【文献】
Kazuhiko Kinoshita, Jr. et al.,Dual-View Microscopy witha Single Camera: Real-Time Imaging of Molecular Orientations and Calcium ,The Journal of Cell Biology ,米国,The Rockefeller University Press,1991年10月,Volume 115,p.67-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明による光分割装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面は説明用のために作成されたものであり、説明の対象部位を特に強調するように描かれている。そのため、図面における各部材の寸法比率は、必ずしも実際のものとは一致しない。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態の光分割光学装置1の内部構成を示す透視図である。本実施形態による光分割光学装置1は、顕微鏡装置などの外部の観察光形成装置に取り付けられ、観察光形成装置から入力された試料の観察光を波長成分で分割し、光分割光学装置1に取り付けられたカメラ内の撮像素子の受光面上に、分割された2つの波長成分の光像を結像する光学系である。
【0020】
同図に示すように、光分割光学装置1は、筐体2内に、コリメータレンズ3、結像レンズ4、前段ダイクロイックミラー(ビームスプリッタ)5a、後段ダイクロイックミラー(第2のビームスプリッタ)5b、前段ミラー(反射光学素子)6a、後段ミラー(第2の反射光学素子)6b、補正レンズ7、及び結像レンズ移動機構8が内蔵されて構成されている。以下、光分割光学装置1の各構成要素の構成について詳細に説明する。
【0021】
筐体2の一部を構成する円筒部2aの一端側端面の中心部には、円形状の視野絞り9が設けられている。この視野絞り9は、その内径(幅)が可変に設定できる絞り調整機構14を有している。そして、コリメータレンズ3は、その光軸L
1が円筒部2aの中心軸、すなわち、視野絞り9の中心軸に一致するように、円筒部2aの他端側の内部に固定されている。このような構造により、視野絞り9は、光軸L
1に対して垂直な方向の幅を可変に設定可能にされる。そして、この筐体2の円筒部2aの端面が顕微鏡装置に取り付けられ、顕微鏡装置で形成された試料の観察光が視野絞り9から光軸L
1に沿って筐体2の内部に入力される。そして、コリメータレンズ3は、視野絞り9を通過した観察光を受けて、その観察光を平行光に変換して筐体2の内部に光軸L
1に沿って出力する。視野絞り9の開口を調整することにより、試料からの観察光の結像面での視野範囲を制限することが可能となる。
【0022】
筐体2の円筒部2aの反対側には、円筒部2aに対して同軸上に位置する円筒部2bが一体的に形成されており、この円筒部2bの端面の中心部には、円筒部2a側から入力された観察光を基に結像された光像を外部に通過させるための円形の窓部10が設けられている。そして、この筐体2の円筒部2bの端面にカメラ装置101が取り付けられる。カメラ装置101は、撮像素子102を内蔵し、その撮像素子102の受光面102aが窓部10に対向し、受光面102aの中心がコリメータレンズ3の光軸L
1上に位置し、かつ、受光面102aが窓部10から出力される光像の結像位置に一致するように取り付けられる。このような取り付け構造により、顕微鏡装置に対して光分割光学装置1及びカメラ装置101が同軸上に配置された状態で、カメラ装置101によって光分割光学装置1によって結像された光像を撮像することが可能にされる。
【0023】
さらに、円筒部2a,2bの間の筐体2の内部の光軸L
1上には、前段ダイクロイックミラー5a及び後段ダイクロイックミラー5bが、着脱可能に配置されている。これらのダイクロイックミラー5a,5bは、一体化されて筐体2内の光軸L
1上から着脱可能に構成されている。なお、ダイクロイックミラー5a,5bは、後述する前段ミラー6a、後段ミラー6b、及び補正レンズ7とも一体化されて着脱可能にされていてもよい。
【0024】
前段ダイクロイックミラー5aは、コリメータレンズ3に隣接した位置において、光軸L
1上にその中心が位置し、かつ、その受光面が光軸L
1の直交面に対して45度傾斜するように配置されている。この前段ダイクロイックミラー5aは、コリメータレンズ3から出力された平行光のうちの所定の第1波長領域の光(以下、「第1の分割光」と呼ぶ。)を分光して透過させて、第1の分割光を光軸L
1に沿って出力する。同時に、前段ダイクロイックミラー5aは、平行光のうち第1波長領域と異なる所定の第2波長領域の光(以下、「第2の分割光」と呼ぶ。)を分光して反射して、第2の分割光を光軸L
1に対して垂直な方向(
図1の下方向)に出力する。
【0025】
後段ダイクロイックミラー5bは、前段ダイクロイックミラー5aから窓部10側に離間した位置において、その中心が光軸L
1上から後段ミラー6b側に所定距離ずれて、かつ、その受光面が光軸L
1の直交面に対して45度傾斜するように配置されている。後段ダイクロイックミラー5bは、前段ダイクロイックミラー5aと同様な波長透過特性及び波長反射特性を有する光学部材で構成され、前段ダイクロイックミラー5aを透過した第1の分割光をさらに透過することにより、第1の分割光を光軸L
1に沿って窓部10に向けて出力する。同時に、後段ダイクロイックミラー5bは、前段ダイクロイックミラー5aで反射された後に前段ミラー6a、補正レンズ7、及び後段ミラー6bを経由した第2の分割光を反射して、その第2の分割光を光軸L
1に対して傾斜した方向に沿って窓部10に向けて出力する。
【0026】
すなわち、これらのダイクロイックミラー5a,5bは、コリメータレンズ3からの平行光を第1及び第2の分割光に分割するビームスプリッタである。なお、第1及び第2の分割光に分割するビームスプリッタとして、偏光ビームスプリッタを用いてもよい。これにより、偏光成分によって第1及び第2の分割光に分割することが可能となる。また、ビームスプリッタとして、ハーフミラーを採用してもよい。
【0027】
前段ミラー6aは、前段ダイクロイックミラー5aに対して第2の分割光の反射方向に離間して設けられ、前段ミラー6aの受光面の角度は、光軸L
1の直交面に対して45度傾斜するように設定されている。この前段ミラー6aは、前段ダイクロイックミラー5aから出力された第2の分割光を光軸L
1に平行な方向に反射する。後段ミラー6bは、前段ミラー6aに対して第2の分割光の反射方向に離間し、後段ダイクロイックミラー5bの受光面に向かい合うように設けられ、後段ミラー6bの受光面の角度は、光軸L
1の直交面に対して45+α度(αは予め設定された角度)だけ傾斜するように設定されている。この後段ミラー6bは、前段ミラー6aを経由した第2の分割光を光軸L
1に交差する方向に沿って後段ダイクロイックミラー5bの受光面に向けて反射する。補正レンズ7は、前段ミラー6aと後段ミラー6bとの間に配置され、第2の分割光の倍率補正や色補正を行う機能を有する。
【0028】
さらに、後段ダイクロイックミラー5bと窓部10との間の光軸L
1上には、結像レンズ移動機構8によって位置調整可能に支持された結像レンズ4が設けられている。この結像レンズ4は、その光軸L
2が光軸L
1に平行になるように支持され、結像レンズ移動機構8によって、光軸L
2が光軸L
1に対して平行な状態を保ったまま光軸L
1に垂直な方向に移動可能に構成されている。詳細には、結像レンズ4は、結像レンズ移動機構8によって、光軸L
2が光軸L
1に一致する第1の状態と、光軸L
2が光軸L
1から所定距離Aだけずれた第2の状態とに設定可能にされている。このとき、後段ダイクロイックミラー5bの中心が結像レンズ4の光軸上に位置する。これにより、ケラレを低減することができる。このような結像レンズ移動機構8としては、結像レンズ4の位置を連続的に調整可能なスライド機構であってもよいし、第1及び第2の状態に対応した位置に二段階で切り替える切替機構であってもよい。結像レンズ4は、結像レンズ移動機構8によって第2の状態に設定された際には、ダイクロイックミラー5a,5bを経由して観察光から分割された第1及び第2の分割光を受けて、それらの分割光を窓部10の外部に取り付けられたカメラ装置101内の受光面102a上に分離された第1及び第2の光像として結像させる。一方、結像レンズ4は、結像レンズ移動機構8によって第1の状態に設定され、ダイクロイックミラー5a,5bが取り外された際には、観察光をコリメータレンズ3のみを経由して受けて、その観察光を窓部10の外部に取り付けられたカメラ装置101内の受光面102a上に単一の光像として結像させる。
【0029】
このような構成の光分割光学装置1は、カメラ装置101によって観察光を単一の光像で観察する観察モード(以下、「シングルビューモード」と言う。)と、カメラ装置101によって観察光を2つの光像に分離して観察する観察モード(以下、「ダブルビューモード」と言う。)との両方に兼用することができる。
【0030】
次に、
図2を参照して、光分割光学装置1のダブルビューモードでの使用時に出力される2つの光像の分離の仕組みについて説明する。
【0031】
視野絞り9から入力された観察光の光束B
1は、コリメータレンズ3によって平行光にされた後、ダイクロイックミラー5a,5bにより、その平行光から第1の分割光B
2が分割されて光軸L
1に沿って結像レンズ4に入力される。結像レンズ4はその光軸L
2が光軸L
1から所定距離Aだけずれているので、結像レンズ4を通過した第1の分割光B
2は、結像レンズ4のずれ量A及びずれ方向に対応して、カメラ装置101の受光面102a上の中心からずれた位置(例えば、
図2に示す受光面102aの下半分の位置)に結像される。これは、結像レンズ4に対してその光軸L
1に関して非対称な光が入力されるためである。同時に、コリメータレンズ3から出力された平行光がダイクロイックミラー5aによって第2の分割光B
3に分割された後、第2の分割光B
3は、ミラー6a,6bを経由してからダイクロイックミラー5bによって反射されて結像レンズ4に入力される。このとき、後段ミラー6bの光軸L
1の直交面に対する傾斜角は45+α度に設定されており、後段ダイクロイックミラー5bの位置は光軸L
1から結像レンズ4と同じ方向にずれて配置されているので、第2の分割光B
3は、光軸L
1に対して斜めの方向に沿って結像レンズ4に入射する。その結果、結像レンズ4を通過した第2の分割光B
3は、後段ミラー6bの傾斜角及び後段ダイクロイックミラー5bの位置に対応して、カメラ装置101の受光面102a上の中心から結像レンズ4のずれ方向とは反対方向にずれた位置(例えば、
図2に示す受光面102aの上半分の位置)に結像される。これにより、第1及び第2の分割光が結像された第1及び第2の光像を、受光面102a上で分離して配置させることができる。
【0032】
ここで、光分割光学装置1において、ダブルビューモードでの使用時の第2の状態での結像レンズ4のずれ量A及び視野絞り9の内径の設定値の好適値について述べる。
図3は、光分割光学装置1によってカメラ装置101の受光面102a上に結像された光像のイメージを示す図である。
【0033】
第2の状態での結像レンズ4のずれ量Aは、コリメータレンズ3及び結像レンズ4による結像倍率がm、視野絞り9の内径(前段ダイクロイックミラー5aによって平行光が反射される方向(
図1の下方向)の幅)がwと設定されている際には、A≧m×w/2と設定される。言い換えれば、結像レンズ4の光軸L
2が光軸L
1からm×w/2以上ずれるように結像レンズ4の位置調整が可能となるように、結像レンズ移動機構8が構成される。この理由は、次の通りである。撮像素子102の受光面102aに分光された2つの光像を収めたい場合は、視野絞り9の内径wは、受光面102aの光軸L
1に垂直な方向であり、前段ダイクロイックミラー5aによって平行光が反射される方向(
図1の下方向)の幅がwcであるときは、1つの光像の幅が受光面102aの幅wcの半分以下となるように、w≦wc/(2×m)に設定される。そして、2つの光像が受光面102a上で重なり合わないようにするためには、シングルビューモード時の光像の中心である受光面102aの中心からダブルビューモード時の光像の中心のずれ量を、受光面102a上で結像される光像の幅の1/2以上に設定することが必要となる。
図3(b)には、結像レンズ4のずれ量A及び視野絞り9の内径が上記好適値の範囲に設定された場合の受光面102a上に結像された光像のイメージを示している。この場合、受光面102aの中心C
0からダブルビューモード時の1つの光像G
1の中心C
1までのずれ量Aが2つの光像G
1,G
2が重ならない範囲に設定されることになる。ただし、この場合には、2つの光像G
1,G
2が受光面102aの端からはみ出さないように、視野絞り9の内径に対応して結像レンズ4のずれ量Aが所定値を超えないように設定される。
【0034】
さらに、受光面102aの受光領域を最大限に利用する場合には、視野絞り9の前段ダイクロイックミラー5aによって平行光が反射される方向(
図1の下方向)の内径wは、受光面102aの光軸L
1に垂直な方向であり、前段ダイクロイックミラー5aによって平行光が反射される方向(
図1の下方向)の幅がwcであるときは、1つの光像の幅が受光面102aの幅wcの半分となるように、w=wc/(2×m)に設定される。それに加えて、第2の状態での結像レンズ4のずれ量Aは、A=m×w/2と設定される。言い換えれば、結像レンズ4の光軸L
2が光軸L
1からm×w/2ほどずれるように結像レンズ4の位置調整が可能となるように、結像レンズ移動機構8が構成される。
図3(a)には、結像レンズ4のずれ量A及び視野絞り9の内径が上記好適値の範囲に設定された場合の受光面102a上に結像された光像のイメージを示している。この場合、受光面102aの中心C
0からダブルビューモード時の光像G
1の中心C
1までのずれ量Aが、2つの光像G
1,G
2が受光面102aの2分割された範囲で重ならないような値に設定されることになる。
【0035】
さらに、ダブルビューモードにおいて2つの光像を受光面102aに収めるための後段ミラー6bの傾斜角45+α度の設定条件について述べる。受光面102aの光軸L
1に垂直な方向の幅をwc、結像レンズ4の焦点距離をfとすると、角度値αが、下記式;
α=arctan(wc/2f)/2
を満たすように、後段ミラー6bの傾斜角が設定される。視野絞り9の内径wと受光面102aの幅wcとが、下記式;
m×w=wc/2
を満たすように設定されている場合には、角度値αは、下記式;
α=arctan(m×w/2)/2
と設定される。
【0036】
なお、後段ミラー6bの角度値αに対して後段ミラー6bで反射された光束は、2×αの角度をもって後段ダイクロイックミラー5bで再び反射され結像レンズ4に導かれるが、その光束が結像レンズ4の瞳のほぼ中心を通過するように、後段ミラー6b及び後段ダイクロイックミラー5bを配置することが好ましい。このとき、結像レンズ4の瞳との距離や、後段ミラー6bと後段ダイクロイックミラー5bとの距離等のパラメータを考慮して後段ミラー6bと後段ダイクロイックミラー5bとが配置される。
【0037】
以上説明した光分割光学装置1によれば、顕微鏡装置で形成された観察光を波長で分光された2つの光像として同時に出力することができ、試料の2波長の像を同時に観察させることができる。このとき、結像レンズ4の位置をコリメータレンズ3の光軸L
1に交差する方向に移動可能に構成されており、ダイクロイックミラー5a,5bが光軸L
1上から離脱可能に構成されている。これにより、ダブルビューモードとシングルビューモードとで切り替える際に、結像レンズ4の位置を変更するとともにダイクロイックミラー5a,5bを着脱して、受光面102aにおける光像の結像位置を調整することができる。具体的には、シングルビューモードでの使用時には受光面102aの中心に1つの光像を結像させ、ダブルビューモードでの使用時には、受光面102aに2つの光像を分離して結像させることができる。その結果、観察モード切替時の設定作業が容易にされるとともに、観察モード切替前後における装置全体のバランスを安定化させることができる。すなわち、顕微鏡装置にカメラ装置101とともに光分割光学装置1を取り付ける際に、観察モードに関係なく、筐体2の円筒部2a,2b、カメラ装置101の軸が同軸上に配置されているので、カメラ装置101が傾くことなくその位置が安定化されやすい。また、観察モード切替時に比較的重量の大きいカメラ装置101の位置調整が不要であるのでモード切替時の操作も容易である。
【0038】
ここで、第2の状態における結像レンズ4のずれ量Aがm×w/2以上に設定されるので、受光面102aに結像される2つの光像がその受光面102a上で重なり合うことを確実に防止することができる。さらには、結像レンズ4のずれ量Aがm×w/2に等しく設定されているときは、受光面102aに結像される2つ光像が受光面102a上で近接して配置されるので、試料の2つの光像を受光面102aを有効活用して効率的に観察することができる。このとき、視野絞り9の内径wがwc/(2×m)に等しくなるようにあわせて設定されることにより、2つの光像の結像範囲を受光面102a全体に2分割して配置させることができるので、受光面102aを有効活用してさらに効率的に試料像を観察することができる。
【0039】
さらに、視野絞り9はその内径を可変に設定可能なように構成されているので、ダブルビューモードとシングルビューモードとで切り替えて観察する場合に、受光面102aを有効活用して効率的に観察することができる。具体的には、ダブルビューモードでは視野絞り9の内径を小さくし、シングルビューモードでは視野絞り9の内径を大きくすることで、受光面102aのより広い範囲を観察に利用することができる。
【0040】
また、2つのダイクロイックミラー5a,5bは、同一の光学特性を有する光学部材により構成されているので、製造コストを削減することができる。
【0041】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0042】
図4は、本発明の変形例に係る光分割光学装置1Aの内部構成を示す透視図、
図5は、
図4の光分割光学装置1Aにおける2つの光像の分光状態を示す図である。この光分割光学装置1Aでは、後段ミラー6bの光軸L
1の直交面からの傾斜角を45度からα度ずらして設定されるのに代えて、後段ダイクロイックミラー5bの光軸L
1の直交面からの傾斜角を45度からずらして45−α度に設定されている。このような構造によっても、第2の分割光B
3が光軸L
1に対して斜めの方向に沿って結像レンズ4に入射することができる。その結果、結像レンズ4を通過した第2の分割光B
3は、後段ダイクロイックミラー5bの傾斜角及び位置に対応して、カメラ装置101の受光面102a上の中心から結像レンズ4のずれ方向とは反対方向にずれた位置(例えば、
図5に示す受光面102aの上半分の位置)に結像される。これにより、第1及び第2の分割光が結像された第1及び第2の光像を、受光面102a上で分離して配置させることができる。
【0043】
また、
図6は、本発明の別の変形例に係る光分割光学装置1Bの内部構成を示す透視図、
図7は、
図6の光分割光学装置1Bにおける2つの光像の分光状態を示す図である。この光分割光学装置1Aでは、後段ミラー6bの光軸L
1の直交面に対する傾斜角の45度から角度のずれ方向が光分割光学装置1とは逆方向に設定され、その傾斜角が45−α度に設定される。さらに、光分割光学装置1Aでは、結像レンズ4が、結像レンズ移動機構8Bによって、光軸L
2が光軸L
1から光分割光学装置1とは逆方向に所定距離Aだけずれた第2の状態に設定可能にされている。このような構造によれば、結像レンズ4を通過した第1の分割光B
2は、結像レンズ4のずれ量A及びずれ方向に対応して、カメラ装置101の受光面102a上の中心からずれた位置(例えば、
図7に示す受光面102aの上半分の位置)に結像される。同時に、第2の分割光B
3は、ミラー6a,6bを経由してからダイクロイックミラー5bによって反射されて結像レンズ4に入力される。このとき、後段ミラー6bの光軸L
1の直交面に対する傾斜角は45−α度に設定されており、後段ダイクロイックミラー5bの位置は光軸L
1から結像レンズ4と同じ方向にずれて配置されているので、第2の分割光B
3は、光軸L
1に対して斜めの方向に沿って結像レンズ4に入射する。その結果、結像レンズ4を通過した第2の分割光B
3は、後段ミラー6bの傾斜角及び後段ダイクロイックミラー5bの位置に対応して、カメラ装置101の受光面102a上の中心から結像レンズ4のずれ方向とは反対方向にずれた位置(例えば、
図7に示す受光面102aの下半分の位置)に結像される。これにより、第1及び第2の分割光が結像された第1及び第2の光像を、受光面102a上で分離して配置させることができる。
【0044】
また、
図8は、本発明の別の変形例に係る光分割光学装置1Cの内部構成を示す透視図、
図9は、
図8の光分割光学装置1Cにおける2つの光像の分光状態を示す図である。この光分割光学装置1Cでは、後段ダイクロイックミラー5b及び後段ミラー6bが省かれており、補正レンズ7が前段ダイクロイックミラー5aと結像レンズ4との間の光軸L
1上に配置されている。また、光分割光学装置1Cでは、前段ミラー6aの光軸L
1の直交面に対する傾斜角が45+α度に設定されている。ここで、前段ミラー6aの傾斜角の45度からのずれ角α、第2の状態における結像レンズ4の光軸L
2のずれ量Aは、光分割光学装置1と同一の条件で設定される。このような構造によっても、ダイクロイックミラー5aを透過した第1の分割光B
2は、結像レンズ4のずれ量A及びずれ方向に対応して、カメラ装置101の受光面102a上の中心からずれた位置(例えば、
図9に示す受光面102aの下半分の位置)に結像される。同時に、ダイクロイックミラー5a及びミラー6aによって反射された第2の分割光B
3は、光軸L
1に対して斜めの方向に沿って結像レンズ4に入射される結果、ミラー6aの傾斜角に対応して、カメラ装置101の受光面102a上の中心から結像レンズ4のずれ方向とは反対方向にずれた位置(例えば、
図9に示す受光面102aの上半分の位置)に結像される。これにより、第1及び第2の分割光が結像された第1及び第2の光像を、受光面102a上で分離して配置させることができる。