(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プランジャーに設けられた当接部と、当接部と対向する位置規定部材とを含み、前記プランジャーの最進出位置を規定する位置規定機構を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの液体材料の吐出装置。
前記当接部がピストンの進出方向に設けられた凸状部材により構成され、前記位置規定部材が前記加圧室の前記ピストンと対向する壁面により構成されることを特徴とする請求項5の液体材料の吐出装置。
さらに、前記ピストンと対向して前記弾性体を保持する移動部材と、移動部材の位置を調節する位置調節機構とを含み、前記弾性体の付勢力を調節する付勢力調節機構を備えることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかの液体材料の吐出装置。
さらに、前記加圧室に供給される加圧気体を増圧する増圧器と、増圧器により増圧した加圧気体を所望圧に減圧して加圧室に供給する調圧器とを備えることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかの液体材料の吐出装置。
前記プランジャーに設けられた当接部と、当接部と対向する位置規定部材とを含み、前記プランジャーの最進出位置を規定する位置規定機構を設け、プランジャーの先端部と液室の内壁が非接触の状態でプランジャーを進出移動することで液材に慣性力を与えて液滴の状態に吐出することを特徴とする請求項17または18の液体材料の吐出方法。
前記吐出工程において、プランジャーを液室と接触しない最進出位置まで進出移動させることにより所望の液滴を形成するのに必要となる量の液材を吐出口から押し出し、続いてプランジャーを後退移動させることにより吐出口から押し出された液材を分断して微量の液滴を形成することを特徴とする請求項19の液体材料の吐出方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バルブヘッドないしプランジャーを高速移動して液体材料を吐出する方式の装置においては、バルブヘッドないしプランジャーの移動速度を調節することで、吐出量の調節が行われている。
【0008】
上記特許文献1に開示される装置は、圧縮ばねの弾性力を利用してバルブヘッドを急速に移動させて液体材料を吐出するものであるが、バルブヘッドの移動距離(ストローク)を一定としたまま、バルブヘッドの移動速度を調節することができなかった。すなわち、バルブヘッドを高速に移動させるためには、バルブヘッドのストロークを長くして圧縮バネの変位量を大きくする必要があり、また、バルブヘッドを低速に移動させるためには、バルブヘッドのストロークを短くして圧縮バネの変位量を小さくする必要があった。
また、ストロークを長くすることを前提とすると、装置サイズが大きくなるという課題や高速なタクトで吐出させることが難しくなるという課題も生じる。
【0009】
特許文献2に開示される装置は、スプリングの弾性力によるプランジャーロッドの進出動作させて液体材料を吐出するものであるところ、特許文献1と同様の課題を有している。
【0010】
特許文献3に開示される装置は、第1室と仕切られる第2室を形成して吐出を行う構成のため、吐出量を調節することが困難である。また、圧電駆動体を用いる構成においては、ストロークを一定以上とすることができないこととの関係から、吐出可能な液体材料の種類も制限される。
【0011】
上記課題を鑑み、本発明は、プランジャーの移動速度の調節を容易に行うことができる液体材料の吐出装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の液体材料の吐出装置は、吐出口と連通する液室と、ピストンが形成され、先端部が液室内を進退動するプランジャーと、プランジャーに付勢力を与える弾性体と、ピストンが配設され加圧気体が供給される加圧室と、
圧力供給源と、前記圧力供給源と前記圧力室とを連通する第1位置と、前記圧力室と大気とを連通する第2位置とを切り替える切替弁と、を備え、プランジャーを高速で進出移動させることにより吐出口から液体材料を吐出する液体材料の吐出装置であって、前記弾性体がプランジャーを後退方向に付勢し、
前記切替弁を第1位置にすることで前記加圧室に供給された加圧気体がピストンに推進力を与えることによりプランジャーを進出移動させること、かつ、加圧室の気体圧力を調節できることを特徴とする。
上記の液体材料の吐出装置において、前記弾性体は、前記ピストンを付勢することを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、前記プランジャーに当接し、プランジャーの最後退位置を調節するストローク調節機構を備えることを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、前記ストローク調節機構は、前記ピストンに当接することを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、前記プランジャーに設けられた当接部と、当接部と対向する位置規定部材とを含み、前記プランジャーの最進出位置を規定する位置規定機構を備えることを特徴としてもよい。
【0013】
上記の位置規定機構を備える液体材料の吐出装置において、前記当接部がピストンの進出方向に設けられた凸状部材により構成され、前記位置規定部材が前記加圧室の前記ピストンと対向する壁面により構成されることを特徴としてもよい。
上記の位置規定機構を備える液体材料の吐出装置において、前記位置規定部材と前記加圧室との距離を調節する距離調節機構を備えることを特徴としてもよい。
上記の距離調節機構を備える液体材料の吐出装置において、前記当接部がピストンの進出方向に設けられた凸状部材により構成されることを特徴としてもよい。
上記の距離調節機構を備える液体材料の吐出装置において、前記プランジャーが、前記ピストンと前記先端部を連結するロッド部を有し、ロッド部に前記当接部が設けられることを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、さらに、前記ピストンと対向して前記弾性体を保持する移動部材と、移動部材の位置を調節する位置調節機構とを含み、前記弾性体の付勢力を調節する付勢力調節機構を備えることを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、さらに、前記加圧室に供給される加圧気体を増圧する増圧器と、増圧器により増圧した加圧気体を所望圧に減圧して加圧室に供給する調圧器とを備えることを特徴としてもよい。
上記の増圧器を備える液体材料の吐出装置において、前記増圧器と前記加圧室を連通する流路にバッファタンクを設けたことを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、さらに、前記加圧室から排出される加圧気体の流量を制御する流量弁を設けたことを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、前記加圧室を、前記ピストンで二つの気密空間に分断し、ピストン上昇時に加圧室に流入する気体の流量を制御する流量弁を設けたことを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、前記ピストンは前記プランジャーの後端部に形成されていることを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出装置において、前記液室に液体材料が供給されることを特徴としてもよい。
【0014】
本発明の液体材料の吐出方法は、吐出口と連通する液室と、ピストンが形成され、先端部が液室内を進退動するプランジャーと、プランジャーに後退方向への付勢力を与える弾性体と、ピストンが配設され加圧気体が供給される加圧室と、
圧力供給源と、前記圧力供給源と前記圧力室とを連通する第1位置と、前記圧力室と大気とを連通する第2位置とを切り替える切替弁と、を備える吐出装置を用いた液体材料の吐出方法であって、
前記切替弁を第2位置にすることで前記加圧室内の加圧気体を排出することにより前記プランジャーを後退方向へ移動する充填工程、
前記切替弁を第1位置にすることで前記加圧室に所望の圧力に調節された加圧気体を供給することによりプランジャーを所望の速度で進出移動させる吐出工程、を有することを特徴とする。
上記の液体材料の吐出方法において、前記弾性体は、前記ピストンを付勢することを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出方法において、前記プランジャーに設けられた当接部と、当接部と対向する位置規定部材とを含み、前記プランジャーの最進出位置を規定する位置規定機構を設け、プランジャーの先端部と液室の内壁が非接触の状態でプランジャーを進出移動することで液材に慣性力を与えて液滴の状態に吐出することを特徴としてもよく、この場合、さらに、前記吐出工程において、プランジャーを液室と接触しない最進出位置まで進出移動させることにより所望の液滴を形成するのに必要となる量の液材を吐出口から押し出し、続いてプランジャーを後退移動させることにより吐出口から押し出された液材を分断して微量の液滴を形成することを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出方法において、前記加圧室に供給される加圧気体を増圧する増圧器と、増圧器により増圧した加圧気体を所望圧に減圧して加圧室に供給する調圧器とを設け、前記吐出工程において、調圧された加圧気体を供給することを特徴としてもよく、この場合、さらに、前記増圧器と前記加圧室を連通する流路にバッファタンクを設けたことを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出方法において、前記加圧室から排出される加圧気体の流量を制御する流量弁を設け、前記充填工程において、前記加圧室から排出される加圧気体の流量を制御することを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出方法において、前記加圧室を、前記ピストンで二つの気密空間に分断し、ピストン上昇時に加圧室に流入する気体の流量を制御する流量弁を設け、前記充填工程において、前記加圧室に流入する気体の流量を制御することを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出方法において、前記ピストンは前記プランジャーの後端部に形成されていることを特徴としてもよい。
上記の液体材料の吐出方法において、前記液室に液体材料が供給されることを特徴としてもよい。
【0015】
別の観点からの本発明の装置は、吐出口と連通し、液体材料が供給される液室と、後端部にピストンが形成され、先端部が液室内を進退動するプランジャーと、プランジャーに付勢力を与える弾性体と、ピストンが配設され加圧気体が供給される加圧室と、を備え、プランジャーを高速で進出移動させることにより吐出口から液体材料を吐出する液体材料の吐出装置であって、前記弾性体がプランジャーを後退方向に付勢し、前記加圧室に供給された加圧気体がピストンに推進力を与えることによりプランジャーを進出移動させること、かつ、加圧室の気体圧力を調節できることを特徴とする液体材料の吐出装置である。
【0016】
別の観点からの本発明の方法は、吐出口と連通し、液体材料が供給される液室と、後端部にピストンが形成され、先端部が液室内を進退動するプランジャーと、プランジャーに付勢力を与える弾性体と、ピストンが配設され加圧気体が供給される加圧室と、を備える吐出装置を用いた液体材料の吐出方法であって、前記加圧室内の加圧気体を排出することにより前記プランジャーを後退方向へ移動する充填工程、前記加圧室に所望の圧力に調節された加圧気体を供給することによりプランジャーを所望の速度で進出移動させる吐出工程、を有することを特徴とする液体材料の吐出方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プランジャーの移動速度の調節を容易に行うことができる液体材料の吐出装置および方法を提供することが可能となる。より詳細には、プランジャーのストロークの調節と独立して、プランジャーの移動速度の調節を行うことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を例示する液体材料の吐出装置を説明する。以下では、説明の都合上、液体材料の吐出方向を「下」または「前」、その反対方向を「上」または「後」とよぶ場合がある。
本発明の吐出装置は、ノズルと連通し、液体材料が供給される液室と、後端部にピストンが形成され、先端部が液室内を進退動するプランジャーと、プランジャーに付勢力を与える弾性体と、ピストンが配設され加圧気体が供給される加圧室と、を備え、弾性体がプランジャーを後退方向に付勢し、加圧室に供給された加圧気体がピストンに推進力を与えることによりプランジャーを進出移動させることにより、液体材料を吐出する。
本発明の装置は、加圧室のエア圧力を調節することにより、ストロークを変えることなく、ピストン(すなわちプランジャー)の進出速度を容易に可変させることができる。別の言い方をすれば、本発明の装置は、エア圧力を調節してプランジャーの進出速度を変えることにより、吐出量の調節を容易に行うことが可能である。
【0020】
圧縮コイルばね等の圧縮型弾性体を用いた本発明の装置では、プランジャーが前進位置にある際には弾性体の撓み度は大きい状態となり、プランジャーが後退位置にある際には弾性体が伸張した状態となる。このように、プランジャーが後退位置で弾性体が自然な状態に近くなるため、複数回を繰り返して吐出作業を行うに当たり、次の吐出動作への準備を整えやすい。
また、弾性体によりプランジャーに与えられる付勢力は、加圧室内の圧縮エアの排出を加速するようにも作用するので、プランジャーを短時間で後退移動できる。本発明の装置は、液体材料を連続して高速吐出(例えば、毎秒100ショット以上)する用途に好適である。
なお、弾性体としては、コイルばねの他にも板ばねや、ゴムなどを使用することもできる。弾性体は、実施例8で後述するように、引張コイルバネ等の引張型弾性体を用いることもできる。
【0021】
好ましくは、プランジャーの最進出位置を規定する位置規定機構を設ける。これを設けることで、プランジャーを弁座に衝突させて液体材料をノズルより飛翔吐出させる方式のみならず、プランジャーを高速移動させ、プランジャーを弁座に衝突させることなく急激に停止することで液体材料に慣性力を与えてノズルより飛翔吐出させる方式を実施することが可能となる。
好ましくは、ピストンに当接し、ピストンの最後退位置を調節するストローク調節機構を設ける。これを設けることで、プランジャーのストロークを調節することが可能となる。
【0022】
好ましくは、弾性体の付勢力を調節するための付勢力調節機構を設ける。これを設けることで、ピストンの後退移動に作用する弾性力(復元力)を調節し、プランジャーの後退速度を調節することができる。
加圧室から排出される加圧気体の流量を制御する流量弁を設けてもよい。この流量弁によっても、プランジャーの後退速度を調節することができる。また、加圧室をピストンで二つの気密の空間に分断し、ピストン上昇時に前方(下方)の空間に流入する気体の流量を制御する流量弁を設け、この流量弁によってプランジャーの後退速度を調節するようにしてもよい。
【0023】
本発明は、クリーム半田のようなインクジェットでの吐出に適さない高粘度の液体を微量吐出する用途にも適用することができる。ここで、高粘度の液体とは、例えば、粘度10000〜500000mPa・sの液体をいい、特に、粘度20000mPa・s〜500000mPa・sの液体、さらにいえば粘度30000mPa・s〜500000mPa・sの液体をいう。
また、微量吐出とは、例えば、着弾径が数十〜数百μmの液滴、或いは、体積が1nl以下(好ましくは、0.1〜0.5nl以下)の液滴の吐出のことをいう。本発明は数十μm以下(好ましくは30μm以下)の吐出口径でも、液滴を形成できる。
【0024】
高粘度の液体を微量吐出する際には、プランジャーを前進移動させることにより所望の液滴を形成するのに必要となる量の液体材料を吐出口から押し出す押出工程、プランジャーを後退移動させることにより吐出口から押し出された液体材料を分断して微量の液滴を形成する分断工程、を有する吐出方法を実施することが好ましい。ここで、分断工程の後、さらにプランジャーを後退移動させて吐出路内に気液界面を形成し、プランジャーの移動を停止させる吸入工程を実施することがより好ましい。この吐出方法を、
図9を参照しながら説明する。
【0025】
図9(a)は、吐出動作開始時の初期状態を示す。この初期状態において、プランジャーの先端部31は、一連の吐出動作の中で、吐出路12に対し最も遠くに位置する作動開始位置にある。この際、吐出路12の吐出口11側は、微量の外気(空気)を吸い込んだ状態であってもよい。
図9(b)は、
図9(a)のプランジャーの作動開始位置からプランジャーを前進移動させて、吐出路12内の液体材料を吐出口(吐出路12の吐出口側端面)まで到達させた状態を示す。
図9(c)は、
図9(b)のプランジャーの位置から、さらにプランジャーを前進移動させた状態を示す。この状態では、吐出口に到達した液体材料は、吐出口の外方へ分断されることなく押し出される。
【0026】
図9(d)は、
図9(c)のプランジャーの位置から、さらにプランジャーを前進移動させた後、プランジャーを最進出位置で停止させた状態を示す。この状態において、所望の大きさの滴を形成するのに必要な量の液体材料が、吐出口11の外方へ押し出される。
図9(e)は、
図9(d)のプランジャーの位置(最進出位置)から、プランジャーを僅かに後退移動させた状態を示す。プランジャーが後退移動すると、液室50内を占めるプランジャーの容積の割合が減少し、吐出路12内の液体材料および吐出口11の外方に存在する液体材料に、液室50内に向かう方向へ力が作用する。このため、吐出口から押し出された液体材料には、プランジャーの前進方向への慣性力が働くと共に、プランジャーの後退方向への力が作用し、滴を形成しはじめる(吐出口近傍の部分で切断作用を受ける。)。
【0027】
図9(f)は、
図9(e)のプランジャーの位置から、プランジャーをさらに後退移動させた状態を示す。プランジャーをさらに後退移動すると、吐出口11から押し出された液体材料に対する切断作用がさらに強まる。これにより、吐出路12から連続する吐出口11から押し出された液体材料は、吐出口近傍の部分で分断され、液滴を形成する。
【0028】
図9(g)は、
図9(f)のプランジャーの位置から、プランジャーをさらに後退移動させた状態を示す。吐出口11から押し出された液体材料のうち、吐出路12側に残った液体材料は、プランジャーの後退移動により、吐出路12内へ吸入される。
次の吐出に備え、好ましくは、 吐出路12の吐出口11側は、微量の外気(空気)を吸い込んだ状態とする。すなわち、吐出路12内に気液界面が存在する状態とする。こうすることで、液体材料の乾燥を防止することができ、また、吐出作業待機時に周辺環境を液だれにより汚染することを防ぐことができる。この際、吐出路12を越えて、液室50にまで外気(空気)を吸い込まないように留意する。
【0029】
図9(h)は、
図9(g)のプランジャーの位置から、プランジャーをさらに後退移動させ、作動終了位置とした状態を示す。
図9(a)〜(h)が1つの滴を形成するための一連の動作である。1回の吐出を終わった際のプランジャーの位置は、最進出位置よりも後退した位置となる。
【0030】
以下では、本発明の実施形態の詳細を実施例により説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0031】
実施例1の装置は、スプリング47により後退方向に付勢されたプランジャー(ピストン33)を圧力供給源94から供給される加圧空気により進出させることにより液体材料を吐出口11から吐出するものである。以下では、まず実施例1の装置の構成を説明し、続いて動作を説明する。
【0032】
《構成》
図1は、実施例1の装置の構成図である。本体71は、ブロック状の部材であり、内部に加圧室であるピストン室49が形成されている。ピストン室49には、プランジャーの後端部を形成するピストン33が上下に摺動自在に配設されている。ピストン33は、ピストン室49を前方ピストン室43と後方ピストン室44とに分断している。ピストン33の側面には、シール部材A35が環状に設けられており、これにより前方ピストン室43と後方ピストン室44の気密性が保持されている。
【0033】
後方ピストン室44は、電磁切替弁72から加圧エアが供給される。プランジャーの移動速度は、後方ピストン室44に供給されるエアの圧力の大きさに比例する。電磁切替弁72は、圧力調整器(レギュレータ)95を介して、圧縮空気を供給する圧力供給源94と連通する。圧力調整器95は、例えば、減圧弁または減圧弁とバッファタンクとの組み合わせから構成される。電磁切替弁72は、制御部90からの指令に基づき、圧力調節器95と後方ピストン室44とを連通する第1位置と、後方ピストン室44と外界(大気)とを連通する第2位置とを切り替えるよう作動する。
なお、本実施例では、電磁切替弁72を、本体71に直接固定しているが、管(圧送管)などを介して本体71と離れた位置に配置してもよい。
【0034】
後方ピストン室44には、ピストン33の後端である後方当接部34と当接し、ピストン33の最後退位置を規定する後方ストッパー42が配設されている。後方ストッパー42は、本体71後端部を挿通して配設されるマイクロメータ46と連結されており、これらがストローク調節機構として機能する。すなわち、マイクロメータ46を回し、後方ストッパー42の先端の位置を上下方向に移動させることにより、プランジャーのストロークを調節することが可能である。
【0035】
前方ピストン室43は、バネ室48と連通する空間である。前方ピストン室43およびバネ室48にはスプリング47が配設される。スプリング47内には、プランジャーのロッド部30が挿通されている。スプリング47は、圧縮コイルばねであり、一端がバネ室47の底部と当接または固定され、他端がピストン33に当接または固定される。
電磁切替弁72が第1位置にあるとき、スプリング47はピストン33により圧縮され弾性エネルギーを蓄える状態にある。電磁切替弁72が第2位置に切り替わると、圧縮により蓄えられたスプリング47の弾性エネルギーによりピストン33を後退移動させ、これにより後方ピストン室44の圧縮エアの放出も促される。従って、次の吐出動作へ短時間で移ることができ、タクトタイムを短縮することが可能である。
【0036】
プランジャーのロッド部30は、本体71の挿通孔51に挿通される。ロッド部30は、太径部と細径部とから構成される。細径部はガイド45に挿通されており、これにより進退動するプランジャーが左右にぶれないようにガイドされる。細径部の先端が液室50内を進退動する先端部31を構成する。
本実施例では、吐出路12が形成された液室50の内底面が弁座を構成し、先端部31が液室50の底部に当接することで液体材料を分断し、吐出口11から液体材料が吐出される。実施例1におけるプランジャーの最進出位置は、先端部31が液室50の内底面に当接することで規定される。
【0037】
液室50は、液送路52と連通しており、液送管53を介して貯留容器80から液体材料が液室50に供給される。実施例1では、貯留容器80内の液体材料を加圧しておらず、自重で液室50内に供給されるが、後述の実施例2のように貯留容器80を加圧する構成としてもよい。液送管53は本体と貯留容器を流体的に接続することができれば任意の部材を用いることができ、円管状でなくてもよい。液室50内の液体材料は、シール部材B36により挿通孔51内へ浸入するを防止される。
【0038】
《準備工程》
まず、液室50内に液体材料を満たす。すなわち、液体材料を、貯留容器80から液送管53および液送路52を介して液室50に供給し、液室50を吐出口11まで液体材料で満たす。
次に、電磁切替弁72を、圧力調整器95と後方ピストン室44とを連通する第1位置とすることでプランジャーを進出させ、プランジャーの先端部31を液室50の内底面に接触させて吐出口11を閉止する。
以上の準備工程が完了することで、液体材料の連続吐出が可能となる。
【0039】
《本動作》
液室50が液体材料で満たされた状態で、電磁切替弁72を、後方ピストン室44と外気(大気)とを連通する第2位置に切り替える。これにより、後方ピストン室44内のエアが外部に放出され、スプリング47がピストン33を上方に押し上げ、プランジャーの先端部31が液室50の内底面から離間する。ピストン33は、後方当接部34が後方ストッパー42と当接するまで上昇し、停止する。液室50内を占めるプランジャーの体積減少に伴い、液体材料が貯留容器80から液室50内に流入する。
【0040】
次いで、電磁切替弁72を第1位置に切り替えると、後方ピストン室44に供給された圧縮エアがピストン33に作用する力がスプリング47の付勢力に打ち勝ち、プランジャーが前進移動する。プランジャーの先端部31が、液室50の内底面に接触すると、プランジャーの移動が停止されると共に、吐出口11から流出する液体材料が分断され、液体材料が飛翔吐出される。以上が、一回の吐出動作である。
電磁切替弁72を再び第2位置に切り替えて液室50内に液体材料を補充し、次いで、電磁切替弁72を第1位置に切り替えることにより二回目の吐出を行う。以降、この動作を連続して繰り返すことにより、液体材料を連続吐出することが可能である。
【0041】
以上に説明した実施例1の装置によれば、プランジャーのストロークを固定したまま、プランジャーの進出速度の調節を加圧エアの圧力調節により容易に行うことが可能である。
【実施例2】
【0042】
実施例2の装置は、液体材料の吐出時にプランジャーの先端部31が液室50の内底面に当接しない点で、実施例1の装置と相違する。すなわち、実施例2の装置は、プランジャーの先端部31の位置を規定するプランジャー位置決定機構を備え、プランジャーの先端部と液室の内壁が非接触の状態でプランジャーを進出移動および進出停止することで液体材料に慣性力を与えて液滴の状態で吐出する。
【0043】
図2は、実施例2の装置の構成図である。本装置は、本体71に設けられた長穴55を挿通する固定ネジ54により、ベース70に対する本体71の位置を調節することが可能である。すなわち、固定ネジ54をゆるめて本体71がベース70に対し可動とし、位置規定部材40により本体71の位置を調節し、固定ネジ54を締めて本体71をベース70に固定する。
【0044】
位置規定部材40は、本体71と吐出ユニット57との間に配設される。位置規定部材40は、円筒状の前方凸部と、円筒状の後方凸部と、これらを連結する円盤状の回転ツマミとから構成される。位置規定部材40の中心軸上には、貫通孔が設けられており、この貫通孔にプランジャーのロッド部30が挿通される。前方凸部は円柱状で、外周面に吐出ユニット57の備える後方凹部に螺合するためのネジ溝を有する。回転ツマミは、表面に位置表示部材(移動量確認部材)に相当するメモリを構成しており、回転した角度が外部から分かるようになっている。回転ツマミにより位置規定部材40の位置の変化を定量的に知ることができる。後方凸部は本体71に設けられた凹部に挿入される。
【0045】
ピストン33は、前方に突出する前方当接部32と、後方に突出する後方当接部34とを有している。前方当接部32は、前方ピストン室43の内底面と当接し、プランジャーの最進出位置を規定する。すなわち、前方ピストン室43の内底面が前方ストッパー56を構成する。ここで、位置規定部材40の位置を調節することにより、プランジャーの最進出位置における先端部31と液室50の内底面との距離を調節することができる。すなわち、前方当接部32、前方ストッパー56および位置規定部材40が、プランジャーの最進出位置を規定する位置規定機構を構成する。
【0046】
吐出ユニット57の先端部には、ノズル部材10が螺挿される。ノズル部材10内の液室50には、貯留容器80から液体材料が供給される。
実施例2では、圧力調整器B96により所望の圧力に調圧された圧縮空気が貯留容器80に供給される。圧力調整器B96は、例えば、減圧弁または減圧弁とバッファタンクとの組み合わせから構成される。制御部90は、供給圧力を液体材料の性質に応じて変えることができ、例えば、高粘性材料を吐出する場合には比較的高い圧力を供給する。
【0047】
以上に説明した実施例2の装置によれば、プランジャーの先端部が弁座に接触しないため、プランジャーロッドや弁座が磨耗せず、また、クリーム半田等のフィラー入りの液体材料であっても良好な吐出を行うことが可能である。
【実施例3】
【0048】
実施例3の装置は、ピストン室49の大きさ可変とする移動部材41を、ピストン室49の下方(前方)に備える。また、貯留容器80に所望の圧力を印加する電磁切替弁B98と、減圧弁B99を備える点で、実施例2の装置と相違する。
図3は、実施例3の装置の構成図である。本実施例の本体71は、上下方向の長さがベース70と比べ充分に短く(本体71の長さがベース70の半分以下であり)、ピストン室49を構成する底面が開放された空間を有している。本体71内の空間を摺動自在に配設されたピストン33は、側周面にシール部材A35が設けられており、気密の後方ピストン室44を形成する。本体71の下端部内周にはネジ溝が形成されており、外周にネジ溝が形成された移動部材41が螺挿される。
【0049】
移動部材41の外周ネジ溝と本体71の下端部内周ネジ溝とからなるネジ機構(位置調節機構)により、ピストン室49の大きさを変えることができる。本実施例では、移動部材41を正方向に回転して締めることによりピストン室49を狭め、移動部材41を逆方向に回転して緩めることによりピストン室49を広げることができる。
移動部材41を鉛直方向に貫通孔には、スプリング47が挿通される。スプリング47はその一端がピストン33に当接または固定され、もう一端が吐出ユニット57に当接または固定される。
【0050】
本実施例のピストン33も、実施例2と同様、前方に突出する前方当接部32を有している。この前方当接部32は、移動部材41の後端面と当接して、プランジャーの最進出位置を規定する。すなわち、移動部材41の後端面が前方ストッパー56を構成する。そして、前方当接部32、前方ストッパー56および移動部材41が、プランジャーの最進出位置を規定する位置規定機構を構成する。
【0051】
本実施例では、プランジャーを着座させて吐出することも、プランジャーを着座させないで吐出することも可能である。例えば、移動部材41を大きく緩めて下方に移動させ、ピストン33の当接部32を大きく前進可能とすることで、プランジャーの先端部31が液室50の内底面に当接する最進出位置を規定することが可能である。この状態から、移動部材41を締め込み、プランジャーの最進出位置を後退させると、プランジャーの先端部31が液室50の内底面に当接しない最進出位置を規定することが可能である。
【0052】
吐出ユニット57の先端部には、ノズル部材10が螺挿される。ノズル部材10内の液室50には、貯留容器80から液体材料が供給される。
実施例3では、減圧弁B99で調圧した圧縮エアを電磁切替弁B98を介して貯留容器70に供給する。電磁切替弁B98は、制御部90の指令に基づき作動し、減圧弁B99と貯留容器80を連通する位置と、貯留容器80と外気とを連通する位置とを切り替える。貯留容器80を他の貯留容器と交換する際に、電磁切替弁B98を貯留容器80と外気とを連通する位置に切り替えることにより、圧縮エアの無駄な消費を防止することができる。
【0053】
以上に説明した実施例3の装置によれば、実施例2と同様の効果を奏することが可能である。また、貯留容器を他の貯留容器と交換する際に、圧縮エアの無駄な消費を防止することができる。
【実施例4】
【0054】
実施例4の装置は、圧力調整器95に代え、調圧器(減圧弁)91、バッファタンク92および増圧器93を備える点で、実施例3の装置と相違する。
プランジャーの移動速度は、後方ピストン室44に供給されるエアの圧力の大きさに比例するため、プランジャーを高速移動させるためには高圧のエアを供給する必要がある。そこで、本実施例では、実施例3の圧力調整器95に代え、減圧弁91、バッファタンク92および増圧器93を設けた。
【0055】
図4は、実施例4の装置の構成図である。減圧弁91は、増圧した圧縮エアの圧力のばらつきを無くすための減圧弁であり、増圧された圧縮エアを所望圧力に調圧し、電磁切替弁72に供給する。増圧器93は、圧力供給源94から供給されるエアの圧力を増圧する。増圧器93と減圧弁91とを連通する流路に配設したバッファタンク92は、増圧された加圧エアを一時貯留することで脈動の発生を防止する。ここで、バッファタンク92は、減圧弁91と電磁切替弁72とを連通する流路に設けてもよい。さらには、増圧器93と減圧弁91とを連通する流路に第1のバッファタンクを設け、減圧弁91と電磁切替弁72とを連通する流路に第2のバッファタンクを設けてもよい。
【0056】
また、本実施例の装置は、移動部材41とピストン33との間にスプリング47が保持されている。このため、移動部材41の本体71に対する距離を調節することにより、プランジャーのストロークとスプリング47の付勢力が同時に調節される構成である。すなわち、本体71に対し移動部材41を下方に移動するとプランジャーの最進出位置が進むと共にバネの付勢力が弱まり、本体71に対し移動部材41を上方に移動するとプランジャーの最進出位置が後退すると共にバネの付勢力が強まる。
【0057】
本実施例の装置は、増圧された圧縮エアを調圧する減圧弁91と、増圧された圧縮エアを一時貯留するバッファタンク92とを備えているため、プランジャーを高速移動させるために必要な高圧のエアを、安定供給することが可能である。
【実施例5】
【0058】
実施例5の装置は、プランジャーのストロークと独立してスプリングの付勢力を調節する機構(付勢力調節機構)を備える点で、上述した各実施例の装置と相違する。また、電磁切替弁、調圧器、増圧器および制御部を集約させた制御装置97を備える点でも相違する。
本実施例の装置は、本体71の上下方向の長さがベース70と比べ充分に短い点で実施例3と類似するが、前方当接部32がプランジャーのロッド部30に設けられている点で実施例3と相違する。
【0059】
図5は、実施例5の装置の構成図である。本実施例の本体71は、上下方向の長さがベース70と比べ充分に短く(本体71の長さがベース70の半分以下であり)、ピストン室49を構成する底面が開放された空間を有している。本体71内の空間を摺動自在に配設されたピストン33は、側周面にシール部材A35が設けられており、気密の後方ピストン室44を形成する。本体71の下端部内周にはネジ溝が形成されており、外周にネジ溝が形成された移動部材41が螺挿される。
【0060】
移動部材41と本体71との距離を調節可能とするネジ機構を備え、ピストン室49の大きさを変えることができる点は、実施例3および4と同様である。また、スプリング47が移動部材41の後端面とピストン33の前端面に挟んで保持される点は、実施例4と同様である。しかし、本実施例では、プランジャーの最進出位置が、位置規定部材40により規定される点で実施例4と相違する。
本実施例では、移動部材41を正方向に回転してマイクロメータ46の方向に進めるとスプリング47を挟圧する力が増大し、逆方向に回転してノズル部材10の方向に進めるとスプリング47を挟圧する力が減少する。すなわち、移動部材41によりプランジャーの後退移動速度を規定するスプリング47の弾性力を調節することで、プランジャーの後退速度をプランジャーのストロークと独立して調節することが可能である。
【0061】
プランジャーのロッド部30は、太径部と細径部とから構成され、細径部は移動部材41の下方に配置されるガイド45に挿通され、左右にぶれないようにガイドされる。ロッド部30の太径部の先端面が、前方当接部32を形成する。
プランジャーの最進出位置は、前方当接部32が位置規定部材40の後端部を形成する前方ストッパー56に当接することにより規定される。位置規定部材40は、ガイド45と吐出ユニット57との間に配設される。位置規定部材40は、円筒状の前方凸部と、円筒状の後方凸部と、これらを連結する円盤状の回転ツマミとから構成される。位置規定部材40の中心軸上には、貫通孔が設けられており、この貫通孔にプランジャーのロッド部30の細径部が挿通される。
【0062】
以上に説明した実施例5の装置によれば、プランジャーの最進出位置の調節のみならず、スプリング47の弾性力を調節してプランジャーの後退移動速度を調節することが可能である。
【実施例6】
【0063】
実施例6の装置は、流量制御弁73を備える点で、実施例5の装置と相違する。すなわち、実施例6の装置は、移動部材41によるスプリング47の付勢力を調節する機構に加え、流量制御弁73によっても、ピストン33の後退速度を調節することが可能である。
【0064】
図6は、実施例6の装置の構成図である。
図6の装置では、電磁切替弁72のエア排出口76に流量制御弁73が接続されている。電磁切替弁72が、後方ピストン室44とエア排出口76とを連通する第2位置を取ると、後方ピストン室44内の圧縮エアがエア排出口76から排出されるが、この際、エアの排出流量を流量制御弁73で制御することにより、プランジャーの後退移動速度をコントロールすることができる。
【実施例7】
【0065】
実施例7は、実施例6の装置とは異なる位置に流量制御弁73を備えた装置を開示する。
図7は、実施例7の装置の構成図である。実施例7の装置では、前方ピストン室43の側方に設けられた開口に流量制御弁73が配設されている。また、本実施例では、移動部材41の後部が前方ピストン室43の壁面を構成する。移動部材41の中心軸上に設けられた貫通孔(ロッド部30が挿通される孔)にシール部材C37を設けることで前方ピストン室43を気密とし、流量制御弁73による調節効果を高めている。
【0066】
実施例7では、移動部材41によりスプリング47のたわみ度を制御することでピストン33の後退移動速度を調節すると共に、前方ピストン室43に流入するエアの流量を制御することで、ピストン33の後退移動速度を調節することができる。
なお、電磁切替弁72のエア排出口76に第2の流量制御弁を設け、2つの流量制御弁によりプランジャーの後退移動速度をコントロールするようにしてもよい。
【実施例8】
【0067】
実施例8は、スプリング(弾性体)47として、引張コイルばねを用いた装置を開示する。
図8は、実施例8の装置の構成図である。実施例8の装置では、引張コイルばねであるスプリング47が後方ピストン室44内に配設され、ピストン33および移動部材41に挟まれて保持される。すなわち、スプリング47は、一端がピストン33の後部に取り付けられ、他端が移動部材41の前部に取り付けられ、ピストン33に後退方向の付勢力を与えている。
【0068】
移動部材41は、本体71の上部(後部)に螺挿され、移動部材41の下部(前部)が後方ピストン室44の壁面を形成する。移動部材41の外周ネジ溝と本体71の下端部内周ネジ溝とからなるネジ機構(位置調節機構)により、ピストン室49の大きさを変えることができる。
移動部材41の中心軸上に設けられた貫通孔にシール部材D38を設けると共に本体71と移動部材41との間にシール部材E39を設け、後方ピストン室44を気密としている。移動部材41の中心軸上に設けられた貫通孔には、マイクロメータ46が挿通される。マイクロメータ46と連結される後方ストッパー42は、移動部材41に対し相対的に移動し、ピストン33と当接して最後退位置を規定する。
【0069】
マイクロメータ46を正回転させ、後方ストッパー42の移動部材41に対する位置を進出させると、スプリング47の伸びは大きくなり、ピストン33をより速く後退移動させることができる。
マイクロメータ46を逆回転させ、後方ストッパー42の移動部材41に対する位置を後退させると、スプリング47の伸びは小さくなり、ピストン33の後退速度がより緩やかになる。
【0070】
プランジャーの移動距離(ストローク)は、後方当接部34が後方ストッパー42と当接する位置から前方当接部32が前方ストッパー56と当接する位置までとなる。移動部材41の位置、マイクロメータ46の回転度、および位置規定部材40の位置を適宜調節することにより、プランジャーのストロークを調節ことができる点は、他の実施例と同様である。
本実施例でも、電磁切替弁72を第1位置に切り替え、後方ピストン室44に圧縮エアが供給することで、ピストン33にスプリング47の付勢力に打ち勝つ進出力を与え、プランジャーを前進移動させることで吐出が行われる。