(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284872
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】エレベータの点検システム及びエレベータの点検方法
(51)【国際特許分類】
B66B 5/00 20060101AFI20180215BHJP
B66B 13/26 20060101ALI20180215BHJP
B66B 5/02 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
B66B5/00 G
B66B13/26 B
B66B13/26 H
B66B5/02 X
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-217476(P2014-217476)
(22)【出願日】2014年10月24日
(65)【公開番号】特開2016-84210(P2016-84210A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2017年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】厚沢 輝佳
(72)【発明者】
【氏名】川崎 勝
(72)【発明者】
【氏名】吉元 慎治
(72)【発明者】
【氏名】金 政和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 晶裕
【審査官】
三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−130193(JP,A)
【文献】
特開平11−071079(JP,A)
【文献】
特開2009−107769(JP,A)
【文献】
特開平09−240945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00− 5/28
B66B 13/00−13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエレベータ装置と、前記複数のエレベータ装置に通信網を介して接続された管理装置と、を備えたエレベータの点検システムにおいて、
前記複数のエレベータ装置のそれぞれは、開閉ドアを有するエレベータかごと、前記開閉ドアによる挟まれ防止のために設けられた接触方式の第1の検出器と、前記開閉ドアによる挟まれ防止のために設けられた非接触方式の第2の検出器と、前記第1の検出器及び第2の検出器の検出動作を基づいて前記開閉ドアを反転させて開閉ドアに挟まれないように動作制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記第1の検出器及び前記第2の検出器による検出動作の動作履歴を記録する第1・第2の検出器動作履歴記録手段と、前記第1の検出器及び前記第2の検出器による検出動作が所定期間に亘って有りか無しかを判定する第1・第2の検出器動作期間判定手段と、を有し、
前記管理装置は、前記第1・第2の検出器動作期間判定手段の判定で、前記非接触方式の第2の検出器による検出動作が有りで且つ前記接触方式の第1の検出器による検出動作が無しの場合の判定結果を前記制御装置から受けることによって、前記第1の検出器に対する点検計画日時を作成する点検計画手段と、該当するエレベータ装置に点検指示を行う点検計画指示手段と、を有する
ことを特徴とするエレベータの点検システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記管理装置は、前記第1・第2の検出器動作期間判定手段の判定で、前記非接触方式の第2の検出器による検出動作が有りで且つ前記接触方式の第1の検出器による検出動作が有りの場合の判定結果を前記制御装置から受けることによって、前記点検計画手段は点検計画日時を作成せず、前記点検計画指示手段は該当するエレベータ装置に点検指示を行わない
ことを特徴とするエレベータの点検システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記管理装置は、前記非接触方式の第2の検出器による検出動作が有りの場合に代えて、前記第2の検出器による検出動作が無しの場合には、前記接触方式の第1の検出器による検出動作の如何に拘わらず、前記第2の検出器による検出動作が無しの情報を前記制御装置から受けることによって、前記点検計画手段は点検計画日時を即日にし、前記点検計画指示手段は該当するエレベータ装置に即日の点検指示を行う
ことを特徴とするエレベータの点検システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つの請求項において、
前記接触方式の第1の検出器はセーフティーシューを用いたものであり、前記非接触方式の第2の検出器は、赤外線のマルチビームを用いたものである
ことを特徴とするエレベータの点検システム。
【請求項5】
複数のエレベータ装置と、前記複数のエレベータ装置に通信網を介して接続された管理装置と、を備えたエレベータの点検方法において、
前記複数のエレベータ装置のそれぞれは、開閉ドアを有するエレベータかごと、前記開閉ドアによる挟まれ防止のために設けられた接触方式の第1の検出器と、前記開閉ドアによる挟まれ防止のために設けられた非接触方式の第2の検出器と、前記第1の検出器及び第2の検出器の検出動作を基づいて前記開閉ドアを反転させて開閉ドアに挟まれないように動作制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置が、前記第1の検出器及び前記第2の検出器による検出動作の動作履歴を記録し、前記記録した動作履歴に基づいて前記第1の検出器及び前記第2の検出器による検出動作が所定期間に亘って有りか無しかを判定し、前記判定の結果を前記管理装置に発報し、
前記管理装置が、前記判定の結果で前記非接触方式の第2の検出器による検出動作が有りで且つ前記接触方式の第1の検出器による検出動作が無しとの発報を受信し、前記第1の検出器に対する点検計画日時を作成し、該当するエレベータ装置に点検指示を行う
ことを特徴とするエレベータの点検方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記管理装置が、前記判定の結果で前記非接触方式の第2の検出器による検出動作が有りで且つ前記接触方式の第1の検出器による検出動作が有りとの発報を受信し、当該発報の受信の場合には、前記第1の検出器に対する点検計画日時を作成せず、該当するエレベータ装置に点検指示を行わない
ことを特徴とするエレベータの点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの点検システム及びエレベータの点検方法に係わり、特に、エレベータのかごドアに設置された、セーフティーシュー並びに検出スイッチからなる接触方式検出器に対する点検指示の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの扉に設けられた安全装置として、扉の閉じ端部に、セーフティーシュー並びに当該シューの動作を検出する検出スイッチが設置されており、このセーフティーシュー並びに検出スイッチの動作によって、扉に挟まれることを防止するために、扉が閉まる際にセーフティーシューへの接触を検出すると、扉を反転させて開くようになっていた。
【0003】
また、セーフティーシューの異常な動作態様を予防保全的に検出する従来技術として、例えば特許文献1には、セーフティーシューの接点の動作回数を所定時間内で測定し、その測定結果が予め規定された所定値よりも少ないときに、セーフティーシューからなる接触方式の検出器乃至エレベータ扉の不正常信号を出力することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−130193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近のエレベータにおいては、上述したセーフティーシューからなる接触方式の第1の検出器に加えて、エレベータの扉に挟まれることを防止するために、非接触方式の多光軸赤外線ビームを用いた第2の検出器が、扉のセーフティーシューと併設された安全装置が提案されている(本願の
図1を参照)。この場合においては、非接触方式の多光軸赤外線ビームの検出器により、扉の反転安全制御が行われていて、接触方式のセーフティーシューの第1の検出器は、例えば3ヶ月の定期点検期間中に全く動作しない状況が発生する場合が有り得る。
【0006】
そうすると、上記の特許文献1に開示した異常検出方法では、セーフティーシューがユーザによって動作させられていれば動作点検が行われることになるが、全く動作していなときは動作点検のデータを取得できないので、セーフティーシューを含めた第1の検出器の動作点検が行われないことになる。
【0007】
しかしながら、そもそも本来的にいえば、保守員による予防保全的な点検は、前者の場合はセーフティーシューが動作しているのであるから必ずしも必要では無くて、後者の場合において動作点検が必要とされるのであるから、上記の特許文献1における動作点検手法には課題があった。
【0008】
本発明の目的は、セーフティーシュー及び検出スイッチを含めた接触方式の第1の検出器の異常可能性の検出を予防保全的に実施可能とするエレベータシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
複数のエレベータ装置と、前記複数のエレベータ装置に通信網を介して接続された管理装置と、を備えたエレベータの点検システムであって、前記複数のエレベータ装置のそれぞれは、開閉ドアを有するエレベータかごと、前記開閉ドアによる挟まれ防止のために設けられた接触方式の第1の検出器と、前記開閉ドアによる挟まれ防止のために設けられた非接触方式の第2の検出器と、前記第1の検出器及び第2の検出器の検出動作を基づいて前記開閉
ドアを反転させて開閉ドアに挟まれないように動作制御する制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記第1の検出器及び前記第2の検出器による検出動作の動作履歴を記録する第1・第2の検出器動作履歴記録手段と、前記第1の検出器及び前記第2の検出器による検出動作が所定期間に亘って有りか無しかを判定する第1・第2の検出器動作期間判定手段と、を有し、
前記管理装置は、前記第1・第2の検出器動作期間判定手段の判定で、前記非接触方式の第2の検出器による検出動作が有りで且つ前記接触方式の第1の検出器による検出動作が無しの場合の判定結果を前記制御装置から受けることによって、前記第1の検出器に対する点検計画日時を作成する点検計画手段と、該当するエレベータ装置に点検指示を行う点検計画指示手段と、を有する構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非接触方式のマルチビームからなる第2の検出器がかごドアに設置されているドア安全装置において、セーフティーシュー及び検出スイッチを含めた接触方式の第1の検出器の異常可能性について、予防保全的に事前に点検することができる。
【0011】
かごドアに設置された接触方式の第1の検出器におけるセーフティーシューを定期点検時の前に事前に点検することができるので、定期的に実施する定期点検時における保守時間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るエレベータの点検システムにおけるかごドア安全装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るエレベータの点検システムを構成する管理装置と制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るエレベータの点検方法における第1の検出器と第2の検出器の動作に基づく点検手順を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態に係るエレベータの点検システムにおける第1の検出器と第2の検出器の動作に基づく点検の作業指示を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るエレベータの点検システムについて、
図1と
図2を参照しながら以下説明する。
図1は本発明の実施形態に係るエレベータの点検システムにおけるかごドア安全装置の構成を示す図であり、
図2は本発明の実施形態に係るエレベータの点検システムを構成する管理装置と制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【0014】
図1と
図2において、1はかごドア、2は接触方式の第1の検出器を形成するセーフティーシュー、3はセーフティーシューの検出スイッチ、4は非接触方式の第2の検出器を形成する多光軸赤外線ビームの発光部・受光部、5,6は制御装置、7は第1の検出器の動作検出信号、8は第2の検出器の動作検出信号、10は管理装置、20はセンタ装置、21は点検計画手段、22は点検計画指示手段、30,40は営業所、31,41は受信端末、32,42は点検指示確認手段、50,60は第1・第2の検出器動作信号入力手段、51,61は第1・第2の検出器動作履歴記録手段、52,62は第1・第2の検出器動作期間判定手段、53,63は発報手段、54,64はモデム、をそれぞれ表す。
【0015】
本実施形態に係るエレベータの点検システムにおいてかごドア安全装置は、かごドア1が閉まる際にかごドア1に挟まれることを防止するための、
図1に示すような構成要素を備えている。
【0016】
かごドア安全装置は、かごドア1に設置されたセーフティーシュー2、当該セーフティーシュー2によって動作する検出スイッチ3、を少なくとも有する接触方式の第1の検出器と、多光軸の赤外線ビーム(マルチビーム)の発光部4と受光部4を有する非接触方式の第2の検出器と、第1の検出器の動作検出信号7と、第2の検出器の動作検出信号8と、第1・第2の検出器の動作信号7,8のいずれかに基づいてかごドア1を反転させて乗客がかごドア1に挟まれないように動作制御する制御装置5と、から構成される。
【0017】
ここで、接触方式の第1の検出器は、セーフティーシュー2と、検出スイッチ3と、セーフティーシューに連動して検出スイッチ3を動作させる図示するレバーと、から形成され、非接触方式の第2の検出器は、赤外線ビームを発光し受光する発光部・受光部4と不図示のビーム検出部とから形成されている。
【0018】
図2は本発明の実施形態に係るエレベータの点検システムを構成する管理装置と制御装置の内部構成を示すブロック図であり、各エレベータに対応して制御装置5が設けられていて、複数のエレベータのそれぞれに対してはそれぞれ制御装置6が設けられている。また、制御装置5は、図示する通信網を介して管理装置10に接続されており、管理装置10は各エレベータに対応した営業所30,40と、センタ装置20を備えている。
【0019】
制御装置5(制御装置6でも同様)の内部構成は、第1・第2の検出器からの動作検出信号7,8が入力される第1・第2の検出器動作信号入力手段50と、動作検出信号7,8が入力されたときにその動作履歴を記録する第1・第2の検出器動作履歴記録手段51と、第1・第2の検出器動作信号入力手段50に動作検出信号7,8が所定期間に亘って入力無しであるか否かを判定する第1・第2の検出器動作期間判定手段52,62と、第1・第2の検出器動作期間判定手段52,62で所定期間に第1の検出器(セーフティーシュー)及び第2の検出器(赤外線マルチビーム)の動作が無い場合に発報する発報手段53と、管理装置10との間の通信を行うモデム54と、から構成されている。
【0020】
管理装置10内のセンタ装置20は、制御装置5の発報手段53からの発報信号を受けて点検計画日時を作成する点検計画手段21と、この点検計画日時を反映した点検計画指示をエレベータ毎の営業所30,40に指示する点検計画指示手段22と、を備えている。
【0021】
管理装置10内の営業所30(営業所40でも同様)は、センタ装置20からの指示を受ける受信端末31と、各営業所30,40の作業員に点検予定日を指示し確認させる点検指示確認手段32と、を備えている。
【0022】
次に、本実施形態に係るエレベータ点検システム及び点検方法について、
図3と
図4を参照しながら以下説明する。
図3は本発明の実施形態に係るエレベータの点検方法における第1の検出器と第2の検出器の動作に基づく点検手順を示すフローチャートであり、
図4は本発明の実施形態に係るエレベータの点検システムにおける第1の検出器と第2の検出器の動作に基づく点検の作業指示を説明する図である。
【0023】
図3において、ステップ11では、図示しない乗場呼び釦が押圧されたことに応答した後に当該応答階に停止中のかご内の呼び釦が押圧されたか否かを判定している。このステップ11においては、乗場からかご内へ乗客が乗り込んだとの判断ができ、その際には赤外線のマルチビームの発光器・受光器4からなる第2の検出器がビームの遮断を検出するはずであるという前提が成り立つ。
【0024】
次に、ステップ12において、マルチビームの第2の検出器によるビーム遮断の検出の有無が判断され、ビーム遮断の検出が無い場合には、ステップ17に移行し、発報手段53によって第2の検出器の動作異常を営業所30の受信端末31に向けて発報し、営業所30の受信端末31は、点検作業員に緊急点検指示(又は即日点検指示)を行う。この場合、複数のエレベータ毎に営業所40が設けられているので当該営業所40のそれぞれの受信端末40に緊急点検(又は即日点検)の指示がなされる。
【0025】
一方、マルチビームの第2の検出器によるビーム遮断の検出が有りの場合は、ステップ13に移行し第1・第2の検出器動作履歴記録手段51にて第2の検出器の動作履歴として動作日時(年月日時分)と累積動作回数を記録する。
【0026】
次に、ステップ14において、セーフティーシュー2による第1の検出器の検出スイッチ3が動作したか否かを判定する。第1の検出器の検出スイッチ3が動作した場合は、ステップ15において第1・第2の検出器動作履歴記録手段51に第1の検出器の動作履歴として動作日時(年月日時分)と累積動作回数を記録する。
【0027】
一方、ステップ14において第1検出器の検出スイッチ3が動作していない場合はステップ16に移行し、第1・第2の検出器動作期間判定手段52において、所定期間以内、例えば3カ月などの点検期間以内に、セーフティーシュー2からなる接触方式の第1の検出器の動作履歴が無いか否かをステップ16において判定する。
【0028】
ステップ16で第1の検出器の動作履歴が有りの場合は、ステップ11の処理に戻って、ステップ12〜ステップ16を繰り返す。
【0029】
一方、ステップ16で接触方式の第1の検出器が所定期間内に動作履歴が無い場合(検出スイッチ3が動作しない場合)は、ステップ18に移行し、制御装置5の発報手段53が管理装置10のセンタ装置20に発報して、センタ装置20の点検計画手段21において点検計画日時を作成し、点検計画指示手段22において点検計画日時を反映した点検計画を指示する。そして、当該指示を該当する営業所30,40の点検指示確認手段32,42にて作業員に指示確認させる。
【0030】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、赤外線マルチビームによる非接触方式の第2の検出器が動作しているにも拘わらず、所定期間以内、例えば3カ月などの点検期間以内にセーフティーシュー2を用いた接触方式の第1の検出器の動作履歴が無い場合に点検計画に盛り込み(作成する)指示することができるため、点検の必要な適切な時期に作業員に点検させることが可能となる。
【0031】
次に、本発明の実施形態に係るエレベータの点検方法における、セーフティーシューを用いた接触方式の第1の検出器と赤外線マルチビームを用いた非接触方式の第2の検出器がそれぞれ動作した動作履歴に基づく作業指示について、
図4を参照しながら取りまとめて説明する。
【0032】
図4によると、セーフティーシューの接触方式の第1の検出器とマルチビームの非接触方式の第2の検出器がともに所定期間内で動作履歴が有る場合には点検計画無しの作業指示を行い、第1の検出器の動作履歴が無しで第2の検出器のそれが有りの場合には点検計画を作成し作業指示を実施して作業員に点検させる。また、第2の検出器の動作履歴が無しの場合には、第1の検出器の動作履歴の有無は拘わらず即日点検の作業指示を実施する。
【0033】
以上の説明では、第1と第2の検出器の検出動作が通常の動作ではない可能性がある場合において、予防保全的に点検計画並びに点検指示を専用的に実施することについて述べたが、これに限らず、第1と第2の検出器の検出動作について、その記録と判定を詳細に実施して、次回の定期的な定期点検時に活用するように、定期点検保守時の保守計画手段(点検計画手段21に代えて)として用い、当該保守計画手段を利用することによって事前の予防保全的な点検計画として使用できるように設定してもよい。
【0034】
以上説明した本実施形態では、管理装置10内のセンタ装置20が点検計画又は緊急点検計画を指示しているが、エレベータの制御装置5にて点検計画又は緊急点検計画を指示してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 かごドア
2 接触方式の第1の検出器を形成するセーフティーシュー
3 セーフティーシューの検出スイッチ
4 非接触方式の第2の検出器を形成する多光軸赤外線ビームの発光部・受光部
5,6 制御装置
7 第1の検出器の動作検出信号
8 第2の検出器の動作検出信号
10 管理装置
20 センタ装置
21 点検計画手段
22 点検計画指示手段
30,40 営業所
31,41 受信端末
32,42 点検指示確認手段
50,60 第1・第2の検出器動作信号入力手段
51,61 第1・第2の検出器動作履歴記録手段
52,62 第1・第2の検出器動作期間判定手段
53,63 発報手段
54,64 モデム