特許第6285013号(P6285013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許62850133,5−(非)置換−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン、ITK及びJAK3キナーゼの阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285013
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】3,5−(非)置換−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン、ITK及びJAK3キナーゼの阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20180215BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20180215BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20180215BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20180215BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20180215BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   C07D471/04 104Z
   A61P29/00 101
   A61P19/02
   A61P17/06
   A61P37/00
   A61P43/00 111
   A61P17/00
   A61P9/00
   A61P35/00
   A61P9/10
   A61P37/06
   A61P11/06
   A61P37/08
   A61P11/02
   A61P25/00
   A61P37/02
   A61P7/00
   C07D471/04 106C
   C07D471/04CSP
   C07D487/04 140
   A61K31/437
   A61K31/4985
   A61K31/444
   A61P35/02
【請求項の数】5
【全頁数】103
(21)【出願番号】特願2016-509089(P2016-509089)
(86)(22)【出願日】2014年4月17日
(65)【公表番号】特表2016-516823(P2016-516823A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】US2014034441
(87)【国際公開番号】WO2014172513
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2015年12月22日
(31)【優先権主張番号】61/813,225
(32)【優先日】2013年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/254,398
(32)【優先日】2014年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515162202
【氏名又は名称】アーリーン ファーマシューティカルズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンカイアラパティ、ハリプラサド
(72)【発明者】
【氏名】ヤーラムレディー、ヴェンカタクリシュナレディー
(72)【発明者】
【氏名】ガンギレディー、パラマレディー
(72)【発明者】
【氏名】アパラネニ、ラジェンドラ、ピー.
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−508303(JP,A)
【文献】 特表2008−523085(JP,A)
【文献】 特表2008−508304(JP,A)
【文献】 特表2007−531760(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/049173(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/081732(WO,A1)
【文献】 特表2012−510972(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/052355(WO,A1)
【文献】 特表2008−546797(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/135631(WO,A1)
【文献】 特表2005−534618(JP,A)
【文献】 特表2007−504252(JP,A)
【文献】 特表2005−534619(JP,A)
【文献】 特表2008−518010(JP,A)
【文献】 特開2007−238612(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/079903(WO,A1)
【文献】 特表2016−504316(JP,A)
【文献】 Heterocycles,2001年,55(8),p.1583-1590
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/00
A61K 31/00
C07D 487/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化合物から選択される
ことを特徴とする化合物又はその医薬上許容される塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物又はそれらの医薬上許容される塩を有効成分とする、免疫不全疾患、骨髄増殖性疾患、癌、急性白血病、遺伝性赤血球増多症に関連した機能獲得型変異、関節リウマチ、乾癬、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、血管形成、腫瘍、アテローム性動脈硬化症、慢性同種移植片拒絶反応、急性同種移植片拒絶反応、慢性移植片対宿主病、喘息、アレルギー性急性鼻炎、乾癬性関節炎、全身性強皮症、アトピー性皮膚炎、紅斑、又は多発性硬化症の治療薬。
【請求項3】
関節リウマチ、乾癬、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、血管形成、腫瘍、アテローム性動脈硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性同種移植片拒絶反応、急性同種移植片拒絶反応、慢性移植片対宿主病、喘息、アレルギー性急性鼻炎、乾癬性関節炎、全身性強皮症、アトピー性皮膚炎、紅斑、多発性硬化症から選択される疾患に罹患している哺乳動物を治療するための治療薬であることを特徴とする請求項2に記載の治療薬。
【請求項4】
免疫不全障害に罹患している哺乳動物を治療するための治療薬であることを特徴とする請求項2に記載の治療薬。
【請求項5】
骨髄増殖性疾患、癌、急性白血病、又は遺伝性赤血球増多症に関連した機能獲得型変異に罹患している哺乳動物を治療するための治療薬であることを特徴とする請求項2に記載の治療薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物、それらの合成、及び、T細胞の活性化のために重要な非受容体型チロシンキナーゼのTECファミリーに属するIL−2誘導性T細胞キナーゼ(「ITK」)の調節剤又は阻害剤としてのそれらの使用に関する。本発明は、更に、化合物、それらの合成、及び、ヤーヌスキナーゼ(「JAK」):JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2のうちの1つであるヤーヌスキナーゼ3(「JAK3」)の調節剤又は阻害剤としてのそれらの使用に関する。JAKは、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、及びIL−15の放出をもたらすサイトカイン誘導性シグナル伝達において重要な役割を担う転写因子のファミリーであるシグナル伝達兼転写活性化因子(「STAT」)である。とくに、本発明は、ITK及びJAK3キナーゼの双方の阻害剤である3,5−(非)置換−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び5H−ピロロ[2,3−b]ピラジンに関する。
【0002】
ITKは、抗原受容体であるTCRを介した信号伝達において中心的な役割を果たす。TCRは、CD4及びCD28の同時刺激により集合的に、シグナル伝達イベントのカスケードを誘発する。Tecキナーゼファミリーのキナーゼは、ITK、TEC、BMX、BTK、TXK/RLKを含む。ITKは、炎症性のT細胞、NK、及び肥満細胞において高度に発現し、PLC−γを含む下流のエフェクターに信号を伝達する。TECファミリーのキナーゼは、T細胞の増殖、及び、IL−2、IL−5、IL−10、及びIL−13、及びIFN−γなどのサイトカインの放出において、顕著な役割を果たす。
【0003】
ヤーヌスキナーゼ(「JAK」)であるJAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2は、細胞内のエフェクター経路に対する共通のチェーンシグナル伝達に関連するチロシンキナーゼであり、シグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)ファミリーの転写因子である。チロシン受容体の結合によりJAKが活性化され、自己リン酸化される。つづいて、JAKは受容体をリン酸化し、STATタンパク質はリン酸化された受容体(SRCホモロジー2(SH)ドメイン)に結合し、JAKによるSTATのリン酸化がもたらされる。リン酸化されたSTATタンパクは二量化し、遺伝子発現を調節するために核内に移行する。
【0004】
JAK−STAT経路の阻害及び/又は標的化は、関節リウマチ(「RA」)の患者の治療におけるJAKキナーゼ阻害剤の使用の成功により、臨床試験において有効性が示されてきた。非選択性のJAK阻害剤又はJAK3選択性の阻害剤の非存在のために、自己免疫疾患におけるJAK3の役割は遅れていた。選択性のJAK3阻害剤は、造血及び脂質代謝異常などのJAK1及びJAK2の阻害の有害な副作用を緩和する潜在的な利点を有する。したがって、このような選択性のJAK3阻害剤の必要性は非常に高い。JAK3の活性部位におけるシステイン残基をターゲットにした共有結合/不可逆、可逆な化合物のFFDD(登録商標)ベースの設計の応用による新規な戦略により、有効な選択性のJAK3阻害剤を得た。また、IL−2及びIL−4サイトカイン信号カスケードの阻害も提供した。
【0005】
本発明の化合物は、例えば、自己免疫疾患、炎症、関節リウマチ、及び癌疾患などの異常な細胞増殖に関連した疾病状態などのITK及びJAK3により媒介される疾患又は状態を治療するために、ITK及びJAK3の活性を調節(例えば、阻害)するのに有用な共有結合/不可逆及び可逆な阻害剤である。また、本発明は、本発明の化合物を含む医薬上許容される組成物、及び、自己免疫疾患、炎症、代謝及び癌の障害の治療における組成物の使用方法を提供する。また、本発明は、本発明の化合物の調整方法を提供する。
【背景技術】
【0006】
非受容体チロシンキナーゼITK及びヤーヌスキナーゼ(JAK)は、サイトカイン経路の重要な調節剤であり、炎症/RA及び癌/骨髄増殖性疾患の双方において治療評価の重要なターゲットである。ITK及びJAK3の双方の選択性の小分子阻害剤は、TECキナーゼファミリー;ITK、TEC、BMX、BTK、及びTXK/RLK、及び、ヤーヌスファミリーメンバー;JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2の高度に保護されたATP結合ポケットのために、困難な挑戦である。TEC及びJAK内のATPの高度な集中においても選択性を実現するために、ATP結合ポケット内の3つの可変なアミノ酸を利用し、FFDD(Fragment Field Drug Design)特許技術を用いて合理的に設計した。この方法は、フラグメント、化合物の骨格、及びその後のスクリーニング及びSARエフォートを支援する。我々は、自己免疫疾患を含む多数の疾患の兆候、とくに、関節リウマチ、及び、炎症、過剰増殖性又は免疫により媒介される疾患などの他の疾患の兆候の治療に有用な、本出願において権利主張するITK及びJAK3の双方の阻害剤の画期的新薬である、3,5−(非)置換−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び5H−ピロロ[2,3−b]ピラジンを発見した。本発明は、本発明の化合物の人間の患者への投与を含む。化合物は、単一の投与形態として組成物に含まれてもよいし、複数の投与形態の一部として組成物に含まれてもよい。
【0007】
本発明は、人間の患者における関節リウマチ、乾癬、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、アテローム性動脈硬化症、特発性血小板減少性紫斑病、血管形成、腫瘍、アテローム性動脈硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性同種移植片拒絶反応、急性同種移植片拒絶反応(心臓、肝臓、腎臓、肺、骨髄、皮膚、及び角膜の移植からのものを含む)、慢性移植片対宿主病、喘息、アレルギー性急性鼻炎、乾癬性関節炎、全身性強皮症、アトピー性皮膚炎、紅斑、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、及び、免疫不全、骨髄増殖性疾患、及び癌(急性白血病、遺伝性赤血球増多症に関連した機能獲得型変異)を含む多くの疾患を治療するための、本明細書の化合物の使用を含む。
【0008】
国際特許公開WO2013/024282号には、癌の治療のためのTBK1及びIKKεキナーゼ阻害剤が記載されている。米国特許第7,709,645号、第7,361,763号、第7,361,764号、及び7,906,648号には、キナーゼ調節剤としてのピロロ[2,3−b]ピリジン誘導体の調整が記載されている。
【0009】
これらの化合物は、化学データベースにおいて既知である。
【化1】
【発明の概要】
【0010】
本発明は、プロテインキナーゼ、とくに、変異を含むITK及びJAK3に作用する化合物、それらの疾病の治療における使用、及びこれらのキナーゼの活性の調整に関する条件に関する。とくに、本発明は、下記の式Iの化合物に関する。このように、本発明は、プロテインキナーゼITK及びJAK3の阻害及び/又は調節を含む治療方法のための新規な化合物の使用を提供する。
【0011】
本発明は、式Iにより記述される化合物
【化2】
それらの医学上許容される組成物又は塩、それらの合成、このような化合物を含むITK及びJAK3阻害剤としてのそれらの使用、及び、自己免疫疾患などの様々な疾病及び障害の治療におけるそれらの使用方法に関する。
【0012】
本発明は、式I及びその亜属である下記の式IA、IB、及びICに係る化合物、及びそれらの医学上許容される組成物及び塩、それらの合成、このような化合物を含むITK及びJAK3阻害剤としてのそれらの使用、及び、関節リウマチ、乾癬、炎症、過剰増殖性疾患、免疫によって媒介される疾患などの様々な疾病及び障害の治療におけるそれらの使用方法に関し、このような化合物の人間の患者への投与を含む。
【化3】
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の化合物は、下記の式Iにより記述される化合物又はその医薬上許容される塩であって、
【化4】
及びXのうちの一方がNであって他方がCHであり、又は、X及びXの双方がCHであり、又は、LがHであってXがCHであってXが>C=Oであり、
【化5】
は、ぞれぞれ独立に、H、ハロ、C1−4アルキル、又はC1−4アルコキシであり、
【化6】
【化7】
mは、0、1、2、又は3であり、
【0014】
nは、0、1、又は2であり、
ただし、この化合物は、下記の化合物ではない。
【化8】
【0015】
本発明のある態様において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはNであり、XはCHであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0016】
本発明の本態様のある実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはNであり、XはCHであり、L
【化9】
であり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0017】
本発明の本態様の別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはNであり、XはCHであり、L
【化10】
であり、Zはフェニルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0018】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはNであり、XはCHであり、Lは、オプションで1〜3の置換基により置換されたフェニルであり、それぞれの置換基は、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、−CO−O−C1−4アルキル、−CO−N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)、
【化11】
から独立に選択され、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0019】
本発明の本態様の別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはNであり、XはCHであり、Lは、オプションで1〜3の置換基により置換されたフェニルであり、それぞれの置換基は、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、−CO−O−C1−4アルキル、−CO−N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)、
【化12】
から独立に選択され、Zはフェニルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0020】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはNであり、XはCHであり、LはHであり、Zはフェニルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0021】
本発明の化合物は下記を含む。
【化13】
【0022】
本発明の別の態様において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはNであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0023】
本発明の本態様のある実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはNであり、Zはフェニルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0024】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはNであり、Zはフェニルであり、LはC1−4アルキルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0025】
本発明の化合物は下記を含む。
【化14】
【0026】
本発明の更に別の態様において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0027】
本発明の本態様のある実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはフェニルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0028】
本発明の本態様の別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはフェニルであり、LはHであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0029】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはフェニルであり、Lはハロであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0030】
本発明の本態様の別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはフェニルであり、LはC1−4アルキルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0031】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはフェニルであり、Lは−NH−S(O)(C1−4アルキル)であり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0032】
本発明の本態様のある実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはフェニルであり、L
【化15】
であり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0033】
本発明の本態様の別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはフェニルであり、L
【化16】
であり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0034】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはフェニルであり、Lはオプションで置換されたフェニルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0035】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zは
【化17】
であり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0036】
本発明の本態様の別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zは
【化18】
であり、LはHであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0037】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zは
【化19】
であり、LはC1−4アルキルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0038】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはピリジルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0039】
本発明の本態様の別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはピリジルであり、LはHであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0040】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはピリジルであり、LはC1−4アルキルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0041】
本発明の本態様の別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zはピリジルであり、Lはオプションで置換されたフェニルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0042】
本発明の本態様のある実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zは
【化20】
であり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0043】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zは
【化21】
であり、LはHであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0044】
本発明の本態様の更に別の実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、XはCHであり、XはCHであり、Zは
【化22】
であり、LはC1−4アルキルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0045】
本発明の化合物は下記を含む。
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【0046】
本発明のある態様において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、LはHであり、XはCHであり、Xは>C=Oであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0047】
本発明の本態様のある実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、LはHであり、XはCHであり、Xは>C=Oであり、Zはフェニルであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0048】
本発明の本態様のある実施の形態において、本発明の化合物は、式(I)により記述される化合物及びその医薬上許容される塩であって、LはHであり、XはCHであり、Xは>C=Oであり、Zはフェニルであり、LはHであり、他の変数は上記の式(I)で定義された通りである。
【0049】
本発明の化合物は下記を含む。
【化28】
【0050】
本発明は、以下の非限定的な実施例を考慮することにより更に理解されよう。式Iの化合物又はそれらの医薬上許容される塩の上述した実施の形態のいずれかの範囲に属する表1の任意の化合物が他の態様又は実施の形態に含まれる。
【0051】
別段の記載がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される次の用語は、下記で説明される意味を有する。
【0052】
「アルキル」は、炭素原子が1〜6、好ましくは1〜4の飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指し、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどであり、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、又は2−プロピルである。飽和直鎖アルキルの代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどを含み、他方、飽和分岐鎖アルキルは、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどを含む。環状アルキルは、本明細書では「シクロアルキル」という。
【0053】
不飽和アルキルは、少なくとも1つの隣接する炭素原子間の二重又は三重結合を含む(それぞれ、「アルケニル」又は「アルキニル」という)。直鎖及び分岐鎖アルケニルの代表例は、エチレニル、プロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどを含み、他方、直鎖及び分岐鎖アルキニルの代表例は、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニルなどを含む。
【0054】
「C0−4アルキル」は、炭素原子が0、1、2、3、又は4つのアルキルを指す。炭素原子が0のC0−4アルキルは、末端の場合は水素原子であり、鎖内の場合は直接結合である。
【0055】
「アルキレン」は、炭素原子が1〜6個の直鎖飽和2価炭化水素基又は炭素原子が3〜6個の分岐鎖飽和2価炭化水素基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどであり、好ましくは、メチレン、エチレン、又はプロピレンである。
【0056】
「シクロアルキル」は、炭素原子が3〜8個の飽和環式炭化水素基を指し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである。
【0057】
「アルコキシ」は、−OR基を意味し、ここで、Rは上記で定義されたアルキルであり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどである。
【0058】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味し、好ましくは、フルオロ及びクロロである。
【0059】
「ハロアルキル」は、1以上、好ましくは、1、2、又は3個の同一又は異なるハロ原子で置換されたアルキルを意味し、例えば、−CHCl、−CF、−CHCF、−CHCClなどである。
【0060】
「ハロアルコキシ」は、−OR基を意味し、ここで、Rは上記で定義されたハロアルキルであり、例えば、トリフルオロメトキシ、トリクロロエトキシ、2,2−ジクロロプロポキシなどである。
【0061】
「アシル」は、−C(O)R基を意味し、ここで、Rは水素原子、又は上記で定義されたアルキル又はハロアルキルであり、例えば、ホルミル、アセチル、トリフロロアセチル、ブタノイルなどである。
【0062】
「アリール」は、完全に共役されたπ電子系を有する炭素原子が6〜12個の、全て炭素の単環又は縮合環(すなわち、隣接する炭素原子の組を共有する環)基を指す。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、及びアントラセニルであるが、これらに限定されない。アリール基は、置換されても置換されなくてもよい。とくにそうではないと明記しない限り、「置換されたアリール」は、アルキル(アルキルは、オプションで1又は2個の置換基で置換されてもよい)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、フェノキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリーロキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環、又は複素環(アリール、ヘテロアリール、炭素環、又は複素環は、オプションで置換されてもよい)からなる群から独立して選択された1以上、より好ましくは、1、2、又は3、更に好ましくは、1又は2個の置換基で置換されたアリール基を指す。
【0063】
「ヘテロアリール」は、5〜12個の環原子としてN、O、又はSから選択された1、2、3、又は4個の環内のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素原子であり、更に、完全に共役されたπ電子系を有する単環又は縮合環(すなわち、隣接する炭素原子の組を共有する環)基を指す。置換されないヘテロアリール基の例は、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、プリン、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン、及びカルバゾールであるが、これらに限定されない。とくにそうではないと明記しない限り、「置換されたヘテロアリール」は、アルキル(アルキルは、オプションで1又は2個の置換基で置換されてもよい)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環、又は複素環(アリール、ヘテロアリール、炭素環、又は複素環は、オプションで置換されてもよい)からなる群から独立して選択された1以上、より好ましくは、1、2、又は3、更に好ましくは、1又は2個の置換基で置換されたアリール基を指す。
【0064】
「炭素環」は、3〜14個の環原子を有する飽和、不飽和、又は芳香族環式を指す。飽和であっても部分的に不飽和であっても、「炭素環」という用語は、オプションで置換された環も指す。「炭素環」という用語は、アリールを含む。「炭素環」という用語は、例えば、デカヒドロナフチル又はテトラヒドロナフチルのように、1以上の芳香族又は非芳香族環に縮合された脂肪族環であって、基又は結合点が脂肪族環上にあるものも含む。炭素環基は、置換されても置換されなくてもよい。とくにそうではないと明記しない限り、「置換された炭素環基」は、アルキル(アルキルは、オプションで1又は2個の置換基で置換されてもよい)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環、又は複素環(アリール、ヘテロアリール、炭素環、又は複素環は、オプションで置換されてもよい)からなる群から独立して選択された1以上、より好ましくは、1、2、又は3、更に好ましくは、1又は2個の置換基で置換された炭素環基を指す。
【0065】
「複素環」は、3〜14個の環原子を有する飽和、不飽和、又は芳香族環式であって、1、2、又は3個の環原子がN、O、又はS(O)(mは0〜2の整数)から選択されたヘテロ原子であり、残りの環原子がCであるものを指す。1又は2個の炭素原子がオプションでカルボニル基に置換されてもよい。「複素環」という用語は、ヘテロアリールを含む。とくにそうではないと明記しない限り、「置換された複素環基」は、アルキル(アルキルは、オプションで1又は2個の置換基で置換されてもよい)、ハロアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、シクロアルキルアルキルアミノアルキル、シアノアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環、又は複素環(アリール、ヘテロアリール、炭素環、又は複素環は、オプションで置換されてもよい)、アラルキル、ヘテロアラルキル、飽和又は不飽和のヘテロシクロアミノ、飽和又は不飽和のヘテロシクロアミノアルキル、及び、−COR(Rはアルキル)からなる群から独立して選択された1以上、好ましくは、1、2、又は3個の置換基で置換された複素環基を指す。より具体的には、複素環基という用語は、テトラヒドロピラニル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、ピペリジノ、N−メチルピペリジン−3−イル、ピペラジノ、N−メチルピロリジン−3−イル、ピロリジノ、モルホリノ、4−シクロプロピルメチルピペラジノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−1−オキシド、チオモルホリノ−1,1−ジオキシド、4−エチルオキシカルボニルピペラジノ、3−オキソピペラジノ、2−イミダゾリドン、2−ピロリジノン、2−オキソホモピペラジノ、テトラヒドロピリミジン−2−オン、及び、2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジニルを含むそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。特定の実施の形態において、複素環基は、オプションで、ハロ、アルキル、カルボキシで置換されたアルキル、エステル、ヒドロキシ、アルキルアミノ、飽和又は不飽和のヘテロシクロアミノ、飽和又は不飽和のヘテロシクロアミノアルキル、又はジアルキルアミノから独立して選択された1又は2個の置換基で置換される。
【0066】
「選択的」又は「オプションで」とは、後に続いて記述される事象又は状況が生じても生じなくてもよく、その記述が、事象又は状況が生じる例も生じない例も含むことを意味する。例えば、「オプションでアルキル基により置換された複素環基」とは、アルキルがあってもなくてもよく、この記述が、複素環基がアルキル基により置換された状態と、複素環基がアルキル基により置換されない状態とを含むことを意味する。
【0067】
最後に、とくにそうではないと明記しない限り、本明細書で用いられる「置換された」という用語は、少なくとも1つの水素原子が置換基で置き換えられた上記の基のいずれか(例えば、アルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環など)を意味する。オキソ置換基(「=O)」)の場合、2つの水素原子が置き換えられる。本発明の文脈の範囲内で、「置換基」は、指定のない場合、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ハロアルキル(例えば、−CF)、ヒドロキシアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換されたヘテロシクリルアルキル、−NR、−NRC(=O)R、−NR、−NRC(=O)R、−NRC(=O)NR、−NRC(=O)OR、−NRSO2R、−OR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NRNR、−OC(=O)NRNR、−SH、−SR、−SOR、−S(=O)2R、−OS(=O)2R、−S(=O)2OR、ここで、R及びRは、同一又は異なり、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、複素環、置換された複素環、ヘテロシクルアルキル、又は置換されたヘテロシクルアルキルである。
【0068】
同一の分子式を有するが、性質、それらの原子の結合順、又はそれらの原子の空間的配置が異なる化合物を、「異性体」という。原子の空間的配置が異なる異性体を「立体異性体」という。互いに鏡像ではない立体異性体を「ジアステレオマー」といい、互いに重なり合わせることができない鏡像である立体異性体を「エナンチオマー」という。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、4つの異なる基が結合している場合、1組のエナンチオマーが生じうる。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置により特徴付けられ、カーン・プレローグ順位則(Cahn, R., Ingold, C., and Prelog, V. Angew. Chem. 78:413-47, 1966; Angew. Chem. Internat. Ed. Eng. 5:385-415, 511, 1966)によりR−及びS−で記述され、又は、分子が偏光面を回転させるる方向により、右旋性又は左旋性と(すなわち、それぞれ(+)又は(−)−異性体と)呼ばれる。キラル化合物は、それぞれ個々のエナンチオマーとして、又は、それらの混合物として存在しうる。等量のエナンチオマーを含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0069】
本発明の化合物は、1以上の不斉中心を有してもよい。このような化合物は、個別の(R)−又は(S)−立体異性体として生成されてもよいし、それらの混合物として生成されてもよい。別段の指定がない限り、本明細書及び特許請求の範囲における特定の化合物の説明又は名称は、それらの個々のエナンチオマー及び混合物の双方、ラセミ体又はその他を含むことを意図されている。立体化学の測定及び立体異性体の分離の方法は、当該分野においてよく知られている(Ch. 4 of ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY, 第4版, March, J., John Wiley and Sons, New York City, 1992の議論を参照)。
【0070】
本発明の化合物は、互変異性及び構造異性の現象を示してもよい。本発明は、ITK及びJAK3の活性を変調する能力を有する全ての互変異性体又は構造異性体及びその混合物を包含し、互変異性体又は構造異性体のいずれかに限定されない。
【0071】
本発明の化合物は、人などの生物の体内で酵素により代謝され、プロテインキナーゼの活性を変調することができる代謝物質を生成するであろうと考えられる。このような代謝物質は、本発明の範囲に属する。
【0072】
本発明の化合物又はその医薬上許容される塩は、そのまま患者に投与されてもよいし、上記の物質が適切な担体又は付形剤と混合された医薬組成物で投与されてもよい。薬の製剤及び投与の技術は、例えば、REMINGTON'S PHARMACOLOGICAL SCIENCES, Mack Publishing Co., Easton, PA, 最新版にある。
【0073】
「医薬組成物」は、本明細書に記載された1以上の化合物又はその医薬上許容される塩又はプロドラッグと、他の化学的成分、例えば医薬上許容される付形剤との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生物に対する化合物の投与を容易にすることである。
【0074】
「医薬上許容される付形剤」は、化合物の投与を更に容易にするために医薬組成物に追加される不活性物質を指す。付形剤の非限定的な例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種の糖及びでんぷん、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、及びポリエチレングリコールを含む。
【0075】
「医薬上許容される塩」は、親化合物の生物学的利用能及び特性を維持したそれらの塩を指す。このような塩は、(1)親化合物の遊離塩基と、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸、又は、酢酸、シュウ酸、(D)−又は(L)−リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、又はマロン酸などの有機酸、好ましくは塩酸又は(L)−リンゴ酸との反応により得られる酸付加塩、又は、(2)親化合物に存在する酸性プロトンのいずれかが、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアルミニウムイオンなどの金属イオンにより置換された場合、又は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基に配位された場合に形成される塩を含んでもよい。
【0076】
本発明の化合物は、プロドラッグとして作用してもよいし、プロドラッグとして作用するように設計されてもよい。「プロドラッグ」は、生体内で親薬剤に変換される薬剤を指す。プロドラッグは、ある状況においては、親薬剤よりも容易に投与することができるので、しばしば有用である。それらは、例えば、親薬剤が経口で投与できなくても、経口投与により生物学的に利用可能でありうる。プロドラッグは、親薬剤よりも高い医薬組成物への可溶性を有してもよい。プロドラッグの非限定的な例は、エステル(「プロドラッグ」)、リン酸塩、アミド、カルバミン酸塩、又は尿素として投与される本発明の化合物であろう。
【0077】
「治療上有効量」は、治療している障害の症状の1以上をある程度除去するであろう、投与される化合物の量を指す。癌の治療に関して言えば、治療上有効量は、(1)腫瘍の大きさを小さくする、(2)腫瘍の転移を抑制する、(3)腫瘍の増大を抑制する、(4)癌に関連する1以上の症状を除去する効果を有する量を指す。炎症の治療に関して言えば、治療上有効量は、痛み、熱、及び/又は炎症の腫れの兆候を、局所的に又は全体的に低減させる効果を有する量を指す。
【0078】
本明細書で使用される「疾病」という用語は、ITK又はJAK3が役割を果たすと知られている任意の疾病又は他の有害な状態を意味する。「疾病」という用語は、ITK又はJAK3モジュレーターによる治療により緩和されるこれらの疾病又は状態も意味する。このような状態は、癌及び他の過剰増殖性疾患や炎症を含むが、これらに限定されない。特定の実施の形態において、癌は、結腸、乳房、胃、前立腺、膵臓、又は卵巣の組織の癌である。このような疾病は、異常な細胞増殖に関連したもの、例えば、自己免疫疾患、炎症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、アテローム性動脈硬化症、潰瘍性大腸炎、乾癬性関節炎、乾癬、クローン病を含む。
【0079】
本明細書で使用される「ITK又はJAK3活性媒介状態」又は「疾患」という用語は、ITK又はJAK3の活性が役割を果たすと知られている任意の疾患又は他の有害な状態を意味する。「ITK又はJAK3活性媒介状態」という用語は、ITK又はJAK3阻害剤による治療により緩和されるこれらの疾患又は状態も意味する。
【0080】
本明細書で使用される「投与する」又は「投与」という用語は、本発明の化合物又はその医薬上許容される塩、又は、本発明の化合物又はその医薬上許容される塩を含む医薬組成物を、プロテインキナーゼ関連障害の予防又は治療の目的で、生物に供給することを指す。
【0081】
好適な投与の経路は、経口、直腸内、経粘膜、又は腸内投与、又は、筋肉、皮下、脊髄内、髄腔内、直接脳室内、静脈、硝子体内、腹腔内、鼻腔内、又は眼球内注射を含むが、これらに限定されない。ある実施の形態において、好ましい投与の経路は、経口及び静脈注射である。または、例えば、多くは持効性又は徐放性の製剤形態で、固形の腫瘍に直接化合物を注射することにより、化合物を全身ではなく局所に投与してもよい。さらに、標的型薬物送達システム、例えば、腫瘍特異抗体で被覆されたリポソームにより薬剤を投与してもよい。この方法において、リポソームは、腫瘍を標的とされ、腫瘍により選択的に吸収されうる。
【0082】
本発明の医薬組成物は、当分野でよく知られたプロセス、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、研和(levigating)、乳化、カプセル化、封入(entrapping)、又は凍結乾燥プロセスにより製造されてもよい。
【0083】
本発明に係る使用のための医薬組成物は、活性化合物の医薬的に使用可能な製剤への調製を容易にする賦形剤及び補助剤を含む、1以上の医薬上許容される担体を使用して、従来の任意の方法で製剤されてもよい。好適な製剤は、選択された投与経路に依存する。
【0084】
注射用に、本発明の化合物は、水溶液、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、又は生理食塩水バッファなどの生理的に互換なバッファに製剤されてもよい。経粘膜投与用に、浸透される障壁に好適な浸透剤が製剤に用いられる。このような浸透剤は、当分野において一般に知られている。
【0085】
経口投与のために、化合物は、活性化合物を当分野においてよく知られた医薬上許容される担体と組み合わせることにより製剤されてもよい。このような担体は、本発明の化合物を患者が経口で摂取するために、タブレット、丸剤、トローチ、糖衣錠、カプセル、液体、ジェル、シロップ、スラリー、懸濁液などに製剤することを可能とする。経口のための医薬の調整は、固体賦形剤を用いて、得られた混合物をオプションで粉砕し、顆粒混合物をプロセシングし、必要に応じて他の適当な助剤を添加した後、錠剤又は糖剤コアを得ることによって、製造することができる。適当な賦形剤は、とくに、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖などの充填剤、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、イネ澱粉、及びジャガイモ澱粉などのセルロース調製物、及び、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などの他の物質である。必要であれば、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸などの崩壊剤が添加されてもよい。アルギン酸ナトリウムなどの塩が更に用いられてもよい。
【0086】
糖剤コアは適当な被覆を有する。この目的のために、濃縮糖溶液を使用することができ、これらの溶液はオプションでアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルバポルゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び適当な有機溶媒又は溶媒混合物を含んでもよい。活性化合物の投与量の異なる組合わせを識別又は特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖剤被覆に添加してもよい。
【0087】
経口的に使用可能な医薬組成物は、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセルや、ゼラチン、及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作られた軟質密閉カプセルを含む。プッシュフィットカプセル剤は、例えば、ラクトース、澱粉などの結合剤、及び/又は、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの滑剤、及び、オプションで安定剤などの充填剤を混合された活性成分を含有することができる。軟質カプセル剤において、活性化合物は、適当な液体、例えば、脂肪油、液状パラフィン、又は液状ポリエチレングリコールに溶解又は懸濁されてもよい。これらの薬剤に、安定剤が更に添加されてもよい。使用可能な医薬組成物は、硬質ゼラチンカプセル剤を含む。カプセル剤又は丸剤は、光から活性化合物を保護するために、茶色のガラス又はプラスチックボトルに詰められてもよい。活性化合物のカプセル剤を含むコンテナは、制御された室温(15〜30℃)で貯蔵されるのが好ましい。
【0088】
吸入による投与のために、本発明に係る使用方法のための化合物は、加圧パック又はネブライザー、及び、適当な噴射剤をガスを使用して、エーロゾルスプレーの形態で好都合に送達される。噴射剤の非限定的な例は、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素である。加圧エーロゾルの場合において、計量した量を送出する弁を設けることにより、投与単位を制御してもよい。吸入器又は注入器において使用するために、化合物とラクトース又は澱粉などの適当な粉末状基剤との粉末状混合物を含む、例えばゼラチンなどのカプセル又はカートリッジが製剤されてもよい。
【0089】
化合物は、例えば、ボーラス注射又は連続的な点滴による、非経口投与のために製剤されてもよい。注射用の製剤は、例えば、保存剤を添加されたアンプル又は多投与容器などの投与単位の形態で提供されてもよい。組成物は、油性又は水性媒質中の懸濁液、溶液、又は乳濁液のような形態を取ってもよく、懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤などの製剤材料を含んでもよい。
【0090】
非経口投与のための医薬組成物は、活性化合物の水溶性の形態、例えば塩の水溶液を含むが、これに限定されない。また、活性化合物の懸濁液は、親油性の媒質中で調製されてもよい。好適な親油性溶媒は、ゴマ油などの脂肪油、オレイン酸エチル又はトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームを含む。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランを含んでもよい。高濃度の溶液の調製を可能とするために、懸濁液は、オプションで、適当な安定剤、及び/又は、化合物の溶解度を増加させる物質を更に含んでもよい。
【0091】
または、活性成分は、使用の前に、無菌の発熱物質を含まない水などの適当な媒質で構成するために、粉末の形態であってもよい。
【0092】
この化合物はまた、例えば、ココアバター又は他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用いた坐剤又は停留浣腸などの直腸内組成物に調剤されてもよい。
【0093】
上記の製剤に加えて、この化合物はまた、デポー(depot)調製物として製剤されてもよい。そのような長期作用製剤は、埋め込み(例えば、皮下又は筋肉内)又は筋肉注射により投与されてもよい。本発明の化合物は、適切なポリマー物質又は疎水性物質を用いて(例えば,薬理学的に許容される油中の乳剤として)、イオン交換樹脂を用いて、又は、溶解性が乏しい誘導体(非限定的な例として、溶解性が乏しい塩)として、この投与経路のために製剤されてもよい。
【0094】
本発明の疎水性化合物のための医薬用の担体の非限定的な例は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、及びVPD共溶媒系などの水性相を含む共溶媒系である。VPDは、3%w/vのベンジルアルコール、8%w/vの非極性界面活性剤ポリソルベート80、及び65%w/vのポリエチレングリコール300の溶液であり、無水エタノールで必要な体積に調整される。VPD共溶媒系(VPD:D5W)は、5%デキストロース水溶液で1:1に希釈されたVPDからなる。この共溶媒系は、疎水性化合物をよく溶かし、全身的投与においてそれ自体が生じる毒性が低い。当然、このような共溶媒系の比率は、その溶解度及び毒性の特性を破壊することなく、相当に変化されてもよい。さらに、共溶媒成分の同一性が変化されてもよい。例えば、他の毒性の低い非極性界面活性剤が、ポリソルベート80の代わりに使用されてもよいし、ポリエチレングリコールのフラクションサイズが変化されてもよいし、ポリビニルピロリドンなどの他の生物適合性ポリマーがポリエチレングリコールの代わりに使用されてもよいし、デキストロースが他の糖または多糖に置き換えられてもよい。
【0095】
または、疎水性医薬化合物のための他のデリバリーシステムが使用されてもよい。リポソーム及びエマルジョンは、疎水性薬物のための送出媒質又は担体のよく知られている例である。さらに、ジメチルスルホキシドなどのある種の有機溶媒が使用されてもよいが、しばしば、毒性がより大きいという代償が伴う。
【0096】
さらに、化合物は、徐放性システム、例えば、治療剤を含む固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスを使用して送達されてもよい。種々の徐放性材料が確立されており、当業者によく知られている。持続放出性カプセル剤は、それらの化学的特性に依存して、化合物を数週から100日までにわたって放出することができる。治療剤の化学的特性及び生物学的安定性に依存して、タンパク質安定化のための更なる戦略が用いられてもよい。
【0097】
本明細書の医薬組成物はまた、適切な固相又はゲル相の担体又は賦形剤を含んでもよい。そのような担体又は賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーを含むが、これらに限定されない。
【0098】
本発明のITK又はJAK3変調化合物の多くは、クレームされた化合物が正電荷又は負電荷を有する種を形成する、生理学的に許容される塩として提供されてもよい。化合物が正電荷を有する部分を形成する塩の非限定的な例は、第4級アンモニウム(本明細書の別の部分で定義される)の、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩などの塩を含み、ここで、第4級アンモニウム基の窒素原子は、適切な酸と反応した本発明の選択された化合物の窒素原子である。本発明の化合物が負電荷を有する種を形成する塩の非限定的な例は、化合物のカルボキシル基と適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)など)との反応により形成された、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩を含む。
【0099】
本発明における使用に好適な医薬組成物は、所期の目的、例えば、プロテインキナーゼ活性の変調、及び/又は、プロテインキナーゼ関連障害の治療又は予防などを達成するために十分な量の活性成分が含まれる組成物を含む。
【0100】
より具体的には、治療上有効量は、疾病の予防、緩和、又は改善し、又は、治療されている対象の生存期間を延長するのに有効な化合物の量を意味する。
【0101】
治療上有効量の決定は、とくに本明細書において提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0102】
本発明の方法において使用される任意の化合物について、治療上有効量又は投与量は、まずは細胞培養分析評価により推測されてもよい。その後、投与量は、動物モデルにおける使用において、細胞培養で決定されたIC50(すなわち、ITK又はJAK3又は代替マーカーの活性の50%の阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む血中濃度範囲を達成するために調整されてもよい。このような情報は、その後、人間への有用な投与量をより正確に決定するために用いられうる。
【0103】
本明細書に記載された化合物の毒性及び治療上の効能は、例えば、対象の化合物のIC50及びLD50(双方は本明細書の別の部分で議論される)を決定することにより、細胞培養における標準的な薬学的手順又は実験動物により決定されうる。これらの細胞培養分析評価及び動物実験により得られたデータは、人体に対する使用における投与量の範囲を調整するために用いることができる。投与量は、使用される投与形態及び使用される投与経路に依存して変化しうる。正確な製剤、投与経路、及び投与量は、患者の状態に照らして、個々の医師により選択されうる。(例えば、GOODMAN & GILMAN'S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS, 第3章, 第9版, Ed. by Hardman, J., and Limbard, L., McGraw-Hill, New York City, 1996, p.46.参照)
【0104】
投与量及び間隔は、キナーゼの変調効果を維持するために十分な活性種の血漿レベルを提供するために、個々に調整されてもよい。これらの血漿レベルは、最小有効濃度(MEC)と呼ばれる。MECは、それぞれの化合物によって異なるであろうが、生体外のデータから推測することができる。例えば、ITK又はJAK3又は代替マーカーの50〜90%の阻害を達成するために必要な濃度が、本明細書に記載された分析評価を用いて確認されてもよい。MECを達成するために必要な投与量は、個々の特性及び投与経路に依存するであろう。HPLC分析評価又はバイオアッセイが、血漿濃度を決定するために使用可能である。
【0105】
投与間隔は、MEC値を用いて決定することもできる。化合物は、MECよりも高い血漿レベルを、10〜90%の時間、好ましくは30〜90%の間、最も好ましくは50〜90%の間、維持する投薬計画を用いて投与されるべきである。
【0106】
現在、本発明の化合物の治療上有効量は、1日につき約2.5mg/m〜1500mg/mの範囲であってもよい。更なる例示の量は、0.2〜1000mg/qid、2〜500mg/qid、及び20〜250mg/qidの範囲である。
【0107】
局所的投与又は選択的摂取の場合、薬物の有効局所濃度は血漿濃度とは関係ないかもしれず、当分野で既知の他の手順が正確な投与量及び間隔を決定するために用いられてもよい。
【0108】
投与される化合物の量は、もちろん、治療される対象、苦痛の激しさ、投与方法、処方する医師の判断などに依存するであろう。
【0109】
組成物は、必要であれば、活性成分を含む1以上の単位投与形態を含有可能な、FDAキットなどのパック又はディスペンサー装置で提供されてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチックの箔を含んでもよい。パック又はディスペンサー装置に、投与の説明書が添付されてもよい。パック又はディスペンサーに、医薬の製造、使用、又は販売を統制する政府機関により規定された形式で、機関による組成物の形態、又は人又は動物への投与の承認を反映した、容器に関連付けられた通知が更に添付されてもよい。このような通知は、例えば、処方薬又は承認された内部の製品について、米国食品医薬品局により承認されたラベルであってもよい。適合性のある医薬用の担体で製剤された本発明の化合物を含む組成物が調整され、適当な容器に入れられ、指示された症状の治療のためのラベルが付されてもよい。ラベルに示された適する症状は、腫瘍の治療、血管新生の阻害、線維症、糖尿病などの治療を含んでもよい。
【0110】
上述したように、本発明の化合物及び組成物は、ITK又はJAK3活性により媒介される疾患及び状態を含む、プロテインキナーゼにより媒介される疾患及び状態の広い範囲において効用を有するであろう。このような疾患は、限定的でない例として、肺癌、NSCLC(非小細胞肺癌)、燕麦細胞癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、隆起性皮膚線維肉腫、頭頸部癌、皮膚原発又は眼球内原発黒色腫、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、肛門癌、胃癌、結腸癌、乳癌、女性生殖器腫瘍(例えば、子宮肉腫、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、又は外陰癌)、ホジキン病、肝細胞癌、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌(例えば、甲状腺、膵臓、副甲状腺、又は副腎の癌)、軟部肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌(とくに、ホルモン不応性)、慢性又は急性白血病、小児固形腫瘍、好酸球増多、膀胱癌、腎臓又は尿管癌(例えば、腎細胞癌、腎盂癌)、小児癌、中枢神経系腫瘍(例えば、中枢神経原発リンパ腫、脊椎腫瘍、髄芽腫、脳幹グリオーマ、又は下垂体腺腫)、バレット食道(前癌状態)、腫瘍性皮膚疾患、乾癬、菌状息肉症、及び良性前立腺肥大、糖尿病網膜症、網膜虚血、及び網膜血管新生などの糖尿病関連疾患、肝硬変、血管新生、アテローム性動脈硬化症などの心血管疾患、自己免疫疾患などの免疫疾患、及び腎臓疾患を含んでもよい。
【0111】
本発明の化合物は、1以上の他の化学療法剤と組み合わせ用いられてもよい。本発明の化合物の投与量は、任意の薬物相互作用のために調整されてもよい。1つの実施の形態において、化学療法剤は、分裂抑制剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、細胞周期阻害剤、酵素、CAMPTOSAR(イリノテカン)などのトポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、抗ホルモン剤、MMP−2、MMP−9、及びCOX−2阻害剤などの血管新生抑制剤、抗アンドロゲン剤、白金配位錯体(シスプラチンなど)、ヒドロキシ尿素などの置換された尿素、プロカルバジンなどのメチルヒドラジン誘導体、ミトタンなどの副腎皮質抑制剤、アミノグルテチミド、副腎皮質ステロイド(例えばプレドニゾン)などのホルモン及びホルモン拮抗剤、プロゲスチン(例えばヒドロキシプロゲステロンカプロアート)、エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール)、タモキシフェンなどの抗エストロゲン剤、プロピオン酸テストステロンなどのアンドロゲン、及び、アナストロゾール及びアロマシン(エキセメスタン)などのアロマターゼ阻害剤からなる群から選択される。
【0112】
組み合わせて上記の方法を実行可能なアルキル化剤の非限定的な例は、フルオロウラシル(5−FU)のみ又は更にロイコボリンとの組み合わせ、UFT、カペシタビン、ゲムシタビン、及びシタラビンなどの他のピリミジン誘導体、ブスルファン(慢性顆粒球性白血病の治療に用いられる)、インプロスルファン、ピポスルファンなどのアルキルスルホン酸塩、ベンゾデパ、カルボコン、メツレデパ、及びウレデパなどのアジリジン、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチロールメラミンなどのエチレンイミン及びメチルメラミン、クロラムブシル(慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症、及び非ホジキンリンパ腫の治療に用いられる)、シクロホスファミド(ホジキン病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍、及び横紋筋肉腫の治療に用いられる)、エストラムスチン、イホスファミド、ノベムブリチン、プレドニムスチン、及びウラシルマスタード(原発性血小板血症、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、及び卵巣癌の治療に用いられる)などの窒素マスタード、及びダカルバジン(軟部組織肉腫の治療に用いられる)などのトリアジンを含む。
【0113】
組み合わせて上記の方法を実行可能な抗代謝化学療法剤の非限定的な例は、メトトレキサート(急性リンパ性白血病、絨毛癌、菌状息肉症、乳癌、頭頚部癌、及び骨肉腫の治療に用いられる)及びプテロプテリンなどの葉酸類似体、及び、急性顆粒球性白血病、急性リンパ性白血病、及び慢性顆粒球性白血病の治療における使用が見い出されるメルカプトプリン及びチオグアニンなどのプリン誘導体を含む。
【0114】
組み合わせて上記の方法を実行可能な天然物由来の化学療法剤の非限定的な例は、ビンブラスチン(乳癌及び精巣腫瘍の治療に用いられる)、ビンクリスチン、及びビンデシンなどのビンカアルカロイド、精巣腫瘍及びカポジ肉腫の治療に有用なエトポシド及びテニポシド などのエピポドフィロトキシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン(胃癌、子宮頸癌、謬癌、膀胱癌、及び膵臓癌の治療に用いられる)、ダクチノマイシン、テモゾロミド、プリカマイシン、ブレオマイシン(皮膚癌、食道癌、及び尿路生殖器癌の治療に用いられる)などの抗生化学療法剤、及びL−アスパラギナーゼなどの酵素系化学療法剤を含む。
【0115】
本発明の化合物は、他のシグナル伝達阻害剤、例えば、EGFR(上皮成長因子受容体)抗体、EGF抗体、EGFR阻害剤である分子などのEGFR応答を阻害可能な薬剤、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)阻害剤、及び、erbB2受容体に結合する有機分子又は抗体などのerbB2受容体阻害剤、例えばハーセプチン(Genentech社、サウスサンフランシスコ、CA)とともに使用可能である。EGFR阻害剤は、例えば、国際公開第WO95/19970号、国際公開第WO98/14451号、国際公開第WO98/02434、及び米国特許第5,747,498に記載されており、このような内容は本明細書に記載された本発明に利用可能である。
【0116】
EGFR阻害剤は、モノクローナル抗体C225及び抗EGFR22Mab(ImClone Systems社、New York、NY)、エルロチニブ化合物(OSI Pharmaceuticals社、Melville、NY)、ZD−1839(AstraZeneca)、BIBX−1382(Boehringer Ingelheim)、MDX−447(Medarex社、Annandale、NJ)、及びOLX−103(Merck社、Whitehouse Station、NJ)、及びEGFフュージョントキシン(Seragen社、Hopkinton、MA)を含むが、これらに限定されない。
【0117】
これらの及び他のEGFR阻害剤が本発明において使用可能である。VEGF阻害剤、例えば、SU−5416及びSU−6668(Sugen社、サウスサンフランシスコ、CA)も、本発明の化合物と組み合わせることができる。VEGF阻害剤は、例えば、国際公開第WO01/60814号、国際公開第WO99/24440号、国際出願第PCT/IB99/00797号、国際公開第WO95/21613号、国際公開第WO99/61422号、米国特許第5,834,504号、国際公開第WO01/60814号、国際公開第WO98/50356号、米国特許第5,883,113号、米国特許第5,886,020号、米国特許第5,792,783、国際公開第WO99/10349号、国際公開第WO97/32856号、国際公開第WO97/22596号、国際公開第WO98/54093号、国際公開第WO98/02438号、国際公開第WO99/16755号、及び国際公開第WO98/02437号に記載されている。これら全ての全体が参照により本明細書に援用される。本発明において有用な特定のVEGF阻害剤の他の例は、IM862(Cytran社、Kirkland、WA)、抗VEGFモノクローナル抗体(Genentech社)、及びアンギオザイム、合成リボザイム(Ribozyme社、Boulder、CO)及び(Chiron社、Emeryville、CA)である。これらの及び他のVEGF阻害剤は、本明細書に記載された本発明において使用可能である。更に、GW−282974(Glaxo Wellcome plc)、及びモノクローナル抗体AR−209(Aronex Pharmaceuticals社、The Woodlands、TX)、及び2B−1(Chiron社)などのpErbB2受容体阻害剤が、本発明の化合物と組み合わせて更に使用可能である。これは、例えば、国際公開第WO98/02434号、国際公開第WO99/35146号、国際公開第WO99/35132号、国際公開第WO98/02437号、国際公開第WO97/13760号、国際公開第WO95/19970号、米国特許第5,587,458号、及び米国特許第5,877,305号に示されており、これらの全体が参照により本明細書に援用される。本発明において有用なerbB2受容体阻害剤も米国特許第6,284,764号に記載されており、その全体が参照により本明細書に援用される。上記の国際出願、米国特許、及び米国仮出願に記載されたerbB2受容体阻害剤化合物及び物質だけでなく、erbB2受容体を阻害する他の化合物及び物質が、本発明にしたがって、本発明の化合物とともに使用可能である。
【0118】
本発明の化合物は、癌の治療に有用な他の薬剤とともに使用することができる。他の薬剤の非限定的な例は、CTLA4(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)抗体などの抗腫瘍免疫応答を増強可能な薬剤、及びCTLA4を遮断可能な他の薬剤、他のファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤、例えば米国特許第6,258,824号の「背景技術」の項に引用された参考文献に記載されたファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤などの抗増殖剤を含む。
【0119】
上記の方法は、放射線療法と組み合わせて実行することもできる。この場合、放射線療法と組み合わせた本発明の化合物の量は、上記の疾病の治療に有効である。放射線療法を実行する技術は当分野において既知であり、これらの技術はここに記載された組み合わせ療法に使用可能である。この組み合わせ療法における本発明の化合物の投与は、本明細書に記載されたように決定可能である。
表1:実施例のリスト
【表1】
表2:本出願を通して使用される略語及び意味のリスト
【表2】
【0120】
[化合物の調整方法]
特定の実施の形態において、下記に示される実施例は、後述のセクションにおいて与えられる一般的な手順により調整される化合物である。合成方法及びスキームは、本発明の特定の化合物の合成を示すが、これらの方法及び当業者に知られる他の方法は、本明細書に記載されるこれらの化合物のそれぞれの属、亜属、及び種の全ての化合物に適用可能である。本発明の全ての態様は、後述のスキームにより理解可能である。下記は例示であり,発明の範囲を限定することを意図されない。
【0121】
[実施例]
[実験の詳細及び実施例]
融解点は、MP−96ディジタルPolmon装置で測定された。H NMR及び13C NMRスペクトルは、Jeol社の400MHzのNMR分光装置により、CDCl又はDMSO−d中、室温で記録された。CDCl:7.27及びDMSO−d:2.50(D)の溶媒ピークを内部参照として用いた。化学シフトのアサインは、標準的なNMR実験(H、13C)に基づく。質量スペクトルは、API−ESイオン化源を用いて、Shimadzu社のLCMS LC−210EV分光器で記録された。Jasco−FTIR−4100を用いて、IRスペクトルを記録した。TLC分析は、シリカF254上で実行され、254nmの紫外光により、又は、リンモリブデン−硫酸染色試薬、KMnO、又はヨウ素をスプレーすることにより検出された。カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル60(230メッシュ)で実行した。精製及び分離は、標準的なシリカフラッシュクロマトグラフィーシステムで実行した。サンプルの純度は、化合物の保持力に対応するHPLCのピークの%面積により測定され、C、H、N、及びOの元素分析は、Perkin−Elmer2400元素分析装置を用いて実行され、塩化物の分析は、Intertek USA社のQTIでの熱量滴定を用いて実行された。
【0122】
[全般的な合成方法]
本発明の化合物は、一般に、下記の全体スキーム1及び2、及びそれに続く予備実施例に示される方法により調整される。
■実施例1:N−(3−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(4)
【化29】
□N−(3−(1−(4−メトキシベンジル)−3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−アクリルアミド}(化合物3):
【化30】
【0123】
撹拌された1(0.134mg、0.402mmol)、2(0.100g、0.366mmol)の1,2−ジメトキシエタン(10mL)溶液に炭酸セシウム(233mg、0.732mmol)を加えた。反応物を脱気して15分間窒素をパージした。Pd(PPh(0.126g、0.0109mmol)を反応物に追加し、脱気して再度15分間窒素をパージした。反応生成物を80℃に加熱し、シールされた状態で一晩撹拌した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを通過させ、ヘキサン中40%の酢酸エチルで溶出し、化合物3を得た。
□N−(3−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(4)、実施例1:
【化31】
【0124】
撹拌された化合物3(70mg、0.175mmol)のクロロホルム(15mL)溶液にトリフルオロ酢酸(3mL)を加え、50℃に一晩加熱した。反応物を蒸発させ、水で希釈し、炭酸ナトリウム溶液でpHを8〜10に調節した。水層をジクロロメタンで2回(2×25mL)抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを通過させ、ヘキサン中60%の酢酸エチルで溶出し、薄黄色の固体として実施例1を得た。MS-ES+ 277.9, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6-D6) 4: 13.29 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 8.74 (d, 1H), 8.40 (d, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.69 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 6.44 (m, 1H), 6.26 (dd, 1H), 5.78 (dd, 1H), 2.55 (s, 3H)
■実施例2:N−(3−(7−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(10)
【化32】
□2−ブロモ−7−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)−5−トリチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(化合物8)
【化33】
【0125】
2−ブロモ−7−ヨード−5−トリチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(6)(100mg、0.1766mmol)、6−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール(7)(47mg、0.1766mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に炭酸セシウム(115.74mg、0.3532mmol)を加えた。反応混合物を脱気して10分間窒素をパージし、Pd(PPh)Cl・DCM(7.06mg、0.0088mmol)を反応混合物に追加し、再度脱気して15分間窒素をパージした。最終反応混合物をシールチューブ中90℃で2時間撹拌した。反応完了後、内容物を室温に冷却し、DCM(25mL)で希釈し、セライトベッドで濾過した。粗生成物を得るために有機層を濃縮した。得られた油層を100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中27%の酢酸エチルで溶出し、薄黄色固体(30mg)の化合物2−ブロモ−7−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)−5−トリチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(8)を得た。
□N−(3−(7−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)−5−トリチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(9):
【化34】
【0126】
2−ブロモ−7−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)−5−トリチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(8)(30mg、0.0528mmol)と、(3−アクリルアミドフェニル)ボロン酸(2)(10.9mg、0.0528mmol)のDMF溶液に炭酸セシウム(34.74mg、0.1056mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(PPh)Cl(2.06mg、0.00264mmol)を加え、反応物を再度15分脱気した。反応物を90℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。反応物をDCMで希釈し、セライトで濾過した。粗生成物を得るために有機層を濃縮した。得られた油層を100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中40%の酢酸エチルで化合物を溶出し、オフホワイトの固体の化合物N−(3−(7−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)−5−トリチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(9)を得た。
□N−(3−(7−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(10、実施例2):
【化35】
【0127】
化合物9(20mg、0.314mmol)のクロロホルム溶液にトリフルオロ酢酸を加えた。反応物を45℃で一晩撹拌した。反応物を完全に蒸発させ、水で希釈し、20〜25℃で1モーラーのNaOH溶液によりpHを9〜10に調節した。水層をDCM(25mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、50%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物10を得た。MS-ES +393.16; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6-d6) 10: 12.29 (d, 1H),11.17 (d, 1H), 10.39 (d,1H), 8.84 (d,1H), 8.54 (d,1H),7.94 (d, 2H),7.55 (d, 2H), 7.49 (d, 2H),7.26(d, 2H), 6.83 (d, 1H), 6.54 (d,1H), 6.36 (d, 1H) 5.81 (d, 1H), 4.45 (d, 3H)
■実施例3:N−(3−(7−(1H−インドール−2−イル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(14)
【化36】
□2−ブロモ−7−(1H−インドール−2−イル)−5−トリチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(化合物12):
【化37】
【0128】
(6)(100mg、0.1766mmol)と、(11)(43mg、0.1766mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液をシールチューブに入れた。炭酸セシウム(115.74mg、0.3532mmol)を加え、反応物を15分間脱気した。Pd(dppf)Cl・DCM(7.06mg、0.0088mmol)を反応物に加え、再度15分間脱気した。反応混合物を90℃で2時間撹拌した。TLCで反応完了を確認後、混合物を室温に冷却し、DCM(25mL)で希釈した。混合物をセライトで濾過し、粗生成物の油層を得るために濃縮した。得られた油層を、27%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物12を得た。
□N−(3−(7−(1H−インドール−2−イル)−5−トリチル−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(13):
【化38】
【0129】
(12)(60mg、0.108mmol)と、(2)(22.9mg、0.119mmol)のDMF溶液に炭酸セシウム(70.74mg、0.216mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(PPh)Cl(7.06mg、0.0054mmol)を加え、反応物を再度15分間脱気した。反応物を90℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、DCM(25mL)で希釈し、セライトプラグで濾過した。粗生成物を油層として得るために有機層を濃縮した。得られた油層を、40%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物13を得た。
□N−(3−(7−(1H−インドール−2−イル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(14):
【化39】
【0130】
化合物13(90mg、1.449mmol)のクロロホルム溶液にトリフルオロ酢酸を加えた。反応物を45℃で一晩撹拌し、TFAを完全に蒸発させ、水で希釈し、20〜25℃で1モーラーのNaOH溶液によりpHを9〜10に調節した。水層をジクロロメタン(25mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、50%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、茶色の固体の化合物14を得た。MS-ES+379.41, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6-d6) 14: 11.36 (d, 1H), 10.40 (d, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.54 (d, 1H), 8.38 (d, 1H), 7.94 (d, 2H), 7.55 (d, 2H), 7.43 (d, 2H), 7.13 (d, 2H), 6.56 (d, 1H), 6.36 (d,1H), 5.83 (d, 1H), 5.31 (d, 1H)
■実施例4:N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(16)
【化40】
【0131】
(15)(100mg、0.510mmol)と、(2)(84.2mg、0.510mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(111.69mg、1.02mmol)を加えた。反応混合物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(20.7mg、0.025mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1%のメタノールで溶出し、オフホワイトの固体の化合物16を得た。Ms-ES+264.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 16: 9.99 (s, 1H), 9.40 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.08 (m, 2H), 6.45 (m, 2H), 6.21 (d, 1H), 5.71 (d, 1H)
■実施例5:N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(18)
【化41】
【0132】
(17)(0.4g、1.73mmol)と、(2)(0.285g、1.73mmol)のエタノール/トルエン(4:16mL)溶液に炭酸ナトリウム(0.363g、3.463m当量)を加えた。反応物を脱気して15分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl・DCM(70.58mg、0.0865mmol)を反応物に追加し、再度15分間脱気した。反応混合物を90℃で2時間撹拌した。2時間後、反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタンで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過した。粗生成物を得るために有機層を濃縮した。得られた油層を、30%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物18を得た。MS-ES+298.5; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 18:10.26 (d, 1H), 8.58 (d, 1H), 8.07 (d, 1H), 8.03 (d, 1H), 7.75 (d, 2H), 7.46 (d, 2H), 6.46 (d, 1H), 6.43 (d, 1H), 6.31(d, 1H)
■実施例6:N−(3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(20):
【化42】
【0133】
(19)(50mg、0.2369mmol)と、(2)(50mg、0.2369mmol)のエタノール/トルエン(1:4mL)溶液に炭酸ナトリウム(49.74mg、0.4738mmol)を加えた。反応物を脱気して15分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl・DCM(9.06mg、0.0114mmol)を反応物に追加し、再度15分間脱気した。反応混合物を90℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、DCM(25mL)で希釈した。有機層をセライトで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、30%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物20を得た。MS-ES+277 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 20: 11.37 (d, 1H), 10.24 (d, 1H), 8.45 (d, 1H), 8.09 (d, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.43 (d, 2H), 7.28 (d, 1H), 6.46 (d, 1H), 6.44 (d, 1H), 5.79 (d, 1H), 2.30 (d, 1H)
■実施例7:N−(3−(5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(22):
【化43】
【0134】
(21)(100mg、0.507mmol)と、(2)(84mg、0.507mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(111.01mg、1.014mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(20.7mg、0.025mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱し、室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中40%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体の化合物22を得た。MS-ES+264.8; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 22: 9.99 (bs, 1H), 9.40 (bs, 1H), 7.25 (bs, 1H), 7.08 (m, 1H), 7.00 (d, 1H), 6.42 (m, 2H), 6.21 (m, 1H), 5.71 (m, 1H)
■実施例8:(E)−N−(3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−エナミド(26):
【化44】
□3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)アニリン(24):
【化45】
【0135】
(19)(100mg、0.473mmol)と、(23)(62mg、0.4739mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に炭酸セシウム(310mg、0.946mmol)を加えた。反応物を脱気して15分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(25.4mg、0.0218mmol)を反応物に追加し、再度脱気して15分間窒素をパージした。反応物を85℃で一晩撹拌し、室温に冷却し、DCM(25mL)で希釈し、セライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、40%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物24を得た。
□(E)−N−(3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−エナミド(26)
【化46】
【0136】
(24)(50mg、0.2242mmol)と、trans−2−ペンテン酸(25)(24.6mg、0.246当量)のDMF溶液にEDC・HCl(33mg、0.2706mmol)とHOBt(36.5mg、0.2706mmol)を加えた。DIPEA(57.9mg、0.448当量)を反応物に加え、室温で12時間撹拌し、TLCで反応の完了を確認し、反応混合物を希釈水でクエンチした。有機層を酢酸エチル(25mL)で処理し、ブライン溶液(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、4%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、8mgの化合物26を得た。MS-ES+305.1 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6-d6): 11.45 (s, 1H), 10.08 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.61 (m, 1H), 7.36 (m, 2H), 7.30 (d, 1H), 5.62 (m, 1H), 2.35 (s, 3H)
■実施例9:(E)−N−(2−クロロ−5−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−エナミド(29):
【化47】
【0137】
(19)(200mg、0.952mmol)と、(27)(162.8mg、0.952mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸ナトリウム(201.6mg、1.904mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(38.8mg、0.0476mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱し、室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、オフホワイトの固体の化合物28を得た。
【0138】
(28)(50mg、0.194mmol)と、trans−2−ペンテン酸(25)(19.4mg、0.194mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(39.26mg、0.388mmol)を加えた。TP(123.45mg、0.388mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物29を得た。MS-ES+339.90; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 29: 11.40 (s, 1H), 9.53 (d, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.12 (m, 2H), 7.57 (d, 2H), 7.28 (s, 1H), 5.63 (m, 2H), 3.15 (m, 2H), 2.30 (m, 5H), 1.68 (d, 3H), 1.23 (bs, 2H)
■実施例10:N−(2−クロロ−5−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(34)
【化48】
【0139】
(30)(100mg、0.259mmol)と、(27)(44.5mg、0.259mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(170mg、0.5当量)を加えた。反応物を脱気して15分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(25.4mg、0.0218mmol)を反応物に追加し、再度15分間脱気して、シールチューブ中85℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、DCMで希釈した。DCM層をセライトで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、40%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、55mgの化合物31を得た。
【0140】
(31)(55mg、0.1273mmol)、メタノール(8mL)、及び水(2mL)の溶液に炭酸カリウム(70mg、0.5092mmol)を加えた。反応物を60℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、メタノールを完全に留去した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、35%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物32を得た。
【0141】
(32)(25mg、0.0899mmol)と、アクリル酸(33)(7.0mg、0.09892mmol)のDMF溶液にHBTU(51mg、0.1348当量)を加えた。反応物にトリエチルアミン(18mg、0.1798当量)を加え、室温で12時間撹拌した。反応生成物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層をブライン溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、4%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、タイトルの化合物34を得た。MS-ES+332.0, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6-d6) 34: 8.73 (d, 2H), 8.37 (m, 1H), 8.31 (m, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.02 (d, 1H), 6.72 (d, 1H), 6.25 (d, 2H)
■実施例11:N−(2−クロロ−5−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−エナミド(35)
【化49】
【0142】
(17)(100mg、0.436mmol)と、(27)(74.5mg、0.436mmol)のDME溶液に炭酸セシウム(286mg、0.872mmol)を加えた。反応物を脱気して15分間窒素をパージした。Pd(PPh(25.4mg、0.0218mmol)を反応物に追加し、再度脱気して、15分間窒素をパージした。反応物を85℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、DCM(25mL)で希釈した。DCM層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、40%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、55mgのオフホワイトの固体の化合物32を得た。
【0143】
(32)(50mg、0.1945mmol)と、(E)−ペンタ−2−エン酸(25)(19.45mg、0.1945mmol)のDMF溶液にEDC・HCl(33.1mg、0.2139mmol)とHOBt(28.8mg、0.2139mmol)とDIPEA(27.5mg、0.2139mmol)を加えた。反応物を室温で12時間撹拌した。反応生成物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回洗浄し、ブライン溶液で更に洗浄した。得られた油層を、20%の酢酸エチル:ヘキサンのグラジエントを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、薄黄色の固体の化合物35を得た。MS-ES+359.1, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 35: 8.62 (d, 2H), 8.20 (d,1H), 8.17 (d, 1H), 8.08 (d, 1H), 8.02 (d, 2H), 7.49 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.02 (d, 1H), 6.97 (d, 1H), 4.19 (d, 2H), 2.48 (d, 2H), 1.23 (d, 3H)
■実施例12:N−(6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−2−イル)アクリルアミド(39):
【化50】
【0144】
(36)(200mg、0.819mmol)と、(37)(105.3mg、0.819mmol)のDMF溶液に炭酸セシウム(533.6mg、1.638mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(PPhCl(28.7mg、0.0409mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールして一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、セライトベッドで濾過した。粗生成物を得るために有機層を濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物38を得た。
【0145】
(38)(50mg、0.237mmol)と、アクリル酸(33)(17.14mg、0.237mmol)のアセトニトリル溶液にトリエチルアミン(47.95mg、0.474mmol)を加えた。TP(150.8mg、0.474mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、オフホワイトの固体として化合物39を得た。MS-ES+264.9, 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.91 (d, 1H), 8.78 (bs, 1H), 8.50 (d, 1H), 8.23 (m, 1H), 8.07 (bs, 1H), 7.80 (t, 1H), 7.53 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 6.59 (m, 1H), 6.49 (m, 1H), 6.29 (m, 1H), 5.84 (m, 1H)
■実施例13:N−(2−フルオロ−5−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(42):
【化51】
【0146】
(15)(100mg、0.510mmol)と、(40)(78.6mg、0.510mmol)のトルエン/エタノール(4:1)溶液に炭酸ナトリウム(111.69mg、1.02mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(20.8mg、0.0255mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩80℃に加熱した。反応生成物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中30%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物41を得た。
【0147】
(41)(50mg、0.219mmol)と、アクリル酸(33)(15.84mg、0.219mmol)のアセトニトリル溶液にトリエチルアミン(44.35mg、0.438mmol)を加えた。TP(139.3mg、0.438mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。得られた油層を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中40%の酢酸エチルで溶出し、茶色の固体として化合物42を得た。MS-ES+281.9, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 11.73 (s, 1H), 10.06 (s, 1H), 8.45 (d, 1H), 8.32 (d, 1H), 8.15 (d, 1H), 7.49 (m, 2H), 7.37 (m,1H), 6.66 (m, 1H), 6.50 (m, 1H), 6.32 (m, 1H), 5.78 (m, 1H)
■実施例14:N−(2−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(45):
【化52】
【0148】
(15)(100mg、0.510mmol)と、(43)(78.6mg、0.510mmol)のトルエン/エタノール(4:1)溶液に炭酸ナトリウム(111.69mg、1.02mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(20.8mg、0.0255mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩80℃に加熱した。反応生成物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中30%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物44を得た。
【0149】
(44)(40mg、0.175mmol)と、アクリル酸(33)(12.64mg、0.175mmol)のアセトニトリル溶液にトリエチルアミン(35.41mg、0.35mmol)を加えた。TP(111.3mg、0.35mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中40%の酢酸エチルで溶出し、茶色の固体として化合物45を得た。MS-ES+281.9, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6-d6) 45: 11.75 (s, 1H), 10.02 (s, 1H), 8.55 (d, 1H), 8.25 (d, 1H), 8.11 (t, 1H), 7.69 (m, 1H), 7.53 (m, 2H), 6.62 (m, 1H), 6.50 (m, 1H), 6.29 (m, 1H), 5.78 (m, 1H)
■実施例15:N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−2−シアノアセトアミド(48):
【化53】
【0150】
(46)(50mg、0.2057mmol)と、(47)(17.48mg、0.2057mmol)のアセトニトリル溶液にトリエチルアミン(41.69mg、0.4114mmol)を加えた。TP(130.09mg、0.4114mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物48を得た。MS-ES+311.2, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 48: 12.09 (bs, 1H), 11.10 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 8.65 (d, 2H), 8.23 (bs, 1H), 8.16 (d, 1H), 7.74 (d, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.54 (m, 2H)
■実施例16:N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−1−シアノシクロプロパン−カルボキサミド(51):
【化54】
【0151】
(49)(50mg、0.2057mmol)と、(50)(22.8mg、0.2057mmol)のアセトニトリル溶液にトリエチルアミン(41.69mg、0.4114mmol)を加えた。TP(130.09mg、0.4114mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、オフホワイトの固体として化合物51を得た。MS-ES+334.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 51: 12.08 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.50 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 5.55 (m, 4H)
■実施例17:N−(2−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(53):
【化55】
【0152】
(19)(100mg、0.434mmol)と、(52)(118.2mg、0.434mmol)のトルエン/エタノール(4:1)溶液に炭酸ナトリウム(95.04mg、0.868mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.72mg、0.0217mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩80℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、オフホワイトの固体として化合物53を得た。MS-ES+277.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 53.: 11.31 (s, 1H), 9.46 (s,1H), 8.12 (d,1H), 7.83 (d,1H), 7.56 (d, 1H), 7.33 (m, 4H), 7.24 (bs, 1H), 6.30 (m, 1H), 6.11 (m, 1H), 5.62 (m, 1H), 2.22 (s, 3H)
■実施例18:N−(2−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(54):
【化56】
【0153】
(17)(100mg、0.476mmol)と、(52)(130.01mg、0.476mmol)のトルエン/エタノール(4:1)溶液に炭酸ナトリウム(104.24mg、0.952mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(16.72mg、0.0238mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩80℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、オフホワイトの固体として化合物54を得た。MS-ES+297.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 54: 12.05 (s, 1H), 9.55 (s, 1H), 8.24 (d, 1H), 7.83 (d, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.41 (m, 3H), 6.30 (m, 1H), 6.12 (d, 1H), 5.63 (d, 1H)
■実施例19:N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−イナミド(56):
【化57】
【0154】
(49)(25mg、0.102mmol)と、(55)(8.6mg、0.102mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液にトリエチルアミン(20.6mg、0.204mmol)を加えた。TP(64.90mg、0.204mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物56を得た。MS-ES+309.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 12.09 (s, 1H), 10.69 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.43 (m, 2H), 2.05 (s, 3H)
■実施例20:N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)プロピオルアミド(58):
【化58】
【0155】
(49)(25mg、0.102mmol)と、(57)(7.14mg、0.102mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液にトリエチルアミン(20.6mg、0.204mmol)を加えた。TP(64.90mg、0.204mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物58を得た。MS-ES+295.8, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 58: 12.11 (s, 1H), 10.91 (s, 1H), 8.56 (d, 1H), 8.05 (d, 1H) 7.94 (s, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.62 (m, 1H), 7.47 (m, 2H), 4.45 (s, 1H)
■実施例21:N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−イナミド(60):
【化59】
【0156】
(49)(25mg、0.102mmol)と、(59)(9.86mg、0.102mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(20.6mg、0.204mmol)を加えた。TP(64.90mg、0.204mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物60を得た。MS-ES+323.9, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 60: 12.10 (s, 1H), 10.68 (s, 1H), 8.55 (d, 1H), 8.04 (d, 1H), 7.93 (bs, 1H), 7.75 (bs, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.44 (m, 2H), 2.43 (m, 2H), 1.17 (t, 3H)
■実施例22:N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−2−フルオロアセトアミド(62):
【化60】
【0157】
(49)(25mg、0.102mmol)と、(61)(7.2mg、0.102mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(20.6mg、0.204mmol)を加えた。TP(64.90mg、0.204mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物62を得た。MS-ES+303.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 62: 12.09 (s, 1H), 10.18 (s, 1H), 8.58 (d, 1H), 8.06 (m, 2H), 7.71 (m, 2H), 7.47 (m, 2H), 5.08 (s, 1H), 4.96 (s, 1H)
■実施例23:N−(3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−イナミド(63):
【化61】
【0158】
(24)(25mg、0.112mmol)と、(55)(9.4mg、0.112mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(22.6mg、0.224mmol)を加えた。TP(71.27mg、0.224mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物63を得た。MS-ES+289.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 11.38 (s, 1H), 10.68 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.28 (s, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.06 (s, 3H)
■実施例24:N−(3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−イナミド(64):
【化62】
【0159】
(24)(25mg、0.112mmol)と、(59)(9.86mg、0.112mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(22.6mg、0.224mmol)を加えた。TP(71.1mg、0.224mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物64を得た。MS-ES+303.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 64: 11.37 (s, 1H), 10.65 (s, 1H), 8.41 (d, 1H), 8.06 (d, 1H), 7.90 (bs, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.28 (bs, 1H), 2.42 (m, 2H), 2.30 (bs, 3H), 1.17 (t, 3H)
■実施例25:2−フルオロ−N−(3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アセトアミド(65):
【化63】
【0160】
(24)(25mg、0.112mmol)と、(61)(7.91mg、0.112mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(22.6mg、0.224mmol)を加えた。TP(71.1mg、0.224mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物を得た。MS-ES+283.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 65: 11.36 (s, 1H), 10.16 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.09 (d, 1H), 7.97 (d, 1H), 7.67 (m, 1H), 7.46 (m, 2H), 7.28 (s, 1H), 5.07 (s, 1H), 4.95 (s, 1H), 2.30 (m, 3H)
■実施例26:N−(3−(3−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(69):
【化64】
【0161】
(30)(200mg、0.418mmol)と、(66)(71.01mg、0.418mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(272.36mg、0.836mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.06mg、0.0209mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中3%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物67を得た。
【0162】
(67)(150mg、0.315mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(86.91mg、0.63mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体の化合物68を得た。
【0163】
(68)(100mg、0.3125mmol)と、(2)(71.01mg、0.312mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(68.21mg、0.623mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12.76mg、0.0156mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体としてタイトルの化合物69を得た。MS-ES+ 388.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 69: 12.09 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.54 (bs, 1H), 8.26 (bs, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.83 (d, 1H), 7.71 ( m, 1H), 7.43 (m, 2H), 7.20 (m, 2H), 6.44 (m, 1H), 6.25 (m, 1H), 5.75 (m, 1H), 3.66 (s, 3H)
■実施例27:N−(3−(3−(3−(N−(tert−ブチル)−N−メチルスルファモイル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(73):
【化65】
【0164】
(30)(150mg、0.313mmol)と、(70)(85.70mg、0.313mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(205.36mg、0.627mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12.86mg、0.0156mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中10%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物71を得た。
【0165】
(71)(100mg、0.173mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(47.9mg、0.347mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体72を得た。
【0166】
(72)(70mg、0.166mmol)と、化合物(64)(27.3mg、0.166mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(35.02mg、0.332mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12.76mg、0.0156mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物73を得た。MS-ES+487.2, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 73: 9.12 (bs, 1H), 8.61 (bs, 1H), 8.34 (bs, 1H), 8.10 (bs, 1H), 7.81 (m, 2H), 7.57 (m, 2H), 7.43 (m, 2H), 6.44 (d, 1H), 6.30 (m,1H), 5.79 (d, 1H), 3.01 (s, 3H), 1.39 (s, 3H)
■実施例28:N−(3−(3−(3−(N,N−ジエチルスルファモイル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(77):
【化66】
【0167】
(30)(200mg、0.418mmol)と、(74)(107.46mg、0.418mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(272.36mg、0.836mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.06mg、0.0209mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中10%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物75を得た。
【0168】
(75)(150mg、0.267mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(73.8mg、0.5347mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体76を得た。
【0169】
(76)(100mg、0.245mmol)と、化合物(2)(40.42mg、0.245mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(53.55mg、0.490mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(9.95mg、0.0122mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中3%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物77を得た。MS-ES+423.09; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 77: 12.23 (s, 1H), 10.26 (s, 1H), 8.56 (d, 1H), 8.35 (s,1H), 8.04 (m, 4H), 7.68 (m, 3H), 7.45 (m, 2H), 6.43 (m, 2H), 6.30 (m, 1H), 5.77 (m, 1H), 3.24 (m, 4H), 1.06 (m, 6H)
■実施例29:3−(5−(3−アクリルアミドフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−3−イル)安息香酸エチル(83):
【化67】
【0170】
(78)(200mg、0.419mmol)と、(79)(81.3mg、0.419mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(0.838mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.0mg、0.0209mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中10%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物80を得た。
【0171】
(80)(180mg、0.361mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(99.75mg、0.722mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体81を得た。
【0172】
(81)(120mg、0.379mmol)のエタノール溶液に硫酸を入れた。反応物を60℃で一晩加熱し、室温に冷却し、水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、薄黄色の固体82を得た。
【0173】
(82)(100mg、0.290mmol)と、化合物(2)(55.5mg、0.290mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(60.9mg、0.580mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(11.8mg、0.0145mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中3%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物83を得た。(収量:22mg、21%)MS-ES+ 412.0, 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 83: 12.15 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.55 (d,1H), 8.38 (d, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.06 (m, 2H), 8.00 (bs, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.62 (t, 1H), 7.45 (m, 2H), 6.47 (m, 1H), 6.30 (m, 1H), 5.77 (m, 1H), 4.35 (m, 2H), 1.35 (m, 3H)
■実施例30:N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(87):
【化68】
【0174】
(30)(200mg、0.418mmol)と、(84)(78.60mg、0.418mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(272.36mg、0.836mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.06mg、0.0209mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物85を得た。
【0175】
(85)(150mg、0.304mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(83.9mg、0.608mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体の化合物86を得た。
【0176】
(86)(80mg、0.236mmol)と、化合物(2)(38.9mg、0.236mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(51.79mg、0.473mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(9.6mg、0.0118)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中1%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物87を得た。MS-ES+ 406.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 87: 12.21 (s, 1H), 10.24 (bs, 1H), 8.54 (d, 1H), 8.20 (d, 1H), 7.90 (m, 2H), 7.83 (bs, 1H), 7.43 (d, 2H), 7.22 (m, 2H), 6.42 (m, 1H), 6.25 (d, 1H), 5.75 (d, 1H), 3.60 (s, 3H)
■実施例31:N−(2−フルオロ−5−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−イナミド(89):
【化69】
【0177】
(19)(205.4mg、0.909mmol)と、(40)(150mg、0.909mmol)のトルエン/エタノール(4mL:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(190.8mg、1.818mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(37.1mg、0.0454mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中50%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物88を得た。
【0178】
(88)(50mg、0.207mmol)と、(59)(20.03mg、0.207mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(41.9mg、0.414mmol)を加えた。TP(131.7mg、0.414mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物89を得た。MS-ES+321.9; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 89: 8.58 (s, 1H), 8.44 (d, 2H), 8.01 (d, 1H), 7.64 (bs, 1H), 7.28 (m, 1H), 7.18 (m, 1H), 7.09 (bs, 1H), 2.43 (m, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.25 (m, 2H)
■実施例32:N−(3−(3−(3−(N−(tert−ブチル)−N−メチルスルファモイル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−イナミド(92):
【化70】
【0179】
(78)(150mg、0.313mmol)と、(70)(85.70mg、0.313mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(205.36mg、0.627mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12.86mg、0.0156mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中10%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物90を得た。
【0180】
(90)(150mg、0.260mmol)と、(23)(44.4mg、0.260mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(54.6mg、0.520mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(10.6mg、0.013mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中3%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物91を得た。
【0181】
(91)(70mg、0.119mmol)と、(59)(13.9mg、0.142mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(24.9mg、0.238mmol)を加えた。TP(78.0mg、0.238mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物92を得た。
【0182】
(92)(60mg、0.089mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(24.5mg、0.178mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体の化合物93を得た。MS-ES+ 515.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 9.26 (bs, 1H), 8.64 (bs, 1H), 8.33 (bs, 1H), 8.11(bs, 1H), 7.81 (d, 1H), 7.74 (m, 2H), 7.57 (m, 4H), 7.40 (m, 2H), 3.01 (s, 3H), 2.37 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.22 (m, 3H)
■実施例33:N−(3−(7−(3−(N−(tert−ブチル)−N−メチルスルファモイル)フェニル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(97):
【化71】
【0183】
(94)(200mg、0.419mmol)と、(70)(113.5mg、0.419mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(274.8mg、0.838mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.1mg、0.020mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中10%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物95を得た。
【0184】
(95)(140mg、0.243mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(67.068mg、0.486mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体96を得た。
【0185】
(96)(80mg、0.189mmol)と、(2)(36.2mg、0.189mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(39.6mg、0.378mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(7.7mg、0.009mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中3%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物97を得た。MS-ES+ 488.2; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 97: 12.54 (bs, 1H), 10.27 (bs, 1H), 8.90 (bs, 1H), 8.81 (bs, 1H), 8.64 (bs, 1H), 8.44 (m, 1H), 8.38 (bs, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.65 (d, 2H), 7.50(t, 1H), 6.47 (m, 1H), 6.28 (dd, 1H), 5.78 (dd, 1H), 2.98 (s, 3H), 1.29 (s, 1H)
■実施例34:N−(3−(3−(3−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(97):
【化72】
【0186】
(78)(200mg、0.419mmol)と、(70)(96.05mg、0.419mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(274.8mg、0.838mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.1mg、0.0201mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中10%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物95を得た。
【0187】
(95)(180mg、0.337mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(93.0mg、0.674mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体96を得た。
【0188】
(96)(100mg、0.263mmol)と、(2)(50.3mg、0.263mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(55.2mg、0.526mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(10.7mg、0.0132mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中3%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物97を得た。MS-ES+ 445.01; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 97: 12.24 (s, 1H), 10.26 (s, 1H), 8.56 (d, 1H), 8.37 (d, 1H), 8.14 (m, 2H), 8.00 (m, 2H), 7.69 (m, 2H), 7.62 (d, 1H), 7.45 (d, 2H), 6.46 (m, 1H), 6.26 (dd, 1H), 5.77 (dd, 1H), 2.68 (s, 6H)
■実施例35:N−(3−(3−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(101):
【化73】
【0189】
(78)(200mg、0.419mmol)と、(98)(83.8mg、0.419mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に炭酸セシウム(275.0mg、0.8396mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.1mg、0.0209mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物99を得た。
【0190】
(99)(190mg、0.3759mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(155.8mg、1.127mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体100を得た。
【0191】
(100)(100mg、0.2849mmol)と、(2)(54.4mg、0.2849mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(60.3mg、0.5698mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(11.6mg、0.01424mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中3%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物101を得た。MS-ES+417.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 12.26 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.14 (d, 2H), 7.98 (d, 1H), 7.78 (m, 1H), 7.70 (m, 2H), 7.46 (m, 2H), 6.44 (m, 1H), 6.25 (dd, 1H), 5.75 (dd, 1H)
■実施例36:N−(3−(3−(3−(エチルスルホニル)フェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(105):
【化74】
【0192】
(78)(200mg、0.4192mmol)と、(102)(89.7mg、0.4192mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(274.9mg、0.8384mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.1mg、0.0209mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物103を得た。
【0193】
(103)(170mg、0.3273mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(135.7mg、0.9819mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体104を得た。
【0194】
(104)(100mg、0.2737mmol)と、(2)(52.2mg、0.2737mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(58.0mg、0.5474mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(11.1mg、0.0136mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中3%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物105を得た。MS-ES+432.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 12.22 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.54 (d, 1H), 8.39 (d, 1H), 8.14 (m, 3H), 7.98 (s, 1H), 7.73 (m, 3H), 7.44 (d, 2H), 6.44 (m, 1H), 6.25 (dd, 1H), 5.75 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 1.14 (m 3H)
■実施例37:N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ペンタ−2−イナミド(108):
【化75】
【0195】
(85)(400mg、0.813mmol)と、(23)(140.6mg、0.813mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(274.9mg、0.8384mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(33.1mg、0.040mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物106を得た。
【0196】
(106)(250mg、0.594mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(162.84mg、1.18mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体107を得た。
【0197】
(107)(100mg、0.284mmol)と、(59)(26.7mg、0.284mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(57mg、0.568mmol)を加えた。TP(186.3mg、0.568mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物108を得た。MS-ES+432.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 12.12 (s, 1H), 10.66 (s, 1H), 8.51 (d, 1H), 8.20 (d, 1H), 7.87 (d, 2H), 7.62 (d, 1H), 7.39 (m 2H), 7.24 (m, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.28 (m, 2H), 2.41 (m, 2H), 1.21 (m, 3H), 1.14 (m, 3H)
■実施例38:N−(5−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−2−フルオロフェニル)アクリルアミド(111):
【化76】
【0198】
(85)(150mg、0.306mmol)と、(40)(47mg、0.306mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(200mg、0.612mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12mg、0.0153mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物109を得た。
【0199】
(109)(120mg、0.229mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(62mg、0.458mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体110を得た。
【0200】
(110)(80mg、0.216mmol)と、(33)(15.3mg、0.216mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(45.79mg、0.432mmol)を加えた。TP(141.6mg、0.432mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物111を得た。MS-ES+424.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 12.22 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 8.52 (d, 1H), 8.31 (d, 1H), 8.22 (d, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.53 (m, 1H), 7.36 (m, 1H), 7.24 (m, 1H), 6.63 (m, 1H), 6.27 (dd, 1H), 5.78 (dd, 1H), 3.61(s, 3H)
■実施例39:N−(5−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−2,4−ジフルオロフェニル)アクリルアミド(115):
【化77】
【0201】
(85)(150mg、0.306mmol)と、(112)(64mg、0.306mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(200mg、0.612mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12mg、0.0153mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物113を得た。
【0202】
(113)(130mg、0.240mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(65mg、0.48mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体114を得た。
【0203】
(114)(80mg、0.2066mmol)と、(33)(20mg、0.289mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(41mg、0.4132mmol)を加えた。TP(131mg、0.4132mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物115を得た。MS-ES+442.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 12.28 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.14 (t, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.48 (t, 1H), 7.26 (m, 2H), 6.58 (m, 1H), 6.29 (dd, 1H), 5.77 (dd, 1H), 3.61 (s, 3H)
■実施例40:N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−フルオロフェニル)アクリルアミド(119):
【化78】
【0204】
(85)(150mg、0.3060mmol)と、(116)(0.306mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(200mg、0.612mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12mg、0.0153mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物117を得た。
【0205】
(117)(125mg、0.229mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(62mg、0.428mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体118を得た。
【0206】
(118)(80mg、0.216mmol)と、アクリル酸(33)(21mg、0.302mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(43mg、0.432mmol)を加えた。TP(131mg、0.432mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物119を得た。MS-ES+424.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 12.28 (s, 1H), 10.28 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.86 (m, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.26 (m, 3H), 6.41 (m, 1H), 6.29 (dd, 1H), 5.76 (dd, 1H), 3.61 (s, 3H)
■実施例41:N−(2−クロロ−5−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(122):
【化79】
【0207】
(85)(150mg、0.306mmol)と、(27)(52mg、0.306mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(200mg、0.612mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12mg、0.0153mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物120を得た。
【0208】
(120)(120mg、0.222mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(60mg、0.444mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体121を得た。
【0209】
(121)(80mg、0.207mmol)と、アクリル酸(33)(17.7mg、0.249mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(43.8mg、0.414mmol)を加えた。TP(135.7mg、0.414mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物122を得た。MS-ES+440.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 12.24 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 8.56 (d, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.61 (s, 2H), 7.29 (m, 2H), 6.64 (m, 1H), 6.27 (dd, 1H), 5.79 (dd, 1H), 3.60 (s, 3H)
■実施例42:N−(6−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−2−イル)アクリルアミド(126):
【化80】
【0210】
撹拌された(85)(250mg、0.508mmol)のDMF溶液にビス(ピナコラト)ジボロン(257.9mg、1.016mmol)を加えた。反応物に酢酸カリウム(99.6mg、1.016mmol)を加え、脱気して10分間窒素をパージした。Pd(PPh)Cl(17.8mg、0.023mmol)を追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールして100℃に2時間加熱した。反応完了後、反応物を冷却し、クロロホルムで希釈し、セライトベッドで濾過した。有機層を冷水(2×50mL)で洗浄し、ブライン溶液(50mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、黒色の固体123を得た。固体を精製せずに次のステップに用いた。
【0211】
(123)(250mg、0.46mmol)と、(37)(65mg、0.509mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(301.1mg、0.92mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(18mg、0.023mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物124を得た。
【0212】
(124)(100mg、0.198mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(54.7mg、0.396mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体125を得た。
【0213】
(125)(60mg、0.142mmol)と、アクリル酸(33)(14.1mg)のアセトニトリル(4mL)溶液にトリエチルアミン(30.38mg、0.284mmol)を加えた。TP(93.102mg、0.284mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中1.5%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物126を得た。MS-ES+407.0; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 126: 12.24 (s, 1H), 10.70 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.14 (d,1H), 7.88 (m, 2H), 7.78 (d, 1H), 7.30 (m, 2H), 6.66 (m, 1H), 6.31 (dd, 1H), 5.78 (dd, 1H0, 3.60 (s, 3H)
■実施例43:N−(3−(7−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル)フェニル)アクリルアミド(130):
【化81】
【0214】
(127)(200mg、0.4184mmol)と、(84)(78.6mg、0.4184mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(274.4mg、0.8363mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.0mg、0.02092mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、オフホワイトの固体として化合物128を得た。
【0215】
(128)(100mg、0.294mmol)の、メタノール(7mL)及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(81.1mg、0.588mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。メタノールを完全に留去した。反応物の残りに水を加えた。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、ヘキサンと練和して、オフホワイトの固体129を得た。
【0216】
(129)(60mg、0.235mmol)と、(2)(33.7mg、0.235mmol)のトルエン/エタノール(4:1mL)溶液に炭酸ナトリウム(50.29mg、0.47mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(9.5mg、0.01175mmol)を反応物に追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトベッドで濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン中3%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物130を得た。MS-ES+; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) 130: 12.60 (s, 1H), 10.33 (s, 1H), 8.49 (m, 2H), 8.43 (s, 1H), 7.81 (m, 2H), 7.52 (t, 1H), 7.23 (m, 1H), 6.48 (m, 1H), 6.28 (dd, 1H), 5.78 (dd, 1H), 3.88 (s, 3H)
【0217】
表1B:実施例のリスト
【表1B】
■実施例133:(E)−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エナミド(133):
【化82】
【0218】
(117)(100mg、0.194mmol)をTHF/DMFに溶解した溶液に、ジメチルアミン(31.2mg、0.3885mmol)、EDC・HCl(0.3883mmol)、及び(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸塩酸塩(131)(64.07mg、0.3883mmol)を追加し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応完了後、水で希釈し、水層をクロロホルム中10%メタノールで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物の化合物132を得るために濃縮した。粗生成物132を、中性アルミナに通して精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物を得た。
【0219】
(132)(90mg、0.246mmol)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(68.05mg、0.493mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩撹拌し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、中性アルミナを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物(E)−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エナミド(133)を得た。MS-ES+481.20, 1HNMR (400MHz, DMSO) 133: 12.29 (s, 1H), 10.44 (s, 2H), 8.43 (d, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.88 (m, 2H), 7.72 (m, 1H), 7.26 (m, 3H), 3.90 (m, 2H), 3.60 (s, 3H), 2.74 (m, 6H)
■実施例138:(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(3−(3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−エナミド(138):
【化83】
【0220】
(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)ボロン酸(134)(100mg、0.5434mmol)と、5−ブロモ−3−ヨード−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(78)(259.23mg、0.5434mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(356.4mg、1.86mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(22.17mg、0.0217mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物の化合物135を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物5−ブロモ−3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(135)を得た。
【0221】
5−ブロモ−3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(135)(250mg、0.5122mmol)と、(23)(145.9mg、0.655mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(336.03mg、1.024mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(20.8mg、0.02561mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物の化合物136を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物3−3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)アニリン(136)を得た。
【0222】
(136)(100mg、0.198mmol)をTHF/DMFに溶解した溶液に、ジメチルアミン(31.7mg、0.396mmol)、EDC・HCl(61.5mg、0.396mmol)、及び(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸塩酸塩(131)(65.34mg、0.396mmol)を追加し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応完了後、水で希釈し、水層をクロロホルム中10%メタノールで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、中性アルミナに通して精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(3−(3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−エナミド(137)を得た。
【0223】
(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(3−(3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−エナミド(137)(60mg、0.098mmol)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(54.10mg、0.392mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩撹拌し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、中性アルミナを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(3−(3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−エナミド(138)を得た。MS-ES+458.3, 1H NMR (400 MHz, DMSO): 11.89 (s, 1H), 10.14 (s, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.05 (d, 2H), 7.63 (m, 2H), 7.40 (m, 3H), 6.98 (d, 1H), 6.73 (m, 1H), 6.26 (d, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.06 (s, 3H), 2.23 (d, 3H), 2.18 (s, 6H)
■実施例140:N−(3−(3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(140):
【化84】
【0224】
(134)(100mg、0.5434mmol)と、(78)(259.23mg、0.5434mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(356.4mg、1.86mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(22.17mg、0.0217mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物の化合物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(135)を得た。
【0225】
(135)(250mg、0.5122mmol)と、(23)(145.9mg、0.655mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(336.03mg、1.024mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(20.8mg、0.02561mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(136)を得た。
【0226】
(136)(120mg)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(80mg)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、中性アルミナを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物N−(3−(3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(139)を得た。
【0227】
(139)(60mg、0.17mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。反応生成物にトリエチルアミン(24.03mg、0.238mmol)を加え、撹拌を続けた。塩化アクリル(22.1mg、0.221mmol)を反応生成物に滴下し、4時間撹拌した。反応完了後、反応物を水でクエンチし、有機層を分離し、水層を再びDCMで抽出した。化合した有機層をブライン溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルに通して精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、白色の固体として化合物N−(3−(3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(140)を得た。MS-ES+ 402.1, 1H NMR (400 MHz, DMSO) 140: 11.89 (s, 1H), 10.22 (s, 1H), 8.49 (d, 1H), 8.00 (d, 2H), 7.64 (m, 2H), 7.42 (m, 3H) , 6.98 (d, 1H), 6.42 (m, 1H), 6.25 (m, 1H), 5.76 (dd, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.23 (s, 3H)
■実施例145:N−(3−(3−(4−フルオロ−2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(145):
【化85】
【0228】
(78)(500mg、1.0484mmol)と、(2−フルオロ−3−メチルフェニル)ボロン酸(141)(0.163mg、1.048mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(687.4mg、2.096mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(42.7mg、0.0524mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物の化合物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(142)を得た。
【0229】
(142)(500mg、1.091mmol)と、(23)(310.9mg、1.419mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(715.04mg、2.18mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(44.5mg、0.0545mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物の化合物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(143)を得た。
【0230】
(143)(200mg、0.424mmol)をTHF/DMFに溶解した溶液に、ジメチルアミン(67.8mg、0.858mmol)、EDC・HCl(131.44mg、0.848mmol)、及び(131)(139.9mg、0.848mmol)を追加し、反応物を室温で一晩撹拌した。完了後、反応物を水で希釈し、水層をクロロホルム中10%メタノールで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、中性アルミナに通して精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物(144)を得た。
【0231】
(144)(100mg、0.171mmol)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(47.4mg、0.343mmol)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、中性アルミナを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(3−(3−(2−フルオロ−3−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−エナミド(145)を得た。MS-ES+428.1, 1H NMR (400 MHz, DMSO): 12.14 (s, 1H), 10.31 (s, 1H), 8.54 (d, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.75 (m, 1H), 7.58 (t, 1H), 7.44 (m, 2H), 7.17 (m, 2H) 7.08 (m, 1H), 6.35 (d, 1H), 4.40 (m, 1H), 3.99 (d, 2H), 3.03 (s, 3H), 2.33 (s, 6H)
■実施例148:N−(3−(3−(2−フルオロ−3−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(148):
【化86】
【0232】
(78)(500mg、1.0484mmol)と、(141)(0.163mg、1.048mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(687.4mg、2.096mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(42.7mg、0.0524mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(143)を得た。
【0233】
(142)(500mg、1.091mmol)と、(23)(310.9mg、1.419mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(715.04mg、2.18mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(44.5mg、0.05455mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(143)を得た。
【0234】
(143)(200mg)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(100mg)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物をヘキサンと練和して、半白色の固体(147)を得た。
【0235】
(147)(100mg、0.3153mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、0℃に冷却した。反応生成物にトリエチルアミン(44.9mg、0.4414mmol)を加え、撹拌を続けた。塩化アクリル(40.9mg、0.4099mmol)を反応生成物に滴下し、4時間撹拌した。反応完了後、反応物を水でクエンチし、有機層を分離し、水層を再びDCMで抽出した。化合した有機層をブライン溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルに通して精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、白色の固体として化合物N−(3−(3−(2−フルオロ−3−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(148)を得た。MS-ES+280, 1H NMR (400 MHz, DMSO): 12.12 (s, 1H), 10.24 (s, 1H), 8.54 (d, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.73 (m, 1H), 7.56 (m, 1H), 7.43 (d, 2H), 7.19 (m, 2H), 6.45 (m, 1H), 6.26 (dd, 1H), 5.76 (dd, 1H), 2.33(s, 3H)
■実施例150:N−(3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(150):
【化87】
【0236】
5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2(3H)−オン(149)(100mg、0.4673mmol)と、(3−アクリルアミドフェニル)ボロン酸(64)(98.55mg、0.514mmol)のトルエン/エタノール/水溶液に炭酸ナトリウム(198mg、1.8692mmol)を加えた。反応物の塩化リチウム(59.3mg、1.40mmol)を追加した。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(19.03mg、0.0233mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物の化合物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物N−(3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)アクリルアミド(150)を得た。MS-ES+338.9, 1H NMR (400 MHz, DMSO): 11.09 (s, 1H), 10.24 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.35 (m, 2H), 6.44 (m, 1H), 6.25 (d, 1H), 5.76 (d, 1H), 3.63 (s, 2H)
■実施例152:(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−エナミド(152):
【化88】
【0237】
5−ブロモ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(19)(100mg、0.4139mmol)と、(23)(124.5mg、0.5687mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(310.1mg、0.9478mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(16.88mg、0.0206mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)アニリン(24)を得た。
【0238】
3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)アニリン(24)(100mg、0.449mmol)をTHF/DMFに溶解した溶液に、ジエチルアミン(71.46mg、0.89mmol)、EDC・HCl(131.19mg、0.89mmol)、及び(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸(131)(103.8mg、0.6292mmol)を追加し、反応物を室温で一晩撹拌した。完了後、反応物を水で希釈し、水層をクロロホルム中10%メタノールで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、中性アルミナを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(3−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)ブタ−2−エナミド(152)を得た。MS-ES+334.9, 1H NMR (400 MHz, DMSO): 11.35 (s, 1H), 10.14 (s, 1H) , 8.42 (d, 1H), 8.07 (d, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.63 (m, 1H), 7.39 (d, 1H), 7.27 (s, 1H), 6.73 (m, 1H), 6.29, (d, 1H), 3.27 (m, 1H), 3.05 (d, 2H) , 2.29 (s, 3H), 2.17 (s, 6H)
■実施例51:(E)−N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エナミド(153):
【化89】
【0239】
(17)(100mg、0.436mmol)と、(23)(114.7mg、0.524mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(286.01mg、0.872mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(17.7mg、0.0218mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(46)を得た。
【0240】
(46)(100mg、0.4142mmol)をTHF/DMFに溶解した溶液に、ジエチルアミン(66.2mg、0.8284mmol)、EDC・HCl(128.45mg、0.8284mmol)を加え、つづいて、AS−2143(95.07mg、0.5759mmol)を追加し、反応物を室温で一晩撹拌した。完了後、反応物を水で希釈し、水層をクロロホルム中10%メタノールで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、中性アルミナを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、半白色の固体として化合物(E)−N−(3−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エナミド(153)を得た。MS-ES+354.8 , 1H NMR (400 MHz, DMSO): 12.08 (s, 1H), 10.16 (s, 1H), 8.56 (d, 1H), 8.02 (m, 2H), 7.73 (d, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.41 (m, 2H), 6.73 (m, 1H), 6.26 (m, 1H), 3.06 (d, 2H), 2.18 (s, 6H)
■実施例155:(E)−3−ブロモ−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−2−メチルアクリルアミド(155):
【化90】
【0241】
(106)(200mg)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(100mg)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物をヘキサンと練和して、半白色の固体(107)を得た。
【0242】
(107)(100mg、0.569mmol)と、(154)(8.6mg、1.139mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液にトリエチルアミン(120.7mg、1.139mmol)を加えた。TP(373.5mg、1.139mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮し、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物(E)−3−ブロモ−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−2−メチルアクリルアミド(155)を得た。MS-ES+498.20, 1H NMR (400 MHz, DMSO): 12.2 (s, 1H), 10.01 (s, 1H), 8.55 (d, 1H), 8.20 (s, 1d), 7.94 (s, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.6 (m, 3H), 7.3 ( m, 2H), 3.6 (s, 3H), 2.0 (s, 3H)
■実施例156:(E)−3−ブロモ−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)4−フルオロフェニル)−2−メチルアクリルアミド(156):
【化91】
【0243】
(117)(200mg)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(100mg)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物をヘキサンと練和して、半白色の固体(118)を得た。
【0244】
(118)(100mg、0.277mmol)と、(154)(90.3mg、0.554mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液にトリエチルアミン(58.7mg、0.554mmol)を加えた。TP(181.7mg、0.554mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物(E)−3−ブロモ−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)4−フルオロフェニル)−2−メチルアクリルアミド(156)を得た。MS-ES+515.20, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 8.55 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.7(s, 1H), 7.65(m, 1H), 7.55 (m, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.29 (s, 2H), 7.2 (m, 1H), 7.11 (m, 1H), 6.8 (m, 1H), 3.7 (s, 3H), 2.1 (s, 3H)
■実施例54:(E)−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−2,4,4−トリメチルペンタ−2−エナミド(158):
【化92】
【0245】
(106)(200mg)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(100mg)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物をヘキサンと練和して、半白色の固体(107)を得た。
【0246】
(107)(100mg、0.284mmol)と、(E)−2−シアノ−4,4−ジメチルペンタ−2−エン酸(157)(52.3mg、0.341mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液にトリエチルアミン(60.2mg、0.568mmol)を加えた。TP(186.3mg、0.568mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中30%の酢酸エチルで溶出し、薄黄色の固体として化合物(E)−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル)−2,4,4−トリメチルペンタ−2−エナミド(158)を得た。MS-ES+486.19, 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.6 (s, 1H), 8.31 (s, 1H) , 8.05 (s, 1H), 7.8 (d, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.5 (d, 1H), 7.41 (m, 2H), 7.12 (d, 1H), 6.8 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 1.3 (s, 9H)
■実施例159:(E)−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−2,4,4−トリメチルペンタ−2−エナミド(159):
【化93】
【0247】
(117)(200mg)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(100mg)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物をヘキサンと練和して、半白色の固体(118)を得た。
【0248】
(118)(100mg、0.27mmol)と、(E)−2−シアノ−4,4−ジメチルペンタ−2−エン酸(157)(50.1mg、0.324mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液にトリエチルアミン(55.8mg、0.54mmol)を加えた。TP(178.2mg、0.54mmol)を反応混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を水(25mL)で洗浄し、ブライン溶液(25mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、薄黄色の固体として化合物(E)−N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−2,4,4−トリメチルペンタ−2−エナミド(159)を得た。MS-ES+504.18, 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.547 (s, 1H) , 8.31 (s, 1H), 8.001(s, 1H), 7.8 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.57 (m, 1H), 7.2 (s, 1H), 7.11 (m, 1H), 6.8 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 1.3 (s, 9H)
■実施例164:(E)−3−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−N−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−2−メチルアクリルアミド(164):
【化94】
【0249】
(85)(250mg、0.508mmol)と、(160)(167.6mg、0.558mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(333.2mg、1.016mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(20.7mg、0.0254mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(161)を得た。
【0250】
(161)(200mg、0.314mmol)と、(E)−3−ブロモ−N−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−2−メチルアクリルアミド(162)(110.2mg、0.628mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液に炭酸セシウム(20.6mg、0.628mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(12.7mg、0.0157mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(E)−3−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−N−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−2−メチルアクリルアミド(163)を得た。
【0251】
(163)(40mg)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(20mg)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物をヘキサンと練和して、半白色の固体(E)−3−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−N−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)−2−メチルアクリルアミド(164)を得た。MS-ES+486.19, 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 9.6 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.52 (s, 1H) 7.44 (s, 3H), 7.22 (m, 1H), 7.1 (d, 1H), 6.8(m, 1H), 5.91 (s, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.116 (s, 3H), 1.41 (s, 9H)
■実施例168:N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)アクリルアミド(168):
【化95】
【0252】
撹拌された(85)(250mg、0.508mmol)のDMF溶液にビス(ピナコラト)ジボラン(257.9mg、1.016mmol)を加えた。反応物に酢酸カリウム(99.6mg、1.016mmol)を加え、脱気して10分間窒素をパージした。Pd(PPh)Cl(17.8mg、0.023mmol)を追加し、再度脱気して10分間窒素をパージした。反応物をシールして100℃に2時間加熱した。反応完了後、反応物を冷却し、クロロホルムで希釈し、セライトベッドで濾過した。有機層を冷水(2×50mL)で洗浄し、ブライン溶液(50mL)で更に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物をヘキサンと練和して、黒色の固体123を得た。固体を精製せずに次のステップに用いた。
【0253】
(123)(250mg、0.46mmol)と、3−ブロモ−5−フルオロ−2−メチルアニリン(165)(112mg、0.55mmol)のアセトニトリル溶液に炭酸セシウム(307mg、0.936mmol)を加えた。反応物を脱気して10分間窒素をパージした。Pd(dppf)Cl(16mg、0.0234mmol)を反応物に追加し、脱気して再度10分間窒素をパージした。反応物をシールされた状態で一晩90℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルムで希釈した。有機層をセライトプラグで濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中12%の酢酸エチルで溶出し、半白色の固体として化合物(166)を得た。
【0254】
(166)(100mg、0.186mmol)、メタノール(7mL)、及び水(3mL)の溶液に炭酸カリウム(63.3mg、0.465mmol)を加えた。反応物を60℃に一晩加熱し、メタノールを完全に留去して水で希釈した。有機層を酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物をヘキサンと練和して、半白色の固体(167)を得た。
【0255】
(167)(50mg、0.130mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、0℃に冷却した。反応生成物にトリエチルアミン(19.7mg、0.195mmol)を加え、撹拌を続けた。塩化アクリル(146)(14mg、0.156mmol)を反応生成物に滴下し、4時間撹拌した。反応完了後、反応物を水でクエンチし、有機層を分離し、水層を再びDCMで抽出した。化合した有機層をブライン溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、粗生成物を得るために濃縮した。粗生成物を、100〜200メッシュのシリカゲルに通して精製した。クロロホルム中2%のメタノールで溶出し、白色の固体として化合物N−(3−(3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)アクリルアミド(168)を得た。MS-ES- 436, 1H NMR (400 MHz, DMSO): 8.46 (d, 2H), 7.91 (m, 2H), 7.52 (s, 1H), 6.93 (m, 3H), 6.45 (m, 1H), 5.86 (m, 1H), 5.50 (m, 1H), 3.67 (m, 3H), 2.09 (m, 3H)
【0256】
[追加実施例]
[生体外阻害分析評価]
手順:試験化合物又はスタウロスポリンの存在下又は不存在下で、酵素を反応バッファ内の基質ペプチドと培養した。全ての追加は氷上で実行され、更にATP混合物を追加した。ウェルをEppendorffプレートシェイカーで均一に混合し、30℃で20分間培養し、3%リン酸を5μL加えることにより停止した。0.8%リン酸を追加することにより体積を100mLに増やし、70%エタノール及び水で予備平衡化したPCフィルターマット(ミリポア)に移した。プレートを0.8%リン酸100μLで3回洗浄し、60℃で1時間乾燥した。100μLのシンチレーション液をそれぞれのウェルに追加し、パーキンエルマー社のTOPCOUNTベータカウンターで計測した。データ分析は、それぞれの標準、ネガティブコントロール、ポジティブコントロール(酵素コントロール)、及びサンプルについて、デュプリケートのトップカウント読み取り値を平均し、それぞれの読み取り値からネガティブコントロールの平均を減じて、補正値を算出することにより実行された。バリデーションEC50曲線は、x軸のスタウロスポリンのLog濃度(nM)に対するそれぞれのスタウロスポリン濃度についてのCPMをY軸にプロットすることにより生成され、点を結ぶ曲線の最良の近似曲線を得た。
阻害率%=((酵素コントロール−処理された化合物)/酵素コントロール)×100
【0257】
複製間の変動係数(%CV):複製間の変動係数%CVは、概ね放射計測実験の許容範囲内であった。Z'値評価:Z'因子の値は、ITKについて0.8であり、その他について0.9であった。
【0258】
全ての化合物は、100μMで開始する3倍連続希釈により、10投与IC50モードで試験された。コントロール化合物スタウロスポリンは、20μMで開始する3倍連続希釈により、10投与IC50で試験された。反応は、ITK、JAK3、及び他のTEC、及びヤーヌスキナーゼファミリーについて10μMのATPで実行された。本発明の特定の実施例のITK阻害及びJAK3阻害の結果を下記の表3に示す。
[表3]試験した化合物及び対応するITK及びJAK3キナーゼのリスト
【表3】
[表3B]試験した化合物及び対応するITK及びJAK3キナーゼのリスト
【表3B】
【0259】
[プロテインキナーゼ選択性プロファイラー]
選択された化合物を、442のプロテインキナーゼに対して、0.5〜1μMの濃度で、単一投与デュプリケートモードで試験した。コントロール化合物は、20μMから開始する3倍連続希釈により、10投与IC50モードで試験した。反応は、10μMのATPで実行した。データページは、未加工データ、酵素活性度(DMSOコントロールに対する%)、及びカーブフィットを含む。
【0260】
[生体内モデル実験]
[薬物動態]
本発明のいくつかの化合物の生物学的利用能及び薬物動態を、Sprague Dawleyラットのオスで調査した。全部で6匹のオスのラットが本実験で使用された。実験は、シリアルサンプリングによる並行試験(n=3)を用いて実行した。
【0261】
投与製剤は当日に調整した。血液サンプルは、投与後0.083(IVのみ)、0.25、0.5、1、2、4、8、及び24時間後に採取した。それぞれの時点で、約0.2mLの血液をそれぞれのカニューレ処置したラットの頸静脈から採取し、血液1mLにつき20μLの200mMのK2EDTAを含む予めラベルを付けた微量遠心管に移した。血液サンプルの採取後、同体積のヘパリン生理食塩水をラットの頸静脈に注入した。血液サンプルを4±2℃、5000gで5分間遠心分離した。血漿を30分のスケジュールされた時間内に分離し、生物学的分析まで−60℃未満で保存した。選択された試験実施例の血漿サンプルを、目的に適した液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC−MS/MS)法を用いて、定量化の下限2.21ng/mLで分析した。選択された実施例の薬物動態学的パラメータを、認証されたWinNonlinソフトウェア(バージョン5.2)のノンコンパートメント分析ツールを用いて算出した。
【0262】
オスのSprague Dawleyラットに対する7つの溶液の静脈内ボーラス投与及び経口強制投与の後の薬物動態学的パラメータ(平均値±標準偏差;n=3)を表4に示す。
【表4】
【0263】
[JAK3及びITKの設計戦略及び構造モデリング]
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び5H−ピロロ[2,3−b]ピラジンのシリーズの化合物及びその類似体のシリーズを、JAK3及びITKのX線結晶構造モデルを用いて設計した。3次元プロファイルスコアに基づいて、PDBデータベースのJAK3(3ZEP)及びITK(3MJ2)から構造テンプレートを選択した。3次元プロファイルを確認するためにいくつかのモデルを構築して精緻化し、FIELDS技術により、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの化合物のシリーズを発見し、権利主張することに成功した。
【0264】
[JAK3、ITKの生化学的阻害]
表3Bに示した1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物及び類似体を合成し、100μMから開始する3倍連続希釈により、10投与IC50モードで試験した。反応は、JAK3及びITKについて、10μMのATPで実行した。化合物5、7、8、16、19−33、48−51、57−60、66、75、77−92、及び133−153は、JAK3及びITKのそれぞれに対して、生化学的IC50=0.1〜1μMを示した。選択された類似体のIC50データを表5に示す(空欄は阻害されなかったことを示す)。
【0265】
【表5】
【0266】
[JAK3の競合的結合試験]
【0267】
結合定数(Kds)(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズ:表5)は、標準的な用量反応曲線により、ヒルの式:反応=バックグラウンド+シグナル−バックグラウンド 1+(KdHill Slope/用量Hill Slope)を用いて算出した。Hill Slopeは−1に設定し、曲線はLevenberg-Marquardtアルゴリズムによる非線形最小二乗法を用いてフィッティングした。1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズ
【0268】
【表6】
【0269】
[プロテインキナーゼ選択性プロファイラー]
【0270】
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び5H−ピロロ[2,3−b]ピラジンのシリーズの化合物の選択性:選択されたいくつかの阻害剤及び456のヒトキナーゼの間の相互作用を量的に測定するための活性部位指向競合結合試験を使用する「The KINOMEscan(登録商標)」スクリーニングプラットフォームを用いて、生体外プロファイリングをDiscoveRxで実行した。Kinomeの木表現は、TREEspot相互作用マップを用いて生成された。阻害剤1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、0.5μMの単一投与デュプリケートモードで試験した。反応は10μMのATPで実行した。データページは、未加工データ、酵素活性度(DMSOコントロールに対する%)、及びカーブフィットを含む。阻害剤は高度に選択性のあるJAK3阻害剤であることが分かった。選択性プロファイルはターゲットプロファイルと一致した。Kinomeマップツリー上でラベルされたZAK(MAPKカスケードの上流)、CDK11、及びCDK8キナーゼのIC50は、0.5〜1μM阻害以上の活性を有した。
【0271】
[ヤーヌス及びTECキナーゼの選択性]
【0272】
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び5H−ピロロ[2,3−b]ピラジンのシリーズの化合物は、活性がそれぞれ30及び25nMであったBMX及びTXKを除いて、ヤーヌス及びTECファミリーのキナーゼに対して100倍以上の選択性を示した。1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのクラスの化合物に関するデータを表7に要約する(空欄は、阻害されなかったことを示す)。
【0273】
表7:1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのクラスのヤーヌス及びTECキナーゼ選択性
【表7】
【0274】
[細胞プロファイリング]
【0275】
SelectScreen(登録商標)(10点滴定阻害結果)セルベースの経路プロファイリングは、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン及びCP−690550/トファシチニブ(表8)がIL−4誘発STAT6リン酸化を77及び61nMのIC50で効果的に阻害するという生化学的効能を更に支持する。NFAT/T細胞受容体の活性がITK阻害に直接関係する、IL−6、IFN−g、及びEPOアッセイにおける1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの低いmM阻害は、他のヤーヌスに対するJAK3選択性を示す。更に、HTRFを用いて、CD4+ T細胞から放出されたIL−2及びIL−6に対する1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの活性を実行した。トファシチニブは1.2μMのIL−2阻害活性を有するが、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズは、標準的なBMS509744(0.35μM)と比較して、同程度又は低い、CD4+ T細胞から放出されたIL−2及びIL−6(0.6及び2.80μM)の阻害を示した。これらの結果は、更に、ITK阻害に対する1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの活性を支持する。
【0276】
【表8】
【0277】
PLC-γ1阻害−カルシウム流出(FLIPER)アッセイ:共有結合性ITK阻害の薬力学的効果を測定するために、T細胞を様々な回数で刺激し、その後のITK阻害及びPLCγ1のリン酸化を測定した。1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物は、PLCγ1が媒介する、TCRエンゲージメントを介してCD4+ T細胞から放出されるカルシウムの阻害剤であることが発見された(細胞ITK阻害)。これは、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物のIC50が630nMであることからも確証された。
【0278】
ITK:T細胞受容体(TCR)経路は、NFAT細胞プロファイリングアッセイが実行されたときに、非常に効果を受ける。ここで、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズは176nMのIC50で阻害され、トファシチニブ(CP−690550)は10uM以上であった。このデータは、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズのITK阻害メカニズムのための直接の読み出しである。さらに、PLCリン酸化データはITKの薬理学を更に支持する。
【0279】
[オスのBALB/cマウスにおける抗CD3e抗体誘導性CD4+ T細胞サイトカイン−IL−2、IL−4、及びIFN−γの産生の阻害に対する1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物の効能]
【0280】
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物のマウスのIL−2、IL−4、及びIFN−γ:60mg/Kgが非常に有効である。ネガティブコントロール動物に比較して、ポジティブコントロール動物の血清においてIL−2、IL−4、及びIFN−γ(P<0.001)の顕著な増加が見られた。1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物は、ポジティブコントロールに比較して、投与に使用したとき、血清のIL−2、IL−4、及びIFN−γを顕著に減少させない。しかし、60mg/Kgの1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物の投与により、IFN−γの生産は顕著に低減された。参照化合物CP−690550は、抗体治療後1.5時間で、血清中のIL−2、IL−4、及びIFN−γの顕著な減少を示した。デキサメタゾンは、抗体治療後1.5時間で、血清中のIL−2、IL−4、及びIFN−γの顕著な減少を示した。
【0281】
[II型コラーゲン関節炎を誘発されたDBA/1OlaHsdマウスに11日間1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物を1日2回経口投与した効果]
【0282】
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物を、塩ではない形態に対して4倍高い溶解度のために、1日2回投与実験において投与した。1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物の100mg/Kgの投与により、臨床的兆候はなく、良好な耐性を示した。60mg/Kgのトファシチニブの投与により、1日目から体重が変化した。これはトファシチニブについて推奨される最も高い投与量であり、溶解度の問題により60mg以上の投与はできない。一般に、体重は効能を直接反映し、治療効果が高いほど体重(bw)の減少は小さくなる。明白な毒性の場合は、これは真実ではない。したがって、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物を100mg/kg投与したグループにおける体重の増加は、向上した効能(期間中、動物はより動くことができ、より正常な食欲と、より正常な水の消費量を示した)、足の関節炎のスコア(膨張、浮腫、及び足の体積)の減少による1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物の効能の反映である。1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物の有効性(84%)のために、炎症性反応の抑制に、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物に対する継続的な曝露は必要ではないことが、マウスにおけるコラーゲン誘発性関節炎から論証された。トファシチニブの場合、97%の有効性を有することは重要であるが、トファシチニブで治療されたマウスは全ての生体実験において発熱したことから、明らかに90%以上の免疫抑制が確認された。このような兆候は、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物では観察されなかった。
【0283】
我々が実行した、確立した/長期のCIAモデル研究であるCIS研究において、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのシリーズの化合物は、トファシチニブに対して同程度又はより高い効能を示し、悪影響は見られなかった。