特許第6284986号(P6284986)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6284986損失電力測定システム及び損失電力測定システムの損失電力測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284986
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】損失電力測定システム及び損失電力測定システムの損失電力測定方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/01 20060101AFI20180215BHJP
   G01R 21/06 20060101ALI20180215BHJP
   H02J 3/36 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   H02J3/01
   G01R21/06 Z
   H02J3/36
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-143157(P2016-143157)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2017-34981(P2017-34981A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2016年7月21日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0108401
(32)【優先日】2015年7月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・キル・チョイ
【審査官】 小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−087523(JP,A)
【文献】 特開平11−055857(JP,A)
【文献】 特開2012−105523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/01
G01R 21/06
H02J 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧直流送電システムに含まれる高調波フィルタにおける損失電力を測定するための損失電力測定システムにおいて、
複数の素子を含む高調波フィルタと、
前記複数の素子のインピーダンス変化を感知するモニタリングセンサ部と、
前記複数の素子のインピーダンスの変化量を利用して、前記高調波フィルタの損失を取得する制御部と、
を備え
前記複数の素子は、1つ以上の抵抗、1つ以上のキャパシタ及び1つ以上のインダクターを含み、
前記モニタリングセンサ部は、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス変化を感知し、
前記制御部は、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれで発生する損失を取得する損失電力測定システム。
【請求項2】
前記モニタリングセンサ部は、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス初期値と、前記モニタリングセンサ部で測定された前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス値を利用して、前記インピーダンス変化量を取得する請求項に記載の損失電力測定システム。
【請求項3】
前記複数の素子のインピーダンスは、前記複数の素子の温度変化及び前記複数の素子における周波数変化のうちの少なくとも1つによって変化する請求項1又は2に記載の損失電力測定システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の素子のそれぞれの定格電圧及び定格電流のうちの少なくとも1つと、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記高調波フィルタの損失を取得する請求項1〜のいずれか一項に記載の損失電力測定システム。
【請求項5】
前記複数の素子のそれぞれの定格電圧は、固定された値である請求項に記載の損失電力測定システム。
【請求項6】
前記制御部は、
サーバーと通信する通信モジュールを含み、
前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記複数の素子のそれぞれの損失電力量及び前記高調波フィルタにおける全体損失電力量のうちの少なくとも1つを計算し、
前記複数の素子のそれぞれの損失電力量及び前記高調波フィルタにおける全体損失電力量のうちの少なくとも1つを、前記通信モジュールを利用して前記サーバーに伝送する請求項1〜のいずれか一項に記載の損失電力測定システム。
【請求項7】
前記モニタリングセンサ部は、
サーバーと通信する通信モジュールを含み、
前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を、前記通信モジュールを利用して前記サーバーに伝送する請求項1〜のいずれか一項に記載の損失電力測定システム。
【請求項8】
記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の素子のそれぞれのインピーダンスの初期値と、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量と、複数の素子のそれぞれにおいて発生する電力損失量と、高調波フィルタ全体で発生する電力損失量のうちの少なくとも1つを前記記憶部に記憶する請求項1〜のいずれか一項に記載の損失電力測定システム。
【請求項9】
前記モニタリングセンサ部は、
前記複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを感知し、前記感知された複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを前記制御部に伝送し、
前記制御部は、
前記伝送された複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを利用して、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を計算する請求項1に記載の損失電力測定システム。
【請求項10】
高圧直流送電システムに含まれる高調波フィルタにおける損失電力を測定するための損失電力測定システムの損失電力測定方法において、
前記高調波フィルタに含まれる複数の素子のインピーダンスの大きさを感知するステップと、
前記複数の素子のインピーダンス変化量を取得するステップと、
前記複数の素子のインピーダンスの変化量を利用して、前記高調波フィルタの損失量を取得するステップと、
含み、
前記複数の素子は、1つ以上の抵抗、1つ以上のキャパシタ及び1つ以上のインダクターを含み、
前記複数の素子のインピーダンス変化量を取得するステップは、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス変化量を計算し、
前記高調波フィルタの損失量を取得するステップは、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれで発生する損失を計算する損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【請求項11】
前記複数の素子のインピーダンス変化量を取得するステップは、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス初期値と、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれで感知されたインピーダンス値を利用して、前記インピーダンス変化量を計算する請求項1に記載の損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【請求項12】
前記複数の素子のインピーダンスは、前記複数の素子の温度変化及び前記複数の素子における周波数変化のうちの少なくとも1つによって変化する請求項10又は11に記載の損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【請求項13】
前記高調波フィルタの損失量を取得するステップは、前記複数の素子のそれぞれの定格電圧及び定格電流のうちの少なくとも1つと、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記高調波フィルタの損失を取得する請求項1012のいずれか一項に記載の損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【請求項14】
前記複数の素子のそれぞれの定格電圧は、固定された値である請求項13に記載の損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【請求項15】
前記複数の素子のインピーダンスの変化量を利用して、前記高調波フィルタの損失量を取得するステップは、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記複数の素子のそれぞれの損失電力量及び前記高調波フィルタにおける全体損失電力量のうちの少なくとも1つを計算するステップを含み、
前記損失電力測定システムの損失電力測定方法は、前記複数の素子のそれぞれの損失電力量及び前記高調波フィルタにおける全体損失電力量のうちの少なくとも1つをサーバーに伝送するステップをさらに含む請求項1014のいずれか一項に記載の損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【請求項16】
前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量をサーバーに伝送するステップをさらに含む請求項1015のいずれか一項に記載の損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【請求項17】
前記複数の素子のそれぞれのインピーダンスの初期値を記憶するステップと、
前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を記憶するステップと、
前記複数の素子のそれぞれにおいて発生する電力損失量及び前記高調波フィルタ全体で発生する電力損失量のうちの少なくとも1つを記憶するステップと、
を含む請求項1016のいずれか一項に記載の損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【請求項18】
前記高調波フィルタに含まれる複数の素子のインピーダンスの大きさを感知するステップは、前記損失電力測定システムを構成するモニタリングセンサ部が、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを感知して、前記感知された複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを伝送するステップを含み、
前記複数の素子のインピーダンス変化量を取得するステップは、前記損失電力測定システムを構成する制御部が、前記伝送された複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを利用して、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を計算する請求項10に記載の損失電力測定システムの損失電力測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高調波フィルタを構成する素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、高調波フィルタにおける損失を計算する損失電力測定システム及びその損失電力測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高圧直流送電(HVDC : High Voltage Direct Current、以下「HVDC」という)は、発電所で生産される交流電力を直流に変換して送電した後、受電点で交流に再変換して電力を供給する方式である。このようなHVDC送電方式は、交流送電方式のメリットである電圧昇圧による効率的かつ経済的な電力伝送を可能とし、交流送電の様々な短所を克服できる送電方式である。
【0003】
HVDC送電方式は、交流電力を直流電力に変換する過程及び直流電力を交流電力に変換する過程が必要であるが、このような過程でスイッチ及び負荷の特性によって高調波が発生することになる。このような高調波による悪影響を防止するために、高調波フィルタを用いることが一般的である。
【0004】
図6には、このような高調波フィルタの一般的な構成が示される。図6に示すように、高調波フィルタは、1つ以上のインダクター、1つ以上のキャパシタ、1つ以上の抵抗の組合せによって構成される。
【0005】
一方、従来、高調波フィルタで発生する電力損失を測定するために、高調波フィルタの入力端に設けられたガス絶縁開閉器(Gas Insulated Switchgear : GIS)10で電圧と電流を測定していた。すなわち、従来、高調波フィルタの入力端で測定された電圧及び電流値を利用して、高調波フィルタで発生する損失電力を計算していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、従来の高調波フィルタの損失測定システムは、高調波フィルタにおける損失自体の測定よりも、電圧及び電流を測定することを主目的としていた。一方、温度や周波数の変化によるインピーダンス変化量は分からないので、リアルタイムで温度や周波数の変化による損失が分かり難いという問題があった。また、それぞれの素子における損失電力を測定することは容易ではなく、電圧及び電流の変化によるインピーダンス変化量が分からないので、後の設計にも反映できないといった問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、本発明の目的は、高調波フィルタを構成する素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、高調波フィルタにおける損失を計算する損失電力測定システム及び損失電力測定システムの損失電力測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る高圧直流送電システムに含まれる高調波フィルタにおける損失電力を測定するための損失電力測定システムは、複数の素子を含む高調波フィルタと、前記複数の素子のインピーダンス変化を感知するモニタリングセンサ部と、前記複数の素子のインピーダンスの変化量を利用して、前記高調波フィルタの損失を取得する制御部と、を備える。
【0009】
また、前記複数の素子は、1つ以上の抵抗、1つ以上のキャパシタ及び1つ以上のインダクターを含み、前記モニタリングセンサ部は、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス変化を感知し、前記制御部は、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれで発生する損失を取得すると好適である。
【0010】
また、前記モニタリングセンサ部は、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス初期値と、前記モニタリングセンサ部で測定された前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス値を利用して、前記インピーダンス変化量を取得すると好適である。
【0011】
また、前記複数の素子のインピーダンスは、前記複数の素子の温度変化及び前記複数の素子における周波数変化のうちの少なくとも1つによって変化すると好適である。
【0012】
また、前記制御部は、前記複数の素子のそれぞれの定格電圧及び定格電流のうちの少なくとも1つと、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記高調波フィルタの損失を取得すると好適である。
【0013】
また、前記複数の素子のそれぞれの定格電圧は、固定された値であると好適である。
【0014】
また、前記制御部は、サーバーと通信する通信モジュールを含み、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記複数の素子のそれぞれの損失電力量及び前記高調波フィルタにおける全体損失電力量のうちの少なくとも1つを計算し、前記複数の素子のそれぞれの損失電力量及び前記高調波フィルタにおける全体損失電力量のうちの少なくとも1つを、前記通信モジュールを利用して前記サーバーに伝送すると好適である。
【0015】
また、前記モニタリングセンサ部は、サーバーと通信する通信モジュールを含み、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を、前記通信モジュールを利用して前記サーバーに伝送すると好適である。
【0016】
また、本発明の実施形態に係る高圧直流送電システムに含まれる高調波フィルタにおける損失電力を測定するための損失電力測定システムは、記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンスの初期値と、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量と、複数の素子のそれぞれにおいて発生する電力損失量と、高調波フィルタ全体で発生する電力損失量のうちの少なくとも1つを前記記憶部に記憶することができる。
【0017】
また、前記モニタリングセンサ部は、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを感知し、前記感知された複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを前記制御部に伝送し、前記制御部は、前記伝送された複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを利用して、前記複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を計算すると好適である。
【0018】
また、本発明の実施形態に係る高圧直流送電システムに含まれる高調波フィルタにおける損失電力を測定するための損失電力測定システムの損失電力測定方法は、前記高調波フィルタに含まれる複数の素子のインピーダンスの大きさを感知するステップと、前記複数の素子のインピーダンス変化量を取得するステップと、前記複数の素子のインピーダンスの変化量を利用して、前記高調波フィルタの損失量を取得するステップと、を含むことができる。
【0019】
また、前記複数の素子は、1つ以上の抵抗、1つ以上のキャパシタ及び1つ以上のインダクターを含み、前記複数の素子のインピーダンス変化量を取得するステップは、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス変化量を計算し、前記高調波フィルタの損失量を取得するステップは、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、前記1つ以上の抵抗、前記1つ以上のキャパシタ及び前記1つ以上のインダクターのそれぞれで発生する損失を計算すると好適である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る損失電力測定システムの構成を説明するためのブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る損失電力測定システムの損失電力測定方法を説明するフローチャートである。
図3】本発明の実施形態に係る高調波フィルタに含まれる複数の素子のそれぞれの損失電力を測定する方法の説明図である。
図4】本発明の実施形態に係るデータをサーバーに伝送する方法の説明図である。
図5】本発明の実施形態に係るデータをサーバーに伝送する方法の説明図である。
図6】従来の高調波フィルタにおける電力損失を測定する方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付された図面を参照して、本明細書に開示された実施形態を詳しく説明するが、同一または類似する構成要素には同じ参照番号を付し、それに対する重なる説明は省略することにする。以下の説明で用いられる構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は、明細書の容易な作成を考慮して付与または混用されるものとして、それ自体が相互区別される意味または役割を持つものではない。また、本明細書に開示される実施形態の説明に当り、関連公知技術に対する具体的な説明は適宜省略する。また、添付された図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものであり、本明細書に開示された技術的思想を制限するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る損失電力測定システムの構成を説明するためのブロック図である。
図1に示すように、本発明の損失電力測定システム10は、高調波フィルタ100、モニタリングセンサ部200、制御部300及び記憶部400を備えることができる。
【0023】
高調波フィルタ100は、高圧直流送電(HVDC)システムで発生する高調波を除去することができる。具体的に、HVDC送電方式では、交流電力を直流に変換するサイリスタコンバータが用いられるが、この時、位相制御をするサイリスタコンバータの特性上高調波が発生する。高調波フィルタ100は、このような電力変換過程で発生する高調波を除去することができる。
【0024】
一方、高調波フィルタ100は、複数の素子を有する。具体的には、高調波フィルタ100は、容量性素子、誘導性素子及び抵抗の直並列組合せによって構成することができ、複数の容量性素子、誘導性素子及び抵抗の組合せによって構成されることで、交流電力の整流過程で発生するn次高調波を除去することができる。
【0025】
容量性素子としては、キャパシタを用いることができ、誘導性素子としては、インダクターを用いることができる。
【0026】
高調波フィルタ100は、高圧直流送電(HVDC)システムの送電端に設置される場合には、交流を直流に変換する過程で発生する高調波を除去することができ、高圧直流送電(HVDC)システムの受電端に設置される場合には、直流を交流に変換する過程で発生する高調波を除去することができる。また、高調波フィルタ100は、システムに無効電力を供給することで、システムの力率を改善することができる。
【0027】
モニタリングセンサ部200は、複数の素子のインピーダンス変化量を検出する。具体的に、モニタリングセンサ部200は、高調波フィルタを構成する容量性素子、誘導性素子及び抵抗の個数に対応する複数のモニタリングセンサを備えて構成することができ、複数のモニタリングセンサは、高調波フィルタを構成する複数の容量性素子、誘導性素子及び抵抗のそれぞれのインピーダンスの大きさを検出することができる。そして、複数のモニタリングセンサは、検出されたインピーダンスの大きさを利用して、インピーダンスの変化量を取得し、取得されたインピーダンス変化量を制御部300に伝送することができる。この場合、複数のモニタリングセンサのそれぞれは、特定条件における複数の容量性素子、誘導性素子及び抵抗のそれぞれのインピーダンスの初期値を基準に、インピーダンスの変化量を計算することができる。
【0028】
複数のモニタリングセンサのそれぞれは、素子のインピーダンスを検出するためのセンシングモジュール、素子のインピーダンス変化量を計算するための変化計算モジュール、計算されたインピーダンス変化量を制御部300に伝送するための通信モジュールを備えて構成される。
【0029】
一方、上述した実施形態では、モニタリングセンサ部に備えられた複数のモニタリングセンサのそれぞれがインピーダンス変化量を計算すると説明したが、これに限定されるものではない。具体的に、複数のモニタリングセンサのそれぞれは、素子のインピーダンスを感知するセンシング部、感知されたインピーダンスの大きさを制御部300に伝送する通信部のみを備えて構成することができ、インピーダンスの変化量は制御部300で計算するように構成することができる。
【0030】
制御部300は、複数の素子のインピーダンスの変化量を測定するように構成される。具体的には、制御部300は、モニタリングセンサ部200から複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさに対する情報を受信すると、インピーダンスの大きさに対する情報を利用して、インピーダンスの変化量を計算する。より具体的には、複数の素子のそれぞれの特定条件における複数の容量性素子、誘導性素子及び抵抗のそれぞれのインピーダンスの初期値を記憶部140に記憶し、受信したインピーダンスの大きさと記憶部140に記憶されたインピーダンスの初期値を比較することで、インピーダンスの変化量を計算することができる。
【0031】
そして、制御部300は、各素子のインピーダンスの変化量を基に、高調波フィルタにおける損失を取得する。具体的に、制御部300は、制御部300にて計算した高調波フィルタ100を構成する複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、複数の素子のそれぞれにおいて発生する損失の変化量を計算することで、高調波フィルタ100全体で発生する損失の変化量を計算することができる。また、制御部300は、モニタリングセンサ部200から受信した複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、複数の素子のそれぞれにおいて発生する損失の変化量を計算することで、高調波フィルタ100全体で発生する損失の変化量を計算することができる。
【0032】
記憶部400は制御部300の制御により、高調波フィルタ100を構成する複数の素子のそれぞれのインピーダンスの初期値と、インピーダンス変化量と、複数の素子のそれぞれにおいて発生する電力損失量と、高調波フィルタ全体で発生する電力損失量のうちの少なくとも1つを記憶することができる。
【0033】
図2は、本発明の実施形態に係る損失電力測定システムの損失電力測定方法を説明するフローチャートである。
図2に示すように、本発明の実施形態に係る損失電力測定システムの損失電力測定方法は、複数の素子のインピーダンスを測定するステップ(S310)と、複数の素子のインピーダンス変化量を利用して、高調波フィルタの損失を計算するステップ(S330)と、データを記憶するステップ(S350)と、を含むことができる。
【0034】
複数の素子のインピーダンスを測定するステップ(S310)については、図3を参考にして具体的に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る高調波フィルタ100を構成する複数の素子のそれぞれの損失電力を測定する方法の説明図である。
【0035】
図3に示すように、高調波フィルタ100は、複数の素子を備えて構成される。具体的には、高調波フィルタ100は、複数のキャパシタC1、C2、C3と、複数のインダクターL1、L2、L3と、複数の抵抗R1、R2、R3とが備えられ、キャパシタ、インダクター、抵抗素子の組合せによって、基準値以上の高調波を除去することができる。図3では、3つのキャパシタ、3つのインダクター、3つの抵抗により構成される高調波フィルタが図示されるが、これに限定されるものではなく、本発明での高調波フィルタは、それぞれ1つ以上のキャパシタ、インダクター、抵抗素子の多様な組合せによって高調波を除去できる、すべてのフィルタが含まれる。
【0036】
複数のキャパシタC1、C2、C3、複数のインダクターL1、L2、L3、複数の抵抗R1、R2、R3のそれぞれは、インピーダンス値を有する。そして、複数のキャパシタC1、C2、C3、複数のインダクターL1、L2、L3、複数の抵抗R1、R2、R3のそれぞれのインピーダンス値は変化する。具体的には、複数のキャパシタC1、C2、C3、複数のインダクターL1、L2、L3、複数の抵抗R1、R2、R3のそれぞれは、電圧や電流の周波数によってインピーダンス値が変化し、温度変化がある場合、それぞれの素子の特性によってインピーダンス値が変化する。
【0037】
一方、複数の素子のそれぞれにおける電力損失は、複数の素子のそれぞれにおける周波数及び温度変化、電圧と電流値を利用して計算することができる。しかしながら、これらの値は、実際には頻繁に変化するので正確な測定が困難であるが、本発明で提案するように、損失が発生することになるそれぞれの素子のインピーダンス変化量を測定すれば、それぞれの素子で発生する損失を計算することができる。
【0038】
モニタリングセンサ部200を構成する複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290は、複数のキャパシタC1、C2、C3、複数のインダクターL1、L2、L3、複数の抵抗R1、R2、R3のそれぞれのインピーダンスを測定することができる。また、複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290は、複数の素子のインピーダンス変化量だけでなく、複数の素子のそれぞれに印加される電圧及び電流や、複数の素子のそれぞれにおける周波数及び温度を検出することで、制御部300でこれらを総合したそれぞれの素子における電圧及び電流をモニタリングすることが可能となり、損失電力量計算における精密度を向上させることができる。なお、本発明で提案する損失電力量測定方法は、インピーダンス値の変化だけで複数の素子のそれぞれにおける損失を測定することが可能であるので、電圧及び電流の測定が必須ではない。
【0039】
ここで、インピーダンス変化量は、素子のインピーダンスの初期値と素子のインピーダンスの現在の値との差に相当する。複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290のそれぞれは、それぞれの素子のインピーダンスの初期値を記憶している。ここで、インピーダンスの初期値は、基本条件(基本周波数、基本温度、基本電圧、基本電流)における素子のインピーダンス値にあたる。そして、複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290のそれぞれは、素子のインピーダンス値を検出してインピーダンスの初期値と比較することで、インピーダンス変化量を検出することができる。
【0040】
一方、複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290のそれぞれは、インピーダンスの初期値を記憶しているが、インピーダンスの変化量を計算することなく、複数の素子で測定されたインピーダンス値を制御部300に伝送するように構成することができる。この場合、インピーダンスの変化量は、制御部300で計算可能である。また、制御部300がインピーダンスの変化量を計算することなく、直接各素子における損失電力の計算に利用するように構成するも可能である。
【0041】
複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290のそれぞれは、複数の素子のそれぞれのインピーダンスの初期値を記憶するための記憶モジュールと、複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を計算するための計算モジュールを内蔵することができる。また、複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290のそれぞれは、複数の素子のそれぞれのインピーダンスの変化量またはインピーダンスの大きさを伝送するための通信モジュールを内蔵することができる。
【0042】
制御部300は、複数の素子のインピーダンス変化量を利用して、高調波フィルタの損失を計算することができる。具体的には、制御部300は、複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290から伝送した複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の変化量を計算することができる。一方、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の変化量(ΔW)は、次の式により計算することができる。
損失電力の変化量[△W]=△Z*I^2
【0043】
複数の素子のそれぞれにおける電流(I)値は、システムの定格により固定された値である。従って、固定された電流(I)値とインピーダンス変化量(△Z)値を利用して、素子における損失電力の変化量(△W)を測定することができる。
【0044】
すなわち、制御部300は、複数の素子(キャパシタC1、C2、C3、インダクターL1、L2、L3、抵抗R1、R2、R3)のそれぞれにおけるインピーダンス変化量及び複数の素子(キャパシタC1、C2、C3、インダクターL1、L2、L3、抵抗R1、R2、R3)の定格電流を利用して、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の変化量(△W)を計算することができる。
【0045】
また、複数の素子のそれぞれにおける電圧(V)値は、システムの定格により設定された値である。従って、設定された電圧(V)値と複数の素子のそれぞれにおけるインピーダンス値を利用すれば電流(I)値を計算することができ、電流(I)値とインピーダンス変化量(△Z)値を利用して素子における損失電力の変化量(△W)を測定することができる。
【0046】
また、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の変化量は、次の式により計算することができる。
損失電力の変化量[△W]=V^2/△Z
【0047】
複数の素子のそれぞれにおける電圧(V)値は、システムの定格により設定された値であり、設定された電圧(V)値とインピーダンス変化量(△Z)値を利用して、素子における損失電力の変化量(△W)を測定することができる。
【0048】
そして、制御部300は、複数の素子(キャパシタC1、C2、C3、インダクターL1、L2、L3、抵抗R1、R2、R3)のそれぞれにおけるインピーダンス変化量及び複数の素子(キャパシタC1、C2、C3、インダクターL1、L2、L3、抵抗R1、R2、R3)の定格電圧を利用して、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の変化量(△W)を計算することができる。
【0049】
そして、制御部300は、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の変化量(△W)を利用して、高調波フィルタ100全体で発生する損失電力の変化量を計算することができる。
【0050】
本実施形態では、インピーダンス変化量(△Z)を利用して損失電力量の変化量(△W)を計算するので、本実施形態で計算される損失電力の変化量(△W)は、基本条件(基本周波数、基本温度、基本電圧、基本電流)において発生する損失電力量から変更された損失電力量であるといえる。
【0051】
本実施形態では、複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290から伝送された複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、制御部300が複数の素子のそれぞれにおける損失電力の変化量を計算すると説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290では複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさのみを検出して制御部300に伝送すれば、制御部300では記憶部400に記憶された複数の素子のそれぞれのインピーダンス初期値を利用して、複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量を算出し、算出された複数の素子のそれぞれのインピーダンス変化量及び複数の素子のそれぞれの定格電圧を利用して、複数の素子のそれぞれの損失電力変化量を計算することができる。
【0052】
また、制御部300は、複数の素子のインピーダンスの大きさを利用して、高調波フィルタの損失を計算することができる。具体的には、制御部300は、複数のセンサ210、220、230、240、250、260、270、280、290から伝送した複数の素子のそれぞれのインピーダンスの大きさを利用して、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の大きさを計算することができる。
【0053】
一方、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の大きさは、次の式により計算することができる。
損失電力量[W]=|Z|*I^2
【0054】
また、複数の素子のそれぞれにおける損失電力の大きさは、次の式により計算することができる。
損失電力量[W]=V^2/|Z|
【0055】
なお、ここで計算される損失電力量(W)は、損失電力の大きさであるといえる。具体的に、本実施形態では、インピーダンスの大きさ(|Z|)を利用して損失電力量(W)を計算するので、本実施形態で計算される損失電力量(W)は、複数の素子のそれぞれにおいて発生する損失電力の絶対値である。
【0056】
そして、制御部300は、複数の素子のそれぞれにおける損失電力量(W)を利用して、高調波フィルタ100全体で発生する損失電力量を計算することができる。
【0057】
また、制御部300は、算出されたデータを記憶部400に記憶させることができる。具体的には、制御部300は、モニタリングセンサ部200から複数の素子のそれぞれから伝送された複数の素子のそれぞれの電圧値、電流値、温度、周波数、インピーダンスの大きさ及びインピーダンスの変化量、そして、損失電力量、損失電力の変化量のうちの少なくとも1つを記憶部400に記憶させることができる。また、制御部300は、素子のそれぞれの電圧値、電流値、温度、周波数、インピーダンスの大きさ、インピーダンスの変化量、損失電力量、損失電力の変化量のうちの少なくとも1つが測定された時間情報を、記憶部400に一緒に記憶させることができる。そして、このように記憶されたデータは、複数の素子のモニタリング及び以後のシステム設計に利用することができる。
【0058】
図4及び図5は、本発明の実施形態に係るデータをサーバーに伝送する方法の説明図である。
【0059】
図4に示すように、制御部300は、複数の素子のそれぞれから伝送した複数の素子のそれぞれの電圧値、電流値、温度、周波数、インピーダンスの大きさ及びインピーダンスの変化量、そして、損失計算モジュールによって計算された複数の素子のそれぞれの損失電力量及び複数の素子のそれぞれの損失電力の変化量のうちの少なくとも1つを、内蔵された通信モジュールを利用してサーバー500に伝送することができる。ここで、サーバー500は、HVDCシステムにおいて電力を提供する事業者側が運営するサーバー、または、提供された電力をHVDCシステム利用して運用する業者のサーバーとなることができる。そして、このような事業者や業者は、制御部300から受信した情報を利用して、高調波フィルタの複数の素子のそれぞれにおいて発生する電力損失をモニタリングすることができる。
【0060】
図5は、制御部300で損失電力を計算することなく、モニタリングセンサ部200とサーバー500が直接通信する実施形態を説明するための図である。
【0061】
図5に示すように、モニタリングセンサ部200を構成する複数のセンサのそれぞれは、インピーダンスセンシングモジュールの他にも、通信モジュールを備える。そして、モニタリングセンサ部200を構成する複数のセンサのそれぞれは、サーバー500と直接通信する。具体的に、モニタリングセンサ部200は、通信モジュールを利用して、複数の素子のそれぞれの電圧値、電流値、温度、周波数、インピーダンスの大きさ及びインピーダンスの変化量のうちの少なくとも1つをサーバー500に伝送する。
【0062】
サーバー500は、モニタリングセンサ部200から伝送されたデータを通信部410を介して受信し、サーバー500の制御部420では、受信したデータを利用して、複数の素子のそれぞれの損失電力量、複数の素子のそれぞれの損失電力の変化量及び高調波フィルタ全体の損失電力量、高調波フィルタ全体の損失電力の変化量を計算する。
【0063】
サーバー500は、ディスプレイ部(図示されない)を備え、ディスプレイ部を介して、複数の素子のそれぞれの電圧値、電流値、温度、周波数、インピーダンスの大きさ及びインピーダンスの変化量、複数の素子のそれぞれの損失電力量、複数の素子のそれぞれの損失電力の変化量及び高調波フィルタ全体の損失電力量、高調波フィルタ全体の損失電力の変化量のうちの少なくとも1つを出力する。
【0064】
以上のように、本発明の実施形態に係る損失電力測定システムは、高調波フィルタ全体の損失を測定するものではなく、高調波フィルタを構成する複数の素子のそれぞれの損失を測定することで、損失電力をより正確にモニタリングすることができ、モニタリング結果をインピーダンス変化を反映した高調波フィルタの構成及び素子の仕様に関する以後の設計に反映することができる。
【0065】
また、本発明の実施形態に係る損失電力測定システムは、印加電圧、電流、温度及び周波数によるインピーダンス変化量に対する損失を正確に測定することができる。
【0066】
また、本発明の実施形態に係る損失電力測定システムは、それぞれの素子のインピーダンス変化量を利用して電力損失を測定することで、それぞれの素子における電流値及び電圧値の測定により電力損失を測定することに比べて、容易に電力損失を測定できる長所がある。
【0067】
一方、制御部300は、一般的に装置の制御を担当する構成として、中央処理装置、マイクロプロセッサ、プロセッサなどの用語と混用することができる。
【0068】
前述した本発明は、プログラムが記録された媒体にコンピュータが読み込みできるコードとして具現することが可能である。コンピュータが読み込みできる媒体は、コンピュータシステムによって読み込み可能なデータが記憶されるすべての種類の記録装置を含む。コンピュータが読み込みできる媒体としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Disk)、SDD(Silicon Disk Drive)、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などがあり、また、キャリアウェーブ(例えば、インターネットを介した送信)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータは、端末機の制御部180を含むこともできる。
【0069】
従って、上記詳細な説明は、あらゆる面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものであると考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付された請求項の合理的な解釈によって決定されるべきであり、本発明の等価的範囲内でのすべての変更は、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、高調波フィルタを構成する素子のそれぞれのインピーダンス変化量を利用して、高調波フィルタにおける損失を計算する損失電力測定システム及びその損失電力測定方法に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 :損失電力測定システム
100:高調波フィルタ
140:記憶部
180:制御部
200:モニタリングセンサ部
300:制御部
400:記憶部
420:制御部
500:サーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6