特許第6284887号(P6284887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284887
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】スピンオンハードマスク材料
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20180215BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20180215BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20180215BHJP
   G03F 7/11 20060101ALI20180215BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20180215BHJP
   H01L 21/314 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 69/616 20060101ALN20180215BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   C08K3/04
   C08L101/00
   G03F7/11 503
   G03F7/11 502
   H01L21/30 573
   H01L21/314 A
   !C07C69/616
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-556136(P2014-556136)
(86)(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公表番号】特表2015-513786(P2015-513786A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】GB2013050219
(87)【国際公開番号】WO2013117908
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2015年10月14日
(31)【優先権主張番号】61/597,710
(32)【優先日】2012年2月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】305031567
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティ オブ バーミンガム
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】フロムホルト,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】マンヤム,ジェサダ
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/126804(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/062888(WO,A1)
【文献】 特開2008−129423(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0035181(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0081082(US,A1)
【文献】 特開2005−266798(JP,A)
【文献】 特表2008−513820(JP,A)
【文献】 特表2015−535526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C08K 3/04
C08L 101/00
G03F 7/11
H01L 21/027
H01L 21/314
C07C 69/616
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンオンハードマスクを形成するための組成物であって、
a.以下の一般式によって表わされるフラーレン誘導体であって、
nが1〜6の整数であり、フラーレン中の炭素原子数Qが60、70、76、78、80、82、または84であり、Rがエステル、アルコール、フェノール、アミン、アミド、イミド、またはカルボン酸を含む第1の置換基を表し、Rが水素、ハロゲン、C〜C20アリール基、C〜C20アルキル基、エステル、アルコール、フェノール、アミン、アミド、イミド、またはカルボン酸を含む第2の置換基を表すフラーレン誘導体と、
b.2以上の熱的または触媒的反応基を含む架橋剤とを含み、
前記架橋剤以外にポリマーを含まないことを特徴とする組成物。
【請求項2】
1以上の熱酸発生剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記1以上の熱酸発生剤は、有機スルホン酸のアルキルエステル、有機スルホン酸の脂環式エステル、有機スルホン酸のアミン塩、有機スルホン酸の2−ニトロベンジルエステル、有機スルホン酸の4−ニトロベンジルエステル、有機スルホン酸のベンゾインエステル、有機スルホン酸のβ−ヒドロキシアルキルエステル、有機スルホン酸のβ−ヒドロキシシクロアルキルエステル、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のアルキルジアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアルキルアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のトリアルキルスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、有機スルホン酸のアルキルアリールスルホニウム塩、またはトリス(オルガノスルホニル)メチドのアンモニウム塩から選択されることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
1以上の光酸発生剤をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記1以上の光酸発生剤は、ハロゲン化トリアジン、有機スルホン酸の2−ニトロベンジルエスエル、有機スルホン酸の4−ニトロベンジルエステル、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のアルキルジアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアルキルアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、有機スルホン酸のアルキルアリールスルホニウム塩、n−オルガノスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、または1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル オルガノスルホネートから選択されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記架橋剤は、エポキシ化フェノール樹脂、エポキシ化クレゾール樹脂、エポキシ化ビスフェノールA樹脂、エポキシ化ビス−フェノールAノボラック樹脂、エポキシ化ビスフェノール樹脂、アルキロールメチルメラミン樹脂、アルキロールメチルグリコールウリル樹脂、アルキロールメチルグアナミン樹脂、アルキロールメチルベンゾグアナミン樹脂、グリコシルウレア樹脂、またはイソシアネート樹脂から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記スピンオンハードマスクは、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルラクテート、アニソール、トルエン、クロロホルム、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、二硫化炭素、またはそれらの組み合わせから選択される1以上の溶媒をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
スピンオンハードマスクを形成するための方法であって、
a.組成物を提供することであって、
i.以下の一般式によって表わされるフラーレン誘導体であって、
nが1〜6の整数であり、フラーレン中の炭素原子数Qが60、70、76、78、80、82、または84であり、Rがエステル、アルコール、フェノール、アミン、アミド、イミド、またはカルボン酸を含む第1の置換基を表し、およびRが水素、ハロゲン、C〜C20アリール基、C〜C20アルキル基、エステル、アルコール、フェノール、アミン、アミド、イミド、またはカルボン酸を含む第2の置換基を表すフラーレン誘導体と、
ii.2以上の熱的または触媒的反応基を含む架橋剤とを含み、当該架橋剤以外にポリマーを含まない組成物を提供すること、
b.基板上に被覆を形成すること、ならびに
c.前記基板および前記被覆を、前記被覆を架橋するために十分な温度で加熱することを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記組成物は、1以上の熱酸発生剤をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1以上の熱酸発生剤は、有機スルホン酸のアルキルエステル、有機スルホン酸の脂環式エステル、有機スルホン酸のアミン塩、有機スルホン酸の2−ニトロベンジルエステル、有機スルホン酸の4−ニトロベンジルエステル、有機スルホン酸のベンゾインエステル、有機スルホン酸のβ−ヒドロキシアルキルエステル、有機スルホン酸のβ−ヒドロキシシクロアルキルエステル、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のアルキルジアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアルキルアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のトリアルキルスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、有機スルホン酸のアルキルアリールスルホニウム塩、またはトリス(オルガノスルホニル)メチドのアンモニウム塩から選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物は、1以上の光酸発生剤をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記1以上の光酸発生剤は、ハロゲン化トリアジン、有機スルホン酸の2−ニトロベンジルエスエル、有機スルホン酸の4−ニトロベンジルエステル、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のアルキルジアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアルキルアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、有機スルホン酸のアルキルアリールスルホニウム塩、n−オルガノスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、または1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル オルガノスルホネートから選択されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記架橋剤は、エポキシ化フェノール樹脂、エポキシ化クレゾール樹脂、エポキシ化ビスフェノールA樹脂、エポキシ化ビス−フェノールAノボラック樹脂、エポキシ化ビスフェノール樹脂、アルキロールメチルメラミン樹脂、アルキロールメチルグリコールウリル樹脂、アルキロールメチルグアナミン樹脂、アルキロールメチルベンゾグアナミン樹脂、グリコシルウレア樹脂、またはイソシアネート樹脂から選択されることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物は、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルラクテート、アニソール、トルエン、クロロホルム、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、二硫化炭素、またはそれらの組み合わせから選択される1以上の溶媒をさらに含むことを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、半導体の製造のための結像の分野に属し、より具体的にはスピンオン配合物を用いるエッチマスキングの分野に属する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の最小形状は、素子密度を高めることを可能にするために減少し続けている。そのような高密度パターニングをもたらす1つの方法は、開発中における高アスペクト比レジスト特性のパターン崩壊などの問題を緩和するために、薄いフォトレジスト膜を使用することである。この問題に対する1つの可能な解決策は、高解像度、高感度、および高エッチング耐久性のフラーレンレジストを用いることに関する。しかしながら、そのようなレジストによって生じるアスペクト比が5:1に達し得たとしても、エッチングの奥行寸法は、使用可能なレジスト厚みによって顕著に制限される。
【0003】
多層ハードマスクスタックは、エッチングイメージのアスペクト比のさらなる増加を可能にする。そのような方法は、化学的蒸着によって真空内で蒸着され、続いて薄いシリコンリッチ層で被覆される厚い非晶質炭素を使用し得る。薄いフォトレジスト膜は、次に、シリコンリッチ層にパターン形成するために十分であるので、パターン崩壊を回避する。シリコンリッチ層は、炭素にパターン形成するために、ハードマスクとして順に使用され、シリコンウエハをエッチングするためのマスクの提供に適した高アスペクト比炭素パターンを示す。シリコンから炭素リッチ材料に換えることによって、様々な基板の全エッチング感受性の最適化を達成することが可能である。
【0004】
近年、蒸着材料は、スピンオンエッチングマスクに取って代わられた。たとえば、van Delft et al., J. Vac. Sci. Technol. B, 18 (2000) 3419によって報告されたように、ノボラック−ヒドリドシルセスキオキサン(HSQ)二重層スタックは、3.25:1のアスペクト比を有する40nmのハーフピッチ解像度だけではなく、20:1のアスペクト比を有する分離された40nmのラインをもたらすために使用された。しかしながら、下位HSQ層のフッ素系エッチングの結果、波状の湾曲をもたらす、パターンニングされたノボラック特性の膨張が見られた。
【発明の概要】
【0005】
したがって、高い解像度パターンを作製することが可能であるように、ゆがみなく、下位層のフッ素に基づくエッチングに耐えるスピンオンハードマスク材料が依然として必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】スピンオンハードマスクを用いて、高アスペクト比、および高解像度特性をもたらすための方法を説明する。
図2】本明細書に記載された材料でハードマスク膜を形成し、膜を加熱し、溶媒浸漬を実施した結果を説明する。
図3】25nmのラインと、図1に示されるスキームに係る約100nmの炭素にエッチングされた空間とを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[図面の詳細な説明]
図1は、スピンオンハードマスクを用いる、高アスペクト比、高解像度特性をもたらす方法を示す。本実施形態において、初期スタック1は、スピンオンハードマスク、シリコンリッチ層、およびフォトレジストで覆われた基板である。リソグラフィー工程2は、フォトレジストにパターンを形成する。スキーム3において、パターンニングされたフォトレジストは、シリコンリッチ層に対するエッチングマスクとして機能し、同様に下位スピンオンハードマスク層4に対するエッチングマスクとして機能する。次に、ハードマスク層は、基板5に対するエッチングマスクとして使用され、シリコンリッチ層は、描かれたようにエッチングされ、または別のエッチング工程を必要とし得る。最後に、酸素エッチングがスピンオンハードマスク6を除去するために使用される。図1に示される実施形態は、しかしながら、説明のための一例であり、限定されることを意図するものではない。たとえば、シリコンを含む感光性組成物は、シリコンリッチ層上に蒸着されたフォトレジストの代わりに利用され得る。
【0008】
図2は、本明細書に記載された材料でハードマスク膜を形成し、膜を加熱し、溶媒浸漬を実施した結果を示す。具体的には、実施例2および実施例3(以下に記載される)に由来する配合物は、基板上にスピンコートされ、様々な温度でベークされる。それらの厚みは、クロロベンゼン:イソプロピルアルコール(1:1 w/w)溶液に浸漬する前と後とで比較された。次に実施例2の膜について、溶媒浸漬11に曝されておらず、異なる温度で焼かれたような膜の標準化厚みは、溶媒浸漬12に曝されておらず、異なる温度で焼かれた同じ膜と比較された。次に実施例3の膜について、溶媒浸漬13に曝されておらず、異なる温度で焼かれたような膜の標準化厚みは、溶媒浸漬14に曝されておらず、異なる温度で焼かれた同じ膜と比較された。
【0009】
図3は、25nmのラインと、図1に示されるスキームに係る約100nmの炭素にエッチングされたスペースとを示す。図3に示されるイメージを形成するために使用された方法の詳細は、以下に提供される。
[発明の詳細な説明]
【0010】
本明細書において、接続詞「および」は、包括的であることを意図され、接続詞「または」は、別段の指示がない限り排他的であることを意図される。たとえば、表現「または、代替的に」は、排他的であることを意図される。本明細書において、「脂環式」化合物は、脂肪族および環状の有機化合物である。脂環式化合物は、飽和または不飽和のいずれであってもよい1以上の全ての炭素環を有し得るが、芳香族特性を有さない。脂環式化合物は、付加された脂肪族側鎖を有してもよく、または有さなくてもよい。本明細書において、用語「典型的な」は、例を示すために使用され、優先傾向を示すために用いられるとは限らない。
【0011】
一般式(I)によって表わされるフラーレン誘導体を含む、スピンオンハードマスクを形成するための組成物が、本明細書において開示および請求される。
nは1〜6の整数であり、フラーレンにおける炭素原子数Qは、60、70、76、78、80、82、または84であり、Rは、エステル、アルコール、フェノール、アミン、アミド、イミド、またはカルボン酸を含む第1の置換基を表し、Rは、水素、ハロゲン、C〜C20アリール基、C〜C20アルキル基、エステル、アルコール、フェノール、アミン、アミド、イミド、またはカルボン酸を含む第2の置換基を表し、架橋剤は、2以上の熱的または触媒的反応基を含む。
【0012】
本明細書において、(a)一般式(I)によって表わされるフラーレン誘導体であって、nが1〜6の整数であり、フラーレンにおける炭素原子数Qが、60、70、76、78、80、82、または84であり、Rは、エステル、アルコール、フェノール、アミン、アミド、イミド、またはカルボン酸を含む第1の置換基を表し、Rは、水素、ハロゲン、C〜C20アリール基、C〜C20アルキル基、エステル、アルコール、フェノール、アミン、アミド、イミド、またはカルボン酸を含む第2の置換基を表すフラーレン誘導体と、(b)2以上の熱的または触媒的反応基を有する架橋剤とを含む組成物を提供することと、被覆を基板上に形成することと、前記基板と前記被覆とを前記被覆を架橋させるために十分な温度で加熱することとを含む、スピンオンハードマスクを形成するための方法が、さらに開示および請求される。
【0013】
スピンオンハードマスクを形成するための組成物であって、熱酸発生剤をさらに含む組成物が、本明細書においてさらに開示および請求される。
【0014】
スピンオンハードマスクを形成するための組成物であって、光酸発生剤をさらに含む組成物が、本明細書においてさらに開示および請求される。
【0015】
スピンオンハードマスクを形成するための組成物であって、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの溶媒をさらに含む組成物が、本明細書においてさらに開示および請求される。
【0016】
一般式(I)は、1〜6のメタノ基を有する、誘導体化されたフラーレン分子を表したものである。フラーレンは、かご構造を示すが、結合を示さない(II)に示されるようなC60、C70、C76、C78、C80、C82、およびC84などの異なる同素体を有することが可能である。いくつかの場合において、異なる同素体は、同じ数の炭素を有し得る。
【0017】
本明細書に開示された主題に従えば、フラーレンは、三員環を形成するために、メタノ基によって二重結合を置換し得る。一実施形態において、メタノ基は、頂点を横切って架橋し、2つの6員環は、(III)に示されるような、いわゆる[6,6]架橋を形成するために接合する(裏側の炭素は示されていない)。別の実施形態において、メタノ基による開環[6,5]置換は、フラーロイド構造を形成するために得られ得る。いくつかの場合において、しかしながら、開環[6,5]フラーロイド構造は、加熱下において[6,6]架橋されたフラーレン構造に再編成され得る。メタノフラーレンの合成技術は、Fukashi et al., Beilstein J. Org. Chem.(2008),4,No. 33.doi:10.3762/bjoc.4.33, and Hummelen et al., Org. Chem. (1995), 60, 532-538におけるように当該技術分野において知られている。
【0018】
本明細書に開示された主題に従って、架橋剤は、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ビスフェノールA樹脂、エポキシ化ビスフェノールノボラック樹脂、アルキロールメチルメラミン樹脂、アルキロールメチルグリコール樹脂、アルキロールメチルグアナミン樹脂、アルキロールメチルベンゾグアナミン樹脂、グリコシルウレア樹脂、またはイソシアネート(アルキド)樹脂から選択され得る。
【0019】
好適なアミン系架橋剤は、CYMEL(商標)300、301、303、350、370、380、1116および1130などの、Cytec of West Paterson, N.J.,によって製造されたメラミン、CYMEL(商標)1123および1125などのベンゾグアナミン樹脂、CYMEL(商標)1170、1171および1172のグリコール樹脂、ウレア系樹脂BEETLE(商標)60、65および80もCytec, West Paterson, N.J.から利用可能である。多くの同様のアミン系またはアミドプラスト化合物は、様々な供給者から市販されている。
【0020】
エポキシ化フェノール、およびクレゾールノボラック樹脂は、(IV)において示され、Xは、H、CHであり得、nは0〜20であり得る。エポキシ化ビスフェノールA樹脂は、理想化された構造(V)で示され、nは0〜20であり得る。エポキシ化ビスフェノールZ樹脂は、理想化された構造(VI)で示され、nは0〜20であり得る。同様に、「エポキシ化ビスフェノール」架橋剤が想定される。たとえば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジクロロエチレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピル−フェニル)−プロパン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、5,5’−(1−メチルエチリデン)ビス[1,1’−(ビスフェニル)−2−オル]プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、および
前述のいずれかの組み合わせのジグリシジルエーテルに基づく樹脂が使用され得る。
【0021】
本明細書に開示された主題に従って、好適な熱酸発生剤は、有機スルホン酸のアルキルエステル、有機スルホン酸の脂環式エステル、有機スルホン酸のアミン塩、有機スルホン酸の2−ニトロベンジルエステル、有機スルホン酸の4−ニトロベンジルエステル、有機スルホン酸のベンゾインエステル、有機スルホン酸のβ−ヒドロキシアルキルエステル、有機スルホン酸のβ−ヒドロキシシクロアルキルエステル、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のアルキルジアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアルキルアリールスルホニウム塩、有機スルホン酸のトリアルキルスルホニウム塩、有機スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、有機スルホン酸のアルキルアリールスルホニウム塩、またはトリス(オルガノスルホニル)メチドのアンモニウム塩を含み得る。
【0022】
オニウム塩は、陽イオンおよび陰イオンを含む。オニウム塩の典型的な陽イオンは、トリアリールスルホニウム、アルキルジアリールスルホニウム、ジアルキルアリールスルホニウム、トリアルキルスルホニウム、ジアリールヨードニウム、アルキルアリールヨードニウム、ジアルキルヨードニウム、トリアリールセレノニウム、アルキルジアリールセレノニウム、ジアルキルアリールセレノニウム、トリアルキルセレノニウムを含む。限定されるものではないが、オニウム塩における陽イオンの具体的な例は、トリフェニルスルホニウム、トリ(p−トリル)スルホニウム、1,4−フェニレンビス(ジフェニルスルホニウム)(+2の電荷を有する)、ジフェニルヨードニウム、およびビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムを含む。
【0023】
さらに、限定されるものではないが、オニウム塩中の典型的な陰イオンは、ハロゲン化物、PF、AsF、SbF、SbCl、およびBFを含む。また、限定されるものではないが、オキソ酸に基づく陰イオンを使用し得る。これらの中には、トリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートおよびパーフルオロオクタンスルホネートなどのC〜C10のパーフルオロアルカンスルホネート、ドデカンスルホネート、メタンスルホネートおよびカンフルスルホネートなどのC〜C18の直鎖、分枝および脂環式アルカンスルホネート、トルエンスルホネートおよびドデシルベンゼンスルホネートなどのC〜C18芳香族および置換芳香族スルホネート、トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ペンタフルオロメチルベンゼンスルホネートなどのC〜C18フッ素化アリールスルホネート、ベンゾアート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、パーフルオロペンタノエート、ペンタフルオロプロパノエート、パーフルオロオクタノエート、パーフルオロベンゾアートなどのC〜C18カルボキシレートおよびハロゲン化カルボキシレートなどが存在する。さらに、限定されるものではないが、適切な陰イオンは、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタニド、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどの、C〜C20トリス(アルカンスルホニル)メタニド、トリス(フルオロアルカンスルホニル)メタニド、(R)、ビス(アルカンスルホニル)イミド、およびビス(フルオロアルカンスルホニル)イミド、(R)が存在する。さらに、限定されるものではないが、オキソ酸の陰イオンは、ハードマスク材料の外への酸拡散を制限することが可能であるように、ポリマーに結合させることが可能である。これらの中でも、ポリ(ビニルスルホネート)、ポリ(スチレン−4−スルホネート)、ポリ(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(1,2,2−トリフルオロビニルオキシ)エタンスルホネート−テトラフルオロエチレン共重合)、ポリ((メタ)アクリル酸)などのポリマー酸が存在する。また、スルホン化およびフルオロスルホン化(メタ)アクリルモノマーは、様々なポリマーに組み込まれ得る。当然のことながら、オキソ酸陰イオンは、セレノネート(selenonate)、ホスホネート、アルセノネート(arsenonate)、スティボネート(stibonate)などを形成するためにSe、P、As、Sbのような他の要素を含み得る。エステル型の熱酸発生剤は、カルボキシレート、スルホネート、セレノネート、ホスホネート、アルセノネート、およびスティボネートを形成するために、たとえば前述のオキソ酸陰イオンのいずれかを含み得る。
【0024】
さらに、限定されるものではないが、エステル型およびオニウム型熱酸発生剤は、それらがハードマスク組成物の他の成分から電子受容体として作用することができる電磁放射線を吸収する波長で光酸発生剤として使用され得る。また、トリアジン系光酸発生剤を使用し得る。適切なハロゲン化トリアジンは、ハロメチル−S−トリアジンを含む。適切なハロゲン化トリアジンは、たとえば、2−[1−(3,4−ベンゾジオキソリル)]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,2,5−トリアジン、2−[1−(2,3−ベンゾジオキソリル)]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[1−(3,4−ベンゾジオキソリル)]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[1−(2,3−ベンゾジオキソリル)]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−フルフリルエチリデン)-4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4,5−ジメチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4,5−ジメトキシ−フリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(2−フルフリルエチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4−メチルフリル)−エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4,5−ジメトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4,5−ジメトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4− メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3−クロロ−1−フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジンなどである。本発明において有用な他のトリアジン系光酸発生剤は、参照することによって本明細書に組み込まれる米国特許第5,366,846号明細書に開示されている。
【0025】
s−トリアジン化合物は、ある種のメチルハロメチル−s−トリアジンと、ある種のアルデヒドまたはアルデヒド誘導体との縮合反応産物である。そのようなs−トリアジン化合物は、米国特許第3,954,475号明細書、およびWakabayashiらによるBulletin of the Chemical Society of Japan, 42, 2924-30 (1969)に開示された手順に従って作製し得る。
【0026】
本明細書に開示された主題に従えば、請求された組成物における全固形物は、好ましくは1g/lから100g/lを占め得る。本明細書に開示された主題に従えば、請求された組成物における全固形物は、さらに好ましくは2.5g/lから75g/lを占め得る。本明細書に開示された主題に従えば、請求された組成物における全固形物は、より一層好ましくは5g/lから50g/lを占め得る。
【0027】
本明細書に開示された主題に従えば、フラーレンの充填は、好ましくは、組成物中の全固形物の10%から90%までを占め得る。本明細書に開示された主題に従えば、架橋剤のローディングは、好ましくは組成物中の全固形物の90%から10%までを占め得る。本明細書に開示された主題に従えば、熱酸発生剤は、好ましくは、組成物中の全固形物の0%から40%を占め得る。本明細書に開示された主題に従えば、光酸発生剤は、好ましくは、組成物中の全固形物の0%から40%を占め得る。固形組成物の全ての割合は、重量である。
【0028】
他の材料は、膜形成特性を向上するために組成物中に存在し得る。これらは、界面活性剤、湿潤剤、レオロジー調製剤、消泡剤などを含む。
【0029】
本明細書に開示された主題に従えば、記載された組成物のいずれかで形成された膜は、被覆された膜の架橋を生じるために十分な温度で加熱することが可能である。熱酸発生剤の存在は、架橋を生じる温度を低下させ得る。典型的な温度範囲は、80℃から350℃までであり得る。他の典型的な温度範囲は、100℃から250℃まであり得る。さらなる他の典型的な温度範囲は、120℃から160℃であり得る。
【0030】
本明細書に開示された主題に従えば、記載された組成物のいずれかで形成された膜は、加熱中、加熱前、または室温のいずれかにおいて、被覆された膜の架橋を生じるために十分な照射線量で電磁放射線に曝すことが可能である。光酸発生剤の存在は、架橋を生じる温度を低下させ得る。典型的な露光波長は、190nmから520nmであり得、光酸発生剤の感受性によって決まる。さらなる典型的な露光波長は、225nmから400nmまでであり得、光酸発生剤の感受性によって決まる。典型的な線量範囲は、0.1mJ/cm〜1000mJ/cmまでであり得る。他の典型的な線量範囲は、1mJ/cmから500mJ/cmまでであり得る。さらなる他の典型的な線量範囲は、10mJ/cmから100mJ/cmまでであり得る。
【0031】
限定されるものではないが、被覆は、好ましくは、吹き付け塗装、ブレード塗装、スピンコーティング、またはこれらの組み合わせによって達成され得る。スピンコーティングについて、たとえば、回転速度は、100rpmから8000rpmまでに好適に及び得る。さらなる例として、回転速度は、200rpmから2000rpmまでに好適に及び得る。さらなる例として、回転速度は、800rpmから1500rpmまでに及び得る。回転時間は、10秒から150秒までに好適に及び得る。上述の方法のいずれかによって被覆された基板は、架橋前にソフトベークし得る。適切なソフトベーク温度は、50℃から150℃まで及び得る。
【0032】
以下の実施例は、例証であり、添付された特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。たとえば、様々な、基板、基板作製の方法、化学エッチングおよびエッチング条件、またはレジスト種および照射条件を好適に使用し得る。
【0033】
実施例1(基板の準備) シリコン(100)基板(Rockwood Electronic Materials, n-type)は、全ての実験手順に使用された。縦2cm、横2cmの寸法の正方形のチップは、Disco DAD 321ウエハダイサを用いてウエハから切り取られた。試料は、リーデル・デ・ハーン社から得た半導体グレードの化学物質を用いて洗浄された。試料は、イソプロピルアルコール(IPA)中において15分間超音波で洗浄され、次に脱イオン(DI)水(Purite Neptune、18.2MΩ cm)中ですすいだ。水素終端表面は、続いてHSO(95〜98%)中に基板を浸漬することによって作製された。H10分間、DI水1分間、低濃度のHF1分間に続き、窒素によって乾燥させる前のさらなる時間にわたってDI水中ですすいだ。基板は、作製後真空下で保存され、2日以内に使用された。
【0034】
実施例2〜4(試料作製) スピンオンハードマスクを形成するための組成物は、表1に従って作製された。全ての組成物について使用された溶媒は、クロロホルムであった。架橋剤は、シグマアルドリッチ社から入手可能なポリ[(o−クレシルグリシジルエーテル)ホルムアルデヒド共重合体]であった。熱酸発生剤は、TCI Europe社から提供されるビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートであった。固体および溶媒は、容器に注がれ、迅速に溶解された。
【0035】
ハードマスク膜は、1000rpmの回転速度で60秒間のスピンコーティングによって実施例1の基板上に作製され、実施例2の試料について1000rpm、実施例3の試料について1000rpm、および実施例4の試料について1000の回転速度で作製された。スピンコーティング後、膜は、5分間330℃に達するまでベークされた。ベーク後、実施例2は、約300nmの膜厚を示し、実施例3は、約250nmの膜厚を示し、実施例4は、約350nmの膜厚を示した。
【0036】
実施例5(溶解度試験) さらなる処理を可能にするために、スピンオンハードマスクは、レジスト、さらにはスピンオンハードマスク層についての典型的な溶媒中に不溶であるべきである。図2は、モノクロロベンゼン(MCB):IPAが1:1の溶液に浸漬する前後において、実施例2および実施例3の配合剤でスピンコートされた、標準化された膜厚を示す。190℃を超える温度について、熱酸発生剤を有する実施例3の配合剤でスピンコートされた膜は不溶であったが、熱酸発生剤を有さない、実施例2でスピンコートされた膜について同じことを達成するためには、260℃の温度が必要であった。
【0037】
実施例6(エッチングイメージの作製) 実施例2の配合剤で被覆されたハードマスク材料は、1000rpmの回転速度で実施例1の基板上にスピンコーティングによって作製され、300℃の温度で5分間にわたってベークされ、約300nmの厚みを生じた。
【0038】
300nmハードマスク膜の作製後、40nmの厚みのシリコン層は、250WのRF電源で2分間にわたって1×10−2mbarのアルゴン圧におけるスパッタリングによって蒸着された。最後に、ダウ・エレクトロニック・マテリアルズ社から利用可能な電子線レジスト、SAL601(商標)は、シリコン層の上部をスピンコートされた。レジストは、パターンジェネレータ(Raith Elphy Plus)を備えたFEI XL30 SFEG走査型電子顕微鏡を用いてパターンニングされた。25nmのライン・アンド・スペースがパターンニングされ、続いてオックスフォード・インストゥルメンツ PlasmaPro NGP80 誘導結合プラズマ(ICP)エッチングシステムを用いてシリコン薄膜にエッチングされた。シリコン基板は、良好な熱接着を確実にするために、真空グリースを用いて犠牲シリコンウエハに接着された。犠牲シリコンウエハは、エッチング工程の間に試料の良好な熱制御を確実にするためにヘリウムバックサイドプレッシャ(helium backside pressure)を備える下部電極に機械的に固定された。パターンは、20秒混合モードSF/C ICPエッチングを用いてシリコン保護膜に転写された。SF流速は、25sccmであり、C流速は、30sccmであった。20WのRF電源と、220WのICP電源とが利用された。
【0039】
シリコンからハードマスクへのパターンの転写は、酸素プラズマエッチングを使用して達成された。炭素のアンダーカッティングを最小化するため、および垂直側壁をエッチングの間維持するために、1.5mTの室圧が維持された。エッチングの持続時間は、15sccmのO流速で20秒間であった。100WのRF電源、および300WのICP電源。
【0040】
最後に、ハードマスクパターンは、他の混合モードSF/C ICPエッチングでシリコン基板に転写された。20sccmのSF流速、30sccmのC流速、RF電源20W、ICP電源220W。図3は、約3.4のアスペクト比が得られた結果を示す。
【0041】
本発明は、特定の実施例を参照することによって示され、記載されたが、本発明に関係する当業者にとって自明である様々な変更および修正は、添付の特許請求の範囲に記載された主題の精神、範囲および意図の範囲内にあるとみなされる。
図1
図2
図3