいて位置している。ヒートシンク32は、内部が空洞の例えば縦長の箱型のもので、側壁14に面した面が第2の開口、例えば矩形開口34として開口している。
【0023】
このヒートシンク32は、図3に拡大して示すように正面壁8に設けたL形アングル36の水平部分に上下方向に設けた回転軸体、例えばボルト38の回りに回転自在とされている。従って、側壁16側にボルト38の回りにヒートシンク32は、図3に矢印で示すように90度回転可能である。仕切壁22上に設けられ、ヒートシンク32によって隠された部分に設けられた部品の保守点検は、ヒートシンク32を回転させることによって容易に行える。なお、符号40で示したものは、ヒートシンク32に対するストッパで、仕切壁22に設けられている。
【0024】
図1に示すように、矩形開口34と対向するヒートシンク32内の壁に、基板42が取り付けられている。基板42には、要冷却部品、例えば電力用半導体素子の制御回路を構成する集積回路等の部品が配置されている。これら部品は矩形開口34から突出することなく、ヒートシンク32内にある。これら部品は、粉塵等に晒されることを避けたいものである。この基板42上の部品に対しての筐体2の外部からの保守点検は、矩形開口34及び側壁開口16を通じて行うことができる。
【0025】
側壁板18の内面には、空気流通路形成部44が設けられている、この空気流通路形成部44は、側壁開口16を覆うように側壁14に側壁板18を取り付けた状態において、ヒートシンク32の矩形開口34を完全に覆うように側壁14の内面から離れて位置する矩形状の蓋部、例えば蓋背壁46を有している。この背壁46によって、ヒートシンク32は密閉されている。この蓋背壁46の両長手縁から側壁板14の内面にまで伸びる矩形の蓋側壁48、50が設けられ、蓋背壁46の上縁から側壁板14の内面に伸びる矩形の蓋上壁52が設けられている。蓋背壁46、蓋側壁48、50、蓋上壁52及び側壁板18によって囲われた空間は、その下方が筐体2内に開放された第3の開口、例えば下部開口47を有する直方体状の空気流通路とされている。これら蓋背壁46、蓋側壁48、50及び蓋上壁52は、伝熱性材、例えば金属によって一体に形成され、蓋上壁52、蓋側壁48、50の側壁板18の内面に接する縁が、例えば溶接によって側壁板18に固定されている。従って、空気流通路形成部44は、側壁板16と共に移動する。
【0026】
蓋背壁46の上部側に対応する側壁板18の位置には、空気流通路形成部44によって形成された空気流通路の上部に位置するように、複数の空気流通口54が上下方向に沿って間隔をおいて形成されている。上述したファン28は、実際には図1に示すように空気流路形成部44の下部開口47の近傍に配置されている。従って、ファン28が駆動されると、図1に細線で示すように、空気流通口54から空気が導入され、蓋背壁46の上部側から下部側に流れ、下部開口47から筐体2内に流入し、ファン28によって筐体の外部に排出される。このとき、ヒートシンク32内の基板42上の部品が発生した熱は、蓋背壁46に伝熱されており、上記の空気の流れに晒されているので、ヒートシンク32内の基板42上の部品は、冷却される。このファン28が空気流通路形成部44に近い位置に設けられているので、空気流路形成部の圧力損失が大きくても確実に蓋背壁46を上から下に向かって空気が流れ、良好にヒートシンク32内の部品を冷却することができる。
【0027】
図2に示すように、支持板30の矩形開口16側の縁には、切り込み56が形成されている。この切り込み56は、側壁板18が側壁開口16を閉じるように側壁14に取り付けられたとき、空気流路形成部44の蓋背壁46及び蓋側壁48が挿入されてヒートシンク32の矩形開口34に密着するように切り込み量及び切り込み幅が決定されており、空気流路形成部44のヒートシンク32に対する位置決め部として機能している。切り込み56に空気流路形成部44の一部が挿入されるので側壁板18を閉じると、側壁14と上壁4と仕切壁22と支持板30と正面壁8と背面壁10で囲まれた領域には粉塵に晒されない防塵領域が形成される。空気流路形成部44の支持板30の下部に第3の開口、例えば空気孔47が形成され、空気流路形成部44が開放領域に連通している。従って、ファン28によって流れる空気は空気流通口54から第3の開口47を通って、ファン28から抜けるように流れる為、1つのファン28で防塵領域と開放領域の両方に冷却空気を流す事ができる。
【0028】
図1及び図2では省略したが、ヒートシンク32の上部や支持板30の下部にも、電源装置の他の部品が配置されている。
【0029】
このように構成した電源装置では、上述したようにファン28を駆動することによって、ヒートシンク24に設けられた電力用半導体素子が冷却され、かつヒートシンク32内の基板42上の部品も冷却される。側壁板18と側壁14と上壁4と仕切壁22と支持板30と正面壁8と背面壁10で囲まれた領域は粉塵に晒されない防塵領域が形成される。更に、空気流通路形成部44の蓋背壁46によって、ヒートシンク32は密閉されているので、粉塵等がヒートシンク32内に侵入しない。また、空気流通路形成部44は側壁板18の内面に設けられているので、側壁板18を取り外すと、ヒートシンク32の矩形開口34が側壁開口16側に表れ、ヒートシンク32内の部品の保守点検が筐体2の外部から容易に行える。特に、筐体2の側壁板18を外すことによって保守点検が行えるので、例えば上壁4を取り外して保守点検を行う場合よりも、容易に行える。また、ヒートシンク32は、ボルト38の回りに回転自在であるので、ヒートシンク32をボルト38の回りに回転させることによって、ヒートシンク32の後方にある部品の保守点検も容易に行える。また、側壁板18を側壁開口16に取り付ける際、切り込み56に空気流通路形成部44が挿入されるので、空気流通路形成部44の蓋背壁46によって確実にヒートシンク32の矩形開口34を密閉することができ、粉塵等がヒートシンク32内に侵入しにくくすることができる。
【0030】
本発明の第2の実施形態の電源装置を図4に示す。この実施形態の電源装置では、支持板30と仕切板22とにそれぞれ接触し、かつ上壁4まで到達する長さを有する2つの側壁58を正面壁8及び背面壁10方向に間隔をおいて配置してヒートシンク32aを形成してある。無論、側壁開口16側に、このヒートシンク60は矩形開口を有している。この矩形開口を完全に被うように、即ち上壁4から支持板30より幾分下方まで到達する長さの背壁46aを空気流通路形成部44aが有している。空気流通路形成部44aの蓋上壁52aは上壁4に接触している。蓋背壁46と蓋上壁52aとに接触するように空気流通路形成部44aの蓋側壁48a、50aが形成されている。なお、側壁板18に形成されている空気流通口54の数は、蓋背壁46aの長さが伸びたことに対応して増大させてあるし、枠状の側壁14も完全に除去されている。他の構成は、第1の実施形態の電源装置と同一であるので、同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。この電源装置も、第1の実施形態の電源装置と同様に動作する。
【0031】
上記の両実施形態では、本発明を電源装置に実施したが、これに限ったものではなく、要冷却部品を使用する電気機器であれば、他のもの、例えば電力機器やデスクトップ型のパーソナルコンピュータにも実施することができる。上記の両実施形態では、第1の開口は筐体2の側壁に形成したが、これに限ったものではなく、例えば上壁または背面壁に形成することもできる。上記の両実施形態では、筐体2は直方体状のものを使用したが、これに限ったものではなく、例えば円柱状のものや多角柱状のものを使用することもできる。上記の両実施形態では、ヒートシンク24を設けて、ヒートシンク32内以外の部品も冷却するように構成したが、ヒートシンク32内のみに要冷却部品を配置するように使用することもある。
【0032】
第1の実施形態では、側壁板18と側壁14と上壁4と仕切壁22と支持板30と正面壁8と背面壁10とで防塵領域を形成したが、これらの使用に限らず、筐体内に配置可能な他のものを使用して防塵領域を形成することもできる。また、第1の実施形態では、ヒートシンク32に矩形開口34を有する縦長の箱型のものを使用したが、これに限ったものではなく、例えば円形の開口を有する円柱状のものや、三角形や五角形等の多角形状の開口を有する角柱状のものを使用することもできる。この場合、開口が側壁開口16側を向くように、箱型以外のヒートシンクも配置する。またヒートシンク32は、支持板30と別個に形成したが、ヒートシンク32をボルト38の回りに回転させる必要が無い場合には、支持板30の一部をヒートシンク32の一部として使用することもできる。また、空気流通路形成部44は、その蓋背壁46全域がヒートシンク32の矩形開口34を覆うように構成したが、空気流通路形成部44の長さ寸法を更に大きくし、蓋上壁52が筐体2の上壁4に近づくようにした上で、蓋背壁46の一部が矩形開口34を密閉するように構成することもできる。また通路形成部44の蓋上壁52を背壁46側から側壁板18側に向かって斜め上方に傾斜した傾斜上壁とすることもできるし、蓋側壁48を蓋背壁46から側壁板18側に向かうに従って正面壁8に近づくように傾斜させ、蓋側壁50を蓋背壁46から側壁板18側に向かうに従って背壁10に近づくように傾斜させることもできる。
【符号の説明】
【0033】
2 筐体
16 側壁開口(第1の開口)
18 側壁板(蓋板)
32 ヒートシンク
34 矩形開口(第2の開口)
44 空気流通路形成部
54 空気流通口
図1
図2
図3
図4