特許第6285224号(P6285224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6285224クイックコネクト継手雌部材とその部材を備えたクイックコネクト継手
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6285224
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】クイックコネクト継手雌部材とその部材を備えたクイックコネクト継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/23 20060101AFI20180215BHJP
   F16L 37/35 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   F16L37/23
   F16L37/35
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-47124(P2014-47124)
(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-185773(P2014-185773A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2017年2月6日
(31)【優先権主張番号】1352202
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591023572
【氏名又は名称】シュトイブリー・ファベルゲ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】アラン−クリストフ・ティベギアン
(72)【発明者】
【氏名】シャンボー・アントワーヌ
【審査官】 礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−287612(JP,A)
【文献】 特開2000−120964(JP,A)
【文献】 特開2001−208268(JP,A)
【文献】 特開平07−239082(JP,A)
【文献】 実開昭58−004889(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0243286(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0246108(US,A1)
【文献】 米国特許第4667986(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0209718(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0094739(US,A1)
【文献】 米国特許第7887102(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/00 − 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの加圧流体パイプを連結するためのクイックコネクト継手(R)の雌部材(A)であって、この継手雌部材(A)が、雌部材(A)の長手軸(X−X’)に沿って、それに対応する継手雄部材(B)と協力して動作することができ、この継手雌部材(A)が、
流体フロー管路(400)を通す本体部(40)と、
この継手(R)の連結構成で継手雌部材(A)の本体部(40)に対して雄部材(B)を繋止する位置と継手(R)の雌及び雄部材(A,B)を分離できる解除位置との間を移動可能な少なくとも一つのロック部品(60;70)と、
各ロック部品(60;70)が繋止位置に保持されている第一の位置と各ロック部品(60;70)がその解除位置に移動できる第二の位置との間を長手軸(X−X’)に沿って並進移動可能な制御リング(90;150;160)と、
流体フロー管路(400)から本体部(40)の外側に向かって横方向(Y−Y’)に本体部(40)を通る筐体(64)内を密閉形態で移動できる、前記の管路(400)と流体に関して接触する活動面(122)を備えたピストン(120)であって、この活動面(122)から流体フロー管路(400)と逆側に延びるピストン(120)と、
横方向に対して平行な動きがピストン(120)の動きと連動するブロック部品(100;130)と、
ピストン(120)をその内側位置に弾力的に戻すための少なくとも一つの部品(140)と、
を備え、
ピストン(120)は、ブロック部品(100;130)が制御リング(90;150;160)の動きを阻止していない内側位置から、ブロック部品(100;130)が制御リング(90;150;160)の第二の位置への並進を防止する外側位置に移動できる、
クイックコネクト継手雌部材において、
この弾力的な戻し部品(140)が、継手雌部材(A)の本体部(40)の筐体(66)内に、ピストン(120)の筐体(64)の外に配置された形で取り付けられており、この弾力的な戻し部品(140)の筐体(66)が流体フロー管路(400)から流体に関して隔離されていることと、
この継手雌部材(A)が、戻し部品(140)とピストン(120)の間に配置された、ピストン(120)をその内側位置に戻すための伝達手段(100;126)を備えていることと、
を特徴とするクイックコネクト継手雌部材。
【請求項2】
弾力的な戻し部品(140)の筐体(66)が、長手軸(X−X’)に関してピストン(120)の筐体(64)と逆側に、本体部(40)内に配備されていることを特徴とする請求項1に記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項3】
ブロック部品(100)が、継手雌部材(A)の長手軸(X−X’)に沿って、制御リング(90;150;160)の軸面(94;161)を面的に係止して受け止めるのに適した側面(104)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項4】
当該の伝達手段(100)が、継手雌部材(A)の本体部(40)の外に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項5】
当該のブロック部品が本体部(40)とピストン(120)を取り囲む剛体のリング(100)であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項6】
この雌部材が、本体部(40)の外面(402)に配備された、継手雌部材(A)の横方向(Y−Y’)にブロックリング(100)を案内するのに適した、ピストンの筐体(64)を収容するための溝(62)を有することを特徴とする請求項5に記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項7】
当該の伝達手段がブロックリング(100)により構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項8】
この雌部材が、弾力的な戻し部品(140)とブロックリング(100)の間に配置された押出部品(142)を備えていることを特徴とする請求項7に記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項9】
押出部品(142)及び/又はピストン(120)が、ブロックリング(100)の内側の円筒面(102)との協力した動作に適した曲線的な外面(144,124)を有することと、
この押出部品(142)及び/又はピストン(120)の曲線的な外面(144,124)の曲率半径が、ブロックリング(100)の内側の円筒面(102)の曲率半径とほぼ等しいことと、
を特徴とする請求項8に記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項10】
当該の伝達手段が、流体フロー管路(400)を通ってピストン(120)まで弾力的な戻し部品(140)の筐体(66)内を延びるロッド(126)で構成されていることを特徴とする請求項1〜3、5及び6のいずれか一つに記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項11】
当該のブロック部品が、継手雌部材(A)の長手軸(X−X’)に沿った制御リング(90;150;160)の軸面(94;161)との協力した動作に適したピストン(120)の外端(130)であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項12】
ブロック部品(100)は、制御リング(90;150;160)がその第一の位置に有る場合における制御リング(90;150;160)の軸面(94)との協力した動作に適していることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項13】
本体部(40)が、ピストン(120)の筐体(64)の後方に外側ショルダー部(53)を形成していることと、
継手(R)の連結及び分離構成時並びに継手(R)の連結及び分離操作中に、本体部(40)に対して外側のリング(90;150;160)が、ブロック部品(100)と外側ショルダー部(53)を半径方向に対して覆っていることと、
を特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項14】
この雌部材が、管路(400)を閉鎖する弁(50)を備えていることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一つに記載のクイックコネクト継手雌部材。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか一つに記載の継手雌部材(A)とそれに対応する継手雄部材(B)を備えた、二つの加圧流体パイプを連結するためのクイックコネクト継手(R)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの加圧流体パイプを連結するためのクイックコネクト継手の雌部材に関する。また、本発明は、その雌部材を備えたクイックコネクト継手に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、流体の圧力が約800バールとなる可能性の有る水素の移送に適した高圧流体継手分野において、流体の圧力が高過ぎた場合に雄部材と雌部材の分離を防止することによって継手を保護することが知られている。その理由は、圧力が高い場合に起こり得る分離時の跳ね返りが継手を操作しているオペレータに危険なためである。
【0003】
そのために、特に、特許文献1により、継手内を流れる流体の圧力によって、半径方向に対して、ロックリングをロック位置に繋止するロック位置に動くピストンを使用することが知られている。このロックリングが、繋止前の位置に有り、雄部材が、例えば、ロックボールを用いて、雌部材内に連結された位置に繋止されている場合、雌部材の本体部から突き出ているピストンのロッドがロックリングの解除位置への動きを防止しているので、この継手の解除は不可能である。継手内を流れる流体の圧力が所定の圧力レベルを下回った場合、ピストンと同じ筐体内に取り付けられたスプリングが、ピストンを引っ込めて、このロック手段を再度解除位置に動かすとともに、オペレータを危険に晒すこと無く、この継手を分離できるようになる。
【0004】
スプリングがピストンと同じ筐体内に収容された同様の装置が、特許文献2及び3からも周知である。
【0005】
この形式の構造は、幾つかの欠点を有する。ピストン筐体内のスプリングに使用可能な空間が小さいために、スプリングの圧縮行程に渡ってほぼ一定の復元力を保証することが難しい。その欠点は、繋止圧力と解除圧力が同じでなければならない場合に問題であることが分かっている。更に、ピストンがロックリングを繋止している時に、オペレータがロックリングを操作しようとした場合、ピストンを屈曲させるように作用し、そのことが、長さが短いために、ピストンシールに漏れを生じさせる可能性が有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許公開第745237号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2009/243286号明細書
【特許文献3】米国特許公開第2013/174928号明細書
【特許文献4】欧州特許第1862720号明細書
【特許文献5】欧州特許第2278205号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、新しいクイックコネクト継手雌部材を提案して、ロックリングを繋止するための機構の改善された動作を保証することにより、前述した欠点を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明は、二つの加圧流体パイプを連結するためのクイックコネクト継手雌部材に関し、このクイックコネクト継手雌部材は、雌部材の長手軸に沿って、それに対応する継手雄部材と協力して動作することができ、この継手雌部材は、流体フロー管路を通す本体部と、この継手の連結構成で継手雌部材の本体部に対して雄部材を繋止する位置と継手の雌及び雄部材を分離できる解除位置との間を移動可能な少なくとも一つのロック部品と、各ロック部品が繋止位置に保持されている第一の位置と各ロック部品が解除位置に移動できる第二の位置の間を長手軸に沿って並進移動可能な制御リングと、流体フロー管路から本体部の外側に向かって横方向に本体部を通る筐体内を密閉形態で移動できる、前記の管路と流体に関して接触する活動面を備えたピストン(このピストンは、活動面から流体フロー管路と逆側に延びている)と、横方向に対して平行な動きがピストンの動き(ピストンは、ブロック部品が制御リングの動きを阻止していない内側位置から、ブロック部品が制御リングの第二の位置への並進を防止する外側位置に移動できる)と連動するブロック部品と、ピストンを内側位置に弾力的に戻すための少なくとも一つの部品とを備えている。
【0009】
この継手雌部材は、この弾力的な戻し部品が継手雌部材の本体部の筐体内に、ピストンの筐体の外に配置された形で取り付けられており、この弾力的な戻し部品の筐体が流体フロー管路から流体に関して隔離されていることと、この継手雌部材が戻し部品とピストンの間に配置された、ピストンを内側位置に戻すための伝達手段を備えていることとを特徴とする。
【0010】
本発明では、戻し部品がピストンの筐体内に収容されていないので、ピストンの復元力のより良好な制御を提供する、より長い行程が得られるとの利点を得ることができる。
【0011】
本発明の有利であるが必須ではない形態において、このクイックコネクト継手雌部材は、技術的に許容される形で組み合せて、次の特徴の中の一つ以上を有することができる。
(a)弾力的な戻し部品の筐体が、長手軸に関してピストンの筐体と逆側に本体部内に配備されている。
(b)ブロック部品が、継手雌部材の長手軸に沿って、制御リングの軸面を面的に係止して受け止めるのに適した側面を有する。
(c)前記の伝達手段が、継手雌部材の本体部の外に取り付けられている。
(d)ブロック部品が本体部とピストンを取り囲む剛体のリングである。
(e)クイックコネクト継手雌部材が、本体部の外面に設けられた、継手雌部材の横方向にブロックリングを案内するのに適した、ピストンの筐体を収容するための溝を有する。
(f)前記の伝達手段がブロックリングにより構成されている。
(g)クイックコネクト継手雌部材が、弾力的な戻し部品とブロックリングの間に配置された押出部品を備えている。
(h)押出部品及び/又はピストンが、ブロックリングの内側の円筒面との協力した動作に適した曲線的な外面を有する一方、この押出部品及び/又はピストンの曲線的な外面の曲率半径が、ブロックリングの内側の円筒面の曲率半径とほぼ等しい。
(i)前記の伝達手段が、流体フロー管路を通ってピストンまで弾力的な戻し部品の筐体内を延びるロッドで構成されている。
(j)ブロック部品が、継手雌部材の長手軸に沿った制御リングの軸面との協力した動作に適したピストンの外端である。
(k)ブロック部品は、制御リングが第一の位置に有る場合における制御リングの軸面との協力した動作に適している。
(l)本体部が、ピストンの筐体の後方に外側ショルダー部を形成する一方、この継手の連結及び分離構成時並びに継手の連結及び分離操作中に、本体部に対して外側のリングがブロック部品と外側ショルダー部を半径方向に対して覆っている。
(m)このクイックコネクト継手雌部材が管路を閉鎖する弁を備えている。
【0012】
また、本発明は、前述した雌部材とそれに対応する継手雄部材を備えた、二つの加圧流体パイプを連結するためのクイックコネクト継手に関する。
【0013】
以下における本発明によるクイックコネクト継手雌部材とクイックコネクト継手の限定することを目的としない実施例による、添付図面を参照した記述から、本発明が、より良く理解されるとともに、その更に別の利点が、より明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による継手雌部材の分離された構成における縦断面図
図2】本発明による図1の継手雌部材と継手雄部材を備えたクイック継手の連結途中における図1と同様の縦断面図
図3】雌部材と連結され、繋止された継手雄部材の図2と同様の縦断面図
図4】雌部材のロックリングを雄部材と連結してブロックされた構成における図2及び3と同様の縦断面図
図5図1の雌部材の図3のV−V断面に沿った横断面図
図6図4の構成における図5と同様の横断面図
図7】本発明による第二の実施形態の雌部材を備えた継手を連結された構成で図示した図2〜4と同様の縦断面図
図8】本発明による第三の実施形態の雌部材を備えた継手を連結された構成で図示した図2〜4と同様の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2〜8に図示されたクイックコネクト継手Rは、図1に単独で図示された雌部材Aとして構成された第一の部材と、連結途中又は連結された状態で部材A及びBに対して共通の、実際には部材Aの長手軸である軸X−X’の方向に互いに嵌合できるように構成された雄部材又は接続部片Bとして構成された第二の部材とを備えている。
【0016】
慣例により、部材A又はBの前方部分は、それらの接続中に他方の部材の方向に、その部材を向ける部分であると考える。
【0017】
雌部材Aの後方部分は、例えば、約800バールの圧力の、図示されていない加圧流体源、特に、LPG又は水素などのガス源と接続することができる、図示されていないパイプと流体に関して接続されている。雌部材Aと、雌部材Aが接続されている流体源との間に接続された、図示されていない制御弁は、雌部材Aへの流体の流れを制御するのに適したものである。雄部材Bの後方部分は、前記の源から来る流体を使用又は保管する機器と接続することができる、図示されていない第二のパイプと接続されている。図示されていない弁は、雄部材Bと使用又は保管機器の間の流路の開閉に適したものである。例えば、雄部材Bの後方部分と接続されたパイプは、自動車に搭載されたタンクと接続することができる。
【0018】
雄部材Bは、加圧流体を流すための流路12を規定する管状の本体部11を備えている。この本体部11の外側の円周面13には、平坦な底部と切頭形の端部を備えた回転用円周溝15が設けられている。
【0019】
この管状の本体部11の内側の半径方向の面17上と前面18の近傍には、エラストマー製のOリングシール20を受け入れるための回転用円周溝19が設けられている。
【0020】
雌部材Aは、雌部材Aの前側に挿入流路42を規定する、雄部材Bを挿入するのに適した主要な管状の本体部40を備えている。この挿入流路42は、穴44を通って雌部材Aの後方に向かって延びた後、中間室46を通り、最後に雌部材Aの後方に配置された後方流路48を通って延びている。
【0021】
雌部材Aは、弁50を備えており、その前方部分は、雄部材Bを雌部材Aに差し込んだ場合に、Oリングシール20との接触に適した切頭形の前端部502を有する。また、この弁50は、軸X−X’に沿ってスライドさせるために、穴44に取り付けられた中央のスリーブ部504を有する。この弁50は、切頭形の端部502の近傍で前方に向かって開くとともに、軸X−X’に対して垂直な方向を向いた穿孔508を通して後方に開いた流路506を有する。また、この弁50は、中間室46内に配置された、本体部40の弁座52との接触に適した後方の円形ストッパ510を有する。
【0022】
これらの室46と後方流路48は、一緒になって本体部40内に流体を流すための管路400を構成する。
【0023】
図1に図示された、雄部材Bが雌部材Aに差し込まれていない、継手Rの分離されている構成では、弁50は、スプリング54によって、ストッパ510が弁座52と当接する閉鎖位置に押し付けられている。この位置では、弁50内の穿孔508は、穴44に収容されている。穴44内に配置された、穿孔508の後方で弁50と協力して動作するOリングシール56は、中間室46から雌部材Aの外に流体が流れることを防止している。
【0024】
本体部40の前方部分40は、軸X−X’に対して垂直な方向を向いた円形の断面を有する円筒形の穴により形成された筐体58を有する。ロックボール60が、この筐体58内に取り付けられている。図3に図示された継手の連結された構成では、これらのボール60は、雄部材Bの溝15内に嵌合して、雄部材を雌部材A内に連結されている構成で繋止するために、挿入流路42内に突き出ている。この構成では、ロックボール60は、軸X−X’に沿ったスライドを可能とする、本体部40の外に取り付けられた、円形の断面を有する円筒形状のロックリング90の突出部92の作用により、挿入流路42内に保持されている。この突出部92は、ボール60を軸X−X’の方向に押し付けるために、半径方向に対して軸X−X’の方向に突き出ている。図3の構成では、ロックリング90は、前方の繋止位置又は第一の位置に有り、ボール60は、挿入流路42内に突き出て、雄部材Bを雌部材A内に嵌合させて保持している。この前方の位置では、ロックリング90は、雄部材Bを雌部材A内に連結された位置にロックする位置にロックボール60の各々を繋止している。
【0025】
雄部材Bを雌部材Aから分離するためには、オペレータがロックリング90を後方に引き出さなければならない。所謂解除位置に対応する後方又は第二の位置では、ロックリング90は、ロックボール60の各々の半径方向に対して外側に向かう、ボール60が最早挿入流路42内に突き出ていない、雄部材Bと雌部材Aを分離できる解除位置への動きを妨げない。この分離操作は、流体フロー流路内を流れる流体の圧力が所定の安全圧力、例えば、10バール以内である時に実施しなければならい。それは、オペレータが雄部材Bを雌部材Aから切り離した場合に継手の分離が跳ね返る効果を生じさせないことを保証する。
【0026】
ロックリング90の操作を防止するために、雌部材Aは、ロックリング90をその前進位置に固定するための部品を有する。このブロック部品の位置は、管路400内の流体の圧力が安全圧力よりも大きくなった場合にブロック部品がロックリング90の後方への並進を防止するように、流体フロー管路400内の流体圧力によって制御される。
【0027】
図1〜6に図示された実施形態では、ブロック部品は、本体部40の周りに取り付けられた閉じたブロックリング100である。このブロックリング100は、剛体である、即ち、継手Rの使用条件、特に、機械的な条件と温度下において変形しない。このブロックリング100は、オペレータが通常操作するロックリング90によって加えられる軸方向の力の影響下において変形しない程、十分に剛体である。このブロックリング100は、図1〜3及び5の構成における軸X−X’と一致する長手軸X100を中心として配置されている。このブロックリング100は、本体部40の外面402に設けられた、本体部40の周縁案内溝62内に収容されている。この溝62は、軸X−X’に対して直角である、雌部材Aの横方向Y−Y’にブロックリング100を案内する。このリング100の外径は、ロックリング90がその前方位置と後方位置の間でスライドする外面402の直径よりも小さいか、或いはそれと等しい。
【0028】
ブロックリング100の位置は、ピストン120の筐体を形成する本体部40の穿孔64内を密閉形態で移動できるように取り付けられたピストン120を用いて、管路400内の流体圧力に応じて制御される。この筐体64は、軸X−X’に対して垂直な方向Y−Y’を中心として配置されており、後方流路48から雌部材Aの本体部40の外に向かって本体部40を通っている。この筐体64は、溝62内に設けられている。ピストン120は、穿孔64の直径と等しい直径の先端カラー部121を有する。このカラー部121は、後方流路48と同じ側に位置する活動面122を形成し、そこには、後方流路48内に有る流体の圧力が力Fpの形で加わる。言い換えると、この活動面122は、流体に関して、後方流路48と継続的に接触している。カラー部121の溝に配置された、穿孔64と協力して動作するガスケット123は、穿孔64の所における後方流路48と継手部材Aの外側の間の密閉形態を実現している。ピストン120は、活動面122から管路400の逆側に外面402の方向に延びている。
【0029】
また、ピストン120は、力Fpを伝達するブロックリング100と機械的に接続されている。そのために、ピストン120は、ブロックリング100の円筒形の内面102と協力して動作する、力Fpをブロックリング100に伝達する曲線状の外面124を有する。曲線状の面とは、円筒形又は球形の一つの区画とすることができる、曲率半径により定義可能な円弧内に母線を有する面を意味する。この曲線状の面124の曲率半径は、面102の曲率半径とほぼ等しい。雌部材Aは、図1〜3及び5に図示された、ブロックリング100が半径方向に外面402を超えていない、そのためロックリング90の後方への動きを阻止していない解除位置にブロックリング100とピストン120を押し戻すのに適した少なくとも一つの戻し部品を有する。この戻し部品は、本体部40の筐体66内に係止された渦巻きスプリングである。この渦巻き圧縮スプリング140の長手軸と筐体66を構成する穿孔の長手軸X66は、互いに平行である、好ましくは、方向Y−Y’と同軸であり、それと一致する。この筐体66は、ピストン120の筐体64の外に配置されている、言い換えると、筐体66は、筐体64に設けられておらず、流体に関して筐体64と通じていない。より詳しくは、筐体66は、本体部40内において、軸X−X’に関して後方流路48に対して筐体64と逆側に配備されている。この構成により、スプリング140のためのより長い筐体が得られ、それによって、従来技術による継手の行程と等しいピストン120の行程が、従来技術による継手の比率よりも小さいピストン120の行程と渦巻きスプリング140の筐体66の長さとの間の比率を得ることが可能となる。それは、継手の半径方向のサイズを損なうこと無く、周知の装置と比べて、ブロックリング100の復元力のより良好な制御を提供する。この筐体66は、本体部40の外に設けられているが、後方流路48内には設けられていない。
【0030】
雌部材Aは、押出部品142を備えており、その中には、渦巻きスプリング140が、筐体66内を移動できるように収容され、取り付けられている。この押出部品142は、スプリング140とブロックリング100の間で、スプリング140が加える復元力F140を伝達する。この押出部品142は、力F140を伝達するために、ブロックリング100の円筒形の内面102と接触している。この押出部品142の曲線的な外面144は、ブロックリング100の円筒形の内面102と接触している。この曲線的な面144の曲率半径は、円筒形の内面102の曲率半径とほぼ等しい。
【0031】
そのため、ピストンの曲線的な外面124及び押出部品142の曲線的な外面144に同時に接触している場合、ブロックリング100の方向Y−Y’への並進運動がピストン120の動きと連動する。
【0032】
ブロックリング100は、スプリング140とピストン120の間で復元力F140を伝達する手段を構成する。ブロックリング100は、圧力Fpに対抗してピストン120を弾力的に押す。ブロックリング100が本体部40の周りに取り付けられている場合、それは、後方流路48内を通る、ピストン120とスプリング140の間で力を伝達する手段の使用を回避している。そのため、ブロックリング100は、流体フローの乱れを防止して、スプリング140をフロー管路400から隔離するのに必要なガスケットの数を削減する。
【0033】
ブロックリング100は、四角形の円環断面を有し、ロックリング90の後方軸面94と当接して収容するのに適した側方の軸面104を有する。リング形式のブロック部品の使用によって、雌部材Aの半径方向のサイズを限定することが可能となる。
【0034】
このロックリング90は、スプリング88によって、その前進位置の方向に押し出されて、本体部40の外側の前方ショルダー部41に対抗して係止する。
【0035】
このクイックコネクト継手Rの動作は、次の通りである。図1に図示された継手Rの分離されている構成では、ブロックリング100は、側面104がロックリング90の後方への動きを阻止していない解除位置に有る。その理由は、その場合、弁50によって閉鎖された管路400内の流体の圧力が安全圧力よりも低いからである。そのため、ピストン120が、ブロックリング100に加わる力F140により、その筐体64内に押し込まれて、側面104が、軸X−X’に対して平行な方向において、軸面94に面していない。この内側位置では、ピストン120の活動面122は、後方流路48に向かうピストン120の行程を制限する筐体64のショルダー部65に対抗して係止している。
【0036】
雄部材Bを雌部材Aに嵌合させる場合、オペレータが、ロックリング90を矢印F1の方向に後方に向かって動かし、ロックボール60が、雄部材Bの管状の本体部11によって、解除位置にロックリング90の前方部分95に向かって半径方向に押し出され、その内径は、突出部92よりも大きい。そのようなロックリング90の構成が図2に図示されている。雄部材Bが雌部材A内をガスケット20の所の密閉部の後に前進した場合、弁50は、スプリング54の動きに対抗して、後方に向かって押される。雄部材Bが雌部材A内に十分に差し込まれた場合、ロックボール60が、半径方向に対して円周溝15内に位置して、オペレータがロックリング90に対する作用を開始した瞬間に、スプリング88により前進位置に向かって押されるロックリング90の作用により、その溝の中に嵌まり込む。ロックリング90がその前進位置に到達した場合、ボール60は、突出部92により軸X−X’の方向に押されて、長手軸X−X’に沿って雄部材Bを雌部材Aの本体部40内に繋止して、雌部材Aからの引き出しを防止するロック位置において、溝15内に保持されることとなる。
【0037】
この継手を一旦連結すると、制御弁を用いて、雌部材Aへの流体の供給が作動される。雌部材Aと接続されたパイプから来る、約800バールの加圧流体は、流体フロー管路400に到達して、後方流路48と繋がった穿孔508、流路506及び流路12を通って流れる。後方流路48内の圧力が安全圧力を超えて上昇して、活動面122に加わる。そのため、活動面122は、筐体64内を方向Y−Y’に関して外側に押され、そして、ピストン120が、ブロックリング100に加わる力F140に対抗して、図1〜3及び5の内側位置から矢印F2の方向に、最早ショルダー部65と接触しない、図4と6の外側位置に向かって動く。円筒形の外面124が、スプリング140と押出部品142により、内面102と接触し続けるので、ブロックリング100も、方向Y−Y’に矢印F2に沿って、リング100が半径方向に対して半径方向の外面402を超えて突き出るとともに、側面104が、軸X−X’に対して平行な方向D100に対して、後方の軸面94と部分的に面するブロック位置にまで動く。この外側位置では、ピストン120は、力Fpにより、筐体64のショルダー部64aに対抗して係止された形で保持される。
【0038】
図4と6の構成では、ブロックリング100の側面104が、ロックリング90を後方軸面94と協力して動作する解除位置にまで軸X−X’に沿って動かすための障害を形成しているので、ロックボール60を解除して、雌部材Aから雄部材Bを切り離すために、ロックリング90を後方に向かって動かすことはできない。ロックリングの接触線に沿った並進移動がピストンにより阻止されている継手の場合のように、側面104と後方軸面94の間の係止は、それらの部分のマーキングリスクを防止する三日月形の接触面で行なわれる。
【0039】
継手R内の流体の移送が終了した場合、例えば、車両の水素タンクが完全に満たされた場合、制御弁の操作によって、流体の供給が停止されて、雄部材Bとタンクの間の流路が閉じられる。管路400と導管12内に含まれる流体が排出される。後方流路48内の流体の流量と圧力が低下して、流体の圧力が加える力Fpが低下する。後方流路48内の圧力が再度安全圧力よりも低くなると、ピストン120が、ブロックリング100を介した復元力F140の作用の下で内側位置に戻されて、ショルダー部65で係止される。ブロックリング100がその解除位置に戻って、継手を操作するオペレータが、危険無しで継手Rを分離するために、再びロックリング90をその後方位置に動かすことが可能となる。ロックリング90が後方位置に有る場合、ロックボール60が、雌部材Aの本体部40から取り外される雄部材Bの外面によって解除位置に押される。
【0040】
そのため、ピストン120は、ガスケット123の一方の側での圧力差、即ち、流路48内の流体の圧力、継手の外の空気の大気圧及び弾力的な復元力F140を持続的に受ける。この復元力F140は、安全圧力に応じた大きさであり、そのため、安全圧力よりも低い後方流路48内の圧力では、ピストン120が、弾力的な力F140の下で自動的に戻って、その内側位置に保持され、安全圧力よりも高い内部流路48内の圧力は、弾力的な力F140に対抗して、ピストン120を外側位置に保持する。そして、流路48内の流体が活動面122に加える力Fpは、力F140、ピストン120に対する外気の圧力及び筐体64内でのピストン120の粘着力と摩擦力よりも大きくなる。
【0041】
分離されている構成で、弁50によって閉鎖された後方流路48内に存在する流体の圧力が安全圧力よりも高い場合、安全上の理由から継手Rの連結を防止しなければならない。力Fpの作用の下で外側位置に動くピストン120は、ブロックリング100をそのブロック位置に押して保持する。そのため、ロックリング90の後方への並進は不可能となる。従って、雄部材Bを雌部材Aに差し込んだ場合、ロックボール60を軸X−X’と逆方向に押すことはできない。そのため、この継手Rを連結することはできない。
【0042】
ロックリング90は、軸面94を超えて雌部材Aの後方に向かって延びる後方管状壁96を有する。この後方管状壁96は、継手Rの動作中の雌部材Aの各構成において、溝62と本体部40の後方外側ショルダー部53を覆っている。そのため、この後方管状壁96は、特に、ピストン120のスライドを妨害する可能性の有る外部からの汚染に対して、ブロックリング100とピストン120を保護している。ロックリング90は、その動きが継手の連結及び分離のためにロックボール60の解除を制御しているので、制御リングを構成する。
【0043】
本発明の図示されていない一つの実施形態では、継手雌部材Aは、押出部品142を備えなくともよい。その場合、スプリング140が、ブロックリング100に直接作用し、そのために、このリングは、スプリング140の長手軸に対して垂直な平面を備えることができる。
【0044】
次の実施形態では、第一の実施形態と共通の部材は、同じ符号を有し、同じ手法で動作する。以下において、第一の実施形態との違いだけを説明する。
【0045】
本発明の第二の実施形態が図7に図示されている。この実施形態は、雄部材Bを雌部材A内に繋止する部品がボール60ではなく、本体部40の円筒形の筐体72内に収容された、軸X−X’に関して傾斜するとともに、軸X−X’に対して半径方向に関して傾斜しているフィンガー部70であることが図1〜6の実施形態と異なる。この軸X−X’と同じ側に配置されたフィンガー部70の一方の端部は、継手Rの連結されている構成で雄部材Bの溝15に係合するのに適している。この雌部材Aは、動作中の外側リング150の全ての位置における外部からの汚染に対してロックリング100とピストン120を保護するために、フィンガー部70の一部を収容して、溝62と外側後方ショルダー部53を覆う内側リング160を取り囲む外側リング150を備えている。このフィンガー部70と内側リング160及びフィンガー部70と互いに作用する部品の動作は、特許文献4に記載されている。特に、継手を分離するために、外側リング150は、図7に図示された、内側リング160が前進位置に有るロック位置でフィンガー部70が雄部材Bと円筒形の筐体72の間に保持されている第一の位置から、図示されていない、外側リング150が内側リング160を後方位置に動かし、そのためフィンガー部70を解除位置に動かした第二の位置にまで後方に向かって動かされる。第一の実施形態と同じ手法で、内側リング160が、後方流路48内の流体の圧力が安全圧力よりも大きい場合の連結及び分離を防止する内側リング160の後方軸面161と対抗するブロックリング100によって、前進位置への後方並進移動に関して阻止されている。この内側リング160は、内側リング160の後方に向かった動きが継手の連結及び分離を制御する限りにおいて、制御リングの役割を果たす。
【0046】
図示されていない変化形態では、安全圧力よりも高い圧力での分離を防止する内側リング160に代わるブロックリング100によって、外側リング150の第一の前進位置への並進を阻止することができる。この外側リング150は、外側リング150の後方に向かった動きが継手の分離を制御する限りにおいて、制御リングの役割を果たす。
【0047】
従って、本発明の目的は、この制御リングがロック位置及び/又は解除位置でロック部品と直接協力して動作しなくとも、継手部材の制御リングの動きが継手の分離を許容する場合に、その動きを阻止することである。図示されていない変化形態では、ブロック部品は、第一の位置と第二の位置の間の分離行程に渡って、ロック部品がその解除位置に到達できないように、制御リングの動きを妨げる部品を構成する。この場合、制御リングには、第二の位置に向かう一定の長さの行程が許容され、その行程は、ロック部品を解除するには不十分であり、継手の分離を許容する。
【0048】
図示されていない実施形態では、雄部材Bを雌部材A内に繋止する部品を特許文献5に基づくロック爪又は球形フィンガー部とすることもできる。
【0049】
本発明の第三の実施形態が図8に図示されている。この実施形態は、この場合には雌部材Aがブロックリング100を備えていないことが図1〜6の実施形態と異なる。後方流路48内の加圧流体の作用が加わるピストン120の活動面122は、環状の形状であり、筐体64内を移動することができる。伝達ロッド126が方向Y−Y’に後方流路48を通って、筐体66内の終端ワッシャー128で終止している。このロッド126は、活動面122の中央にまで延びている。この終端ワッシャー128は、筐体66の直径と等しい直径を有する。筐体66内に係止されているスプリング140は、復元力F140を加えるために終端ワッシャー128を支えている。この場合、筐体66は、円筒形の出入口部67を介して後方流路48と繋がっており、この筐体66の後方流路48に対する密閉は、出入口部67とロッド126の間に配置されたOリングシール68によって行なわれている。
【0050】
この実施形態では、ブロック部品は、ピストン120によって構成され、その外端130は、雌部材Aのフロー管路内の流体圧力によって、ピストン120が動かされて、外側位置に保持され、ロックリング90の後方への並進を妨げている場合には、半径方向に対して本体部40の外に突き出ている。この場合、ピストン120とリング90の間の接触は、接触線に沿って行なわれる。一つの変化形態では、ピストン120は、リング90との面接触のための側面を有する。
【0051】
これらのロッド126と終端ワッシャー128は、ピストン120と共に単一の部片として、復元力F140をピストン120に伝達するための手段を構成する。
【0052】
このピストン120、伝達ロッド126及び伝達ワッシャー128から成る部片の長さは、方向Y−Y’に関してのみ、ピストン120の長さよりも長く、ロックリング90の力により後方に向かって外側位置のピストン120に作用する屈曲力が軽減されている。ピストン120の直線的な案内が改善されて、そのことが、ガスケット123の所でのピストン120と本体部40の間の漏れリスクを低減している。
【0053】
図示されていない一つの実施形態では、図8に図示された後方流路48を通過するピストンが、本体部40の外に取り付けられた、ロックリング90の阻止に適した、ブロックリング100と同様のブロックリングと連動することができる。この場合、スプリング140は、ワッシャー128で支えられているが、分離操作を防止するために面形式のロックリングのブロックを行なうことができるので、このブロックリングは、スプリング140とピストン120の間の復元力F140の伝達を行なわない。このブロックリング100の動きは、半径方向のあそび内で方向Y−Y’へのピストン120の動きと連動している。
【0054】
本発明の図示されていない別の実施形態では、雌部材Aは、フロー管路400から密閉された形で隔離された本体部内の筐体にそれぞれ配置された幾つかの戻しスプリングを備えることができる。これらのスプリングの筐体は、好ましくは、ピストン120に加わる圧力Fpに対して平行な復元力を保証するために、ピストン120の筐体に対して平行である。この場合、スプリングとピストン120の間で復元力を伝達する手段を本体部40の周りに配置された、復元力F140をピストン120に伝達するのに十分な剛体であるU字形状の部片で構成し、ブロック部品をピストン120の外端によって構成することができる。雌部材Aは、特に、それぞれがU字形状の一方の腕に力を加える二つのスプリングを備えることができ、その場合、復元力は、U字形状の丸くなった中央部分と接触するピストンに伝達される。
【0055】
図示されていない一つの実施形態では、ピストン120などの幾つかのピストンが、リング形式の単一のブロック部品に作用することができる。
【0056】
全ての実施形態では、内側位置におけるピストン120の戻しスプリング140は、流体フロー管路400から流体に関して隔離された筐体66内に完全に配置されており、スプリング140の動作が継手部材内の流体の流れ及び圧力によって影響されないことを保証し、そのため、安全圧力の検出を信頼できるものとしている。
【0057】
本発明の図示されていない一つの実施形態では、継手の解除を引き起こす制御リングの動きは、前方から後方に行なう代わりに、後方から前方に行なうことができる。この場合、制御リングの第一の位置は、後方位置であるのに対して、第二の位置は前方位置である。
【0058】
前述した実施形態及び変化形態の特徴は、本発明の範囲内で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0059】
11 本体部
12 流路
13 外端
15 溝
17 半径方向の面
18 前面
19 円周溝
20 Oリングシール
40 本体部
41 外側の前方ショルダー部
42 挿入流路
44 穴
46 中間室
48 後方流路
50 弁
52 弁座
53 外側ショルダー部
54 スプリング
56 Oリングシール
58 筐体
60 ロックボール
62 溝
64 筐体
64a ショルダー部
65 ショルダー部
66 筐体
67 出入口部
68 Oリングシール
70 フィンガー部
72 筐体
88 スプリング
90 ロックリング
92 突出部
94 後方軸面
95 前方部分
96 後方管状壁
100 ブロック部品
102 内側円筒面
104 側面
120 ピストン
121 カラー部
122 活動面
123 ガスケット
124 円筒形の外面
126 伝達ロッド
128 終端ワッシャー
130 外端
140 戻しスプリング
142 押出部品
144 曲線的な外面
400 流体フロー管路
402 外面
502 切頭形の前端部
504 スリーブ部
506 流路
508 穿孔
510 ストッパ
A 雌部材
B 雄部材
D100 方向
F1 矢印
F2 矢印
F140 復元力
Fp 圧力
R 継手
V−V 断面
VI−VI 断面
X66 穿孔の長手軸
X100 長手軸
X−X’ 長手軸
Y−Y’ 横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8