(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一つの実施形態に従う、メモリアレイ10を示す。メモリアレイ10は、M個のメモリページMP1〜MPMを含む。メモリページMP1〜MPMの各々は、N個のメモリセルを含む。例えば、メモリページMP1は、メモリセル100
1,1〜100
1,Nを含み、メモリページMPMは、メモリセル100
M,1〜100
M,Nを含む。M及びNは正の整数である。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態においては、同一のメモリページ内にあるメモリセルは、同一の制御線、同一の消去線(erase line)及び同一のワード線(word line)に結合されることができるが、異なるソース線及び異なるビット線に結合されることができる。例えば、同一のメモリページMP1内にあるメモリセル100
1,1〜100
1,Nは、同一の制御線CL1、同一の消去線EL1及び同一のワード線WL1に結合されている。しかし、メモリセル100
1,1は、ソース線SL1及びビット線BL1に結合されている一方で、メモリセル100
1,Nは、ソース線SLN及びビット線BLNに結合されている。
【0011】
追加的に、異なるメモリページ内にあるが、同一の列内にあるメモリセルは、異なる制御線、異なる消去線及び異なるワード線に結合されることができ、同一のソース線及び同一のビット線に結合されることができる。例えば、メモリセル100
1,1及び100
M,1は、同一の列内にあるが異なるメモリページMP1及びMPM内にある。メモリセル100
1,1及び100
M,1は、同一のソース線SL1及び同一のビット線BL1に結合されている。しかし、メモリセル100
1,1は、制御線CL1、消去線EL1及びワード線WL1に結合されている一方で、メモリセル100
M,1は制御線CLM、消去線ELM及びワード線WLMに結合されている。
【0012】
図1において、メモリセル100
1,1〜100
1,N…100
M,1〜100
M,Nは、同一の構造を有する。各メモリセルは、フローティングゲートモジュール110と、制御エレメント120と、消去エレメント130と、を含む。フローティングゲートモジュール110は、フローティングゲートトランジスタ112と、ソーストランジスタ114と、ビットトランジスタ116と、を含む。フローティングゲートモジュール110は、ソース線、ビット線及びワード線に従い、フローティングゲートトランジスタ112を制御することができる。
【0013】
フローティングゲートトランジスタ112は、第一端子と、第二端子と、フローティングゲートと、を有する。ソーストランジスタ114は、第一端子と、第二端子と、制御端子と、を有する。ソーストランジスタ114の第一端子は、対応するソース線に結合されている。例えば、メモリセル100
1,1のソーストランジスタ114の第一端子は、ソース線SL1に結合されていることができ、メモリセル100
1,Nのソーストランジスタ114の第一端子は、ソース線SLNに結合されていることができる。ソーストランジスタ114の第二端子は、フローティングゲートトランジスタ112の第一端子に結合されており、ソーストランジスタ114の制御端子は、対応するワード線に結合されている。例えば、メモリセル100
1,1のソーストランジスタ114の制御端子は、ワード線WL1に結合されていることができ、メモリセル100
M,1のソーストランジスタ114の制御端子は、ワード線WLMに結合されていることができる。
【0014】
ビットトランジスタ116は、第一端子と、第二端子と、制御端子と、を有する。ビットトランジスタ116の第一端子は、フローティングゲートトランジスタ112の第二端子に結合されており、ビットトランジスタ116の第二端子は、対応するビット線に結合されており、ビットトランジスタ116の制御端子は、対応するワード線に結合されている。例えば、メモリセル100
1,1のビットトランジスタ116の第二端子は、ビット線BL1に結合されていることができ、メモリセル100
1,Nのビットトランジスタ116の第二端子は、ビット線BLNに結合されていることができる。また、メモリセル100
1,1のビットトランジスタ116の制御端子は、ワード線WL1に結合されていることができ、メモリセル100
M,1のビットトランジスタ116の制御端子は、ワード線WLMに結合されていることができる。
【0015】
制御エレメント120は、ボディ端子に結合された第一端子と、ボディ端子に結合された第二端子と、フローティングゲートトランジスタ112のフローティングゲートに結合された制御端子と、対応する制御線に結合されたボディ端子と、を有する。例えば、メモリセル100
1,1の制御エレメント120のボディ端子は、制御線CL1に結合されていることができ、メモリセル100
M,1の制御エレメント120のボディ端子は、制御線CLMに結合されていることができる。
【0016】
消去エレメント130は、第一端子と、第二端子と、制御端子と、ボディ端子と、を有する。消去エレメント130の第一端子134は、対応する消去線に結合されている。例えば、メモリセル100
1,1の消去エレメント130の第一端子は、消去線EL1に結合されており、メモリセル100
M,1の消去エレメント130の第一端子は、消去線ELMに結合されている。消去エレメント130の第二端子136は、消去エレメント130の第一端子に結合されているか、フローティングしており、消去エレメント130の制御端子138は、フローティングゲートトランジスタ112のフローティングゲートに結合されており、消去エレメント130のボディ端子132は、ウェルバイアス線WBLに結合されている。
【0017】
図2は、本発明の一つの実施形態に従う、メモリアレイ10のレイアウトを示す。メモリセル100
1,1のフローティングゲートモジュール110は、第一PウェルPW1のアクティブ領域AAF1に配置されることができ、メモリセル100
1,1の消去エレメント130は、第一NウェルNW1のアクティブ領域AAE1に配置されることができ、メモリセル100
1,1の制御エレメント120は、第二PウェルPW2のアクティブ領域AAC1に配置されることができる。第一PウェルPW1、第一NウェルNW1及び第二PウェルPW2は、同一のディープドープ領域DRに配置されている。いくつかの実施形態において、ディープドープ領域DRは、ディープNウェル又はN型埋め込み層であることができる。
【0018】
図3は、
図2のレイアウトに従う、消去エレメント130の断面図を示す。
図3において、消去エレメント130は、P型金属酸化物半導体トランジスタに類似した構造を有する。つまり、消去エレメント130のボディ端子132は、NウェルNWにあり、第一端子134及び第二端子136は、NウェルNW内に配置された二つのP型ドープ領域P+である。
図3において、ウェルバイアス線WBLはボディ端子132に直接的に結合されている。しかし、いくつかの実施形態においては、ウェルバイアス線WBLは、接点(contact)又はNウェル内のN型ドープ領域を通じてNウェルNWに結合されていてもよい。フローティングゲートトランジスタ112のフローティングゲートは、ゲート構造を形成する消去エレメント130の制御端子138に結合されている。消去線ELが消去エレメント130の第一端子134に結合されているため、メモリセル100
1,1〜100
1,N…100
M,1〜100
M,Nは、同一のウェルバイアス線WBLに結合された、消去エレメント130のボディ端子132でも正しく機能することができる。つまり、メモリセル100
1,1〜100
1,N…100
M,1〜100
M,Nは、同一のウェルバイアス線WBLに結合された同一のディープドープ領域DRに配置されることができる。
【0019】
例えば、
図2において、メモリセル100
1,Nのフローティングゲートモジュール110は、第三PウェルPW3のアクティブ領域AAF2に配置されることができ、メモリセル100
1,Nの消去エレメント130は、第二NウェルNW2のアクティブ領域AAE2に配置されることができ、メモリセル100
1,Nの制御エレメント120は、第二PウェルPW2のアクティブ領域AAC1に配置されることができる。しかし、第三PウェルPW3及び第二NウェルNW2は、依然として、同一のディープドープ領域DRに配置されている。
【0020】
メモリセル100
M,1〜100
M,Nのフローティングゲートモジュール、制御エレメント及び消去エレメントは、
図2に示されるように、異なるウェル内に配置されることができるが、メモリセル100
M,1〜100
M,Nの異なるウェルは、依然として、同一のディープドープ領域DR内に配置されている。つまり、M個のメモリページMP1〜MPMのメモリセル100
1,1〜100
1,N…100
M,1〜100
M,Nは、全て、同一のディープドープ領域DR内に配置されることができる。メモリアレイ10内にある異なるメモリページMP1〜MPMは一つのディープドープ領域DR内に配置されるため、複数のディープドープ領域間のスペーシングルールがもはやメモリアレイ10の回路領域を制限するのに使用されず、メモリアレイ10の回路領域を大幅に小さくすることができる。
【0021】
図2において、メモリページMP1内のメモリセル100
1,1〜100
1,N等、同一のメモリページ内の複数のメモリセルの複数の制御エレメント120は、同一の第二PウェルPW2内に配置されることができる。メモリセル100
1,1〜100
1,Nのフローティングゲートモジュール110は、第二PウェルPW2の両側に配置された二つの異なるPウェルPW1及びPW3内に配置されることができる。メモリセル100
1,1〜100
1,Nの消去エレメント130は、第二PウェルPW2の両側に配置された二つの異なるNウェルNW1とNW2内に配置されることができる。このため、メモリアレイ10のレイアウトは、単一方向に延びるものではなく、メモリアレイ10のレイアウトはより柔軟なものとすることができる。しかし、いくつかの実施形態においては、同一のメモリページ内の複数のメモリセルの複数のフローティングゲートモジュール110は、一つのPウェル内に配置されることもでき、同一のメモリページ内の複数のメモリセルの複数の消去エレメント130は、システム要件に従って、一つのNウェル内に配置されることができる。
【0022】
図4は、メモリアレイ10のメモリセル100
1,1のプログラム動作時の信号の電圧を示す。
図4において、第一電圧VPPは、第二電圧VEEに実質的に等しい。第一電圧VPPは、第三電圧VEE´よりも大きく、第三電圧VEE´は第四電圧VINH1よりも大きく、第四電圧VINH1は、第五電圧VSSよりも大きい。また、第一電圧VPPは、第六電圧VPP´よりも大きく、第六電圧VPP´は第五電圧VSSよりも大きい。
【0023】
いくつかの実施形態においては、第三電圧VEE´と第五電圧VSSとの差は、第一電圧VPPと第五電圧VSSとの差の半分よりも大きい。第四電圧VINH1と第五電圧VSSとの差は、第一電圧VPPと第五電圧VSSとの差の半分よりも小さく、第六電圧VPP´と第五電圧VSSとの差は、第一電圧VPPと第五電圧VSSとの差の半分よりも小さい。例えば、第一電圧VPPが18Vである場合、第二電圧VEEは、17Vから18Vまでの範囲内にあり、第五電圧VSSは0Vであり、そして、第三電圧VEE´は13Vであることができ、第四電圧VINH1は、6Vであることができ、第六電圧VPP´も6Vであることができる。
【0024】
図4によれば、メモリセル100
1,1のプログラム動作時、制御線CL1は、第一電圧VPPにあり、消去線EL1は、第三電圧VEE´にあり、ワード線WL1は第四電圧VINH1にあり、ソース線SL1は、第五電圧VSSにあり、ビット線BL1は、第五電圧にあるVSSにある。
【0025】
この場合においては、メモリセル100
1,1の制御エレメント120は、制御線CL1によって高電圧に結合されている。ソーストランジスタ114及びビットトランジスタ116はオンにされるため、メモリセル100
1,1のフローティングゲートトランジスタ112の第一端子及び第二端子は、低電圧に下げられる。このため、フローティングゲートトランジスタ112に印加された高電圧差は、フローティングゲートへのFN(ファウラー−ノルトハイム)電子トンネリング注入を誘導する(induce)ことになり、メモリセル100
1,1は、プログラムされることができる。また、メモリアレイ10内のPウェルとNウェルとの間に生成される電流漏出を防ぐため、ウェルバイアス線WBLの電圧は、全ての信号のうちもっとも高い電圧のものよりも小さくあるべきではない。この場合においては、ウェルバイアス線WBLは第一電圧VPPにあるだろう。
【0026】
また、メモリセル100
1,1と同一のメモリページMP1内のメモリセル100
1,Nが、メモリセル100
1,1のプログラム動作時にプログラムされてしまうのを防ぐため、メモリセル100
1,Nは、メモリセル100
1,1のプログラム動作時にプログラム禁止動作を行うことができる。メモリセル100
1,Nのプログラム禁止動作時、制御線CL1は第一電圧VPPにあり、消去線EL1は第三電圧VEE´にあり、ワード線WL1は第四電圧VINH1にあり、ソース線SLNは第四電圧VINH1にあり、ビット線BLNは第四電圧VINH1にある。
【0027】
この場合において、メモリセル100
1,Nは、メモリセル100
1,1と同一の制御線CL1、消去線EL1及びワード線WL1に結合されているものの、メモリセル100
1,Nは、メモリセル100
1,Nのソーストランジスタ114及びビットトランジスタ116により引き起こされるチャネルブーストの影響によりプログラムされないことになる。つまり、フローティングゲートトランジスタ112の第一端子及び第二端子の電圧は、第四電圧VINH1よりも高い電圧にブーストされ、メモリセル100
1,Nのフローティングゲートは、十分な電子を捕まえることができず、メモリセル100
1,Nはプログラムされないことになる。また、制御線CL1は第一電圧VPPにあるため、ウェルバイアス線WBLは、メモリセル100
1,Nのプログラム禁止動作時に、依然として、第一電圧VPPにある。
【0028】
さらに、メモリセル100
1,1のプログラム動作時、メモリページMPM等の非選択メモリページ内にあるメモリセルは、プログラムされるべきではない。このため、
図4において、非選択メモリページMPM内にある非選択メモリセル100
M,1に結合された制御線CLMは、第六電圧VPP´にあり、非選択のメモリセル100
M,1に結合された消去線ELMは、第三電圧VEE´にあり、非選択メモリセル100
M,1に結合されたワード線WLMは、第四電圧VINH1にある。
【0029】
メモリセル100
M,1の消去エレメント130のボディ端子は、第一電圧VPPにあるウェルバイアス線WBLに結合されるため、消去線ELMの電圧は低くなりすぎることができない。そうでないと、消去エレメント130はブレークダウン(breakdown)する可能性がある。一方で、消去線ELMの電圧は、高くなりすぎることができない。そうでないと、メモリセル100
M,1のフローティングゲートが、予期せずプログラムされる可能性がある。このため、消去線ELMは、メモリセル100
1,1のプログラム動作時に第三電圧VEE´であることができ、第三電圧VEE´と第五電圧VSSとの差は、第一電圧VPPと第五電圧VSSとの差の半分よりも僅かに大きくあることができる。この場合、消去エレメント130は、ブレークダウンせずに、予期せずプログラムされないことになる。
【0030】
また、制御線CLMの電圧は、低くなりすぎるべきではない。そうでないと、メモリセル100
M,1は不安定になる可能性がある。このため、制御線CLMはメモリセル100
1,1のプログラム動作時は、第六電圧VPP´にある。第六電圧VPP´と第五電圧VSSとの差は第一電圧VPPと第五電圧VSSとの差の半分よりも僅かに小さくあることができる。この場合、消去エレメント130は安定したままでいることができる。
【0031】
追加的に、同一の列にはあるが、異なるメモリページ内にあるメモリセルは、同一のソース線及び同一のビット線に結合されているため、ワード線は、ゲート誘導ドレインリーク(GIDL)電流を低減するため第四電圧VINH1であることができる。例えば、メモリセル100
1,1のプログラム動作及びメモリセル100
1,Nのプログラム禁止動作時、メモリセル100
M,Nに結合されたソース線SLN及びビット線BLNは、第四電圧VINH1にある。ワード線WLMが第五電圧VSSにある場合、大きな電圧差がメモリセル100
M,Nのソーストランジスタ114及びビットトランジスタ116でGIDL電流を引き起こす可能性がある。しかし、ワード線WLMが第四電圧にあると、他のメモリセルの動作に影響を与えずに、効率よくGIDL電流を回避することができる。
【0032】
図5は、メモリアレイ10内のメモリセル100
1,1の消去動作時の信号の電圧を示す。メモリセル100
1,1の消去動作時、消去線EL1は第二電圧VEEにあり、ワード線WL1は第四電圧VINH1又は第五電圧VSSにあり、ソース線SL1は第四電圧VINH1にあり、ビット線BL1は、第四電圧VINH1にあり、制御線CL1は、第五電圧VSSにある。
【0033】
この場合において、消去線EL1の高電圧は、FN電子トンネリング放出を引き起こすことができるため、メモリセル100
1,1は消去されることができる。追加的に、メモリセル100
1,1の消去動作時の全ての信号のうち、消去線EL1は最も大きい電圧、つまり、第二電圧VEEを有することができるため、ウェルバイアス線WBLは第二電圧VEEとなるものである。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態においては、メモリアレイ10はページ単位で消去されることができる。つまり、メモリページMP1内にあるメモリセル100
1,1〜100
1,N等の同一のメモリページにあるメモリセルは同時に消去されることになる。この場合において、メモリセル100
1,1〜100
1,Nに結合されたソース線SL1〜SLN及びビット線BL1〜BLNは全て同一のかなり低めの電圧にあることができる。例えば、ソース線SL1〜SLN及びビット線BL1〜BLNは、全て第四電圧VINH1又は第五電圧VSSにあることができる。この場合において、第四電圧VINH1と第五電圧VSSとの差は、第二電圧VEEと第五電圧VSSとの差の半分より小さくあることができる。
【0035】
追加的に、メモリセル100
1,1の消去動作時、メモリページMPM等の非選択メモリページ内のメモリセルは消去されるべきではない。例えば、非選択メモリページMPM内にあるメモリセル100
M,1が消去されるのを防ぐため、消去線ELMの電圧は高くなりすぎるべきではない。しかし、ウェルバイアス線WBLは第二電圧VEEにあるため、消去線ELMの電圧は低くなりすぎることができない。そうでないと、メモリセル100
1,1の消去エレメント130がブレークダウンする可能性がある。このため、
図5によれば、消去線ELMは第三電圧VEE´にあることができる。第三電圧VEE´と第五電圧VSSとの差は、第二電圧VEEと第五電圧VSSとの差の半分よりも僅かに大きくあることができる。
【0036】
この場合においては、消去線ELMの電圧は、メモリセル100
M,1を消去する程には高くなく、消去エレメント130をブレークダウンさせる程には低くない。制御線CLMは第六電圧VPP´にあるため、メモリセル100
M,1は、消去線ELMによって予期せずプログラムされる、又は消去されないものである。
図5において、第六電圧VPP´と第五電圧VSSとの差は、第二電圧VEEと第五電圧VSSとの差の半分よりも小さい。同様に、ワード線WLM、ソース線SL1及びビット線BL1は、適切な電圧にあることができ、これにより、GIDL電流が防がれることができつつ、メモリセル100
M,1は、消去線ELMによって予期せずプログラムされる、又は消去されないものである。いくつかの実施形態においては、ワード線WLM、ソース線SL1及びビット線BL1は第四電圧VINH1にあることができる。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態においては、メモリアレイは、セクタ単位で消去されることができる。つまり、メモリアレイ内のメモリセルが全て同時に消去されることができる。
図6は、本発明の一つの実施形態に従う、メモリアレイ20を示す。メモリアレイ10及びメモリアレイ20は類似の構造を有する。これら二つの違いは、メモリセル200
1,1〜200
1,N…200
M,1〜200
M,Nは、全て同一の消去線EL0に結合されているため、メモリアレイ20内のメモリセル200
1,1〜200
1,N…200
M,1〜200
M,Nは、全て同時に消去されるものであるということにある。
【0038】
図7は、メモリアレイ20内のメモリセル200
1,1の消去動作時の信号の電圧を示す。
【0039】
メモリセル200
1,1の消去動作時、消去線EL0は第二電圧VEEにあり、制御線CL1は第五電圧VSSにあり、ソース線SL1及びビット線BL1はいずれもの第四電圧VINH1又は第五電圧VSSにあるとともに、ワード線は第四電圧VINH1又は第五電圧VSSにある。
【0040】
この場合において、消去線EL0の高電圧はFN電子トンネリング放出を引き起こすため、メモリセル200
1,1は消去されることができる。メモリアレイ20内のメモリセル200
1,1〜200
1,N…200
M,1〜200
M,Nは同時に消去されるため、全てのメモリセル200
1,1〜200
1,N…200
M,1〜200
M,Nによって受けた信号の電圧は同一であることができる。
【0041】
追加的に、消去線は、プログラム動作及びプログラム禁止動作時に第三電圧VEE´にあるため、メモリアレイ20は、
図4に示すような、プログラム動作及びプログラム禁止動作時のメモリアレイ10と同様の原理により動作されることができる。
【0042】
その結果、メモリアレイ20のメモリセル200
1,1〜200
1,N…200
M,1〜200
M,Nは、全て同一のディープドープ領域内に配置されることができる。メモリアレイ20内にある異なるメモリページMP1〜MPMは、一つのディープドープ領域内に配置されるため、複数のディープドープ領域間のスペーシングルールは、もはやメモリアレイ20の回路領域を制限するのに使用されず、メモリアレイ20の回路領域は、大幅に低減することができる。追加的に、メモリアレイ20の全てのメモリセル200
1,1〜200
1,N…200
M,1〜200
M,Nは、同一の消去線に結合されるため、消去線を提供する駆動回路は、簡潔化されることができ、これにより、さらに、メモリアレイ20に要求されるチップ領域を低減することができる。
【0043】
図8は、本発明の一つの実施形態に従う、メモリアレイ30を示す。メモリアレイ30は、メモリアレイ10と類似する構造を有する。これら二つの違いは、メモリセル300
1,1〜300
1,N…300
M,1〜300
M,Nの各々が、フローティングゲートモジュール310と、制御エレメント120と、消去エレメント130と、を有することにある。
【0044】
フローティングゲートモジュール310は、フローティングゲートトランジスタ312と、ソーストランジスタ314と、を含む。フローティングゲートトランジスタ312は、第一端子と、第二端子と、フローティングゲートと、を有する。フローティングゲートトランジスタ312の第二端子は、対応するビット線に結合されている。例えば、メモリセル300
1,1のフローティングゲートトランジスタ312の第二端子は、ビット線BL1に結合されており、メモリセル300
1,Nのフローティングゲートトランジスタ312の第二端子は、ビット線BLNに結合されている。フローティングゲートトランジスタ312のフローティングゲートは、制御エレメント120及び消去エレメント130に結合されている。
【0045】
ソーストランジスタ314は、第一端子と、第二端子と、制御端子と、を有する。ソーストランジスタ314の第一端子は、対応するソース線に結合されている。例えば、メモリセル300
1,1のソーストランジスタ314の第一端子は、ソース線SL1に結合されることができ、メモリセル300
1,Nのソーストランジスタ314の第一端子は、ソース線SLNに結合されることができる。ソーストランジスタ314の第二端子は、フローティングゲートトランジスタ312の第一端子に結合されており、ソーストランジスタ314の制御端子は、対応するワード線に結合されている。例えば、メモリセル300
1,1のソーストランジスタ314の制御端子は、ワード線WL1に結合されることができ、メモリセル300
M,1のソーストランジスタ314はワード線WLMに結合されることができる。
【0046】
図9は、メモリアレイ30内のメモリセル300
1,1のプログラム動作時の信号の電圧を示す。
【0047】
図9において、メモリセル300
1,1のプログラム動作時、制御線CL1は、第一電圧VPPにあり、消去線EL1は、第三電圧VEE´にあり、ワード線WL1は、第四電圧VINH1にあり、ソース線SL1は第五電圧VSSにあり、ビット線BL1は第五電圧VSSにある。
【0048】
この場合においては、メモリセル300
1,1の制御エレメント120は制御線CL1による高電圧に結合されている。ソーストランジスタ314は、オンにされるため、メモリセル300
1,1のフローティングゲートトランジスタ312は低電圧に下げられる。このため、フローティングゲートトランジスタ312に印加された高電圧差は、フローティングゲートへのFN(ファウラー−ノルトハイム)電子トンネリング注入を誘導することになり、メモリセル300
1,1は、プログラムされることができる。また、メモリアレイ10内のPウェルとNウェルとの間に生成される電流漏出を防ぐため、ウェルバイアス線WBLの電圧は、全ての信号のうちもっとも高い電圧のものよりも小さくあるべきではない。この場合においては、ウェルバイアス線WBLは第一電圧VPPにあるだろう。
【0049】
また、いくつかの実施形態においては、メモリセル300
1,1と同一のメモリページMP1内のメモリセル300
1,Nが、メモリセル300
1,1のプログラム動作時にプログラムされてしまうのを防ぐため、メモリセル300
1,Nは、メモリセル300
1,1のプログラム動作時にプログラム禁止動作を行うことができる。メモリセル300
1,Nのプログラム禁止動作時、制御線CL1は第一電圧VPPにあり、消去線EL1は第三電圧VEE´にあり、ワード線WL1は第四電圧VINH1にあり、ソース線SLNは第七電圧VINH2にあり、ビット線BLNは第七電圧VINH2にある。
【0050】
フローティングゲートトランジスタ312の第二端子は、対応するビット線に結合されているので、ビット線BLNはかなり高めの電圧にあり、メモリセル300
1、Nがプログラムされるのを防ぐ。この場合においては、ビット線BLNは第七電圧にVINH2にあることができる。第七電圧VINH2と第五電圧との差は、フローティングゲートトランジスタ312のソース/ドレイン接合(junction)ブレークダウン電圧よりも小さくなくてはならない。例えば、フローティングゲートトランジスタ312のソース/ドレイン接合ブレークダウン電圧が9Vである場合、第七電圧VINH2は8Vであることができる。
【0051】
この場合において、メモリセル300
1,Nは、メモリセル300
1,1と同一の制御線CL1、消去線EL1及びワード線WL1に結合されているが、メモリセル300
1,Nは、メモリセル300
1,Nのフローティングゲートトランジスタ312の第一端子及び第二端子でのかなり高めの電圧によりプログラムされないものである。また、制御線CL1は第一電圧VPPにあるため、ウェルバイアス線WBLは、メモリセル300
1,Nのプログラム禁止動作時に、依然として、第一電圧VPPのままである。
【0052】
さらに、メモリセル300
1,1のプログラム動作時、メモリページMPM等の非選択メモリページ内にあるメモリセルは、プログラムされるべきではない。このため、
図9において、非選択メモリページMPM内にある非選択メモリセル300
M,1に結合された制御線CLMは、第六電圧VPP´にあり、非選択のメモリセル300
M,1に結合された消去線ELMは、第三電圧VEE´にあり、非選択メモリセル300
M,1に結合されたワード線WLMは、第四電圧VINH1にある。
図9において、第六電圧VPP´と第五電圧VSSとの差は、第一電圧VPPと第五電圧VSSとの差の半分よりも小さい。
【0053】
消去線ELMがメモリセル300
1,1のプログラム動作時に第三電圧VEE´であるため、消去エレメント130はブレークダウンすることなく、メモリセル300
M,1は予期せずプログラムされないことになる。また、制御線CLMは、第六電圧VPP´にあり、メモリセル300
M,1がプログラムされないことを保証する。
【0054】
追加的に、同一の列にはあるが、異なるメモリページ内にあるメモリセルは、同一のソース線及び同一のビット線に結合されているため、ワード線は、ゲート誘導ドレインリーク(GIDL)電流を低減するため第四電圧VINH1であることができる。例えば、メモリセル300
1,1のプログラム動作及びメモリセル300
1,Nのプログラム禁止動作時、メモリセル300
M,Nに結合されたソース線SLN及びビット線BLNは、第七電圧VINH2にある。ワード線WLMが第五電圧VSSにある場合、大きな逆電圧差がメモリセル300
M,Nのソーストランジスタ314でGIDL電流を引き起こす可能性がある。しかし、ワード線WLMが第四電圧にあると、他のメモリセルの動作に影響を与えずに、効率よくGIDL電流を回避することができる。
【0055】
図10は、メモリアレイ30内のメモリセル300
1,1の消去動作時の信号の電圧を示す。
【0056】
メモリセル300
1,1の消去動作時、消去線EL1は第二電圧VEEにあり、制御線CL1は第五電圧VSSにあり、ソース線及びビット線はいずれも第四電圧VINH1又は第五電圧VSSにあるとともに、ワード線は第四電圧VINH1又は第五電圧VSSにある。
【0057】
この場合において、消去線EL1の高電圧は、FN電子トンネリング放出を引き起こすことができるため、メモリセル300
1,1は消去されることができる。追加的に、メモリセル300
1,1の消去動作時の全ての信号のうち、消去線EL1は最も大きい電圧、つまり、第二電圧VEEを有することができるため、ウェルバイアス線WBLは第二電圧VEEとなるものである。
【0058】
追加的に、メモリセル300
1,1の消去動作時、メモリページMPM等の非選択メモリページ内のメモリセルは消去されるべきではない。例えば、非選択メモリページMPM内にあるメモリセル300
M,1が消去されるのを防ぐため、消去線ELMの電圧は高くなりすぎるべきではない。しかし、ウェルバイアス線WBLは第二電圧VEEにあるため、消去線ELMの電圧は低くなりすぎることができない。そうでないと、メモリセル300
M,1の消去エレメント130がブレークダウンする可能性がある。このため、
図10においては、消去線ELMは第三電圧VEE´にあることができる。
【0059】
この場合においては、消去線ELMの電圧は、メモリセル300
M,1を消去する程には高くなく、消去エレメント130をブレークダウンさせる程には低くない。消去線ELMの電圧に従い、制御線CLMは、第六電圧VPP´にあることができる。
図10において、第六電圧VPP´と第五電圧VSSとの差は、第二電圧VEEと第五電圧VSSとの差の半分よりも小さい。また、ワード線WLM、ソース線SL1及びビット線BL1は、適切な電圧にあることができ、これにより、GIDL電流が防がれることができつつ、メモリセル300
M,1は、消去線ELMによって予期せずプログラムされる、又は消去されないものである。いくつかの実施形態においては、ワード線WLM、ソース線SL1及びビット線BL1は第四電圧VINH1にあることができる。メモリセル300
1,1に結合された消去線EL1はさらに高い電圧、第二電圧VEEにあり、メモリセル300
1,1に結合された制御線CL1は低電圧、第五電圧VSSにあるため、メモリセル300
1,1は、第四電圧VINH1にあるソース線SL1及びビット線BL1とでもあっても、依然として、普通に消去されることができる。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態においては、メモリアレイ30はページ単位で消去されることができる。つまり、メモリページMP1内にあるメモリセル300
1,1〜300
1,N等の同一のメモリページにあるメモリセルは同時に消去されることになる。この場合において、メモリセル300
1,1〜300
1,Nに結合されたソース線SL1〜SLN及びビット線BL1〜BLNは、消去動作時に、全て第四電圧VINH1であることができる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態においては、メモリアレイは、セクタ単位で消去されることができる。つまり、メモリアレイ内のメモリセルが全て同時に消去されることができる。
図11は、本発明の一つの実施形態に従う、メモリアレイ40を示す。メモリアレイ40及びメモリアレイ30は類似の構造を有する。これら二つの違いは、メモリセル400
1,1〜400
1,N…400
M,1〜400
M,Nは、全て同一の消去線EL0に結合されているため、メモリアレイ40内のメモリセル400
1,1〜400
1,N…400
M,1〜400
M,Nは、全て同時に消去されるものであるということにある。
【0062】
図12は、メモリアレイ40内のメモリセル400
1,1の消去動作時の信号の電圧を示す。
【0063】
メモリセル400
1,1の消去動作時、消去線EL0は第二電圧VEEにあり、制御線CL1は第五電圧VSSにあり、ソース線SL1及びビット線BL1はいずれもの第四電圧VINH1又は第五電圧VSSにあるとともに、ワード線は第四電圧VINH1又は第五電圧VSSにある。この場合において、消去線EL0の高電圧はFN電子トンネリング放出を引き起こすため、メモリセル400
1,1は消去されることができる。
【0064】
メモリアレイ40内のメモリセル400
1,1〜400
1,N…400
M,1〜400
M,Nは同時に消去されるため、全てのメモリセル400
1,1〜400
1,N…400
M,1〜400
M,Nによって受けた信号の電圧は同一であることができる。
【0065】
追加的に、消去線EL0はプログラム動作及びプログラム禁止動作時に第三電圧VEE´にあるため、メモリアレイ40は、
図9に示すような、プログラム動作及びプログラム禁止動作時のメモリアレイ13と同様の原理により動作されることができる。
【0066】
その結果、メモリアレイ20のメモリセル400
1,1〜400
1,N…400
M,1〜400
M,Nは、全て同一のディープドープ領域内に配置されることができる。メモリアレイ40内にある異なるメモリページMP1〜MPMは、一つのディープドープ領域内に配置されるため、複数のディープドープ領域間のスペーシングルールは、もはやメモリアレイ40の回路領域を制限するのに使用されず、メモリアレイ40の回路領域は、大幅に低減することができる。
【0067】
まとめると、本発明の実施形態により提供されたメモリアレイは、メモリアレイ内にある異なるメモリページのメモリセルが、全て同一のディープドープ領域内に配置されることができる。メモリアレイ内の異なるメモリページが一つのディープドープ領域に配置されるため、ディープドープ領域間のスペーシングルールは、もはやメモリアレイの回路領域を制限するのに使用されず、メモリアレイの回路領域は、大幅に低減することができる。
【0068】
当業者であれば、本装置及び方法の多様な修正物及び代替物が、発明の教示を保持しつつなされることができることに容易に気づくだろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ制限されるものとして解釈されるべきである。