特許第6284993号(P6284993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6284993改善されたガス流を有する三次元加工物の製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284993
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】改善されたガス流を有する三次元加工物の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/16 20060101AFI20180215BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20180215BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20180215BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20180215BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   B22F3/16
   B33Y30/00
   B33Y10/00
   B22F3/105
   B28B1/30
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-182724(P2016-182724)
(22)【出願日】2016年9月20日
(65)【公開番号】特開2017-61745(P2017-61745A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2016年9月20日
(31)【優先権主張番号】15186889.0
(32)【優先日】2015年9月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514298748
【氏名又は名称】エスエルエム ソルーションズ グループ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヴィルケス
(72)【発明者】
【氏名】トニ アダム カロル
(72)【発明者】
【氏名】ディーター シュヴァルツェ
【審査官】 國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5721887(JP,B2)
【文献】 特表2002−530202(JP,A)
【文献】 実開昭57−061497(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00− 8/00
B29C 67/00−67/08
B28B 1/00− 1/54
B23K 26/00−26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元加工物の製造装置(10)であって、
原材料粉末を受けるキャリア(14)を収容するプロセスチャンバー(12)と、
累積的な積層造形法によって前記原材料粉末からなる加工物を作製するために、前記キャリア(14)上の原材料粉末を電磁放射線又は粒子放射線で選択的に照射する照射手段(16)と、
前記キャリア(14)を横断する第1のガス流(F1)を生成するように構成及び配置されたものである、前記プロセスチャンバー(12)へガスを供給する第1のガス流入口(22)及び前記プロセスチャンバー(12)からガスを排出するガス流出口(26)と、
前記照射手段(16)によって放射された電磁放射線又は粒子放射線を前記プロセスチャンバー(12)内へ伝達することができる伝達部(34)と、
前記伝達部(34)から離れる方向の第2のガス流(F2)を生成するように構成及び配置されたものである、前記プロセスチャンバー(12)へガスを供給する第2のガス流入口(38)と
前記第2のガス流入口(38)を経由する前記プロセスチャンバー(12)内へのガスの体積流量が、前記第1のガス流入口(22)を経由する前記プロセスチャンバー(12)内へのガスの体積流量より大きくなるように、前記プロセスチャンバー(12)へのガスの供給を制御するように適合された制御ユニット(42)とを有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第2のガス流入口(38)は、第2のガス流入口領域(A)を形成するように構成及び配置された、複数のガス流入開口(44)を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2のガス流入口領域(A)は、前記プロセスチャンバー(12)の上壁(36)の領域内に配置された第1の部分(A1)及び前記プロセスチャンバー(12)の側壁(30)の領域内に配置された第2の部分(A2)とを有し、前記プロセスチャンバー(12)の側壁(30)が、前記第1のガス流入口(22)を収容していることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のガス流入口(38)の上流のガス供給路(40)内に配置された圧力均等化コンテナ部(46)をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記圧力均等化コンテナ部(46)は、前記プロセスチャンバー(12)の壁(30、36)に統合されること、及び/又は、前記第2のガス流入口(38)及び/又は前記伝達部(34)は前記プロセスチャンバー(12)に面する圧力均等化コンテナ部(46)の壁(48)に配置されることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記圧力均等化コンテナ部(46)は、前記プロセスチャンバー(12)の上壁(36)に統合された第1の部分(46a)及び前記プロセスチャンバー(12)の側壁(30)に統合された第2の部分(46b)とを有し、前記プロセスチャンバー(12)の側壁(30)が、前記第1のガス流入口(22)を収容していることを特徴とする請求項又は請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のガス流入口(22)の上流のさらなるガス供給路(24)内に配置された、さらなる圧力均等化コンテナ部(54)をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
三次元加工物の製造方法であって、
プロセスチャンバー(12)内に収容されたキャリア(14)上に原材料粉末の層を塗布する工程と、
第1のガス流入口(22)及びガス流出口(26)が、前記キャリア(14)を横断する第1のガス流(F1)を生成するように構成及び配置され、前記第1のガス流入口(22)を経由して前記プロセスチャンバー(12)へガスを供給し、かつ、前記ガス流出口(26)を経由して前記プロセスチャンバー(12)からガスを排出する工程と、
累積的な積層造形法によって前記原材料粉末からなる加工物を作製するために、照射手段(16)によって、前記キャリア(14)上の原材料粉末を電磁放射線又は粒子放射線で選択的に照射する工程と、
前記照射手段(16)によって放射された電磁放射線又は粒子放射線を伝達部(34)を経由して前記プロセスチャンバー(12)内に伝達する工程と、
第2のガス流入口(38)が、前記伝達部(34)から離れる方向の第2のガス流(F2)を生成するように構成及び配置され、前記第2のガス流入口(38)を経由して前記プロセスチャンバー(12)へガスを供給する工程と
を有し、
前記第2のガス流入口(38)を経由する前記プロセスチャンバー(12)内へのガスの体積流量が、前記第1のガス流入口(22)を経由する前記プロセスチャンバー(12)内へのガスの体積流量より大きくなるように、前記プロセスチャンバー(12)へのガスの供給を制御することを特徴とする方法。
【請求項9】
前記第2のガス流入口(38)は、第2のガス流入口領域(A)を形成するように構成及び配置された、複数のガス流入開口(44)を有し、
前記第2のガス流入口領域(A)は、前記プロセスチャンバー(12)の上壁(36)の領域内に配置された第1の部分(A1)及び前記プロセスチャンバー(12)の側壁(30)の領域内に配置された第2の部分(A2)とを有し、前記プロセスチャンバー(12)の側壁(30)が、前記第1のガス流入口(22)を収容していることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のガス流入口(38)を経由して前記プロセスチャンバー(12)に供給されるガスは、前記第2のガス流入口(38)の上流のガス供給路(40)内に配置された圧力均等化コンテナ部(46)を通って導かれることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記圧力均等化コンテナ部(46)は、前記プロセスチャンバー(12)の壁(30、36)に統合されること、及び/又は、前記第2のガス流入口(38)及び/又は前記伝達部(34)は前記プロセスチャンバー(12)に面する圧力均等化コンテナ部(46)の壁(48)に配置されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記圧力均等化コンテナ部(46)は、前記プロセスチャンバー(12)の上壁(36)に統合された第1の部分(46a)及び前記プロセスチャンバー(12)の側壁(30)に統合された第2の部分(46b)とを有し、前記プロセスチャンバー(12)の側壁(30)が、前記第1のガス流入口(22)を収容していることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の方法
【請求項13】
前記第1のガス流入口(22)を経由して前記プロセスチャンバー(12)に供給されるガスは、前記第1のガス流入口(22)の上流のさらなるガス供給路(24)内に配置された、さらなる圧力均等化コンテナ部(54)を通って導かれることを特徴とする請求項から請求項12のいずれか一項に記載の方法。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原材料粉末の層を電磁放射線又は粒子放射線で照射することによって三次元加工物を製造する装置に関する。また、本発明はさらに、そのような装置の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末層融解は、粉末の、特に、金属、及び/又は、セラミックの原材料を複雑な形状の三次元加工物に加工することができる累積的な積層プロセスである。このために、原材料粉末の層がキャリア上に塗布され、製造される加工物の所望の幾何学的形状に依存して、電磁放射線又は粒子放射線を受ける。粉末層の中に浸透した電磁放射線又は粒子放射線は、原材料粒子を加熱し、その結果として、原材料粒子の融解又は焼結を引き起こす。さらに、加工物が所望の形状と大きさになるまで、原材料粉末の層が、既に放射線処理を受けた、キャリア上の層に連続的に塗布される。粉末層融解法は、CADデータに基づいて、特に、試作品、工具、交換部品、又は医療人工器官の製造のために使用されうる。
【0003】
粉末層融解プロセスにより粉末の原材料から成型体を製造する装置が、例えば、特許文献1(EP 1 793 979 B1)に記載されている。従来技術の装置は、製造する成形加工体用に複数のキャリアを収容するプロセスチャンバーを有している。粉末層準備システムは、レーザービームで照射される原材料粉末をキャリア上に塗布するために、キャリアを横断して前後に移動されることができる粉末貯蔵容器を有している。プロセスチャンバーには、保護ガス回路に接続された保護ガス流入口と保護ガス流出口が設けられている。プロセスチャンバー内に保護ガスの雰囲気を確立するために、保護ガス流入口を経由して、例えばアルゴンのような保護ガスが、プロセスチャンバー内に供給される。保護ガス流出口を経由して、プロセスチャンバーを通って流れる間に例えば残余の原材料粉末粒子や溶接煙粒子のような微粒子の不純物を含まされた保護ガスが、プロセスチャンバーから回収される。
【0004】
特許文献2(EP 1 839 781 A2)によれば、原材料粉末を照射し、それにより溶融する際に粉末層融解プロセスで発生した溶接煙は、プロセスチャンバーの内部及び、例えば、放射ビームがプロセスチャンバー内に向けられる際に通るレンズ又は窓のような照射システムの部品も汚染しうる。その結果として、堆積した溶接煙凝集物質によって、照射システムにより放射される放射エネルギーの徐々に増加する部分が吸収されうる。そのため、特許文献2(EP 1 839 781 A2)は、製品積層区域と、溶接煙がほとんど入り込めないように設計されたプロセスチャンバーの上部壁との間に、保護ガス流の層の形式で分離区域を生成し維持する手段を有する保護ガス搬送システムを提供することを提案している。特に、その保護ガス搬送システムは、プロセスチャンバーの側壁に、水平方向に伸びる細長いノズルを有している。圧縮機によって昇圧されてノズルに供給された保護ガスが、そのノズルを経由して、実質的に層流をなす保護ガスの流れが生成されるようにプロセスチャンバーに供給される。その保護ガスが送風機によってプロセスチャンバーから回収される際に通る流出開口が、ノズルと反対側のプロセスチャンバーのさらなる側壁内に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP 1 793 979 B1
【特許文献2】EP 1 839 781 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、作動時間中に安定な作動状態が維持され、それにより高品質の加工物を製造することができる、原材料粉末の層を電磁放射線又は粒子放射線で照射することによって三次元加工物を製造する装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、この種の装置を作動する方法を提供することを目的とする。
【0007】
この目的は、請求項1に規定された装置と請求項9に規定された方法によって達成される。
【0008】
三次元加工物の製造装置は、原材料粉末を受けるキャリアを収容するプロセスチャンバーを有している。キャリアは、原材料粉末が電磁放射線又は粒子放射線を受けるために塗布される表面を有する、しっかりと固定されたキャリアでもよい。しかしながら、好ましくは、加工物が原材料粉末から層状に積み上げられる際、その加工物の製造高さが増すにつれて、キャリアが垂直方向における下方向に移動させられるように、キャリアが垂直方向に変位可能に設計される。プロセスチャンバー内のキャリア上に塗布される原材料粉末は、好ましくは金属粉末であり、特には金属合金粉末であるが、セラミック粉末又は異なる物質を含有する粉末であってもよい。その粉末はいかなる適切な粒子の大きさ、又は粒子の大きさの分布を有していてもよい。しかしながら、100μm未満の大きさの粒子の粉末を加工処理することが好ましい。
【0009】
その装置はさらに、累積的な積層造形法によって前記原材料粉末からなる加工物を作製するために、キャリア上の原材料粉末を電磁放射線又は粒子放射線で選択的に照射する照射手段を有している。そして、キャリア上に塗布された原材料粉末は、作製される加工物の所望の幾何学的形状に依存して、位置選択的な方法で電磁放射線又は粒子放射線を受けてもよい。照射手段は、放射ビーム源、特にレーザービーム源を備えていてよく、追加的に、その放射ビーム源によって放射される放射ビームを誘導し、及び/又は、処理する、光学ユニットを有していてもよい。その光学ユニットは、対物レンズ、特にf−θレンズ、及びスキャナユニットのような光学要素を有していてよく、そのスキャナユニットは回折光学素子と屈折鏡を有することが好ましい。
【0010】
さらに、その装置には、プロセスチャンバーにガスを供給する第1のガス流入口が設けられている。第1のガス流入口によって供給されるガスは、例えば、アルゴン、窒素等のような不活性ガスでよい。プロセスチャンバーは、その中を制御された雰囲気に維持可能とするために、周囲の雰囲気に対して、密閉可能とすることが考えられる。その制御された雰囲気は、不必要な化学反応、特には、酸化反応を防ぐために、不活性ガスの雰囲気でよい。さらに、その装置はプロセスチャンバーからガスを排出するガス流出口を有している。第1のガス流入口とガス流出口は、キャリアを横断する第1のガス流を生成するように構成及び配置される。
【0011】
その第1のガス流は、好ましくは、キャリア上の原材料粉末を電磁放射線又は粒子放射線で照射する際にプロセスチャンバー内に生成された微粒子の不純物が、第1のガス流入口からガス流出口までプロセスチャンバーを通って導かれる第1のガス流によって、プロセスチャンバーから取り除かれることを確実にするように、実質的にキャリアに平行に導かれる。例えば、第1のガス流入口とガス流出口はプロセスチャンバーの対向する側壁の領域内に配置されてもよい。ガス流出口は、そのガス流出口を経由してプロセスチャンバーから出るガスが、第1のガス流入口を経由してプロセスチャンバー内に再循環されうる再循環システムを形成するように、第1のガス流入口に接続された第1のガス供給路に順番に接続されたガス排出路に接続されてよい。ガスを第1のガス流入口を経由してプロセスチャンバー内に再循環する前に、ガス流出口を経由してプロセスチャンバーから排出されたガスから微粒子の不純物を取り除くために、適切な濾過装置が再循環システム内に設けられてよい。
【0012】
その装置はさらに、照射手段によって放射された電磁放射線又は粒子放射線をプロセスチャンバー内へ伝達することができる伝達部を有している。その伝達部は、例えば窓の形式で設計されてよい。その代わりに、伝達部は照射手段の光学部品、特にはレンズを有していてよく、又は、レンズで構成されてよい。その伝達部は、プロセスチャンバーの壁の領域内に、特に、プロセスチャンバーの上壁の領域内に配置されてよい。その装置の特に好ましい実施態様においては、伝達部はキャリアの中心の上方の領域内に配置される。例えば、伝達部はプロセスチャンバーの壁に、特に、上壁に統合されてもよい。
【0013】
伝達部の材料は、照射手段によって放射された電磁放射線又は粒子放射線についての伝達部の所望の透過率を確実にするために、照射手段によって放射される放射線のタイプに依存して選択されてよい。さらに、伝達部の材料は、伝達部が三次元加工物の製造装置の作動中にその伝達部に作用する熱的負荷に耐えることができるように、選択されるべきである。例えば、伝達部は、ガラス材料又は適切なポリマー材料から構成されてよい。伝達部は、もし必要ならば、プロセスチャンバーの内部に向かい合う表面の領域内において、その伝達部の表面上への溶接煙凝縮物の付着と堆積を最小化する表面層が設けられてよい。
【0014】
最後に、その装置はプロセスチャンバーにガスを供給する第2のガス流入口を有する。好ましくは、同じガス、特には不活性ガスが第1及び第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバーに供給される。しかしながら、異なるガスが第1及び第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバー内に導かれることも考えられる。第2のガス流入口は、その第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバー内に供給されるガスが通って流れるように適合された第2のガス供給路に接続されてもよい。第2のガス供給路は、ガスを第1のガス流入口へ供給する機能を有する第1のガス供給路に接続されてよい。しかしながら、第2のガス供給路は第1のガス供給路から独立して設計され、例えば、ガス源に直接接続されることも考えられる。
【0015】
第2のガス流入口は、伝達部から離れる方向の第2のガス流を生成するように構成及び配置される。例えば、第2のガス流入口はプロセスチャンバーの少なくとも1つの壁の領域内に配置されてよい。好ましくは、第2のガス流入口は伝達部に隣接して配置され、すなわち、本装置の好ましい実施態様において、第2のガス流入口は、少なくとも、伝達部も収容しているプロセスチャンバーの壁の領域内に配置される。伝達部がプロセスチャンバーの上壁の領域内に配置されている装置においては、第2のガス流入口も好ましくは少なくともプロセスチャンバーの上壁の領域内に配置される。第2のガス流入口から出る第2のガス流は、伝達部を収容しているプロセスチャンバーの壁に実質的に垂直な方向に、伝達部から離れて流れてもよい。それに加えて、又は、それに代えて、第2のガス流はキャリアの方向に、かつ、好ましくはそれに対して実質的に垂直に流れてもよい。
【0016】
第2のガス流によって、微粒子の不純物、例えば、電磁放射線若しくは粒子放射線で照射される際にキャリア上に塗布された原材料粉末から立ち昇る溶接煙又は粉末粒子が伝達部に到達することが妨げられるか、又は、少なくとも伝達部から離れて導かれる。従って、第2のガス流は、伝達部がプロセスチャンバー内に存在する微粒子の不純物によって汚染されることを防ぐ、保護ガスの流れを構成する。伝達部の表面上に堆積された溶接煙凝縮物質による、照射システムによって放射される放射エネルギーの吸収が最小化されることができ、それにより、安定な作動状態が三次元加工物の製造装置のより長期の作動の間、プロセスチャンバー内に維持されうる。その結果として、高品質の加工物が、伝達部をクリーニングするために装置の作動を中断することなしに製造されうる。さらに、溶接煙凝縮物の堆積による伝達部への損傷が防がれうるか、又は、少なくともかなり低減されうる。
【0017】
この三次元加工物の製造装置は、制御ユニットをさらに有していてよく、その制御ユニットは、電子制御ユニットの形式で設計されることができ、また、第2のガス流入口を経由するプロセスチャンバー内へのガスの体積流量が、第1のガス流入口を経由するプロセスチャンバー内へのガスの体積流量より大きくなるように、プロセスチャンバーへのガスの供給を制御するように適合されうる。このプロセスチャンバーへのガスの供給の制御により、伝達部が汚染されることを特に信頼性の高い方法で防ぐことができる。
【0018】
第2のガス流入口は複数のガス流入開口を有していてよい。プロセスチャンバーに供給されるガスを複数のガス流入開口を通って第2のガス流入口を経由して導くことによって、プロセスチャンバーに比較的低いガス流入圧力で、ガスの所望の高い流入体積流量を提供することができる。その結果として、キャリア上に塗布された原材料粉末層形成及び/又は照射プロセスを妨げうる、第2のガス流内の望まない乱流の発生を避けることができる。好ましくは、第2のガス流入口の複数のガス流入開口は、第2のガス流入口領域を形成するように構成及び配置される。例えば、第2のガス流入口のガス流入開口によって形成された第2のガス流入口領域は、キャリアの方向に、かつ、実質的にそれに対して垂直に第2のガス流を生成できるように、キャリアに実質的に平行に配置されてもよい。第2のガス流入口領域の大きさは、キャリアの表面領域に実質的に等しいか、又は、より大きくてよい。そのような構成は、キャリア上のいかなる位置で照射される際でもキャリア上に塗布された原材料粉末から立ち昇る溶接煙が伝達部に到達すること及びそれにより伝達部が汚染されることを確実に防ぐことを保証する。
【0019】
三次元加工物の製造装置の好ましい実施態様において、第2のガス流入口領域は、プロセスチャンバーの上壁の領域内に配置された第1の部分及びプロセスチャンバーの側壁の領域内に配置された第2の部分とを有している。特に、第2のガス流入口領域の第2の部分は、第1のガス流入口も収容している、プロセスチャンバーの側壁の領域内に配置されてよい。そのような構成によって、第2のガス流入口領域の大きさは増加されることができ、特に高い体積流量のガスを第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバーへ供給することが特に低圧で可能になる。第2のガス流入口領域は、その第2のガス流入口領域をさらに増加させるために、プロセスチャンバーのさらなる側壁の領域内に配置されうる、さらなる部分を有していてもよい。
【0020】
装置はさらに、第2のガス流入口の上流のガス供給路、すなわち、第2のガス供給路内に配置されうる圧力均等化コンテナ部を有していてよい。この文脈において、「上流」との表現は、第2のガス流入口に接続されたガス供給路、すなわち、第2のガス供給路を通るガスの流れの方向を指している。従って、第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバー内に供給されるガスは、プロセスチャンバーに入る前に、圧力均等化コンテナ部内に導かれる。圧力均等化コンテナ部は、例えば、装置の作動中に生じる温度差により、第2のガス流入口の上流のガス供給路内とプロセスチャンバー内で発生する圧力差を埋め合わせる機能を有する。従って、圧力均等化コンテナ部の存在により、ガスは特に均一な方法で第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバーへ供給されることができる。
【0021】
圧力均等化コンテナ部は、プロセスチャンバーの壁に統合されてもよい。例えば、圧力均等化コンテナ部は、プロセスチャンバーの壁内に形成された中空の空間によって規定されてもよい。圧力均等化コンテナ部は、特にスペース節約的な方法で装置内に据え付けられてよい。第2のガス流入口は、プロセスチャンバーに向かい合う圧力均等化コンテナ部の壁に配置されてよい。そして、第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバーに供給されるガスは、圧力均等化コンテナ部からプロセスチャンバー内に容易に導かれうる。
【0022】
さらに、伝達部はプロセスチャンバーに向かい合う圧力均等化コンテナ部の壁内に配置されてもよい。その伝達部と類似に、又は、等しく設計されうるさらなる伝達部が、プロセスチャンバーから離れていて、かつ、圧力均等化コンテナ部を照射手段から分離する、圧力均等化コンテナ部の壁内に配置されてもよい。そして、照射手段から放射された電磁放射線又は粒子放射線が、圧力均等化コンテナ部を通ってプロセスチャンバー内に導かれてよい。
【0023】
圧力均等化コンテナ部は、プロセスチャンバーの上壁に統合された第1の部分及びプロセスチャンバーの側壁に統合された第2の部分を有していてよい。特に、圧力均等化コンテナ部の第2の部分は、第1のガス流入口も収容している、プロセスチャンバーの側壁の領域内に配置されてよい。圧力均等化コンテナ部のこの構成は、上述した第1及び第2の部分を有する第2のガス流入口領域との組み合わせにおいて特に有利である。もし必要ならば、圧力均等化コンテナ部は、その圧力均等化コンテナ部の設計を第2のガス流入口領域の設計に適合させるために、プロセスチャンバーのさらなる側壁の領域内に配置される、さらなる部分を有していてもよい。
【0024】
最後に、装置は、第1のガス流入口の上流のさらなるガス供給路、すなわち、第1のガス供給路内に配置された、さらなる圧力均等化コンテナ部を設けられてよい。この文脈において、「上流」との表現は、第1のガス流入口に接続された、さらなるガス供給路、すなわち、第1のガス供給路を通るガスの流れの方向を指している。そして、第1のガス流入口を経由してプロセスチャンバー内に供給されるガスは、プロセスチャンバーに入る前に、例えば、装置の作動中に生じる温度差により、第1のガス流入口の上流のガス供給路内とプロセスチャンバー内で発生する圧力差を埋め合わせる機能を有する、さらなる圧力均等化コンテナ部内に導かれる。従って、さらなる圧力均等化コンテナ部の存在により、ガスは特に均一な方法で第1のガス流入口を経由してプロセスチャンバーへ供給されることができる。
【0025】
三次元加工物の製造方法において、原材料粉末の層がプロセスチャンバー内に収容されたキャリア上に塗布される。ガスは第1のガス流入口を経由してプロセスチャンバーに供給される。ガスはガス流出口を経由してプロセスチャンバーから排出される。第1のガス流入口及びガス流出口が、キャリアを横断する第1のガス流を生成するように構成及び配置される。その方法はさらに、累積的な積層造形法によって前記原材料粉末からなる加工物を作製するために、照射手段によって、キャリア上の原材料粉末を電磁放射線又は粒子放射線で選択的に照射する工程を有している。照射手段によって放射された電磁放射線又は粒子放射線は伝達部を経由してプロセスチャンバー内に伝達される。ガスが第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバーに供給される。第2のガス流入口が、伝達部から離れる方向の第2のガス流を生成するように構成及び配置される。
【0026】
好ましくは、プロセスチャンバーへのガスの供給は、第2のガス流入口を経由するプロセスチャンバー内へのガスの体積流量が、第1のガス流入口を経由するプロセスチャンバー内へのガスの体積流量より大きくなるように制御される。
【0027】
第2のガス流入口は、第2のガス流入口領域を形成するように構成及び配置されうる、複数のガス流入開口を有していてよい。
【0028】
第2のガス流入口領域は、好ましくはプロセスチャンバーの上壁の領域内に配置された第1の部分及びプロセスチャンバーの側壁の領域内に配置された第2の部分を有している。特に、第2のガス流入口領域の第2の部分は、第1のガス流入口も収容しているプロセスチャンバーの側壁の領域内に配置されてよい。
【0029】
第2のガス流入口を経由してプロセスチャンバーに供給されるガスは、圧力均等化コンテナ部を通って導かれてよい。この圧力均等化コンテナ部は、第2のガス流入口に、すなわち、第2のガス流入口の上流の第2のガス供給路に接続されたガス供給路内に配置されうる。
【0030】
圧力均等化コンテナ部は、プロセスチャンバーの壁に統合されてよい。第2のガス流入口はプロセスチャンバーに向かい合う圧力均等化コンテナ部の壁に配置されうる。同様に、伝達部はプロセスチャンバーに向かい合う圧力均等化コンテナ部の壁に配置されうる。
【0031】
圧力均等化コンテナ部は、プロセスチャンバーの上壁に統合された第1の部分及びプロセスチャンバーの側壁に統合された第2の部分を有していてよい。特に、圧力均等化コンテナ部の第2の部分は、第1のガス流入口も収容している、プロセスチャンバーの側壁の領域内に配置されてよい。
【0032】
第1のガス流入口を経由してプロセスチャンバーに供給されるガスは、さらなる圧力均等化コンテナ部を通って導かれてもよい。さらなる圧力均等化コンテナ部は、第1のガス流入口に、すなわち、第1のガス流入口の上流の第1のガス供給路に接続されたさらなるガス供給路内に配置されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の好ましい実施態様が、以下で添付の概略的な図面を参照して詳細に説明される。
【0034】
図1】三次元加工物の製造装置の第1の実施態様の概略的三次元表示である。
図2図1による装置の概略断面図である。
図3】三次元加工物の製造装置の第2の実施態様の概略断面図である。
図4】三次元加工物の製造装置の第3の実施態様の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1及び図2は累積的な積層プロセスによる三次元加工物の製造装置10の第1の実施態様を示している。装置10は、原材料粉末を受けるキャリア14(図2参照)を収容するプロセスチャンバー12を有している。粉末塗布装置(不図示)は、キャリア14上に原材料粉末を塗布する機能を有している。キャリア14は、加工物がそのキャリア14上に原材料粉末から層状に積み上げられる際、その加工物の製造高さが増すにつれて、キャリア14が垂直方向における下方向に移動させられるように、垂直方向に変位可能に設計される。
【0036】
三次元加工物の製造装置10はさらに、累積的な積層造形法によって前記原材料粉末からなる加工物を作製するために、キャリア14上に塗布された原材料粉末を電磁放射線又は粒子放射線、特にはレーザー放射線で選択的に照射する照射手段16を有している。特に、照射手段16によって、キャリア14上の原材料粉末は、作製される部品の所望の幾何学的形状に依存して、位置選択的な方法で、電磁放射線又は粒子放射線を受けてよい。照射手段16は、約1070から1080nmの波長のレーザー光を放射するダイオード励起イッテルビウムファイバーレーザーを備えることができる放射線源18を有している。
【0037】
照射手段16はさらに、放射線源18によって放射された放射ビームを誘導し、処理する光学ユニット20を備えている。光学ユニットは、放射ビームを広げるビームエキスパンダー、スキャナ、及び対物レンズを備えていてよい。その代わりに、光学ユニットは集束光学部品とスキャナユニットを含むビームエキスパンダーを有していてもよい。スキャナユニットにより、ビーム路の方向とビーム路に垂直な面内の両方の放射ビームの焦点の位置は、変化され、調整されることができる。スキャナユニットは、ガルバノメータースキャナの形式で設計されてよく、対物レンズはf−θ対物レンズでもよい。
【0038】
プロセスチャンバー12は、周囲の雰囲気に対して、すなわち、プロセスチャンバー12を取り囲む周囲の環境に対して密閉される。図から明らかになるように、プロセスチャンバー12には、ガスをガス源23からプロセスチャンバー12へ供給する第1のガス流入口22が設けられている。第1のガス流入口22を経由してプロセスチャンバーに供給されるガスは、例えば、アルゴン、窒素等のような不活性ガスでよい。しかしながら、プロセスチャンバー12へ第1のガス流入口22を経由して空気を供給することも考えられる。ガスは例えば、第1のガス供給路24内に配置されたポンプ又は送風機(不図示)のような適切な搬送手段によって、第1のガス流入口22を経由してプロセスチャンバー12内に運ばれる。
【0039】
微粒子の不純物を含むガスはガス流出口26を経由してプロセスチャンバー12から排出される。ガス流出口26は、そのガス流出口26を経由してプロセスチャンバー12から出るガスが、第1のガス流入口22を経由してプロセスチャンバー12内に再循環される再循環システムを形成するように、第1のガス流入口22に接続された第1のガス供給路24に順番に接続されたガス排出路28に接続される。ガスを第1のガス流入口22を経由してプロセスチャンバー12内に再循環する前に、ガス流出口26を経由してプロセスチャンバー12から排出されたガスから微粒子の不純物を取り除くために、適切な濾過装置(不図示)が再循環システム内に設けられる。
【0040】
第1のガス流入口22とガス流出口26は、キャリア14を横断する第1のガス流F1を生成するように構成及び配置される。図に示すように、その第1のガス流F1は、キャリア14上の原材料粉末を電磁放射線又は粒子放射線で照射する際にプロセスチャンバー12内に生成された微粒子の不純物が、第1のガス流入口22からガス流出口26までプロセスチャンバー12を通って導かれる第1のガス流F1によって、プロセスチャンバー12から取り除かれるように、実質的にキャリア14に平行に導かれる。図に示された装置10の実施態様において、これはスリット形状の第1のガス流入口22とスリット形状のガス流出口26をプロセスチャンバー12の対向する側壁30、32の領域内に配置することによって達成される。
【0041】
装置10はさらに、照射手段16によって放射された電磁放射線又は粒子放射線をプロセスチャンバー12へ伝達することができる伝達部34を有している。図に示された装置10において、伝達部34はキャリア14の中心の上方のプロセスチャンバー12の上壁36の領域内に配置された、ガラス又はポリマーから成る窓の形式で設計される。こうして、照射手段16によって放射された放射ビームは、伝達部34を通って、作製される加工品の幾何学的形状に依存して必要に応じ、キャリア14の全域に渡って導かれることができる。
【0042】
さらに、装置10はガスをプロセスチャンバー12に供給する第2のガス流入口38を有している。第2のガス流入口38は、その第2のガス流入口38を経由してプロセスチャンバー12内に供給されるガスが通って流れる第2のガス供給路40に接続される。第1のガス供給路24と同様に、第2のガス供給路40もガス源23に接続される。従って、同じガスが第1及び第2のガス流入口22、38を経由してプロセスチャンバー12へ供給される。
【0043】
第2のガス流入口38は伝達部34から離れる方向の第2のガス流F2を生成するように構成及び配置される。図に示されたように、第2のガス流F2は伝達部34を収容するプロセスチャンバー12の上壁36からキャリア14の方向に、かつ、プロセスチャンバー12の上壁36とキャリア14の両方に実質的に垂直に導かれる。図に示された装置10の実施態様において、これは伝達部34に隣接する、プロセスチャンバー12の上壁36の領域内に第2のガス流入口38を配置することによって達成される。第2のガス流F2によって、微粒子の不純物、例えば、電磁放射線若しくは粒子放射線で照射される際にキャリア14上に塗布された原材料粉末から立ち昇る溶接煙、又は、粉末粒子が、伝達部34に到達することが妨げられるか、又は、少なくとも伝達部34から離れて導かれる。従って、第2のガス流F2は、伝達部34がプロセスチャンバー12内に存在する微粒子の不純物によって汚染されることを防ぐ、保護ガスの流れを構成する。
【0044】
プロセスチャンバー12へのガスの供給は、制御ユニット42によって、第2のガス流入口38を経由するプロセスチャンバー12内へのガスの体積流量が、第1のガス流入口22を経由するプロセスチャンバー12内へのガスの体積流量より大きくなるように制御される。このプロセスチャンバーへのガスの供給の制御により、伝達部34が汚染されることを特に信頼性の高い方法で防ぐことができる。
【0045】
第2のガス流入口38は複数のガス流入開口44を有している。そのため、比較的低いガス流入圧力で、ガスの所望の高い流入体積流量を、第2のガス流入口38を通ってプロセスチャンバー12に提供することができる。その結果として、キャリア14上に塗布された原材料粉末層形成及び/又は照射プロセスを妨げうる、第2のガス流F2内の望まない乱流の発生を避けることができる。第2のガス流入口38の複数のガス流入開口44は、キャリア14に実質的に平行に配置された第2のガス流入口領域Aを形成するように構成及び配置され、第2のガス流入口領域Aは、第2のガス流F2をキャリア14の方向に、かつ、実質的にそれに対して垂直に生成することができるように配置される。第2のガス流入口領域Aの大きさは、キャリア14上のいかなる位置で照射される際でもキャリア14上に塗布された原材料粉末から立ち昇る溶接煙が伝達部34に到達すること及びそれにより伝達部が汚染されることを防ぐように、キャリア14の表面領域に実質的に等しくされる。
【0046】
装置10はさらに、第2のガス流入口38の上流の第2のガス供給路40内に配置された圧力均等化コンテナ部46を有している。この文脈において、「上流」との表現は、第2のガス供給路40を通るガスの流れの方向を指している。プロセスチャンバー12へ供給されるガスがプロセスチャンバー12へ入る前に圧力均等化コンテナ部46を通って第2のガス流入口38を経由して導かれることによって、例えば、装置10の作動中に生じる温度差により、第2のガス供給路40内とプロセスチャンバー12内で発生する圧力差が埋め合わされることができる。
【0047】
圧力均等化コンテナ部46はプロセスチャンバー12の壁に統合される。図1及び図2による装置10において、圧力均等化コンテナ部46はプロセスチャンバー12の上壁36に統合され、プロセスチャンバー12の上壁36内に形成された中空の空間によって規定される。これにより、第2のガス流入口38がプロセスチャンバー12に向かい合う、圧力均等化コンテナ部46の壁48内に配置される。さらに、伝達部34もプロセスチャンバー12に向かい合う、圧力均等化コンテナ部46の壁48内に配置される。
【0048】
伝達部34と等しく設計された、さらなる伝達部50(図2参照)が、プロセスチャンバー12から離れた側であり、かつ、圧力均等化コンテナ部46を照射手段16から分離している、圧力均等化コンテナ部46の壁52内に配置される。従って、照射手段16から放射された電磁放射線又は粒子放射線は、圧力均等化コンテナ部46を通ってプロセスチャンバー12内に導かれることができる。
【0049】
図3に示した装置10の第2の実施態様は、第2のガス流入口領域Aがプロセスチャンバー12の上壁36の領域内に配置された第1の部分A1及びプロセスチャンバー12の第1の側壁30の領域内に配置された第2の部分A2を有しているという点において、図1及び図2による装置10と異なっている。特に、第2のガス流入口領域Aの第2の部分A2は、第1のガス流入口22も収容している、プロセスチャンバー12の第1の側壁30の領域内に配置されている。第1及び第2の部分A1、A2を有する第2のガス流入口領域Aを設けることによって、第2のガス流入口領域Aの大きさを増加させることができ、それにより、特に高い体積流量のガスを特に低圧で第2のガス流入口38を経由してプロセスチャンバー12に供給することができる。
【0050】
さらに、図3による装置10において、圧力均等化コンテナ部46はプロセスチャンバー12の上壁36に統合された第1の部分46a及びプロセスチャンバー12の第1の側壁30に統合された第2の部分46bを有している。特に、圧力均等化コンテナ部46の第2の部分46bは、第1のガス流入口22も収容するプロセスチャンバー12の第1の側壁30の領域内に配置されている。他の点では、図3による装置10の構成及び機能は図1及び図2に示された装置10の構成及び機能に一致している。
【0051】
図4に示された装置10の第3の実施態様は、図4に示された装置10が、第1のガス流入口22の上流の第1のガス供給路24内に配置されたさらなる圧力均等化コンテナ部54を設けられている点において、図1及び図2による装置10と異なっている。この文脈において、「上流」との表現は、第1のガス供給路24を通るガスの流れの方向を指している。
【0052】
第1のガス流入口22を経由してプロセスチャンバー12に供給されるガスを、プロセスチャンバー12に入る前に、さらなる圧力均等化コンテナ部54を通って導くことにより、例えば装置10の作動中に生じる温度差により第1のガス流入口22の上流の第1のガス供給路24内とプロセスチャンバー12内で発生する圧力差を、埋め合わせることができる。そして、さらなる圧力均等化コンテナ部54の存在により、ガスは特に均一な方法で第1のガス流入口22を経由してプロセスチャンバー12へ供給されることができる。他の点では、図4による装置10の構成及び機能は図1及び図2に示された装置10の構成及び機能に一致している。
【0053】
また、三次元加工物の製造装置10の特定の特徴が特定の実施態様に関連してこれまで記載されてきたが、これらの特徴は必要に応じて組み合わせることができる。例えば、図3による装置10は、さらなる圧力均等化コンテナ部54を備えることができる。
図1
図2
図3
図4